今日の中国ニュース(2021年5月2日分)

中国、台湾に嫌がらせ続けるが「すぐに軍事行動起こさない」…アーミテージ氏 : 国際 : ニュース : 読売新聞オンライン
 これが「元米国国務副長官(ブッシュ子政権)」かと思うと唖然ですね。「すぐに」どころか、「台湾が独立宣言しない限り絶対にそんなことはしない(ただし独立宣言すればすぐにでも侵攻する危険性がある)」でしょう。

「(蔡氏は)独立を宣言するつもりはなく、する必要はないと思っている。『事実上の独立』を実現し、多くの台湾市民は台湾に独自の地位があるとわかっている。」

 そりゃそうでしょう。そもそも中国の当面の目標は「事実上の独立」が「独立宣言に移行し、それを欧米が容認しないこと」だからです。しかし、台湾が独立宣言すれば、場合によっては「武力行使も辞さない」。であるならば「独立宣言はしないで現状維持」がリスクの少ない選択です。

「今年は東京五輪中国共産党創設100年、来年は北京冬季五輪がある。嫌がらせは続けるだろうが、(軍事)行動には出ないと思う」

 そういう問題ではないですね。「そもそも軍事的に成功するか分からない(1950年代には軍事侵攻が失敗している)」「軍事的に成功したとしても欧米の経済制裁が確実」という状況下でそんなリスキーなことはしないでしょう。ただし「蔡英文が独立宣言すれば」話は別ですが。


中国はなぜ原発処理水の海洋放出に反対するのか、専門家が指摘する5つの理由 | China Report 中国は今 | ダイヤモンド・オンライン
 「中国の批判と同様の批判は日本国内の脱原発派等もしており不当な批判とは言えない」「マスコミや政治家には冷静な議論を求めたい」とする「反中国ウヨ記事が少なくないダイヤモンド誌とは思えない」まともな記事です。
 詳しくはリンク先を見て頂ければと思いますが、5つとは

(1)福島第一原発事故が、チェルノブイリ原発事故に相当する「レベル7」の事故であること
(2)排出される処理水が、通常の稼働下で排出される冷却水とは質が異なること
(3)事故の翌年(2012年)に導入した多核種除去設備(ALPS)が万全ではなかったこと

 →ALPS(アルプス)で本当に政府や東電が言うように「トリチウム以外の放射性物質が完全に除去できた」といえるか疑問
 (ただし、仮に「トリチウムしか含有されてない」としても即「だから安全だ」といえるかは疑問が提出されています)
(4)日本政府と東京電力が情報やデータの公開が不十分であること
 →「本当にトリチウム以外の放射性物質が完全に除去できたといえるのか」「海洋放出以外の処分方法が無いと言えるのか(たとえば当面タンクで保管し続ける、深い地下に埋設するなど)」十分な情報公開がされてないという批判です。
(5)国内外の反対にもかかわらず、近隣諸国や国際社会と十分な協議もなく一方的に処分を決定したこと
→特に当初は「福島県民」「漁業関係者」の意見を重視するとしながら、結局は「県民、漁業関係者」において反対派が多数であることを完全に無視していることが問題でしょう。なお、産経などウヨマスコミは「中国、韓国」ばかり取り上げる傾向がありますが、台湾、オーストラリア、ニュージーランドなど他にも批判する国はあります(そしてウヨは台湾、オーストラリア、ニュージーランドを日頃、反日国扱いどころか親日国扱いしている)。ウヨマスコミの言う「反日国(中韓)の言いがかり」こそが言いがかり*1であり「健康被害を恐れる近隣国(中韓だけで無く、台湾、オーストラリア、ニュージーランドなど)」が「日本の拙速な決定を批判し、海洋放出の当面の延期」を求める事態になっています(例えば中国と韓国は「処理水海洋放出反対」で日本を包囲する。韓国が選んだ「三不政策」の重み | Business Insider Japan、浅井基文ブログ『福島第一原発汚染水海洋放出問題-問題点と関係国・機関反応-』参照)。

です。


中国、「尖閣」「処理水」で対日圧力 米にらみ決定打回避:時事ドットコム
 尖閣はともかく「汚染水(政府や時事通信の言う処理水*2)」は中国どころか、日本国内からも批判があるのにこういう記事を時事通信は書くのかと心底呆れます。

*1:そもそも日本国内の漁業関係者や脱原発派が反対している時点で「中韓の言いがかり」とはいえませんが。

*2:政府の言うように「トリチウム以外はアルプスで除去できた」としてもトリチウム自体が汚染物質でしょうし、「トリチウム以外は除去できたかどうか」自体に争いがある(除去できてない疑いがあるという批判がある)ので「汚染水」が適切だと俺個人は思います。