今日の産経ニュース(2021年6月4~6日分)(副題:今日も自民と立民に悪口する)(追記あり)

三反園前知事が出馬意向 次期衆院選鹿児島2区 - 産経ニュース
 県知事として「再選に失敗」し、1期で終わった人間が当選できるとも、当選したとしても何かが出来るとも思いませんが、まあ、現時点では「自民現職」以外では「共産新人」しか名乗りを上げてないようなので、「立民」をうまく丸め込めば「野党共闘候補でワンチャンスある」とでも思ってるのでしょう。


前経産相に説明責任 自民・森山国対委員長 - 産経ニュース
 「他人事かよ!」ですね。「自党の政治家が公選法違反」については「説明して欲しい」ではなく「我々が調査する」が当然でしょうに。


立民・岡田元副総理「共産と政権共にしない」 政策一致せず - 産経ニュース
 やれやれですね。
 「麻生内閣末期」なら「政権が獲得可能かどうか」と言う意味においては、それでもいいでしょう。世論調査では「自民に支持率でダブルスコア(立民が9%程度で、自民が20%程度)」の現状でそんな反共主義でどう政権を獲得するのかという話です。


【正論】旧陸海軍の遺訓を忘れた日本人 東京国際大学特命教授・村井友秀 - 産経ニュース
 無料記事とは言え、会員登録してないと途中までしか読めません(俺は会員登録してるので読めますが)。
 村井の結論は正直「アホか」と言う代物ですが突っ込む気にならないのであえて突っ込みません。
 以下は「ガダルカナル」「インパール」という村井がネタにしてるものを「元にした俺の考え」を書きます。
 兵站軽視で餓死者*1(戦死者ですらない)を続出させ、にもかかわらず、牟田口インパール作戦現地司令官)など上層部が何ら責任を問われなかった「ガダルカナル」「インパール」がわかりやすいですが、太平洋戦争の教訓は「合理主義の軽視(根拠なき楽観論)」「責任逃れの無責任体制(部下への責任転嫁などで上層部が失敗しても責任を問われない)」が悲劇を生むという話でしょう(まあ、そもそも「ガダルカナル」のような個々の作戦以前に対米戦争自体が「合理主義の軽視(根拠なき楽観論)」で無謀ですが)。
 これらについては

ガダルカナル
NHK取材班『太平洋戦争 日本の敗因2:ガダルカナル 学ばざる軍隊』(1995年、角川文庫)
NHKスペシャル取材班『ガダルカナル 悲劇の指揮官』(2020年、NHK出版)
インパール
NHK取材班『太平洋戦争 日本の敗因4:責任なき戦場 インパール』(1995年、角川文庫)
NHKスペシャル取材班『戦慄の記録 インパール』(2018年、岩波書店

なんて本もあります。
 でそれが今、新型コロナ禍において菅政権の「五輪は開催できるはずだ」という「合理主義の軽視(根拠なき楽観論)」として再現されてるわけです。
 あるいは「大阪のイソジン吉村」が典型ですが、自らの「コロナ無策」を棚に上げて「感染力の強い変異種ガー」などと言い逃れをする。まさに「吉村=インパールの牟田口」でしょう。未だに吉村なんぞ支持できる維新支持者(あるいは未だに吉村にへつらってるという大坂マスコミや吉本芸人)の気が知れません。
 とはいえ、村井の結論は残念ながらそのような物ではないですが。


【近ごろ都に流行るもの】「『フェムテック』って何?」 女性特有の不便・不調を技術で解決 - 産経ニュース
 聞いたことがない言葉なのでこの機会にメモしておきます。


<独自>存在感増す「3A」 日豪議連が安倍、麻生、甘利氏を重職起用へ - 産経ニュース
 「現役の副総理・財務相」の麻生ならともかく「安倍なんか最高顧問にするのか」と心底呆れます。


<独自>「50歳が14歳と同意性交で捕まるのはおかしい」立民議員が主張 - 産経ニュース
 産経的には「非難記事のつもり」のようですが、「真実の同意があれば処罰対象から外してはどうか(ただし、未成年者の未熟さにつけ込んだ詐欺、脅迫行為による同意は真実の同意とは認めない*2)」という考えは「一理ある考え」でしょう。
 それにしても説得力を持たせるためにも「議員の名前」ぐらいきちんと書いたらどうなのか。何せ「ミンダナオ島日本兵発見(実際にはそんな発見はなかった)」「江沢民・元中国国家主席死去(実際には今も存命)」など、過去に誤報、虚報を連発してきた産経ですからね。この記事が「虚偽でない」といえないところが何ともかんとも。


【追記】
立民、性交同意年齢めぐる「50歳が14歳と」発言削除 - 産経ニュース
 今回は産経のデマ記事ではなかったようですが立民の無様さにはいつもながら呆れますね。
 「発言を撤回したい、というから問題視しない」てそんな馬鹿な理屈が通用すると本気で思ってるのか。
 そもそも「発言を撤回する」というなら「自らの非を認めて謝罪する」のが当然でしょう。小生は「それなりの覚悟がある発言なのか*3」と思っていましたがそんな立派な話では全くなかったようです。

【更に追記】
今日の産経&しんぶん赤旗ニュース(2021年6月7日分) - bogus-simotukareのブログコメント欄でのアンドリュー・バルトフェルドさんの指摘に寄れば発言者は「本多平直*4」だそうです。
 これについては

「14歳と同意性交、捕まるのはおかしい」立憲議員発言:朝日新聞デジタル
 複数の関係者によると、5月10日に開かれたWTで本多平直衆院議員(56、比例北海道ブロック)が「例えば50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることになる。それはおかしい」と発言した。同月下旬のWTでも「12歳と20歳代でも真剣な恋愛がある」「日本の『性交同意年齢』は他国と比べて低くない」との趣旨の意見を述べたという。
 本多氏の発言があった5月10日のWTに出席した大阪大大学院法学研究科の島岡まな教授(刑法)は、朝日新聞の取材に「発言を聞いて絶句した。(中学生との性行為は)性的搾取にあたるから、犯罪となり得ると示すことが大事だ」と語った。
 立憲の福山哲郎幹事長は7日、記者団の取材に「本人が『撤回』と言っているので、それでいいのではないか」と述べ、発言者を公表しなかった*5。その後、夜になって「(本多氏を)厳重に口頭注意した」とのコメントを出した。

「14歳と同意性交で捕まる」発言 立憲・本多平直氏が謝罪 | 毎日新聞
 立憲民主党本多平直衆院議員は7日夜、同党の性犯罪刑法改正ワーキングチームの会合で出席議員が「50歳と14歳が同意性交して、捕まるのはおかしい」という趣旨の発言をしていたと報じられたことに関し、会合での発言が不適切だったとして、「おわびして撤回する。誠に申し訳ありませんでした」と謝罪するコメントを発表した。
 複数の同党関係者によると、本多氏が5月10日にこの発言をした。同党の福山哲郎*6幹事長は7日、会合での発言を受け、「本多議員の発言の事実関係を調査・確認した上で、本日、厳重に口頭注意した」と明かした。

を紹介しておきます。
 おそらく

「14歳と同意性交、捕まるのはおかしい」立憲議員発言:朝日新聞デジタル
本多氏の発言があった5月10日のWTに出席した大阪大大学院法学研究科の島岡まな教授(刑法)は、朝日新聞の取材に「発言を聞いて絶句した。(中学生との性行為は)性的搾取にあたるから、犯罪となり得ると示すことが大事だ」と語った。

という島岡*7教授のような反応が「リベラル系の立民支持層」「島岡教授のような有識者、学者の立民支持層」から多数表明され「本多に発言撤回させた上で、党執行部としてわびを入れないとまずい。選挙に影響する」と福山や枝野*8ら執行部が判断したのでしょう。本多平直 - Wikipediaによれば島岡氏は「許せない暴言で充分議員辞職に値すると思う」とまで言ったそうですし。おそらく、立民はろくに本多を処分しないのでしょうが、とはいえ島岡氏のような批判を完全に無視したら「選挙がやばすぎる」と思う程度の脳みそはあったようです。
 ということで「立民もそれなりに支持者の反応を気にしてる」ようなので「筋の通らないこと」を立民がしたら支持者の皆さんはどんどん批判しましょう。
 なお、島岡氏が何故コメントを求められたかというと

島岡 まな (Mana Shimaoka) - マイポータル - researchmap
【論文】
◆『強制性交等罪における暴行・脅迫要件について』・日高義博*9先生古希祝賀論文集 下(2018年)
◆『裁判員裁判における『性犯罪の量刑』について』・『裁判所は何を判断するか(シリーズ 刑事司法を考える)』(2017年)
【講演・口頭発表等】
◆『被害者の声を尊重する社会へ―性犯罪改正を中心として』(2021年1月10日、フラワーデモ神戸)
立憲民主党国会議員への説明 「性犯罪の更なる改正について」(2019年2月)

ということでそうした分野(性犯罪)の研究業績があるからでしょう。
 さすがに刑法学者について、朝日の記者がそんなに詳しいとも思いませんので「フラワーデモでの講演」「立民党国会議員への説明」など社会運動にも積極的に島岡氏が参加してることで「彼女のことを知って」の「取材」でしょう。
 島岡氏については過去にも

無罪判決の波紋~性と司法・私の考え:裁判官の「ジェンダーバイアス」が“男性有利”の判決を生む 島岡まな大阪大教授 | 毎日新聞2019/6/11
 諸外国の性暴力を巡る法制度に詳しい大阪大の島岡まな教授(刑法)は、相次ぐ性犯罪を巡る無罪判決の背景には、性犯罪に「過失犯」の規定が設けられていない法律上の不備と、まだまだ男性が多い裁判官の「ジェンダーバイアス(性的偏見)」の問題があると指摘する。【聞き手・平川昌範/西部報道部】

WEB特集 「13歳」のYES、それは本物? | NHKニュース2020.6.29
 今世界ではいわゆる「性交同意年齢」を引き上げる動きが進んでいます。
 フランスには、性的暴行を受けた被害者が18歳未満の場合、加害者を罪に問える性的侵害罪があり、この法律で少年少女を保護できていると考えられていました。
 しかし、フランスの刑法に詳しい大阪大学の島岡まな教授は、事件が相次いだことで、それまでの法律が十分ではないことが分かったと指摘します。
大阪大学 島岡教授
「性的侵害罪は軽すぎて子どもが守られていないことがわかり、同意年齢を定め、15歳とした。フランスでは高校入学の年齢。小・中学生より判断能力が発達し、性行為の意味を十分に吟味したうえで同意や拒否ができる年齢だと考えられている。一方、それ以下だと、同意があったと思い込まされるケースもある。また、同意年齢引き上げは加害者になり得る人の抑制にもつながる」

などの記事があります。
 しかし、

島岡 まな (Mana Shimaoka) - マイポータル - researchmap
【講演・口頭発表等】
立憲民主党国会議員への説明 「性犯罪の更なる改正について」(2019年2月)

ということで「有識者」として意見を拝聴した島岡氏から、このように非難されたことはさすがに枝野や福山にとってショックだったのでしょう。島岡氏(フランス刑法が専門)の方も「あの説明のときに性交年齢を最低でもフランス並みの15歳に引き上げるべきだと私が言ったのを聞いてなかったのか?」とあきれ顔でしょうが。

*1:太平洋戦争での餓死者の異常な多さについては、たとえば、藤原彰『餓死した英霊たち』(2018年、ちくま学芸文庫)参照

*2:まあ、こうすれば処罰対象から外れるケースは少ないでしょう。

*3:上に書いたようにそれなりの覚悟による「それなりの見識による発言」なら俺個人は「一理ある」と思っています。何でもかんでも処罰すれば良い物ではないというのが俺の考えです。

*4:野田内閣で経産大臣政務官。妻は立民党衆議院議員西村智奈美(野田内閣で厚労副大臣)。(西村智奈美 - Wikipedia参照)

*5:しかし世論の批判に逃げ切れず本多だと公表したわけです。

*6:鳩山内閣外務副大臣菅内閣官房副長官民主党政調会長などを経て立憲民主党幹事長

*7:1961年生まれ。盛岡大学専任講師、亜細亜大学助教授、大阪大学助教授を経て大阪大学教授。(島岡まな - Wikipedia参照)

*8:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、民進党代表代行(前原代表時代)を経て立憲民主党代表

*9:1948年生まれ。学校法人専修大学理事長。専修大学名誉教授。専修大学法学部長、学長を歴任。著書『不真正不作為犯の理論(第2版)』(1983年、慶應通信)、『刑法における錯誤論の新展開』(1991年、成文堂)、『読書と人生:刑法学者による百学百話』(2011年、専修大学出版局)など(日高義博 - Wikipedia参照)