高世仁に悪口する(2024年8/30日分)

辺野古は「やるしかない」でドロ沼に - 高世仁のジャーナルな日々
 タイトルをもじれば『北朝鮮制裁は「やるしかない」でドロ沼に』ですね。
 その結果が
国民の関心が薄れ風化していくのは当然の話 - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2011.10.8
政府も家族会その他も、拉致問題その他対北朝鮮関係に関して実に戦略がない - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2019.2.22
なんとも無様で無残な話だと思う(拉致被害者家族の有本明弘氏) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2019.7.16
有本嘉代子さんに限らず、横田滋氏もけっきょく巣食う会との泥船に乗っちゃったから、お孫さんとの再会も墓参りなどもできなかったのだと思う - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2020.2.7
けっきょく反北朝鮮の道具として使い倒されただけじゃないか(横田滋氏の死) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2020.6.6
国会で、早い時点で北朝鮮拉致の可能性を指摘し政府側の答弁を引き出した橋本敦氏の死に際して、その件が必ずしも報道されていないことが拉致風化を物語る - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2021.10.21
けっきょくのところ「巣食う会」にものを言えない人だった(拉致被害者家族会前代表飯塚繁雄氏の死によせて) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2021.12.19
家族会と巣食う会の見解と違う報道ができずに高世仁の北朝鮮報道は自滅した(関川夏央もたぶん同じ) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2022.6.3
ほれみろ、米国とイランだって、けっきょく対価じゃねえかよ(こういうことを拒否しまくっているから、9月17日に拉致問題がろくに話題にならないという事態になるのだ) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2023.9.21
のわけです。いい加減家族会も「バーター取引容認」に「方針変更しろ」と思いますが。

先日の「サンデーモーニング」で、TBS記者の松原耕二さん*1がこのばからしい工事を一刀両断に批判していた。
『(前略)
 なぜ、日本は辺野古の工事をやり続けるのかということなんですが、鳩山内閣のゴタゴタを見ると、触らぬ神にたたりなしということだと私は思っています。防衛閣僚が私に言った言葉が忘れられないんですが、「松原さん、辺野古はもうやるしかないんですよ」。それが実態なんだと思います。私は立ち止まるべきだと思います。
 「先の大戦*2」も、日本軍の上層部*3は戦争は負けるとシミュレーション*4しながら、結局ずるずるとやめられずに続けていった。「やるしかない」と破滅に向かって進む「慣性」=惰性。
 惰性で動く国が沈下を止めることはできないのではと暗澹たる気持ちになる。

 「松原氏の指摘」と「それに対する高世の感想」はまるきり「北朝鮮への経済制裁」にも該当するでしょう。書き換えてみます。

 先日の「サンデーモーニング」で、TBS記者の松原耕二さんがこのばからしい「北朝鮮制裁」を一刀両断に批判していた。
 (20年制裁しても拉致解決の成果がないのに)なぜ、日本は北朝鮮への制裁をやり続けるのかということなんですが、田中均*5の外務省追放を見ると、触らぬ家族会にたたりなしということだと私は思っています。外務閣僚が私に言った言葉が忘れられないんですが、「松原さん、制裁はもう続けるしかないんですよ」。それが実態なんだと思います。私は立ち止まるべきだと思います。
(以下、高世文章と同じなので中略)
 惰性で動く拉致被害者家族会が拉致を解決することはできないのではと暗澹たる気持ちになる。

 まあそういうことを言うと高世は恐らく不愉快な顔をするでしょうが。今はともかく当初は制裁論を家族会、救う会と共に唱えたのが高世ですからね。

 きのう、昔の知り合いから、竹本さんが7月14日に亡くなったのをご存じですかとメッセージが入った。竹本信弘さん、かつての過激派の「教祖」、滝田修である。

 小生など「団塊ジュニア(1970年代生まれ)」なので、物心ついた頃(1980年代後半、ちょうど、社会党土井ブーム)には既に新左翼運動も「過去の出来事」であり「あの運動って何か意味あったの?。ただの時代のあだ花だったんじゃ?」ですね。
 新左翼が批判した「既成左翼」、例えば「共産党」などは「過大評価はしません」が「今も存在して一定の政治力を持ってます」からね。
 滝田こと竹本氏など、もはや「30歳以下(1994年以降生まれ)の人間」にとっては「誰それ?」でしょう。
 なお、高世は以前、竹本氏について記事を書いており、小生も以下の通り触れました。

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年6/14分:高世仁の巻)(追記あり) - bogus-simotukareのブログ

 竹本信弘さん、ペンネーム滝田修といえば「過激派の教祖」として還暦過ぎの人なら誰もが知っている*6だろう。
 去年、現上皇をたたえる『今上天皇の祈りに学ぶ』(明月堂書店)を出版。
 きのうの新右翼団体「一水会」の講演会講師として招かれたのを『レコンキスタ』(一水会機関紙)で知って、お顔を見たいなと思いたったのだった。

 まあ竹本(滝田)と高世はくだらないとしか言い様がないですね。
 要するに「元左翼」高世と竹本が「天皇万歳の右翼」に劣化したと言うことですね。これで「北朝鮮世襲は問題」などと高世もよく言えたもんです。天皇だって世襲制度でしょうよ。
id:Bill_McCrearyさんのコメント
>竹本信弘さん、ペンネーム滝田修
新右翼団体「一水会」の講演会講師として招かれた

 一水会は、日本会議よりはましでしょうが、なにも一世を風靡した新左翼の教祖がそんなもののオファーを受けなくったっていいでしょ。竹本氏もいろいろ考えるところはあったのでしょうが、いくらなんでも
>現上皇をたたえる『今上天皇の祈りに学ぶ』
なんて本を出版しなくてもいいでしょう。

参考

竹本信弘さんが死亡 「過激派の教祖」、実刑も:東京新聞 TOKYO Web2024.8.14
 滝田修のペンネームで暴力革命を主張し、「過激派の教祖」とも呼ばれた元京大助手・竹本信弘さん(84)が、京都市伏見区の病院で7月14日に死亡したことが14日、関係者への取材で分かった。死因は誤嚥性肺炎。1971年に陸上自衛隊朝霞駐屯地自衛官が「赤衛軍」を名乗る過激派に襲われ、死亡した事件では、強盗致死のほう助罪などで実刑判決を受けた。
 事件は1971年8月21日に発生。元日大生らが駐屯地に侵入、自衛官からライフル銃を奪おうとして包丁で胸を刺し死亡させた。
 竹本さんは強盗致死罪などで起訴されたが、一審浦和地裁(現さいたま地裁)はほう助罪を適用。竹本さん側は控訴したが、その後取り下げた。

元新左翼理論家の竹本信弘さんが死去 84歳 「過激派の教祖」 | 毎日新聞2024.8.14
 元新左翼理論家・活動家の竹本信弘(たけもと・のぶひろ)さんが7月14日、肺炎のため死去した。84歳。葬儀は近親者で営んだ。
 京都大大学院博士課程中退。同大経済学部助手として独の社会思想史、特にローザ・ルクセンブルク*7を研究。1969年の京大闘争に参加し、滝田修のペンネームによる革命論で全国の学生活動家に影響を与えた。映画「パルチザン前史」(土本典昭*8監督)に出演、「過激派の教祖」とも呼ばれた。1971年に陸上自衛隊朝霞駐屯地(埼玉県朝霞市など)で起きた自衛官殺害事件の首謀者として指名手配されると容疑を否認し潜伏。京大で竹本さんの免職処分反対運動が1977年まで続いた。1982年逮捕、1989年に懲役5年の有罪判決確定。釈放後は過去の革命論の非を認めた。著書に「ならずもの暴力宣言*9」「只今潜行中・中間報告*10」「滝田修解体*11」「今上天皇*12の祈りに学ぶ*13」など。

 1ヶ月死亡が分からなかったのだから、竹本氏ももはや2か月弱死が伏せられていたのだから、立花隆もたぶん世間的には「過去の人」だったのだろう(外地・旧植民地で生まれたり育った人たちもどんどん亡くなっている) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)と同じ「過去の人」でしょう。まあ本人もご遺族も社会にもはやその動向をあまり知られたくないのでしょうが。
 ちなみに「朝霞事件の取材」で「特ダネを焦るあまりの容疑者への便宜供与」が違法行為(証拠隠滅)として逮捕されたあげく、朝日新聞を免職されたのが、当時『朝日ジャーナル』記者だった川本三郎*14です(川本三郎 - Wikipedia参照)。

*1:1960年生まれ、TBSテレビ『JNNニュースの森』キャスター、JNNニューヨーク支局長等を経て現在、BS-TBS『報道1930』キャスター。TBSテレビ「サンデーモーニング」コメンテーター。著書『本質をつかむ聞く力』(2018年、ちくまプリマー新書)等

*2:太平洋戦争のこと

*3:軍だけの責任ではない(行政のトップは首相で、その上に「大日本帝国皇帝(国家元首)」昭和天皇がいる)のでこういう物言いはいかがな物か。

*4:総力戦研究所 - Wikipediaのこと。これについては例えば「日本必敗」の警告はなぜ見過ごされたのか…終戦77年の夏に考える「総力戦」の危うさ : 読売新聞(2022.8.15)「虎に翼」にも登場した総力戦研究所 黙殺された「日本必敗」の予測:朝日新聞デジタル(2024.8.15)参照

*5:サンフランシスコ総領事、外務省経済局長、アジア大洋州局長、外務審議官(政務担当)等を歴任。著書『プロフェッショナルの交渉力』(2009年、講談社)、『外交の力』(2009年、日本経済新聞出版社)、『日本外交の挑戦』(2015年、角川新書)、『見えない戦争』(2019年、中公新書ラクレ)等

*6:学生運動に興味のある人間」ならそうですが「学生運動に興味の無い人間(大学に進学せず就職、進学したがノンポリ)」なら知らない人間はいくらでもいるでしょう。

*7:1871~1919年。著書『資本蓄積論』(岩波文庫)等(ローザ・ルクセンブルク - Wikipedia参照)

*8:1928~2008年。1956年岩波映画製作所に入社。1957年フリーになり、1963年、国鉄のPR映画「ある機関助士」で監督デビュー。1971年、『水俣:患者さんとその世界』発表以降は、水俣病問題をライフワークとした。著書『不敗のドキュメンタリー:水俣を撮りつづけて』(2019年、岩波現代文庫)等(土本典昭 - Wikipedia参照)

*9:1971年、芳賀書店

*10:1974年、序章社

*11:1989年、世界文化社

*12:2018年の著書であり、「今上天皇」とは「現在の徳仁天皇」ではなく「当時の明仁天皇(現・上皇)」

*13:2018年、明月堂書店。高世仁に悪口する(2024年8/30日分) - bogus-simotukareのブログでも批判しましたが、元新左翼がここまで保守化するとは「何だかなあ(呆)」ですね。明仁氏が「悪人」「人格劣悪」とは別に思いませんが、一方で「平凡人」にすぎず「そんなにご大層な人間だとは俺は思っていません」。

*14:1944年生まれ。著書『ハリウッドの神話学』(1987年、中公文庫)、『雑踏の社会学』(1987年、ちくま文庫)、『ハリウッドの黄金時代』(1989年、中公文庫)、『銀幕の東京:映画でよみがえる昭和』(1999年、中公新書)、『君美わしく:戦後日本映画女優讃』(2000年、文春文庫)、『アカデミー賞』(2004年、中公文庫)、『日本映画を歩く:ロケ地を訪ねて』(2006年、中公文庫)、『荷風好日』、『今ひとたびの戦後日本映画』(2007年、岩波現代文庫)、『大正幻影』(2008年、岩波現代文庫)、『向田邦子と昭和の東京』(2008年、新潮新書)、『銀幕の銀座:懐かしの風景とスターたち』(2011年、中公新書)、『郊外の文学誌』(2012年、岩波現代文庫)、『成瀬巳喜男 映画の面影』(2014年、新潮選書)、『「男はつらいよ」を旅する』(2017年、新潮選書)等