今日の産経ニュース(2022年8/13分)(副題:安倍暗殺続報ほか)(追記あり)

安倍氏は日本政界の「ラスト・サムライ」 月刊朝鮮元編集長、趙甲済氏 - 産経ニュース
 吹き出しました。安倍のどこが「ラストサムライ」なのか。
 「ラストサムライ」はフィクションですが映画で描かれた侍たちは「信念*1のために自らの命を惜しまなかった」。安倍は明らかにそんな人間ではない。むしろ「安倍を暗殺した山上」の方がよほど「ラストサムライ」的でしょう。
 そしてこれは岸田首相ら自民党政治家を「安倍に比べれば大いに落ちる」といってるわけですから、自民党執行部にとっては酷い侮辱です。しかし、朴正熙もそうですがこういう「日本ウヨに媚びる輩」も韓国にはいるわけです。
 新刊紹介:「前衛」2022年9月号(副題:藤子F『定年退食』の紹介、ほか) - bogus-simotukareのブログで批判した「反日種族主義」の著者などもその一人ですが。


【産経抄】8月13日 - 産経ニュース

 安倍晋三元首相といえば世界各国の首脳から厚い信頼を受けた外交の名手

 呆れて二の句が継げません。
 「鳩山*2首相の日ソ国交正常化、国連加盟*3」「佐藤*4首相の日韓国交正常化、沖縄返還」「田中*5首相の日中国交正常化」「宮沢*6首相の天皇訪中」「小泉*7首相の訪朝(拉致被害者帰国)」などに匹敵する外交成果が安倍のどこにあるのか。
 各国首脳が「経済大国日本の首相」安倍にリップサービスすることなど何ら「信頼関係」でも「外交成果」でもない。
 勿論百歩譲って安倍に外交成果があったとしても「ニクソン訪中はウォーターゲートを」「田中訪中は金脈疑惑やロッキード事件を」免罪しないように、「安倍の外交成果」は「モリカケ桜疑惑」「レイプもみ消し疑惑」「河井夫婦の公選法違反」「安倍の統一教会との癒着」といった問題点を何ら免罪しません。産経のように「安倍国葬」を正当化する理由には何らならない。


【主張】日野自動車の不正 トヨタも重い責任を負う - 産経ニュース

 日野に約50%を出資する親会社のトヨタについては「不正に対する関与はなかった」とされたが、現在の小木曽聡氏を含めた歴代社長を送り込みながら、グループ会社の不正を見抜けなかったトヨタ側の責任も十分に重い。

 例えばその理屈ならば「慰安婦に問題があったとしても業者の問題で軍の問題ではない」「(桜を見る会疑惑について)秘書がやったことで安倍首相は関係ない」(産経らウヨ)などという居直りは成立しませんが、自分の身内なら平気で「直接の関与がない限り無罪*8」にするのだから産経には呆れます。


米国で作家ラシュディ氏襲われる 「悪魔の詩」著者 - 産経ニュース
 小生のような中年親父(団塊ジュニア)だと、

【1】イラン最高指導者・ホメイニの死刑宣告(1989年)
【2】その後、日本で起こった『悪魔の詩』翻訳者である五十嵐一(筑波大助教授)殺害(1991年)
 2006年に時効が成立(当時の時効は15年)。犯行声明が出なかったこと、犯人逮捕に至らなかったことから「犯人の動機」は不明だが、ホメイニの死刑宣告後の犯行のため、「イスラム過激派」の犯行の可能性が否定できない
→コメント欄で指摘がありますが、「海外逃亡で時効停止」でもない限り逮捕起訴もできませんし、もはや「真犯人の告白」でもない限り、この事件の真相(「悪魔の詩」絡みなのか、そうではなく五十嵐氏個人への恨みなのかなど)は永久に不明でしょう。

を知っていますが最近の若者だと知らないのでしょうね。
 現時点では不明のようですがラシュディ襲撃の動機が「悪魔の詩」と関係してるのかどうか、がやはり気になります(イラン保守派各紙、ラシュディ氏襲撃を称賛 - 産経ニュースというのは勿論犯人の犯行動機とは関係ない話です。なお「襲撃に批判的な欧米政府&肯定的なイスラム保守派」の双方に配慮してでしょうが、今のところイラン政府は沈黙しているとのこと)。
 なお、

サルマン・ラシュディ - Wikipedia
 『真夜中の子供たち』(1980年発表)はインドではいわゆる「ネルー=ガンディー王朝」への攻撃とみなされ、ルシュディはインドを離れることを余儀なくされた。

とのことなので何もラシュディを敵視してるのはイスラム過激派だけではありません。
 当然ずっと命の危険を感じ護衛をつけていたはずなのですが、「首を刺されて病院に搬送*9」とは長い間に油断が生じたと言うことか?
【追記】
イランや過激派に共感か 英作家襲撃、容疑者訴追 - 産経ニュース
 ということでやっと犯行動機について報道が出てきました。
 報道を信じれば「イスラム過激派の主張に共感する人間」で「悪魔の詩」絡みの襲撃らしいが、「過去の活動歴はなく、背後関係なしの単独犯」のようです。

*1:その信念が正しいかどうかはひとまず置きます

*2:戦前、田中内閣書記官長、犬養、斎藤内閣文相を歴任。戦後、自由党総裁、日本民主党総裁を経て首相

*3:日ソ国交正常化でソ連の拒否権行使の恐れがなくなった

*4:吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、池田内閣通産相などを経て首相

*5:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを経て首相

*6:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相

*7:宇野内閣厚生相、宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相などを経て首相

*8:実際には直接の関与があったのを産経が「ない」と強弁してるだけですが

*9:追記:その後の続報(例えば「悪魔の詩」ラシュディ氏、人工呼吸器が外され話ができる状態に…襲撃容疑者は殺人未遂で訴追 : 読売新聞オンライン)によれば命は取り留めたようです。