今日の産経ニュースほか(2021年6月28、29日分)(副題:改めて都議選での共産議席増を祈願する、ほか)(追記あり)

【追記】
 フランスへの苦言がきわめて腰が引けているのがなんとも(苦笑)、あと北朝鮮がらみで非難する作戦も以前ほどの効果はないと思う - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)でこの拙記事をご紹介いただきました。いつもありがとうございます。
【追記終わり】

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4301985.html
 「都民ファが衰退する」「共産が議席*1」という「見込み」は俺にとって嬉しいことですが「自公過半数の見込み(都民ファが失った議席のかなりを自公が獲得)」ではあまり喜べません。
 立民も議席増の見込みのようですが、正直「自公や都民ファよりはまし」とはいえ俺個人は立民をそれほど評価していません。 
 とにかく共産には「現有議席を維持した上で」1議席でも2議席でも議席を増やしてほしい(議席倍増のような贅沢は言いません、そうした「贅沢な願い」が実現できれば御の字ではありますが)。しかしこうなると小池の「自称・病気療養」は1)都民ファが「無観客開催」を訴えてるのに対し、小池が曖昧な態度であることを批判されたくない、2)明らかに東京のコロナが「リバウンド状態」にあることを小池が選挙戦で批判されたくない、3)あるいは都民ファの「議席減少(敗戦:自民が都民ファから第一党の地位を奪う可能性が高いとみられる*2。しかも公明、立民、共産も議席増の見込みなのでこのままでは都民ファ一人負けになる)」が濃厚で「敗戦責任から逃げたい」などの理由による「雲隠れ(仮病)」とやはり疑わざるを得ません。つまりはリクルート事件など不祥事で政治家が病院に逃げ込むのと同じ話です。


違和感覚える福島氏への仏勲章授与 石川弘修(国基研理事・企画委員) « 国基研ろんだん 国基研ろんだん « 公益財団法人 国家基本問題研究所

 フランス政府は6月23日、社会民主党福島瑞穂*3党首(参議院議員)に国家功労勲章シュバリエ(騎士)を授与した。東京の同国大使館で開かれた授与式でフィリップ・セトン大使は、死刑廃止男女共同参画従軍慰安婦問題など「長年にわたって人権擁護のために闘った」と福島氏を讃えた。
 フランス政府は、福島議員は旧民主党との連立政権当時、(ボーガス注:少子化男女共同参画担当の)内閣特命担当大臣として少子化問題男女共同参画に取り組んだほか、社民党党首としてジェンダーの平等や夫婦別姓運動を推進するなどし、その功績は大きいと指摘している。
 だが、福島氏は前任党首の故土井たか子*4らと一緒になって、日本人多数を拉致した北朝鮮を支援してきた中心人物の一人である。
 福島氏への国家功労勲章授与は、むしろフランスのイメージ・ダウンになったのではないだろうか。

 こんなことをウヨ連中がほざいたところでフランス政府は無視するだけなのでまさに「負け犬の遠吠え」です。
 そもそもフランス政府も「バカではない」。ウヨ連中がまさに「フランス政府が勲章授与理由とした死刑廃止男女共同参画」で福島氏を敵視してることぐらい知ってるでしょう。知った上で勲章を授与したわけです。
 それにしてもこれが「中韓なら悪口雑言」でしょうがやはり「白人(欧米)コンプレクス」があるのか、フランスに対しては明らかに腰が引けてますね。


◆フランス大使館のツイートと記事

上智大学の三浦まり教授が国家功労勲章を受章
 三浦氏はキャリアを歩む中で、パリテ(男女同数)とジェンダー平等の問題に深くかかわりました。政治参加を希望する女性を対象にした数多くの意識啓発講演会やワークショップの開催に貢献しました。女性団体の活動も支援し、2018年に申きよん氏*5とともにパリテ・アカデミーを設立しました。
 この分野を代表する有識者となった三浦氏は、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案の策定作業の一環として専門知識を提供しました。この法律は2018年5月に国会で可決されて成立し、同月に公布・施行されました。一方、日本が議長国を務めたG20では、エンゲージメント・グループ「W20」の委員を務め、G20大阪サミットに向けて女性に関する政策提言の策定に携わりました。
 三浦氏のジェンダー平等問題に対する取り組みは、日本だけにとどまりません。とりわけ政治における女性をテーマにしたラウンドテーブルをはじめ、在日フランス大使館が主催したイベントに複数回参加し、日仏交流の発展に寄与しました。そのほかにもアンスティチュ・フランセ日本が開催した日仏討論会に参加しました。
 2018年12月に行われた日仏交流160周年閉幕レセプションでは、日仏関係の証言者として、女性の権利促進に向けた強い意気込みを表明しました。女性の権利はエマニュエル・マクロン大統領が任期中の最重要課題の一つに掲げています。
 叙勲式では日本でパリテ問題に精力的に取り組んだ三浦氏の功績がたたえられ、勲章が伝達されました。

 「ジェンダー平等に尽力」という理由でほぼ同時期に「福島氏と三浦氏(福島氏の場合は他に死刑廃止などもありますが)」が受賞してるのは勿論「偶然ではない」でしょう。フランス政府が「ジェンダー平等」に力を入れているという話でしょう。

◆フランス大使館
 社会民主党党首福島瑞穂氏は、人権擁護への取り組みが評価されフィリップ・セトン駐日大使から国家功労勲章シュヴァリエを伝達されました。死刑廃止のための闘いは、福島氏の代表的な取り組みのうちの一つです。

福島瑞穂氏が国家功労勲章を受章
 福島氏は弁護士時代から従軍慰安婦問題に取り組み、問題の周知に貢献しました。1998年に参議院議員選挙社民党から初当選し、2003年から2013年まで同党党首を務めました。2009年に社民党が連立政権に加わり、福島氏は内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全担当)として初入閣し、少子化対策男女共同参画も担当しました。2020年に社民党党首に復帰し、現在に至ります。
 福島氏は政治キャリアを人権擁護に捧げてきました。その代表的な取り組みの一つが、日本における死刑廃止に向けた闘いです。
 福島氏はパリテやジェンダー平等の問題、死刑廃止、社会・家族政策について、フランスの事例を参考にしたり、これまで複数回訪問した経験があるフランスとの対話を重ねる中でヒントを見いだしたりしてきました。日本の市民社会を代表する多くの著名人の側に立った福島氏の積極的な取り組みは、日本とフランスの社会モデルの距離を縮めるとともに、両国を結ぶパートナーシップの基礎となる共通の価値観を強化することに寄与しています。

 一応紹介しておきます。なお記事に出てくる「パリテ」とはフランス版のいわゆる

クォータ制
アファーマティブアクションポジティブ・アクション

のこと(例えばパリテ(parité)|日本女性学習財団|キーワード・用語解説「パリテ」で女性議員を増やせ 立憲民主・蓮舫さんインタビュー:【SDGs ACTION!】朝日新聞デジタル参照)です。
 ググったところ

【パリテ】
◆糠塚康江*6『パリテの論理:男女共同参画の技法』(2005年、信山社
クォータ制度】
◆三浦まり他『ジェンダー・クオータ:世界の女性議員はなぜ増えたのか』(2014年、明石書店
ポジティヴ・アクション
辻村みよ子*7ポジティヴ・アクション:「法による平等」の技法』(2011年、岩波新書)

など、いろいろ著書もあるようです。


◆福島氏のツイートとブログ

福島みずほ
 今日6月24日(木)20時から「ジェンダー平等の実現へーフランス政府から国家功労勲章シュバリエ賞授与を受けて」というインターネット番組をやります。三浦まりさん*8福島みずほの対談です。2人とも(ボーガス注:ジェンダー平等への尽力を理由に、国家功労勲章シュバリエ賞を)受賞しました。

国家功労勲章シュバリエ授与式ご挨拶 | 社民党 福島みずほ 参議院議員(比例区)
・理由が、死刑廃止ジェンダー平等、子育て支援などの活動であると知り、さらに感激をしました。
・日本でまだ死刑廃止が実現できていない事は本当に残念ですが、これからも廃止に向けて取り組みます。
・選択的夫婦別姓同性婚がなかなか成立しない日本の社会ですが、多様な生き方を認め、全ての人の尊厳が守られる社会を実現していきたいと思います。

 ひとまず紹介しておきます。


【主張】警察庁サイバー局 情報機関創設への一歩に - 産経ニュース
 自民党警察庁がそういう方向性かどうかはともかく、産経のようなウヨはそうした価値観なのでしょう。大いに警戒する必要があるかと思いますが、サイバー犯罪捜査担当局設置から「反対意見も当然ある」情報機関云々を公言できる産経にはいつもながら呆れます。
 何も「サイバー犯罪=外国の情報スパイ」でもないでしょうに。


森山自民国対委員長在職最長へ 改憲「世論明らか」(1/2ページ) - 産経ニュース
 世論のどこが「改憲を希望してる」のか。全くでまかせも大概にしたらどうなのか。


【産経抄】6月28日 - 産経ニュース

▼東京郊外のM市は、何事も慎重、確実を信条としているのか、高齢者への接種開始は出遅れた。同じ都内の墨田区が迅速に打ちまくっているのもまったく気にせぬ風情だったが、ようやくエンジンがかかってきた。

 なぜイニシャルトークにするのかさっぱりわかりません。「M市(あるいはM市与党である自民党?)」に抗議されたくないからか。しかし「M市」では「町田市」「三鷹市」「武蔵野市」「武蔵村山市」が該当する可能性があり「かえって風評被害ではないのか」と思います。それにしても「菅(首相)や河野(ワクチン担当相)の無能さ」をスルーして「自治体ばかりを無能呼ばわり」とはいい度胸です。

 経済産業省のキャリア官僚2人が、とんでもないことをしでかしてくれた。コロナ禍で困窮している中小企業を支援するための給付金を550万円も詐取したというのだ。

 やれやれですね。
 犯罪者の彼らを擁護する気は勿論全くありませんが
1)安倍のモリカケ桜を見る会、アベノマスクの無茶苦茶さに比べれば「強姦と電車内痴漢」「銀行強盗とスーパーの万引き」位の差(勿論、『より悪質な前者』が安倍)があり「たいした問題ではないこと」。また彼らの犯罪は「政治家としての権力を悪用した」安倍と違い、報道によれば「個人的犯罪」にすぎないこと(まあキャリア官僚とはいえ20代で係長に過ぎませんからね)
2)そんな無茶苦茶な安倍を産経は詭弁で擁護したこと
3)彼らは逮捕起訴され法の裁きを受ける(おそらく有罪判決が出て懲戒免職)が、未だに安倍は逮捕起訴どころか、議員辞職もせず野放しであることなど
を考えれば「よく言うぜ」「利害関係のある安倍はかばったくせに」という「産経への軽蔑や怒り」を禁じ得ません。むしろ「安倍のようなごろつき」が与党政治家であることがこうした犯罪を助長してるのではないのか。あるいは「デマ記者阿比留」を懲戒処分どころか出世させるごろつき新聞社がよくもこんなことがいえたもんです。
 【主張】経産官僚の詐欺 信頼失墜させた罪は重い - 産経ニュースについても「安倍の不正をかばった産経がふざけるな」「阿比留を出世させた産経が(以下略)」という「産経への軽蔑や怒り」を禁じ得ません。


古い党が「嵐の党」に 改称4回目、前回は5月 - 産経ニュース
 N国党が完全に「オワコンになった」ということでしょう。大変いいことです。

*1:もちろん「見込み」にすぎないので「最後の最後まで油断は禁物」ですが、それでも「議席減の見込み」よりは支持者として嬉しいのも一方では事実です。

*2:都民ファ敗北は歓迎ですがそれが「自民第一党ではねえ(げんなり)」ですね。

*3:社民党幹事長、副党首、鳩山内閣少子化等担当相などを経て社民党党首。著書『結婚と家族』(1992年、岩波新書)、『裁判の女性学』(1997年、有斐閣選書)、『福島瑞穂的弁護士生活ノート』(1988年、自由国民社)、『福島みずほの刑務所の話』(2003年、現代人文社)、『迷走政権との闘い』(2011年、アスキー新書)など

*4:1928~2014年。社会党委員長、衆院議長、社民党党首など歴任。著書『せいいっぱい:土井たか子半自伝』(1993年、朝日新聞社

*5:お茶の水女子大学ジェンダー研究所教授。パリテ・アカデミー共同代表。著書『女性の参画が政治を変える』(三浦まり氏らとの共著、2020年、信山社ブックレット)など

*6:東北大学教授(憲法学、フランス憲法学)。著書『現代代表制と民主主義』(2010年、日本評論社)、『議会制民主主義の活かし方』(2020年、岩波ジュニア新書)など(糠塚康江 - Wikipedia参照)

*7:東北大学名誉教授(憲法学、フランス憲法学)。夫は国際私法学者の横山潤(1949~2020年、一橋大学名誉教授)。著書『フランス革命憲法原理』(1989年、日本評論社)、『「権利」としての選挙権』(1989年、勁草書房)、『人権の普遍性と歴史性』(1992年、創文社)、『女性と人権』(1997年、日本評論社)、『市民主権の可能性』(2002年、有信堂高文社)、『自治体と男女共同参画』(2005年、イマジン出版)、『ジェンダーと人権』(2008年、日本評論社)、『憲法ジェンダー』(2009年、有斐閣)、『フランス憲法と現代立憲主義の挑戦』(2010年、有信堂高文社)、『憲法から世界を診る』(2011年、法律文化社)、『代理母問題を考える』(2012年、岩波ジュニア新書)、『人権をめぐる十五講』(2013年、岩波現代全書)、『比較のなかの改憲論』(2014年、岩波新書)、『選挙権と国民主権』(2015年、日本評論社)、『憲法と家族』(2016年、日本加除出版)、『憲法改正論の焦点』(2018年、法律文化社)、『フランス憲法史と立憲主義 (辻村みよ子著作集第1巻) 』(2020年、信山社)、『人権の歴史と理論 (辻村みよ子著作集第2巻) 』(2021年、信山社)など(辻村みよ子 - Wikipedia参照)

*8:上智大学教授(政治学)。パリテ・アカデミー共同代表。著書『私たちの声を議会へ:代表制民主主義の再生』(2015年、岩波書店)、『日本の女性議員 どうすれば増えるのか』(2016年、朝日新聞出版)など(三浦まり - Wikipedia参照)