今日の朝鮮・韓国ニュース(2022年3月24日分)(副題:文春すら批判する尹錫悦のひどさ、ほか)

「韓国人は中国人が嫌い」「韓国に女性差別はない」歴史的僅差で辛勝した韓国次期大統領の“ヤバい”発言 | 文春オンライン

 今年1月には、フェイスブックで “外国人労働者が韓国の健康保険制度を食い物にしている” という趣旨の声明文を発表。
 だが2020年の場合、韓国の外国人労働者の健康保険制度は5715億ウォンの黒字。同年の健康保険全体は3531億ウォンの赤字であり、むしろ恩恵を受けているのは韓国人のほうだ。
 外国人労働者は2019年から健康保険への加入が義務づけられ、保険料の算定基準は韓国人より厳しい。被扶養者の範囲も制限され、労働者1人あたりの被扶養者の数は韓国人の37%にとどまる(2019年)。
 また中国人が韓国の外国人居住者に占める割合は44%で最多(2020年)。そのうち72%は、韓国人と民族的ルーツを共有する朝鮮系中国人だ。1990年代から韓国の低賃金労働を支えてきた彼らは高齢化率も高く、中国人が給付を多く受けているのは不自然な話ではない。
フェミニズムバッシングで若い男性を取り込み
 ユン氏が選挙キャンペーンで反感を煽ってきたのは、中国や外国人にとどまらない。とりわけ注目されたのは、女性に対する攻撃だ。
 韓国では60代以上がユン氏の保守野党「国民の力」を支持し、40~50代がリベラルな与党「共に民主党」を支持、浮動層である20~30代の動向が選挙の勝敗を決するとされてきた。ユン氏陣営が選んだのは、若い男性を集中して取り込む戦略だ。
 フェミニズムが急速に台頭した韓国では、若い男性の間でアンチフェミニズムの嵐が吹き荒れている。ユン氏が所属する「国民の力」のイ代表は36歳の男性で、 “能力のない女性閣僚*1のせいで与党は失政を重ねた” といった主張を繰り広げ、SNSを中心に若い男性の人気を集めてきた。
 昨年7月に国民の力に入党したユン氏も、イ氏の主張をそっくり受け入れている。同年8月には、“フェミニズムが健全な男女交際を妨害し、少子化の一因になっている” という趣旨の発言で波紋を呼んだ。
 ユン氏は選挙戦で、女性家族部(家族・青少年・女性に関する政策を担う行政機関)の廃止、性犯罪に関する誣告罪(虚偽での告訴)の罰則強化、閣僚の女性クォータ制廃止など、反フェミニズムに同調する公約を次々とアピール。今年2月には、「(韓国には)もう構造的な性差別がない」「女性が不平等な扱いを受け、男性が優遇されるというのは昔の話だ」との発言も飛び出した。
 同月には「女性が若い男性の仕事を奪っている」という演出を盛り込んだ選挙CMを公開。さらに若い男性がSNSで女性を嘲笑するネットスラングを公約関連の文書に使い、対立陣営を呆れさせた。
 「VICE News」などの米ニュースサイトは、「インセル選挙」「インセル大統領」などの見出しで韓国大統領選を報じている。インセルとは、パートナーを作れず女性嫌悪をこじらせる男性*2のことだ。
 女性を巡るユン氏のキャンペーンは、社会問題化していた男女間の分断をいっそう深刻にした。
 政治目的のために憎悪と分断を煽る姿勢は、トランプ元米大統領が記憶に新しい。昨年3月まで検察総長だったユン氏が、政治経験ゼロのまま大統領を目指した点も同じだ。そのため韓国はもちろん、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、中国などのメディアが、“K-Trump(韓国のトランプ)” “K-Trumpism(韓国のトランプ主義)” などのワードとともにユン氏を紹介している。
 ユン氏の問題発言は、ほかにも枚挙にいとまがない。昨年7月には、労働時間の上限を週52時間とした与党を批判して「(ゲーム業界では)週に120時間でも働く」と発言。2カ月後には大学生との懇談会で、「肉体労働をやって(国際的に)通用することは1つもない。そんなことは、もうインドでもやらない。アフリカがやることだ」と言い放った。
 さらにその2週間後には、「貧しい人たちが(政府の衛生基準より)低いレベルの食品を安く食べられるようにしなくてはいけない」と言って人々を驚かせている。そのほか労組団体を「未来を奪う勢力」、市民団体を「権力を支持する腐敗カルテル」と呼び、メディアに対しては「歪曲記事1つで会社が破産するほどの強力なシステム」が必要と力説した。
 3月9日に行われた投票の結果は、ユン氏とイ氏の得票率がそれぞれ48.56%と47.83%。得票差はわずか0.73ポイント、24万7077票だ。
 投票直前に第3の候補アン・チョルス氏が辞退して野党候補が一本化されたため、ユン氏がリードを広げるとの予測もあった。だがイ氏は、焦点の20代で女性票を大きく稼いでいる。ユン氏陣営は「若い女性は組織票としてまとまりにくい」と分析していたが、反フェミニズムへの危機感が彼女たちを与党支持へと結集させたらしい。つまりユン氏は辛勝こそしたものの、「インセル選挙」自体は失敗だったようだ。逆に敗れた「共に民主党」は、敗北したにもかかわらず投票翌日から5日間で女性が中心と見られる新規入党者が約12万人も殺到した。
 前任のムン大統領の支持率は、今月第3週時点で42.0%だった。政権末期の大統領としては、かつてなく高い。それでも与党が勝てなかったのは、有権者が政権に対する審判として投票したからだといわれる。つまりチョ・グク元法相に始まる数々のスキャンダル、さらに住宅価格の高騰を抑えられなかった失政に対し、多くの有権者政権交代を突きつけたわけだ。だが一方でユン氏への不安も拭えないという逡巡が、歴史的な僅差という結果につながったのだろう。
 ユン氏の任期が始まるのは5月10日から。韓国の国会は現在、300の議席のうち共に民主党が172を押さえている。次の総選挙は、2年後の2024年4月だ。今年6月1日には、統一地方選も実施される。政治経験のないユン氏が、この不利な政局をどう乗り切っていくのか。出帆早々から数々の波乱に見舞われるのは間違いなさそうだ。

 尹錫悦のひどさを伝えたいと思い引用が長くなりました。週刊文春とは思えないまともな記事です。「外国人(特に中国人)差別発言、フェミニズムバッシング発言が酷い」「そのために一部の欧米メディアは彼を『韓国のトランプ』と評している(俺個人は法律家出身と言うことで「韓国の橋下」と呼びたい)」、そんな男が当選したことには悲しみを禁じ得ませんが、文春を信じれば皮肉にもこれが「接戦」の理由らしい。
 「若い男性は排外主義(特にアンチ中国)、アンチフェミニズム」と考えた尹は「外国人(特に中国人)差別発言、フェミニズムバッシング発言」をエスカレートさせた。
 勿論それは「女性票」「韓国に帰化した中国人の票」「中国ビジネスで食っている人間の票」が尹から逃げる恐れがありますが、尹は「そうした票は若い男性票に比べればたいした物ではない」と軽視した。しかし選挙結果を考えればそうした票は「かなりのもの」だったのでしょう。残念ながら「コロナ蔓延、住宅価格高騰に対する与党批判」もあって尹落選には至りませんでしたが。


「得るものない」拉致被害者家族会が非難 北ミサイル - 産経ニュース
 非難したければすればいいとは思いますが、それこそ「こんな非難をしても、拉致被害者帰国という意味で得るところはない」でしょうに。
 もしかして「話題作り」か。しかし今や「小泉訪朝から19年以上にわたる拉致敗戦とそれによる拉致への関心の風化」「コロナ禍、ウクライナ問題など、別のビッグニュース」によってこの程度では家族会に注目が集まることはもはやありません。
 何せ今や「拉致」でググるとヒットするのは北朝鮮拉致よりもむしろ「ロシア軍の拉致」です。

*1:イが批判してるのが誰かはわかりませんが文政権の女性閣僚としては康京和氏(外相)、兪銀惠氏(教育相)、金賢美氏(国交相)、朴映宣氏(中小ベンチャー企業相)、秋美愛氏(法相)などがいます(文在寅政権 - Wikipedia参照)。

*2:インセルについてはインセル - Wikipedia参照