今日の産経ニュース(2020年4月27日分)

三越伊勢丹が赤字転落へ 110億円、コロナ影響 - 産経ニュース
外食売り上げ、底なしの様相 3月下げ幅が過去最大 - 産経ニュース
 コロナがなくても消費税増税で景気は良くなかったわけですが、全く恐ろしいことになりつつありますね。


岡村隆史さんの失言で謝罪 コロナ巡り、ニッポン放送 - 産経ニュース

 ニッポン放送は27日、お笑いコンビ「ナインティナイン」の岡村隆史さん(49)が同局のラジオ番組で「コロナが明けたら美人さんが風俗嬢やります」などと発言したことについて、番組の公式ホームページで謝罪した。
 岡村さんは24日未明放送の「ナインティナイン岡村隆史オールナイトニッポン」で、新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、「コロナが終息したら絶対面白いことがある」と発言。続けて「コロナが明けたら、なかなかのかわいい人が、美人さんがお嬢(風俗嬢)やります」「短時間でお金を稼がないと苦しいですから」などと話した。
 ニッポン放送は「現在のコロナ禍に対する認識の不足による発言、また、女性の尊厳と職業への配慮に欠ける発言がございました」とし「不快に感じられた皆さま、関係の皆さまにおわび申し上げます」と謝罪した。

 「お笑い芸人なら冗談といえば何でも許される時代ではもはやない」わけです。「島田紳助の芸能界追放」がわかりやすいですが、今や芸能人にもそれなりの良識が求められる。コロナを冗談にするなど許される行為ではない。
 ただ一方で、岡村の発言は「美人の風俗嬢が増えたら嬉しい」などと「冗談としていったから問題」なわけですが、これ(美人云々はともかく、生活苦の女性による風俗業への参入)は正直「一面の真実」ではあるんじゃないか。
 これが「今回のコロナでそのような問題が発生する恐れがあると思います、生活困難者への支援など対策が必要だと思います」なら、誰も岡村を非難しないでしょう。むしろ「岡村を見直した!」になる。


【正論】安定的な皇位継承確保のために 麗澤大学教授・八木秀次 - 産経ニュース
 無料記事ですが、登録していないと途中までしか読めません(小生は登録してるので全文読めますが)。
 しかし、

八木秀次『本当に女帝を認めてもいいのか』(2005年、洋泉社新書y)
小堀桂一郎櫻井よしこ八木秀次『「女系天皇論」の大罪』(2006年、PHP研究所
小堀桂一郎『萬世一系を守る道:なぜ私は「女系天皇」を絶対に容認できないのか』(2012年、海竜社)
谷田川惣『皇統断絶計画:女性宮家創設の真実』(2012年、青林堂
◆平宏『皇室の行方:旧宮家の皇族復帰と必然性』(2014年、幻冬舎ルネッサンス新書)

など、八木や産経らウヨの「皇位継承に関する日頃の論調」を知ってれば「タイトルだけで」「本文は全く読まなくても」落ちは予想がつくでしょう。
 いつもの

女性天皇なんか認めない。男性天皇が日本の伝統だ。戦後、臣籍降下した元皇族(旧皇族)の男性子孫(例:竹田宮恒徳王の孫であるプロ右翼活動家・竹田恒泰)が皇室に復帰すればいいのだ
旧皇族には
・戦前は陸軍航空本部長を、戦後は首相を務めた「東久邇宮稔彦王
など偉い(?)人も沢山いるんだ。子孫が皇族に復帰しても国民の敬愛という面で何の問題もない

という「例の奴」です。
 「復帰したがる元皇族など、どれほどいるのか?」であり「臣籍降下(1947年)から70年以上も経ってから今更復帰しても、国民の敬愛など集められるのか?」、「元皇族が皇族復帰後に、復帰前(臣籍降下した1947年以降、復帰前まで)のスキャンダルが炸裂したらどうするのか?」と言う話です。
 最後に八木の文章にも軽く突っ込んでおきます。

 女性天皇皇位の女系継承を認めれば、皇位継承権者が拡大し、皇位継承は安定するように見える。しかし、そこには多くの問題がある。
 第一は、憲法上の問題だ。憲法は「皇位は、世襲のもの」(2条)と規定する。ここでいう「世襲」とは歌舞伎役者の世襲のような血統上の継承すら要件としない一般の世襲とは異なり、あくまで「皇位世襲」だ。「少なくとも女系ということは、皇位世襲の観念の中に含まれていない」というのが現行皇室典範起草時の政府の憲法解釈だ(昭和21年7月25日、宮内省)。女系継承を織り込んだ女性天皇女性宮家の実現には憲法改正を必要とする。

 八木のここでの主張にはまるで説得力はありません。まず、第一に憲法学界の通説は、「世襲=血縁関係で継ぐこと(女性が継いでも血縁関係がある限り世襲に当たる)」「天皇家においても一般的な世襲と同様の理解で良い」と理解しているので、通説の立場に立つ限り、「愛子さんが天皇になっても」憲法の「世襲」に該当し、八木の言う「憲法改正など必要ありません」。
 第二に「吉田内閣からの集団的自衛権理解(集団的自衛権行使は例外なく違憲)」を安倍政権で「例外的なケースでは行使が可能」と変更し「安保関連法」を制定した今、こんなことを言っても説得力は皆無です。「安保関連法の時のように憲法解釈を変更すれば良い」で終わる話です。
 第三に「女帝実現には改憲が必要だ」と八木が言ったところで大多数の国民は「なら改憲すればいい(ただし女帝関係に限って改憲)」としか思わないでしょう。


【参考:元皇族(旧皇族)復帰論】

旧皇族ウィキペディア参照)
 1947年(昭和22年)に皇籍離脱した11宮家51名の元皇族の総称。旧宮家ともいう。またこの皇籍離脱者(11宮家51名)の子孫も含めた総称で用いられることもある。
皇籍離脱
 これらの宮家が皇籍を離脱することになったきっかけは、昭和20年(1945年)の敗戦である。
 直接的な原因は、GHQの指令により皇室財産が国庫に帰属させられて、従来の規模の皇室を維持できなくなったことである。皇室の活動にかかる予算は基本的に政府の一般会計から支出されていたが、その額は明治43年度(1910年度)に450万円で固定され、昭和22年まで変更されなかった。その間、財政規模の拡大にともなう差額は『山林・有価証券・農地などの皇室保有の財産』からまかなわれていた。これらの独自の財源が国庫に帰属したことにより、皇室はその活動費の大半を失ったのである。その結果、昭和天皇実弟である秩父宮大正天皇の次男)、高松宮大正天皇の三男)、三笠宮大正天皇の四男)の3宮家のみを残し、他の11宮家(朝香宮賀陽宮閑院宮北白川宮久邇宮竹田宮、梨本宮、東久邇宮東伏見宮伏見宮山階宮)は全て皇籍離脱させることになった。

旧皇族の皇籍復帰を=衛藤首相補佐官:時事ドットコム
 衛藤晟一*1首相補佐官は21日夜のBSフジの番組で、安定的な皇位継承を実現する方策について「旧皇族の中に大勢の独身男性がいる。その方々がどういう形で皇籍を取得することが可能かだ」と述べ、戦後に皇籍離脱した旧皇族皇籍復帰を検討すべきだとの考えを示した。
 「今まで126代にわたって男系(の皇位継承)で続いている」と語り、女系天皇に安易に道を開くべきではないと強調した。

旧宮家男子の皇族復帰を可能に 自民有志の提言案 - 産経ニュース
 安定的な皇位継承に向け、自民党保守系有志議員による「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」(代表幹事・青山繁晴参院議員)がまとめた提言案が20日、分かった。例外なく父方に天皇がいる男系の継承を堅持し、旧宮家の男子の皇族復帰を可能とする皇室典範の改正か特例法の制定が柱。
 男系維持のため、旧宮家の男子が現在の皇族の養子か女性皇族の婿養子となるか、国民の理解に基づく立法措置後、了承の意思があれば皇族に復帰できるようにする。

旧宮家の皇籍復帰「選択肢として検討を」 国民・大塚参院会長 - 産経ニュース
 国民民主党大塚耕平*2参院議員会長は21日の記者会見で、皇位の安定継承に関して「敗戦に伴いGHQ(連合国軍総司令部)の事実上の命令によって皇籍離脱した11宮家の扱いをどうするのか。これは今後の皇位の安定継承と密接に関わる問題だ」と述べ、戦後に皇籍を離れた旧宮家皇籍復帰も選択肢として検討すべきだとの考えを示した。
 「戦後レジームからの脱却を掲げ、歴代最長政権を演じている安倍晋三政権として、これに無関心であるということはあってはならない」と語り、政府に取り組みを求めた。

 「国民民主党って本当にどうしようもねえな、これが元代表なんだからなあ。櫻井よしこと見分けがつかんがな」「何でそんなに女帝に反対するの?」と心底呆れます。

改憲へ「総裁4選覚悟を」 麻生氏、旧皇族復帰も提案 - 産経ニュース
 麻生太郎*3副総理兼財務相は10日発売の月刊誌「文芸春秋」のインタビューで(中略)女系天皇を認めることは「あり得ない」と否定。安定的な皇位継承策として戦後皇籍を離脱した11の旧宮家に触れ「未婚男子を皇籍に復帰させることを考えるべきだ」と唱えた。

旧皇族子孫の現状承知せず 政府、皇位継承めぐる答弁書 - 産経ニュース
 政府は31日の閣議で、占領下で皇籍を離脱した旧皇族の子孫に関し「現状について承知していない」とする答弁書を決定した。安定的な皇位継承策をめぐり、保守派の中には男系維持のため、旧皇族の男性子孫の皇籍復帰が望ましいとの意見がある。
 立憲民主党の熊谷裕人参院議員の質問主意書に答えた。

「旧宮家の皇籍復帰も選択肢に」 維新・藤田氏 安定的な皇位継承策 - 産経ニュース
 日本維新の会の藤田文武衆院議員は19日の衆院予算委員会で、安定的な皇位継承策をめぐり、男系維持のための継承策として有力視される旧宮家旧皇族)の皇籍復帰について、「旧宮家の方々から何らかのお力をお借りするという選択肢は閉じてしまうべきではない」と述べた。

安倍首相「70年越しに『旧宮家』を皇族復帰」という切り札 | デイリー新潮
 首相自身、かつて野党時代にはこんな論文を寄せていた。以下「文藝春秋」2012年2月号より抜粋する。
〈敗戦という非常事態で皇籍を離脱せざるを得なかった旧宮家の中から、希望する方々の皇籍復帰を検討してみてはどうだろうか〉
三笠宮家や高円宮家に、旧宮家から男系男子の養子を受け入れ、宮家を継承していく方法もある。現行の皇室典範では、皇族は養子をとることができないことになっているが、その条文だけを特別措置によって停止させればよい〉
 さらには、
〈敗戦後長きにわたって民間人として過ごされた方々が急に皇族となり、男系男子として皇位継承者となることに違和感を持つ方もおられよう。そうした声が強ければ、皇籍に復帰された初代に関しては皇位継承権を持たず、その次のお子さまの代から継承権が発生するという方法も考えられよう〉
 実際に、安倍首相のブレーンである八木秀次・麗澤大教授は、こう明かすのだ。
「実は、有識者会議の結論はすでに見えています。それは『女性宮家創設』『旧宮家皇籍復帰』の2案を両論併記するというものです。今回の会議は、一つの方向性を打ち出すのではなく、政府として初めて旧宮家の復帰をオーソライズすることに重きを置くわけです。国民の理解が進んでいないことを踏まえつつ、総理は最終的にはソフトランディングさせたい。その第1段階として秋の会議を捉えているのだと思います。現に総理は、野党時代の終盤に旧宮家の方々と知り合い、今もお付き合いが続いていると聞いています」
 が、そこは疑問の声も上がるわけで、さる宮内庁関係者によれば、
「離脱された方々と現在の皇室との繋がりとなると、実に600年ほど遡らねばなりません。そもそも、臣籍降下した後は一般社会に身を置き、皆さん世俗にまみれて暮らしているわけです。その後の暮らしをみると、たとえば昭和の時点ですでに、消費者金融や風俗店経営に携わっているような末裔もいました。国民感情としては、70年の時を経ていきなり“血が繋がっているので復帰します”と言われても受け入れがたいのではないでしょうか」

安倍首相の旧皇族復帰プランで浮上、ベールに包まれた「東久邇宮家」に6人の男子 | デイリー新潮
 “安定した皇位継承”を成すべく、安倍首相が提唱する旧皇族の復帰プラン。男系男子を皇族の“養子”として迎え、その次の世代から皇位継承権を発生させるという案(安倍首相が「文藝春秋」2012年2月号に寄せた論文より)だが、これには疑問の声も上がる。1947年に皇籍を離脱した人々を、70年の時を経て復帰させることに対する、国民感情である。
 旧皇族をめぐっては、かつては“事件”も起きていた。12年前に84歳で亡くなった旧梨本宮家の梨本徳彦氏のケースである。
「徳彦氏はもともと久邇宮の血筋で、1943年に臣籍降下した伯爵家の当主でした。66年には梨本家に養子に入り、旧宮家を継ぐことになったのですが、他人を疑わずすぐに信用してしまう性格が災いし、トラブルを招くことになりました」とは、さる皇室ジャーナリストである。
「自身が名誉総裁に就任していた団体が、元皇族という肩書を利用して寄付集めをし、詐欺の疑いをかけられたのです。徳彦氏も警察の事情聴取を受けるはめになりました。その後、出羽三山の一つ・羽黒山の山伏だった男性が、皇室とは無関係にもかかわらず家に入り込んだ。徳彦氏は彼と養子縁組し、梨本家を継がせてしまったのです」
 結果、旧梨本宮家は断絶。が、こうした宮家ばかりでないのは言うまでもない。
「現在、旧宮家の男系の血を引く子孫には、少なくとも10人の独身男子がいるとされます。内訳は、久邇家と竹田家に1人ずつ、賀陽家に2人、そして東久邇家の系統に6人というものです」(同)
 なかでも東久邇家の存在が、にわかに脚光を浴びているという。
 (ボーガス注:2019年)3月20日、国会でも同家の話題が取り上げられていた。
参院の財政金融委員会で、国民民主党大塚耕平議員が“東久邇宮さまの系譜に男子が随分いらっしゃるがご存じか”“血統的には天皇家に近いのか”などと出席した宮内庁幹部に質問したのです。答弁に立った安倍総理は、あらためて“男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みを踏まえ、(法的な工夫を)慎重に検討していきたい”と述べていました」(全国紙のデスク)
 国士舘大学百地章・特任教授が言う。
旧宮家の復帰に否定的な『女性・女系天皇』容認派はこれまで、天皇の直系、または血縁が近いことを重視する傾向がありました。この点、東久邇家は男系の継承者であるのはもちろん、女系においても今上天皇と血縁関係が濃いわけですから、おそらく抵抗感も薄まるのではと思います」
「かつて皇室には『世襲親王家』が4家*4あり、天皇家に男系の血筋が途絶えた際、その家から天皇を出してきました。まさしく“血のリレー”で、戦後はGHQの意向によって失われてしまったこの仕組みを、再び作るべきです。」
「現代に強制結婚などあり得ませんから、内親王や女王と一緒になるという意味では決してありません。まずは宮家に養子入りし、独立する時にはその宮家を継ぐ、あるいは新たな宮号を戴くなどの方法があるでしょう。皇室典範で養子が禁じられているのは、一つは皇族が増えすぎて皇族費が枯渇する恐れがあったから。今は減少が危ぶまれているのだから、禁止は不要だと思います。実際に、旧宮家の若い男性の中には『いざとなれば……』と、決意を固めている人もいます」
 つまり安倍政権は、20代以下の男系男子のいる四つの旧宮家に思いを定め、中でも東久邇家をクローズアップさせ、意見集約していく狙いがあるというわけだ。
 とはいえ、間もなく始まる議論では、80%を占める「女性天皇」容認の“世論”と対峙する格好になる。
 皇室制度に詳しい所功*5京都産業大学名誉教授は、「古来皇室を離れた子孫の皇族復帰は、旧皇室典範の増補でも禁止されていました。したがって、本質的には好ましくありませんが、皇族減少の危機を克服するため、旧宮家の復帰も必要ならば、一般国民たる当家と当人の意向や資質などを具体的に確かめてほしいと思います」
 急浮上した当の東久邇家。前出の(ボーガス注:現在の東久邇家当主である東久邇)眞彦氏に聞くと、困惑気味に、「特にお話しすることはございません」と言うのみ。また壬生(ボーガス注:基博)氏*6の長男も、10代の息子を持ちながら、「取材は結構です」と、足早に立ち去っていった。
 (ボーガス注:2019年)3月に旅立った当主・(ボーガス注:東久邇)信彦氏の長年の友人が明かすには、「皇族復帰について彼は『自分たちには関係ないことだからノータッチだ』と話していました。“戻りたい”と希望するのも言語道断だと考えていて、そもそも復帰すること自体が違うのではないか、今の皇室の流れの中で継承していくのが一番ではないか……そんな思いを抱いていました」

 そりゃよほどの変人でない限り「皇族に戻りたい」なんていうわけがないでしょう。
 そして「立場上言えない」とはいえ「上皇夫婦」「天皇夫婦」「秋篠宮夫婦」に「女帝容認と旧皇族復帰とどっちがいいか」と聞けば、本心では「遠い親戚(旧皇族復帰)より近くの子孫(女帝容認)」でしょうよ。そこで「伝統に反する女帝なんか嫌だ。孫の愛子の方が『遠く離れた親戚』よりかわいいが、それとこれは話が別だ。旧皇族を復帰させて欲しい(上皇夫婦)」なんて絶対に思わないでしょう。

「愛子さまに旧宮家の婿を」安倍政権が推進する仰天プラン | 女性自身
 (ボーガス注:新型コロナ感染防止を理由に)立皇嗣の礼の延期が閣議決定された翌日の4月15日、産経新聞が《皇位継承で『旧宮家復帰』聴取 政府が有識者ヒアリングで》と報じた。内閣官房の職員が、旧宮家男子の皇籍復帰に関する考えを有識者らに尋ねているというのだ。
旧宮家とは、1947年に皇籍を離脱した11宮家のこと。現在の皇室には悠仁さまお一人しかいない、20代以下の「未婚の男系男子」だが、旧宮家には7人ほどいるといわれている。そのため、女性・女系天皇に反対する一部の保守派は「旧宮家皇籍復帰」を求めている。
 驚くべきは、政府が検討しているという旧宮家男子の「皇籍復帰の方法」だ。
 産経新聞の報道によれば、「現存する宮家に養子に入る」「皇籍取得」のほかに「旧宮家の未婚の男子が内親王と結婚」という方法についても有識者に考えを聞いたというのだ。
「是が非でも男系による継承を維持しようとする現在の政権の思惑が見え隠れしています。現在、内親王は(ボーガス注:天皇の娘である)愛子さまと、(ボーガス注:秋篠宮の娘である)眞子さまと佳子さまのお三方だけ。しかし眞子さまは小室圭さんとの婚約が内定しています。つまり旧宮家の未婚の男子と結婚する可能性があるのは、愛子さまと佳子さまだけです。政府はとくに、天皇陛下のお子さまである愛子さま旧宮家から“婿取り”することを念頭に置いているのでしょう」(皇室担当記者)
 いったいなぜ、そんなプランが浮上したのか。
「そもそも『旧宮家男子の皇籍復帰』は一度、完全否定されているのです」
 そう語るのは、皇室ジャーナリスト。
 旧宮家皇籍復帰に関しては、小泉純一郎*7政権だった’05年の「皇室典範に関する有識者会議」でも議論されたのだが《国民の理解と支持、安定性、伝統のいずれの視点から見ても問題点があり、採用することは極めて困難》と、はっきり結論付けられている。
 さらに有識者会議は、現在の皇室と旧宮家の共通の祖先は約600年もさかのぼり、極めて遠い血筋であるため《これらの方々を広く国民が皇族として受け入れることができるか懸念される》と指摘していた。
「一般人として暮らしてきた旧宮家の男性が急に皇籍復帰しても、国民は納得しないでしょう。しかし、愛子さま旧宮家の男性が結婚すれば、そのお子さまは『男系』ということになります。愛子さまのお子さまに『男系男子』が生まれれば、皇位継承資格者が増えるとともに女系天皇の誕生を阻止できる。『男系』に固執する安倍政権は、そのように考えたのかもしれません」(前出・皇室ジャーナリスト)
 はたして「内親王旧宮家の男子との結婚」は、安定的な皇位継承につながるのだろうか。象徴天皇制を研究する名古屋大学大学院准教授の河西秀哉さん*8は、次のように指摘する。
「この案の問題点は、内親王が皇統維持のために“政略結婚”させられたという印象を、強く持たれてしまうことです。上皇陛下と美智子さまの結婚、天皇陛下雅子さまの結婚、それらは『恋愛結婚』でした。だからこそ世間の風潮と合い、国民から支持されたのだと思います。ところが『旧宮家の未婚の男子が内親王と結婚』という案は、本人たちの意思とは関係なく、家を守るためだけに結婚させられたという印象を与えかねません。前時代的なやり方だと見られてしまうのではないでしょうか」

 まあ産経や八木らウヨ的には

 「文藝春秋」2012年2月号に書いたこと(元皇族の皇室復帰→将来は愛子さんなどと結婚させて天皇として即位させる)を安倍は今すぐやれ!。

なんでしょうが「やらない」でしょうねえ。
 小泉首相時代の有識者会議が

 現在の皇室と旧宮家の共通の祖先は約600年もさかのぼり、極めて遠い血筋であるため《これらの方々を広く国民が皇族として受け入れることができるか懸念される》

という通りの話です。
 あるいは河西・名古屋大准教授が「政略結婚イメージが出てしまい、国民の敬愛を集められるか疑問」という通りの話です。
 ただし一方で安倍は「女帝導入も多分しない」。
 「将来、悠仁君(秋篠宮の長男)が即位して、結婚しても女子しか生まれない*9」という「いよいよの時期」にならない限り、産経などは「女帝駄目、絶対」でしょうし、それを無視して女帝を導入する気は安倍には無いでしょう。結局「悠仁君しか若い皇族男子が居ない今の状態がしばらく続くのだろう」と思います。まあ天皇制支持でない俺的にはどうでもいいですが。

*1:第二~四次安倍内閣首相補佐官を経て、現在、第四次安倍内閣少子化等担当相

*2:菅内閣厚労副大臣民進党代表、国民民主党共同代表などを経て国民民主党代表代行(参院議員会長兼務)

*3:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相。現在、第二~四次安倍内閣副総理・財務相

*4:有栖川宮桂宮閑院宮伏見宮

*5:著書『伊勢神宮』(1993年、講談社学術文庫)、『近現代の「女性天皇」論』(2001年、展転社)、『皇位継承のあり方:“女性・母系天皇”は可能か』(2006年、PHP新書)、『天皇の「まつりごと」:象徴としての祭祀と公務』(2009年、NHK生活人新書)、『皇室典範女性宮家:なぜ皇族女子の宮家が必要か』(2012年、勉誠出版)、『象徴天皇「高齢譲位」の真相』(2017年、ベスト新書)など

*6:1949年生まれ。東久邇家に生まれ、出生時の名前は「東久邇秀彦」だったが、壬生家の養子となり、「壬生基博」に改名した。現在、山階鳥類研究所理事長(ウィキペディア『壬生基博』参照)

*7:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*8:著書『「象徴天皇」の戦後史』(2010年、講談社選書メチエ)、『皇居の近現代史:開かれた皇室像の誕生』(2015年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『明仁天皇と戦後日本』(2016年、洋泉社歴史新書y)、『天皇制と民主主義の昭和史』(2018年、人文書院)、『近代天皇制から象徴天皇制へ』(2018年、吉田書店)、『平成の天皇と戦後日本』(2019年、人文書院

*9:当然、男子が生まれればその時点で産経などウヨは「良かった、良かった」「女帝なんか導入しなくても当面大丈夫だ」で終わりです。