今日の産経ニュースほか(2020年3月30日分)(注:TBSドラマ「テセウスの船」のネタバレがあります)

志村けんが亡くなった - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)にコメント
 志村けんが亡くなった - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)でコメントしようかとも思いましたが長くなりますので。

 成功して大御所になると、バラエティ番組やトーク番組など、司会業にシフトします。ビートたけししかりタモリしかり明石家さんましかり。ここで名前を出したのは、世にいう「お笑いBIG3」ですが、現在引退していますが、島田紳助などもそうでしょう。そちらのほうがテレビ局なども使いやすいし、また本人の負担も軽い。
 ところが志村は、『天才!志村どうぶつ園』などもありましたが、基本的にコメディアンとしての活動が中心で、俳優活動も、映画出演はザ・ドリフターズの映画をのぞくと、高倉健直々の出演依頼があったという『鉄道員(ぽっぽや)』くらいであり(あと若干声優活動があるといいます)、テレビドラマの出演も、昨日(3月30日)初回のNHK朝の連続テレビ小説『エール』が初出演だったくらいです(志村の登場は、4月末からとのこと)。上でご紹介した山田洋次監督の『キネマの神様』への出演と、その出演辞退が報じられましたが、これがまさに『鉄道員(ぽっぽや)』以来の映画出演になるはずでした。
 志村からするとトークが苦手とかいろいろ理由はあったのでしょうが、そう考えると「コメディアン、お笑いタレントバカ一代」(この「バカ」とは、もちろん馬鹿にしているわけではありません。尊敬しているのです*1。念のため)といってもあながち間違ってはいないかなと思います。

 ご指摘の通りで司会業に移行する(あるいはお笑いの仕事も続け、司会業に移行しないまでも司会業が増える)人間が多いですよね。
 小生が思いつくままに上げれば、

NHKあさイチ』司会の博多華丸・大吉
・日テレ『世界の果てまでイッテQ!』司会の内村光良(お笑いコンビ『ウッチャンナンチャン』のメンバー)
・日テレ『スッキリ』司会の加藤浩次
・TBS『サンデージャポン』司会の爆笑問題
・TBS『ひるおび!』司会の 恵俊彰(お笑いコンビ『ホンジャマカ』のメンバー)

などがいますね。
 俳優業に移行(あるいはお笑いの仕事も続け、俳優業に移行しないまでも俳優業が増える)というのも思いつくままに上げれば、

・ドリフ解散後のいかりや長介(元ドリフターズ
・2004年には文化庁文化交流使としてロンドンに演劇留学している小宮孝泰(元コント赤信号(現在は解散))
・フジテレビドラマ『古畑任三郎』出演(西園寺刑事役)で知名度を上げた石井正則(元お笑いコンビ「アリtoキリギリス」(現在は解散))
テレビ朝日森村誠一の終着駅シリーズ(1996年~、主役・牛尾正直刑事役)などの片岡鶴太郎

などがいますね。
 なお、最近話題になった*2TBSテレビドラマ『テセウスの船*3』でも、

◆田中正志(せいや(お笑いコンビ「霜降り明星」のメンバー))
 容疑者の一人。ドラマ『テセウスの船』 隠されていた真のテーマ(堀井憲一郎) - 個人 - Yahoo!ニュースによれば真犯人。
◆田村慎吾(澤部佑(お笑いコンビ「ハライチ」のメンバー))
 容疑者の一人。主人公・田村心(竹内涼真)の兄。
◆徳本卓也(今野浩喜(お笑いコンビ「キングオブコメディ(現在は解散)」の元メンバー))
 容疑者の一人。
◆馬淵(小籔千豊
 宮城県警の監察官。

ということでお笑い芸人が重要な役で出演しており、今やお笑い芸人のドラマ出演は何ら珍しくなくなっています(『テセウスの船』は好評だったと言うことはおそらく彼らお笑い芸人の演技も「名演技」かどうかはともかく、見るに堪えないような酷い物ではなかったのでしょう)。
 そこにはやはり「お笑いは大変だ」という面があるのだろうとは思います。

・志村より先に亡くなったドリフのメンバーで、荒井注が亡くなったのが71歳、いかりや長介も72歳で、だいたい志村と同じ年齢です。突然死だった荒井、がんだったいかりやと死因は違いますが、70歳の志村は、だいぶこのお2人より若いイメージがあったと思います。俳優として成功した2人と違って、一般の俳優としてあまり活動しなかったなど芸能人としてのベクトルがだいぶ違っていたのも確かだし、また1928年生まれの荒井と1931年生まれのいかりやらと、1950年生まれの志村ではやはり世代と時代が違ったということも言えたと思います。荒井やいかりやの時代の70歳と志村の時代(まさに「現在」です)の70歳とでは、年齢の座標軸が根本的に異なっていたのでしょう。

 別記事で書きましたが、NHKドラマ『最後の自画像』(1977年)の時代は「55歳定年」ですからね。ドラマ内でも55歳で定年した人間のことが普通に「おじいさん」と呼ばれる。現代では一寸考えられない話です。
 また「思ったよりも若死にと言えば」、以前も別記事で書きましたが、小生的には

【死亡年順】
手塚治虫(1989年死去、享年60歳)
藤子・F・不二雄藤本弘)(1996年死去、享年62歳)
石森章太郎(1998年死去、享年60歳)

がいますね。あまりにもマンガ家歴が長く、作品数も多いのでもっと高齢で死んでいたかと当初思い込んでいましたので。
 まあ、藤子F(1933年生まれ)とほぼ同年齢の「藤子不二雄A(1934年生まれ)」、石森(1938年生まれ)とほぼ同年齢の「ちばてつや(1939年生まれ)」が存命であることを考えれば、藤子Fや石森が早死にだと言うことには気づく話ではあります。
 

【参考:テセウスの船】

ドラマ『テセウスの船』 隠されていた真のテーマ(堀井憲一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
 話題だったドラマ『テセウスの船』が高視聴率で終わった。
 やはり真犯人が誰なのか最後までわからなかった*4のが、高い視聴率につながったのだろう。
◆『テセウスの船』キャスティングからの推理(犯人ネタバレあり)
 意外といえば意外な犯人、ただ、もともと「犯人の可能性のある怪しいリスト」に入っている一人だったから、それなりに納得する真犯人であった。
 最終話まで真犯人がわからないドラマの構成は、なかなか難しい。
 それまでの伏線だけではなく“最終話で初めて暴露される新事実”によって犯人の動機が語られることが多く、そのため真面目に予想してる人から反感を買いやすいからだ。
 かといって前週までの伏線でほぼ犯人が特定できるものなら、みんなにあっさり予想され、予想通りでつまらないと落胆されてしまう。
 「多くの登場人物が怪しいまま」で最終話まで運び、そして「意外ではあるが、納得できる人物」を犯人に指名しないといけない。
 なかなかむずかしい。
 『テセウスの船』は、少なくとも“轟々たる非難”を浴びてない、というところから判断して、そこそこ納得されたということであろう(視聴者の誰ひとり不満を持たないドラマは存在しないので、“轟々たる”非難を浴びなければ、成功と判断していいと私はおもう)。
 「意外性」のひとつはキャスティングにあった。(以下、真犯人ネタバレです)。
 「怪しい」と並べられた人たちはだいたい一癖も二癖もある名バイプレイヤーが多く、そのなかに真犯人がいるだろうと予想されたが、実際は演技歴のもっとも浅いお笑い芸人が真犯人役を演じたのだ(“霜降り明星”のせいや)。
 その意外性である。
 これだけ注目を集めたドラマのラストを、あまり演技慣れしてるとはいえない若い芸人に任せるという、その冒険心に驚かされたのだ。
 まさか(ボーガス注:テレビドラマ出演経験のほとんどない若手のお笑い)芸人が犯人じゃないだろうと、ちょっと高をくくっていたのだ((ボーガス注:お笑いコンビ「キングオブコメディ(現在は解散)」の元メンバー)今野浩喜は(ボーガス注:ドラマ出演が全く珍しくなくなっているので)もう役者である)。
 ストーリーとは別にキャスティングから犯人を推理するというのが、いまどきのひとつの主流であり、それを逆手にとったところが、したたかな展開だったようにおもう。


安倍首相「デマが流れている」 「4月1日緊急事態宣言」を否定 - 産経ニュース
 デマを流布していい訳ではないですが、
1)安倍や小池が「危機的状況」としてやたら危機感を煽ったこと
2)安倍や小池が「習主席訪日(あるいは東京五輪)は予定通りやる」と言った直後に前言撤回し延期したこと
がこうしたデマを助長してるのですが、安倍や小池の言動にも問題があったとは安倍も小池も思わないのでしょうねえ。安倍や小池の無責任さにはげんなりします。


政府、31日に「産業遺産情報センター」設置 徴用工、差別なし説明 - 産経ニュース

軍艦島の元島民の証言動画や給与明細などを紹介し、朝鮮半島出身者が差別的な扱いを受けたとする韓国側の主張とは異なる実態を伝える。
・情報センターは東京都新宿区の総務省第2庁舎別館に設置する。
・情報センターの設置は、韓国側の主張を受けた朝鮮半島出身の犠牲者を記憶にとどめるための措置。世界遺産登録への反発を避けるため、日本政府が平成27年に軍艦島を含む登録施設の一部に「意思に反して」連れてこられた朝鮮半島出身者の存在を認め、センターの設置を決めた。

 「韓国側の言い分(軍艦島での労働は違法、不当な強制労働)を受け入れて設置したはずの施設」で今になって「韓国側の主張を全否定しようとする」とは事実ならば「正気なのか」と心底呆れますね。不誠実でデタラメにもほどがある。さすが「モリカケ」「桜を見る会」「検事長定年延長」の安倍です。ここまで無茶苦茶な人間・安倍を支持できる人間の気が知れません。
 日本人として心底情けないし恥ずかしい。
 虚偽宣伝を理由に、ユネスコ軍艦島世界遺産登録を取り消したらどうか。あるいはいっそ、軍艦島端島炭鉱)だけじゃなくて「明治日本の産業革命遺産軍艦島が入ってる)」全部取り消したらどうか。こんなもん放置したらユネスコの中立性が疑われるでしょう。
 しかし安倍も「習主席訪日要請」など中国にはへいこらしながら「ホワイト国除外の次にこれ」とはどこまで韓国を舐めているのか。
 なお、

 情報センターを運営する一般財団法人「産業遺産国民会議」の加藤康子専務理事

とやらは、ウィキペディア加藤康子」によれば

・2015年7月2日より2019年7月31日まで、安倍晋三内閣における内閣官房参与(産業遺産の登録および観光振興を担当)を務めた。
・父親は中曽根内閣国土庁長官農林水産大臣などを歴任した加藤六月衆院議員(安倍晋太郎派)。第二次安倍内閣官房副長官、第三次安倍内閣一億総活躍等担当相、自民党総務会長などを経て現在、第四次安倍内閣厚労相加藤勝信衆院議員は義弟。

という安倍人脈です。
 それにしても

「産業遺産情報センター」を東京都内に設置する

ということで設置場所が長崎ではなく「軍艦島から遠く離れた東京」といい

 31日の記念式典は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて関係者のみで行い、一般公開は当面見送る。

といい安倍も内心ではかなり後ろめたさを感じてるのではないか。コロナ云々はおそらく「ただの言い訳」ではないか。


東京五輪、準備期間を優先し7月23日に開幕 「サクラ五輪」はリスク高く - 産経ニュース
 暑さ対策を考えれば、時期的には「秋の五輪がベスト」だと思いますが結局、そうはならなかったわけです。
 「夏休み時期だと集客確保ガー、学生ボランティア確保ガー」てそんなことは「猛暑の危険性」を無視して良い理由にはならないと思いますね。


河井案里参院議員、救急搬送 薬を多量に服用 - 毎日新聞
 「自殺を発作的に図った」あるいは「精神的不安から薬を大量服用し、危機的状態になった(主観的には自殺を図ってない)」てことでしょうか。そんなんだったら議員を辞めろよと思いますけどねえ。もはや河井夫妻の主観では「UR疑惑の甘利*5などのようにはかばってくれない」「安倍に完全に見すてられた」ということなのでしょう。もはや「河井夫妻の起訴」は「不可避」で、それよりも「安倍自民の不正追及」にどこまで行けるかという方向に話が変わりつつある気がします。
 なお、過去にも

新井将敬衆院議員(自民)
 証券会社へ違法な利益要求をした疑惑が浮上。衆議院議院運営委員会で逮捕許諾請求が可決されて本会議で逮捕許諾決議が採決される直前に首つり自殺(1998年死去)
中島洋次郎衆院議員(自民)
 受託収賄容疑で起訴され一審、二審で有罪判決→上告中に首つり自殺(2001年死去)
松岡利勝・第一次安倍内閣農水相衆院議員、自民)
 緑資源機構談合事件、事務所費疑惑で名前が浮上→首つり自殺(2007年死去)

といった不正追及を苦にした議員の自殺事件はあります。

*1:1970年代に週刊少年マガジンに連載された『空手バカ一代』(原作・梶原一騎、画・ つのだじろう。主人公のモデルは大山倍達)を知ってればそう言う誤解もないでしょうが、知ってる人間も若い人では少ないでしょう

*2:小生は見ていませんが。

*3:講談社『モーニング』で2017年30号から2019年30号まで連載されたマンガ(東元俊哉原作)のドラマ化

*4:マンガが原作なので原作を読めば犯人が分かる気がしますが1)原作とは犯人が違うのか、2)単に原作まで読む人間が少ないだけの話か、気になるところです。

*5:第二次、第三次安倍内閣経済財政担当相を辞任したがその後、自民党選対委員長を経て現在、自民党税制調査会