今日の中国ニュース(2020年10月13日分)(副題:中国の千人計画)

自民・甘利税調会長がメルマガ修正 学術会議の日中協力めぐり - 産経ニュース
 甘利も本当にどうしようも無いバカでクズですね。もちろん甘利の学術会議への誹謗中傷については徹底的に追及する必要があります。


千人計画で「流出」する日本人研究者、彼らはなぜ中国へ行くのか | テクノロジー | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 中国に渡った日本人研究者が直接的に軍事研究に携わっている証拠もない。しかも、中国による高度人材の引き抜きが日本の国力衰退につながるとの不安ばかりが叫ばれるが、数の上で引き抜きが圧倒的に多いのはむしろアメリカだ。
 彼らはなぜ日本を出るのか。
 国家間の人の移動には、移住国に引き寄せられた理由(プル要因)と、母国から押し出しされた理由(プッシュ要因)の両面がある。米中に共通するプル要因としてまず挙げられるのは、高度な研究・教育環境だ。
 ハーバード大学医学部の研究所で研究員を務める嶋田健一は、(中略)当面は帰国する気はない。
 「同じ研究をしてもアメリカのほうが国際的発信力が大きく、キャリアのつぶしが利く」
 一方、日本国内の大学での助教を経て中国の大学に生物学の教授として赴任した40代の日本人男性も、恵まれた研究環境を理由に挙げる。
 トップレベルの人材を破格の待遇で招致するという千人計画のイメージもあり、中国の研究者ポストには高給の印象が付いて回るが、報酬自体の相場はそれほどでもないと、この教授は言う。
 研究チームを率いる新任の教授の「平均的な年収は600万円程度で、日本のほうが高い」。
 将来的には年金制度がより安定しており、人脈もあって共同研究がしやすい日本に戻るつもりだ。
 それでも、15人の研究室を率いて豊富な研究資金で自由に研究ができる点は日本にはない魅力だ。研究室の開設費として約1500万円が大学から拠出されたほか、大学、国、地方自治体などの研究費提供プログラムも多く、日本のように資金確保が過大な負担となることもない。
 任期も長く、10年契約を結んでいる。「日本では若いうちに自分のラボを持てる機会はなかなかない」と、この教授は言う。
 もっとも、頭脳流出の背景には、こうしたプル要因以上に日本国内の就職難というプッシュ要因があるのかもしれない。博士号取得者の就職難が深刻化した世代に当たるこの教授も、国内で必死に就職活動をしたが希望のポストを得られなかったため、自ら応募して中国に渡った。
 早稲田大学の村上由紀子*1教授(労働経済学)がアメリカで実施した調査でも、在米の日本人研究者の4割が移住の動機として、日本で希望する条件を満たす仕事がないことを挙げたという。

 まあ、そういうことですね。そもそも「海外に行きたがる」のは何も学問だけじゃ無い。ダルビッシュメジャーリーグに行くことや、渡辺謙がハリウッドを目指すことなどと話は同じです。「日本より待遇がいいから」「日本で活動するより世間に高く評価されるから」ダルビッシュも渡辺も米国を目指した。学者の世界とて変わりは無いでしょう。「日本より待遇がいい」「日本で活動するより世間に高く評価されるから」から中国や米国に行くのであり「愛国心が無いのか」となじるなどとんでもない話です。学者からすれば「劣悪な待遇を改善すればいくらでも日本で研究する!」「劣悪な環境を愛国心でごまかすな!」と言いたいでしょう。
 ニューズウイーク日本版は週刊新潮と違いまともなので
1)日本の研究環境を改善しない限り、頭脳流出は今後も続く
2)頭脳流出先は中国だけでなく欧米もある(というか将来はともかく現時点はむしろ欧米の方が多い)
3)中国への頭脳流出を「軍事転用ガー」などというのは何の根拠も無い誹謗、という当然の指摘をしています。


「 「学術会議」にモノ申した菅首相の英断 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

 一例が11年に日本学術会議会員になった名城大学教授の福田敏男氏である。福田氏は12年に中国の「外専千人計画」の一員に選ばれた。千人計画とは中国が海外の理系研究者を高い報酬等で広く集めて科学研究に寄与させる遠大な計画である。
 福田氏は13年、軍事研究においても優れた成果を出している北京理工大学の専任教授になった。氏について北京理工大ホームページは「マイクロ・ナノロボットや生物模倣ロボットの分野で卓越した人物」、「00年から北京理工大の黄強教授と協力して研究した」と紹介し、「08年から北京理工大学『特殊機動プラットホーム設計製造科学与技術学科創新引智基地』の海外学術講師、10年には『生物模倣ロボット・システム』教育部重点実験室の学術委員会委員に就任、13年に北京理工大学の専任となった」と明記している。
 福田氏がこの間、日本学術会議の会員になったことは前述した。軍民融合の中国において、福田氏の研究が中国の軍事につながる可能性は否定できない。

 週刊新潮掲載の「櫻井よしこの主張」は完全に福田教授への「根拠レスの誹謗中傷」であり、常軌を逸してるとしか言い様がありませんね。
 ましてやこんなことは「菅の任命拒否」の正当化理由には全くなりません。よしこも日テレキャスター時代に比べ随分と劣化したもんです。
 

中国「千人計画」で日本の技術が盗まれる 参加の東大名誉教授が告白「中国は楽園」(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース

 名城大学の福田敏男教授は再三の依頼に無回答だった。

 そりゃ週刊新潮は誹謗中傷しかしないことはわかりきってるのだから、取材に応じたがらないのも当然です。取材を受けることは義務では無い。「自分の研究に利益か」どうかだけ考えれば週刊新潮の取材なんか受けたって何の利益も無い。まともなメディアの取材ならまだしも。

 取材に応じてくれたのは、東京大学名誉教授で物理学が専門の土井正男氏(72)だ。
「現在は北京航空航天大学の教授として、専門のソフトマター物理学を教えています。9年前に北京の理論物理学の研究所に呼ばれて連続講義をした際、知り合った中国の先生から『千人計画』に誘われまして」
 土井氏が論文リストを送ったところ、中国政府から招聘を受けることになった。
「東大は辞めても名誉教授という肩書しかくれませんでしたが、北京の大学は東大時代と同じポストで、待遇も少し多いくらい用意してくれました。普段は学生相手に講義をしなくてもよいし、日本の公的な科学研究費(科研費)にあたる『競争的資金』にもあたりました。私は中国語を書くことができないので、申請書類は准教授が代わりに出してくれました。日本では科研費をどうやって取るのかで皆が汲々としている。そういう意味ではまるで楽園ですね。面倒なことをやらずに学問に没頭できて本当に幸せです」と喜びを隠さないのだ。

 いつもながら中国を誹謗しようとするげすな「反中国ウヨ」週刊新潮ですが、土井氏の言葉から浮かび上がってくるのは「日本に比べ、恵まれた中国の研究環境」でしょう。
 しかし、週刊新潮が「中国に負けないように日本も研究者を厚遇すべきだ」と言わないのは言うまでもありません。ただただ千人計画の誘いに応じた土井氏のような研究者を誹謗するのだから心底呆れます。新潮社は「ドラえもん小学館」と違い、中国を市場としてないので気軽に中国が誹謗できるし、日本の科学技術の未来もまともに考えてない、反中国ウヨ相手に「中国に悪口して」金儲けできればそれでいいというクズ企業なのでしょう。とはいえ出版不況が深刻な今「中国市場など要らない」で新潮社がいつまでやってけるかは甚だ疑問ですが。余りふざけたことばかりやってると新潮社が「中央公論社」のように倒産することすらありうるかと思います。つうか俺的には新潮社にはとっとと倒産して欲しいですが。新潮社の本なんて「池波正太郎」「松本清張」など一部を除いて全然読んでないので。まあ、新潮社が倒産しても講談社か文春辺りでちゃんと小説の出版がされるでしょうし。


安倍前首相に訪台要請 台湾立法委員 - 産経ニュース
 そんな要請をして仮に安倍が訪台した*2として「何の意味があるのか?」と心底呆れます。安倍が首相在任中に「自分の名代として実弟岸信夫」を訪台させても安倍個人は訪台どころか、訪日した李登輝とは会わなかったこと、それどころか「訪日した李克強首相の北海道訪問に安倍自身が同行するほど歓待したり」、あるいは「習近平主席を国賓で招こうとしたり」している時点で「安倍が台湾より中国を重視していること」は明白でしょうに。正直「蔡英文民進党の蔡の仲間たち」もいい加減無意味な中国への挑発行為はやめたらどうなのか。


中国外相、日米のインド太平洋構想を「新NATO」と牽制 - 産経ニュース
 中国側が米国の軍事的動きを警戒し、牽制しようとしていることがうかがえますが「旧ソ連」を仮想敵国としていた(そして今はロシアを仮想敵国としている?)NATOのように日米安保や米韓安保が公然と「中国敵視の方向」に動くかどうかは甚だ疑問かと思います。
 何せ日本にとっても韓国にとっても中国は重要な貿易相手国ですので。

*1:著書『技術者の転職と労働市場』(2003年、白桃書房)、『頭脳はどこに向かうのか』(2010年、日本経済新聞出版社)など

*2:もちろん訪台する保証はありませんが