今日の朝鮮・韓国ニュース(2020年9月21日分)

菅首相が文氏に返書「日韓は重要な隣国」 - 産経ニュース
 第一に何も送らないのよりはましですが「送ったところで」ホワイト国除外などの無法を放置したままでは意味に乏しい。
 第二にこの発表が「韓国側であり、日本側で無いこと」が気になります。菅側に「さすがに社交辞令として返書は返すが、ウヨ支持層の反発が怖いから返書内容どころか、返書を送付したかどうかも公表はしない」という考えがあるのでは無いか。
 菅政権の今後の韓国外交に注目する必要があります。


【主張】拉致と菅政権 好機を主体的に生み出せ - 産経ニュース
 当たり前ですが「小泉訪朝」を除けば「小泉政権も含めて」「小泉以降の歴代政権(小泉、第一次安倍、福田、麻生、鳩山、菅、野田、第二~第四次安倍)」が拉致被害者救出という意味で「成果を上げられなかった」以上
1)日本政府が今までとは違った方向性を打ち出すか(内在的要因)
2)北朝鮮国内、あるいは北朝鮮周辺諸国(中国、韓国、ロシア)で拉致問題に影響するような形での政治的変化があるか(外在的要因)
でない限り、拉致解決の展望などありません。
 で2)についていえばそんな見通しはどう見てもないし、そもそも、それって日本がどうこうできることでは無く完全な他力本願です。
 従って1)を考えるのが「本道、正道」でしょう。
 で、その「本道、正道」といったら「経済支援とのバーター取引」による「拉致被害者帰国」という「小泉訪朝で成功した方策(ただし小泉氏はその後、約束した経済支援を事実上反故にし、拉致被害者帰国は5人にとどまりますが)」以外に何があるのか。
 「何もないだろう」と言うのが俺の理解です。しかし、未だに産経などウヨは「圧力の強化」しか言わないのだから呆れます。それ単に北朝鮮に嫌がらせがしたいだけでしょうに。
 お断りしておきますが俺は「日本の経済支援で北朝鮮を豊かにしたい」とは言っていません。
 まあ「豊かにすること」で「北朝鮮国民の生活がよりましになる」「(失うものができたので)北朝鮮も軍事的暴発*1がしにくくなる」「北朝鮮が日本にとって有力な金儲けの場所になるかもしれない」と言う意味で「豊かにすること」はいいことだと個人的には思います。
 そう言う意味で「中国が豊かになったこと」もいいことだと俺は思っていますがそれはさておき。
 ここでの「経済支援」はあくまでも「それとのバーター以外に拉致被害者救出は無理だろう」と言う話「限定」です。もし「バーター」以外に「経済支援を嫌うウヨが呑めて、小生のような人間も『現実的解決策』と思える」そんな方策があるのなら拉致被害者救出という限りでは「俺はそれを支持します」。
 そう言う方策があるのに「経済支援」に固執する必要は「拉致被害者救出」と言う限りでは俺には無い(ただし、既に述べたように拉致被害者救出以外にも支援する意義があると思うので、支援自体は『支援すべき』と主張しますが)。
 でも現実問題そんな策は無いでしょう。小泉訪朝後、今まで18年間、ウヨ連中は馬鹿の一つ覚えのように「制裁すればいいんだ」しか言ってこなかったわけです。
 また俺の言う「経済支援による拉致解決」は「拉致が解決しなくてもいい。とにかく経済支援なんかできない」と言う立場に立てばもちろん支持は出来ないでしょう。しかし、「少なくとも建前」においては産経らウヨはそんな立場では無いわけです。実際には「拉致が解決しなくてもいい。とにかく経済支援なんかできない」と言う立場が産経らウヨの本音でしょうが。

 拉致被害者の帰国に向けて、あらゆる手立てを講じてほしい。

 しかし産経が言う「あらゆる手立て」には「平壌への常駐事務所設置」「制裁解除や経済支援によるバーター取引」が含まれないことはいつもの話です。
 産経の言う「あらゆる手立て」とは「あらゆる手立てを使って日米開戦を回避したい。しかし中国大陸から日本軍は撤退できない」という「戦前日本(その結果、『中国大陸からの日本軍撤退*2』を求めるハルノート受諾を拒否)」みたいなもんです。それ全然「あらゆる手立て」じゃない。

 菅首相自民党総裁として公明党山口那津男代表と交わした新たな連立政権を樹立する上での合意文書には「拉致問題」解決の文言が盛り込まれなかった。前回衆院選後の政権合意には明記されていた。
 与党関係者は、合意文書で前回の合意を「継承」と明記しており「拉致問題を軽視しているわけではない」と説明したが、これを北朝鮮はどう受け取るか。余計な予断を与える合意文書を交わした真意がわからない。

 「北朝鮮がどう受け取るか」以前の話ですね。拉致被害者家族や日本国民がどう受け取るか、と言う話です。
 で菅らは「拉致被害者家族や日本国民が『政府、与党の熱意が薄れた』と判断しても構わない」と思ったのでしょう。
 実際、こんなことはほとんどのメディアが無視しています。菅関係ではやれ「デジタル庁」「携帯電話料金の値下げ」です。拉致なんかほとんど誰も注目していない。拉致被害者家族会もろくに非難しない。今まで通り「安倍官房長官だった菅氏を信頼しています」の一点張りです。

 圧力の徹底で金正恩朝鮮労働党委員長を直接対話の場に引き出すという安倍晋三前政権の企図以外に、拉致被害者を救う道はないはずだ。

 「圧力の徹底で交渉」と言うのが意味不明ですね。それ小泉訪朝後18年間続けて失敗してきた道でしょうよ。むしろ「経済支援とのバーター」で交渉の場に出すべきでしょうよ。
 そもそも「あらゆる手段を講じて欲しい」と前半で書きながら、後半で「拉致被害者を救う道はないはず」とは話が明らかに矛盾しています。

 北朝鮮は困窮している。8月の労働党中央委員会総会では金正恩委員長が「計画された国家経済目標の未達成」と「人民の生活が向上していない」ことを認めた。9月の党中央軍事委員会では「経済計画の全面見直し」に言及した。制裁による圧力と国際包囲網の成果であるともいえる。

 産経には「やれやれ」ですね。「北朝鮮が経済的に困窮している」ならばそれこそ「経済支援とのバーター」が効果的では無いのか。

 機会は、日本側が主体的に作り出さなくてはならない。そのためにはまず、新政権が拉致問題解決への決意と熱情を北朝鮮に突き付けなくてはならない。

 昔のスポ根ドラマじゃあるまいし「決意と熱情」なんかで問題は解決しません。
 そんな精神論しか言えないなど全く産経はふざけています。そもそもそれならば「小泉訪朝」と言う成果がある小泉政権以外の歴代政権は「産経絶賛の極右・安倍」も含めて「小泉政権に比べて決意と熱情が足りなかった」から成果が無かったのか。もちろんそう言う話では無くあくまでも問題はもっと「合理的、論理的に考えるべき」です。
 単に「問題解決に辺り小泉政権は適切な手を打ったが、他の政権は打たなかった」だけの話にすぎません。

 拉致被害者横田めぐみさんの母、早紀江さんは新政権に対し、「一刻も早く被害者全員を救う具体的な動きにつなげていただきたい」と話した。この母の思いにこたえることが政権の、政治の責務である。

 5人の帰国にとどまるとは言え「思いに応えた」小泉首相に「たった5人か」と悪口した分際で早紀江もよくもふざけたことがいえたもんです。恥を知れと言いたい。
 しかし拉致の風化ってその一因は明らかに「異常な横田一家プッシュ」ですよねえ。確かに「中学生少女の拉致」は衝撃的でしたが、そればっかプッシュすることによって「あれ、横田めぐみ以外って誰が被害者なんだっけ?」状態になってしまったわけです。
 しかもプッシュした横田一家は「父・滋氏」はともかく「母・早紀江と二人の息子」は明らかに思い上がってますからねえ。
 視聴率や部数がとれた時代はともかくとれなくなると「あんな高飛車で不愉快な母子の相手なんか誰ができるか!(マスコミ記者)」になってしまったんでしょう。売れっ子芸能人が高飛車な態度をとって、落ち目になったら反動が来るような話です。

*1:ここでの軍事的暴発とは「天安撃沈」「ヨンビョン島砲撃事件」程度の小競り合いを想定しています。

*2:この米国の求める『撤退』が「関東軍の関東州からの撤退を意味しない」のはもちろんとして、「満州国建国否定」を意味するかどうかには争いがあります。いずれにせよ当時の日本軍は「蒋介石政権転覆否定(ただし満州国建国は容認)」でも撤退する気は皆無でしたが。