「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年8/30日:島田洋一の巻)(追記あり)

島田洋一
 菅首相が日本経済の背骨を折りかねないと不信を買うに至ったのは、まさに小泉進次郎にエネルギー政策を委ねた重大過誤に因る。

 環境相・小泉jrを「脱原発派」と決めつけたあげく「脱原発派・小泉の重用」で財界の支持を失い辞任に追い込まれた、という「明らかな歴史捏造」を行う島田です。誰がどう考えても「コロナ蔓延による菅辞任」ですが。
 そもそも、エネルギー政策の担当はもちろん、「経産相」であり、小泉jrではないのに何を言っているのか。

島田洋一
 「高市首相」が淡々と靖国参拝を続けることを期待する。
(中略)
 安倍前首相の対米人脈などを用い、今からしっかり根回ししておかねばならない。少なくともトランプやルビオを中心とする共和党を味方に付ける事は非常に重要だ。

 「高市首相」自体が「実現性皆無」でしょうが、仮に実現したとしても、「首相靖国参拝」はないでしょう。中韓は勿論米国だって確実に批判するからです。A級戦犯を「昭和殉難者」、太平洋戦争を「アジア解放の聖戦」と美化し、ハルノートを「米国の挑発」、東京裁判を「連合国による無法な報復」と貶める靖国は米国にとっても容認できる代物ではない。そして米国の批判を無視して居直れるほどの度胸は高市にはないでしょう。
 それにしても「安倍の根回し」ねえ。安倍自身が米国の批判にびびって「靖国参拝」を首相在任中に「1回しかしなかったこと」は島田にとって「なかったことになってる」ようです。しかも「民主党は無理でも共和党には根回ししよう」て、仮に共和党靖国参拝を容認したとしても*1政権野党に根回しして何の意味があるのか。

島田洋一
 バイデンが大統領に押し上げられたのと同様、「思想も判断力もないあの男なら自分たちがコントロールできる」との思惑から「まあ岸田でいくか」とする勢力がかなり出てこよう。

 バイデンや岸田をどう評価するにせよ「それなりの識見がある」と思うから担いでるのであって「自分たちでコントロール」等と思うわけがないでしょう。
 大体

田中派支配時代の大平首相
竹下派支配時代の海部首相(海部氏の所属派閥・河本*2派は最大派閥・竹下派に比べ弱小で、海部氏も派閥幹部ではあってもボスではない。また大臣経験も福田、中曽根内閣文相しかない)
・非自民連立政権での細川首相(細川氏日本新党は政権内において最大勢力というわけではない)
・派閥ボスではない菅義偉首相

等ならともかく、今現在「田中、竹下派」ほどの絶対的力を持つ派閥はないし、「派閥ボスの岸田」はそれほどコントロールしやすい存在ではないでしょう。候補の内、一番コントロールしやすいのは岸田ではなく「島田プッシュの高市」でしょう。高市は岸田や石破と違い派閥ボスでない上に、河野や野田と違い、「世論調査で人気が高いわけでもない」からです。
 大体、岸田をここまで馬鹿にすることは「安倍の思惑が何であれ」岸田を外相や政調会長として起用した安倍を馬鹿にすることにもなるのですが、「安倍信者」島田はそうした疑問を何故か感じないらしい。

島田洋一
 自民党総裁選。岸田文雄高市早苗河野太郎野田聖子石破茂。いま名乗りを上げている中では高市氏が最も良い。
 野田聖子氏よりは、まだ松田聖子氏の方が首相にふさわしい。

 「極右」島田的にはそうなるでしょうが
1)さすがに極右・高市では外交関係がやばくなる
2)自民は女性総裁を選ぶほどの度量はない(従って野田総裁もまずあり得ない)
3)世論調査でも大して人気がないし、岸田や石破と違い派閥ボスでもない
つう意味で「高市総裁」はないでしょうね。
 なお、松田聖子云々はさすがに冗談でしょうが正気ではありません。

【追記】
 安倍が高市支持を表明したそうです。不思議なのは「総裁選に出馬したい」と表明した「第二次安倍内閣文科相自民党選対委員長(第二次安倍総裁時代)」だった元側近「下村政調会長」を支持せず、高市支持を表明したところですね。
 俺の邪推ですが「高市は無派閥(但し元は細田派)だが、下村は細田派」ということで「細田派後継者が下村となり、『下村>安倍』と派閥での立場が逆転したあげく安倍の居場所がなくなること」を恐れていたのか。
 いずれにせよ「今、安倍は細田派を離れてる」とはいえ安倍にとって一番自然なのは細田派の人間(例えば下村)を担ぐことであり、その担いだ人間を当選させた上で「細田派の大幹部的存在」となるのが一番「自然でベスト」でしょうに、それができずに「元細田派」とはいえ今は「派閥外部の高市」という時点で「おいおい」ですね。正直、「前首相」安倍が支持表明したからといって高市が有利とは言えないでしょう。「細田派の人間を担ぎたかった」が安倍にとって担げる人間がおらず渋々、高市ではないか。

島田洋一
 バイデン政権自ら、差し迫ったテロの情報があるという中、カブール空港に押し寄せる住民に対応する任務を与えられ、自爆テロの犠牲になった13人の米軍兵士。

 「結果責任」というものがあるので「死人が出た以上」バイデンが批判を受けるのは当然ですが、一方で「無茶苦茶なバイデン批判はしたくない」とも思います。まあ、「アンチバイデン」の島田にはそういう悩みは全く見られませんが。

*1:共和党が容認するか疑問ですが。

*2:福田内閣通産相自民党政調会長(福田、大平総裁時代)、鈴木、中曽根内閣経済企画庁長官など歴任。