今日の中国ニュース(2021年5月31日分)

先端技術に触手の中国 公安庁、情報網広げ阻止 異例の76人増員 - 産経ニュース*1
 全く無内容な馬鹿げた記事です。
 もちろん「中国企業に限らず」ヘッドハンティングが「違法行為を伴う」のであれば公安調査庁(あるいは公安警察、公安検察)云々という話もあり得る。
 しかし「違法性がない」のであれば「ヘッドハンティングを阻止するために、待遇改善を約束する」以外に手はなく、それは公安云々という話でない。そして「違法な引き抜き」があるかのような思わせぶりなことを書いていても具体的な指摘は何もありません。
 結局、「バイデン政権」「菅自民」が「異常な反中国」であることを悪用して公安調査庁が「事実無根の中国脅威論」で焼け太りを狙い、それに産経が協力してるだけでしょう。公安調査庁官僚&産経記者とは「余程のクズ」なのでしょうね。


中国、3人目の出産も容認 少子高齢化加速に危機感: 日本経済新聞
 つまりは「中国も着実に経済発展している」ということですね。「経済発展すると少子化になる傾向がある」事は今更言うまでも無いでしょう。


「高僧貢献」作られた融和 少数民族政策の源流、カンゼの会談〈中国共産党100年 チベットと「長征」上〉:東京新聞 TOKYO Web

 「私たち紅軍(中国人民解放軍の前身)は貧しい人々を苦しみや困難から救うための軍隊。最終目標は全中国、全人類の解放です」
 「私たちの仏教でいう衆生済度(しゅじょうさいど、人々を救うこと)と、(紅軍のいう)全人類の解放は同じですね」
 四川省カンゼ・チベット族自治州カンゼ県にある「朱徳総司令とゲダ五世記念館」の展示には、こんな会話が記されている。前者の発言は、毛沢東らと紅軍を率いて「建軍の父」とたたえられる朱徳*2、後者はチベット仏教の高僧ゲダ五世だ。展示によると、2人は1936年3月から数カ月の間に9回、カンゼ県で会談したという。
 中国共産党の紅軍による「長征」は、カンゼ自治州にいた期間が計15カ月にも及ぶ。「愛国主義教育基地」である記念館は、長征におけるチベット族の貢献を強調する。「愛国活仏」と称されるゲダは、略奪などをしない紅軍に感銘を受け、食料や羊毛などを援助したとされる。
 党とチベット族の融和の象徴として、2人が並ぶ像やポスターはカンゼ自治州のあちこちで目に入る。しかしチベット問題に詳しい大阪工業大の川田進*3教授は「(ボーガス注:中国共産党側が主張する)ゲダの紅軍への貢献は、虚構も含まれている」と懐疑的だ。冒頭の2人の会話だけでなく、会談したことを裏付ける史料もないと指摘する。

 まあ、とはいえ「チベット中国共産党の関係」も東京新聞が描き出すような「圧政と抵抗オンリー」でもなくもっと複雑な話でしょう。そして「会話内容」が「記念館が伝えるような内容だったか」はともかく「会談それ自体」はさすがにあったでしょう。


インフラ整備と武力、不変の両輪〈中国共産党100年 チベットと「長征」下〉:東京新聞 TOKYO Web

 習近平国家主席は昨年十一月、四川省成都*4チベット自治区ラサ*5を結ぶ「川蔵(せんぞう)鉄道」の主要区間の起工式で、その重要性を訴えた。
 「国家統一を守り、民族団結を促し、辺境の安定を固め、経済発展を推進するのに重要な意義がある」
 険しい地形を時速百二十〜二百キロで走り、約千八百キロを十時間前後で結ぶ。青海省西寧*6とラサを二十三時間で走る青蔵鉄道より大幅に時間が短縮される。
 成都側の一部で開通済みで、全線開通は二〇三〇年ごろを目指す。習氏が訴えたように、チベットと周辺地域との一体化を進め、経済発展によってチベット族の不満を和らげる効果が期待される。

 タイトルの「インフラと武力」とは要するに「飴と鞭」ですね。インフラ(鉄道、道路、港湾、学校、病院などの社会設備)とは「経済発展の象徴」のわけです。


台湾の歓楽街にもコロナの波 「抑止」が一転、正念場に [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
 既に浅井基文ブログ『台湾におけるコロナ集団感染-日本の轍を踏むことなかれー』など、ネット上でも指摘がありますが、島国であることを利用した「水際防疫*7」に頼りすぎた蔡英文が「PCR検査やワクチン接種などをおろそかにしていた」と言う話です。
 つまりは「コロナ予防優等生・台湾」とは「カギ括弧付きのインチキな物」でしかなかった。
 その結果「水際防疫」に失敗して、蔓延が始まると「日本がアストラゼネカを上げます」などという「泥縄状態」となるわけです。


【主張】孔子学院 国は情報公開義務付けを - 産経ニュース
 何を根拠にそんなもん義務づけするんだという話です。そもそも「孔子学院に不正や疑惑があるかのような根拠のない言いがかり」も大概にしたらどうなのか。それこそ「孔子学院のある大学(例:早稲田大学)」から「名誉毀損偽計業務妨害」で刑事告発されても文句は言えないでしょう。
 こうした産経の誹謗記事の方が「朝日、毎日のワクチン接種予防システムの欠陥指摘(河野太郎などが業務妨害と誹謗)」よりもよほど「偽計業務妨害」です。
 欠陥指摘のために「架空番号で一回登録」程度の事は偽計業務妨害などという話では無い。
 とはいえ、産経に要望されても、本当にそんなことをやる度胸(蛮勇)はさすがに菅政権にはないと思いますが。日中関係が確実に悪化する上に「何ら道理のない言いがかり」ですので。

*1:「触手」ではなく「食指」が正しい気がします。

*2:1886~1976年。中国人民解放軍総司令官を務め『建軍の父』と評価される。中華人民共和国建国後は、国家副主席、全国人民代表大会委員長(国会議長に相当)などの要職を歴任(朱徳 - Wikipedia参照)

*3:著書『東チベットの宗教空間:中国共産党の宗教政策と社会変容』(2015年、北海道大学出版会)、『天空の聖域ラルンガル:東チベット宗教都市への旅(フィールドワーク)』(2019年、集広舎)など

*4:四川省省都

*5:チベット自治区の政府所在地

*6:青海省省都

*7:もちろん島国日本が台湾より酷い事態であることを考えれば、蔡の水際防疫は一定の評価が出来ます。