今日の産経ニュース(2024年5/6日分)(追記あり)

「盤石の大阪でなぜ…」ひそかに敷かれた維新包囲網 公認敗北の大阪・大東市長選の舞台裏 - 産経ニュース
 恐らく地元民にとっては周知の事実しか書いてないのでしょうが

 公明は次期衆院選で現職がいる大阪、兵庫の計6選挙区で維新と初めて争う。維新はこれまで大阪市政運営などで公明の協力を求めてきたが、昨年4月の統一地方選で初めて、大阪市議会でも過半数を確保。もはや公明に頼る必要なしと、衆院選での対決姿勢を鮮明にしていた。

という維新の態度に反発し、「公明が反維新(維新を破って大東市長に当選した逢坂候補支持)に回った」と言うのが興味深い。
 勿論「全盛期の維新」ならそれでも「勝てた」のでしょうが、「アンチ維新の俺の願望込み」ですが、もはや維新は「大阪万博の体たらく」もあって「徐々に衰退過程に入ってない」か。一時は「それなりに躍進しながらも」結局、衰退した「過去の保守新党新自由クラブ新生党新党さきがけなど)」と同じコースに入ったのかもしれない。


国民民主の玉木雄一郎代表、自民議席減へ立民と調整 次期衆院選巡り - 産経ニュース
 東京補選で都民ファか維新が勝利(立民が敗北)してればこんな態度は取らなかったでしょうから、全く玉木もふざけた男です。立民も果たしてどこまで相手にするかどうか。

<正論>男系による皇位継承の真の意義 皇学館大学特別教授・新田均 - 産経ニュース

 天皇の地位の最終的根拠は男系にある。その否定の先には、「(ボーガス注:女系天皇には)祖先神を祀る資格がない*1のだから、天皇の信仰も自由でいい*2のではないか」。
 その先には、「天皇にも婚姻の自由*3、居住の自由、参政権*4職業選択の自由といった人権を認めてもいいのではないか」。
 そして、最後に待っているのが、「もはや天皇も国民と変わらないのだから、天皇という特別な地位は必要ない」との天皇否定論だ。女性宮家容認を主張する人々の中に、本心では天皇否定の人物*5が交じっているのはこのためだ。その底意を見抜く知恵が国民に求められている。

 おいおいですね。「できる限り、天皇、皇族の人権は保障されるべき*6」というのは「当たり前の話」だし、それは勿論「天皇制廃止」とは直結しません。
 確かに共産(天皇制廃止が党方針)は「女性、女系天皇容認」ですが、それは「男女平等の見地」にすぎず、底意などない。
 大体「女性、女系天皇」にしたら「天皇の権威がなくなるからむしろ廃止論につながる」なんて思ってるのは産経のようなウヨだけでしょう。むしろ「元皇族を復帰させた後」にその人物に不祥事が発覚でもした方がよほど「廃止論につながる」でしょう。
 こういうウヨには共産は「我が党は天皇制廃止の立場なので、天皇制存続を前提にした議論には参加しない」「従って女性、女系天皇には賛成も反対もしない(女性、女系容認の方が男女平等だとは思うが)。法案が提出されたら棄権する」「女性、女系天皇以外の議論(産経が主張する元皇族の皇族復帰など)についても同様に賛成も反対もしない。法案が提出されたら棄権する」とでも言えば納得してもらえるんですかね?。まあ、何を言っても反共の立場から共産非難をするのでしょうが。
【追記】
 ネット上でサザエさんをネタに「磯野家=天皇家」「天皇=波平」「皇后=フネ」「皇太子=カツオ(現行憲法だとカツオ以外に皇位継承者がいない)」で、現行憲法なら「結婚した時点でサザエは皇族でなくなるが女性宮家を認めれば、タラちゃん(タラオ)に皇位継承権が生じる(この場合、タラちゃんが即位すると女系天皇)」「女性天皇を認めるとサザエとワカメに皇位継承権が生じる」という記事があって吹き出しました。「別にそれでええやないか」と思いますがウヨ的には「平民(?)だったフグ田マスオを皇族の一員になどできない、タラオ(女系天皇)の即位などもってのほかだ」なんですかね?。


宏池会、広島出身…岸田政権と宮沢政権の類似性 「政治とカネ」に翻弄する点も 伊藤達美 ニュース裏表 - 産経ニュース
 確かに「広島出身」「宏池会」「外相経験者(宮沢は三木内閣、岸田は第二次、第三次安倍内閣)」「金銭疑惑(宮沢はゼネコン汚職や金丸闇献金、岸田は自民裏金疑惑)で政権支持率が低迷」「少数派閥内閣(最大派閥は、宮沢の場合は竹下派、岸田の場合は安倍派)」等、類似点がある一方で「官僚出身(宮沢*7)と二世議員(岸田)」「護憲ハト派*8(宮沢)と改憲タカ派(岸田)」と言った違いもあります。
 さて宮沢政権は「ゼネコン汚職(宮沢内閣建設相だった中村喜四郎らを訴追)」「金丸*9献金」等への批判によって衆院選敗戦で下野し「細川非自民連立内閣」が誕生したわけですが、「自民裏金問題で岸田政権支持率が低迷する今回」今回果たしてどうなるかと言ったところですね。
 宮沢政権時の、自民離党者による「新生党羽田孜*10小沢一郎*11)」「新党さきがけ武村正義*12)」と違い、今のところそうした「離党の動きがない」のは興味深いところです。


<産経抄>特攻隊のこともっと知ろう - 産経ニュース
 勿論「特攻批判派」も「特攻隊」について「国民がもっと知るべきだ」と思っています。
 但し、それは産経とは異なり、「同調圧力で志願させたのであって本当の志願ではない」「戦果は全くなかった」「軍内部にすら特攻反対派がいた」「大西瀧治郎終戦直後自決)など一部を除き、『俺も後から自決する』などと言って、若者を特攻に送り出した連中の多く(例:菅原道大*13富永恭次*14)が自決しなかった」等の「マイナス面」について知るべきという認識です。
 具体的には

特別攻撃隊 - Wikipedia参照
◆小沢郁郎『改訂版・つらい真実:虚構の特攻隊神話』(2018年、同成社
◆栗原俊雄*15『特攻:戦争と日本人』(2015年、中公新書
◆山元研二*16『「特攻」を子どもにどう教えるか*17』(2022年、高文研)

等の特攻批判書籍もあります。一方、そうしたマイナス面を無視して今回も

 相変わらず特攻隊を否定的にとらえる向きがある。来年春から使われる令和書籍の中学歴史教科書*18で「特攻隊員が散華*19しました」といった記述にも批判がある*20ようだ。「国のために命を捨てることが美化され、こわい」などというが、国のために命をかけた先人について教えない教育こそ、見直すときではないか。

と特攻を美化するのが産経の訳です。そもそもあんな無謀な作戦は「まともな軍隊はやらない」「戦争末期の日本軍ぐらいしかあんなことはやってない(日本軍だって最初から特攻ではない)」のによくも美化できたもんです。さすがに産経だって「ならば場合によっては今後、航空自衛隊に特攻させるのか?」と言われて「当然だ」とは言えないでしょうに。
 またロシアは「さすがに日本軍のような特攻そのものはやってないらしい」とはいえ、「ウクライナの地雷が埋まってると思われる戦場に囚人部隊(刑期短縮を餌にされた囚人が兵隊を志願)をまず送り込み、囚人部隊を地雷の犠牲にしてから、正規軍を突入させる」等の「特攻まがいの無法(例えばロシア軍は受刑者らによる「突撃部隊」編成、人的犠牲をいとわず…米欧の支援停滞でウクライナ軍は防衛主体に : 読売新聞参照)」をしていると言われますが、ウクライナ戦争がロシアの侵略であることもあって、産経もまさかそうした行為を擁護しないでしょう。
 「国のために命を捨てる」が「外国の侵略に対する国防のための戦争参加(例えば現在のウクライナ)で一般的な軍事攻撃」ならまだしも「無謀な対米戦争(ハルノートを受諾すれば回避可能)」のあげく、「非人道的な自殺攻撃=特攻」では「国のために命を捨てることが美化され、こわい」となるのは当たり前の話です。

*1:そもそもそうした認識が仮に「天皇家(あるいは神道業界)の伝統的認識」だとしても、そんな認識を女系天皇容認派はしてないでしょう。そもそも「伝統的には天皇家神道」とはいえ、今時「天皇神道の関係(祖先神云々)」をそこまで重視するのは産経のようなウヨだけでしょう。

*2:今時「天皇の信仰は当然、神道」と言う方が非常識でしょう。「戦前の国家神道行事を引き継いでる」というややこしい問題はありますが、現在、天皇家が行ってる行事は建前では「天皇家の伝統的行事を継続」であって「宗教行事(神道行事)」ではないでしょう(そうでないと憲法政教分離に抵触するので)。まあ、産経らウヨは逆に「天皇家神道的行事」をてこに、政教分離原則を骨抜きにしたいのでしょうが、そういうことを画策するとむしろ「天皇家の行事から神道色を完全排除しよう」となってむしろ産経らウヨにとって藪蛇、逆効果ではないか。

*3:皇室典範第十条「皇族男子の婚姻は、皇室会議の議を経ることを要する」により現行法上は、天皇には婚姻の自由はありません。なお、皇室会議のメンバーは『皇族二人(成年皇族の互選)、衆議院及び参議院の議長及び副議長、内閣総理大臣宮内庁の長並びに最高裁判所の長たる裁判官及び「その他の裁判官一人(最高裁判事の互選)」』で首相が議長を務める(皇室典範第28条、29条)。

*4:天皇の政治的中立の問題(憲法第四条『天皇は国政に関する権能を有しない』)」があるので現行憲法を前提とする限り「皇位継承権のない、天皇になる可能性のない皇族(例:現行制度における女性皇族)」はともかく「天皇」「皇位継承権のある皇族(例:秋篠宮悠仁君)」については参政権は認められないとするのが通説かと思います。

*5:共産党のことか?(例えば「女性天皇も女系天皇も認められるべきだ」共産 志位氏 | 注目の発言集 | NHK政治マガジン(2019.6.6)参照)。むしろ天皇制否定派からは「天皇制否定の立場なら、共産は女性、女系天皇など容認すべきでない」という批判もあると思いますが。

*6:勿論、天皇、皇族の地位を考えれば「何らかの制約はやむを得ない」でしょうし、実際、現行法で色々制約がありますが。

*7:昔は宮沢(大蔵省)以外でも「吉田茂首相(外務省)」「岸信介首相(商工省)」「池田勇人福田赳夫大平正芳首相(大蔵省)」「佐藤栄作首相(運輸省)」等、官僚出身の大物議員がいましたが、今は「小泉純一郎首相(小泉純也元防衛相の子)」「安倍晋三首相(安倍晋太郎元外相の子、岸元首相の孫)」「福田康夫首相(福田赳夫元首相の子)」「石破元幹事長(石破二朗鳥取県知事の子)」等、幹部政治家が世襲議員だらけの自民党です。

*8:というか、もともとは宏池会は護憲ハト派の集団ですが。

*9:田中内閣建設相、三木内閣国土庁長官福田内閣防衛庁長官自民党国対委員長(大平総裁時代)、総務会長、幹事長(中曽根総裁時代)、副総裁(宮沢総裁時代)等を歴任

*10:中曽根、竹下内閣農水相、宮沢内閣蔵相、新生党党首、細川内閣副総理・外相を経て首相

*11:中曽根内閣自治相・国家公安委員長自民党幹事長(海部総裁時代)、新生党代表幹事、新進党党首、自由党党首、民主党幹事長(鳩山代表時代)など歴任

*12:細川内閣官房長官、村山内閣蔵相等を歴任

*13:深堀道義(菅原の次男)はある特攻隊員の遺族から「あなたのお父さんは絶対に赦せない」と面罵されたという(菅原道大 - Wikipedia参照)

*14:富永の長男「富永靖」が特攻で戦死したことについては以前新刊紹介:「前衛」2023年11月号(追記あり)(注記:松本清張『砂の器』『ゼロの焦点』について犯人と犯行動機の完全なネタバレがあります) - bogus-simotukareのブログで取り上げました。

*15:毎日新聞記者。日本の戦争責任をライフワークとする。著書『戦艦大和』(2007年、岩波新書)、『シベリア抑留』(2009年、岩波新書)、『シベリア抑留は「過去」なのか』(2011年、岩波ブックレット)、『遺骨:戦没者三一〇万人の戦後史』(2015年、岩波新書)、『「昭和天皇実録」と戦争』(2015年、山川出版社)、『戦後補償裁判』(2016年、NHK出版新書)、『シベリア抑留・最後の帰還者:家族をつないだ52通のハガキ』(2018年、角川新書)、『東京大空襲の戦後史』(2022年、岩波新書)、『硫黄島に眠る戦没者:見捨てられた兵士たちの戦後史』(2023年、岩波書店)等

*16:鹿児島県の公立中学校の社会科教師を経て、現在、北海道教育大学教授。著書に「鹿児島の西郷美化」を批判した『「西郷隆盛」を子どもにどう教えるか』(2019年、高文研)

*17:この著書については以前新刊紹介:「前衛」2023年11月号(追記あり)(注記:松本清張『砂の器』『ゼロの焦点』について犯人と犯行動機の完全なネタバレがあります) - bogus-simotukareのブログで取り上げました。

*18:右翼活動家・竹田恒泰が執筆

*19:「玉砕」と同様「死」を美化する言葉

*20:そりゃ自殺攻撃を「散華」と美化すれば批判されるでしょう。普通に「戦死」などと客観的表記すればいい話ですし