歌の力—「マイ・ラスト・ソング」より - 高世仁のジャーナルな日々
きのう20日、安田純平さん*1の裁判を傍聴するため、東京地裁に向かった。
安田さんへの旅券発給拒否は、やはりフリージャーナリスト*2の常岡浩介さん*3に旅券返納命令を出した措置と同様、権力が、立場の弱いフリーランスを狙った攻撃である。同じ危険地に行ったテレビや大新聞の社員記者に政府はけっしてこういう「いやがらせ」はやらない。
メディア企業で働くジャーナリストたちが、これを報道に携わるすべての者にかかわる重大な問題だとして、裁判を全面支援すべきなのだが、その動きはみられない。ここにもう一つの日本のメディアの宿痾がある。
高世自身が、長いこと「安田や常岡の裁判をブログで取り上げてこなかった」のに良くもこんなことが言えたもんです。
というか安田については「ツイッター等を長いことウオッチしてない」のでまるで知りませんが、「俺が良くツイッターやブログを見ている」常岡の場合、常岡自身がツイッターでもブログでも裁判報告なんかしてないんですけどね。
しかもこんなことを書く高世は「安田の裁判を傍聴した」と書くだけで「傍聴内容を詳細に書かない」のだから「はあ?」「本当に傍聴したのかよ?」「傍聴しても傍聴内容を書かないんじゃ意味ないだろ?。書く内容に乏しい裁判内容だったのか?。それともお前に文章能力や取材能力がないのか?」「お前はアホか、高世」ですね。
なお、是非はともかく旅券発給拒否は嫌がらせではなく「実際に常岡や安田が武装勢力に身柄拘束され、日本政府が解放交渉に苦労したこと(にもかかわらず安田らが表向きは日本政府に感謝の念を示さないこと)」で「もう二度と、恩知らずのあいつらに迷惑かけられたくない→旅券発給しなければいい」という自己防衛でしょう。
例えば
私には、自分の身体を守る権利がある -シエラレオネ・女性器切除の問題を取材した伊藤詩織さんインタビュー - Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル)2020.3.8
シエラレオネ国内に根強く残る性暴力や女性器切除の問題について、現地で取材を重ねるジャーナリストの伊藤詩織さん*4にお話を伺いました。
連載・伊藤詩織 「チョコレートの国」ガーナで消えるカカオ農場 ミネラルの豊富な土地で違法金採掘 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)2021.4.8
取材に訪れた2018年5月、現地では違法金採掘の取り締まりに、政府が武装した軍を投入しており、物々しかった。
Radio Dialogue ゲスト:伊藤詩織さん「【現地取材報告】ウクライナ~破壊の爪痕が残る街~」(2022/5/25) - Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル)
今回は、ウクライナの首都キーウの様子や、その郊外、大きな被害を被ったイルピン*5、ブチャ*6の状況、そして戦争の中の性暴力被害についてなど、一緒に取材を行っているジャーナリストの伊藤詩織さんとお送りいたします。
Shiori Ito
2023年5月27日
明日はトルコ大統領選決戦投票*7。
その先には、これからの時代を生き抜いていく子どもたちの存在があることを忘れてはいけません。
取材で14歳の男の子エフェくんに出会い、エフェくんの視点からのぞいた震災後の街を映した10分のドキュメンタリーを制作しました。
「なくした友達の代わりはない」14歳がカメラで映し出した被災後のトルコ - 伊藤詩織 | Yahoo! JAPAN クリエイターズプログラム
ということで安田、常岡と同じフリー記者である「伊藤詩織氏(どう見ても「安倍がレイプをもみ消してやった山口敬之*8」へのレイプ告発*9で自民党には好感を持たれてない)」が海外取材(ガーナ、シエラレオネ、ウクライナ、トルコ)を実施できていることを高世はどう説明するのか。「安田らへの旅券拒否」が「嫌がらせ」なら彼女も「旅券拒否」されそうですが。彼女の海外取材は安倍が存命だった時期にも行われてますからね(なお、彼女は安田、常岡と違い現時点では身柄拘束された経験は恐らくありません)。
結局、「身柄拘束→旅券発給拒否」という失敗を認めたくない安田や常岡が「嫌がらせ」と強弁し、それに「安田等に媚びるデマ屋・高世」が調子を合わせてるだけでしょう。まともな人間なら馬鹿馬鹿しくて安田、常岡や高世など相手にする気にならないでしょう(少なくとも俺はなりません)。
さすが、高世仁の幼稚なデマ自慢を平然と垂れ流すNHKの馬鹿さとクズぶりに本気であきれ返る - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)という「デマ屋・高世」だけのことはあります。
小泉今日子*10が久世氏の文章を朗読する。
『あの戦争*11のころ、もしこの国に《文部省唱歌》がなかったら、いまこの国はこうしてあったかどうかとさえ、私は思う。あの時代の大人や子供の、心のバランスを辛うじて保たせてくれたのは、明治のころからみんなで歌いつづけてきた、あの唱歌たちだったのではなかろうか。』
久世や小泉が(そして高世も?)そう思うのは彼らの勝手ですが俺個人はそれほどの思い入れは唱歌にはありません。
参考
久世光彦 - Wikipedia
1935~2006年。TBSプロデューサーとして『時間ですよ』(1970~1973年:第1~第3シリーズ)、『寺内貫太郎一家』(1974~1975年:第1、第2シリーズ)、『ムー』(1977年)、『ムー一族』(1978年:1977年の『ムー』の続編)など数多くのテレビドラマを製作。1979年、不倫スキャンダル(後述)が公となり、TBSを退社に追い込まれる。1980年に番組制作会社「カノックス*12」を設立。
作詞家としても活躍し、市川睦月(いちかわ・むつき)名義で1993年の日本レコード大賞受賞曲である香西かおり「無言坂」などを作詞。「市川」は、師匠と尊敬する市川崑監督に由来する。
著書『昭和幻燈館』(1992年、中公文庫)、『むかし卓袱台があったころ』(2006年、ちくま文庫)、『向田邦子との二十年』(2009年、ちくま文庫)、『ベスト・オブ・マイ・ラスト・ソング』(2009年、文春文庫)等。
【逸話】
『ムー一族』の打ち上げパーティーのスピーチで、出演者の樹木希林が、久世と「近松屋のともこ」役の女優のぐちともこが不倫関係にあり、既にのぐちがこの時、妊娠8か月であった事を暴露したことから、一大スキャンダルに発展(発覚当時、久世の妻は「認知などさせない」と強硬な姿勢だったが、後に正式離婚し、久世がのぐちと再婚)。久世と樹木は1996年放送のTBSドラマ「坊ちゃんちゃん」(久世演出、樹木出演)まで絶縁状態となった。
*1:著書『ルポ戦場出稼ぎ労働者』(2010年、集英社新書)
*2:昔はともかく、今はどう見ても何の仕事もしてない『今の常岡』は「ジャーナリスト」とはもはや言えないでしょう(安田の現在がどうかはよく知りません)。
*3:著書『ロシア・語られない戦争:チェチェンゲリラ従軍記』(2011年、アスキー新書)、『イスラム国とは何か』(2015年、旬報社)等
*4:著書『裸で泳ぐ』(2022年、岩波書店)、『Black Box』(2022年、文春文庫)
*5:イルピンの戦い - Wikipediaで知られる
*6:ブチャの虐殺 - Wikipediaで知られる
*8:著書『総理』(2017年、幻冬舎文庫)、『中国に侵略されたアメリカ』(2021年、ワック)
*9:これについては例えば高校生、大学生、警察庁に入庁したばかりの中村格が現在の自分を見たら、ああいうクズにだけはなりたくないと思ったろう - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)参照
*10:久世(1935~2006年)が演出等で関わったドラマ『あとは寝るだけ』(1983年、テレビ朝日)、『花嫁人形は眠らない』(1986年、TBS)、『藤子不二雄の夢カメラ』(1986年、フジテレビ)、『明日はアタシの風が吹く』(1989年、日本テレビ)、『メロディ』(1997年、TBS)、『センセイの鞄』(2003年、WOWOW)に出演(小泉今日子 - Wikipedia参照)
*12:創業者である久世演出のテレビドラマのほか、『料理バンザイ!』(テレビ朝日:1982~2002年)等を製作していたが、『料理バンザイ!』が2002年3月に打ち切りとなったこともあって売り上げが大幅に減少し、2004年3月に民事再生法の適用を申請。さらに2006年3月に久世が死去して以降はほとんどの番組制作を休止し、TBSチャンネルや地方局などでの再放送の放映料による収入などで経営を行ってきたが、2010年6月30日付で業務終了となった(カノックス - Wikipedia参照)。