珍右翼・高世仁に悪口する(2022年10/15日分)

『裸のムラ』に見る日本社会 - 高世仁のジャーナルな日々
 今日も勿論高世には悪口します。

 マキャベリ*1がこんなことを言っている。
(省略)
 ウクライナのことやら、日本の防衛のことやら、いろいろ想像をかきたてられる言葉だ。

 長いので省略しましたが「ウクライナのことやら、日本の防衛のことやら」で「高世は言いたいことがあるならはっきり言えよ」ですね。はっきり言うと都合が悪いから曖昧にごまかすのでしょうが。
 なお、「マキャベリの主張」を仮に「正当な物と評価する」にしても、「マキャベリに限りません」が、「ある人物の発言」はその文脈(マキャベリの場合、当時のイタリア社会の政治、社会情勢)があるので、文脈(時代背景、社会背景)を無視して、現代の出来事に単純に適用しようとするのは、はっきり言って馬鹿げています。

 先日、映画『裸のムラ』をポレポレ東中野で観てきた。
 車のバンをすみかに自由な暮らし*2を送るバン・ライファーの一家、日本の同調圧力に苦労するムスリムの一家を配して、日本という国の「空気」のありようを描いている。
 ムスリムの家族は、父親が日本人で、インドネシア人女性と結婚するにあたってイスラム教に改宗。3人の子どもがいる。
 インドネシア人(妻)のヒクマさん。日本国籍なんか取らないよ、と
 その妻の語る言葉が、いちいちグサッとくる。
 「なぜ日本国籍を取らないか」との問いに
 「日本国民になっても、私を日本人とは思ってくれないでしょ。顔で判断するから」(表現は正確ではないが)
 日本の同調圧力
 「(ムスリムの社会は)日本ほどきびしくないよ」
 次女は小学4年生のとき、ヘジャブ(女性が頭や体を覆う布)をつけて登校しはじめ、今も常時つけている。それは、ヘジャブをしていない彼女を認めてくれる人より、ヘジャブをしている彼女を認めてくれる人を友だちにすると決意したからだった。
 日本社会の「忖度」する空気に不気味さを感じ、その中に自分もいて加担しているのではないかと自問するうち、だんだん怖くなってくる。

 救う会、家族会の同調圧力に忖度していた「幇間」「太鼓持ち」の高世がよくも自分を棚上げして日本社会の「忖度」する空気に不気味さを感じ、その中に自分もいて加担しているのではないかと自問するうち、だんだん怖くなってくる。なんて言えたもんです。高世には「黙れ、外道」「恥を知れ」と言う言葉を贈呈したい。
 ヘジャブの話にしたって「朝鮮学校*3に通う生徒はこの次女と同じ悲壮な決意をしてるのではないか」と思えば、高世のように「朝鮮学校に悪口雑言*4できるもん」ではないし、高世のように「朝鮮学校では朝鮮労働党賛美ガー」云々言うのならヘジャブだって最近「イランで大問題が発生した(後で紹介します)」。
 朝鮮学校を非難する高世の理屈なら、ヘジャブ着用の次女に対して「イランの女性抑圧を支持するのか」「ヘジャブを今こそ辞めるべき」ともいえるでしょう。
 つうか高世もせめて「イランのヘジャブ強制は勿論支持しないが」くらいのエクスキューズはつけた上で「次女を評価」したらどうなのか。まさか「イラン政府擁護ではない」でしょうから、もしかして「イランの出来事を知らないのか」と疑いたくなります。
 まあ「日本でのヘジャブ」と「イランでのヘジャブ」と意味合いが違うので「次女はヘジャブを辞めるべき、ヘジャブ着用はイラン擁護と同じだ」とは一概に言えませんが。そもそも問題は「ヘジャブの着用」ではなく「ヘジャブの強制」であって「自主的なヘジャブ着用」なら問題はないわけです。

【参考:イランのヘジャブ問題】

「女性、命、自由」求める抗議も イラン、22歳の死亡事件きっかけ:朝日新聞デジタル2022.9.19
 イランで女性に義務づけられている髪の毛を覆う布「ヘジャブ」を不適切に着用したとして逮捕された女性が急死した事件をきっかけに、政権への反発が広がっている。保守強硬派のライシ*5大統領の政権下でヘジャブの着用がより厳しく求められている中で起きた事件では、警察官の暴行が疑われており、首都テヘランなどで抗議行動が起きている模様だ。
 イランでは1979年の革命以降、イスラムの教えに基づき、女性は国籍や宗教を問わず、公共の場所ではヘジャブと呼ばれるスカーフをかぶり、髪の毛を隠す義務がある。違反者は逮捕され、罰則が科せられることがある。

カナダのジョリー外相「私たちは強く毅然としたイラン女性の味方だ」:朝日新聞デジタル2022.10.11
 (イランで22歳の女性が、髪の毛を隠す布「ヘジャブ」のつけ方をめぐって警察に逮捕された後に急死した事件を受け)イラン情勢についても触れさせてほしい。カナダはイラン政府の責任を問い続けており、世界でも最も厳格な措置を講じている。そして、強く毅然としたイランの女性、そして彼女たちとともに戦う全ての人々に対し、「私たちは、あなた方の声を聞いている。あなた方の味方だ」と言いたい。(11日、林芳正*6外相と東京都内で会談後の記者発表で)

小野外務報道官会見記録(令和4年10月12日(水曜日))
◆イラン情勢(マフサー・アミーニ女史の死を受けた抗議活動)
朝日新聞 相原記者】
 イランの件について伺います。イランで22歳の女性が、ヘジャブの付け方を巡って逮捕された後、急死する事件がありました。(ボーガス注:イラン警察の拷問による虐殺ではないかとして)世界的に反響を呼んでいて、昨日来日したカナダのジョリー外相が(ボーガス注:外相会談後の記者会見で)「私たち(ボーガス注:カナダ政府)はあなた方の味方だ」というような発言をされました。これについて、日本政府、特に林大臣は、あの場*7では何も言ってなかったんですけど、日本政府として、世界でかなりの反響が広がっているこのイランの女性が亡くなった件については、どう考えていますでしょうか。
【小野*8外務報道官】
 日本政府としては、マフサー・アミーニ女史の死に端を発するイラン国内の抗議活動に際する人権状況の悪化につきましては、懸念を持って情勢を注視しています。
 今後、平和的に事態が収束することを期待しています。
 こうした観点から、昨日行われた日加外相会合におきましても、本件について、両大臣により、意見交換を行ったところです。これ以上の詳細については、外交上のやり取りとなりますので、差し控えたいと思います。

澤藤統一郎の憲法日記 » 神は女性に、ヒジャブをかぶれと教えしや。神は、かくも非寛容で残忍なるや。2022年10月16日
 神が人をつくったのではない。人が神を作ったのだ。ところが往々にして、その神が人を支配し、人を不幸に陥れる。場合によっては神が人を殺す。
 かつて、神権天皇制国家がそうであったし、いまテヘランで起きていることも同様だ。
 1か月前の9月16日、イランの首都テヘランヒジャブ(スカーフ)のかぶり方が不適切だとして警察に逮捕されていた22歳の女性、マフサ・アミニさんが急死した。9月13日、警察に警棒で頭を殴られ、警察車両に頭を打ち付けられるなどした後、意識不明に陥り16日に亡くなったとされる。警察発表は心臓発作が原因だと説明しているが、信じる者はいない。翌17日から、悪名高い「風紀警察」による撲殺だとして抗議するデモがイラン各地に広がった。
 当局は、これに徹底した弾圧で応じている。
 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは10月13日、イランの反スカーフデモで治安部隊に殺害されたとして把握している144人のうち、10代の子供が少なくとも23人含まれていたと発表した。うち17人は治安部隊の実弾射撃で死亡したという。
 この事態は、宗教が人を不幸にしている好例である。政府はデモ参加者を国外の敵対勢力に扇動された者たちだとして、取り締まりの方針を変えていない。
 イランは厳格なイスラム国家といわれる。教えに従って、女性は公共の場でスカーフなどで髪を隠すことが義務づけられている。外国人も例外とされない。保守強硬派のライシ現政権は、その取り締まりを強化している。
 いま、イランの抗議デモに連帯する動きが、トルコからヨーロッパにも広がっているという。そして、抗議のパフォーマンスとしての女性の断髪が続いているという。「長い美しい髪が男性を誘惑するから、ヒジャブで隠せ」というのが、神の教えらしい。これに「短髪にすればスカーフはいらない」という抗議なのだという。
 「他国の、あるいは他人の宗教には寛容であれ」「真摯な宗教行為を尊重しなければならない」というのが、宗教と接する際の基本作法である。
 (ボーガス注:例えばエホバの証人の)「輸血は拒否する*9」「剣道の授業は受けられない*10」という要望は、可能な限り尊重されなければならない。だから、ヒジャブを被る宗教習俗は尊重すべきではあろう。
 しかし、個人の宗教的信念の問題と、国家権力の強制の問題とは厳格に分けて考えなければならない。
 神はそれほどにも非寛容で、デモ隊への発砲も辞さない残酷な存在なのか。人が作った神の恐ろしさをあらためて思う。

 同じ事を中国、ロシア、北朝鮮がやったら悪口雑言だろうにイランだと黙りとは高世も本当に「デタラメな男」です。それとも「この事件について全く知らない」のか。
【参考終わり】

 監督は富山市議会の不正を描いた問題作『はりぼて』の五百旗頭(いおきべ)幸男さん。

 話が脱線しますが「五百旗頭」は明らかに「難読人名」でしょうが「神戸大学名誉教授(日米外交史)」「元防衛大学校長」「2011年(平成23年)に文化功労者」「現在は兵庫県立大学理事長」「父・五百旗頭眞治郎*11神戸大学名誉教授、息子・五百旗頭薫*12は東大教授という学者一族*13」という著名人「五百旗頭真*14」の存在によって「ふりがななくても読める」つう人間は少なくないでしょう。
 俺的には

【さきさか】
向坂逸郎
 九州大学名誉教授、社会主義協会代表。著書『資本論入門』(岩波新書)
◆匂坂春平
 第1師団法務部長、陸軍省法務局員、東京陸軍軍法会議法務官、関東軍法務部長など歴任。「二・二六事件軍法会議において主席検察官を務めた。1988年(昭和63年)に放送されたNHK特集『二・二六事件 消された真実:陸軍軍法会議秘録』でその名前が一般に知られるようになった。
【しではら】
幣原喜重郎
 戦前、加藤高明、第一次若槻、濱口、第二次若槻内閣外相を、戦後、首相、吉田内閣副総理、衆院議長などを歴任
【しょうじ】
◆東海林
 漫画家の東海林さだお*15、歌手の東海林太郎芸能リポーター東海林のり子など
【みたらい】
御手洗冨士夫
 キヤノン会長兼社長最高経営責任者(CEO)。日本経団連名誉会長。元経済財政審問会議議員

なんかがその種の「ふりがながなくても読める難読人名の著名人」ですね。

*1:1469~1527年。フィレンツェ共和国で統領秘書官等を務めた。著書『君主論』(岩波文庫講談社学術文庫光文社古典新訳文庫、中公文庫)、『戦術論』(原書房)、『戦争の技術』、『ディスコルシ:ローマ史論』、(以上、ちくま学芸文庫)、『フィレンツェ史』(岩波文庫ちくま学芸文庫

*2:「自由な暮らし?。家を借りるカネがねえだけだろ?」ですね。

*3:俺は高世と違い、民族教育としての意義を認めています。

*4:まあ高世の場合、単に救う会や家族会に媚びてただけでしょうが

*5:司法相等を経て大統領

*6:福田内閣防衛相、麻生内閣経済財政担当相、第二次、第三次安倍内閣農水相、第四次安倍内閣文科相などを経て岸田内閣外相

*7:記者会見の場のこと

*8:内閣広報官、外務省経済局長などを経て外務報道官。外務審議官の小野啓一は夫(小野日子 - Wikipedia参照)

*9:これについては例えばエホバの証人輸血拒否事件 - Wikipedia参照

*10:これについては例えば神戸高専剣道実技拒否事件 - Wikipedia参照

*11:著書『キリスト教所有権思想の研究』(南窓社)

*12:著書『大隈重信政党政治』(2003年、東京大学出版会)、『条約改正史』(2010年、有斐閣)、『〈嘘〉の政治史』(2020年、中公選書)など

*13:安倍晋三のようなバカでも世襲できる政治家と違い、学者の場合、そうはいかないので「すごいなあ」ですね。

*14:著書『日米戦争と戦後日本』(2005年、講談社学術文庫)、『占領期:首相たちの新日本』(2007年、講談社学術文庫)など

*15:但し、本名は「庄子」