新刊紹介:「歴史評論」2021年12月号

 小生が何とか紹介できるもののみ紹介していきます。正直、俺にとって内容が十分には理解できず、いい加減な紹介しか出来ない部分が多いですが。
特集「再考・家永三郎*1
【まずは前振り】
 家永氏(1913~2002年)もなくなってから19年たちます。最近の若者は知らない人間も多いでしょう。
 また、単なる偶然ですが

2002年 - Wikipedia参照
◆9月17日
 小泉訪朝
◆11月29日
 家永氏死去

で「拉致敗戦の深刻さ」を改めて実感しますが、それはともかく。
 家永氏も「不世出の特異(独特)な歴史家」と思います。
 まず彼は、政治批判的な立場からの著書、例えば

家永三郎 - Wikipedia参照
◆『教科書検定:教育をゆがめる教育行政』(1965年、日本評論社
◆『教育裁判と抵抗の思想』(1969年、三省堂
◆『正木ひろし』(1981年、三省堂選書)
◆『教科書裁判』(1981年、日本評論社)
◆『戦争責任』(2002年、岩波現代文庫)
◆『太平洋戦争』(2002年、岩波現代文庫)

などを多く刊行しています。また、『自らが検定不合格の当事者』とはいえ、教科書裁判のようなリアルな社会運動にも関わった。
 もちろん、過去において

井上清(1913~2001年、京都大学名誉教授)
◆『天皇の戦争責任』(1975年、現代評論社→1991年、岩波同時代ライブラリー→2003年、岩波現代文庫
◆『元号制批判:やめよう元号を』(1989年、明石書店
◆『昭和天皇の戦争責任』(1989年、明石書店)など

 また、現在でも

笠原十九司(1944年生まれ、都留文科大学名誉教授、南京事件研究など)
◆『南京事件』(1997年、岩波新書
◆『南京事件三光作戦』(1999年、大月書店)
◆『南京事件と日本人』(2002年、柏書房
◆『「百人斬り競争」と南京事件』(2008年、大月書店)
◆『日本軍の治安戦:日中戦争の実相』(2010年、岩波書店
◆『海軍の日中戦争:アジア太平洋戦争への自滅のシナリオ』(2015年、平凡社
◆『日中戦争全史(上・下)』(2017年、高文研)
◆『増補・南京事件論争史』(2018年、平凡社ライブラリー
◆『憲法九条と幣原喜重郎』(2020年、大月書店)

林博史(1955年生まれ、関東学院大学教授、慰安婦研究、沖縄戦研究など)
◆『華僑虐殺:日本軍支配下マレー半島』(1992年、すずさわ書店)
◆『裁かれた戦争犯罪:イギリスの対日戦犯裁判』(1998年、岩波書店
◆『沖縄戦と民衆』(2001年、大月書店)
◆『BC級戦犯裁判』(2005年、岩波新書
◆『シンガポール華僑粛清』(2007年、高文研)
◆『沖縄戦:強制された「集団自決」』(2009年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)
◆『戦犯裁判の研究』(2010年、勉誠出版
◆『沖縄戦が問うもの』(2010年、大月書店)
◆『米軍基地の歴史』(2011年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)
◆『暴力と差別としての米軍基地』(2014年、かもがわ出版)
◆『日本軍「慰安婦」問題の核心』(2015年、花伝社)
◆『帝国主義国の軍隊と性:売春規制と軍用性的施設』(2021年12月刊行予定、吉川弘文館)など

吉見義明(1946年生まれ、中央大学名誉教授、慰安婦研究など)
◆『従軍慰安婦』(1995年、岩波新書
◆『毒ガス戦と日本軍』(2004年、岩波書店
◆『日本軍「慰安婦」制度とは何か』(2010年、岩波ブックレット)
◆『買春する帝国:日本軍「慰安婦」問題の基底』(2019年、岩波書店

和田春樹(1938年生まれ、東京大学名誉教授)
◆『朝鮮有事を望むのか:不審船・拉致疑惑・有事立法を考える』(2002年、彩流社
◆『東北アジア共同の家』(2003年、平凡社
◆『同時代批評:日朝関係と拉致問題』(2005年、彩流社) 
◆『領土問題をどう解決するか:対立から対話へ』(2012年、平凡社新書
◆『慰安婦問題の解決のために:アジア女性基金の経験から』(2015年、平凡社新書
◆『アジア女性基金慰安婦問題:回想と検証』(2016年、明石書店
◆『米朝戦争をふせぐ:平和国家日本の責任』(2017年、青灯社)
◆『安倍首相は拉致問題を解決できない』(2018年、青灯社)
 実際、「予想通り」安倍は首相時代に解決できなかったわけですが、和田氏を敵視してる家族会連中は本当にアホだと思います。
◆『韓国併合110年後の真実:条約による併合という欺瞞』(2019年、岩波ブックレット)
◆『慰安婦問題の解決に何が必要か』(2020年、青灯社)

など『政治批判的な著書』を刊行する歴史学者はいますが。
 第二に、

◆『革命思想の先駆者:植木枝盛の人と思想』(1955年、岩波新書
◆『中世仏教思想史研究(改訂増補版)』 (1955年、法蔵館)
◆『植木枝盛研究』(1960年、岩波書店
◆『司法権独立の歴史的考察』(1962年、日本評論社)
◆『美濃部達吉の思想史的研究』(1964年、岩波書店
◆『上代仏教思想史研究(新訂版)』(1966年、法蔵館)
◆『日本近代憲法思想史研究』(1967年、岩波書店)
◆『日本思想史に於ける否定の論理の発達』(1969年、新泉社)
◆『津田左右吉の思想史的研究』(1972年、岩波書店)
◆『検定不合格日本史』(1974年、三一書房
◆『田辺元の思想史的研究』(1974年、法政大学出版局
◆『日本人の洋服観の変遷』(1976年、ドメス出版)
◆『猿楽能の思想史的考察』(1980年、法政大学出版局)
◆『明治前期の憲法構想(増訂第2版)』(1987年、福村出版)

ということで彼は「研究領域が幅広い」し、また、笠原氏、林氏、吉見氏などが「近現代史専門」なのに対し、「元々は日本中世史が専門(青字で強調した著書が日本中世史関係です)」であった。
 「元々の専門以外にも手を伸ばした研究者」として小生が知っている人では

洞富雄(もともとは日本中世史専門だが南京事件研究、間宮林蔵研究なども行う)
◆『日本母権制社会の成立』(1957年、淡路書房)
◆『鉄砲伝来とその影響』(1959年、校倉書房
◆『間宮林蔵』(1960年、吉川弘文館人物叢書
◆『庶民家族の歴史像』(1966年、校倉書房
◆『近代戦史の謎』(1967年、新人物往来社
◆『南京事件』(1972年、新人物往来社
◆『北方領土の歴史と将来』(1973年、新樹社)
◆『朝鮮戦争』(1973年、新人物往来社
◆『南京大虐殺まぼろし」化工作批判』(1975年、現代史出版会
◆『幕末維新期の外圧と抵抗』(1977年、校倉書房
◆『天皇不親政の起源』(1979年、校倉書房
◆『南京大虐殺』(1982年、現代史出版会
◆『天皇不親政の伝統』(新樹社、1984年)
◆『南京大虐殺の証明』(1986年、朝日新聞社
◆『間宮林蔵』(1986年、吉川弘文館人物叢書
◆『鉄砲(第2版)』(1993年、思文閣出版
◆『幕末維新の異文化交流』(1995年、有隣堂

和田春樹(1938年生まれ、東京大学名誉教授)(もともとはロシア史専門だが韓国・北朝鮮研究なども行う)
◆『血の日曜日ロシア革命の発端』(共著、1970年、中公新書)
◆『マルクス・エンゲルスと革命ロシア』(1975年、勁草書房
◆『農民革命の世界:エセーニンマフノ』(1978年、東京大学出版会

◆『韓国民衆をみつめること』(1981年、創樹社)
◆『韓国からの問いかけ』(1982年、思想の科学社
◆『私の見たペレストロイカゴルバチョフ時代のモスクワ』(1987年、岩波新書
◆『北の友へ南の友へ:朝鮮半島の現状と日本人の課題』(1987年、御茶の水書房
◆『ペレストロイカ:成果と危機』(1990年、岩波新書
◆『北方領土問題を考える』(1990年、岩波書店
◆『ロシアの革命1991』(1991年、岩波ブックレット
◆『開国:日露国境交渉』(1991年、NHKブックス

◆『金日成満州抗日戦争』(1992年、平凡社
◆『歴史としての社会主義』(1992年、岩波新書
◆『朝鮮戦争』(1995年、岩波書店
◆『歴史としての野坂参三』(1996年、平凡社
◆『北朝鮮:遊撃隊国家の現在』(1998年、岩波書店
◆『北方領土問題』(1999年、朝日選書)
◆『朝鮮戦争全史』(2002年、岩波書店
◆『テロルと改革:アレクサンドル二世暗殺前後』(2005年、山川出版社
◆『日露戦争 起源と開戦(上)(下)』(2019年、2010年、岩波書店

◆『これだけは知っておきたい日本と朝鮮の一〇〇年史 』(2010年、平凡社新書
◆『北朝鮮現代史』(2012年、岩波新書)
◆『スターリン批判 1953~56年:一人の独裁者の死が、いかに20世紀世界を揺り動かしたか』(2016年、作品社)
◆『レーニン:二十世紀共産主義運動の父』(2017年、山川出版社世界史リブレット人)
◆『ロシア革命ペトログラード 1917年2月』(2018年、作品社)
など

がいますが、それ以外では「家永氏」のような「元々の専門分野以外にも手を出して一定の評価をされてる学者」つうのは「俺が無知なことは否定しません」がちょっと思いつきませんね(青字で強調した著書が『洞氏*2の日本中世史関係』『和田氏のロシア史関係』の著書です)。勿論そういう意味では家永氏だけではなく、洞氏や和田氏も「不世出の特異(独特)な歴史家」と思います。
 実際、この特集も

◆我々、歴史学者はもっと明確な問題意識を持って研究しないといけないのではないか?。家永氏には「日本の戦争責任追及(家永『戦争責任』、『太平洋戦争』(以上、2002年、岩波現代文庫))」などの明確な問題意識があった。
 また家永氏は強い権力批判精神があった。「歴史学は権力批判をしなければいけない」わけではないが、我々は『学術会議会員任命拒否事件』など「自民党政権の学問への無法」がされる中、そうした権力批判を改めて再評価すべきではないか。
→なお、任命拒否された一人である加藤陽子・東大教授は『戦争の日本近現代史:東大式レッスン!征韓論から太平洋戦争まで』(2002年、講談社現代新書)、『シリーズ日本近現代史(5) 満州事変から日中戦争へ』(2007年、岩波新書)、『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(2016年、新潮文庫)、『とめられなかった戦争』(2017年、文春文庫)、『昭和天皇と戦争の世紀』(2018年、講談社学術文庫)などの著書がある歴史学者です(加藤陽子 - Wikipedia参照)。とはいえ、彼女は『特定秘密保護法や安保関連法への反対』を表明したとはいえ「半藤一利(彼もそうした法案への反対を表明)」などと同様に「安倍に批判的とはいえ」、明らかに保守派ですが。 
◆我々、歴史学者は研究がいわゆる『タコツボ化(丸山真男の批判)』していないか。家永氏のような多様性を目指すべきではないか。

という問題意識から家永氏を特集したとしています。


家永三郎という歴史家について:『一歴史学者の歩み』を読む(今井修)
(内容紹介)
 家永『一歴史学者の歩み』(2003年、岩波現代文庫)が取り上げられています。
 なお、『一歴史学者の歩み』の初版は「1967年、三省堂(当時、家永氏は54歳)」。「2003年、岩波現代文庫」も「1967年、三省堂」と内容は同じなので、「1968年以降2002年の死去までの家永氏の活動」については触れられていない点に注意が必要です。
 また初版の副題は「教科書裁判に至るまで」であり「教科書裁判に関係した記述が多く、関係ない記述が少ない」という面にも注意が必要です。
 正直、評者も、1)「1968年以降2002年の死去までの家永氏の活動」を含む、2)「教科書裁判に関係しない記述も多い」本格的な自伝を生前に書いてほしかったとしています。


◆「たましいの自由」と戦争:家永『太平洋戦争』の問い(大串潤児*3
(内容紹介)
 家永『太平洋戦争』(2002年、岩波現代文庫)について触れられていますが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します。
 なお、評者である大串氏の太平洋戦争認識については拙記事『銃後』とは『自由』な『自己実現』ができる時代だった(副題:NHKスペシャル「銃後の女性たち―戦争にのめりこんだ‟普通の人々”」) - bogus-simotukareのブログで取り上げたことがありますので、この機会に紹介しておきます。


家永三郎の歴史叙述と「新日本史」改訂:『検定不合格・日本史』を読む(井原今朝男*4
(内容紹介)
 家永『検定不合格日本史』(1974年、三一書房)について触れられていますが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します。


◆「正木ひろし」を読む(片山慶隆*5
(内容紹介)
 家永『正木ひろし』(1981年、三省堂選書)が取り上げられています。
 評者・片山氏が『正木ひろし』を今回論じているのは、彼に

◆『正木ひろし : 権力への抵抗を貫いた人権派弁護士』(土屋礼子編著『近代日本メディア人物誌:ジャーナリスト編』第Ⅲ部・昭和前期(2018年、ミネルヴァ書房)収録)
https://www.minervashobo.co.jp/book/b288093.htmlによれば土屋礼子*6編著『近代日本メディア人物誌:ジャーナリスト編』では第Ⅲ部・昭和前期で「石橋湛山*7」「鈴木東民*8」などが、第Ⅳ部・昭和後期で「田英夫*9」「本多勝一」「立花隆」「江川紹子」などが取り上げられているとのこと。
◆『言論人・正木ひろしの国際認識』(片山編著『アジア・太平洋戦争と日本の対外危機:満洲事変から敗戦に至る政治・社会・メディア』(2021年、ミネルヴァ書房)収録)

という論文があるからのようです。
 「正木ひろし(1896~1975年)」といっても「46年も前(1975年)に死去しています」。
 従って最近の若者は彼を知らない人が多いでしょうが、

正木ひろし - Wikipedia参照
橋本忍(1918~2018年)脚本、今井正(1912~1991年)監督で『真昼の暗黒』として1956年に映画化された冤罪事件『八海事件』の弁護

などで知られる人権派の弁護士で

◆『八海裁判:有罪と無罪の十八年』(1969年、中公新書
◆『首なし事件の記録:挑戦する弁護士』(1973年、講談社現代新書
 『弁護士:私の人生を変えた首なし事件』(1964年、講談社現代新書)を改題したもの。『弁護士:私の人生を変えた首なし事件』(1964年、講談社現代新書)は橋本忍脚本、森谷司郎監督で『首』(1968年公開)として映画化

などの著書があります。
 さて、片山氏は家永著書や正木を評価しながらも「正木が家永氏の友人であったこと」から正木評価に甘さがあるのではないかとしています。
 片山氏の批判は以下の通りです。
1)正木は戦中、個人雑誌「近きより」を発行。この雑誌について、家永は「創刊時より軍国主義に対する批判が徹底していた」と評価する。しかし、片山氏によれば正木は「1937年の南京(中華民国の首都)陥落」を「戦争の早期終結につながる*10」として歓迎している。戦争が泥沼化、長期化するに従って正木の戦争認識が「否定的な方向」に修正されたと見なすべきであり、当初から「反軍国主義が徹底」とは評価しがたい(もちろんそれでも正木の立場は評価に値するが)。
2)家永は正木の法廷戦術を概ね支持しているが、正木が「名誉毀損刑事告発され禁錮6ヶ月、執行猶予1年の判決を受けた丸正事件での弁護」まで肯定的評価をするのは果たして妥当なのか。
 なお、収録論文では、片山氏が一番「家永に厳しい」かもしれません。
 片山氏は「私は家永や正木を尊敬する。だからこそ問題点は批判したい。問題点を批判しなければそれは学者とはいえない」「多くの学者が研究対象への思い入れがあることは否定しない。私だって研究対象である正木や家永への尊敬の念はある。しかし距離感を間違って、客観視ができず礼賛しかしないのではそれは学者ではない」という趣旨のことを書かれています。
 「詭弁でI浜Y子(恩師?)を擁護し続けたid:Mukke」や「研究対象(チベット)への距離感が明らかにおかしいI浜Y子」あるいは「取材対象(横田夫妻)への距離感が明らかにおかしかった高世仁これじゃあ「ジャーナリスト」でなくて「反北朝鮮活動家」だ - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)参照)」に贈呈したい片山氏の言葉です。
 さて、「話が脱線しますが」日本のミステリドラマでは

七人の女弁護士 - Wikipedia
 1991年から1997年までテレビ朝日系「木曜ドラマ」枠(木曜 21:00 - 21:54)で放送。主演は賀来千香子
7人の女弁護士 - Wikipedia
 テレビ朝日系「木曜ドラマ」枠(木曜 21:00 - 21:54)で放送。主演は釈由美子。1990年代に制作された賀来千香子主演の『七人の女弁護士』のリメイク版として、2006年と2008年に放映された。
99.9-刑事専門弁護士- - Wikipedia
 TBS系「日曜劇場」枠で放送。主演は松本潤
 『SEASON I』は2016年4月17日から6月19日まで放送。『SEASON II』は2018年1月14日から3月18日まで放送。
 キャッチコピーは、「無実を証明できる確率、0.1%。」(SEASON I)、「帰ってくる。再び0.1%に挑むために。」(SEASON II)。
 2021年12月30日には映画版となる『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』が公開予定。

ということで「丸正事件の正木」のように、法廷において弁護士が「真犯人」を推理で導き出すなんてこと(勿論、実際にその人物が真犯人という設定)を平気でやることがありますが、あれを本当にやったら正木のように「名誉毀損刑事告発」でしょう。娯楽作品としては「無罪を勝ち取りました(ただし真犯人は不明です)」では受けないから「真犯人捜し」まで弁護士がやってしまうだけの話です。
 ちなみに、「さらに話が脱線します」が「丸正事件」については

丸正事件 - Wikipedia参照
 推理作家の高木彬光(1920~1995年)が特別弁護人になり注目を集めた。高木がこの経験を元に『破戒裁判』(1961年)を発表している

なんてエピソードもあります。
 それにしても、最近の若者は「正木ひろし(1896~1975年)」だけでなく

◆正木が弁護を担当した「八海事件(1951年に発生した強盗殺人、1968年に無罪判決)」「丸正事件(1955年に発生した強盗殺人事件、正木は無実を勝ち取ることができず、被告も再審請求が認められることなく病死)」
◆八海事件を映画化した「真昼の暗黒」(1956年公開)
◆「真昼の暗黒」の監督「今井正(1912~1991年)」、脚本「橋本忍(1918~2018年)」
◆「丸正事件」で特別弁護人を務めたミステリ作家・高木彬光(1920~1995年)

も知らないでしょう。
 「話の脱線が続きます」が、まあ、高木彬光について言えば

高木彬光(1920~1995年)
探偵・神津恭介の殺人推理 - Wikipedia
 1983年から1992年までテレビ朝日系「土曜ワイド劇場」で放送。全11回。原作は高木彬光。主演は近藤正臣
検事霧島三郎 - Wikipedia
 1994年から1999年まで日本テレビ系「火曜サスペンス劇場」で放送。全7回。原作は高木彬光。主演は北大路欣也
捜査検事・近松茂道 - Wikipedia
 2002年から2013年までテレビ東京で放送。全14回。原作は高木彬光。主演は高橋英樹

などを除いてドラマ化、映画化されませんでしたのでね。

江戸川乱歩(1894~1965年)
江戸川乱歩の美女シリーズ - Wikipedia
 1977年から1994年までテレビ朝日系「土曜ワイド劇場」で17年間放送(天知茂版(1977~1985年、全25作)、北大路欣也版(1986~1990年、全6作)、西郷輝彦版(1992~1994年、全2作))。 

横溝正史(1902~1981年)
 テレビドラマと言えばTBSの古谷一行シリーズ、映画と言えば松竹の石坂浩二シリーズが一番有名でしょう。渥美清(映画『八つ墓村』)、鹿賀丈史(映画『悪霊島』)、西田敏行(映画『悪魔が来たりて笛を吹く』)なんて金田一もありますが(金田一耕助 - Wikipedia参照)。
古谷一行の金田一耕助シリーズ - Wikipedia
 1977~2015年までTBSで放送(横溝正史シリーズ1(1977年、全27作)、シリーズ2(1978年、全30作)、名探偵・金田一耕助シリーズ(1983~2015年、全32作)
石坂浩二の金田一耕助シリーズ - Wikipedia
 犬神家の一族(1976年公開→2006年にリメイク版公開)、悪魔の手毬唄、獄門島(以上、1977年公開)、女王蜂(1978年公開)、病院坂の首縊りの家(1979年公開)

松本清張(1909~1992年)
NHK松本清張シリーズ』(松本清張原作のテレビドラマ一覧 - Wikipedia参照)
 『遠い接近』、『中央流沙』、『愛の断層』(原作名は『寒流』)、『事故』(1975年)
 『棲息分布』、『最後の自画像』(原作名は『駅路』)、『依頼人』、『たずね人』(1977年) 
 『天城越え』、『虚飾の花園』(原作名は『獄衣のない女囚』)、『一年半待て』、『火の記憶』(1978年)
 『天才画の女』(1980年)
 『けものみち』(1982年)
 『波の塔』(1983年)
砂の器 - Wikipedia(1974年公開)
 毎日映画コンクール脚本賞橋本忍山田洋次)、監督賞(野村芳太郎)、音楽賞(芥川也寸志、菅野光亮)、キネマ旬報賞脚本賞(橋本忍山田洋次)を受賞
鬼畜 (松本清張) - Wikipedia(1978年公開)
 キネマ旬報主演男優賞、日本アカデミー賞主演男優賞、ブルーリボン賞主演男優賞、毎日映画コンクール主演男優賞、報知映画賞主演男優賞(緒形拳)、日本アカデミー賞監督賞、ブルーリボン賞監督賞(野村芳太郎、「事件」と併せての受賞)を受賞
天城越え (松本清張) - Wikipedia(1983年公開)
 日本アカデミー賞主演女優賞(『男はつらいよ 花も嵐も寅次郎』と併せての受賞)、ブルーリボン賞主演女優賞、毎日映画コンクール主演女優賞(田中裕子)を受賞

なんかと比べて高木はドラマ化、映画化の数自体が多くないし、ドラマ化、映画化されたものも、乱歩、横溝、清張ほど話題にならなかった(このあたり最近のミステリ作家のドラマ化、映画化はよく知りません)
 正木や今井について言えば

◆1975年(46年前)死去
正木ひろし(1896~1975年)
 訃報 1975年 - Wikipediaによれば1975年には「蒋介石台湾総統)」「佐藤栄作(吉田内閣建設相、岸内閣蔵相、池田内閣通産相などを経て首相)」などが死去している。
 蒋介石(1887~1975年)や佐藤栄作(1901~1975年)なんて今の若者にとっては「大昔の人間」でしょう。

◆1991年(30年前)死去
今井正(1912~1991年) 
 訃報 1991年 - Wikipediaによれば1991年には「安倍晋太郎(1924~1991年:中曽根内閣外相、自民党幹事長(竹下総裁時代)など歴任。元首相・安倍晋三の父)」 「本田宗一郎(1906~1991年:本田技研工業創業者)」などが死去している。

ということで「死去が大分昔」ですからねえ。今の若者は知らなくても仕方がない。
 まあ、今井も

今井正 - Wikipedia
青い山脈(1949年、東宝
 石坂洋次郎の同名小説の映画化。
ひめゆりの塔(1953年、東映→リメイク版、1982年、芸苑社)
 沖縄戦がテーマ
◆ここに泉あり(1955年、中央映画)
 群馬交響楽団草創期の実話を舞台としたヒューマンドラマ。
◆真昼の暗黒(1956年、現代ぷろだくしょん)
 冤罪『八海事件』がテーマ
◆キクとイサム(1959年、大東映画)
 混血児差別がテーマ
◆喜劇・にっぽんのお婆あちゃん(1962年、M・I・Iプロ)
 当時はあまり自覚されなかった「高齢化問題」を取り上げた社会派喜劇。
◆武士道残酷物語(1963年、東映
 南條範夫『被虐の系譜』(講談社刊)の映画化
◆越後つついし親不知(1964年、東映
 水上勉の同名小説の映画化
◆仇討(1964年、東映
 橋本忍のオリジナル脚本を映画化
不信のとき(1968年、大映
 有吉佐和子の同名小説の映画化
橋のない川 第一部(1969年、ほるぷ映画)、橋のない川 第二部(1970年、ほるぷ映画)
 住井すえの同名小説の映画化。部落差別がテーマ
◆婉という女(1971年、ほるぷ映画)
 大原富枝の同名小説の映画化。野中婉が主人公。
◆妖婆(1976年、永田プロ)
 芥川龍之介の短編をもとにした和製オカルトホラー映画。
あにいもうと(1976年、東宝映画)
 室生犀星の同名小説の映画化(主演・秋吉久美子)。なお、すでに1953年に成瀬巳喜男監督、京マチ子主演で映画化されている。
◆子育てごっこ(1979年、五月舎)
 直木賞を受賞した三好京三の同名小説の映画化
◆戦争と青春(1991年、こぶしプロ)
 早乙女勝元原作の同名小説の映画化。今井の遺作となった。

と数々の映画を作っていますが。
 一方、橋本は

◆2018年(3年前)死去
橋本忍(1918~2018年)
 訃報 2018年 - Wikipediaによれば2018年には「星野仙一(1947~2018年:プロ野球選手、監督)」「野中広務(1925~2018年:小渕内閣官房長官自民党幹事長(森総裁時代)など歴任)」「高畑勲(1935~2018年:アニメ監督)」「衣笠祥雄(1947~2018年:プロ野球選手)」「金鍾泌(1926~2018年:元韓国首相)」「翁長雄志(1950~2018年:沖縄県知事)」「さくらももこ(1965~2018年:漫画家)」「仙谷由人(1946~2018年:菅直人内閣で官房長官)」などが死去している。

ということで「最近の死去(2018年、100歳という長寿)」ですが、橋本忍氏が亡くなった(一部でカルト的知名度のある『幻の湖』を観てみようか) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)橋田壽賀子が文化勲章をもらえるのなら橋本忍だってもらうべきだと思うが、やはりあの映画がまずかった? - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)も指摘するように例の『幻の湖』(1982年公開)がたたって、

【『幻の湖』(1982年)以前】
羅生門(1950年8月26日公開、黒澤明監督、大映
◆生きる(1952年10月9日公開、黒澤明監督、東宝
七人の侍(1954年4月26日公開、黒澤明監督、東宝
◆生きものの記録(1955年11月22日公開、黒澤明監督、東宝
◆真昼の暗黒(1956年3月27日公開、今井正監督、現代ぷろだくしょん)
 冤罪『八海事件』の映画化
蜘蛛巣城(1957年1月15日公開、黒澤明監督、東宝
◆張込み(1958年1月15日公開、松本清張原作、野村芳太郎監督、松竹)
隠し砦の三悪人(1958年12月28日公開、黒澤明監督、東宝
私は貝になりたい(1959年4月12日公開、橋本忍の初監督作品、東宝
◆黒い画集 あるサラリーマンの証言(1960年3月13日公開、松本清張原作、堀川弘通監督、東宝
◆悪い奴ほどよく眠る(1960年9月15日公開、黒澤明監督、東宝
ゼロの焦点(1961年3月19日公開、松本清張原作、野村芳太郎監督、松竹)
切腹(1962年9月16日公開、滝口康彦の小説『異聞浪人記』が原作、小林正樹監督、松竹)
◆侍(1965年1月3日公開、郡司次郎正の小説『侍ニッポン』が原作、岡本喜八監督、東宝
◆霧の旗(1965年5月28日公開、松本清張原作、山田洋次監督、松竹)
大菩薩峠(1966年2月25日公開、中里介山原作、岡本喜八監督、東宝
白い巨塔(1966年10月15日公開、山崎豊子原作、山本薩夫監督、大映
◆上意討ち 拝領妻始末(1967年5月27日公開、滝口康彦の小説『拝領妻始末』が原作、小林正樹監督、東宝
◆日本のいちばん長い日(1967年8月3日公開、半藤一利原作(ただし公開当時は半藤が大宅壮一の名義を借りていた)、岡本喜八監督、東宝
 いわゆる宮城事件を映画化。
◆首(1968年6月8日公開、森谷司郎監督、東宝
 正木ひろし『弁護士:私の人生を変えた首なし事件』(1964年、講談社現代新書)の映画化。
風林火山(1969年3月1日公開、井上靖原作、稲垣浩監督、東宝
 武田信玄(演:萬屋錦之介)の軍師・山本勘助(演:三船敏郎)が主人公
◆人斬り(1969年8月9日公開、司馬遼太郎の小説『人斬り以蔵』が原作、五社英雄監督、大映
 『人斬り以蔵』のあだ名で知られる土佐藩士・岡田以蔵(演:勝新太郎)が主人公
影の車(1970年6月6日公開、松本清張の小説『潜在光景』が原作、野村芳太郎監督、松竹)
 この作品で主役を演じた加藤剛はその後、同じ『清張原作、橋本脚本、野村監督』の映画『砂の器』(1974年)に主演。
どですかでん(1970年10月31日公開、黒澤明監督、東宝
日本沈没(1973年12月29日公開、小松左京原作、森谷司郎監督、東宝
砂の器(1974年10月19日公開、松本清張原作、野村芳太郎監督、松竹)
八甲田山(1977年6月4日公開、新田次郎の小説『八甲田山死の彷徨』が原作、森谷司郎監督、東宝
八つ墓村(1977年10月29日公開、横溝正史原作、野村芳太郎監督、松竹)
【『幻の湖』(1982年)以降】
◆愛の陽炎(1986年3月1日公開、三村晴彦監督、松竹)
◆旅路 村でいちばんの首吊りの木(1986年11月1日公開、辻真先原作、神山征二郎監督、東宝
隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS(2008年5月10日公開、樋口真嗣監督、東宝) - オリジナル脚本
 『隠し砦の三悪人』(1958年公開)のリメイク
私は貝になりたい(2008年11月22日公開、福澤克雄監督、東宝
 『私は貝になりたい』(1959年公開)のリメイク

ということで1982年以降は「大幅に仕事が減ったから」です。1982年以降、ウィキペディアで紹介されてる作品は「4作」にとどまり、うち「2作(隠し砦の三悪人私は貝になりたい)は新作ではなく、過去のリメイク」です。実質「2作しか書いてない」上にその2作は過去作品(黒沢『生きる』『七人の侍』など)ほどには興行的に成功せず、評価されませんでした。
 ただし、1982年時点で、橋本は64歳であり、「役所、企業の定年年齢は一般的に60歳」なので脚本家業界はともかく世間一般には引退してもおかしくない年ではあります。とはいえ、例えば、橋田壽賀子(1925~2021年、95歳)は『渡る世間は鬼ばかり・2019年3時間スペシャル』(2019年)で最晩年まで仕事をしている(橋田壽賀子 - Wikipedia参照)ので『幻の湖』がなければ橋本も『1982年以降ももっと活躍した』のではないか(俺の願望込みですが)。
 まあ『幻の湖』(1982年公開)の失敗を割り引いてもやはり橋本は『偉大な脚本家』と俺は思いますが(だからこそ常人にはあの失敗が理解できませんが)。


◆思想史から文化史へ:『日本文化史』を読む(森田喜久男*11
(内容紹介)
 家永『日本文化史』(初版、1959年→第2版、1982年) (岩波新書)が取り上げられていますが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します。


◆ライフワークとしての女性服装史(田中里尚*12
(内容紹介)
 家永『日本人の洋服観の変遷』(初版、1976年→増補改訂版、1982年:ドメス出版)、家永「なぜ『日本人の洋服観の変遷』を書いたか」(初出は総合女性史研究1993年9月号、後に家永『憲法・裁判・人間』(1997年、名著刊行会)収録)が取り上げられています。
 家永『日本人の洋服観の変遷』(1976年、ドメス出版)は未読ですが、家永『憲法・裁判・人間』(1997年、名著刊行会)は自宅に購入した本があるのでそれを見ながら感想を書いてみます。
 家永「なぜ『日本人の洋服観の変遷』を書いたか」において、家永は(戦前から洋服が多かった男性と異なり)『戦前の日本女性は和服がほとんどだったが、戦後は急激に洋服が増えた』との認識から、『日本人の洋服観の変遷』を書いたとしています(その意味では『日本人』という題名だが『日本人女性の洋服』中心に記述がされている)。


◆歴史のひろば『『家永三郎集』にチャレンジしてみよう』(森田喜久男、堀川徹*13、河野保博*14、戸邉秀明*15、 宮瀧交二*16
(内容紹介)
 家永三郎集・全16巻(1997~1999年、岩波書店)が簡単に紹介されています。
 なお全集ではないのは

家永三郎 - Wikipedia参照
 全集にすると50巻にもなるため、高価すぎて売れないと岩波書店は判断し、代表作のみの出版とした。すでに版を重ねている『日本文化史(2版)』(1982年、岩波新書)、『戦争責任』(1985年、岩波書店)、『太平洋戦争(第2版)』(1986年、岩波書店→後に、2002年、岩波現代文庫)は最初から除外し、家永の了解を得て16巻にまとめた。その結果、『上代倭絵全史』(1946年、高桐書院、学士院恩賜賞受賞)、『植木枝盛研究』(1960年、岩波書店)、『津田左右吉の思想史的研究』(1972年、岩波書店)などは収載されなかった。

とのことです。

◆第1巻『思想史論』
 家永『日本思想史に於ける否定の論理の発達』(1935年、弘文堂)、『日本思想史に於ける宗教的自然観の展開』(1942年、斎藤書店)、『思想家としての夏目漱石ならびにその史的位置』などを収録
◆第2巻『仏教思想史論』
 家永『上代仏教思想史研究』(1947年、畝傍書房)、『中世仏教思想史研究』(1952年、法藏館)に収録のものから選び出した主要な論稿10篇を収録
◆第3巻『道徳思想論』
 家永『日本道徳思想史』(1977年、岩波全書)など収録
◆第4巻『近代思想史論』
 家永『日本人の洋服観の変遷(増補改訂版)』(1982年、ドメス出版)、「安藤昌益」「内村鑑三」「福沢諭吉」「増穂残口」「水野広徳」「柳田国男」に関する論文など収録
◆第5巻『思想家論1』
 家永『数奇なる思想家の生涯:田岡嶺雲の人と思想』(1955年、岩波新書)、『日本憲法学の源流:合川正道の思想と著作』(1980年、法政大学出版局)、『正木ひろし』(1981年、三省堂選書)など収録
◆第6巻『思想家論2』
 家永『美濃部達吉の思想史的研究』(1964年、岩波書店)を収録
◆第7巻『思想家論3』
 家永『田辺元の思想史的研究:戦争と哲学者』(1974年、法政大学出版局)を収録。なお1巻に収録された家永『日本思想史に於ける否定の論理の発達』(1935年、弘文堂)は田辺だけではありませんが「田辺」を「日本思想史に於ける否定の論理の発達」の一つとして取り上げた論文であることを指摘しておきます。
◆第8巻『裁判批判、教科書検定論』
 家永『裁判批判』(1959年、日本評論社)、『教科書検定:教育をゆがめる教育行政』(1965年、日本評論社)を収録
 『裁判批判』は「広津和郎の松川裁判批判」「今井正の『真昼の暗黒』(八海事件批判)」を「雑音」呼ばわりした田中耕太郎(当時、最高裁長官)への批判。
◆第9巻『法史論』
 家永『司法権独立の歴史的考察(増補版)』(1967年、日本評論社)、『教科書判決と裁判の独立』(1971年、日本評論社)などを収録
◆第10巻『学問の自由、大学自治論』
 家永『大学の自由の歴史』(1962年、塙書房)、『東京教育大学文学部:栄光と受難の三十年』(1978年、現代史出版会)など収録
◆第11巻『芸術思想史論』
 家永『猿楽能の思想史的考察』(1980年、法政大学出版局)のほか「一遍上人絵伝」「石上露子*17」「良寛」に関する論文など収録
◆第12巻『評論1:十五年戦争
◆第13巻『評論2: 裁判問題』
◆第14巻『評論3:歴史教育・教科書裁判』
◆第15巻『評論4:大学問題・時評』
◆第16巻『自伝、著作目録、年譜』
 『一歴史学者の歩み』(1967年、三省堂→後に203年、岩波現代文庫)など収録

【参考】

【ベテラン記者のデイリーコラム・石野伸子の読み直し浪花女】石上露子伝説のリレー(5)あの“教科書裁判”家永氏も関心 「君」とは誰なのか(1/3ページ) - MSN産経west
 石上露子の実像が世の中に知らされたのは、昭和27(1952)年、国文学者の松村緑さんが学会誌に「石上露子実伝」を発表したのが初めてだが、そのころ、意外な側面から露子の素顔が人の目に触れることになった。
 400年の歴史をもち、富田林最古の建築物と称せられる生家の杉山家が歴史家の注目を集め、大阪市立大学住居学教室のグループが住宅調査に、大阪学芸大学*18津田秀夫教授らが古文書調査に入ることになった。そのとき、応対に当たったのが杉山家最後の住人となっていた露子だ。
 津田教授はその後、東京教育大に転身し同僚の家永三郎氏に露子のことを語った。家永氏は彼女が社会主義者と交友があった点などに強い関心を示し、昭和30年に「石上露子日記について-明星派歌人社会主義思想との交渉」を研究誌に発表したりしている。

◆歴史の眼・リレー連載:21世紀の災害と歴史資料・文化遺産6『ふくしまでの災害対応と史料ネット:令和元年台風19号と令和三年福島県地震を例に』(阿部浩*19
(内容紹介)
 令和元年台風19号と令和三年福島県地震でのふくしま史料ネットの活動が紹介されていますが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します。

*1:1913~2002年。東京教育大学(現在の筑波大学の前身)名誉教授。また、東京教育大学退官後、中央大学教授を務めた。著書『革命思想の先駆者:植木枝盛の人と思想』(1955年、岩波新書)、『中世仏教思想史研究(改訂増補版)』 (1955年、法蔵館)、『植木枝盛研究』(1960年、岩波書店)、『司法権独立の歴史的考察』(1962年、日本評論社)、『美濃部達吉の思想史的研究』(1964年、岩波書店)、『上代仏教思想史研究(新訂版)』(1966年、法蔵館)、『日本近代憲法思想史研究』(1967年、岩波書店)、『日本思想史に於ける否定の論理の発達』(1969年、新泉社)、『津田左右吉の思想史的研究』(1972年、岩波書店)、『検定不合格日本史』(1974年、三一書房)、『田辺元の思想史的研究』(1974年、法政大学出版局)、『日本人の洋服観の変遷』(1976年、ドメス出版)、『猿楽能の思想史的考察』(1980年、法政大学出版局)、『正木ひろし』(1981年、三省堂選書)、『教科書裁判』(1981年、日本評論社)、『明治前期の憲法構想(増訂第2版)』(1987年、福村出版)、『「密室」検定の記録』(1993年、名著刊行会)、『古代史研究から教科書裁判まで』(1995年、名著刊行会)、『戦争責任』、『太平洋戦争』(以上、2002年、岩波現代文庫)、『一歴史学者の歩み』(2003年、岩波現代文庫)、『日本道徳思想史』(2007年、岩波全書セレクション)など

*2:それが「洞氏の望んだことだったか、洞氏にとって幸せだったか?」はともかく本多勝一氏、笠原十九司氏などの評価(南京事件研究の草分け)によって洞氏の業績で一番有名なのは「南京事件研究」ではないかと思います。俺も洞氏を最初に知ったのは「南京事件研究の草分け」としてでしたし。

*3:信州大学教授。『「銃後」の民衆経験:地域における翼賛運動』(2016年、岩波書店)など

*4:国立歴史民俗博物館名誉教授。総合研究大学院大学名誉教授。著書『日本中世の国政と家政』(1995年、校倉書房)、『中世のいくさ・祭り・外国との交わり』(1999年、校倉書房)、『中世の借金事情』(2008年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『ニッポン借金事情』(2009年、NHK出版・知る楽シリーズ)、『増補・中世寺院と民衆』(2009年、臨川書店)、『日本中世債務史の研究』(2011年、東京大学出版会)、『中世の国家と天皇儀礼』(2013年、校倉書房)、『室町廷臣社会論』(2014年、塙書房)、『中世日本の信用経済と徳政令』(2015年、吉川弘文館)など

*5:関西外国語大学准教授。著書『日露戦争と新聞』(2009年、講談社選書メチエ)、『小村寿太郎』(2011年、中公新書)、『アジア・太平洋戦争と日本の対外危機:満洲事変から敗戦に至る政治・社会・メディア』(編著、2021年、ミネルヴァ書房

*6:早稲田大学教授。著書『大阪の錦絵新聞』(1995年、三元社)、『大衆紙の源流: 明治期小新聞の研究』(2002年、世界思想社)、『対日宣伝ビラが語る太平洋戦争』(2011年、吉川弘文館)など

*7:東洋経済新報主筆、吉田内閣蔵相、鳩山内閣通産相、首相など歴任

*8:元読売新聞記者。読売争議を契機に退社し、釜石市議、市長を歴任

*9:元TBSキャスター。元社民連代表

*10:戊辰戦争での江戸降伏(その後も箱館戦争など旧幕府の抵抗は続くが、徳川慶喜の命令による抵抗ではない)」のような感覚で、当時多くの日本人が、そのように「甘く考えていた」わけですが、そうはならなかったことは言うまでもありません。

*11:淑徳大学教授。著書『日本古代の王権と山野河海』(2009年、吉川弘文館)、『古代王権と出雲』(2014年、同成社)など

*12:文化学園大学准教授。著書『リクルートスーツの社会史』(2019年、青土社

*13:星槎大学専任講師

*14:立教大学兼任講師

*15:東京経済大学教授

*16:大東文化大学教授

*17:大地主の長女でありながらも日露戦争の最中、与謝野晶子以前に反戦歌「みいくさに こよひ誰が死ぬ さびしみと 髪ふく風の 行方見まもる」を詠む等、当時としては特異な一面が注目されている(石上露子 - Wikipedia参照)

*18:現在は大阪教育大学

*19:福島大学教授。著書『戦国期の徳政と地域社会』(2001年、吉川弘文館