今日の産経ニュース(2021年8/21、22日分)

横浜市長選、自民系が敗北 山中氏が初当選 - 産経ニュース
 今後「山中氏がどんな施策をするか」が問題ではありますが、ひとまずは山中勝利を菅批判派、野党共闘支持者として素直に喜びたい。そして横浜市長選の結果がどうなるか定かでないが、野党候補が勝ったら風雲急をつげるかも - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)についていえばやはり「菅おろしの動き」が強まるのでしょう。「分裂選挙強行&コロナ失政批判」による落選自体が「そうした問題を甘く見て菅が分裂選挙を強行して敗戦した」と言う意味で菅にとってダメージですが、僅差ではなく「開票後、すぐに当確発表」ですからね。
 また、横浜市長選挙で、与党の本来なら盤石候補と与党系現職が、野党系新人にゼロ打ちで負けたのだからひどいものだ(これにて首都圏のカジノもおしまい) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)が指摘するようにこれで横浜のカジノ計画もぽしゃったのでしょう。「八ッ場ダム中止や沖縄基地県外移設の公約を反故(民主党政権)」のように公約を反故にしたケースも過去にあるので「油断は禁物」とはいえ、山中氏が公約を反故にしてカジノを強行してもメリットも大してないのではないか。
 まあ、今のコロナ状況では誰が当選しようと「カジノ計画」が実現できたか疑問ですが。当面、県外(勿論海外含む)からは客が呼べませんからね。


小此木氏「もう立候補しない」 首相「ご苦労様」 - 産経ニュース
 正直、国会議員だが「選挙に弱く毎回苦戦」「大臣などの要職に就けず不満」ならともかく、「世襲議員で比較的楽な選挙」「選挙区が同じ横浜でつながりのある菅が首相で、国家公安委員長に入閣(もちろん今の菅内閣支持率では菅下ろしの可能性が高いし、その場合は小此木氏も新総裁に冷遇される危険性がありますが)」の小此木氏が「分裂選挙による落選のリスク」を犯してまで、市長選に出馬したのか俺のような部外者(選挙区外の人間)にはよくわかりませんが「国会議員でいることに限界を感じて」市長に転身したかった、それが失敗した以上、政界引退すると言うことなのでしょう。もちろん、彼が今後、「衆院または参院議員」として結局「復権しよう」とする可能性はゼロではないでしょうが。何せ彼はまだ56歳であり、日本政界的には引退の年齢ではありませんので。


小此木氏のIR反対 自民支持者「選挙熱冷めた」 - 産経ニュース
 小此木氏が「カジノ反対」を掲げたことは、「カジノ賛成派の自民支持層→林支持」となる反面、「カジノ計画は自民が推進してきたのではないか?。小此木氏は信用できない。カジノ反対を掲げる候補である程度信用できて当選可能性も高いのは野党共闘の山中候補」となり、結局「虻蜂取らずだった」と言う話です。とはいえ「カジノ賛成」を掲げれば、「カジノ反対派の票のほとんどは山中氏のもの」となったろうし、それでは勝てないとみての「カジノ反対」でしょうから、結局「一本化に失敗して分裂選挙」になった時点で「敗北が決定」ではないか。


【新聞に喝!】五輪「当事者」のメディアこそ自己検証を 元東京大学史料編纂所教授・酒井信彦 - 産経ニュース

 とにかく五輪開催の経緯については、異常かつ不自然なことが多すぎた。その典型が組織委員長であった森喜朗*1元首相が、「女性蔑視発言」を理由に追い落とされたことである。言葉尻をとらえて*2、大臣などの首を飛ばすのは、メディアの常套(じょうとう)手段*3とはいえ、まともに考えれば、女性蔑視発言というのは、一部の発言を切り取って誇張した報道であることはすぐに分かる。
 これも五輪を中止に追い込むための、計画された謀略の一環であったのか。

 おいおいですね。
 まず第一にあの発言を「女性差別発言ではない」と思うのは酒井のような「女性差別者」ぐらいでしょう。森ですら「渋々」とはいえ謝罪した。
 第二に「森辞任」を決定づけたのは「五輪スポンサー企業」「米国のテレビ局」などが「森をやめさせなければ、企業イメージが悪くなるので、とてもスポンサーなどできない」「テレビ放送などできない」と突き上げたからですが、それのどこが「五輪中止をもくろんだ陰謀」なのか。


【話の肖像画】評論家・石平(59)(21)忠誠心問わない「帰化」の不思議 - 産経ニュース
 日本ウヨに媚びてるのでしょうが、石平らしい キチガイぶりで呆れますね。「忠誠心」などというものをどんな基準で判断するのか。


【日曜に書く】論説委員・川瀬弘至 自衛隊員は参拝できない? - 産経ニュース

沖縄戦で自決した守備軍最高指揮官、牛島満第32軍司令官と長勇(ちょう・いさむ)参謀長を祀(まつ)る黎明之塔
・第15旅団の佐藤真(まこと)旅団長と旅団司令部の総務課長、最先任上級曹長の3人が姿をみせ、献花台に生花をたむけて黙禱(もくとう)した。
・昨年も、地元記者らが佐藤旅団長に「住民を守らなかった日本軍を顕彰するのはなぜか」と質問し、佐藤旅団長は「答えなかった」と、地元紙が書いている。
・(ボーガス注:今年も)摩文仁の丘を下りる佐藤旅団長を地元記者らが追いかけ、次々と質問をぶつけた。
「(ボーガス注:地上戦を強行し住民を巻き添えにしたあげく、集団自決強要までやったことで)県民は旧軍と(ボーガス注:服部卓四郎*4など旧軍幹部が自衛隊創設に関与したことで、人脈的に旧軍と関係がある)自衛隊に複雑な思いを持っていますが、どう思いますか?」「自衛隊が旧軍を顕彰することには批判がありますが、いかがですか?」

 こうした自衛隊批判は「全く当然だ」と俺は思いますね。そもそも佐藤氏らの行為は「ずっと自衛隊がやってきた」という点から考えて彼らの個人的行為ではなく「自衛隊という組織の意思」による「半ば公務」となっていますし(なお、「黎明之塔」について政教分離の問題が生じるならそれも問題ですし、そうした問題があれば自衛隊だけでなく「公務員の参拝*5(?)」も不適切です)。
 なお、靖国神社護国神社については「自衛隊員が」ではなく「政教分離の観点から公務員が」ですね。もちろん「あの戦争を靖国や護国は美化している」「(靖国については)軍人の戦犯として東条英機*6陸軍大臣(第二次、第三次近衛内閣)、板垣征四郎*7陸軍大臣(第一次近衛、平沼内閣)、永野修身*8軍令部長などを祀ってる」と言う意味で「そんなものに自衛官が参拝していいのか」という自衛官独自の問題もありますが。


【気になる!】新書『一次資料で正す現代史のフェイク』 - 産経ニュース

「日本はソ連の参戦を想定していた*9」「日本は無条件降伏していない」。
 真珠湾攻撃から終戦まで、現代史の重要な事柄に関するフェイクや思い込みを、欧米の公文書館に所蔵されている一次資料によって覆す。

 こんなデマを流す輩・有馬が「早稲田大学教授」つうんだから呆れて二の句が継げませんね。
 ちなみに有馬には

・『NHK解体新書:朝日より酷いメディアとの「我が闘争」』(2019年、ワック)
・『日本人はなぜ自虐的になったのか:占領とWGIP』(2020年、新潮新書
・『「慰安婦」はみな合意契約をしていた:ラムザイヤー論文の衝撃』(2021年、ワック)

と言った著書があります。「NHKも朝日も反日」「WGIPガー」、「ラムザイヤーの慰安婦論文は正しい」だの明らかにデマ右翼でしかない。
 なお、WGIPについては新刊紹介:「歴史評論」2021年5月号(追記あり) - bogus-simotukareのブログで触れましたが、WGIPはせいぜい「新中国建国(1949年)、朝鮮戦争(1950年)などを契機にいわゆる逆コースが始まる前までの話」です。戦犯として終身刑判決を受けた賀屋興宣(第一次近衛、東条内閣蔵相)が「釈放され、公職追放も解除され、自民党政調会長(池田総裁時代)、池田内閣法相などとして復権した」のに何がWGIPなのか。
 しかも「WGIPには虚偽宣伝などどこにもない」。例えば南京事件バターン死の行進も事実の訳です。
 さて「ソ連の参戦」を予想してないからこそ、昭和天皇らは「ソ連を仲介役とした和平構想」に固執し、降伏を遅らせた。
 しかし、8/10のソ連の対日宣戦布告でその構想は崩壊。やむなく「無条件降伏」せざるを得なくなった。
 しかし「無条件降伏などおかしい」という陸軍過激派がいわゆる宮城事件をおこしたが失敗し自決した、また阿南陸相が「無条件降伏したことについて責任を感じて自決した」つうのが歴史的流れです。条件降伏だというなら何のために阿南は自決し、陸軍過激派は宮城事件をおこしたのか。条件降伏ならおそらく阿南は自決しなかったろうし、宮城事件も起きなかったでしょう。
 ちなみに「宮城事件」「阿南の自決」については、映画日本のいちばん長い日 - Wikipedia(1967年の岡本喜八監督版と2015年のリメイク版がある)で描かれたのでご存じの方も多いかと思います。
 映画の原作本(文春文庫に収録)を書いたのが「ハニートラップ」なんてことで、そのような歴史の話を解釈するのはよろしくない(半藤一利氏って、こんなトンデモだったのという気がする)(下) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)で酷評されてる半藤一利氏です。


野球部員にわいせつ疑い 大阪の私立高元コーチ逮捕 - 産経ニュース
 「男性による男性への猥褻行為」を実名で報じてしまうと「いわゆるアウティング - Wikipedia」に当たるのではないかという疑問を感じますね。俺個人は、浅野健一「犯罪報道の犯罪」(講談社文庫)が主張し、赤旗が実践している「原則・匿名報道」の支持者なので、今回に限らず「実名報道」には否定的な立場ですが。
 なお、アウティング - Wikipediaによれば、アウティングは勿論1)反LGBTのウヨが嫌がらせとしてやる行為もありますが、2)「反LGBTのウヨ」だが「実はLGBT」と言う人間(いわゆる隠れLGBT在日韓国人でありながらそれを隠して、生前、在日ヘイトに事実上、加担したウヨ芸能人・やしきたかじんのような輩)に対して、LGBT活動家が「カウンター攻撃」としてやる場合もあるそうですが、多くの人間は「2)の場合に『裏切り者、卑怯者』として暴露したいと、怒る気持ちはわかるがさすがに人権侵害に該当する『やり過ぎ』ではないか」という見解のようです(俺もLGBTについては今のところ、その見解ですが、やしきたかじんについては「あいつは実は在日」と奴の知人が、生前に暴露しても良かった気が個人的にはします)。


宿泊療養の入所者死亡 病床逼迫で入院できず - 産経ニュース
 何のための宿泊療養なのかと絶句せざるをえません。自宅療養で発生する「容態急変で死亡」という最悪の事態を避けるためではないのか。


三重国体、県が中止検討を要請 コロナ感染拡大受け - 産経ニュース
 確かに中止すべきでしょうが「無観客開催」とはいえ「三重より感染状況が酷い東京」で「外国人選手を招いて*10」五輪、パラ強行とは明らかに矛盾します。
 もちろん「国体中止を文科省や日本スポーツ協会に要請した三重県がおかしいのではなく、五輪、パラを強行した東京都と国、JOCがおかしい」のですが。

*1:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*2:「言葉尻」「一部の発言」という酒井の言い分こそが「いつもの醜い言い訳」ですね。

*3:「首を飛ばしてる」のは首相であり、そうなる理由は「世論の批判」なので「メディアが飛ばす」などというのは言いがかりです。

*4:1901~1960年。関東軍作戦主任参謀、参謀本部作戦課長など歴任(服部卓四郎 - Wikipedia参照)

*5:産経はためらいなく「参拝」と書いていますが、宗教施設でないと産経が主張するなら「訪問」とでも書くべきでしょう(「参拝」は通常、「宗教施設」に対して使う言葉であるため)。

*6:太平洋戦争開戦時の首相

*7:関東軍高級参謀として満州事変に関与

*8:太平洋戦争開戦当時の軍令部長

*9:ソ連が「日ソ中立条約の自動延長を否定したこと」から「ソ連参戦を危惧していた人間が政府内の一部にいたこと」は事実ですが、それをもって「日本政府が想定していた」と見なすのはこじつけでしかない。日本政府主流は「(自己欺瞞かもしれませんが)ソ連参戦はない」と見て「ソ連を仲介役とした和平工作」に動いたわけです。

*10:勿論国体は国内選手限定