珍右翼・高世仁に悪口する(2024年2/8日分)

小泉悠氏「ウクライナ戦争をめぐる『が』について」3 - 高世仁のジャーナルな日々

 松元ヒロが夕刊に大きく出ていた。天皇家を揶揄するなど、ネタが危なすぎて「テレビで会えない芸人」と呼ばれる。私は4回ライブに行ったが毎回抱腹絶倒、また見たくなる。立川談志の言葉がいい。
「俺はテレビに出てる芸人をサラリーマン芸人と呼ぶ。テレビの仕事をクビになるようなことは言わないからだ。昔の芸人は、他の人が言えないことでも言った。松元ヒロは芸人です。お前を芸人と認めます」。

 仮に芸人として才能がある(談志に才能があるか知りませんし、興味も無い、というか、たまに笑点を見るぐらいで落語自体に大して興味も無いですが)としても

立川談志 - Wikipedia
◆1975年12月26日、三木内閣の沖縄開発政務次官に就任するが、政務次官初仕事である沖縄海洋博視察では二日酔いのまま記者会見に臨み、地元沖縄のメディアの記者から「あなたは、公務と酒とどちらが大切なんですか?」と咎められる。これに対して「酒に決まってるだろ」と返答したことが問題となる。さらに弁明を行うはずの参議院決算委員会を寄席を理由に欠席するに至って、自民党内部からも反発が起こり政務次官を辞任。
川柳川柳三遊亭円生の元弟子)の著書『寄席爆笑王:ガーコン落語一代』(2009年、河出文庫)によると、談志は脱退した三遊派で構成される「三遊協会」の次期会長は自分だと思い込んでおり、圓生に確認したところ、「次は志ん朝だ」と答えられたため、思惑が外れて計画から手を退いた(師匠・柳家小さんに頭を下げて落語協会に戻った)という。金原亭伯楽(金原亭馬生*1の弟子)の著書『小説・落語協団騒動記』(2004年、本阿弥書店)にも同趣旨が記述されている。
◆1992年、瀬戸内海のホホジロザメが人を襲う事件があり、そのサメを自ら退治しようと「シャークハンター必殺隊」を結成。鮫のぬいぐるみの付いた野球帽を被って現地入りした。しかし、現地の人々はこの行動に対し「お前らは一体、何を考えてるんだ!」「ふざけてやっているのか!」「いい加減にしろ!」と激怒し、談志らは罵声を浴びた。その後、何も出来ずに帰京し、「シャークハンター必殺隊」は特に活動する事も無く、自然消滅した形で解散する。

という立川談志のような「人間のくず」にこんなことを言われて喜ぶ人間(松元氏?)の気が知れませんね(ウィキペディアには記載が無いが確か、免田事件の免田氏を犯人扱いする暴言も吐いていた記憶があります)。
 そこは「人間国宝柳家小さんあたりならともかく、お前ごときに上から目線でそんなこと言われる筋合いはねえ、何様のつもりだ、ふざけんな」「俺はお前の弟子じゃねえんだ、談志」「お前、テレビに出てる落語家に嫉妬してるだけだろ」とでも談志に言って欲しいところです。「談志という権威」に屈服したと言うことなのか?
 結局、こんなことを抜かしてる談志(1936年生まれ)は「笑点の司会を首になり、後釜に五代目三遊亭円楽(1933年生まれ)が座ったことに逆ギレしてる」「笑点に出演してる落語家達(特に談志と近い年齢の林家木久扇(1937年生まれ))に嫉妬してる」だけではないのか。しかもこんなことを言う談志の弟子の一人が、

立川志の輔 - Wikipedia
【過去の出演番組】
NHKテレビ『ためしてガッテン』(1995~2016年、司会)、『ガッテン!』(『ためしてガッテン』の後継番組、2016~2022年、司会)
文化放送志の輔ラジオ・気分がいい!』(1990~1996年、司会)
文化放送志の輔ラジオ・土曜がいい!』(2003~2007年、司会)
【現在の出演番組】
文化放送志の輔ラジオ・落語DEデート』(2007年~、司会)

等と、ラジオやテレビへの出演が多数ある、そしてその中には志の輔の名前がついた冠番組もある「サラリーマン芸人(?)・立川志の輔(恐らく立川流で最も有名な落語家、但し、現在の立川流代表は談志の一番弟子である土橋亭里う馬)」だから大笑いです。談志に「サラリーマン芸人の志の輔を認めないのか」と聞いたら何と言ったことやら。


小泉悠氏「ウクライナ戦争をめぐる『が』について」 - 高世仁のジャーナルな日々

 宗教法人を所管する盛山正仁文部科学相が、統一協会側との事実上の「政策協定」にあたる推薦確認書に署名していた!! 朝日新聞のスクープ。

 「生稲を統一協会施設に連れて行ったあの萩生田が文科相だったこと」を考えれば「実は俺個人は驚きはない」ですが、関係者の内部告発なんでしょうねえ。岸田政権ももはや終わりが近づいたと思いたい。

 政治的には「保守*2」に分類されるはずの小泉悠氏*3が、去年、岩波書店の雑誌『世界』に論考を載せたときにはさすがに驚いた。メディア関係者の間ではちょっとした話題になった。
 この「ウクライナ戦争をめぐる『が』について」(『世界』10月号)はウクライナ戦争をめぐる議論の核心をついているだけでなく、彼の人柄も出ていてとても興味深い。
『この間、日本でも多くの論考が世に出たが、そのうちの少なからぬものが「ロシアの侵略は許されるものではないが」という枕詞で始まっていた。これがどうもひっかかる、というのが本稿の根柢にある問題意識である。』

 岩波も右傾化したと言うことなんでしょう。「さようなら岩波世界、以前から読んでないけど今後も読まないと思う」ですね。
 何せ岩波と言えば、最近では特定失踪者を事実扱いする渡辺周*4『消えた核科学者*5北朝鮮の核開発と拉致』(2023年)なんて本も出してるので俺の岩波評価はかなり低くなっています。
 さてこれは、「ロシアの侵攻は許されるものではないが」何時までも徹底抗戦していいのか、和平すべきではないかと言う話でしょう。「何か問題があるのか?」「小泉や高世は和平派に親ロシアのレッテルを貼るな(勿論親ロシアもいるでしょうが、全てがそうではない)」と思いますが。
 なお、俺も

◆「北朝鮮拉致問題は許されるものではないと思う」が、拉致解決は「経済支援とのバーター取引しかない」のではないか。
◆「朝鮮学校で仮に金日成個人崇拝がされてるのなら許されるものではないと思う」が、民族教育の場所としての価値を評価し無償化除外や補助金不支給はやめるべきだ。そもそもこんな政治介入を許したら他校(特に外国人学校)へ同様の「不当な政治介入」がされるリスクが否定できない。
◆「スターリンロシアの北方領土侵攻は許されるものではないと思う」が島の返還を実現するには現に島に居住するロシア人を日本がロシア系日本人として受け入れるか、彼らがロシア本土に移住する費用を負担して移住してもらうか、とにかく日本が彼らロシア人の将来について一定の負担をすることを約束する必要があると思う。それができないなら島の返還は諦めるべきだ

等と書いたらkojitakenなど一部の人士から「親ロシア、親北朝鮮扱い」されたのでこうした「小泉的な思考」はよくわかりますが、世の中は「善か悪か」の単純な世界ではない。


ウクライナで軍総司令官解任の可能性 - 高世仁のジャーナルな日々
 以前から噂されていましたが結局ゼレンスキーは「ザルジニー更迭による混乱」よりも「ザルジニーが大統領を目指し、彼の政権の脅威となるリスク排除」を重視したのでしょう。
 もはや「今のゼレンスキー政権を支援していいのか」と嘆きたくなる醜態です。ゼレンスキーも「こんな内紛をやる政権を支持したくない」という海外の反応はわかってるはずでしょうに。

 ウクライナの軍事情勢については、私は小泉悠東京大学先端科学技術研究センター准教授の分析を信頼している。

 軍事専門家でもない高世がよくそんなことを言えると呆れます。

先日、「BSフジLIVEプライムニュース」で「小泉氏・兵頭氏と検証 “兵器不足”ウクライナは守り切れるか…米露大統領選の影響は?」で小泉氏が戦争の現状と今後の見通しを語っていたので抜粋で紹介したい。
Q:今後1年の戦況はどう展開するか。
小泉悠 :ウクライナは持ちこたえるだけではダメで、負けない程度に後退しながら後方では2025年以降の反転攻勢のための予備戦力を作らねばならない。相当厳しい1年になることは間違いない。

 「2025年にならないと軍事的勝利はあり得ない」と明言する小泉ですが、随分と悲観的見方を表明するようになったもんです(今までこんなことは言ってなかった気がします)。
 果たしてそこまでして継戦していいのかどうか。そもそも、2025年に反転攻勢が成功する確かな保証もない。

Q:日本は武器の支援をしていない。
小泉悠:現状の資金援助や民生支援は評価されるべきだが、侵略を受け弾もなくなって非常に厳しい状況の国に対しては殺傷性装備*6の供与を考えていいと思う。道義的なこと云々というより、ここでロシアの侵略が成功することは日本の安全保障にとって非常にまずい前例を作る。

 なお、会員登録してないと読めませんが、ここで高世が紹介した小泉主張「殺傷性装備の供与」を小泉は<正論>ウクライナに日本ができること 東京大学先端科学技術研究センター准教授・小泉悠 - 産経ニュースでも主張しています(内容的には高世の主張した小泉発言と大同小異なので産経記事の紹介はしません)。
 もはや小泉が「フジサンケイを舞台に、ウクライナへの武器(小泉の言葉では殺傷性装備)輸出を主張する極右」であることは明白でしょう。彼の「ウクライナ戦争分析」を評価する場合でも、それと「彼の右翼的主張(武器輸出の正当化)の評価は別だ」と指摘しておきます。
 ウクライナへの同情を梃子に「武器輸出」を正当化しようという、小泉の汚い算段には呆れます。「ロシア専門家」として絶賛されたことが「小泉のたがを外した」のか?(少なくとも現時点では自民党どころか、自民より明らかに右寄りの維新ですらそんな「武器輸出正当化」は主張していないと思います)。
 小生は「護憲派ハト派」として軍事支援には反対です(高世は賛同するそうですが)。
 なお、「武器が足りない、非常に厳しい状況」なのは「NATO諸国(特に米国共和党の反対で、バイデン政権が出した軍事支援予算が通らないことが大きい)が支援に消極的だから」であって、改善すべきはその状況です。「日本一国」で「減った支援」を全部埋めることなど現実的に無理だし、「そうした現状がかわれば」日本が軍事支援する必要も無い。
 NATO諸国が日本に「ウクライナへの武器輸出」を(水面下で要求している可能性はあるが)「少なくとも公然とは要求しない」のは勿論「日本国内の反戦、護憲、平和世論」による批判を恐れてることもあるでしょうが、もっと大きな理由は「日本一国」で「減った支援」を全部埋めることなど現実的に無理だからでしょう。だったら現実的なのは「既に武器支援の実績がある国」、特に「支援実績の大きな国(典型的には米国)」に今まで通りの支援を要請することであることに決まっています。
 そもそも「米国が減らした軍事支援(共和党の反対で予算が通らない)」を他の国(英仏独伊等のNATO主要国であれ日本であれ)で埋めることが可能なら「ここまで米国の支援停滞」が問題にされることはない。「埋めることが無理」だから問題になるわけです。
 日本の平和世論を丸め込もうとする「ウヨ小泉」の主張は「NATOの軍事支援で武器が足りていても日本は支援すべきだ(将来はともかく、そこまで言う度胸は現時点では小泉にもない)」ではなく「NATOの軍事支援が停滞して武器が足りないから支援しよう」という「ウクライナへの同情を利用しようとする代物」であるがゆえに論理矛盾しています。
 それにしてもこんなウヨの小泉が岩波世界に寄稿するとはねえ(小泉悠氏「ウクライナ戦争をめぐる『が』について」 - 高世仁のジャーナルな日々参照)。岩波も右傾化したもんです。


坂本龍一の「ダウンタウン理論」によせて(2) - 高世仁のジャーナルな日々

 そもそも何万人もいるなかのわずかな数の職員の行為で組織全体を罰することは許されない

 俺が「松竹除名をkojitakenら反党分子ほど問題にしない理由」も「朝鮮学校無償化除外に反対する理由(高世は逆に除外を支持)も「これ」です。
 仮に「除名」や「教育内容(ウヨが非難する金日成個人崇拝など)」が非難者(kojitakenや高世など)が言うように問題だとしてもそんなことは俺にとって「UNRWAにおけるハマス協力者(但し、イスラエルの言いがかりで事実無根とする見方も有力、いずれにせよ実在したとしてもUNRWAの組織的犯行ではない)」レベルの「ささいな問題」でしかなく「頼りになる野党」「民族教育の場所」としての価値を重視し全否定的な態度(たとえるなら日米のUNRWA支援停止)は取らないと言うことです。
 まあ俺は「教育内容」はともかく「除名」については「無問題」と思っていますが。

 以前、本ブログで、日本人の「権威嫌い」が世界で突出していることを紹介した。
 再録すると、「世界価値観調査」(WVS)という、世界人口の90%の国々・地域を網羅した価値観に関する国際調査で、近い将来、あなたの社会で「権威や権力がより尊重される(Greater respect for authority)」ようになるとすると、それをどう思うかを質問した。これに「良いこと」「気にしない」「悪いこと」「わからない」の選択肢から選ぶのだ。日本は「良い」が1.8%しかなく、「悪い」が80.6%と、調査対象国・地域79のなかで権威に対してとびぬけた拒否反応を見せている。

 以前も別記事で触れましたがこの調査、そもそも信用できるんですかね?。
 「ノーベル文学賞(あるいは芥川賞直木賞)受賞」「アカデミー賞受賞」「紅白歌合戦出場歌手」「M1グランプリ優勝」等「ある種の権威」が「エンタメの宣伝文句」として使われ「権威の一つ」である天皇制が今も存続し「世襲政治家(例:岸元首相の孫である安倍晋三福田赳夫首相の息子である福田康夫など)」「二世芸能人(勿論能力もそれなりにあるでしょうが、船越英一郎船越英二の息子)など)」も多数いる日本が「権威嫌い」とは何かの間違いではないのか?
 権威嫌いというなら「台湾や韓国等のように政権交代が頻繁に起こってもおかしくない」でしょうに。
 それとも、この調査は正しく、「権威は嫌いだが、どんな権威でも従うのがルールだから従う(泣くこと地頭には勝てない、長いものには巻かれよ)」「従わざるを得ないから嫌い」という歪んだ権力感覚が「日本人」なのか。
 いずれにせよそんなことは「ダウンタウンのいじめ芸」とは関係ないでしょう。
 というか、むしろ「いじめ芸」とは「権力を絶対視する社会」でないとむしろ成立しないのではないか。
 「ダウンタウンと取り巻き」「ビートたけしたけし軍団」のように「いじめ芸」は「いじめる側が常に権力者だから」です。
 「たけし軍団」「取り巻き」がいじめる側にはまずならない。

*1:古今亭志ん生の長男、古今亭志ん朝志ん生の次男)の兄

*2:「日本の武器輸出」を主張する小泉は、保守と言うより「極右」と呼ぶべきでしょう。

*3:著書『現代ロシアの軍事戦略』(2021年、ちくま新書)、『ウクライナ戦争』(2022年、ちくま新書)、『ウクライナ戦争の200日』(2022年、文春新書)、『終わらない戦争:ウクライナから見える世界の未来』(2023年、文春新書)、『オホーツク核要塞:歴史と衛星画像で読み解くロシアの極東軍事戦略』(2024年、朝日新書)等

*4:鳩山、菅内閣総務副大臣、野田内閣防衛副大臣等を歴任した「立民党のウヨ代議士」と同姓同名だが別人

*5:勿論政府認定拉致被害者ではなく特定失踪者

*6:防弾チョッキなどを「非殺傷性装備」とした場合に「ミサイル、軍用機、戦車、小銃、弾薬等の武器」を「殺傷性装備」と呼ぶ