今日の中国ニュース(2025年10月14日分)

中国、世界女性サミットでUNウィメンに15億円寄付を表明 習指導部で男女格差は後退 - 産経ニュース
 世界女性サミットについて「中国の主催」か、「国連の主催」か、記事を読んでも分からないのは「実に不親切」です。
習近平国家主席が世界女性サミットで4つの提言--人民網日本語版--人民日報2025.10.13
習近平国家主席「女性はグローバル・ガバナンス体制の改革・整備における重要な力」--人民網日本語版--人民日報2025.10.13
習近平国家主席が基調演説を実施)を見るに、どうも「中国の主催」のようですが。
 勿論こうした中国の巨額拠出の背景には「トランプ政権が米国ファーストを理由に国連機関への拠出金を不当に減らしてる→中国の拠出で中国のイメージアップを図ると共に米国のイメージダウンを狙う(米国が減らした分を中国が埋めてるので恐らくトータルでは予算はそれほど増えないし、米国が減らさなかったら中国が拠出したか残念ながら怪しい)」と言う思惑はあるでしょう。
 とはいえ、中国の思惑が何であれ「金を出すが口も出す(金を出したのだから、俺の言うとおりに動け)」と無茶苦茶な内政干渉を国連機関に対して、しない限り、大変いいことでしょう。 
 記事タイトル、記事本文の最後に「UNウィメンに巨額寄付すると言うけど、でもジェンダーギャップ指数(2025年で103位(全148か国))は胡錦濤政権時代(2011年で61位(全135か国))に比べて下がってる(中国は、自国の女性差別解消をまずやれ、と言いたい?)」と書く辺りは実に「反中国」「反習近平*1(欧米どころか、江沢民*2胡錦濤*3という過去のトップと比べても独裁的で人権軽視と非難)」産経らしい。
 とはいえ日本はその中国も下回る「2011年で98位(全135か国)」「2025年で118位(全148か国)」で、「42位(中国:2011年で61位→2025年で103位)も下げてはいない」ものの「27位(2011年で91位→2025年で118位)ダウン」で「中国と同様に順位が下がっています」が。
 つまり、ジェンダーギャップ指数を評価基準にすれば「中国よりも女性差別が酷い国=日本」「中国同様、女性差別が改善しなかった国=日本」になります。
 「マジで?。G7(米英仏独伊カナダ日本)で最下位と聞いて、恥ずかしいと思ってたけど、中国を下回るとか、日本はそんな酷いの?(呆)。信じられなくて、びっくりした」と思う方も多いでしょうが、「マジ」です。
 なお、ジェンダーギャップ指数は、【1】相対順位なので、日本や中国が若干改善しても、他の国が大幅に改善すれば順位が下がる(逆に言えば、極端な話、日本や中国が男女平等施策を何もしなくても他の国が後退すれば順位が上がる)、【2】2025年(148カ国)の方が2011年(135カ国)より国数が13カ国多い点には留意すべきでしょうがそれにしても「日本、中国の大幅な順位のダウン」はそれを理由に正当化は出来ないでしょうね。
 しかし、中国(習近平政権)について「胡錦濤時代(2011年)より習近平政権(2025年)は指数が下がってる。習近平政権が党役員(党中央委員など)や閣僚等(首相、副首相など)に女性登用をしないからだ」と悪口する一方で、日本の指数の低さ(中国より低い)については「黙り」や「大した問題ではない、と居直り」。
 「お前本当に、デタラメだな」「日本の指数の低さが大した問題じゃないというなら、ジェンダーギャップ指数をネタに中国批判するなよ。指数をネタに中国批判するなら日本についても真摯に反省しろ」と産経には心底呆れます。

*1:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、国家中央軍事委員会副主席、党中央軍事委員会副主席等を経て中国共産党総書記、中国国家主席、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*2:1926~2022年。電子工業大臣、上海市長、上海市党委員会書記等を経て中国共産党総書記、中国国家主席

*3:貴州省党委員会書記、チベット自治区党委員会書記等を経て中国共産党総書記、中国国家主席