今日の産経ニュースほか(5/20分)(追記・訂正あり)

朝鮮学校補助金「政府方向性と異なる」 拉致問題関係者ら批判 千葉
http://www.sankei.com/region/news/150520/rgn1505200065-n1.html
 拉致の解決に「朝鮮学校いじめ」がどう役立つのか。巣くう会と家族会はいい加減にしろと言いたいですね。


■【党首討論 安倍VS志位(1)】安倍首相「村山談話、小泉談話を全体として受け継いでいく」 志位委員長「間違った戦争との認識あるか?」
http://www.sankei.com/politics/news/150520/plt1505200051-n3.html

志位
ポツダム宣言は日本の戦争について、第6項*1と第8項*2の2つの項で、間違った戦争だという認識を明確に示している。首相にお尋ねする。ポツダム宣言のこの認識を認めないのか。端的にお答えください」

 この志位質問に

安倍
「私はまだその部分をつまびらかに読んでおりませんので、承知はしておりませんから、ここで直ちにそれに対して論評することは差し控えたいと思う」

などと答え志位氏から「ポツダム宣言の認識を認めないようで国際社会でやってけるのか」とやり込められた安倍です。
 まさか「本当に読んでない」わけもないでしょう。「ウヨ支持層の手前」、ポツダム宣言の認識と同意見と言えず、とはいえ国際社会(特に米国)の事を考えれば「違う意見」とも言えず、こうなったのでしょうが詭弁にしてもレベルが低すぎます。
 ちなみに質問翌日の赤旗記事。
赤旗『“「ポツダム宣言」を読んでいない”、首相の資格なし、党首討論後 志位委員長が会見』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-21/2015052102_01_1.html
 本当に読んでないにせよ「読んでるのに読んでないと詭弁で逃げた」にせよ、およそ首相の言う言葉じゃないという当然の批判です。まあ、さすがに安倍も読んでるでしょうし、志位氏も「ただの詭弁」だと思ってるでしょうが。

【追記その1】
 さて安倍が「ポツダム宣言についてよく知らないので答えられない」という無様な逃げをしたので、志位氏も彼をやり込めたわけですが、もし安倍が「もちろん私はポツダム宣言の内容を正当な物と認めます」と答弁していたら志位氏はどう追及したのか。
 それが想像できる記事が以下の記事です。

http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000050916.html
 共産党が明らかにしたところによりますと、2005年発行の雑誌の対談で、安倍総理は「ポツダム宣言というのはアメリカが原爆を落とし、日本に惨状を与えた後、『どうだ』とばかりにたたき付けたものだ」と語っていました。そのうえで、「あたかも自分自身が戦勝国であるかのような態度で日本の総理を責め上げる。大変な違和感を覚えました」と述べています。志位委員長は、「戦勝国が勝手に突き付けたものであって、破り付けたいというのが安倍氏の本心だ」と指摘しました。

 安倍が「もちろん私はポツダム宣言の内容を正当な物と認めます」と答弁していたら、志位氏は「あなた、2005年の雑誌*3ではポツダム宣言に悪口雑言じゃないですか。2005年の認識と今答弁された認識は矛盾しないのか。2005年の認識を今でも保持してるのか。お答え下さい」とでも言っていたんでしょうね。


【追記その2】

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-22/2015052202_02_1.html
 志位委員長は21日の記者会見で、安倍首相が自民党幹事長代理だった2005年当時、『Voice』7月号の誌上対談で「ポツダム宣言というのは、アメリカが原子爆弾を二発も落として日本に大変な惨状を与えたあと、『どうだ』とばかり叩(たた)きつけたものです」とのべていたことを示し、「政治家として根本的な資質が疑われます」と語りました。
 問題の発言は、「ポツダム宣言」にふれて小泉純一郎首相(当時)の靖国神社参拝をただした民主党衆院議員を批判するくだり。「ポツダム宣言」について先のようにのべたあと、「そんなものをもちだし、あたかも自分自身が戦勝国であるかのような態度で、日本の総理を責めあげる。大変な違和感を覚えました」と語っています。
 こうした発言について志位氏は「事実誤認があります」と指摘しました。「ポツダム宣言」が発せられたのは1945年7月26日、日本が受諾通知したのは8月14日、公式調印したのは9月2日です。他方で原爆投下は8月6日と9日だからです。
 志位氏はこの時系列を端的に示し、「二つ原爆が落ちたあとに叩きつけたものではありません。一連の発言をみると本当に(ポツダム宣言を)読んでなかったことがうかがわれます」とのべました。
 「彼にとっては、(ポツダム宣言は)戦勝国が勝手な要求を突きつけたものであって、『破り捨てたい』というのが本心だと思います。それを言うわけにいかず、あのような(=読んでいない)答弁になったのかなと思います」とのべました。

ポツダム宣言を無視→原爆投下→受諾」と言う流れを安倍がネグるのは「無視しなければ原爆投下はなかった」という批判をかわしたいからでしょう。さすが河野談話を否定しようとする歴史捏造主義者です。
 まあ、安倍が宣言を読んでないというのはさすがにないでしょうが、あの無様な答弁を見るに、「志位氏のようにきちんと突っ込まれたときに反論出来るほど考えをまとめてない、その場の感情で物をいってる」てのもまた事実なんでしょうね。


■【主張】維新の党 再出発へ鮮明な旗掲げよ
http://www.sankei.com/column/news/150520/clm1505200002-n1.html
 維新が橋下の市長辞任表明、江田の代表辞任でどうなろうと、「維新機関紙ではないはず」の産経にとってどうでもいいはずですが、「安倍同様」維新に自民応援団を期待していた産経にとっては今後の維新の動向が不安なんでしょう。

 注目したいのは、維新の会当時からの憲法改正路線を堅持するかだ。
(中略)
 自民党や次世代の党など他の改憲勢力との連携を模索する路線をとってほしい。

と露骨に「維新への要望(今後も安倍応援団でいてくれ)」を書いています。


■【産経抄】けったいな連れ合い 5月20日
http://www.sankei.com/column/news/150520/clm1505200004-n1.html
 産経コラムには「作家・車谷長吉氏(享年69才)の死因」は書いてありませんが、報道に寄れば「誤嚥による窒息(食べ物が気管に詰まったと言う事でしょう)」だそうです。年齢が「横田夫妻くらいの高齢」なら充分あり得ることでしょうがやはり「69才で誤嚥」というのは相当体調が悪かったんでしょうね。何とかならなかったんだろうかとは思います。


■【主張】被爆地訪問 中国の横やりにあきれる
http://www.sankei.com/column/news/150520/clm1505200003-n1.html
 もちろん中国のこの行為に俺も賛同はしません。ただ「中国の要望だけでこうなった」のか。そうではないでしょう。
 核保有国にとってはおそらく中国の提案は「万々歳」であったのであり、「中国批判だけする」というのもあまり建設的じゃありません。

中国は先の大戦を持ち出し、日本を「侵略国家」と誹謗(ひぼう)する歴史戦を執拗(しつよう)に仕掛けている。

 やれやれですね。誹謗じゃなくて事実じゃないですか。この産経の文章、どう見ても「過去は侵略国家だったが今は反省した」と言う文章ではなくて「そもそも侵略してない」と言う居直りとしか読めません。

米露中英仏の5つの核兵器国のうち、核戦力の増強を進めているのが唯一、中国であることも併せて認識しておきたい。

 この産経の指摘が事実か知りませんが、「一番核保有数が多いのは米露で数1000発単位」「中国は数百発単位」ということ(たとえばウィキペディア「核保有国の一覧」参照)を考えれば産経が言うほど中国を脅威視するのはどうなんですかね。

*1:『吾等ハ無責任ナル軍国主義カ世界ヨリ駆逐セラルルニ至ル迄ハ平和、安全及正義ノ新秩序カ生シ得サルコトヲ主張スルモノナルヲ以テ日本国国民ヲ欺瞞シ之ヲシテ世界征服ノ挙ニ出ツルノ過誤ヲ犯サシメタル者ノ権力及勢力ハ永久ニ除去セラレサルヘカラス』という文。

*2:『「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルヘク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ』と言う文。なお、カイロ宣言は『日本国ヨリ千九百十四年ノ第一次世界戦争ノ開始以後ニ於テ日本国カ奪取シ又ハ占領シタル太平洋ニ於ケル一切ノ島嶼ヲ剥奪スルコト並ニ満洲、台湾及澎湖島ノ如キ日本国カ清国人ヨリ盗取シタル一切ノ地域ヲ中華民国ニ返還スルコトニ在リ。日本国ハ又暴力及貧慾ニ依リ日本国ノ略取シタル他ノ一切ノ地域ヨリ駆逐セラルヘシ。朝鮮ノ人民ノ奴隷状態ニ留意シヤガテ朝鮮ヲ自由且独立ノモノタラシムルノ決意ヲ有ス』としている

*3:どうもウヨ雑誌『Voice』(PHP研究所)のようです