「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」を笑おう(2019年7/19日分:黒坂真の巻)

黒坂がリツイート
西村幸祐
‏ 台湾からは国の代表である蔡英文総統からお見舞いのメッセージまで届いた。しかも日本語で。今回台湾、シナ*1は勿論のこと、欧州、米国から激励とお悔やみの声が届くのは、本当に日本アニメが素晴らしいソフトパワーとして世界中に浸透しているという事。フランスでも大ショックのようだ。

 まあ「蔡に限らず」政治家や外交官のツイートは単純な善意ではあり得ませんがそれはさておき。これは「京都アニメがスゴイ」と言う話ではありえても「京都アニメと全く関係ない」西村や黒坂が「京都アニメ社員と同じ日本人」というだけでどや顔出来るような話ではないでしょう。 
 そして、そうしたソフトパワーの力(日本へのよいイメージ)を「韓国への不当な嫌がらせ」「沖縄基地問題での酷い対応」など「別のソフトパワー(日本への悪いイメージ)」でぶち壊してるのが安倍や西村、黒坂ら極右です。

参考

蔡英文
 外遊先で京都アニメーション放火殺人事件の消息を知り、驚くと共に心を痛めています。さきほど安倍首相のお見舞いのツイートも拝見しました。
 京都アニメーションは台湾の多くの人にとって、青春の思い出でもあります。
 亡くなられた方のご冥福と、負傷された方の一日も早い回復をお祈りしています。

 他のツイートが英語なのにここだけ日本語で違和感ありまくりです(苦笑)。つまりは蔡のツイートはそのほとんどが「英語圏」を対象にしているがこれだけは例外的に日本対象だったわけです。

駐日アイスランド大使館
 昨日京都アニメーション京アニ)のスタジオにて30人以上の死者および多くの負傷者をもたらした放火事件に対し、深い悲しみと強い憤りを感じております。犠牲となられた方々、ご親族ならびに関係者の皆様に心よりお悔やみ申し上げますとともに、 負傷者の方々の一日も早い回復をお祈りいたします。

アイルランド大使館
 京都アニメーション (@kyoani )の火災で尊い命を落とされた方々とご遺族の皆様に哀悼の意を表します。

駐日韓国大使館ㆍ韓国文化院
 昨日の7月18日、京都市における京都アニメーションスタジオ放火事件により、多くの人命被害が発生したことに対し、謹んでお見舞いの言葉を申し上げます。

スウェーデン大使館
‏ 京都アニメーションで発生した事件におきましてお亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。また負傷された方々にお見舞いを申し上げるとともに一日も早い回復をお祈りしています。

中華人民共和国駐日本国大使館
‏ 京都で発生した悲惨な事件で、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りし、負傷された皆様にお見舞いを申し上げます。

駐日デンマーク大使館
‏ 京都アニメーションの火災事件に深い悲しみを覚えます。犠牲者、ご親族ならびに関係者の皆様に心よりお悔やみ申し上げます。また、 負傷者の方々の一日も早い回復をお祈り申し上げます。

ドイツ大使館
‏ 昨日、京都市のアニメ制作会社が放火された事件は、ドイツの主要ニュースや新聞でも取り上げられ、多くのドイツ人も衝撃を受け心を痛めています。
 犠牲になられた方々、ご家族・ご友人・関係者の皆様に心よりお悔み申し上げます。また負傷された方々の1日も早いご回復をお祈りいたします。

ノルウェー大使館
‏ 京都アニメーションの火災事件に心を痛めています。犠牲となられた方々、ご親族ならびに関係者の皆様に心よりお悔やみ申し上げますとともに、 負傷者の方々の一日も早い回復をお祈りいたします。

ビル・ハガティ米国大使
‏ 京都アニメーションの事件で、お亡くなりになられた方々のご家族に心よりお悔やみ申し上げます。また、負傷された方々にお見舞い申し上げます。

ということでいろいろな国が追悼表明していますね。

京アニ火災 中国でも追悼広がる 大使館に献金問い合わせも - 産経ニュース
 中国共産党系の環球時報は19日付で、京都アニメーションについて「『涼宮ハルヒの憂鬱』『けいおん!』などの著名な作品を制作し、中国での知名度は極めて高い」と紹介した。
 在日本中国大使館は19日までに「お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りし、負傷された皆様にお見舞いを申し上げます」とツイッターに投稿した。

 わかりきったことですが、中国が批判してるのは「安倍のような反中国極右」であって「日本文化」ではないわけです。

*1:今時「シナ」ねえ(呆)。

今日の産経&朝鮮・韓国ニュースほか(2019年7月19日分)(追記あり)

参院選、自公改選過半数の勢い維持 21日に投開票(1/2ページ) - 産経ニュース
 日本人の愚劣さに改めてげんなりします。
 ウチの両親なんかも「(民主党政権交代したときの選挙も含めて)ずっと自民党だから今回も自民党」「地元の自民党の代議士センセイに世話になってるから」「選挙の争点がなんか分からない*1けど」「参院埼玉選挙区の候補者名もよく知らない*2けどとにかく自民党」と公言していてうんざりします*3が、最後の最後まで野党が奮闘することと「喜ばしい結果が出ればよいが、不幸な結果が出ようとも諦めず、安倍打倒のため、戦い続けること」を改めて指摘したいと思います。
 とりあえず「全議席与党過半数割れがベスト」「改選議席与党過半数割れがベター」「改憲派2/3阻止が絶対にキープしたい最低ライン」でしょうか。それプラス「共産の議席増(そして共産の現職議席維持)」が果たせれば俺的にはいいなと思います。
 「改憲派2/3」だと改憲の危険があることは勿論ですが、ただでさえ無茶苦茶な安倍が「改憲以外でも無茶苦茶になる危険性大」ですのでなんとしてもここは最低でもキープしたい。
 批判者(批判派のマスコミ、野党、市民運動。党内では石破派)に対して何しだすかわからないし、「総裁四選狙う」とか言い出しかねない。
 もちろんそうした「望ましくない最悪の事態」が仮に出現しても諦めず戦うしかないわけですが。
 で、「しつこいですが」ここで改めて「なぜ狭義の左翼(共産主義者マルキスト)ではない俺が共産党を支持し続けるのか」と言う話をしたいと思います(苦笑)。
 最大の理由は別記事でも書いたように
1)「クリーンな政治」「戦前軍国主義の継承者(靖国神社本庁など、日本会議)への批判」「沖縄基地問題」「憲法九条擁護と軍縮」「教育、医療、福祉の重視」など政策面&「当選可能性*4」などの選択肢で消去法で選んだらそうなった、ということです。
 なお、消去法ですので当然ながら今後「共産党以外支持」の変化は共産には失礼ながらあり得ます。
 つうか別記事で書きましたが1980年代ならこの選択肢だと、『旧民社(自民以上に極右)以外の野党』は公明党も含めてほとんど(社会、公明、社民連など)が該当するので1980年代なら多分「最大野党の社会党」に投票していたと思います。
 が、もうひとつは
2)野党支持者にとってどんな結果が出ようとも共産なら今まで通り戦い続けてくれると信頼できる、ですね。
 「当選すればもちろん投票が無駄にならないが、不幸にして落選しても投票したことが無駄にはならない」と確信できる。小生的には「当選しても期待外れ」ならそれは「有意義な投票」ではありえません。無駄な投票でしかない。
 たとえば、わかりやすい例だと、自民党に行った「みんなの党渡辺喜美」「次世代の平沼*5」「民進→希望の細野*6」なんかがありますね(もちろん、「民進の細野」はともかく、心情左派の俺は渡辺喜美、平沼ら「右派政治家、右派政党」を「自民に行かなくても支持しない」のですが)。
 当たり前ですが「苦しくなったから自民に行きます」なんて人間や「そんな人間がいる政党」は支持したくないわけです。それでも支持するつう人間は政策で支持してないのでしょう。ウチの両親のように「議員先生に、自分たちがあるいは地元が「就職の世話(自分たち)」「企業の誘致(地元)」などで世話になった」レベルで支持してるのでしょう。
 そんな人間や「そんな人間がいる政党」が当選しても俺には意味がありません。むしろ有害です。
 あるいは自民でなくても辻元清美氏のような「社民党から民主、民進に行きます」なんてのも「ちょっとなあ」ですね。社民に投票したら結局民主が増えたというのではどうにも納得がいかない。
 あるいは7月17日(水) 小林節慶応大学名誉教授の共産党への応援ビデオでの演説を聞いた:五十嵐仁の転成仁語:So-netブログで五十嵐氏が「小林節氏が中心になって立ち上げた新党『国民怒りの声』」を取り上げていますが、他にも「嘉田由紀子氏(実際のオーナーは小沢一郎氏と見られており選挙後、嘉田氏が事実上解任された)の未来の党」だの「小池の希望の党(選挙後、小池が逃亡)」だの支持した政党が、選挙後、雲散霧消なんてのも嫌なわけです。
 まあ、「怒りの声」についていえば、「選挙後も続けたかったけどそれだけの力がなかった」ということではあるのでしょう。同情の余地はあります。小池「希望の党」などとは違う。しかし、投票者からすれば「どんな結果が出ようとも続けるだけの覚悟と能力がないならでるな」と言いたくもなります。
 ということで「どんなに厳しい結果が出ようとも、怒りの声のように解散or休業したりしない」し、ましてや「細野のように自民に鞍替えしたりしない」つう点では、共産党は「信頼の実績」があるわけです。
 「何があろうとも、今後も戦い続けるという意味では今回も大丈夫だろう」と言う信頼が出来るのは嘆かわしいことに俺にとっては共産だけです。
 つうか、「野党から自民」なんてのが平然と行われるようになったのは「日本新党(細川グループ)」「新党さきがけ(武村*7グループ)」「新生党新進党(小沢、羽田*8グループ)→自由党小沢グループ)」など「自民離党組による保守新党」が続出した1990年代以降のこと(つまり離党組が結局自民に逃げ帰った)でそれ以前(1980年代以前)はそんなことなかったんですけどね。
 1990年代にはこうした自民離党組新党により「保守の支持を自民だけが得られる時代は終わった」といわれたのですが、今の状況は「うーん(絶句)」ですね。
 ちなみに二階*9幹事長や石破*10元幹事長などは元離党組です。もともとは小沢一郎氏の子分だったわけです(特に二階氏は小沢側近と言われた)。そういうのは俺は嫌なわけです。
 それはともかく、「そうした自民離党組(小沢・羽田グループ、武村グループ)」と社会党公明党民社党が「細川、羽田連立内閣」で付き合いを深め、あげくのはてには「自社さ連立(村山、橋本*11内閣)」「自公連立(小渕*12内閣以降)」と離党組どころか自民党との連立まで公然とする*13に至って、「今まで自民批判してたのは何だったのか」「共産しか信用できない」と言う思いを深めた野党支持者も少なくないでしょう。1990年代後半に選挙権を得た「団塊ジュニア」の俺もその一人です。まあ、政策で支持してないなら「センセイに世話になった」で支持してるなら渡り鳥でも問題ないんでしょうけど(そして残念ながら日本ではそういう支持も多い)。


合同軍事演習の強行を糾弾/朝鮮外務省代弁人談話 | 朝鮮新報

 朝鮮外務省代弁人は16日、米国と南朝鮮が8月に朝鮮を狙った合同軍事演習「同盟19―2」を強行しようとしていることと関連し談話を発表した。
 談話は、これは明白に、6・12朝米共同声明の基本精神に対する違反であり、われわれに対する露骨な圧迫であるとし、われわれは、これについて覚醒を持って見守っていると述べた。

 こうした北朝鮮の非難で分かるように文在寅氏をどう評価するにせよ彼は「親北朝鮮・反米」ではありません。


藤本氏「逮捕説」もねつ造 | 朝鮮新報

 先月、デイリー新潮は平壌市内の飲食店ですしを握る藤本健二氏が米CIAに国家機密を漏洩した容疑で朝鮮当局に拘束されている可能性があると報じた。朝鮮日報など南メディアが後追い報道し、今月には朝日新聞も政府関係者の発言をもとに同じ内容を報じた。ところが本紙の平壌特派員が飲食店を訪ねると本人はいつも通りにすしを握っていた。

 うーん、どうなんでしょうね。
1)全くのデマ記事で、当人は普通に営業していたのか、
2)はたまた「休んではいた」が「病気など」であって身柄拘束ではなかったのか。

 南に対する日本の輸出規制措置と関連しては日・南メディアが「文在寅たたき」で連携している。朝鮮日報などの保守系新聞は今回の事態は南政府の「外交無能」が招いたものであり「文大統領が対立の解決策を示さずに国民の反日感情に火をつけようとするのは政府の失策から目をそらせるため」だと決めつけている。朝鮮日報・日本語版の記事はYahooなどのニュースサイトにも掲載される。それを読んだ日本国民は安倍政権が免罪符を得たように感じるかもしれない。

 正確には「南の右派メディア」ですね。ハンギョレなどはまた話が違うでしょう。
 しかし、朝鮮日報には「文在寅叩きのためには何でもありか」と怒りを禁じ得ません。


日本人の北朝鮮旅行「今年から活発化」 韓国機関が発表:朝日新聞デジタル
 もちろん安倍の「密輸ガー」への反論として「話を盛ってる可能性」は否定できませんので現時点では「単なる情報提供」としてのみ紹介しておきます。なお、個人的には「別に北朝鮮旅行してもええやん(非難するのおかしいやろ)」とは思います。


韓国「国際法違反は日本の方」 河野外相談話に反発 - 産経ニュース
 そりゃそうでしょう。安倍の行為はどう見てもWTO違反行為です。一方、仲裁委員会の設置は当然の義務ではありません。
 とはいえ「仲裁委員会の設置」になぜか自信満々の安倍政権はわけが分かりませんが。仲裁委員会が日本に有利になる保証はないと思うのですが。
 「日本に絶対に有利になる」ための不正でも働くのか、はたまた単に「仲裁委員会は日本に有利だ」と無根拠で思える馬鹿なのか(捕鯨訴訟での敗訴を考えると後者の可能性も勿論あります)。
 なお、仲裁委員会について言えば「韓国敗訴」はもちろん韓国は希望しないでしょうが、「韓国勝訴」を望むかと言ったら「?」でしょう。
 今の日本では韓国が勝とうが「仲裁委員会が不当だ」と言い出しかねません。であるなら「日韓の譲歩が可能な交渉路線」に動くのは是非はともかく不思議ではありません。
 もし「仲裁委員会に否定的なのは韓国が敗訴を恐れてるから、一方日本は敗訴を恐れないから仲裁委員会を主張した」と思ったらそれは極めて一面的な見方でしょう。


京アニ火事 京都市長、社民支部ら不適切発言相次ぐ「選挙利用」と批判も - 産経ニュース
ライター手に「京都みたいになったら困る」 国民民主の幹事長 - 産経ニュース
 京都市長及び国民民主・平野*14幹事長の発言は明らかに不謹慎*15ですが、社民党杉並支部はそれほどの問題ではないと俺個人は思います。
 単に追悼するのではなく、「京都アニメ」への連帯の思い、仲間意識(我々社民党も京都アニメのようなアニメ会社のためにいろいろ頑張ってきました)を表明しようとしただけでしょう。単に追悼するのでは「仲間意識がある」ということは表せません。
 まあ、この種の件で絡むような輩は「アンチ社民党のウヨ」がほとんどでしょうし。社民党が謝罪するのは別にいいのですが、必要以上に萎縮しないでほしいと思う。
 そもそも「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」を笑おう(2019年7/19日分:黒坂真の巻) - bogus-simotukareのブログコメント欄でバルトフェルドさんが

 安倍が追悼をしていましたが「相模原の時はしなかったくせに」と思いました。毎度のことながら、これに釣られるチョロいのが沢山いることも事実です。

としていますが基本的に政治家がこれに触れてる場合は誰でアレ「全てある種の政治利用」でしょう。
 「殺人事件が起きたとき、常に追悼の意思を表明してる」わけではないでしょう。
 その中で社民党の「政治利用」が特に不謹慎だとは俺は全く思いませんね。


雨上がり決死隊・宮迫さん 吉本興業が契約解消(1/2ページ) - 産経ニュース
 会社としての釈明記者会見もせず、ただ契約解除のみ発表するとは吉本興業の無責任には呆れます。

【追記】
宮迫さん「社長に『会見したら全員連帯でクビ』と」:朝日新聞デジタル
「社長が『会見したら全員クビ』」 宮迫さん謝罪会見 :日本経済新聞

宮迫さん「社長に『会見したら全員連帯でクビ』と」:朝日新聞デジタル
 宮迫さんは、会見を開いたほうがいいと会社に要望したものの、会社からは「静観です」との回答だったという。その後、6月24日に、急遽会社に呼ばれ、全員、謹慎だと伝えられたという。
 その際、田村亮さんが「記者会見をやらしてください」と主張したが、吉本興業の岡本昭彦社長から「お前らテープ回してないやろうな」と確認された上で、「亮、ええよ、おまえ辞めてひとりで会見したらええわ。やってもええけどほんなら全員連帯責任でクビにするからな。俺にはおまえら全員クビにする力がある」と言われ、全員なにも言えなくなったと語った。

「社長が『会見したら全員クビ』」 宮迫さん謝罪会見 :日本経済新聞
 「金額や経緯、事実について会見をさせてほしいと直訴したところ、会社側から『静観でいきましょう』といわれた」と、吉本興業側から止められたことを明かした。

 なるほどなぜ会社が同席しないのかがわかります。
 宮迫の主張の真偽はともかく「会社が記者会見も何もするな、会社に全て任せろ、余計なことは言うなと言うから、その通り従ったのに、世間の批判が高まるや、自分だけ首にされ、会社は知らぬ存ぜぬなんて許せない」「黙っていても首切りされて復帰できないのなら一矢報いたい」ということのようです。
 「引退するかどうかは今後考える、今は何も考えられない」とはいっても、もはや芸能界復帰と言うことはあまり考えてないのではないか。
 「このまま自分だけ、吉本によって悪者扱いされるくらいなら、自分だけが悪者ではないときちんと反論する。それで芸能界に戻れないならそれでいい(まあ出来れば戻りたいが)」「黙っていて一人、悪者扱いされる方が復帰という意味でむしろマイナス」と思ったということでしょう。
 吉本の露骨な「トカゲの尻尾切り」に我慢ならなかったということでしょう。


【宮迫さん・田村さん会見詳報】(7)「保身です。勇気が出ませんでした」(1/4ページ) - 産経ニュース

宮迫
「本来は謝罪会見をしたいということだったので。とにかく自分たちの口で謝らせてほしいということだったので、その二者択一の選択はびっくりした」

 「どうしても謝罪会見したいなら会社をやめてからしろと言われた」が事実ならとんでもない話でしょう。これは今回の宮迫らの記者会見での発言内容がどこまで事実なのかとは関係ない話です。


【吉本会見詳報(1)】時系列で説明「理解はされなかったようだ」 - 産経ニュース
 宮迫らの記者会見によって「記者会見実施」に追い込まれた吉本です。

「7月6日に宮迫さんと亮さんが来社し、引退したい、会見したいと言ったが、引退を慰留し、会見時期については一任してもらうよう頼んだ」

 宮迫らの言い分ではどう見ても「会見時期は一任してくれ」ではありません。この食い違いをどう理解すべきかがまず問題ですね。


【吉本会見詳報(2)】「芸人につらい思いをさせて申し訳ない」 - 産経ニュース

 宮迫博之君と田村亮君にああいう会見をさせてしまったことに対し、2人に非常につらい思いをさせてしまい、申し訳なく思っております。

 「何だかなあ」ですね。問題は宮迫らがつらいとかそういう話ではない。
 「宮迫らの言い分と吉本の言い分が食い違ってること」は何なのか、と言う話です。
 結局「宮迫らの言い分がどれほど正しいのか」はともかく「宮迫らが全て悪い、会社は悪くない」とは到底言えない話だが「会社のどこが悪いのか」を明確化したくない、社長引責辞任など幹部の責任問題を避けたいからこそ「言い分の食い違い」について明確化せず曖昧になり、「宮迫らにつらい思いさせて悪かった」という情緒論でごまかそうとするのでしょう。


【吉本会見詳報(3)】「引退は絶対させないようにする」(1/2ページ) - 産経ニュース

 宮迫博之さん、田村亮さんの処分撤回の理由がはっきりしない。何をもって撤回なのか

 まあそういうことですね。
1)既に契約解除された「カラテカ・入江」の処分は変えないのか、変えないならその理由は何か
2)宮迫らの処分を撤回する理由は何なのか。反社から金をもらったことも、嘘を当初ついたことも「(謹慎処分はともかく)契約解除するほどの罪ではない」と言う認識に変化したのか、変化したのならその理由は何か、ということです。
 その点について社長は明らかにまともに回答していませんが。
 結局「会社批判をされ続けたら」会社にもいろいろ非があるので幹部の責任問題になる、それは避けたい、懐柔しよう、黙らせよう、処分撤回すれば黙るだろう、しかし入江は会社批判してないからそのままにしよう、と言う話ではないのか。


【吉本会見詳報(4)】「『全員クビ』は身内感覚から出た言葉」(1/3ページ) - 産経ニュース

■記者
 社長の言葉で2人にその場で「テープは録っていないだろうな」と聞いたそうですが、どういう意味ですか。社長のなかにテープが出されて困るという気持ちがあったのではないですか
■社長
 冗談です、でも全く笑われることもなかったので。
■記者
 会見したいという(田村さんの)ことに対して、全員クビにすると言ったのは事実か
■社長
 (前略)僕としては、身内感覚な思いから出た言葉だったけど、相手はそういうふうに捉えていなかったようだ

 苦しい言い訳ですね。事実ならどう見ても恫喝としか理解できない言葉でしょう。


【吉本会見詳報(5)】イベントのスポンサーは反社会的勢力「事実ではない」(1/2ページ) - 産経ニュース

■記者
 圧力をかけたということではないのか
■社長
 自身は全くそういうつもりはない。(中略)父親が息子に、『お前勘当や』というつもりというか、『ええかげんにせい』という感じ。
■記者
 会社主導で会見をするにあたり、在京テレビ5社、在阪テレビ5社が株主だからと発言したのは事実か
■法務担当者
 会見を生中継したいという申し出があったので、どういう時間帯にするのか(テレビ局に)配慮しなくてはいけないということを、弊社の顧問弁護士から、先方の弁護士に伝えたというのが事実だ
《質問は、入江慎也さんが主催したパーティーが、もともと吉本興業のイベントのスポンサーだったとした宮迫さんらの会見での話に移った。吉本興業と反社会的勢力がつながっていたのではないかとする、大きな疑問点だ》
■記者
 宮迫さんの会見で、入江さんの主催イベントが、もともと吉本のイベントのスポンサーをしていたところでやったということだが、このスポンサーがついていたのは事実か
■法務担当者
 その話については事実ではない。当該イベントは吉本興業の制作ではなく、都内のイベント会社が主催した。その会社の依頼を受けてタレントを派遣した。いろんなタレントが出演するイベントだったが、そのイベントのスポンサーのひとつが特殊詐欺グループのフロント企業だった。(タレント派遣にあたり)当該イベントを主催したイベント会社が反社会的勢力でないことは確認していたが、その先まではチェックしていなかった。

 繰り返しますが、どう見ても全て苦しい言い訳ですね。


【吉本会見詳報(6)】岡本社長「クビやと言ったことはある」(1/2ページ) - 産経ニュース

 社長は今回の件について、減俸50%で済ますおつもりですか

 それで済む話ではなく引責辞任すべきだと思いますがさすがに「処分ゼロ」で居直ることは出来ないようです。

■記者
 入江さんの処分については
■社長
 そういうお金をもらって、しかも直接仲介をしている。そのことに対して処分を変えるつもりはないです

 いやいや宮迫らを処分しないのであれば、入江を処分するというのは筋が通らないように思いますが。


【吉本会見詳報(8)】「契約はタレントさんの望む形で」(1/2ページ) - 産経ニュース

法務担当者
「謝罪会見をしたいのであれば、引退か契約解消を選ぶよう求める書面を最終的に送った」

 わけがわからないですね。謝罪会見するなと恫喝してるのも同然でしょう。


【吉本会見詳報(9)】「環境を変えることに全力を尽くす」 - 産経ニュース

 処分について、2人の会見で風向きが変わった、都合が悪い発言が出たから撤回したのか

 まあどう見てもそうとしか見えないですよね。


【吉本会見詳報(11)】「いろんな人の声を聞き、謙虚にやっていく」(1/2ページ) - 産経ニュース

■記者
 契約が書面でかわされていないがゆえに、タレントの立場が弱い気がするが。希望者に関しては書面による契約を交わすのか
■社長
 タレント一人ひとりと話をして、そういった人がいれば、話をしていくことになる。そのあたりをしっかり聞いていければ

 この期に及んでも「希望者以外とは書面を交わしたくない」ようです。ブラック企業としか言い様がない。


【吉本会見詳報(13完)】岡本社長「ひとえに私の力不足」(1/2ページ) - 産経ニュース

■記者
 今回問題になったパーティー以外に吉本タレントや社員が参加した反社会的勢力のパーティーはありませんか
■社長
 ありません

 今後マスコミ報道がどこまで広がるか分からないのに「ありません」などと断言してしまっていいんでしょうか。もちろん「調査した限りでは」という枕詞がつくことは分かりますが。

■記者
 宮迫博之さんらの会見で出た内容について、何か反論したいものはありますか
■社長
 反論というか、思いをもう一度伝えるということかなと思います
■記者
 事実と違うことはないということでしょうか
《少しの間、沈黙》
■社長
 それは…まあ、ちょっと違うところはあると思いますけど」
■記者
 その部分、事実と違うところを教えてください
■社長
 すみません、ちょっとお待ちください
 《岡本社長が1度壇上から引っ込み、すぐ出てきた》
■社長
 すみません、あの受け止め方の違いと言いますか、だから話をできればと思っています
■記者
 事実と違うところは、という質問ですが
■社長
 認識の違いということなので、本人たちと話ができればと思います
■記者
 言った言葉は間違いがないけれど、認識の違いがあったということですか
■社長
 認識の違いがあったということです
■記者
 言った言葉はすべて事実と認められるということですか
■社長
 もう一回、その前に何を言っているかというのも、精査して、そこでもう一回、僕なりに理解できればと思います

 完全にしどろもどろですね。

 東京進出のときはワンルームだったと松本人志さんが言っていた。そのときから岡本社長が変わってしまったことはありますか

 この件はそういう話(謙虚な人間が出世して思い上がった)ではないですよね。まあ、そういう面はこの社長にあるのかもしれませんが、今回の問題の本質はそういうことではなく「反社会勢力に吉本がきちんとした対応をとってきたか」と言う話です。

 約5時間半にわたる会見

 中身はともかくある程度の時間をかけた会見をせざるを得なかった吉本です。他の記者会見(典型的には菅長官の会見)でもこのくらいの時間をかけてほしいですね。要するに普段のマスコミが弱腰だと言うことですが。


吉本社長会見に芸人「悲しい」 ツイッターなどで続々表明 - 産経ニュース
 元SMAP(稲垣、香取、草薙)のジャニーズ独立劇でこの種の発言が所属タレントから出なかったことと比べると「吉本の締め付けはまだ弱い」んですかね。


■吉本関係ツイート

高世仁リツイート
ますむらひろし
‏ 選挙の翌日の朝のワイド・ショー。吉本芸能の内紛をえんえんとやってる。ほんとうに、不思議なニッポンです。政治に関心を持たせないために、テレビがあるのだな。

 このあたりは「うーん」ですね。勿論吉本よりは政治の方が大事です。そしてマスコミも「吉本」のほうが安倍より追及しやすいのでしょう。それはますむら氏や高世が批判するようにふざけた話です。
 ただし今回の吉本の話を「内紛」と表現し、どうでもいいことであるかのように表現するのも不適切でしょう。
 宮迫らの指摘が事実ならば「会社は反社との関係について当初だんまりでごまかそうとしたが、ごまかしきれなくなると、宮迫らだけ切り捨てて逃げようとしたが、宮迫らにそれを暴露された」と言う話であり、「宮迫らの告発動機」に関係なく「明らかな企業不祥事」だからです。
 不祥事(違法行為や不正行為)は存在しない「大塚家具の経営紛争」などとは意味が違う。
 「政治不祥事(例:モリカケや統計データ捏造疑惑)の方がより追及されてしかるべき」ですが、吉本の件(企業不祥事)がどうでもいいわけではありません。
 そういう意味では公取が警告した「ジャニーズによる元SMAPへの圧力疑惑」も「それなりに騒がれてしかるべき話」でしょう。吉本と比べると全然騒がれていませんが。


吉本興業が所属タレントと契約書交わす方針 - 産経ニュース
 まあ当然の話ではあります。

*1:彼らは護憲派ではないものの一方で改憲派でもないでしょう。要するに興味がないわけです。まあマスコミがきちんと報道しないという問題もありますが。

*2:小生の親は「代議士(衆院議員)には地元が世話になってるけど、参院議員なんか世話になってないと公言してる人たち」ですのでね。

*3:正直、例の「嫌韓国行為」について「韓国にも非がある」とか言っちゃう人たち、モリカケ疑惑についても「安倍さんを信じる(さすがに本心ではないでしょうが)」とか言っちゃう人たちなので、何言ってもケンカにしかならないことが分かっています。「お互いに」政治の話はしないことに努めています。なお、小生が「広義の共産支持」であることは「小生がたまに前衛とか買って読んでるので」親も分かっていて「旧ソ連ガー」的なことを言われてむかついたこともあります。「共産党や旧社会党どころか旧社民連に対しても否定的な人たち」なので「説明してもどうせ分からないのだろう」と思って諦めています。まあそういう「自民党支持の日本人」は残念ながら少なくないのでしょう。

*4:勿論共産党の当選可能性は「沖縄や京都、大阪」といった共産の地盤が強いところを除けば、立民など旧民主に比べれば多くの場合で低いですが、俺は政策面で立民を支持できません。一方政策的な意味で言えば今回だと「社民や山本太郎のれいわ」でもいいのですが彼らは共産に比べ当選可能性が低いわけです。れいわにいたっては「できたての政党」なので選挙後に「雲散霧消する危険性」すらあります(追記:れいわは2議席とったのでひとまず当面は続きそうです)。

*5:村山内閣運輸相、森内閣通産相小泉内閣経産相、立ち上がれ日本代表、維新の会代表代行、次世代の党党首を歴任

*6:野田内閣環境相民主党幹事長(海江田代表時代)、政調会長岡田代表時代)、民進党代表代行(蓮舫代表時代)など歴任

*7:細川内閣官房長官、村山内閣蔵相など歴任

*8:中曽根、竹下内閣農水相、宮沢内閣蔵相、細川内閣外相などを経て首相

*9:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て幹事長

*10:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*11:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相などを経て首相

*12:竹下内閣官房長官自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相を経て首相

*13:とはいえ橋本、小渕は今の安倍ほど酷くないですが。今の公明党と違い「小渕連立時代の公明党」ではさすがに安倍とは連立しないでしょう。

*14:鳩山内閣官房長官、野田内閣文科相など歴任

*15:単に「このライターで皆さんの心に火を付けたい」なら「あの犯罪後に軽率」で済んだでしょうが「京都みたいになったらまずいから」云々と余計なことを言ってかえって問題発言になっています。まあ、それでも「麻生のナチス発言」など考えれば少なくとも自民はこうした問題では大同小異ですが。

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年7/19分:荒木和博の巻)

特別検証報告【調査会NEWS3031】(R01.7.19): 荒木和博BLOG

1、伏木国分事件
 昭和56年(1981)3月30日夜、国鉄(当時)氷見線越中国分駅の待合室でウイスキーを飲んでいた男が警察官に職務質問され、持っていた姜正彦名義の外国人登録証が偽造であることが分かった。翌日確認するためその夜は高岡駅前のホテルに宿泊させたところ、朝になってホテルから「金日成万歳」と叫んで飛び降り自殺した。

 この話から分かるのは「偽造の外国人登録証を持った男が自殺した」、ただそれだけです。彼が北朝鮮工作員かどうか分からないし、仮に工作員だとしても「拉致に関与していたかどうか」も不明です。仮に北朝鮮工作員だとしても、単に情報スパイに過ぎないなら「拉致の解決」と言う意味では彼について調べることには何の意味もありません。まあそれ以前に彼について調べようがないわけですが。

3、都庁職員アベック拉致未遂事件
 被害者のA氏及び夫人Bさん同行のもと、事件現場の検証を行った。
 昭和54年(1979)5月5日 、A氏はBさんを乗せて自家用車(緑のスカイライン)で能登への旅行に向かった。午後8時頃、国道160号線の富山県氷見市姿のあたりでAさんは白いスカイラインが尾行しているのに気づく。速度を落とすと白いスカイラインも速度を落とし、速めれば向こうも速めた。今で言う煽り運転のような感じだった。気持ち悪くなり一旦停車して車をやり過ごした。そして走り出すと数百メートル走ったところでスカイラインが道を塞ぐように止まっていた。
 白いスカイラインが止まっていたところの5~10メートル前でAさんは車を止めた。すると白いスカイラインの運転席から160センチもないくらいの小柄な男が作業服のような地味な服装、サンダル履きで下りてきて、窓越しに日本語ではない言葉*1で話しかけてきた。
 運転席の窓を10センチくらい開けたところその隙間からストレートパンチを食らわせてきた。殴られた直後から大量に出血したが一瞬のことだったので助手席に座っていたBさんもA氏が殴られたことには気づかなかった。A氏は一瞬意識を失ったが、男がドアを開けようとする音で気がついた。すると男は喉を握ってきた。

 どう見ても北朝鮮拉致というよりはたちの悪いただのごろつきですね。拉致が目的なら「煽り運転」などというあからさまに不気味な接近(?)の仕方はしないでしょう。

 途中引き離したとき前方右に入口の開いた建設会社の倉庫らしきものが見えたので車を突っ込んで隠れてやり過ごした。

 前も書きましたがこんな倉庫に入ったら、「倉庫に入ったこと」を気づかれたらかえって逃げ場がなくなるでしょうに。事実なら随分とリスキーなことをしたもんです。

 「途中また車が待ち伏せしているとは思いませんでしたか」との質問にAさんは「思いました。それで鉄パイプを積んだまま走り、いざとなったらこれで闘うつもりでした」と答えた。

 意味が分からないですね。「カップルの目指す目的地が分からないだろう」にどうやって待ち伏せするのか。幹線(国道160号線)を走るから、もしかしたら待ち伏せされると言うことか。
 というか幹線(国道160号線)を走ったら待ち伏せされる危険があると考え、待ち伏せされないように「幹線をあえて外して脇道に入る」のならわかりますが、鉄パイプで戦おうとは無謀にもほどがあります。

(1)荒谷敏生さん
●失踪の状況:
 「アメリカに行きたい」等と言っていた。また米国かブラジルに移住した日本人の本を読んで感動し手紙を出したことがある。

 やれやれですね。それが事実なら自発的失踪の可能性だって十分あるでしょう。

 特定失踪者で就職・転職など「人生の転機」とも言える時期に失踪するケースが少なくない。その状況を知った固定スパイがよりましな転職先・就職先をちらつかせることによって誘引したと考えられ

 やれやれですね。何を根拠に「ましな転職先をちらつかせ」云々というのか。勿論何の根拠もないわけです。

*1:もちろん本当に「外国語か」わかりませんし、仮に外国語だとしてもこれだけでは「ただのごろつき外国人」の可能性が当然あります。

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年7/19分:高世仁の巻)

安田純平さん 旅券発給を拒否される - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 お上に逆らいそうなやつは徹底して排除するという現政権の体質がここにも表れている。

 是非はともかく安田氏の件について言えばそういう話ではないでしょう。
 「安田氏が安倍にたてついているから(高世が以前ブログ記事スガvs望月記者で盛り上がる会見 - 高世仁の「諸悪莫作」日記などで紹介した東京新聞の望月記者や、安倍リークで読売新聞に「出会い系バー通いガー」をやられた「加計告発」前川氏などと違い、そもそも、たてついていないと思いますが)」ではなく「また海外で人質になられたらいやだから」でしょう。
 もちろん「だから旅券拒否していい」わけではありませんが、事実はきちんと認識しないといけない。
 まあ高世の場合、「本気でそう思ってる」のではなく「そう公言してる安田氏」へのこびへつらいでしょうが。
 むしろ「お上に逆らいそうなやつは徹底して排除するという現政権の体質」を「海外出国」をネタに言うなら「アントニオ猪木氏の訪朝に否定的だったこと」「朝鮮総連幹部の訪朝を事実上禁止していること」「北朝鮮から持ち帰ったお土産を後に返却したとは言え一時没収したこと」のほうがよほど該当するでしょう。
 まあ北朝鮮関係では安倍批判は何一つせず、むしろその嫌北朝鮮行為を容認するのが「反北朝鮮ウヨ」の高世ですが。
 あるいは最近で言えば「韓国への不当な嫌がらせ」が「お上に逆らいそうなやつは徹底して排除するという現政権の体質」でしょう。

 お上に逆らいそうなやつは徹底して排除するという現政権の体質

云々という文で「そうした行為の典型であり、かつ最近実行された」安倍の嫌韓国行為について

 京都アニメーションの火災は、33人死亡(18日深夜段階)という大惨事となった。日本を代表するアニメ制作会社で、テレビ業界ではその仕事の質が非常に高く評価されていた。犠牲になった方々のご冥福をお祈りします。

程度の短い文章ですら高世が触れないとはどういうことなのか(他の記事でも高世は触れてなかったと思います)。高世が「あの類の嫌韓国行為を容認する連中」とズブズブだからなのか。高世にはいつもながら心底呆れます。

 選挙戦での安倍首相の汚い手法は目に余る。
 「立憲民主党」の党名を「民主党」と間違えるのだが、ついうっかりではなく、意図的なネガティブキャンペーンでやっている。

 まあ、こんなんを支持するのは「安倍信者」だけでしょう。かえって立民への同情を招くんじゃないか。
 「安倍」を「阿部」「安部」と俺のような一般人が書き間違えるのとはわけが違いますからね。「悪意でやってる」のはモロバレだし、それを支持するのは「よほどの安倍自民信者かよほどのアンチ立民」だけでしょう。

参考

政府:没収の北朝鮮土産を返還 神戸朝鮮学校生徒に - 毎日新聞
 北朝鮮を訪問した神戸朝鮮高級学校(神戸市)の生徒が帰国時に関西国際空港で土産を税関に没収され、日本政府が先週、大半を生徒側に返還していたことが分かった。関係者が17日、明らかにした。没収は北朝鮮への独自制裁に基づく措置。使用中の私物などを除いて全ての物品が対象になると定めており、返却は異例の対応だ。北朝鮮側の反発を踏まえ、日朝対話を意識する日本側が配慮を示した可能性がある。

2018年7月3日のブログ記事一覧-アリの一言
 修学旅行で祖国・朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)を訪れていた神戸朝鮮学校高級部3年生が持ち帰った土産品を、関西国際空港の税関が不当に押収する事件が6月28日起こりました。
 これはたんに生徒たちに対する人権侵害にとどまらず、朝鮮学校に対する民族差別、朝鮮に対する日本の差別・敵視政策を象徴的に示すもので、絶対に見過ごすことはできません。

三浦小太郎に突っ込む(2019年7月18日分)

ジミー・ディヴィス(カントリー歌手)の選挙演説 | 三浦小太郎BLOG Blue Moon
 極右の三浦が「穏健保守」「リベラル保守」らしい、ジミー・ディビス(カントリー歌手で、後にルイジアナ州知事を一時期(1944~1948年、1960~1964年)務めた)に本当に共感してるとはとても思えませんがそれはさておき。

「もし、対立候補をそしらなければならない*1、また、ただ選んでほしいために守れもしない約束をしなければならないという事でしたら、私は相応しい人間ではないし、知事の仕事を欲しくもありません。」
「とはいえ、かって農民として、街へ行くのも車輪がぬかるみにはまって難儀したことからしますと、立派な道路ができたことには感心していまして、もし知事に選ばれましたら、今の道路組織が維持され、また拡張されるために、私のできることは何でもやります。」
「また、月給75ドルで学校の教師をやっていた経験からしまして、学校と教師の問題は重要であり、決してなおざりにされてはならないと思います。」
「老人の世話も適切に行われるべきだと思います。総合病院をはじめとした機関を整備する今の制度には賛成でありまして、そのどの機関についても、それを改善し、維持するためにできるだけの努力をすることを約束します。」
「最後に、知事に選んでいただきましたら、皆さんのために精力的に、また公平に仕事をし、私を選んだことを決して後悔なさることがないよう任務を果たす所存であることを申し添えます。」(「ユー・アー・マイ・サンシャイン物語*2」三井徹*3著)
 ディヴィスは知事当選後、何をまず目指しますかという問いに「(音楽と同じく)ハーモニー、調和ですかね」と答えました

 いやー、三浦が紹介するディヴィスの発言「ネガキャンやウソの否定」「医療、福祉、教育の重視」「公平な政治の実施」は実にまともですね。今の自民党政治家にこうしたまともな発言をする人間がどれほどいるのか。
 そしてこうした発言は「狭義の左翼」ではありませんが小生は大いにディヴィスに共感します。
 小生は「共産支持者」とはいえ「狭義の左翼(マルクス主義者)ではない」「『消費税増税反対』『医療、福祉、教育の重視』『戦前日本軍国主義とその継承者(靖国神社本庁日本会議など)への批判』『憲法九条擁護、軍縮』『クリーンな政治』などの選択肢による消去法の選択*4」「社会党が力のあった1980年代までなら社会党に投票しただろう*5」ということで正直、共産党には失礼ながら、まともな保守リベラル政党(あるいはまともな社民政党)があればそれを支持しますが今ないですからね。
 なぜ「野党2議席」くらいのことが言えないのか(参議院京都府選挙区での、立憲民主党の福山幹事長の暴言) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)が批判する立民なんざ、俺はまともなリベラル保守政党とは思ってませんし。社民党共産党に比べあまりにも党勢が弱すぎます。
 それにしてもなぜ「野党2議席」くらいのことが言えないのか(参議院京都府選挙区での、立憲民主党の福山幹事長の暴言) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)で拙記事今日の朝鮮・韓国ニュース(2019年7月14分) - bogus-simotukareのブログをご紹介頂きいつもありがとうございます。


れいわ新選組をどう見るか | 三浦小太郎BLOG Blue Moon
 三浦が「れいわ新選組」を褒めないのは予想の範囲内ですが、「どう見ても好意的評価ではない」とはいえ、「(話題になっていて)脅威だ」と言ってるのが意外です。一方、例の野原さんは好意的評価のようです。
【追記】
 れいわが比例で2議席とり、一方、共産が「比例獲得議席5から4に減らしたこと」を考えればむしろ「れいわ」は左派にとっての脅威でしょう(共産の比例獲得票がれいわにある程度食われたという面はあるでしょう)。とはいえ「れいわは出馬するな」というわけにもいかないですが。
 今のところ「インチキ野党・維新(事実上、自民の別働隊)」と違い、反自民の「リベラル保守的なカラー」であり、なかなか共産としてもれいわを批判しがたい。
1)まあ、「れいわとも立民とも違う共産のカラー(もちろん共産主義という意味ではありませんが)」を出して「立民やれいわとの野党支持層の支持獲得競争」で共産党としての成果を出しながら
2)れいわや立民に、リベラル政党として安倍と戦う共闘を求めていく
つうことしかないんでしょうね。まあ、その共闘にれいわや立民が後ろ向きならそのときに批判すればいいことです。
【追記終わり】

 山本太郎氏とれいわ新選組について、複数の方から意見を止められましたので、簡単にだけ書いておきます。ただ、私のポリシーで選挙前に特定の党を激しく批判したりまた賛同したりするのは避けたいので、これ以上の評価は避けさせてください

 「え、そんなポリシーがあったの?」ですね。単に三浦が「ウヨ仲間にれいわに好意的な人間もいれば、否定的な人間もいる」ので適当にごまかしたいだけじゃないか(とはいえこの三浦記事のトーンはどう見てもれいわに好意的ではないですが)。
 というか習近平を来年「国賓待遇」で迎えていいのか? | 三浦小太郎BLOG Blue Moonでの

自民党を支持する人たちこそ、もし、自民党の党名でもある「自由と民主主義」の価値を尊重し、また、保守の立場から各民族の伝統に敬意を払う考えをお持ちならば、自民党に対し、総理総裁ご自身も、また、総理総裁が難しいなら各国会議員が、現在のウイグルにおける人権弾圧に対しもっと発信してほしいと訴えることが必要です。自民党を支持するというのは自民党の誤った政策に目をつむることではないはずです。

というのは「選挙前に特定の党(自民)を激しく批判」ではないのか。
 それとも「批判ではない、叱咤激励だ」とでもいうのか。

 私が山本氏に共感しがたいのは、かって放射能をめぐるあまりにも極端な発言と、皇室に対する態度ですが、今回の国会におけるいくつかの法案への反対の言動を見て、この人の言葉はすべて、ある種のパフォーマンス、その場での問題提起をいかに「扇動的」にやるかなんだな、あまり論理の正確さとかは興味ないのかな、とも思いました。

 と言うのなら具体的に問題点を指摘してみろという話です。せめて「いくつかの法案」とは一体何のことなのか、法案の名前ぐらい書いたらどうなのか。
 山本氏の問題点を、具体的に指摘も出来ない男、ただの印象操作しかできない男が「論理の正確さとかは興味ないのかな」とは何の冗談でしょうか。
 なお、お断りしておきますがこれは山本氏擁護ではなく三浦批判です。
 小生は山本氏に対して適切にコメントできるほどの知識がないのでコメントは控えておきます。
 ただいくつか思いついたことを言えば「れいわ」支持者が求めてることはジミー・ディヴィス(カントリー歌手)の選挙演説 | 三浦小太郎BLOG Blue Moonが紹介するジミー・ディビスのような「まともな保守リベラル」じゃないですかね(偶然ですがジミーも山本氏*6も芸能人です)。
 7月17日(水) 小林節慶応大学名誉教授の共産党への応援ビデオでの演説を聞いた:五十嵐仁の転成仁語:So-netブログが紹介していますが、本来は保守である小林節氏が、共産党の応援をしてるのも「まともな保守リベラル政党がないから」でしょう。今の自民党は極右・安倍をトップとする極右政党になってしまった。
 俺的には共産党には失礼ながら、「まともな保守リベラル政党(昔の新党さきがけなど)があればそれでもいい」んですが今ないですからねえ。
 俺的には「共産が決して楽な選挙ではないこと」「安倍のような極右がでかい面してること」よりもむしろ「石橋湛山*7」「大平正芳*8」「三木武夫*9」「宮沢喜一*10」「河野洋平*11」「加藤紘一*12」などのような自民リベラル(宏池会など)の存在感がないことがショックですね。
 たとえば自社さ連立政権は批判されましたがそれにしたって社会党が組んだ河野総裁(村山内閣外相)、橋本*13総裁(村山内閣通産相)にはある種のリベラル性があったわけです(一方で村山内閣運輸相に極右・平沼赳夫*14がいましたが)。
 さすがの社会党も安倍のような極右がトップなら自民と連立しない。公明党が連立をはじめた最初の小渕*15首相だって安倍ほどの極右ではない。
 今の公明は「安倍とズブズブでも恥じない」ほど極右と化しましたが当時の公明はさすがに安倍が相手では連立できなかったでしょう。
 自民党が長期政権だった理由の一つ(あくまでも一つですが)は「彼ら自民党リベラルの存在」です。彼らがいなければ、保守リベラル支持層の選挙民は社会党支持に向かったでしょう。
 それがなぜ今こんな惨状なのか。なぜこんな惨状でも自民党支持層が支持し続けるのか。
 流れ的には自民党リベラルとは言え

 谷垣氏*16:「第二次安倍内閣法相、自民党幹事長(第二次安倍総裁時代)」
 岸田氏:「第二次、第三次安倍内閣外相、自民党政調会長

として安倍の軍門に降っている連中には全く期待できないでしょう(まあ谷垣氏は自転車事故で政界引退しましたが、彼が健康でも何が出来たかは疑問です)。
 7月18日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント:五十嵐仁の転成仁語:So-netブログで五十嵐氏は「世論調査通り、自民改選過半数では安倍が更に図に乗る」「野党の奮闘を期待したい」といっていますが、正直、なんとも気が重いですね。もちろん「最善の結果を目指して最後まで戦い」「仮に望ましい結果が出なくても諦めずに今後も戦う」しかないわけですが。
 なお、三浦は

 何らかの新しい政治勢力、もっと言えばポピュリズム運動として展開していく可能性はあります。

として「れいわ」をポピュリズム扱いしていますが、「れいわをどう評価するにせよ」少なくとも三浦にはそんなことを言う資格はないでしょう。
 なぜなら三浦らウヨが美化する「戦前日本」のほうがよほど「悪しきポピュリズム」だからです。
 何せ「満蒙(満州内蒙古、現在の中国東北三省と内モンゴル自治区)は日本の生命線」「暴支膺懲(横暴な支那を膺懲する(膺懲=懲らしめる))」「鬼畜米英(アメリカやイギリスは鬼や畜生も同然)」「ハルノートを受け入れたら死んでいった英霊に申し訳が立たない、彼らは無駄死にになる(当時の軍の主張)」「(政府を批判する奴は)非国民」などといった空疎な「ポピュリズム」スローガンで無謀な戦争に突入していったわけですから。
 後世の我々の目から見れば全て「満蒙なんて別に生命線じゃねえだろ」「横暴で膺懲されるべきなのは日本だろ。つうか別にそういう感情論で戦争してるわけと違うやろ。利権目的やろ」「相手国を鬼畜呼ばわりとかまずすぎやろ」「英霊に申し訳が立たないとか言う情緒論で戦争するな」「お前に反対しただけで非国民呼ばわりか」つう話です。
 あるいは今現在の「韓国を懲らしめろ!(安倍の無法な報復行為を支持する連中)」「北朝鮮を懲らしめろ!(巣くう会や家族会)」のほうがよほど「悪しきポピュリズム」でしょう。まあ、戦前風に言えば「鬼畜韓国(あるいは朝鮮)」「暴韓(あるいは朝)膺懲」ののりなのかもしれない。
 あるいは「南京事件慰安婦も捏造だ!」と言う「つくる会理事」三浦の方がよほど「悪しきポピュリズム」でしょう。
 あるいは「あすの会の厳罰論」なんかもポピュリズムでしょう。日本の歴史においては「左翼ポピュリズム*17」よりも「極右ポピュリズム」のほうがよほど有害でした。
 れいわは少なくとも極右ポピュリズムではない。
 まあ「極右ポピュリスト」三浦にとっては「戦前日本の中国、欧米敵視」「三浦らウヨの中韓北朝鮮敵視」「三浦らウヨの南京事件慰安婦違法性否定論」「三浦らウヨの厳罰論」、どれ一つとして「悪しきポピュリズム」とは認められないでしょうけどね。
 いずれにせよ「戦前日本美化による中韓敵視ポピュリズム(三浦ら日本右翼)」についていえば、冷静に考えたら重要な貿易相手国である中国や韓国を三浦のように敵視するなど正気の沙汰ではありません。
 なお、「話が脱線します」が、右翼ポピュリズムと言えば、奥武則*18『露探:日露戦争期のメディアと国民意識 』(2007年、中央公論新社、後に『ロシアのスパイ: 日露戦争期の「露探」』と改題し、「2011年、中公文庫」)と言う、以前俺が読んだポピュリズムを取り上げた面白い本があるので紹介しておきましょう(面白いという語弊があるかもしれませんが)。
 ここでいう「露探」とは「ロシアの探偵(スパイ)」の意味です。では尾崎秀実、ゾルゲのようなモノホンの「露探(彼らの時代はソ連ですが)」がこの本に出てくるか*19というとそうではなく、「日露開戦に反対する奴はロシアの手先だ!」「ロシア正教の信者はロシアの手先だ!」などという日露開戦前後の「反ロシアポピュリズム」と「そうしたポピュリズムを政府と新聞が扇動したこと」が取り上げられています。そういう意味では著書名は『露探ポピュリズム』とでもした方が誤解がなく正確です。
 日露戦争時代「露探」を創った新聞たち: 日々雑記が指摘していますが、反ロシア極右が「あいつは露探だ」と言う決めつけから、罪もない人間を殺す、おぞましいテロ事件も出てきて読んでて憂鬱になってくる本です。
 あるいは日露戦争つながりと言うことで脱線すれば「日比谷焼き討ち事件」などもポピュリズムでしょう。

【参考:露探】

日本ハリストス正教会ウィキペディア参照)
■明治時代初期
 日本ハリストス正教会は、日本にロシア正教を伝道したニコライ・カサートキン(1836~1912年)に多くを負っている。ニコライは1861年箱館のロシア領事館附属礼拝堂司祭として着任。1868年(明治元年)、箱館(北海道函館市)で三人の日本人(沢辺琢磨*20・酒井篤礼・浦野太蔵)が信徒になったのが日本正教会のはじまりとされる。
 その後、ニコライは東京に上京。1891年には神田駿河台に大聖堂(通称:ニコライ堂)を建設し、ここを布教の根拠とした。
■明治中期以降:対露感情悪化の中で
 大津事件にみられるように日本の対露感情は悪化していく中、ロシア正教会から伝道された日本正教会もまた各地で迫害を受けることになる。日本人正教徒達は各地でロシア帝国のスパイであるとの嫌疑をかけられ、住居からの追放や、神父への襲撃、墓石や教会建物の破壊行為が各地で起こった。
 1904年に日露戦争開戦。この時ニコライは日本人信徒達から懇請を受け、日本にとどまり、苦難の下にあった日本人正教徒達を激励し続けた。日比谷焼打事件の際には大聖堂とその関連施設も暴徒に襲撃されるところであり、あわや火をかけられるところであった。この時は戒厳令の下に出動した近衛兵の護衛により教会の各施設も難を逃れた。
 こうした逆境にもかかわらず、1911年には、日本正教会は教会数265箇所、信徒数31,984名、伝教者121名に達した。これは当時の日本にあってカトリック教会に次ぐ規模であった。
 1912年にニコライは永眠、76歳であった。この時、明治天皇から恩賜の花輪が与えられた。外国人宣教師の葬儀に際して時の天皇から花輪が与えられるのは異例のことであった。
■大正・昭和時代:ロシア革命という激震のあおり
 ソ連誕生以降、1991年のソ連崩壊に至るまで、日本正教会は「反露感情」のみならず「反共感情」にもさらされていくことになる。正教会は「日本正教会の初代京都主教を務めたいわゆる『ペルミの聖アンドロニク』が1918年に銃殺される」「救世主ハリストス大聖堂が1931年にスターリンの命令でダイナマイト爆破される」など、実際にはソ連から弾圧を受けている被害者であったにもかかわらず、当時の日本における「ロシア=ソ連」という通俗的観念はぬぐいがたいものがあり、日本正教会は「親露=容共」というあらぬ嫌疑をかけられることとなった。
 またロシア革命以降、ロシア正教会からの日本正教会への財政的支援が消滅した。この時点での日本正教会は財政的にすぐに自立出来る状態にはなく、給与を支払うことができなくなった多くの伝教者を解雇せざるを得なくなり、教勢は一時衰えた。一例として、長野ハリストス正教会復活会堂が1921年に閉鎖された事が挙げられる。一方でロシア革命から日本に逃れてきた多くの白系ロシア人日本正教会での信仰生活に加わり、教会によっては現在に至るまで、一定の在日ロシア人系コミュニティを教会内に形成している。

日露戦争時代「露探」を創った新聞たち: 日々雑記
 日露戦争勃発する前年の1903年明治36年)、ある新聞記者があの「電通」の前身である「電報通信」という新聞に「露探」という言葉を使った記事を掲載しました。それは、当時文藝小説家として名を上げていた長田秋濤という小説家をある疑惑によって「露探(ロシアのスパイ)」と断定する記事でした。
 長田は、身の潔白を証明するために、すぐさまこの記者を名誉毀損で訴えますが、裁判所は長田が露探であるかどうかに対してはまったく触れず、その記事が乗せた伝聞が確かに伝聞として存在したことを根拠として、その記事は名誉毀損に当たらない*21としたために、長田は裁判に敗訴することになります。
 裁判に負けたことにより、長田秋濤というひとつの才能は、世論から「露探」という烙印を押され、文壇で誰にも相手にされなくなり、また世間からも非難され、彼は失意のうちにわずか45歳で脳溢血でなくなります。
 いったい、証拠もなく、何の事実関係も無根の人間が単に「露探」という疑いをもたれただけで世間から抹殺されてしまう、という時代とはどんな時代だったのでしょうか。著者の奥氏は、長田事件を新聞記事により追った後、その理由を探るため、この事件の12年前に起きたロシア皇太子ニコライ二世が滋賀県の大津で警察官に襲われた、「大津事件」に遡っていきます。
 この事件を引き起こしたのは、当時の列強の一角であった強大な国、露西亜(ロシア)に対する恐怖が生んだ過剰な防衛反応でした。そして、大津事件の後、日本は日清戦争で勝利を収め、その勝利によって遼東半島が清国から割譲されました。ところが、不凍港である遼東半島を手にしたいロシアはドイツ、フランスと手を組んで日本に圧力をかけて遼東半島を清に返還させてしますのです。
 この三国干渉によって、強国ロシアに対する日本の感情には「恐怖」とともに「恨み」が加わり、我慢を重ねて復讐を待つという「臥薪嘗胆」が、日本の合言葉となったのです。こうした中で新聞によって創造された「露探」という言葉は、あっという間に「非国民」を表わす象徴的な言葉として新聞紙上をにぎわすことになったのです。
この本には、当時新聞紙上に掲載されたたくさんの「露探」が登場します。
 衆議院議員に当選しながら時の総理大臣桂太郎内閣と対立し、「露探」のレッテルを張られることにより、政界から去らざるをえなくなった「二六新報」の社長、秋山定輔。ロシア語の研究のためにウラジオストックに留学し、ロシア国籍を取得したがゆえに「露探」として新聞紙上に掲載され、スクープをねらったメディアにそそのかされた国粋主義者に刺殺されてしまった前田清次。「函館新聞」の報道によって、徹底的に攻撃された無実のロシア教会の信者たち。
 スパイ本と思って読み出した本書でしたが、おもわぬ日本文化と日本メディア論に遭遇し、改めて日本人のメンタリティを考えさせられる結果となりました。ジャーナルに興味のある皆さん。年末のひと時、もうひとつの日露戦争の裏側を考えてみてはいかがでしょうか。メディアのあり方を考えさせられます。

露探
 「二六新報」の社長である秋山定輔*22は、衆議院議員であったが、「露探」疑惑がもとで議員辞職をすることになる。長山靖生*23の文章を引用してみよう。
 「三月初旬(明治三十七年)、内務省秋山定輔がロシア極東軍総司令官クロパトキンと密かに連絡を取り合ってスパイ行為を働いているとの投書があった。総選挙後に召集された臨時国会で、その投書が議題として取り上げられた。具体的な証拠もない匿名の投書にもかかわらず、議会には『露探・秋山定輔事件調査会』が設置されることになった。それでも結局、秋山は三月二十九日に議員辞職を余儀なくされた。議会において、秋山定輔議員が露探だという証拠はないと認められたにもかかわらず、辞職を促すとの決議が採択されたためだ。理由なき辞職勧告だった。」(長山靖生著「日露戦争*24」P99より引用)
 証拠も何も無く、しかも本人は否定しているにも関わらず、議員辞職が要求された。しかも その発端は匿名の投書だったというから驚く。
 長山氏が言う、「言論に対する弾圧であり、政府の意向次第でだれでも『疑惑』が科せられ得る」という指摘ももっともなことである。

 デマで勝手にスパイだの裏切り者だの扱いしたあげく、辞任に追い込む。我々はこの秋山の議員辞任劇に近い「不祥事」を二つ知っています。
 「田中均氏外務省追放」と「蓮池透氏家族会追放」です。俺はこんな無法に加担した横田奥さんら家族会には何一つ同情しません。むしろ彼らを軽蔑し、憤激し、憎悪しています。

日露戦争時代の「露探」騒動と「嫌韓」騒動の類似点について: 美しい国への旅立ち
■『露西亜のスパイ』80~81頁
■無実の罪を作りあげる露探報道
 このような「露探報道」の過熱は、ロシアへの恐怖と恨みとも絡み、無実の人々をも巻き込んで展開する。
 1904年6月15日、対馬海峡にて陸軍輸送船の「常陸丸」がロシア艦隊に撃沈される。
 この事件がきっかけとなって、現場から近い長崎や福岡といった北九州の地に騒動が持ち上がった。
 長崎では市民が恐慌をきたし、「誰々は露探だ」と騒ぎまわり、ついには雑貨商人の家に数千の暴徒が乱入し、商品を破壊する事件に発展した。同店はロシア皇室の御用を承っており、「『常陸丸』沈没の報に接して祝杯を挙げた」という風聞がたっていた。
 福岡では、ガラス製造業者が露探のレッテルを貼られた。贅沢な暮らしをし、朝鮮人が出入りしているというあやふやな理由からだった。門司では、富豪の旅館経営者が露探と決めつけられ、労働者に襲撃されそうになったところを警官が押しとどめた。
 これら一連の騒動は、ロシアへの恐怖心もあっただろうが、金持ちへの嫉妬という潜在的な負の感情が、戦争をきっかけに暴発したという点で共通している。
 不名誉な”露探疑惑”の目は民間人だけでなく政治家にも向けられた。政府に批判的な論調でしられた『二六新報』の創刊者であり、衆議院議員でもあった秋山定輔は、選挙運動中に露探として攻撃を受けた。
 東京市内のいたる所に、「秋山は露探云々」と書かれたビラを貼られたり、疑惑を指摘する演説会が開かれたのだ。「ロシアから金をもらっている」とのいわれのない中傷も受けた。この騒動の裏で糸を引いていたのは、桂太郎*25首相の側近・大浦兼武*26だったようだ。
 日露戦争によって持ち上がった露探騒動に便乗して、政権にとって邪魔な秋山を落選させようと「秋山定輔は露探であるという途方もない怪説を創作」し選挙妨害を行ったのだ。
 このように、当時の日本には、民間・政界を問わず、憎い相手を露探と決めつけ中傷する浅ましい風潮があった。それはメディアによる煽動で助長され、日露戦争による死傷者が増えるにつれ、さらに激しいものとなっていった。

 桂太郎と安倍の間には「長期政権(それなりに有能な桂はともかく、無能でクズの安倍が長期政権など国辱ですが)」「山口県出身」だけではなく「デマ体質」という共通点もあったわけです。

日本がロシアに宣戦布告をした3日後のこと…|【西日本新聞ニュース】
 日本がロシアに宣戦布告をした3日後のこと。現在の福岡県柳川市で17歳の文学少年が命を絶った。中島鎮夫(しずお)、ペンネームは白雨(はくう)。後に国民的詩人となる北原白秋大親友である
▼白秋の回想によると、鎮夫は神童肌の少年で、語学に堪能だった。英語に加え独学でロシア語も勉強していたことから「露探」(ロシアのスパイ)のぬれぎぬを着せられる。汚名に耐えきれず、親戚の家の押し入れで、喉を短刀で突いた。
 今、学校へ行きたくないと悩んでいる君へ。君がいなくなると悲しむ人が必ずいる。君を傷つける者がいる学校へなど行かなくていい。白秋も友の自殺の後、学校を退学し東京へ飛び出している。

【参考:戦前昭和のポピュリズム

■暴支膺懲(ウィキペディア参照)
 日中戦争における政治スローガン。「横暴な支那(中国)を懲らしめる」という意味。1937年(昭和12年)の盧溝橋事件および通州事件以降は特に用いられるようになり、「暴支膺懲国民大会」が数多く開催された。太平洋戦争開始後は「鬼畜米英」とセットで使われ、「鬼畜米英、暴支膺懲」となった。

今後、野党がさらなる解体や分裂を繰り返すと思われる

 おいおいですね。世論調査で不振が伝えられる国民民主党は選挙後「右派は自民、左派は立民」に行く可能性が大きいでしょうが、「議席増が予想される」立民や「老舗政党*27」共産が分裂や解体することなどまず考えられません。つうか、山本氏について語るにおいて何でこんな野党への悪口をする必要があるのか。三浦らしいゲスさです。つうか三浦だって選挙前に「選挙後に次世代の崩壊は間違いないね」なんて言われたら怒り出すでしょうによくもいったもんです。

 山本太郎という人を「左派」と決めつけないほうがいい。

 そりゃ「右派政治家・小沢一郎氏(元自民党幹事長)が党首の自由党に入党し」、天皇に直訴した過去がある彼は「狭義の左派ではない」でしょう。わかりきったことです。
 ただし彼は一方で極右でもないわけです。そして共産党の辰巳候補の応援演説をする程度には容共でもある。そういう山本氏は三浦のような極右にとって「左派みたいなもん」ではあるでしょう。
 なお、今回のれいわの「選挙結果」及び「その後、山本氏がどう動くか」も一つの注目点ではあるでしょう。たとえば彼が果たして当選するのかどうか。選挙結果が思わしくない場合、れいわの展開を諦め、立民など「立場の比較的近いと思われる政党」に入党しないかどうか。
 過去に「多くの新党(新自由クラブスポーツ平和党日本新党新党さきがけなど)が消滅してきたこと」を考えると必ずしもその当たり「れいわは脅威」と言う三浦ほど、俺は「れいわの未来」について楽観的にはなれません。


習近平を来年「国賓待遇」で迎えていいのか? | 三浦小太郎BLOG Blue Moon

ウイグルにおける人権弾圧、いや、そんな言葉では表現できない民族浄化政策
・私たちに何ができるか、という問いへの答えはなかなか難しい。しかし、私たちが今すぐこのような残酷な中国政府を倒すことはできないかもしれない*28けれど、ここは民主主義国日本なのだから、最低限、自国の政府に訴えることはできる。
・G20の場で、安倍首相が、習近平*29国賓待遇で日本に招くことを発言した
習近平国賓で招くということは、例えばスターリンヒトラーのような政策をしている指導者を国賓で招くということですよ。
・最悪の場合、天皇陛下皇后陛下が、ジェノサイド*30を行っている犯罪者と同席されるような事態になりかねないのですよ*31
自民党を支持する人たちこそ、もし、自民党の党名でもある「自由と民主主義」の価値*32を尊重し、また、保守の立場から各民族の伝統に敬意を払う考え*33をお持ちならば*34自民党に対し、総理総裁ご自身も、また、総理総裁が難しいなら*35各国会議員が、現在のウイグルにおける人権弾圧に対しもっと発信*36してほしいと訴えることが必要です。自民党を支持するというのは自民党の誤った政策に目をつむることではないはずです。

 今の時期にこんなことを書くとは三浦は「来春まで安倍が総理を続けよう*37と、それまでに安倍が総理を辞めて誰かが後釜につこうと」「その誰かが石破元幹事長、石原元幹事長、岸田政調会長のような自民党幹部だろうと、枝野立民党代表のような野党幹部だろうと」もはや「習氏の国賓訪日(G20での日中首脳会談で安倍が来春の訪日を要請したとマスコミが報道)」は不可避とみてるのでしょう。
 そしてそれでも「ウヨとして黙っていられない」。
 まあそもそも先日の「G20での訪日自体」が国賓待遇でしたし、マスコミの「来春、訪日を要請」報道に安倍は抗議してませんから安倍の要請は事実でしょう。
 そして「習氏訪日時期まで」安倍政権が続けばその方向で進むでしょうし、ポスト安倍がだれになるににしたって「安倍総理が決めたことは俺には関係ない」として訪日要請を撤回したりはしないでしょう。
 しかしあの「韓国への不当な嫌がらせ(自民党の誤った政策)」あるいは「モリカケ疑惑(安倍の不正行為)」には何も批判を言わないのだから三浦も呆れたバカです。「中国は日本にとって重要な隣国だから仕方がない」「英仏独だって訪問時は国賓待遇で迎えた」といえる習氏訪日とは違いあんな嫌がらせは「よほどの反韓国か、安倍自民信者でない限り」容認できない無法行為です。

【参考:安倍の習氏訪日要請】

首相、来春の国賓来日を要請 習氏「いいアイデアだ」 :日本経済新聞
 安倍晋三首相は27日、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席大阪市内のホテルで会談した。首相は「来年の桜の咲くころに習主席を国賓として迎え、日中関係を次の高みに引き上げていきたい」と来春の国賓来日を要請した。習氏は「来春に貴国を訪問するのはいいアイデアだ」と応じた。

 しかし中国にはこうした融和的な対応に変わった安倍が韓国にはあれほど敵対的なのはおよそ理解に苦しみます。
 「中国は10億以上の人口で市場として魅力的だけど、韓国はそうじゃないから」とかそういう話なのか。

*1:勿論この場合の「そしる」とは正当な批判ではなく「ネガキャン」「誹謗中傷」のことです。

*2:1989年、筑摩書房

*3:著書『マイケル・ジャクソン現象』(1985年、新潮文庫)、『ジーンズ物語:「アメリカ発世界文化」の生成』(1990年、講談社現代新書)など

*4:1980年代ならこれでも共産党以外の選択肢があったんですがね。

*5:団塊ジュニア(1970年代後半生まれ)の小生が選挙権を得たのは1990年代後半です。この時、既に社会党は自社さ連立政権(1994~1998年)への支持層の反発、旧民主党(鳩山・菅新党)の誕生(1996年)などで退潮傾向にあり、「過大評価は禁物ですが」逆に共産党が「上田耕一郎氏のテレ東「朝ヤン」出演や、それをきっかけとしたテリー伊藤『お笑い日本共産党』の出版(1994年)」「足立区長選での吉田万三氏、狛江市長選での矢野裕氏当選(1996年)」「上田耕一郎『国会議員』(1999年、平凡社新書)の刊行」など、一定の追い風を受けていました。正直、小生の共産支持は明らかに「1990年代後半」という時代の風潮を受けています。

*6:それにしても近年、芸能人政治家は「蓮舫氏」など一部例外を除けば「丸川珠代(自民)」「橋下徹(維新)」など「安倍自民に近いウヨ」が多い中、山本氏のスタンスは実に興味深い。

*7:吉田内閣蔵相、鳩山内閣通産相などを経て首相

*8:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相

*9:片山内閣逓信相、鳩山内閣運輸相、岸内閣科学技術庁長官(経済企画庁長官兼務)、池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、外相、田中内閣副総理・環境庁長官などを経て首相

*10:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣外相を経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*11:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長など歴任。現在、日本国際貿易促進協会会長

*12:中曽根内閣防衛庁長官、宮沢内閣官房長官自民党政調会長(河野総裁時代)、幹事長(橋本総裁時代)を歴任

*13:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相などを経て首相

*14:村山内閣運輸相、森内閣通産相小泉内閣経産相など歴任

*15:竹下内閣官房長官自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相などを経て首相

*16:小泉内閣国家公安委員長財務相福田内閣国交相自民党政調会長(福田総裁時代)、第二次安倍内閣法相、自民党幹事長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*17:そんなものがあったかどうか自体、疑問符がつくと思いますが。

*18:毎日新聞学芸部長、編集局次長、論説副委員長など歴任。2003年4月~2017年3月まで法政大学社会学部教授。『スキャンダルの明治』(1997年、ちくま新書)、『大衆新聞と国民国家』(2000年、平凡社選書)、『熟慮ジャーナリズム :「論壇記者」の体験から』(2010年、平凡社新書)、『幕末明治新聞ことはじめ』(2016年、朝日選書)、『増補 論壇の戦後史』(2018年、平凡社ライブラリー)など,メディア関係の著書多数。

*19:実は俺が図書館で手に取ったのはまさに「どんなスパイが出てくるのかな」と言う完全な誤解でしたがそういう本なのでモノホンのスパイは出てきません。

*20:1834~1913年。日本ハリストス正教会最初の正教徒にして最初の日本人司祭

*21:まるで吉見義明氏不当敗訴のようなひどさです。

*22:1868~1950年。1904年に議員の職を追われた後も1915年、1917年の衆院総選挙や1928年の東京市長選へ立候補し政界への復帰を目指したが、いずれも落選している。しかし、政界の黒幕として、大隈内閣の成立工作、近衛文麿による新体制運動の構築などで活動したとされる(ウィキペディア秋山定輔」参照)。

*23:著書『千里眼事件:科学とオカルトの明治日本』(2005年、平凡社新書)、『奇想科学の冒険:近代日本を騒がせた夢想家たち』(2007年、平凡社新書)、『天下の副将軍:水戸藩から見た江戸三百年』(2008年、新潮選書)、『テロとユートピア五・一五事件橘孝三郎』(2009年、新潮選書)、『戦後SF事件史』(2012年、河出ブックス)、『「ポスト宮崎駿」論:日本アニメの天才たち』(2017年、新潮新書)、『日本SF精神史 幕末・明治から戦後まで(改訂版)』(2018年、河出ブックス)、『帝国化する日本 明治の教育スキャンダル』(2018年、ちくま新書)など

*24:2004年、新潮新書

*25:台湾総督、第3次伊藤、第1次大隈、第2次山県、第4次伊藤内閣陸軍大臣、首相、内大臣など歴任。

*26:島根県山口県熊本県宮城県知事、警視総監、第1次桂内閣逓信大臣、第2次桂内閣農商務大臣、第3次桂内閣内務大臣、第2次大隈内閣農商務大臣、内務大臣などを歴任。しかし、第2次大隈内閣内相時代に選挙違反の嫌疑で取り調べを受けることになり、そこからかつて第2次桂内閣農商務相だったときに二個師団増設案を通過させるために議員を買収していたことが発覚。これで内相を辞任することになり、政治生命を絶たれることとなった(いわゆる大浦事件)。

*27:現時点では「都民ファーストブーム時代の都議選(一応2議席増えましたが)」のような微妙な状況で「議席が増える」と言いきれないところがつらいところです。

*28:極右の三浦ですら「すぐに中国を打倒しよう」とは言わないわけです。

*29:国家主席」「党総書記」といった肩書きを何も付けない当たりが三浦らしい。

*30:少なくとも現時点ではジェノサイド(「ナチスユダヤ人虐殺」「ルワンダツチ族虐殺」のような民族虐殺)など誰も「認定してない」でしょう。強制収容所が事実だとしてもそれは「ジェノサイド」ではありません。それとも三浦のジェノサイド定義は一般とは違うんでしょうか?(当然ながらジェノサイドでなければ問題ないと中国を擁護してるわけではなく、三浦の事実誤認を批判してるだけです)。もしかしたら三浦は「同化=民族文化のジェノサイド(ウィキペディア『ジェノサイド』によればそうした主張も一部にはある)」と言う認識かもしれません。ただし、それだと「明治日本のアイヌ政策や米国の建国初期の原住民政策=民族文化のジェノサイド」になることを三浦がどう理解してるのかが気になるところです。

*31:こういうことを言ってる三浦って現上皇夫婦の「天皇・皇后時代の訪中」はよほど不愉快だったのでしょう。

*32:安倍の独裁体質を容認する極右・三浦が「自由と民主主義」とはよくもいったもんです。大体党名だけだったら、「立憲民主党」「国民民主党」「社会民主党」と「民主」がつく政党は他にもあります。ちなみにロシアのジリノフスキーの極右政党も「自由民主党」ですし、三浦の大嫌いな隣国の正式名称も「朝鮮民主主義人民共和国」です。つまりこんなもんはどれも屋号に過ぎません。

*33:日本の伝統民族(勿論少数民族ですが)アイヌに冷たい男、あの「アイヌ新法」を「アイヌ利権」と誹謗した男ががよくもいったもんです。恥を知れと言いたい。

*34:「自民の議員センセイにいろいろと世話になってるから」というウチの両親が典型ですが「俺の経験上」大抵の自民支持者はそんな「自由民主主義」「保守」イデオロギーで自民を支持してるわけではない。実利益による支持です。自民議員の方も「与党だから自民からでた」程度の「実利益優先」の連中がほとんどでしょう。そうした「実利主義」の彼らが「実利のない」ウイグル問題に興味など持たないのはある意味「当然」です。むしろ「中国ビジネスは大事だから中国国家主席国賓として招くのは当然」と言う「実利」から習主席訪日を歓迎してもおかしくない。まあ三浦ら反中国ウヨだって単に「反共右翼」の立場から中国政府叩きネタとしてウイグルを政治利用してるだけですが。

*35:「総理が難しいなら」だそうです。吹き出しました。なぜそこで安倍をきっちり批判しないのか。

*36:批判と書かず「発信」と「中立的表現(?)」をするのはなぜでしょうか?

*37:勿論俺は一日も早く安倍にやめてほしいですが。「安倍以上の非常識極右」が後任首相になる可能性はまずない(石破も石原も岸田もそこまで酷くないでしょう)のでとにかく安倍にやめてほしい。

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年7/18分:荒木和博の巻)

共通の学校【調査会NEWS3030】(R01.7.18): 荒木和博BLOG
 特定失踪者の中に同じ学校の卒業生がいたところで「年齢が約10歳も違い(当然、入学、在学、卒業の時期も約10年違う)」、「失踪時期も約10年違い」、共通の知人もいないというのではただの偶然でしょう。
 いや仮に百歩譲って「そこに何らかの必然があった」としても「その必然が明らかにできない」のでは何の意味もありません。
 勿論その必然が「北朝鮮工作員」と関係ある、つまりこの失踪が北朝鮮拉致だという根拠はどこにもないわけです。

中には失踪者の家族同士の何気ない会話の中で「あら、その人知ってる」ということだってあります。

 それ単に「世間は狭い」てだけでしょう。

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年7/18日分:高英起の巻)

金正恩がナイショで乗っていた「密輸レクサス」と危ない話(高英起) - 個人 - Yahoo!ニュース
 正直こういう記事を読むと「制裁など意味があるのか」と思いますね。むしろ太陽政策を進めるべきじゃないか。

 調達はロシアの会社を通じて行われたとされ、日本車の内訳は高級車ブランド「レクサス」を含むトヨタ車が211台、日産が43台、三菱自動車が2台となっている。

 「レクサスを含む」ですから大半は日本でいう大衆車でしょう。高級車を211台も輸入するとは思えませんので(勿論北朝鮮では日本の大衆車でも車自体が贅沢品でしょうが)。
 どうでもいい話ですが、「トヨタ、日産」に次ぐ大手「ホンダ」が出てこないのは、購入してないからなのか、はたまた「ロシアの会社」とは別ルートで購入してるのか。

 韓国の情報機関・国家情報院は2017年6月、金正恩氏が米韓による襲撃を恐れて自身の専用車であるベンツを使わず、部下に贈ったレクサスに乗って移動していると国会情報委員会の委員らに報告している。

 「米韓の襲撃」云々が事実なら「米朝交渉も多難」とは思います。北朝鮮が本心では全く米国を信用していないと言うことですから。「2017年6月以降」そうした「米韓への不信」が変わったのなら嬉しいですが。

 こうした北朝鮮のぜいたく品調達の実態は、具体的な事実が明らかになる度に(ボーガス注:話題性もあって、制裁のわかりやすい抜け穴として)メディアの注目を集める。しかし、これはそれほどの大事なのだろうか。
 考えても見てほしい。仮に、北朝鮮に大量の高級時計が輸出されたとして、それで周辺国への軍事的脅威が増したり、北朝鮮の国力が強まったりするのだろうか。金正恩氏が、たとえ最高級スポーツカーを100台揃えてみても、それで米韓連合軍に対抗できるわけではないのだ。
 そして、金正恩氏がぜいたく品に金を使うほどに、北朝鮮は貴重な外貨を失って制裁への抵抗力を弱める結果につながるのである。

 苦しい言い訳ですね。本気で高がそう思うのなら彼は安保理制裁でアレ、日本の独自制裁でアレ、「軍事的緊張を高める軍事物資以外は制裁対象から外していい」「むしろ贅沢品なんか外してかまわない。北朝鮮トヨタ車を100台買いたいなら勝手に買わせればいい」「贅沢品輸入規制のための監視をその分、軍事物資輸入規制に回せる」というべきでしょうが、そうは言わないわけです。
 結局、アンチ北朝鮮分子として「北朝鮮が贅沢品輸入しようが痛くもかゆくもねえんだよ、制裁は間違ってない」といいたいだけでしょう。

 それよりも、よほど「危ない話」はほかにある。北朝鮮は5月、2回にわたり「戦術誘導兵器」の発射訓練を行った。この兵器の正体は短距離弾道ミサイルで、外観も飛行特性もロシア製弾道ミサイル「イスカンデル」と酷似しているとされる。

 それが事実として「ロシアミサイルのコピー」なんでしょうね(高が言うほどこのミサイル開発が「危ないかどうか」はともかく。当たり前ですが、北朝鮮の国力を考えれば彼らから開戦することはまずあり得ません)。
 つまりはロシアは北朝鮮を支援してるわけです(ロシアからの技術協力なしにはコピーは困難でしょう。ロシアの技術者が協力するほど深入りしてるかはどうかはともかく、少なくともミサイルがロシアから北朝鮮に提供されたことは確かでしょう)。少なくともロシアは北朝鮮体制打倒論にはたっていない。
 それで北朝鮮が打倒できるのか。今更言うまでもないでしょう。中国も北朝鮮を支援していますし。
 そこで「中露ごと打倒する」つうのは現実的ではない。
 なお「イスカンデル発射実験」は
1)「北朝鮮は外交交渉を希望している」が米日韓の態度によっては、いざとなったら軍事的対応もあり得る、軍事的対応を完全に捨てたわけではないと言うアピール(ただし長距離ではなく、短距離ミサイルにとどめ、米日韓の必要以上の反発をかわない)
2)ロシア製ミサイルのコピーということで「ロシアとの友好」をアピール
でしょうね。
 たぶん事前にロシアにもある程度、話はしてるんじゃないか。
 ロシアの同意もなしに「ロシアミサイルのコピー」を発射したらロシアから「ウチが米国から非難されるじゃないか!」と抗議されかねませんからね。
 とにかく北朝鮮は彼らなりに計算してるわけで、無神経にミサイル発射してるわけではないでしょう。