今日の産経ニュースほか(2022年6/16、17日分)(追記あり)

維新・猪瀬直樹氏 女性候補の体何度も触れ演説 「軽率」と釈明 | 毎日新聞
 金銭疑惑で都知事辞任に追い込まれたので「その種の批判を受ける行為はできる限り回避する」かと思いきやこれです。「バカにつける薬はない」と心底呆れます。


【産経抄】6月17日 - 産経ニュース

 現在、自衛隊の支持率*1は9割近い。まさに隔世の感がある。

 といってもそれは「専守防衛」「災害支援」の自衛隊でしょう。産経らウヨが目指す「海外での武力行使」をする自衛隊ではない。

 立憲民主党は、隊員の任務環境と処遇の改善を訴え「自衛隊員応援*2議連」を発足させた。

 「自衛官のいじめ問題」などを考えれば処遇改善云々に「一理はある」のですが、おそらくは「自民党から保守票を奪いたい」程度の姑息な考えでしょう。全く政治センスが狂っています。何故「自民党の国防費増加論を正面から批判する」などの態度ができないのか。
 「世論調査(自民の高い支持率と、立民の低い支持率)とセットで考える」と今から「立民の参院選敗北→泉執行部退陣→さらなる立民の混迷、野党共闘の困難」が危惧されて暗澹たる気持ちになります(泉代表らウヨ議員のせいで、自民との対立軸を打ち出せない立民の側にも問題があります)。どんな選挙結果であろうとも基本的に俺の「自民、維新批判」「共産支持」は変わりませんが。

 ロシアによるウクライナ侵略が始まると、国民の間で国防への関心がますます高まっている。

 ロシアがゼレンスキー政権を倒して傀儡政権を立てたというならともかく「マウリポリなど一部を陥落させ、ウクライナも苦しい立場にある」とはいえ、国際社会はウクライナを支持、NATOの軍事支援もあって、ロシア軍は苦戦、経済制裁でロシア経済の先行きが不安視される中「岸田や産経の国防費増大主張」は馬鹿げてるとしか言い様がない。
 「ロシアは勿論、日本侵攻する余裕はない」しロシアの苦境を見て日本侵攻したがる国もあるわけもない。しかし世論調査を信じれば岸田への批判が強くないことには「日本人はどれほどバカなのか」とげんなりします。
 「福島原発事故」が起こっても「脱原発世論」が必ずしも高くないこととの差には心底呆れます。

 この期に及んで、日本周辺の軍事的な危機に対して、防衛力の強化では解決できない、との主張がある。代わりに強化すべきだという「外交力」とは、一体なんのことやら。

 「ロシアは勿論、中朝にしても」日本侵攻などするわけがない。やっていいとは言いませんが、北朝鮮のミサイル発射実験は「過去に前例がある」し当然日本侵攻という話ではない。
 そもそも「戦争を回避するための外交努力(まあ日本侵攻の可能性は低いですが)」が大事であり、「軍事力をとにかく高めればいい」などというのは「緊張をいたずらに高めるだけ」で無謀でしかありません。そもそも「相手側だって日本が軍事力を高めれば脅威に思って、対抗するかもしれない」ということが何故,産経らウヨの脳みそにないのか。「日本の国防費増大は防衛的な内容だから、黙ってみていろ」とでも言う気なのか?


入管女性死亡、局長ら不起訴 名古屋地検「嫌疑なし」 - 産経ニュース
 検察のやる気のなさには心底呆れます。


再任用拒否「違法」確定 君が代不起立戒告の元教諭 - 産経ニュース
 「合法」という最悪の不当判決が出なかったことは歓びたい。


自民、安倍氏「黒田日銀総裁は間違いない」 - 産経ニュース
 安倍にとって「自分が登用した黒田が辞めること」は「首相を退任した今」でも、何があっても許せないのでしょうが、思い上がりも甚だしい。


「地方の声届かなくなる」東北被災地の議席減に怒りと戸惑い 衆院区割り案 - 産経ニュース
 共産なども指摘していますが、そもそも「中選挙区」「比例」などと違い、「1選挙区1人で、柔軟な議席配分がしづらい小選挙区」であること自体が問題と言うべきでしょう。
 「死票が多いこと(『3割の得票で7割の議席*3』などと指摘されるように、得票率と議席占有率が大幅に乖離していること)」も考えれば小選挙区は辞めて他の選挙制度に変えるべきです。


【正論】専守防衛では「サイバー戦」敗北 麗澤大学特別教授、元空将・織田邦男 - 産経ニュース
 本当にそう言えるのかどうか自体「疑問符がつく」でしょうが、仮にそうだとして「だから専守防衛を完全に外す」ということには全くなりません。
 「一部の犯罪」については条件付きで認められてるとは言え「全ての犯罪で認められてるわけではない」電話盗聴などと同様に「サイバー戦だけ専守防衛の枠外」と解釈する余地はあるでしょう。
 「戦前日本」「今のプーチンロシア」を考えれば「専守防衛の枠」を外すことはあまりにもリスキーすぎる。


【政治デスクノート】「戦争反対」だからこそ抑止力が不可欠 - 産経ニュース
 詭弁の典型ですね。「俺もそうですが」多くのハト派護憲派は産経の言う「抑止力(軍事力)」を否定しません。
 問題は「その抑止力が適切かどうか」という話で「過大すぎる」と判断してるだけの話です。
 産経の詭弁なら「コロナ感染予防のためなら国家に強大な権限が必要。それに反対する人間はコロナを予防する気がないのか?」「犯罪予防のためには日本のあちこちに監視カメラを設置すべきだ。それに反対する人間は(以下略)」「赤字財政を健全化するためには所得税法人税、消費税、相続税など全ての税金をもっと大幅に増税すべきだ。それに反対する人間は(以下略)」など「何でもあり」になってしまいます。
 問題は「程度問題」「他とのバランス」という話です。
 大体「中露や北朝鮮」といった「産経が嫌う国」の軍拡には「国民生活を犠牲にしている」「他国の脅威になってる」などと散々悪口するくせに良くもいったもんです。


海上自衛官、懲戒免職 窃盗罪で公判中 - 産経ニュース
 村木氏が「推定無罪」で免職にならなかったこと(無罪判決後に復職し事務次官)を考えると「え?」ですね。
 これは果たして「合法な処分」なのか?。「有罪判決が確定した時点で免職」でそれまでは「休職処分(籍は一応あるが給与は不支給、無罪判決が確定した場合に後払い)」ではないのか。
 「合法」だとして、村木氏の場合は「無罪主張したから免職にならなかった」「罪を認めてれば免職だった」だけなのか。
 そしてこの自衛官は「無罪主張せず、罪を認めてる」から免職なのか。
 はたまた「自衛官」の場合は「一般の公務員」とは別扱いなのか?。そういうことがこの産経記事を読んでも分からないのは「何ともかんとも」です。
【追記】
 id:Bill_McCrearyさんからコメント欄でご教示いただきました。どうもありがとうございます。
 なるほど「村木氏の場合に休職だった」のは「彼女が無罪主張してたこと」が大きかったわけですね。
 つまり「推定無罪だから有罪判決が確定しない限り、法律上、休職処分にしないといけない」と俺は勘違いしてましたが「公判中でも懲戒免職にしてもいいが、後で無罪判決が出た場合、違法解雇認定される恐れがあるので、休職処分にするケースが多い」にすぎないようです。
 個人的には(雇う側の負担が大きいとは言え、公務員だけでなく、民間企業の場合も含めて)、「(当人が無罪主張してない場合でも)有罪判決が確定しない限り休職処分とする」ということを法で義務づけてもいいのではないかと思います。
 【1】無罪判決が出る場合もあり得る(そして無罪判決が出るかどうかは時として判断が難しい)、【2】(過去の冤罪事件でよくある話ですが)無実であるにもかかわらず、当人が警察の恫喝に屈するなどして無罪主張をしないケースも稀にあること、【3】(中小零細企業だと話が微妙になりますが)一般的には労働者よりも雇用側の方が立場が強いこと*4からそんな風に考えています。
 まあ「有罪判決が確定した場合」でも「再審無罪」のケースもありますが、それは「レアケース」と考えて「有罪判決が確定した場合で懲戒免職できる」という考えです。多くの場合「有罪判決確定」までにそれほど時間もかからないでしょう。 

*1:産経らしい意味不明な言葉です。この「支持率」とはどういう意味なのか?

*2:待遇改善がテーマなら「待遇改善議連」とすればいいところ、そうしないのが「何だかなあ?」ですね。「待遇改善→自衛隊の待遇が最悪だとでも言うのか!」的反発を恐れてるのか?

*3:もちろんだからこそ自民は「小選挙区を続けたがるわけ」ですが。せめて民主党政権下で小選挙区制を廃止して欲しかった。

*4:大企業なんかは明らかにそうです。