「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年8/1日分:「巣食う会福岡」の巻)

横田めぐみさんの弟と知り合った元左派教師の結論「派兵奪還しかない」 | Blue Ribbon Force 救う会福岡
 「元左派教師の寄稿」云々とする巣くう会福岡ですが「匿名」で「正体不明」であり、かつ「職業が教師」「過去に左派だったこと」をうかがわせる文章は何もないので本当かどうかは疑問符がつきます。
 まあ、藤岡信勝筆坂秀世のような「共産党員から極右に転向」と言う輩もいますので、この駄文の筆者が「左派」だとしても不思議では無いですが。

・日本が戦争放棄という事を憲法の柱にしてしまったから、北朝鮮は舐めて日本人を拉致しているのではないか?*1
・「これは戦争ができる国に変わり、日本国防軍*2北朝鮮に上陸させ、一時的に北朝鮮を日本の保護国*3として制圧し、救出するしかない」ということです。
 厳しい言い方ですが、「戦争を仕掛けて拉致被害者を救出するしかない」ということを日本国民が自覚すべきです。
 「憲法9条破棄*4」と「拉致被害者奪還」は、表裏一体だと思います。
・「自衛隊北朝鮮と紛争することが許される法体系を築くしかない」という事が明らかになってきます。
・仮の話ですが、現在のイスラエル国がタイムスリップして1940年代に出現したら、ユダヤ人救出の為、ナチスドイツと戦争を起こしていたでしょう。
 これからは、日本の憲法が変わり、自衛隊の大規模空挺部隊北朝鮮を制圧して、外国人拉致被害者が全員救出されることを期待しています。

 こんな暴論を堂々と会公式サイトに掲載するのだから「巣くう会福岡」も、およそ正気ではありませんね。
 そもそも「憲法九条など無い」「アフガン戦争、イラク戦争など世界中で戦争をしている」世界最強の軍事大国・米国ですら「ワームビア君救出」が外交交渉だったことで分かるように、「憲法九条の制約(?)」がなければ軍事的手法で拉致被害者を救出できるわけでは全くありません。
 そもそも拉致被害者の居場所も分からないのにどこに自衛隊を投入するのか。
 一方で「改憲」などしなくても、小泉氏*5は5人の拉致被害者を取り戻したわけです。
 かつこれでは「護憲派(小生もその端くれの一人ですが)」のせいで拉致被害者が救出できないと護憲派を誹謗してるのも同然で当然ながら護憲派(社民、共産といった左派は勿論、河野洋平*6のような保守リベラルも含む)は巣くう会や家族会から距離を置く。
 巣くう会や家族会の周囲は改憲右翼のみなんて状況で拉致の解決ができるのか。言うのもばかばかしい話です。
 大体これでは「巣くう会の目的は拉致をダシにした九条改憲では無いのか」と非難されても文句は言えないでしょう。実際、それは極右団体「巣くう会」の「本当の目的の一つ」でしょうが。
 それにしても最後に

 上記の文章は個人の意見であり、拉致被害者ご家族や、救出運動に関わる団体*7等の考えを代弁するものではありません。

とするのが滑稽です。こんな暴論を堂々と載せて「巣くう会福岡の公式見解じゃ無い」なんて通る話では無い。とはいえさすがの巣くう会福岡も「これは会の公式見解です」という度胸はないようです。

*1:この理屈では「憲法九条などない国」の拉致被害者について説明がつかなくなります。曽我夫妻の証言からルーマニア拉致被害者がいたことが分かっていますが、もちろんルーマニア憲法九条などはありません。

*2:自衛隊では無くわざわざ「国防軍」と書く点が実に右翼団体「巣くう会」らしい。

*3:軍事的救出の是非はともかく、「軍事的救出」を行うに当たって「保護国にする必要などどこにも無い」のですがね。たとえばイーグルクロー作戦 - Wikipedia (失敗しましたが)は別にイランを保護国にしようとしたわけではない。

*4:「改定」「改正」ではない点が実に右翼団体「巣くう会」らしい。

*5:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*6:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長など歴任

*7:巣くう会のこと