「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年12/29日:島田洋一の巻)(副題:星浩の維新・立民共闘支持に憎悪すら覚える)

島田洋一
 元朝日新聞の星浩*1で唯一印象に残っているのは、かなり以前、テレビ*2辻元清美氏を横に置いて「私は辻元さんが首相になるのが一番いいと思う」と露骨に媚び、2人で笑顔を取り交わしていた*3こと。正視に耐えなかった
支持率低迷が続く岸田政権、復活か退陣か どちらの場合も菅前首相の動向に注目(1/2)〈AERA〉 | AERA dot. (アエラドット)星浩

 星氏執筆のAERA記事にまともな反論、批判ができず*4「辻元に媚びるお前は余計なことを言うな」とまるきり関係ないことを島田が言い出すのには呆れると共に吹き出しました。
 なお、島田のツイートについては1)事実かどうか不明、2)事実だとしてもどういう文脈の元にされた発言か不明なので特にコメントしません。
 なお、星氏は「2023年の政界キーマン」として

岡田克也*5・立民党幹事長

という「上げることに意外性の無い人間*6」の他に

 岸田首相が退陣に追い込まれた場合、後継の自民党総裁・首相選びが動き出す。茂木敏充幹事長や河野太郎*7デジタル相*8が名乗りを上げる公算が大きい。ただ、茂木氏は人望がなく、支持は広がっていない*9河野氏は思いつきの発言が目立ち、安定感を欠く*10自民党の人材不足が目立つ中、新たなリーダー待望論が経済界などから出ている。上川陽子*11元法相は候補の一人だ。岸田派(宏池会)の中堅*12で、自民党幹事長代理として官邸と党との連絡役を務めている。外交や社会保障にも精通しており、岸田政権の立て直しには欠かせない人材だろう。

という「俺にとっては意外な名前(とはいえ多くの人間にとっても意外では?)」として「上川・元法相」を上げています。
 「はあ?」「一応閣僚経験者(第三次安倍、第四次安倍、菅内閣で法相)で、岸田派の中堅政治家とはいえ、三役経験者で総裁選にも出た高市(元政調会長、現在、岸田内閣経済安保相)でも野田(元総務会長)でも無くて彼女が2023年のキーマンですか?」という俺の感想ですが、これは永田町的には「意外な見方」「星は上川の提灯持ちか!(あるいは『上川が所属する岸田派の提灯持ちか!』)」なのか、それとも「あり得る見方」なのか?
 なお、俺的には星氏の主張で「怒りや憎悪を覚える」のは

 岡田-大串*13ラインの課題は日本維新の会との共闘だ。自民党に対抗する野党の塊をつくるという狙いで動き始めた立憲・維新の国会内共闘が次の衆院選での「すみ分け」につながれば、政権交代への道筋も見えてくる。だが、憲法や安全保障で両党の隔たりは大きく、溝を埋められるかどうか*14が高いハードルだ。

という「維新・立民共闘支持」ですね(死刑執行16人の上川氏についてエクスキューズもつけずに、星氏が礼賛するところにも死刑廃止派として怒りや憎悪を覚えますが。まあ星氏は死刑存続派なのでしょう)。
 星氏のような「維新万歳」連中の「そそのかし」で泉執行部(泉代表のほか、星氏が名を上げる岡田幹事長、大串選対委員長が中心人物か?)が「共産を含む野党共闘のぶち壊し」に狂奔してるわけです。
 こういう人間が元朝日新聞政治部デスクで、ニュース23のキャスターだった*15かと思うとげんなりしますね(しかも星記事が掲載されてるのは朝日のAERA)。
 ニュース23の初代キャスターだった筑紫哲也氏(朝日新聞出身)は少なくとも維新を評価するような人間では無かったでしょう。
 最近の朝日も「政治部」がかなり右傾化してきたと聞きます(朝日を購読してないのでよく知りませんが)が、「さもありなん」と思う星氏のAERA記事です。

*1:著書『自民党と戦後:政権党の50年』(2005年、講談社現代新書)、『安倍政権の日本』 (2006年、朝日新書)、『官房長官:側近の政治学』 (2014年、朝日選書)、『永田町政治の興亡:権力闘争の舞台裏』 (2019年、朝日選書)など

*2:彼が一時キャスターを務めたTBSテレビ「news23」のことか?

*3:勿論、辻元氏が「素直に喜んだ」と思うよりは「社交辞令で対応した」と見るべきでしょう。内心では「よくもまあ心にも無いことを言うわ」と思ってもまさか「褒め言葉」に敵対的態度を取るわけにも行かないでしょう。

*4:とはいえ、記事での「岸田政権は早晩退陣しポスト岸田の総裁選が実施される可能性がある」と言う指摘は事実に過ぎない。「ポスト岸田の候補」茂木氏や河野については「理由が星氏とは違う」とはいえ、島田も高い評価はしてないし、何を島田が憤慨してるのか分かりません。自民党を「人材不足」呼ばわりしたことか。そして「人材不足の自民党」において注目する女性政治家として「高市では無く上川氏の名前を挙げたこと」か?。「立民と維新の野党共闘が進めば、政権交代の可能性がある」と主張したことか?(なお、俺は「自民応援団」島田とは違う「維新批判、共産支持」の立場から、星発言には批判的です)

*5:鳩山、菅内閣外相、民主党幹事長、野田内閣副総理・行革相、民主党代表代行、代表、立憲民主党常任顧問などを経て立憲民主党幹事長

*6:とはいえここで「泉代表」の名前を挙げないのが謎ですが

*7:第三次安倍内閣国家公安委員長、第四次安倍内閣外相、防衛相、菅内閣行革相などを経て現在、岸田内閣デジタル相

*8:ここで、星氏が高市や野田の名前を挙げないのは1)彼女たちが次期総裁選に出馬しないと思ってるのか、2)彼女らを評価したくない(評価していない:まあ野田はともかく極右の高市は俺も評価しませんが)、3)星氏の「上川プッシュ」の邪魔になるから(「総裁選出馬経験無し、自民党三役経験無し」の上川より「総裁選出馬経験あり、自民党三役経験あり」の野田元総務会長、高市政調会長の方が注目の女性政治家では無いのかと言われたくない)、4)その他、のどれなのか、気になるところです。3)ならば、もはや星氏はこれじゃあ「ジャーナリスト」でなくて「反北朝鮮活動家」だ - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)をもじれば『これじゃあ「ジャーナリスト」でなくて「上川陽子・応援団」だ』であり、「阿比留などウヨ連中」の「安倍プッシュ」と何ら変わりません。

*9:星氏が茂木を評価しないことはよくわかりますが、普通に考えて「派閥領袖」で「第二次安倍内閣経産相、菅、岸田内閣外相、自民党政調会長(谷垣、第二次安倍総裁時代)、選対委員長(第二次安倍総裁時代)など要職を歴任した茂木幹事長」が「ポスト岸田」最有力候補でしょうね。「星氏がプッシュの上川氏(岸田派)」など「派閥ボスでも無い人間」を総裁選に担ぐ可能性は低いし、その場合でも「前回総裁選に出た野田(無派閥)や高市(安倍派に近いが一応無派閥)、河野(麻生派)」辺りが順当でしょう。

*10:河野の最大の問題点はそういうことでは無く、澤藤統一郎の憲法日記 » 河野太郎 「『桜を見る会・前夜祭』に関する公開質問状」を受領拒否等が批判する質問、批判を拒否する態度です。

*11:2018年7月6日に法相としてオウム真理教事件で死刑が確定したオウム真理教教祖・麻原彰晃(本名:松本智津夫)ら死刑囚13人の死刑を執行。上川が既に死刑を執行した「名古屋闇サイト殺人事件の死刑囚(2015年6月25日執行)」「市川一家4人殺害事件 - Wikipediaの死刑囚(2017年12月19日執行)」等と会わせ、法相在任中の死刑執行は16人に達し、「法務省が死刑執行を公表するようになった1998年11月(当時は小渕内閣の中村法相)以降に就任した法相」では鳩山邦夫(第一次安倍、福田内閣法相、13名)を抜き最多の執行数となり、死刑廃止派から厳しく批判された。また、死刑執行されたオウム死刑囚のうち、横山真人、小池泰男、豊田亨広瀬健一の4人は再審請求中だったため「再審請求中の死刑が許されるのか」という批判がされた(現行法制度では再審請求には死刑停止の効力は無く、免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件(いずれも再審無罪、昭和の四大死刑冤罪と呼ばれる)、袴田事件(現在、再審請求が認められ釈放)、帝銀事件名張毒ぶどう酒事件(いずれも獄中で病死)など再審請求中の死刑囚が死刑執行されなかったのは「世論の批判を恐れた」政治的判断にすぎない)(上川陽子 - Wikipedia【オウム死刑執行】上川陽子法相、死刑執行命令は16人で最多に(1/2ページ) - 産経ニュース(2018.7.16)、上川法務大臣による大量死刑執行に強く抗議する | NPO法人 監獄人権センター(2018.7.26)参照)。死刑廃止派の俺の立場では「他に仮に評価できる点があったとしても(あるか知りませんが)」手放しで評価できない御仁です。

*12:岸田派の幹部政治家では林外相(衆院鞍替え当選なので衆院当選回数は1回だが参院議員時代も含めればベテラン政治家で福田内閣防衛相、麻生内閣経済財政担当相、第二次、第三次安倍内閣農水相、第四次安倍内閣文科相など歴任)がいますが、彼を差し置いて、星氏が上川氏の名前をキーマンとして挙げるのが謎です。

*13:長妻(鳩山、菅内閣厚労相)や安住(野田内閣財務相)を星氏が評価せず嫌ってるのか、長妻や安住と「泉、岡田の関係が悪いのか(むしろ大串との関係の方がいいのか)」、ここで長妻政調会長、安住国対委員長の名前が出てこないことが興味深い。

*14:むしろ共産との溝を埋めた上で、従来の野党共闘を進めるべきでしょうにこんなことを言う星氏は「岸田軍拡支持」「九条改憲」の立場なのか?

*15:今はキャスターを退任している。