新刊紹介:「前衛」2023年11月号(追記あり)(注記:松本清張『砂の器』『ゼロの焦点』について犯人と犯行動機の完全なネタバレがあります)

 「前衛」11月号について「興味のある内容」のうち「俺なりに何とか紹介できそうな内容」だけ簡単に触れています。「俺の無能」のため「赤旗記事の紹介」でお茶を濁してる部分が多いです。
シリーズ『社会変革と真実の報道へ 赤旗記者ここにあり』
◆政治「目の当たりにした岸田大軍拡:許さない思い、市民とともに」(石橋さくら)
◆学術・文化「学術会議問題を追って:忖度なくスクープ、改革の努力、動きを報じ続け」(田中佐知子)
◆整理「的確さ、読みやすさを追い求め日々格闘」(丹野桂)
(内容紹介)
 記事紹介で代替。
目の当たりにした岸田大軍拡:許さない思い、市民とともに(石橋さくら)
学術会議問題を追って:忖度なくスクープ、改革の努力、動きを報じ続け(田中佐知子)
的確さ、読みやすさを追い求め日々格闘 | 「しんぶん赤旗」記者募集(丹野桂)


◆座談会「『日本共産党の百年』を語る」(下)(岩崎明日香、田中悠*1、村主明子*2山口富男*3
(内容紹介)
 新刊紹介:「前衛」2023年10月号 - bogus-simotukareのブログで紹介した(上)の続きですが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します。


◆運動と結び、当事者の思いにこたえ、多彩に論戦、前へ:日本共産党国会議員団第六回ジェンダー平等推進委員会から(下)
(内容紹介)
 新刊紹介:「前衛」2023年10月号 - bogus-simotukareのブログで紹介した(上)の続きですが、小生の無能のため詳細な紹介は省略します。


シリーズ「社会変革と真実の報道へ:赤旗記者ここにあり」
◆政治『目の当たりにした岸田大軍拡:許さない思い、市民とともに』(石橋さくら)
(内容紹介)
 石橋記者の赤旗記事の紹介で代替。
軍事費の増額表明へ/NATO首脳会議 岸田首相が初出席2022.6.30
大軍拡 勝手に宣言/岸田首相 欧州でも/財源説明一切なしの無責任2022.7.1


◆学術・文化『学術会議問題を追って:忖度なくスクープ、改革の努力、動きを報じ続け』(田中佐知子)
(内容紹介)
 赤旗記事の紹介で代替。
「しんぶん赤旗」ここが魅力/「学術会議」群抜く報道/学術・文化部2023.7.24


◆整理『的確さ、読みやすさを追い求め日々格闘』(丹野桂)
(内容紹介)
 丹野記者の赤旗記事の紹介で代替。
記録と展望 読みやすく 整理部 丹野桂/しんぶん赤旗 若手記者リレー通信・・・今日の赤旗記事 - (新版)お魚と山と琵琶湖オオナマズの日々2021.11.29


◆いまなぜ「しんぶん赤旗」か:大手メディアとの対比で(藤田健*4
(内容紹介)
 マスコミの「権力批判意識の無さ」を厳しく批判。
参考

再増税議論あおりながら消費税減税をタブー視/大手メディアの異常2019.10.10
 1日からの消費税10%増税で、日本共産党志位和夫委員長が8日の代表質問で消費税廃止と「5%への減税」を提案したのに対し、主要な全国紙や民放ニュース番組がほとんどこの質問を報道しないという異常事態が起きています。
 同日夜のテレビ朝日系「報道ステーション」、TBS系「ニュース23」は国会論戦で消費税をテーマとせず、9日付の「朝日」「日経」「産経」も、志位氏の消費税質問をまったく報じませんでした。
 同じ消費税でも大手メディアは増税社会保障負担増はくり返しキャンペーン。「新しい時代にふさわしい社会保障と税制の姿を描く議論を、急ぎたい」(「朝日」1日付社説)、「安倍晋三首相は『再増税は今後10年不要』と主張したが、負担増の議論は避けて通れない」(「毎日」9月30日付社説)、「(10%以上の引き上げ)議論を、封印するべきではない」(「読売」1日付社説)という調子です。
 消費税や社会保障の負担軽減という国民の切実な願いに背く報道姿勢が厳しく問われています。

JCJ大賞 「桜」疑惑 追及続ける/山本日曜版編集長 受賞スピーチ(要旨)2020.10.13
 「ご飯論法」で有名な法政大学の上西充子教授はJCJ大賞の受賞が決まった際、こう評価しました。
「大手メディアの記者たちにとって、安倍首相による『私物化』は当たり前のことだったのかもしれません。『赤旗』日曜版が違ったのは、この問題を安倍政権による『私物化』の問題だととらえ、報じるべきだと考えたことです。漫然と取材をしているだけでは、こうした問題意識を持つことはできません。『私物化は安倍政権の本質』と見極めたその着眼点が、JCJ大賞として評価されたのだと思います」(日曜版20年9月13日号)

きょうの潮流 2023年5月24日(水)
 「大成功だ」「首相のリーダーシップが評価された」。
 G7で内閣の支持率も株価も上がったとはしゃぐ岸田政権。自民党内では早期解散のムードも高まっているそうです
▼洪水のような報道でした。朝から晩までサミット一色。しかも、政府の広報かというほどの無批判たれ流し。
核兵器の存在を正当化した「広島ビジョン」には、被爆者をはじめ国内外から怒りや非難する声が相次いでいます。それを礼賛する大手メディア。権力にすり寄り、権力を批判する勢力には爪を研ぐ。その姿勢はいっそうあらわに

G7広島サミット 「朝日」検証記事の異様さ2023.5.30
 岸田文雄首相もちあげが目立った大手メディアの主要7カ国(G7)広島サミット報道。なかでも、異様だったのが、24日付の「朝日」1面トップ記事でした。「『被爆の実相』こだわり 重ねた交渉 資料館視察 日米駆け引き」「滞在40分 オバマ氏の4倍」の大見出しで、「水面下の交渉では、原爆を投下した米国との駆け引きがあった」「首相は官邸で何度も会議を開いた。各国との調整状況の報告を聞き『まだ足りない。もっとできないか』と繰り返した」などと描き、「歴史的なことだ」とした岸田首相の言葉を紹介しました。
 同じ朝日新聞社が出している『AERA』6月5日号の記事でさえ、「岸田文雄首相が『歴史的』と強調したサミットだが、被爆者から聞かれたのは憤りや落胆の声だった」「市民が完全排除された広島平和記念公園は、『核同盟』のG7が核抑止政策の結束をアピール」する「『貸し舞台』にも見えた」と批判したのと比べても「朝日」24日付の記事の異様さは際立ちます。
 被爆者の声に寄り添うのか、「核抑止力」論を正当化する岸田首相の側に立つのか、メディアとしての姿勢が厳しく問われています。


シリーズ『戦争と平和の岐路に問う』
◆日本人「慰安婦」の足跡を追って:この問題を放置してジェンダー平等の実現はない(吉川春子*5
(内容紹介)
 『アジアの花たちへ:「慰安婦」問題と格闘した国会議員の記録』(2008年、新日本出版社)、『日本人「慰安婦」を忘れない:ジェンダー平等社会をめざして』(2023年、かもがわ出版)の著書があり、慰安婦問題をライフワークとする吉川氏の報告ですが小生の無能のため詳細な紹介は省略します。なお、吉川氏は「慰安婦問題についての国立の博物館を作るべきだ」と主張していますが全く同感です。
 また「日本人慰安婦」「RAA」でググってヒットした著書をこの機会に紹介しておきます。

【刊行年順】
◆西野瑠美子*6、小野沢あかね*7『日本人「慰安婦」:愛国心と人身売買と』(2015年、現代書館
◆村上勝彦『進駐軍向け特殊慰安所RAA』(2022年、ちくま新書)

参考

高瀬川夏まつり、吉川春子さん講演会 | 倉林明子 日本共産党 参院議員・京都選挙区2023.8.22
 吉川春子さんの講演会へ。日本共産党参議院議員の吉川春子さんは、参議院議員時代から一貫して取り上げていた「慰安婦」問題を(ボーガス注:議員を)引退してからも、ライフワークとして関わってこられました。今回は「日本人女性への戦時性暴力はなぜ、語られなかったのか?」と題しての講演でした。外国人「慰安婦」問題は、当事者が名乗り出られた方々があり、関心が持たれていますが、日本人の「慰安婦」もいたことがわかっているが、さまざまな事情で、語られていないため、あまり知られていないなどと報告されました。日本人「慰安婦」問題は、その後、終戦を迎えてからは、進駐軍対策に再び「慰安所*8」がつくられていく歴史も明らかになり、根の深さを物語っています。軍人たちと一緒に、従軍しながら、彼女たちは声もあげられず、ほとんどの人達が、この世を去っています。軍人達は、軍人恩給などが支給され、生活の保障がありながら、彼女たちは何もないまま。吉川さんは、引退後、「慰安婦』問題とジェンダー平等ゼミナール」を立ち上げて、フィルードワークを地域の方達と取組ながら、運動を続けておられるそうです。

日本人の「慰安婦」もいたことがわかっているが、さまざまな事情で、語られていないため、あまり知られていないについて、吉川氏は前衛において松本清張ゼロの焦点』の犯人(今は社長夫人という名士だが過去には生活苦からパンパン(売春婦)をしていた過去がばれるのを恐れて殺人に及ぶ)同様に「社会の蔑視を恐れて日本人慰安婦本人が語れなかったのだ」としています。
【参考:ゼロの焦点

『ゼロの焦点』松本清張が描く戦争の傷 計り知れない女たちの悲しみ|【西日本新聞me】2021.5.24
 戦後を代表する推理小説作家、松本清張北九州市小倉北区出身)の代表作の一つ。映画「ゼロの焦点*9」(1961年、野村芳太郎*10監督)は、米占領統治下、米軍将兵を相手にした売春婦、いわゆる「パンパン」だった2人の女性*11の人生が絡み合った連続殺人事件の謎を追うミステリーだ。
 新婚1週間の鵜原禎子(久我美子)。金沢市の出張所から東京本社に転勤が決まった広告会社勤務の夫、鵜原憲一(南原宏治)は引き継ぎで金沢に出掛けた後、行方不明になる。禎子は東京から金沢を訪ねて夫の行方を捜し始める。
 夫の会社同僚に会い、親しかったという耐火れんが会社の経営者夫妻を訪ねて、消息を聞く。警察に捜索願を出すが、手掛かりはない。さらに、憲一を案じて金沢入りした兄、宗太郎(西村晃が旅館の一室で毒殺される。
 刑事や探偵ではなく、夫の女性関係を疑う新婚女性が聞き込みの主役だ。夫が以前、東京・立川署でパンパンを取り締まる風紀係*12だった来歴を知る。れんが会社の受付係、田沼久子(有馬稲子)が立川の元パンパンと分かってから、謎の闇に視界が広がっていく。そして、久子の内縁の夫が最近、能登半島の断崖絶壁「能登金剛」で飛び降り自殺*13していたと知るのだ。
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「ゼロの焦点」映えるグッドクリフ 能登に根を張る人々|【西日本新聞me】2022.8.26
 東京・立川で米兵相手の売春を行っていた女性たちのその後の人生を、能登半島の「家」を舞台に描いた松本清張らしい物語である。清張が「ブラック清張」と呼ばれるきっかけとなった代表作の一つと言える。

高千穂ひづるさん、『ゼロの焦点』で命がけの熱演 | Jappy! 昭和クラブ
 ひとつ前の当ブログで、「(ボーガス注:野球)殿堂入り」もしているプロ野球の名審判・二出川延明さんの娘さんである高千穂ひづるさんのことを書きました。
 東映のお姫様女優にとどまらず、果敢に役柄を広げました。松竹ヌーヴェル・ヴァーグ*14期には『武士道無残』(1960 森川英太朗監督)ではヌード・シーンも「乳首に絆創膏貼って撮影したのよ」とトークショーでおっしゃっていました。そのトークショーでは、『にっぽん昆虫記*15』(1963 今村昌平*16監督)の主演は逃してしまったことも明かし、「でも、あの役は左さん*17で良かったかも」とサッパリと語っておられました。
 高千穂ひづるさんは『ゼロの焦点』(1961 野村芳太郎監督)と『背徳のメス*18』(1961 野村芳太郎監督)の演技で1961年度ブルーリボン助演女優賞を受賞されました。『ゼロの焦点』は昭和の人気作家・松本清張の代表作の映画化で、結婚したばかりの夫が出張に行ったまま帰って来ず、金沢で死体となって発見される……というミステリで、まだ戦争の傷跡、戦後の混乱が事件の根底に関わってきます。考えてみれば、昭和36年、高度経済成長期に向かっているとはいえ、敗戦からまだ15~16年しか経っていないのです。日本には戦争が引き起こした影の部分がまだまだそこら中に残っていたのです。
 失踪した夫の足跡を追う妻に久我美子さんが扮し、有馬稲子さん、高千穂さんの3人の女優の共演です。事件の真相が明らかになるラストは、能登金剛の断崖、突風が吹きすさぶ中で、久我さんと(ボーガス注:犯人の)高千穂さんが対峙するシーン*19です。お二人とも小柄で細身の体型なので岩の上に立っているのがやっとという感じだったそうで、アップやバストショットとか撮るときには体の下をスタッフに押さえていてもらったということです。「あのときは着物だったから、裾は乱れるし、突風で凧みたいに空に舞い上がってしまいそうだったの」と語っておられます。こうして撮られたシーンは、のちに二時間ドラマのサスペンスもののプロトタイプになったのです。CMでもパロディになるほど、「サスペンス→結末→断崖」というのは観る人に刻み込まれたのですが、その始点は『ゼロの焦点』にあったのです。
 当時、運転免許を持っていなかった高千穂さんが車を運転して(もう時効ですね)、雪の降り積もった吊り橋の所で車を止めるシーンも「下は峡谷だし、スリップしたら橋の真ん中に立っている有馬さんを轢いちゃうし……」とドキドキしたそうです。3人の女優の命がけの熱演が火花を散らしているのです。
 高千穂さんは1964年、『月光仮面*20』、『隠密剣士*21』で知られる大瀬康一さんと結婚なされて、テレビの『アッちゃん*22』のお母さん役などでテレビでも活躍なさったあと、女優を引退、二出川さんが野球界から身をひいたあと専念していた事業を引き継がれました。  

2サスの原点これにあり【ゼロの焦点】清張没後30年で沼にハマってみようかと思ったお話7【松本清張】感想 - ナゼキニエンタメ!
 主人公禎子役を久我美子
 失踪した禎子の夫、鵜原憲一役を南原宏冶
 憲一の兄、宗太郎役を西村晃
 憲一の後任者本多役を穂積隆信が演じてらっしゃいます。
 また憲一にかかわる人物として、
 室田儀作役を加藤嘉
 室田夫人役を高千穂ひづる*23
 室田耐火煉瓦株式会社の受付、田沼久子役を有馬稲子
 宗太郎の妻役として沢村貞子がご出演されたことも明記しておきます。
 10歳年上の鵜原憲一と見合い結婚した禎子は、新婚旅行後、仕事の引継ぎのために金沢へ旅立った夫を新居で待ち続けていた。予定を過ぎても戻らぬ夫を待ち続けていた禎子のもとに届いたのは、夫が行方不明になったという知らせであった。急遽金沢へ向かった禎子は、夫の後任・本多*24の協力を得て夫の足取りをたどる。夫の兄・宗太郎も出張の折に金沢へ立ち寄り禎子を気遣うが、その後何者かによって毒殺されてしまう。
 映画中盤、夫を探しに行った禎子は、自殺した(ボーガス注:田沼久子の内縁の夫)曽根益三郎という人物が夫鵜原憲一なのではないかと推理します。そして、夫はこの北陸の地で内縁の妻と生活していた、つまり二重生活を送っていたのではないか━
 そして、真犯人と思しき人物を呼び出し、自分の推理を語り始めます。
 ここからネタバレ
 禎子が呼び出したのは室田夫妻。
 夫と思われる、曽根益三郎が飛び降りたとされる、ヤセの断崖*25に二人を呼び出し、推理を語る禎子。危なくない?
 もし推理通りなら犯人に突き落とされかねないよね?
 というツッコミを入れそうになりましたが、この映画のすごいところは、そういうツッコミを入れること自体が野暮と思わせる点。
 場面は禎子の想像の犯行シーンとなり、観ている方はすっかりそちらに夢中になります。
 禎子の推理が終わると、今度は室田夫人が「違うわ。まるで違う」と反論、いよいよ真相の回想シーンです。
 禎子の夫、鵜原は警察の風紀係だった経歴があり、それを禎子には隠していました。風紀係というのは、戦後の米兵相手の女性たちを取り締まる仕事をしており、その時に(ボーガス注:米兵相手に売春していた)内縁の妻の田沼久子や室田夫人と知り合っていたのでした。
 禎子の推理では、今では地元の名士となっている室田夫人が、(ボーガス注:米兵相手に売春していた)その暗い過去を暴かれるのを恐れて計画的に(ボーガス注:過去を知る鵜原や田沼久子、鵜原失踪の真相に気づいた兄・宗太郎といった)何人もの人を手にかけた、というものでしたが、映画の真相は、鵜原が室田夫人の過去を知っていていつか恐喝されるのではないかという、夫人自身の強い恐れのあまり、「鵜原の方はすっかり忘れていた過去」を夫人自らが思い出させてしまうし、久子に関しては別の人間*26に飲ませた毒入りウイスキーを(ボーガス注:誤って)久子が飲んでしまったという、墓穴を掘り続けたとしか思えない室田夫人の不幸さ加減。
 映画の室田夫人は飽く迄美しく気高く、知性あふれる人物で、そんな人物が禎子を突き落としたりはしない、と観ている方に思わせます。そう、犯人に同情してしまうんです。
 そして、このシーンを観て、どうして2時間ドラマ(2サス)で犯人を崖に追い詰めるのかがよくわかりました。映画「ゼロの焦点」を観るとマネしたくなるのも無理はない。
 それくらい素晴らしいシーンでした。
 ただ、鵜原憲一はなぜ二重生活をしていたんだろう、内縁の妻とさっさと結婚していればこんなことにはならなかったんじゃ?という疑問が残りました。
 そして、原作本を読了。
 これは、映画の方が断然面白かった。
 まず、肝心の崖での告白シーンは原作にはありません。
 連載当時、休載したり、かなり清張は大変だったらしいですが、なんとなくそれが感じ取れるような内容でした。
 また、ある意味度肝を抜かれたのが、事件の真相が明かされなかった点。
 原作では禎子の推理の上でのみ謎解きがされ、最後の最後に室田夫妻を追って駆け付けた禎子に、室田儀作が「もう私からお話しすることはないでしょう。ここに来られた以上、あなたには、もう、すべてがお分かりになったと思います。」と告げて終わっています。雑。
 室田儀作、超能力者かよ。
 そして室田夫人もなぜか船で荒れ狂う海に漕ぎ出すという、逃げたいのか、そうでない(ボーガス注:自殺したい)のかまるで分らないエンディング。
 そして、やはり原作でも鵜原の二重生活の理由がまるでわかりませんでした。
 結局、どうも鵜原は田沼久子との生活はその場しのぎで、ゆくゆくは東京で出世したい、東京で暮らしたい、ということから禎子との結婚に乗ったようですね。しかし、鵜原は優しい人物のように描かれていた点から出世欲だけでそんなことになるのか?という疑問を持ったのですが、優しい、優柔不断な人間だからこそ田沼久子に別れを告げることができず、偽装自殺で逃げようとした*27のかなと思いました。
 となると、自業自得やん。
 それにしても、清張は時代に合わせて作品を作り続けてきたので、作品発表当時のことを知らないと、まったくわけがわからず、ともするとつまらない。

君は『砂の器』で泣けるか|TEKIKAKUのノート
・私の下宿には松本清張の『砂の器』が置いてある。新潮社の上下巻で、私の記憶違いでなければ母が学生の頃に買ったものだ。
・家庭でこの本が話題に挙がると、元の持ち主である母は必ず「『砂の器』は悲しい話だよ」と呟く。しかし私はこれに、まったく共感できない。
◆『砂の器』のあらすじ(えげつないネタバレあり)
・『砂の器』は、国鉄蒲田操車場内で男の殺害死体が発見されるところからはじまる。被害者は事件当夜、蒲田駅近くのトリスバーで連れの客と東北弁訛りで話しているのを目撃されていた。しきりに「カメダ」という言葉が話題に出ていたことから、刑事は「カメダ」という人名や地名を探して捜査を続けていくことになる。捜査が行き詰った頃、岡山県から来た養子の申し出により、被害者が「三木謙一」であることが判明。さらに、「中国地方で駐在をしていた養父が東北弁を話す筈がない」との証言も得る。刑事は困惑するが、島根県出雲地方が東北訛りに似た方言を話すことを発見し、さらに島根に「亀嵩」という駅があることを知る。刑事は亀嵩近辺で三木謙一の過去を探るが、被害者が他人から恨まれるはずのない好人物という評判を得るだけであった。
・地道な捜査の結果、ついに刑事は犯人を特定。それは、(中略)音楽家・和賀英良(本名・本浦秀夫)だった。
 英良こと秀夫は幼い頃、ハンセン病患者である父・本浦千代吉とお遍路姿で放浪を続けていた。彼が7歳になったころ、親子は亀嵩に到達。当時そこで駐在をしていた三木謙一に保護され、父は療養所へ、自分は三木の手元に置かれることになる。しかし、秀夫はすぐに亀嵩を失踪。誰かの元で奉公をして育った後、大阪空襲による混乱に乗じて戸籍を詐称。和賀英良として生きていく。
・殺人は、三木謙一の登場により「ハンセン病患者の息子」という暗い過去が暴かれるのを恐れた秀夫が起こした「同情すべき」ものだった。
◆なぜ、私は(ボーガス注:原作版)『砂の器』で泣けないのか
・私は決して感動しにくい女ではない。むしろかなり涙もろい方で、同じく松本清張の『ゼロの焦点』を新幹線で読んだときは、(ボーガス注:売春婦(パンパン)だった過去を隠蔽しようとして殺人に走る犯人に対して)号泣するあまり隣りの席の人に心配された。
・こんな涙腺激ヨワな私がなぜ『砂の器』で泣けないかというと、作品の中核である「ハンセン病患者とその家族の苦しみ」を全く知らないからだ。知らないから、(ボーガス注:映画と違い)「悲劇の回想シーン」や「気の毒な犯人の心情」が詳しく描かれていない(ボーガス注:原作バージョンの)この作品を読んでも、(ボーガス注:和賀英良こと本浦)秀夫の心を想像できない。刑事の口を借りた松本清張が「その動機は同情に値する」と言っても、「ハァ?、殺人はあかんやろ」としか思えないのだ。​
 私は1997年生まれで、新潟県中越地方で教育を受けた。「道徳」や「総合」で人権教育を受けた記憶はあるが、学習内容は同和問題と呼ばれるもの*28に絞られていた気がする。ハンセン病のことは小学校から高校に至るまで、まったく触れなかった。人権教育は地域によって特色の違うカリキュラムなので一概には言えないが、多くの同世代の人達も同じなのではないかと思う。
 現在、患者の高齢化によってハンセン病差別は風化の危機に晒されている。風化はなかったことになるだけであって、差別がなくなったことにはならない。いつか風化が進み切り、社会派ミステリとしての『砂の器』が完全に無力になる日が来るのかと思うと、たいへん無念である。

【参考:黒い白鳥】

yuブログ 鮎川哲也「黒い白鳥」
 なんと犯人の犯行動機が松本清張の「ゼロの焦点」と同じ。
 どっちが先に書かれたものだろうと思ったが、本書に収録されている「創作ノート」を読んだところ、なんとこの2作品、同時期に同じ雑誌「宝石」に連載されていたとか。こんな偶然もあるんですね。

鮎川哲也の名作「黒い白鳥」を久々に読む | フリーライター Sakamoto Norio ブログ
 犯人の動機は同時期の松本清張ゼロの焦点」に類似するが、それだけ当時は身近な関心事だったということである。

<「ゼロの焦点」 その9> : のすたる爺の書斎から
 松本清張が『ゼロの焦点』を、雑誌「宝石」に連載中の昭和34年7月、同じ雑誌に、鮎川哲也の『黒い白鳥』の連載(7月号から12月号)が始まった。
 『黒い白鳥』の連載が進むや、この作品の殺人事件の真相が、過去に恥ずべき経歴(大阪飛田の遊郭に身を置いていた)を持ち、今では結婚して、幸せな生活を送っている女性が、前歴を知られたくないために人を殺す…ということが明らかになり、この偶然に、松本清張鮎川哲也は、ともに驚いたというが、戦後の混乱から、そう遠くない時代であり、それほど特異な設定ではない。
 『黒い白鳥』は、昭和34年12月に、『ゼロの焦点』は、翌35年1月に連載を終了。鮎川哲也は、この作品(『黒い白鳥』)と、同じ年の11月に刊行した『憎悪の化石』の2冊で、第13回探偵作家クラブ賞を受賞し、(ボーガス注:人気)推理小説作家の仲間入りをする。


◆「新しい戦前」に「特攻」の経験から学ぶこと(山元研二*29
(内容紹介)
 『「特攻」を子どもにどう教えるか』(2022年、高文研)の著書がある筆者が「「特攻」を子どもにどう教えるか」論じていますが小生の無能のため詳細な紹介は省略します。
参考

「特攻」を子どもにどう教えるか(山元研二)
 私が教師になって四年目、勤務校の一日遠足で訪問した時の二つの出来事を忘れることができない。
 一つは、遺書のコーナーを見ていた時であった。
 五、六歳くらいの男の子を連れた母親が、遺書を読み終えた後、「あなたもこの人たちのような勇気を持たなきゃだめよ」と男の子に語りかけていた*30のである。この母親が若者の写真と遺書から感じたことは「決死の愛国心」だったということである。
 もう一つは、展示されている戦闘機の前で話していた語り部の言葉であった。
 「みんな喜んで出撃していったのです。それを嫌だと思う人はひとりもいなかったのです*31
 私は、わが耳を疑った。
 「みんなとはあんまりだ」。
 それを一緒に聞いていた新規採用の教師が私にこう言った。
 「このままでいいんでしょうか」。
 私が、社会科の教師として「特攻」について取り組む決心をした瞬間であった。

『「特攻」を子どもにどう教えるか』 山元研二著|【西日本新聞me】2022.12.17
 著者は今年3月まで鹿児島県で中学校の社会科教諭を務めた。太平洋戦争中の特攻作戦について、本書はなぜ始まったのか、どのような作戦だったのかといった「事実」を明らかにすることに重きを置く。この事実に迫ろうとする意味で、旧海軍特攻隊の生存者だった浜園重義氏へのインタビューを収録する点は特筆される。

<書評>『「特攻」を子どもにどう教えるか』山元研二 著:東京新聞 TOKYO Web2023.1.15
 「特攻」が学校教育の教材になる機会は案外と少ない。徹底的に人権を軽んじ、大規模かつ組織的、異常も極まりない、つまり教訓に満ちた史実であるにもかかわらず、だ。
 安易に扱ってよいテーマでないのは当然だ。下手をすれば一面的な、“お国のため”に命を捧げた男たちの英霊美談に陥りかねず、実際、それこそが成功とされた「道徳」授業の報告もあるという。
 とはいえ、「何もなかったこと」にしてしまうのでは教育の敗北にほかならない。ジレンマと格闘しつつ、長年、「特攻」とは何だったのかを問い、伝え続けてきた鹿児島県の公立中学校の社会科教師による、本書は稀有な実践の記録だ。
 鹿児島には知覧をはじめ、鹿屋(かのや)、万世(ばんせい)など、多くの特攻基地が集積していた。史料館にも事欠かないが、著者はそれだけに頼らない。元特攻兵士を訪ねてはビデオを回し、彼らの家族や「なでしこ隊」の少女たちが出撃を見送った現場に生徒と足を運んでは、質問を重ねていく。
 なぜ「特攻」だったのか?
 自分なら志願するか?
 作戦の“生みの親”とされる大西瀧治郎海軍中将を「殺してから飛ぶ」と公言していた元特攻兵*32の証言さえ、著者は得た。
 彼は強調している。重要なのは事実に基づいて多角的・多面的に考えることであり、授業の根幹には、誰にも異を唱えられるはずのない「基本的人権の尊重」の原則を据えておくことだ、と。

特攻の歴史、美談にしない 生還者らの証言、書籍に 鹿児島県元中学教員【スクランブル】|あなたの静岡新聞2023.2.18
 太平洋戦争末期に特攻で死んだ隊員を「国に命をささげた英魂」と呼び、美談にする風潮に疑問を感じた鹿児島県の元中学教員が、生還した元隊員らの証言や教育現場の取り組みをまとめた本「『特攻』を子どもにどう教えるか」を出版した。
 執筆した山元研二さん(58)は鹿児島県・種子島出身。立命館大を卒業後、同県に戻り、公立中の社会科教員になった。4年目に遠足で訪れた南九州市知覧特攻平和会館で、解説員が特攻隊員について「皆、喜んで出撃していった」と語ったのが引っかかった。
 「皆とはあんまりだ」。
 過度にドラマチックな語り口にも疑問が募った。
 「生徒には物事を多面的に見る力を付けてほしい」と考え、そのためには「まず自分が知ることが必要」と、関連の書籍を読み、遺構を巡るフィールドワークを実施。生還した元隊員や出撃前の隊員を世話した元女子学生に取材した。中には「検閲された隊員の遺書に本音はない」と断言した人もいたと振り返る。
 そうした声や特攻を発案した上官*33を「殺してから出撃したかった」と憤る元隊員*34の証言も率直に生徒に伝え、文化祭では特攻に関する自作の劇を上演。生徒と一緒に隊員の心情を考えたという。
 「なぜ日本は特攻作戦を採用したのか*35」など当時の状況について生徒と話し合う研究授業を公開すると「隊員のやむにやまれぬ思いに迫れていない」「中学生に理解は無理」と教育評論家や他の教員から批判が寄せられた。
 「それならどう教えれば良いか。答えがない中『無理』は思考停止。考え続けることから逃げないのが教員の役割だ」
 研究職として教育の在り方を見直し、未来の教員を育てたいとの思いから定年を待たず退職。2022年4月に北海道教育大釧路校准教授に就いた。多くの隊員が飛び立った鹿児島県に「生まれ育った者の責任」としてこれまでの取材や調査、取り組みをまとめた書籍を2022年11月に出版した。

「みな喜んで出撃」なのか 知覧で感じた特攻隊への礼賛教育の危うさ:朝日新聞デジタル2023.8.15
 鹿児島県をはじめ九州の学校は、遠足や修学旅行で陸軍特攻隊の基地があった知覧(同県南九州市)に行くのが定番です。旧知覧町が設立した知覧特攻平和会館には特攻隊の若者たちの遺影や遺書が展示され、「語り部」と呼ばれるガイドが説明します。一般を含め年間約40万人が訪れる一大観光地でもあり、周辺には土産物店や食堂が軒を連ねています。
 1990年代初め、中学の社会科教師になって間もなく、生徒と知覧を初めて訪れました。戦闘機が展示され、その前で語り部が「みな喜んで出撃していった。嫌だと思う人はひとりもいなかった」と語りました。
「みんなとはあんまりだ」。
 私は強い違和感を覚えました。

【1】なお、山元氏が

宇垣纏 - Wikipedia
 海軍総司令長官・小沢治三郎中将は8月16日朝に連合艦隊航空参謀・淵田美津雄大佐に対し「皇軍の指揮統率は大命の代行であり、私情を以て一兵も動かしてはならない。玉音放送終戦の大命が下されたのち、兵を道連れにすることはもってのほかである。自決して特攻将兵のあとを追うというのなら宇垣一人でやるべきである」と述べ、宇垣達に対する感謝状は起案させなかった。

小沢治三郎 - Wikipedia
 徹底抗戦を主張する軍令部次長の大西瀧治郎中将が、鈴木貫太郎内閣の終戦工作に反対して東郷外相に「二千万人の特攻死を出せば、日本は勝てる」と言った時には、小沢は「二千万人の男を殺して、誰がこの国を再建できるのか」と大西を叱責したとされる。小沢は大西の自決については何ら意見を述べなかったが、終戦後部下を連れて特攻した宇垣纏については命令違反であると批判した。そして自分の幕僚に「君たちは腹を切ってはいけない。俺も自決しない」と明言した。

君との約束だったから 弁論大会にかけた元特攻隊員|鹿児島県南九州市の戦跡 薄れる戦争の記憶 NHK2019.8.22
 戦死した多くの特攻隊員の写真の中に、富永靖さんを見つけました。
 富永さんについて、資料館には以下の記録が残っていました。
長崎県出身
・昭和20年5月25日に宮崎県都城東飛行場から出撃
・沖縄沖で戦死
 さらに、学芸員から思いもよらなかったことを聞きました。
 富永さんの父親の恭次さん*36は、陸軍の司令官としてフィリピンの戦線にいて、特攻も指揮したと伝えられています。
 しかし昭和20年の初め、部隊を置き去りにして台湾に逃亡。以来、「ひきょう者」と批判を受けたといいます。
 その数か月後、富永さんは特攻に志願して出撃していました。
 学芸員は、「富永さんは、父親は汚名があるかもしれないけど、自分は違うんだと示したかったのだと思います。特攻隊員としてしっかり自分の役割を果たすんだという気持ちがあったのかなと推測しています」と話しました。
 一家の名誉、そして自分の名誉を守りたいという悲壮な決意。
 堀田さんは、日の丸への寄せ書きを食い入るように見つめていました。敗戦が濃厚となるなか、富永さんの字で「皇國最終ノ勝利ヲ信ズ」と書かれていました。

として「宇垣纏(第五航空艦隊長官)の航空特攻に批判があったこと」「第四航空司令長官として航空特攻を推進しながら自分は敵前逃亡し、悪評を浴びた富永恭次*37」等について触れていることを指摘しておきます。特攻を美化する面子が無視したがる話ですが。
【2】なお、山元氏が

 改憲タカ派福田赳夫首相ですら赤軍派ダッカ事件で「人命は地球よりも重い」といって超法規的措置赤軍派の釈放と身代金支払い)に動いたのに、宏池会の流れをくむ岸田氏と彼が率いる今の自民は(ボーガス注:大軍拡や敵基地攻撃能力等)福田氏と「福田時代の自民」よりも右翼に見える(俺の要約)

と指摘し、現状への危機感を語るのには全く同感ですね。岸田が首相になった際は「安倍政権の外相」とはいえ「ポスト岸の池田首相(岸内閣で蔵相、通産相)」レベルにはまともになるかと思っていましたが。
 まあ、佐藤栄作も「よど号事件」では人質解放のためによど号グループの北朝鮮行きを認めてますしね。その点では俺は佐藤と福田を評価します。
 何で日本政府はよど号ハイジャック、ダッカ事件のように「バーター取引で拉致被害者を救出しようとしないのか?」
 そして何故家族会は「よど号ハイジャック、ダッカ事件の被害者家族」のように「バーター取引で拉致を解決してくれ」と言わないのか?
 まさにほれみろ、米国とイランだって、けっきょく対価じゃねえかよ(こういうことを拒否しまくっているから、9月17日に拉致問題がろくに話題にならないという事態になるのだ) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)ですね。ええ、俺は家族会と救う会が大嫌いなので何かあるとこのように悪口します。


◆県と県民の安全への危惧も、地方自治もふみにじる最高裁判決(白藤博行*38
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
辺野古 最高裁が不当判決/県民・地方自治を無視/小池書記局長が批判2023.9.5
辺野古 沖縄県の不承認は「違法」 最高裁が不当判決2023.9.5
命の海を守れ/“辺野古新基地止める”抗議拡大/不当判決一夜明け2023.9.6


◆SNSの本格的活用でこんどこそ総選挙勝利を:若い世代、真ん中世代に日本共産党への支持をどう広げるか(田村一志*39
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
SNS活用こうやって/若者・真ん中世代とつながろう/愛知県の取り組み2022.6.7
SNSフル活用で参院選勝利へ/特設サイト 公示日から開設2022.6.8
若い世代・現役世代にネット・SNS活用で「#比例は日本共産党」を2022.7.6
SNS 選挙活動の柱に/共産党北海道委員会 SNSチーム責任者・宣伝部長 岡田かずささん(手記)/青年・真ん中世代に党の魅力伝える必須ツールとして2022.11.28
LINE公式で有権者とつながる/SNS技術サポート講座/統一地方選終了まで限定公開2023.1.29


福島県議会議員座談会『復興・被災者支援、県民要求実現に力をつくす:原発問題とぶれずに向き合いつづけ』(神山悦子/宮川えみ子/宮本しづえ/吉田英策/大橋沙織)
(内容紹介)
 11月の県議選を前にした座談会ですが小生の無能のため詳細な紹介は省略します。
参考
福島でいわき・双葉赤旗まつり/辰巳氏が報告・トーク2023.6.13
汚染水放出強行するな/党福島県議団 知事に申し入れ2023.8.20
「泥の始末が大変」/党県議団、いわき水害調査/福島2023.9.17


特集『労働者の権利・ストライキのある社会へ』
ストライキを軸に要求実現の力をもつ労働組合をめざす(三木陵一*40
国立病院機構で31年ぶりストライキ:コロナ禍、人手不足、独立行政法人化の中で(鈴木仁志*41
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。なお、表題は「ストライキ」に全否定的な連合等に対する批判にすぎず全労連系の労組(JMITU、全医労)が「団交よりストライキを無条件で評価するようなストライキ至上主義」では勿論ないことは指摘しておきます。
〈インタビュー〉独法化後初めてスト構える/鈴木仁志全医労書記長に聞く - 連合通信社

http://ibjcp.gr.jp/?p=142872023.3.10
 国立病院機構国立高度専門医療研究センター国立ハンセン病療養所で働く労働者でつくる全日本国立医療労働組合(全医労)は3月9日、賃上げを求め、全国約140の国立病院で独立行政法人化後、初の一斉ストに立ち上がりました。
 茨城県では、水戸医療センター水戸市)、霞ケ浦医療センター(土浦市)、茨城東病院東海村)の3施設で医療従事者らが労働環境の改善を求め、ストライキと宣伝をしました。
 水戸医療センターでは、“人手不足はもう限界”などと書かれたプラカードや横断幕を掲げてアピール。コロナ病棟で働く看護師の女性は、「緩和ケア棟がコロナ病棟に変わり、現場では対応に追われている。常に人手不足で、超過勤務が当たり前になっている」と話しました。
 県医労水戸支部長の益子サツキさんは、医療現場が疲弊しているとし、「賃金を何としても増やしてほしい」と求めました。

ストライキが当たり前の社会に/志位委員長が会見2023.5.2
 日本共産党志位和夫委員長は1日、東京・代々木公園で開かれた「第94回中央メーデー」参加後の記者会見で、「資本から独立したたたかう労働組合が大事になっている」「日本社会をストライキが当たり前の社会にしていくことが大切ではないか」と強調し、「日本共産党としてもしっかり連帯したい」と決意を語りました。

スト構え23年ぶり高水準/全労連 黒澤事務局長が会見/春闘回答2023.5.20
 全日本国立医療労働組合(全医労)は31年ぶりのストを全国124支部で決行し、JMITU(日本金属製造情報通信労働組合)小坂研究所支部では、ストや8回の団交を通じて1万1800円の賃上げ回答を引き出したと紹介。


◆足尾は終わったのか、谷中は過去か:足尾閉山50年、田中正造死後110年に文学作品を読み返して考える(新船海三郎*42
(内容紹介)
 勿論ここでいう「終わったのか」「過去か」とは「足尾鉱毒事件」という意味ではなく足尾事件のような「公害事件」あるいは「政官財癒着(足尾鉱毒事件の場合の財は古河財閥)、権力犯罪」と言う意味であり、そういう意味では残念ながら勿論終わっていません。
 足尾鉱毒事件についての文学作品としては

大鹿卓*43渡良瀬川田中正造と直訴事件』(2013年、河出文庫)
 なお、現在は青空文庫大鹿卓 渡良瀬川で読むことが可能
城山三郎『辛酸:田中正造足尾鉱毒事件』(1979年、角川文庫)

が紹介されています。
参考

「辛酸」「暗黒告知」「毒」… 田中正造ひもとく15冊 茨城・古河文学館で展示:東京新聞 TOKYO Web2023.1.13
 日本の公害の原点とされる「足尾鉱毒事件」で、被害者救済を訴えて政府に立ち向かった田中正造(一八四一〜一九一三年)。没後百十年を迎えた今年、小説などの文学作品で田中がどう描かれてきたかを探る展示「文学の中の田中正造」が、茨城県古河市の古河文学館で開かれている。
田中正造を題材にした主な文学作品
 大鹿卓渡良瀬川」(1941年*44
 城山三郎「辛酸」(1962年*45
 小林久三*46「暗黒告知」(1974年*47
 日向康*48「果てなき旅」(1979年*49
 佐江衆一田中正造」(1993年*50
 立松和平「毒」(1997年*51


◆論点『もうけのため環境壊す富士山登山鉄道はいらない』(小越智子*52
(内容紹介)
 赤旗等の記事紹介で代替。

「富士山登山鉄道は造らせない」に共感。堀内茂富士吉田市長と懇談 - 名取泰 公式ホームページ
 日本共産党山梨県議団は7日、県が計画している富士山登山鉄道構想について、地元の富士吉田市役所を訪れ、堀内茂市長と懇談しました。
 冒頭私から、日本共産党は財政面、安全面などにおいて登山鉄道に反対であり、6月議会でも富士山登山鉄道構想推進の調査費に反対したことを伝えました。
 堀内市長は「世界文化遺産に登録されて10年目を迎えた富士山をこれ以上傷つけてほしくないという思いだ」「先人たちが山岳信仰の対象として崇めてきた神聖な山を保全する責任が私たちにはある」と強調。更に「県は冬季にも鉄道を走らせるといっているが、これには山小屋の関係者も反対している」「富士山は土砂の崩落とともに雪崩が頻繁に起こる。その危険性について、認識が甘いのではないか」と県の姿勢を批判しました。そして「絶対に造らせないという立場で共同を広げていきたい」と決意を述べました。

きょうの潮流 2023年8月11日(金)2023.8.11
 「世界遺産山岳信仰のある富士山を、地元としてこれ以上手をつけることなく、今の状態で守るべき使命がある」。
 吉田口登山道のある富士吉田市の堀内茂市長が、共産党県議団との懇談で訴えています
▼1400億円もの整備費が見積もられている登山鉄道については党県議団も「海外富裕層の呼び込みが目的で、環境保全の点からも一貫して反対してきた」。県は名目の一つに環境負荷の低減をあげますが、電気バスの利用で十分対応できると。いまでさえ登山者の急増が問題となるなか、さらなる開発や呼び込みが環境悪化に拍車をかけることは必至です

富士山登山鉄道に反対する市長、山梨県に不信感「外堀固めて世論固め」「地元への傲慢な姿勢」 : 読売新聞2023.9.8
 山梨県が掲げる富士山登山鉄道構想について、富士吉田市の堀内茂市長は7日、記者会見で改めて反対を表明し、登山鉄道を導入しなくても、富士山の麓と5合目を結ぶ「富士スバルライン」の通行を電気バスに限ることで対応することが可能だと主張した。
 記者会見で登山鉄道に代わる考えを問われた堀内市長は、スバルラインのマイカー規制を春や秋の繁忙期にも延長する案を示した。乗用車やバスなどを入れず、麓の駐車場で電気バスに乗り換えれば、環境負荷がかからないと述べた。
 その上で、登山鉄道構想にかかる費用は1400億円と巨額だとし、富士山では雪崩が発生して道路が壊れる危険があることや、工事により山に負担がかかることなども反対する理由に挙げた。
 さらに、堀内市長は「保全策として鉄道が適しているか議論すべきだが、構想に関する県からの説明がない」とし、「海外の記者に発信するなど、外堀を固めて鉄道ありきの世論を固めようとしている。地元は素直に聞くべきだという 傲慢な姿勢だ」と県への不信感をあらわにした。

「富士山登山鉄道構想」富士吉田市議会が反対決議案可決 山梨|NHK 山梨県のニュース2023.9.28
 山梨県が検討を進める「富士山登山鉄道構想」について、地元の富士吉田市の市議会は28日、構想に反対する決議案を賛成多数で可決しました。

 自民党王国山梨においては、当然、富士吉田市も自民系が多数でしょう。その点が反対派にとっては一つの希望ではあります。


◆暮らしの焦点『アサリ漁を守り継承するために―三河湾の再生をめぐる取り組み』(しもおく奈歩*53
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

アサリ激減の理由は「海がきれいになりすぎたから」窒素やリンの放流量緩和する実証実験進める 愛知県- 名古屋テレビ【メ~テレ】2023.5.4
 アサリの漁獲量が全国1位の愛知県。潮干狩りも多くの人で賑わいを見せています。しかし、その漁獲量は年々減少しています。その理由は意外なものでした。
 愛知県では、2011年の漁獲量は、1万6703トンでしたが、2021年には、2364トンまで減少。
 そのため、潮干狩りを休業したり、開業日数を減らしたりする場所もあります。
 愛知県水産試験場によると、アサリが激減した理由は、「海がきれいになりすぎた」ことだといいます。
 これまで、国や県などは、海をきれいにするため、海に流す排水の「窒素」や「リン」の量を規制してきました。
 しかし、その影響でアサリなどの餌となる植物プランクトンが減り過ぎてしまったことで、アサリの数も減ってしまっていると話します。
三河湾に栄養素が非常に流れ込んできていたんですけども、それが近年非常に減少してきているということがわかっています。なので、餌が減ってきて、アサリが痩せてきて、アサリの活力が減ってきて、それが資源減少に影響を与えているのではないかと考えています」(愛知県水産試験場 主任研究員 日比野学さん)
 そこで愛知県は減ってしまったアサリを増やすためある実証実験を進めています。
 下水処理場の「矢作川浄化センター」では、実験的に「窒素」と「リン」の量を規制値の上限まで緩和し、エサとなる植物プランクトンが増えるよう放流しています。
「昔は本当に下水って言えば、浄化してきれいにして出すのが使命っていうのがありましたけど、最近は“豊かな海”っていう議論がされてますんで、そういったものに貢献できるような、ちょっとでも漁業者に、いい影響があるといいなと思っています」(愛知県下水道課長 藤村尚治さん)
 一方、愛知県水産試験場では餌とは違うアプローチでもアサリを増やす研究を行っています。
 それは「アサリが過ごしやすい環境をつくる」ということです。
 漁場に、小さな砂利を敷き詰めることで、アサリの生存率が、最大で12倍延びることがわかってきたと話します。
「石があるとですね、海底面が安定するので、アサリが痩せていても、風や波に対してすごく安定する。アサリが無駄なエネルギーを使わずに済む」(主任研究員 日比野学 さん)
 こうした問題について、日比野さんは、私たちが、どういう海の姿を将来に残すのか考えることが重要だと話します。

愛知のアサリ最前線 「おいしい!」けど「実は不漁?」 | NHK2023.7.6
 愛知のアサリはなぜ減ってしまったのか。
 答えを求めて向かったのは南知多町にある愛知県水産試験場・漁業生産研究所。
 アサリの減少を研究する日比野学 主任研究員に、質問をぶつけてみました。
日比野さん
『いろんな理由が考えられますが、一番は“エサ不足”です。エサとなる植物プランクトンが減ったせいで、アサリの身がどんどん痩せてきて、体力や活力が低下して、死にやすい状況が発生しているんです。』
 日比野さんによると、海の栄養分である「窒素」や「リン」が減ったことにより、アサリのエサとなる植物プランクトンも減少し、結果としてアサリが減少したとのこと。
 では、海から窒素やリンが減ってしまったのはなぜなのか。
 その理由は意外にも、生活排水を“浄化し過ぎた”ことだといいます。
日比野さん
『下水処理自体は当然やるべきことですが、今は、海に流れ込む窒素やリンがアサリに必要な水準よりさらに低くなる状況まで削減してしまっている状態なのかなと考えています。窒素やリンの処理のやりかたを、ひたすら『削減』するという考え方から『管理』という考え方に変えていくことが重要なのかなと思います。』
 こちらは、下水の処理を行う矢作川浄化センター。
 海の栄養を適度に保つため、窒素やリンの浄化の度合いをコントロールし、海に流れる量が減りすぎないようにしています。
 さらに、水産試験場ではアサリを守るためにこんな対策も…。研究所に置かれていた謎の網、これは?
日比野さん
『これは生分解性(微生物の働きで自然に分解される性質)の「網袋」です。この網袋に1.5cmから2cmほどのアサリの稚貝を入れておくことで、アサリを食べる生き物などから守ることができます。アサリが十分な大きさに成長する頃には、海水中で自然に分解されるようになっています。』
 このほかにも、愛知県では海底に砕石をまくことでアサリにとって暮らしやすい環境をつくる取り組みも行っています。
日比野さん
『アサリはふだん、砂の中にもぐって生息していますが、干潟に存在する通常の細かい砂の場合、波の水流などによって砂ごと掘りおこされることがあります。そのたびに、また一定の深さにまでもぐろうとするため、エサ不足に加えて無駄なエネルギーまで使ってしまうことになり、さらに弱ってしまいます。この砕石を海底にまくことで、海底が安定するので、アサリにとって暮らしやすい環境になるんです。』


メディア時評
◆新聞:問題の根源からなぜ問わぬ(千谷四郎)
(内容紹介)
【1】汚染水(処理水)排出について、「右派」読売、産経だけでなく「リベラル扱いされる」朝日、毎日まで「中国の海産物輸入拒否は不当」ばかり連呼することに「汚染水の安全性(中国以外からも批判)」「漁民との約束違反」という問題の根源からなぜ問わぬと批判。
 この点については産経も

【新聞に喝!】処理水「反対」報道、尻すぼみの不可解 日本大教授 小谷賢 - 産経ニュース
 放出当初、朝日や毎日は東京電力の行為や政府の責任を厳しく追及する構えで、福島の漁業関係者らの反対派の意見を紙面に引用した。
 しかしその後、(中略)9月23日の朝日デジタルのコラムは、「国際世論を味方につけようとした中国外交の意図は、空振りだったと言える」と指摘

として朝日に悪口しています。「産経の朝日非難」の思惑はともかく朝日の態度は確かに無茶苦茶と言うべきでしょう。
【2】辺野古基地問題について「沖縄県に全面的に非があるか」のように玉木知事に悪口する「右派」読売、産経に対し、「岸田政権が沖縄県側の主張を完全に無視していること」「基地移転予定地が軟弱地盤であること」という問題の根源からなぜ問わぬと批判。関係者(沖縄県、福島漁民等)の意見を無視しているという点では「辺野古基地問題」「汚染水問題」には共通点があると指摘。岸田政権に対し「何が『聞く力』か!」と批判。


◆テレビ:ジャニーズ事務所記者会見*54を受けて(沢木啓三)
(内容紹介)
 新刊紹介:「前衛」2023年10月号 - bogus-simotukareのブログでも紹介しましたが前回(10月号)、「国連委が問う日本のメディア」でジャニーズ問題を中心に国連人権委の指摘(但し、技能実習生の労働環境や待遇に関する問題、福島第一原子力発電所の除染作業に関する問題等にも言及)を紹介した沢木氏ですが今回もジャニーズ問題です。
 沢木氏は「今のままでテレビ局はジャニーズタレントを使い続けていいのか?」としています。
 なお沢木氏の意見から離れて、俺個人が最も問題にしたいのは未だに井ノ原快彦に『出没!アド街ック天国』のMCを続けさせるテレ東ですね。
 井ノ原は現在「ジャニーズアイランド社長」で「ジャニーズ事務所の後継会社として新たにできるタレントマネジメント会社の副社長が内定(なお、社長は東山に内定)」という経営幹部の立場であり、その立場から二度の記者会見にも出席し「ジャニーズ所属の一タレントにすぎない」といえる存在ではない。
 しかも井ノ原に似た立場の東山紀之(テレ朝『サンデーライブ』でMC)は「芸能界引退」を表明し、番組から降板している。
 「何故テレ東は未だに井ノ原をMCで使い続けるのか?」「何故井ノ原は東山のように引退表明しないのか?」という疑問を感じますね。
参考

スポンサー「見直し検討」の動き=ジャニーズタレント出演番組―時事通信調査 | 時事通信ニュース2023.9.15
 ジャニーズ事務所創業者の故ジャニー喜多川氏による性加害問題を受け、所属タレントが出演するテレビ番組のスポンサー活動について、一部の企業が見直しの可能性も含めて検討していることが時事通信の調査で15日、分かった。
 ライオンは「Snow Man」メンバーが出演する「ラヴィット!」(TBS系)、「KAT―TUN」の中丸雄一さん出演の「朝だ!生です旅サラダ」(テレビ朝日系)などのスポンサー。今後については、見直しも含めて「検討中」と回答した。
 日本生命保険も見直しを含めて検討する。相葉雅紀さん出演の「嗚呼!!みんなの動物園」(日本テレビ系)や、「なにわ男子」出演の「めざましテレビ」(フジテレビ系)などのスポンサー継続について、「テレビ局の出演方針などを注視し、判断する」という。
 (ボーガス注:井ノ原快彦が司会を務める)「出没!アド街ック天国」(テレビ東京系)スポンサーのサントリーホールディングスは「人権尊重に基づくスポンサー活動を模索する」、(ボーガス注:TOKIOが出演する)「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ系)の任天堂は、「今後の方針を検討する」との考えを示した。

サントリー社長、ジャニーズに改善なければ「番組スポンサー降板も」:朝日新聞デジタル2023.9.16
 故ジャニー喜多川氏による大規模な性加害問題を受け、サントリーホールディングス(HD)の新浪剛史社長が15日、朝日新聞の取材に応じた。今後2~3カ月の間にジャニーズ事務所の体制に改善がみられなければ、(ボーガス注:井ノ原快彦が司会を務めサントリーがスポンサーの1社である「出没!アド街ック天国」(テレビ東京系)など)所属タレントが出演するテレビ番組のスポンサーを降りることも「オプション(選択肢)としてはあり得る」と語った。

国分太一 MC降板で最終調整 テレ東音楽祭 14年開始から“番組の顔”もスポンサーが難色(スポニチ) | 毎日新聞2023.9.23
 テレビ東京の音楽特番「テレ東音楽祭」の司会を、2014年の番組開始時から担当してきたTOKIO国分太一(49)が降板する方向で最終調整していることが22日、分かった。現在は株式会社TOKIOの所属だが、ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川元社長の性加害問題の影響とみられる。
 複数の関係者によると今年は11月中旬の放送を予定。国分の降板には、番組スポンサーがジャニーズタレントの起用に難色を示したことが関係しているといい、広告関係者は「司会の国分さんだけでなく、歌手として出演する他のジャニーズタレントの起用も見送られる可能性があります」と話した。

「テレ東音楽祭」今冬は放送予定なし 近年の総合MCはTOKIO国分太一が務める - 芸能 : 日刊スポーツ
 テレビ東京は28日、都内の同局で定例社長会見を行い、石川一郎社長が大型音楽番組「テレ東音楽祭」の今冬の放送予定がないことを明かした。
 同局では11月15日~19日にかけて2024年の開局60周年を記念した「テレ東60祭:なぜか横浜赤レンガ」を行うといい、その中の企画のひとつとして「テレ東60祭ミュージックフェス(仮)」を放送する。石川社長は今冬の「テレ東音楽祭」放送について「そうした案もありましたが、今回はそういうことになったということ」と説明。同番組は今年6月に放送されており、近年は夏冬年2度実施が定着していた。石川社長は会見で、もともと年1度で始まったものが社内事情などで2度になっていたとも語った。
 近年の「テレ東音楽祭」は総合MCをTOKIO国分太一が務めていた。国分は故ジャニー喜多川前社長の性加害問題に揺れるジャニーズ事務所所属時代から起用されており、同局は今回の問題を受け、同事務所タレントの新たな起用について「極めて慎重に判断する」としていた。これは「新規の出演依頼は当面行わない」としたNHKと同じ姿勢だとし、質疑応答で「テレ東音楽祭でも同様か」と問われた石川社長は「そうです」と返答。同事務所が10月2日に行う性加害問題についての会見内容を確認した上で「新体制での明確な効果が確認できるまで、起用は極めて慎重に判断していきたい」と語った。

 当初は「ジャニーズ起用なし」とされたテレ東音楽祭は放送自体がなくなりました。
 なおサントリーも「テレ東音楽祭」のスポンサーだったようで「国分の起用に難色」を示した社の一つ(他にもあるかもしれませんが)はサントリーかもしれない。
 ということで「スポンサーが離れる→ジャニーズ起用がどんどんなくなる」の可能性が当然ながら出てきました。
【追記】
紅白歌合戦の司会 有吉弘行さん 橋本環奈さん 浜辺美波さん | NHK | 紅白歌合戦
 「1997、1998年、2006~2009年:中居正広」「2010~2014年:嵐」「2015年:井ノ原快彦」「2016年:相葉雅紀」「2017年:二宮和也」「2018、2019、2022年:櫻井翔」と長年司会にジャニーズを使い続けたNHKが今回は司会に使わないことを早々表明しました。こうなると「白組歌手としてもジャニーズの出演全部なし」も十分あり得るでしょう。


ジェンダー覚書:The personal is political『子どもへの性加害を許さない社会へ:ジャニーズ事件の教訓』(坂井希*55
(内容紹介)
 9/22執筆のため、10/2の記者会見(ジャニーズ事務所を社名変更した上で被害者への補償専門の会社とし補償終了後は廃業、タレントのマネジメントは新たに作る会社で行う)が反映されていない点が残念ですが
1)ジャニーズが被害者への謝罪と補償を行うこと
2)「ジャニーズの特殊事件」と片付けず芸能界として「同様の性加害(いわゆる枕営業など)がないか」調査を行うこと
を求めてることには全く同感です。


文化の話題
◆映画:山田洋次森達也監督の新作(児玉由紀恵)
(内容紹介)
 山田「こんにちは、母さん」、森「福田村事件」の紹介。
【参考:こんにちは、母さん】

山田洋次監督(91)新作映画「こんにちは、母さん」で描く 幸せとはなにか | NHK2023.7.28
 映画「こんにちは、母さん」は、現代の東京・下町に生きる家族が織りなす人間模様を描いた作品です。
 大企業で人事部長を務める神崎昭夫(大泉洋さん)は、社員を辞めさせるリストラを任され、常に神経をすり減らしています。さらに家では妻との離婚問題や、家出した娘との関係に悩んでいます。
 ある日、昭夫は母・福江(吉永小百合さん)が暮らす実家を訪れ、母の様子が変化していることに気付きます。いつもかっぽう着を着ていた母は華やかなファッションに身を包み、恋愛もしている様子。
 昭夫は、実家にも自分の居場所がなくなったと戸惑いますが、下町の住民や、これまでとは違う“母”と新たに出会い、見失っていたことに気付かされていくというストーリーです。
 必死に努力して大企業に就職した昭夫。ところが任された仕事は、誰をリストラするか、それをどうやって本人に伝えるかといった、人に憎まれる内容でした。
 そんな昭夫が、近所のせんべい屋が焼いたせんべいを食べながら、「こういったものは人間を慰めるためにあるんだな、腹の足しというか心の足し。人間を慰めるためにあるんだ。こういう仕事に就けばよかった。こういう仕事は裏切らないからな」と語り、目に涙をにじませます。

「こんにちは、母さん」山田洋次監督が描いた「息子の葛藤」 大泉洋さん、宮藤官九郎さんとの舞台裏は:東京新聞 TOKYO Web2023.9.11
記者
 原作である永井愛さんの舞台では、昭夫は母親の福江に対してもう少しはっきり批判しているように感じました。映画ではもう少し昭夫は悩んでいる?
山田
 映画ではというより、ぼくの理解ということだな。永井さんの表現とぼくの表現が違うということだよ。特に永井さんは女性だし、ぼくは男だし、当然違ってくるわけだな。
(中略)
 原作の戯曲はそんなに息子は悩んでいない。お母さんは本当に「できちゃっていた」からね。ぼくの作品は「できかけている」というのかな。それに対して息子がいらいらする、ということを浮き彫りにしている。その意味で原作と違いますよ。

【参考:福田村事件】

「集団に埋没するな」森達也監督インタビュー【福田村事件】 | NHK2023.9.21

 この映画がここまで多くの人びとに見てもらえる状況というのは、本当に予想外なんです。
 ドキュメンタリーを除いた商業映画では、日本の加害の歴史について描いたものはほぼありません。一方で、ヨーロッパではナチスホロコーストをテーマにした映画はひとつのジャンルとして確立し、毎年量産されています。加害国のドイツでも、そのような映画が制作されている。アメリカでは、先住民虐殺や黒人差別を映画にしています。韓国でも光州事件を立派なエンターテインメントにしていますよね。日本だけがやらない。
 理由は恐らく明らかで、そんな映画を作っても誰も見に来てくれないだろうということです。でも、それは思い込みだったのでしょう。この『福田村事件』がヒットして、この日本の映画界の空気を変えることができるのであればうれしいです。
(中略)
 最近、この国の過去の失敗の歴史を、自虐史観などと呼称しながら軽視する。目をそらす、もしくは無かったことにする傾向がどんどんと強くなってきています。これは、国として非常にまずいのではないか。 そのような僕の意識を、この虐殺事件を通して問題提起しているところはあります。朝鮮人虐殺や南京虐殺、あるいは従軍慰安婦など負の歴史を掲げることに対して、否定したい人たちは「私たちの先祖はそんなケダモノではなかった」というフレーズを口にします。徹底的に歴史認識が浅い。人は環境によってケダモノにもなるし、紳士淑女にもなる。それを否定していたら、いつまでたっても正確な歴史認識を持てずにいることになる。ということは、国として成長できないままでい続けなければならない。これはダメですよね。

映画『福田村事件』 – イオWeb2023.10.6
 話題となっている映画『福田村事件』(森達也監督)を観てきた。
 事前に見たネットでの評判は、在日朝鮮人も日本人も賛否がわかれていてどうなのかと思っていたが、結論として私は作品を肯定的に評価したい。
 大震災から5日後、千葉県東葛飾郡福田村*56で事件が起こった。朝鮮人虐殺が関東各地で起こる中、香川県から訪れた薬売りの行商団15人の内、幼児や妊婦をふくむ9人が虐殺された。行商団は日本人だが方言を話していたことから朝鮮人だとされて虐殺されたのだ。
 描かれるのは「普通の人たちがいかに狂って暴走していき、虐殺へと向かっていくのか」ということだ。
 もっとも心に残ったセリフは行商団のリーダー・沼部新助(永山瑛太)が虐殺される前に言い放った「朝鮮人なら殺してええんか!」という言葉だ。
 森監督はNHK福岡のインタビューの中で次のように語っている。
「見方を変えれば、SNSで起きていること、あるいはヘイトスピーチヘイトクライムなど。そうしたことを含めて、『今、日本で起きたら』ではなくて、もう起きているのではないかとも考えます。実際に、あれほど多くの人を殺害するには至っていないけれども、今の社会環境は、質としてはそんなに変わらないように思う」
「最近、この国の過去の失敗の歴史を、自虐史観などと呼称しながら軽視する。目をそらす、もしくは無かったことにする傾向がどんどんと強くなってきています。これは、国として非常にまずいのではないか。 そのような僕の意識を、この虐殺事件を通して問題提起しているところはあります」
 政治家が朝鮮人虐殺の事実を否定し学校で教えない。
 だからこそ『福田村事件』、多くの人に観てほしいと思う。


◆演劇:劇団昴『親の顔が見たい』(水村武)
(内容紹介)
 劇団昴『親の顔が見たい』の紹介。
参考

劇団昴公演「親の顔が見たい。」 30日~9月3日 東京・池袋:東京新聞 TOKYO Web2023.8.17
 学校でのいじめをテーマに、保護者たちの身勝手な理屈や言い分などで親の顔を浮き彫りにする劇団昴公演「親の顔が見たい。」(作・畑澤聖悟)が8月30日~9月3日、東京・池袋の東京芸術劇場シアターウエストで上演される。
 舞台はある中学校の会議室。集まってきたのは、いじめで自殺した女子生徒の遺書で名指しされた加害生徒5人の保護者たち。年齢、職業、経歴などさまざまだが、「うちの子に限っていじめをするはずがない」との思いは一緒。
 事態を大きくさせまいと遺書はなかったことにしようと画策したり、若い担任教師を責めたり、「迷惑しているのはこっち」と開き直ったりで、言いたい放題。名指しされた生徒たちが学校でやっていた行為に親が気付いていなかったことで親子のコミュニケーションの薄さも明らかになる。
 2008年の初演時はその衝撃的な内容で話題となり全国各地を巡演。海外でも評判となり、韓国では2012年にロングラン上演され、2022年には「君の親の顔が見てみたい」のタイトルで映画化(日本公開は未定)もされた。


◆スポーツ最前線『札幌五輪招致の是非を問う住民投票実施を』(和泉民郎)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

札幌 2030年五輪断念/34年招致も「民意問え」続く2023.10.7
 札幌市の秋元克広市長は、市民から反対の声が広がっている2030年冬季五輪・パラリンピック招致を断念し、招致時期を34年以降に先送りする方針を固めました。
 東京五輪の大会経費が倍増した問題のほか、昨夏から相次ぎ発覚した(ボーガス注:東京五輪の)汚職や談合事件によって五輪への不信が高まっていました。
 昨年末の地元メディアの世論調査では招致反対が67%にも上っています。
 日本共産党札幌市議団は、市長がやるべきことは34年以降の招致への転換ではなく、行き詰まった五輪招致を断念し、招致の是非を問う「住民投票」を実施することと述べています。

*1:日本共産党書記局次長(党常任幹部会委員兼務)

*2:日本共産党学習・教育局長代理

*3:日本共産党社会科学研究所副所長(党幹部会委員兼務)。著書『新しい世紀に日本共産党を語る』(2003年、新日本出版社

*4:赤旗編集局次長(党幹部会委員)

*5:参院議員。党名誉役員。慰安婦』問題とジェンダー平等ゼミナール代表

*6:著書『なぜ「従軍慰安婦」を記憶にきざむのか』(1997年、明石書店)、『戦場の「慰安婦」』(2003年、明石書店)等

*7:立教大学教授。著書『近代日本社会と公娼制度』(2010年、吉川弘文館

*8:特殊慰安施設協会 - Wikipediaのこと

*9:ブルーリボン賞助演女優賞(高千穂ひづる)受賞。なお「れんが会社社長夫人・室田佐知子」役の高千穂ひづるが犯人。他の配役としては「れんが会社社長(加藤嘉)」

*10:他にも『張込み』(1958年)、『影の車』(1970年:原作は『潜在光景』)、『砂の器』(1974年:毎日映画コンクール監督賞(野村芳太郎)、キネマ旬報脚本賞毎日映画コンクール脚本賞(橋本忍山田洋次)受賞)、『鬼畜』(1978年:キネマ旬報主演男優賞、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞、ブルーリボン賞主演男優賞、毎日映画コンクール主演男優賞(緒形拳)、日本アカデミー賞最優秀監督賞、ブルーリボン賞監督賞(野村芳太郎)受賞)、『わるいやつら』(1980年)、『疑惑』(1982年)、『迷走地図』(1983年)といった清張原作映画を撮っている

*11:「れんが会社社長夫人・室田佐知子(高千穂ひづる)」と「れんが会社の受付係、田沼久子(有馬稲子)」のこと

*12:この時に立川でパンパンをやっていたのが「れんが会社社長夫人・室田佐知子(高千穂ひづる)」と「れんが会社の受付係、田沼久子(有馬稲子)」。憲一に過去をばらされるのを恐れた佐知子が殺人に及ぶ

*13:勘の鋭い方はわかるでしょうが、これが「金沢において偽名(曽根益三郎)で二重生活をしていた鵜原憲一」であり「久子=現地妻」だったわけです(勿論自殺ではなく佐知子による他殺)。

*14:1960年代前半の松竹出身の映画監督達を指して言った言葉。具体的には大島渚篠田正浩吉田喜重の三人の映画監督および彼らと関係があった映画制作スタッフを指す(日本ヌーヴェルヴァーグ - Wikipedia参照)

*15:この作品で、左幸子が日本人で初めてベルリン国際映画祭銀熊賞 (女優賞)を獲得

*16:1926~2006年。1983年に『楢山節考』で、1997年に『うなぎ』でカンヌ国際映画祭の最高賞(パルム・ドール)を受賞

*17:1930~2001年。1963年、『にっぽん昆虫記』で貧しい農村で職業を転々としながら売春組織の元締になっていく女性を演じ、日本人で初めてベルリン国際映画祭銀熊賞 (女優賞)を獲得。1965年、『飢餓海峡』では純朴な娼妓・杉戸八重を演じて毎日映画コンクール主演女優賞を受賞(左幸子 - Wikipedia参照)

*18:黒岩重吾直木賞受賞作(1960年)の映画化

*19:原作では実はそういうシーンはなく、完全な映画オリジナルです。

*20:KRテレビ(現・TBSテレビ)が1958年から1959年に放送しテレビ冒険活劇番組(月光仮面 - Wikipedia参照)

*21:1962年から1965年にTBSで全10部(計128話)に渡って放映された大瀬康一主演の連続テレビ時代劇。天明7年(1787年)から寛政2年(1790年)にかけての日本各地を舞台として、江戸幕府11代将軍・徳川家斉の腹違いの兄である松平信千代(大瀬康一)が秋草新太郎と名乗り、公儀隠密として旅をしながら、世の平和を乱す忍者集団との戦いを繰り広げる作品である(隠密剣士 - Wikipedia参照)

*22:1965年に日本テレビ系列で放送されたドラマ(アッちゃん - Wikipedia参照)

*23:高千穂が1930年生まれ、加藤が1913年生まれなので「年の差夫婦(実年齢で17歳差)」ですね。原作でも同様の「年の差夫婦」設定ですし、そのほかの映像化でも「1971年のNHKドラマ:室田(滝沢修1906年生まれ)、室田夫人(奈良岡朋子:1929年生まれ)(実年齢で23歳差)」「1983年のTBSドラマ:室田(池辺良:1918年生まれ)、室田夫人(大谷直子:1950年生まれ)(実年齢で32歳差)」「1991年の日本テレビドラマ:室田(神山繁:1929年生まれ)、室田夫人(増田恵子:1957年生まれ)(実年齢で28歳差)」「1994年のNHKドラマ:室田(室田日出男:1937年生まれ)、室田夫人(萩尾みどり:1954年生まれ)(実年齢で17歳差)」「2009年の映画:室田(鹿賀丈史:1950年生まれ)、室田夫人(中谷美紀:1976年生まれ)(実年齢で26歳差)」で同様の「年の差夫婦」設定です(ゼロの焦点 - Wikipedia参照)

*24:原作で本多も殺害されるが、映画では殺害されないようです。

*25:現在では映画のロケ地として観光地化している(ヤセの断崖 - Wikipedia参照)

*26:鵜原憲一の兄、宗太郎(西村晃のこと

*27:しかしそれを悪用されて、室田佐知子に自殺に見せかけて殺される。

*28:つまり被差別部落問題

*29:鹿児島県の公立中学校の社会科教師を経て、現在、北海道大学准教授。著書に「鹿児島の西郷美化」を批判した『「西郷隆盛」を子どもにどう教えるか』(2019年、高文研)

*30:よりによって「幼稚園児くらいのこども」を特攻記念館に連れて行った上、この常軌を逸した発言。事実ならばおぞましすぎて絶句します(まあ、事実なのでしょうが、事実とは思いたくない、山元氏の作り話と信じたいレベルのおぞましさです)。

*31:山元氏が憤激するように「事実上の強制」であり「みんな喜んで出撃」は「嘘も甚だしい」ですが、仮に事実でも「喜んで特攻したのなら問題ない」という考えは常識を逸脱しているまさに「外道の考え」です。なるほどこれでは知覧とアウシュビッツ、特攻とホロコースト、それぞれ何が似ていて何が違うのか - 法華狼の日記が批判するような態度(ホロコーストと特攻は違う、特攻は皆が喜んで出撃した)を南九州市が取るのも当然ではあります。

*32:浜園重義氏のこと

*33:大西瀧治郎海軍中将のこと

*34:浜園重義氏のこと

*35:はっきり言えば戦争の長期化で熟練パイロットが戦死していなくなり「どうせ未熟なパイロットなら機銃掃射や爆弾投下で敵(米兵)を倒すことなんかできないんだから最初から特攻させた方がいい」と言う無茶苦茶な考えを採用したにすぎません。

*36:参謀本部第4部長、参謀本部第1部長、陸軍省人事局長、陸軍次官、第4航空軍司令官、第139師団長等を歴任

*37:富永恭次の悪評は以前から知っていましたが、富永の息子が航空特攻で死んだことは今回初めて知りました。父親である富永の心境は果たしてどうだったか。

*38:専修大学名誉教授。著書『新しい時代の地方自治像の探究』(2013年、自治体研究社)等

*39:党宣伝局長(党幹部会委員)

*40:JMITU(日本金属製造情報通信労組)委員長

*41:全医労(全日本国立医療労働組合)書記長

*42:著書『人生に志あり 藤沢周平』(1999年、本の泉社)、『藤沢周平 志たかく情あつく』(2007年、新日本出版社)、『鞍馬天狗はどこへ行く:小説に読む幕末・維新』(2009年、新日本出版社)、『不同調の音色:安岡章太郎私論』(2013年、本の泉社)、『藤沢周平が描いた幕末維新』(2015年、本の泉社)等

*43:1898~1959年。1937年、『探鉱日記』で芥川賞候補(なお、この時の受章作は火野葦平『糞尿譚』)。1942年、足尾鉱毒事件を描いた『渡良瀬川』で新潮社文藝賞受賞。詩人の金子光晴(金子家の養子となって大鹿姓から改姓した)は兄

*44:中央公論社から刊行。2013年に河出文庫

*45:中央公論社から刊行。1979年に角川文庫

*46:1935~2006年。1974年に足尾鉱毒事件を描いた推理小説『暗黒告知』で江戸川乱歩賞を受賞。山本薩夫監督映画『皇帝のいない八月』(1978年)の原作者としても知られる。

*47:講談社から刊行。1977年に講談社文庫

*48:1925~2006年。岩波書店で1977年から田中正造全集の編纂に携わり、田中を描いた小説『果てなき旅』で1979年に大佛次郎賞を受賞。著書『田中正造を追う』(2003年、岩波書店)等

*49:福音館書店から刊行

*50:岩波ジュニア新書

*51:東京書籍から刊行。2001年に河出文庫

*52:山梨県委員会常任委員

*53:党愛知県議

*54:但しこの会見は9/7会見であって10/2会見を沢木記事は反映してない。

*55:ジェンダー平等委員会事務局長

*56:現在の野田市