「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(1/14分:高世仁の巻)(追記・訂正あり)

■高世のツィートに突っ込む

高世仁リツイート
Lupin ‏@gemcambodia · 3月9日
 ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき私は声を上げなかった
 私は共産主義者ではなかったから
 ナチスユダヤ人を連行して行ったとき私は声を上げなかった
 私はユダヤ人ではなかったから
 そしてナチスが(ボーガス注:牧師の)私を攻撃したとき私のために声を上げる者は誰一人残っていなかった
ニーメラー

 高世が何でこんなリツィートしたのかといえば
■産経『政府が「共産党破防法調査対象」と答弁書閣議決定
http://www.sankei.com/politics/news/160322/plt1603220039-n1.html
への高世流パフォーマンスでしょう。
 政府の反共主義を批判してるように偽装してるわけです。自ブログ(http://d.hatena.ne.jp/takase22)で「今時破防法とかアホか」とこの件について何一ついわない時点で、ある意味「ショーンKの学歴詐称なんてどーでもいい事をブログネタにしてる」時点で、「反共主義者」高世が本気でこの件で自民党批判する気はないでしょうが。
 それにしても、やれやれですね。「共産主義者ユダヤ人」を「朝鮮学校朝鮮総連」、「ナチス」を「安倍自民」に書き換えた場合「朝鮮学校差別に荷担する高世」は「ただ沈黙していたニーメラー」よりも「愚かでかつ罪深い」という認識は高世にはないようです。ニーメラー的認識を持つのなら、朝鮮学校に批判的意識を持っていようが「朝鮮学校への不当な弾圧」には反対すべきでしょう。批判することと弾圧することと全然違う。しかし、高世にはそう言う常識はない*1ようです。
 そして「日本共産党」ならさすがに「破防法云々」を支持しない高世も「朝鮮総連」なら平気で支持するんじゃないか。
 まあ、高世はおそらく「安倍自民が自分を攻撃することなどない」と思い込んでるのでしょうけど。
 高世の自民党非難なんて所詮「テレビ局の下請けがなくならない程度の寸止め行為」ですもんねえ、そうですよねえ、高世さん(毒)。
 高世も「悪い意味で」何ともおめでたい男です。


鬼海弘雄氏の人が好きになる写真
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160402
 最近の高世が「とてつもなく変な事」を書かないので突っ込めなくて困ります(苦笑)。

尊敬するのが同郷*2の写真家の鬼海弘雄*3だ。

 写真家でない高世が何をどう尊敬するのか分かりませんが「尊敬する人がいる」というなら「横田めぐみさんは生きている、と根拠レスで放言する」などの愚行はやめてほしいもんです。

まず、彼の写真がすごい。ぜひ一度見ていただきたい。

 まあ、写真は感覚的なもんですからねえ。正直、「鬼海氏のような芸術家の写真」と「新聞や雑誌の写真(芸術家の写真もありますが必ずしもそうではない)」の違いがよくわかりません。素人にとってはどっちもスゴイ写真のわけです。つうことで小生は彼の写真は見ないでしょう。仮に見ても価値が分からない。当然写真集を買ったりしない。つうか高世がこの記事で写真を1枚紹介していますが見ても何がどういいのかさっぱり分かりません。    

参考

http://www.shinichiuchida.com/2004/05/dazed-japan.html
 鬼海が写真家となるまでにたどった道筋は、決して一直線ではない。1945年、山形県の農村で生まれた彼は、地元の高校を卒業した後に県職員として働き始めた。だが、これは長続きしなかったらしい。
「そこで自分がこの先どんな生き方をおくるかが、もう丸見えのような気がした。それで、今までやってきた“実務”から一番遠いものは何だろうと考えていたら、哲学っていうのがあるらしいぞ、となったわけです」
 退職した鬼海は、上京して法政大学文学部の哲学科に進む。師事した哲学者、福田定良*4の存在は、彼にとって刺激的だったようだ。
「いわゆる哲学研究者と違って、自分のことを自分で考えるおもしろさ、その本質を教えてくれた。学校の先生としてはすごくラディカルだったのだろうけど、その人につかまった感じです。私みたいなのは、格好の実験材料だと思ったのか……?」
 鬼海は彼との対話のなかで「考えることがいかにおもしろいか」に気付かされたという。一方で「もしあの先生に出会わなかったら、グレずに真っ当な会社員になっていたとも思う」との言葉通り、鬼海は大学卒業後も就職せず、自分に合った表現方法が何かないかと思いを巡らせていた。それでも、考えているだけでは食べていけない。トラック運転手、職工、マグロ漁船の乗組員など、さまざまな仕事で生活資金を稼ぎ、食いつないでいた。そんな迷いの中にいるとき、ダイアン・アーバスの写真集に出会ったという。
「何度見ても見飽きない写真、というのを初めて知った。自分の内面を掘り起こさせ、会話へと引き込む写真だった」。
 写真なら1人でも撮れるし、自分でも、押せば何か写るかもしれない。彼はモノクロのプリント技術を学びつつ金も稼げる現像所で働き始める。


■自分らしさとは、心地いい芝生?
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160330

若い人には、「むりやり他人との違いを出そうとしなくていいよ」と言ってあげたい。

 若くない小生ですが、高世の主張は確かにある意味正論でしょう。高世発言は若者の心の負担を軽くしたいという「オッサンの善意」と好意的に理解しておきますが、若者にとってはおそらく「そんな事言ったってねえ」て感想でしょうね。
 何で若者が「他人との違いを求めるのか」といえば「他人との違いがなければいい学校に進学できない、いい会社に就職できない」「他人との違いがなければ世間から駄目人間扱いされる」と若者が思ってるからじゃないですかねえ。実際そう言う風潮があるように思いますし。
 そこで「無理しなくていい」と言われても「無理しなきゃ生きていけないんだ」と反発されるんじゃないですかね。まあ、構造は「サラリーマンの過労死」と同じですよね。「死ぬまで働くなよ、休め」というのは正論ですが「そんな事言ったってねえ」のわけです。

 こんなエピソードが思い浮かぶ。
 「日本らしいサッカー」ができなかったから負けた、という解説をよく聞く。それって「日本らしい」が目的になっていはしないか。勝つことが大事なのに。
 昔、将棋界に森安秀光という強豪棋士がいた。1984年に将棋の名人戦の挑戦者になり、谷川*5に4対1で敗退したが、勝負どころで長考し、敗着を指す。それを振り返って「自分らしい手」を指そうとしたと言ったのを覚えている。最善手を指そうとするだけでいいのに。

 いやいやここでの「日本らしいサッカー」「自分らしい手」は「勝つことが前提の話」でしょう。
 もっとわかりやすく言えば「日本の長所を生かした勝つ見込みの高いサッカー*6」「森安氏の長所を生かした勝つ見込みの高い手*7」でしょう。「負けても自分らしさが出せればいい」なんて話では最初からない。
 つうかこれは、相手(日本の対戦チームや谷川)が日本サッカー代表チームや森安氏の長所を封じ込めた(少なくともそのように日本サッカー代表チーム関係者(選手や監督、コーチなど)や森安氏は思ってる)つう話じゃないんですかね。まあ、実際どうなのかはわかりません。
 「いつも通りの戦い方」をしたのに負けたので「俺の長所が出せなかった」と思ってるだけで本当はいつも通り「長所が120%だせた」けど相手が超強敵だったので負けただけかも知れない。本当は「もっと長所を伸ばすか、短所をなくすべき」であって「いつもの長所が出せなかった」と思うのは認識として間違ってるかも知れない。ただ日本サッカー代表チーム関係者や森安氏は「いつも通り闘ってれば勝てたんじゃないか」とでも思ってるんじゃないかと言う事じゃないか。
 つうか「日本の相手チーム」はともかく、「最近は力が衰え引退が見えてきた谷川」ならともかく、全盛期(1984年)の谷川相手に勝って名人位を奪うなんて事はそうそうできることではありません。負けた森安氏は悔しいでしょうが、素人から見れば挑戦者になっただけでもすごいわけです。
 どっちにしろ高世の持ち出したエピソードは

・むりやり他人との違いを出そうとしなくていいよ
・勝つことが大事なのに

なんて話にはならないでしょう。


原発は「次なる人災が起きるのは必定」
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160329
原発事故はマニュアル無視災害
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160327
の続編です。
 「電力会社や政府に事故予防するまともな意思や能力があるとは思えないから次なる人災が起きるのは必定(松原教授)」という話です。まあ、「原発の危険性」を考えれば「どんなに予防しようとしても事故を防ぐのは困難で脱原発が最も現実的」と思いますがそれはさておき。松原教授はなかなか面白い指摘をしています。

 「原子力損害の賠償に関する法律」(原賠法、1961年制定)第3条は、株式会社である電力会社に対し例外的に原発の運転から生じた損害賠償に限っては事業者(電力会社)に過失の有無にかかわりなく無限の損害賠償責任を課している。
(中略)
 ところが原発事故処理にかんしては被害者への損害賠償が最優先事項であり、しかも廃炉まで併せて電力会社一社に負わせるならば倒産してしまう可能性が高いため、第3条にはただし書きが付いている。「ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるときは、この限りではない」というのである。

 松原教授が言うように「賠償責任」は通常は「過失責任」です。
 ところが
1)「原発事故では過失責任にした場合不具合だ」という判断から「原則無過失責任」とされ、
2)しかし「常に無過失責任だとそれもまた不具合」という判断から「ただし異常に巨大な天災または社会的動乱(内戦とか?)」の場合は「過失責任」にするというややこしい法制度になってるわけです。
 当然「通常の場合と違う」こうしたややこしい制度になるのは「原発が危険だから」です。「こんなややこしい制度を作るほど危険な代物を稼働することに意味があるのか、稼働が必要なのか、原発以外の発電方法では駄目なのか」という意見(松原氏もそうした意見のようですが)が「福島事故後」に強まるのは当然でしょう。

 「週刊ポスト」が安田純平さん*8が拘束される前に、トルコで入手した重大資料について書いた。
http://www.news-postseven.com/archives/20160326_397190.html
 この「重大資料」とは何か。
 ある武装勢力がISの基地を攻撃し、そこに遺棄されていた「ブツ」を捕獲、それが密かに出回っていたのを安田さんが知った。安田さんからこの資料について相談された私は「非常に貴重なものだから高額を支払ってもすぐに入手すべし」とアドバイスした。

「ブツ」を「北朝鮮拉致被害者」と書き換えれば高世の言う

「非常に貴重なものだから高額を支払ってもすぐに入手すべし」

北朝鮮拉致被害者を取り戻すためには北朝鮮に経済支援すべきじゃないか」

という話になるでしょうが何故かそれを否定するのが高世です。高世は「あんたが拉致問題で言ってることと、このブツの話と全然違う。あんた言ってることが信用できねえよ」と批判されたらどう応答するのか。
 まあ、「安田氏が手に入れたらしいブツ」に限らず普通の人間は「欲しい物はどんな手(違法手段は除く)を使ってでも手に入れたい」と思うでしょう。
 拉致問題でそうした考えを否定する高世や巣くう会はわけがわかりません。いや本当は「わけはわかる(つまり連中にとって北朝鮮への嫌がらせが何よりも大事だと言う事)」のですが、そう言う連中が「拉致の解決を希望する」と語るのは悪質なデマです。
 なお、一番わけがわからないのは「北朝鮮への経済支援というオプションをいかなる形でも否定する」拉致被害者家族会です。彼ら家族会ももはや「北朝鮮への嫌がらせが何よりも大事」なのか。本心では生存拉致被害者などもはやいないと思い、だから嫌がらせに走るのか。


原発事故はマニュアル無視災害
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160327

25日の東京新聞夕刊に載った松原隆一郎*9・東大教授の論考「原発の人災 必ず再発〜責任体制に不備」が興味深かったので紹介したい。

 最後が「つづく」となっており松原コラムの紹介も途中ですので、高世のコメントがつくのはまだ先のことでしょう。まあ現時点でも「高世が紹介した」松原氏の論調(原発が仮に必要だとしても、電力会社の福島原発事故対応はお粗末であり、かつ現在に至ってもその反省も感じられずとても現状を容認できない)や普段の東京新聞の論調から「コラムの内容が厳しい原発批判」であることは予想ができますが。


■テロ組織と交渉する米国の新方針、どうする安倍首相
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160326
 「テロ組織と交渉せよ」という高世の主張に小生は異論ない。つうか日本は「よど号ハイジャック事件(佐藤*10政権)」「ダッカ事件(福田*11政権)」ではテロ組織と交渉しているわけです。よど号では「北朝鮮行き」を認めたし、ダッカでは「赤軍派の釈放と身代金支払い(いわゆる「人命は地球より重い」という考えによる超法規的措置)」をやってるわけです。
 それはともかく、高世の問題点は「その理屈なら、拉致解決のために、北朝鮮との交渉を高世は主張すべきではないのか、制裁になど反対すべきではないのか」つうことですね。
 「何故、北朝鮮とテロ組織で対応が違うのか」と高世は質問されてまともに返答できるのか。こういうところが小生が高世という人間をまるきり信用できない点ですね。
 結局「高世のつきあってる人間には何故かテロ組織との交渉を支持する人間と、北朝鮮への制裁を支持する人間*12が多い」てだけの話でしょう。
 「何故、北朝鮮とテロ組織で対応が違うのか」は、高世の「くだらない世渡り」でしかない。

 ジェームズ・フォーリー氏は2014年8月、ISIL支配地のシリア北部ラッカにおいて斬首され殺害された。母親のダイアン・フォーリーさんは米ABCテレビで ホワイトハウス国家安全保障会議NSC)の幹部から繰り返し、身代金を支払うのはテロを支援することを意味すると言われたと明らかにした、という。ダイアンさんはテレビで「3回脅された。その言葉を聞いて、とても怖くなった。(身代金を支払えば)訴追すると言われた」と述べたという。
 そのような脅しを受けて、フォーリー家はオンライン上で行っていた身代金のカンパを中止したという。

 普通に考えて「人質の家族」の対応は「フォーリー家のようなもの」でしょう。逆に「対北朝鮮経済制裁」を主張する家族会の態度はおよそ理解ができません。


■縁に随ってまさに従容
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160325
 今日は良寛ネタだそうです。
 まあ実際の良寛がどうなのかは知りません。しかし「良寛伝説」での良寛は「男はつらいよ」の御前様*13笠智衆*14)を連想させる好々爺イメージではあります。日本人に愛されるキャラとは言えるでしょう。小生もこういうキャラは嫌いではありません。まあ、「本当に自分の近くにいたら」あまりにも俗人離れしていていろいろと不快になることがある気もしますが。

http://park3.wakwak.com/~mitsurin/takenoko.html
良寛さまとタケノコ
 良寛さまがふと床下を見ると、タケノコが地面から顔を出していました。
 そのタケノコはもうすぐ床板に頭がとどきそうです。
「かわいそうに。このままでは伸びることができないじゃろうに。」
 そう思った良寛さまは近所の農家からかなづちを借りることにしました。
 タケノコにはクワと決まっているのに、かなづちを借りたいという良寛さまの言葉を農家の人は不思議がりましたが、こころよく貸してあげました。
 さて、五合庵にもどった良寛さまは早速床板をかなづちではがしてあげました。
「これでよい。思う存分伸びなされ。」
 良寛さまはうれしそうな顔でそう言いました。
 タケノコはぐんぐん伸びました。
 十日ほど経つと、こんどは屋根にとどきました。
 それを見た良寛さまは、今度は屋根のむぎわらを抜いて、屋根に穴をあけそこからタケノコが伸びていけるようにしてあげました。
 家の中に生えたタケノコのそばにすわって、まじめにそれをながめていた良寛さまの様子を見た近所の農家の人は、あいた口がふさがらなかったそうな。
 心やさしい良寛さまの一面が伝わってくるお話です。

子どもだけでなく、竹の子までが愛おしくて仕方がない(良寛と竹の子のエピソード)

と高世が言うのが上のエピソードです。さすがにこれは伝説で事実じゃないでしょうし、仮に事実だとしても常人にはまねできる話でもないですが(まねしたいとも思いませんが)。
 まあ、いずれにせよ良寛が「子ども好きであったこと」そして「高僧でありながら、腰の低い、庶民に敬愛される人物であったこと」それ自体は事実なのでしょう。

良寛ウィキペディア参照)
 良寛は、「子どもの純真な心こそが誠の仏の心」と解釈し、子ども達と遊ぶことを好み、かくれんぼや手毬をついたりしてよく遊んだという(懐には常に手毬を入れていたという)。名書家として知られた良寛であったが、高名な人物からの書の依頼は断る傾向があったが、子ども達から「凧に文字を書いて欲しい」と頼まれた時には喜んで『天上大風』(てんじょうたいふう)の字を書いた(現在でもその凧は残っている)。
 ある日の夕暮れ時にも、良寛は隠れん坊をして子ども達と遊んでいて、自分が隠れる番になり、田んぼにうまく隠れた。しかし、日が暮れて暗くなり子ども達は良寛だけを探し出せないまま家に帰ってしまった。翌朝早くにある農夫が田んぼに来ると、そこに良寛が居たので驚いて問い質すと良寛は「静かに!そんな大声を出せば、子ども達に見つかってしまうではないか」と言ったという。このような類いの話が子ども向けの童話として紹介されることで良寛に対する親しみ深い印象が現在にまで伝えられている。


コンサルタントをキャスターにしてはならない
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160324

 ダイヤモンドオンラインに竹井善昭氏*15が「ショーンK問題の本質は「経営コンサルを報道キャスターにしたこと」だ」を寄稿している。
http://diamond.jp/articles/-/88210
《そもそも経営コンサルタントを報道番組のキャスターに起用しようとする、その考え方自体が間違っていたのだ。つまりフジテレビは、報道番組とは何か、キャスターとは何かということがまったく分かっていなかったのである。
 というのも、「報道番組のキャスターはCMの仕事を受けない」ことが原則だからだ。政府や行政機関、あるいは大企業の不正を暴き追求することがジャーナリズムの大きな使命であるからこそ、報道番組の顔であるキャスターはどこかの企業から金をもらって、その企業や商品の顔となることは許されない。だからこそキャスターはCMの仕事は引き受けない。かつての人気キャスターである筑紫哲也氏も久米宏氏も受けなかった。
(略)
 クライアントの経営に深く関わる経営コンサルタントが、報道番組、特にCM収入で成り立っている民放のニュース番組にキャスターとして登場するのは大きな問題だ。もし、自分のクライアントの競合他社が、自分の番組の提供スポンサーになったらどうするのかなど、職業倫理的に言っても問題がある

 竹井氏のおっしゃるとおり「経営コンサルをキャスターにすべきではない」とは思います。とはいえショーンK問題の本質は「あえて言えば」そこにはないでしょう。いや竹井氏の問題意識がこれから俺が言う「俺が考える問題の本質」と関係ないかといえば「俺も竹井氏もテレビ局がまともにコメンテーターやキャスターを選んでるとは思えない」と言う意味ではある意味「共通点はあります」が。
 俺が思う「本質その1」は「極端な学歴崇拝」ですね。学歴がどうでもいいとは言いませんが「学歴が良ければいいキャスター、コメンテーターなのか」。そうではないわけです。「極端な学歴崇拝」がなければショーンKも経歴詐称はしなかったでしょう。
 俺が思う「本質その2」は「何を根拠にキャスターを選ぶのか」ですね。「学歴とかイケメンとか大衆的人気とか」ではなくて「俺はAさんの識見を評価してるから選んだ」とか「Aさんの本業での実績を評価してるから選んだ」とかなら「ショーンK氏の経営コンサルタント業」について

文春報道によって、ショーンK氏が本当に経営コンサルタントとして仕事をしていたのか大きな疑問が沸き起こっている

なんてことはありえないわけです。
 例えばフジは「ショーン氏の代わりに選んだモーリー某」について「何故選んだのか」と聞かれてまともに返答できるのか。リテラの記事(http://lite-ra.com/2016/03/post-2083.html)に寄ればモーリー某は「国際ジャーナリスト」を自称しているものの、ジャーナリストを名乗れるような実態はなく単に「ラジオDJが好き勝手に国際政治ネタで放言してるに過ぎない」わけです。
 ご本人、「国際ジャーナリスト」を自称してなかったとは思いますが「朝日の元ワシントン支局長・筑紫哲也氏」「海外取材経験を元にした著書*16がある本多勝一*17」などの方がよほど「国際ジャーナリスト」でしょう。 
 「ジャーナリストの実績などない奴がジャーナリストを自称してる」上、あげくそれが「安倍万歳という極右的かつ権力追従的なもん」というんだからお話になりません。そもそもショーンkは「その主張の是非はともかく」モーリーと違い「極右でも安倍万歳芸人でもない」のだから「お前ら何を根拠にキャスター選んでるのよ、その識見じゃねえのかよ?」て話です。
 俺の考える「本質その3」は竹井氏の指摘とも一部かぶりますが「キャスターの政治的中立性」ですね。キャスターは「無色透明な中立」ということは人間である以上、ありえない。ただ「政府審議会委員を引き受ける」「TVCMに出演する」などの「政治的公平性を疑われる行為」はやめるべきでしょう。
 そういうことがやりたいならキャスターを辞めるべきでしょう。しかしそういう認識がなければ竹井氏が言うように「政治的公平性が疑われる職業」経営コンサルをコメンテーターやキャスターに使うことに疑問はないわけです。そもそも「報道番組と言うよりは報道色のある情報バラエティ」でしたが「朝ズバ!」のキャスターとして、テレビCM出演していたみのもんた氏を使っていたのが日本のテレビ局なんだからテレビ局の連中にその種の敏感さはないでしょう。竹井氏の言う「筑紫氏や久米氏はCMに出なかった」というのはあくまでも筑紫氏、久米氏個人や彼らとつきあってるテレビ局員などの価値観に過ぎないわけです。

 この騒動に関係して、安倍晋三首相自身が学歴詐称していることを取り上げた記事もある。
 http://lite-ra.com/2016/03/post-2079.html
 私は小泉元首相も安倍氏や麻生氏もみな留学歴を偽っていることをだいぶ前に書いた。   
 ■偽りのキャンパス
 http://d.hatena.ne.jp/takase22/20080915
 彼らのケースが追及されないのはなぜか。

 「権力者だから」でしょうね。不快な話ですが。本多勝一氏のエッセイにも「悪質な犯罪ほど『合法的である』*18」とか何とか言う皮肉なタイトルのエッセイがあったと思います。
 「万単位で人を殺す」ような悪質な行為は「戦争や虐殺」でもなければあり得ず、そういったことは「権力者でなければできない」わけです。でそうした権力者は権力者であるからこそ「法の追及を免れる」と。
 「スターリンの粛清」「ピノチェト*19の反体制派虐殺」なんてもんは「道義的非難はあっても」彼らは生前、法では裁かれなかったわけです。法で裁かれない以上「合法である」と居直ることは一応可能なわけです。


■偽りのキャンパス
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20080915

 福田総理はなぜ辞めたのですか?
 今回、アメリカで識者に会うたびに聞かれて、とても恥ずかしかった。福田氏も、結局、安倍氏と同じく「嫌になったから」総理を辞めた。

 安倍はともかく福田氏は「そんなことはない」でしょう。福田氏は「福田おろしに抵抗できない」「対抗したらかえって政治力を失う」と思ったから辞めた。安倍とは大分性格が違います。つうか、「それなりにまともな政治家」である福田氏を「日本史上最低最悪の総理」安倍と同一視するなど福田氏に失礼です。
 つうか福田氏の場合「辞めたことを非難する」のはあり得ても安倍の場合、非難されるのは「辞めたこと」じゃなくて「辞めた時期」でしょう。安倍が辞めたこと自体は何ら問題ない(つうか辞めるべき)。
 参院選敗北後に辞めればいいものを「国会での首相演説後の辞任」なんて馬鹿な事をすれば非難されるのは当然です。


金正日体制は平和的に打倒すべきである
http://exodus.exblog.jp/3924376/
朝鮮総連をつぶせ、はヘイトスピーチではない
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160322
で高世が自信満々に持ち出してたこの記事にも突っ込んでみます。なお「この記事を書いた当時(2004年)の高世」や「高世が記事内で紹介する三浦小太郎」は打倒論を唱えるにしても「平和的に」と言い訳する程度には常識があったわけですが、今はどうかはわかりません。俺の勝手な独断ではありますが、最近の高世、三浦らウヨ連中は「非平和的な打倒(軍事的打倒)」も認めてるんじゃないかと思いますね。

北朝鮮金正日体制を「極めて特異な国家類型としての全体主義」であると規定し,その特徴を「あらゆる合目的的な考慮を徹底して無視」するような「何ものもそれと共存することができない唯一の統治形式」であることを示して,このような全体主義国家に対しては「譲歩や国際的威信によって正常な国際関係に引き戻すことは不可能」であり,「最終的には打倒するしかない」という結論に至る.

 まあ、高世ファン(俺のようなアンチも含む)ならおなじみの北朝鮮打倒論です。北朝鮮をそこまで敵視する理由も、外交交渉による拉致問題解決を目指さない理由も、「中露が支援してるのに北朝鮮が打倒できると思える理由」もさっぱりわかりません。
 もちろん小生が以前指摘したように「小泉訪朝を受け入れ、蓮池夫妻らを帰国させた北朝鮮」は充分「合理的な国家」であり交渉は充分成り立ちます。つうか交渉以外に拉致の現実的解決ってありませんが。
 高世のように「打倒北朝鮮」と叫ぶのは「あの国に生存拉致被害者はいるが拉致解決はあきらめた」または「もう生存拉致被害者はあの国にはいない」と事実上認めてるのと同じです。

住民の大量脱出を促進することにより体制を崩壊へ導くという一種の民主化プロセスである.

 要するに高世が言ってることは以前id:noharraこと八木孝三が言ってた「周辺諸国脱北者を大量に受け入れれば北朝鮮は崩壊する」つう話です。まあ実際問題「そうすることの是非以前」に「そうすること自体の現実性がない」わけですが。「その大量の脱北者受入とやらはどこがやるの?。受入には経済的負担が出るのよ」「北朝鮮と話違うけど、シリア難民をヨーロッパががんがん受け入れてるわけでもないよね?」て話です。

1989年はじめから、東ドイツから西ドイツに逃げる若者が増えていた。脱出ルートはいったんハンガリーにいき、ハンガリーの西部国境を越えて西ドイツに入るというもの。
(中略)
 北朝鮮が国境を接している国(地域)は韓国と中国である。南北間境界は軍事境界線であるから,それを直ちに開放するという現実性は今のところ存在しない。従って,開放可能な境界は中国側国境線しかない。つまり,ここで提案されている北朝鮮民主化戦略は,ベルリンの壁におけるハンガリーの役割を中国に担わせようというものである。

 「中国がそんな事やるわけないでしょ?。統一韓国が今の中朝国境に米軍でも貼り付けたら中国にとって迷惑だし」「緩衝地帯としての北朝鮮つうのは中国にとって重要なのよ」としか言いようがない。高世が本気で言ってるとは思えない珍論です。「中国のせいで北朝鮮が存在する」と中国に悪口したいだけではないのか。まあ、そんな悪口しても無意味ですが。
 つうか高世が本気で「中国にそうして欲しい」と思ってるのなら中国批判するなとは言いませんが今のような異常なアンチ中国路線はやめるべきでしょう。それとも2016年の今はさすがに「中国よ、北朝鮮打倒に協力せよ」路線は放棄されたんでしょうか。今回の
朝鮮総連をつぶせ、はヘイトスピーチではない
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160322
での、この記事紹介も単に「俺は2004年から北朝鮮打倒論者なんだぜ」つう話に過ぎないのか?

拉致被害者家族会のメンバーには漁師さんもいるし、大工さん、ふつうのサラリーマンもいる。政治的にも特定の立場に属する人たちではないのだが、ほとんどが「金正日体制を打倒しなければならない」と言う。

 職業と思想は全く関係ないのでこんなことは「家族会は極右団体じゃないんだ」という言い訳には全くなりません。
日本会議など右翼団体の構成員、支持者には漁師や大工、サラリーマンはいないんですか?」
「漁師や大工、サラリーマンが構成員に存在していればその団体は右でも左でもない、政治的に中立な団体なんですか?」
社民党共産党などの左派団体の構成員、支持者には漁師や大工、サラリーマンはいないんですか?」
朝鮮学校無償化除外反対派や北朝鮮制裁反対派には漁師や大工、サラリーマンはいないんですか?」
「つうか朝鮮学校無償化除外反対派、北朝鮮制裁反対派の小生はサラリーマンなんですが。ああ、そうか、『北朝鮮シンパは普通じゃない』とか言い出すのか?。それ最初から結論ありきじゃないですか?」などと高世には皮肉を言いたくなります。そもそも家族会元メンバーの蓮池氏が「家族会は支援団体・巣くう会の影響で右翼団体になってしまった」と嘆いている現在、あるいは家族会メンバーの増元照明が「右翼政党」次世代の党から参院選に出馬した現在、こんな物言いには何の説得力もありません。

拉致問題の解決のためには北朝鮮の「民主化」が必要なのだ。

 おいおいですね。「拉致の全貌」が明らかになるには「北朝鮮体制の民主化」が必要かも知れない。
 ソ連・東欧民主化で明らかになった歴史的事実は多い*20わけです(例:朝鮮戦争北朝鮮からの侵攻であること、「カチンの森事件」がソ連の犯行であること、野坂参三*21共産党から除名されるに至った問題行為など)。
 あるいは日本においても「満州事変は多分日本の謀略だろう」と当時から見なされてたものの「疑いの余地なく日本の謀略」とわかったのは「日本が戦争に敗北し、東京裁判で連合国の追及が行われた後」です。
 権力の崩壊というのはそう言う形で隠していたものが表に出る事があるわけです。
 ただし「拉致被害者救出」に話を限れば、「小泉訪朝」でわかるように、そんなん必要ないわけです。かつ北朝鮮民主化なんて「拉致解決」以上にハードルが高いし「平和的崩壊する保証」もないわけです。内戦でも起こったら拉致被害者救出なんて不可能になる。

さまざまな独裁政権を見てきた私の目から見て、金正日*22体制はまったく異質だった。これに匹敵するのは、カンボジアポルポト*23政権しかないと思った。

「そんなわけねえだろ」と呆れます。ポルポト虐殺は理解することすら困難ですが、北朝鮮の行為は「支持はしないのは当然」として理解はできるでしょう。北朝鮮のどこがポルポトだかさっぱりわかりません。
 まあ、「やってることが無法な上」に「その無法で党ごと滅亡した有名な左派系独裁者」といえば「ポルポトしかいないから」ポルポトと高世は言ってるだけでしょう。
 スターリン*24粛清や毛沢東*25文革も悪名高いですが彼らは天寿を「一応全うし」、彼らの死後、党は「スターリン粛清や文革に一定の批判を加え」中国共産党は今も健在、ソ連共産党も「フルシチョフ、ブレジネフ、ゴルバチョフ」などが指導者につき、それなりに長く続きました。
 まあ悲惨な最期を迎えた独裁者としては、反体制派によって銃殺された「ルーマニアチャウシェスク*26」がいますが彼はポルポト虐殺やスターリン粛清、毛沢東文革ほど悪名高くありません。

いないはずの「敵」が大量に逮捕

 これを「ヒトラースターリンだ」という高世ですが日本にも「いないはずの敵が大量に逮捕された怪事件」横浜事件(1942〜1945年)なんてのがあるので外国を持ち出すまでもない。
 日本共産党が弾圧で既に壊滅したにもかかわらず「どう見ても共産党と関係ない活動」が「共産党再建運動」にでっち上げられた怪事件です。
 もちろん「敵がいない」のに弾圧するわけがない。主観的には「倒さなければならない敵がいた」のでしょう。もちろん横浜事件においてその敵は「共産党」のわけがない。共産党摘発を口実に何を狙っていたのかは無知なので知りませんが。

ヒトラースターリンの行動には非常に多くの共通点がある。たとえば、重要な戦闘を遂行しながら、その一方で有能な軍人を大量に粛清するという愚を犯している。軍事力を強化するという合理性を一片も考慮していない。

 まあ確かに愚かですが、「あいつは有能な軍人だが俺に対して刃向かう恐れがある」と思えば粛清するのは「ある意味」充分合理的でしょう(支持してるわけではない)。つうか「合理的でない」というなら戦前日本の「対米戦争開始」も「日中戦争が決着してないのに二正面作戦すると中国戦線の兵力が割かれる」「米国は大国で日本が勝てるか怪しい」などという意味で充分「不合理」ですが。高世は「ヒトラースターリン昭和天皇の行動には共通点がある」という度胸があるんでしょうか?。「昭和天皇愛好家が多い日本」では怖くてそう言う事言う度胸はないんだろうなとは思いますけど。
 そもそも「前も書きましたが」「不合理かどうか」と「独裁かどうか」は関係ありません。
 まあ、
1)人間というのはたいていの場合、能力の限界がある
2)独裁者にも当然能力の限界はある
3)独裁者なので周囲が駄目出しできずにその限界が最悪の事態をもたらす
つうことはあるでしょう。しかし「有能な独裁者」ならそういった問題は回避できるでしょうし、一方「民主的な指導者」でも「自分もバカ、ブレーンもバカ、おまけに国民もバカ(反対派は超少数派)」だったら不合理な行動が当然取られるわけです。大体「民主主義国家アメリカ」で「トランプという非合理な発言をしてる奴」が「共和党予備選挙トップ」なのに何、高世は抜かしてるんですかね。
 まあ、トランプが大統領になることは「たぶんない」「そこまで米国民主主義も不合理で非常識じゃない」でしょうが「最大野党の大統領候補にトランプが選ばれるであろう程度」には「米国民主主義」は不合理(?)で非常識なわけです。

アーレント*27は、一九三八年のミュンヘン協定でヒトラーに宥和政策を採って失敗した経験を例にとって、「譲歩」や「国際的威信」をもってしても全体主義国家を「正常な国際関係に引き戻すことは」不可能であると言う。

 それは単に「1938年のヒトラーに対しては融和政策は失敗だった」という話に過ぎません。
 高世が言うようにマジで「1938年の経験」をアーレントが一般化して「あらゆる独裁政権には譲歩は無意味」と言ってるのなら単にアーレントが馬鹿なだけです。
 まあ、アーレントの言う全体主義国家とは「ヒトラードイツ」のような「無茶苦茶な対外戦争を実行しようとするので共存の余地がない国」というように極めて限定されてるのかも知れませんが、だったら北朝鮮とは充分「共存の余地はある」わけです。「正常な国際関係」という言葉が何を意味するかさっぱり分かりませんが、北朝鮮は「国連加盟国」ですし、さまざまな国とも国交があるので「現状の国際関係を無視したり全否定したりしてるわけではない」。
 まあ、これは北朝鮮に限らず「ミャンマーや中国」など他の独裁的国家も同じでしょうが。アーレントみたいなバカなこと(とは言っても高世の紹介するアーレントですが)を言ったらミャンマーに対しては「打倒軍事政権」という極めてリスキーな方向性しかないわけです。

「『北朝鮮人権法』は、世界で初めての『金正日体制打倒法』です。我々にとって、いまこそチャンスですが、同時にリスクも引き受けなくてはなりません」
 こう語るのは、NGO「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」で活動してきた評論家の三浦小太郎さんだ。

 「今から11年以上前の2004年から三浦なんぞと高世はつきあってたのかよ」と少し呆れました。

【追記】
 さて高世は自らの「打倒北朝鮮」をアーレント全体主義の起源」をネタに正当化しようとしていますが、果たしてアーレント著書はそう言う代物なんでしょうか?
 読まないと何とも言えませんがググった限りでは高世の物言いは「アーレントの曲解」の気がしますね(アーレントが正しいかどうかはひとまずおきます)。
 つうか「アドルフ・アイヒマンという『凡庸な悪(平凡なオッサンが何故か殺人鬼に変貌)』」に見事にマッチするのは「普通の人間だったはずなのに今や極右団体と化した拉致被害者家族会」じゃないんですかね。むしろ「よく読めばその内容が見事に家族会批判」というのがアーレント著書じゃないのか。まあ高世も自分の「アーレント振り回し」が「こじつけと曲解」であることは良く理解した上で「権威の持ち出し」に過ぎないでしょう。アーレントにとっては本当に迷惑な話です。

http://weltgeist.exblog.jp/20017601/
・これまで全体主義とは一人の独裁者が勝手な私意で政治を動かしたもので、無知な国民は独裁者にだまされて彼を後押ししたものと思っていた。ところがハンナ・アーレントの「全体主義の起源」を読むと、それが間違いであったことを思い知らされた。ユダヤ人を世界から抹殺しようとしたナチの思想はヒットラーが考えたというよりは、ドイツ国民全体が後押ししたのである。
アーレントは数百万人ものユダヤ人を強制収容所に追いやった戦争犯罪人、アドルフ・アイヒマンの裁判を戦後傍聴し、彼が極悪非道な鬼のような存在ではなく、どこにでもいるごく普通の男だと言って世間を驚かせた。ところがそのことで、ユダヤ人社会から裏切り者扱いをされる。彼女がなぜそのようなことを言ったのか、本書を読むととても良く理解できるのである。
 ごく普通の市民が時代の流れの中で思考を停止すれば、人間を平気でガス室に送り込む殺人鬼になりうることをアーレントは冷めた目で書いているのである。悲惨な歴史を見るとき、なんと人間とは愚かな存在なのかと思えてしまう。しかし、それでも人間はその愚かさのなかで何とか自分を失わないようにして生きていくしかないのである。


朝鮮総連をつぶせ、はヘイトスピーチではない
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160322
 「記事タイトルだけで絶句する」記事です。北朝鮮問題だと突然バカになる高世にはマジで呆れます。こんなんでも左派or穏健保守面できるのがニッポソという国なんでしょうか。「差別しない」「暴言吐かない」「極右とは野合しない」なんてのは「左派or穏健保守」にとって最低限度の資格だと俺は思っていますが高世は違うようです(高世と似たような存在としては川人博)。正直、ここまでバカになれる高世や川人の脳みそが理解できません。「反共主義&民族差別&経済小国への差別意識*28」でしょうか。
 やれやれですね。仮にヘイトスピーチ(以下、ヘイスピという)でない*29にしても非常識発言であることには違いないでしょう。極右の街宣車日教組大会で「打倒日教組」とがなり立てるのと高世の暴論と大して変わらないでしょう。まあ、ヘイスピというのは「民族や人種に対する差別発言」ですから、「打倒日教組」はヘイスピではないでしょう。なら極右がドヤ顔して「日教組打倒はヘイスピじゃない」といったたら高世は堂々と「その通りですね」とでも言うのか。さすがに高世も極右の嫌がらせを「日教組に問題があるという立場から批判することは表現の自由だ」とは言わないでしょう。あの嫌がらせは「まともな日教組批判」なんて代物じゃありません。
 あるいは極右・島田洋一の「反日の朝日は潰さないといけない」だの、「各方面から批判を浴びた」極右・百田尚樹の暴言「沖縄の地元紙(沖縄タイムス琉球新報)を潰したい」だの、嫌韓国ウヨの「民団を潰したい」だのと高世の物言いとどこが違うのか(もちろん「民団を潰したい」はともかくこれらの朝日や沖縄地元紙への暴言も「日教組打倒」同様ヘイスピではありません)。
 高世はさすがに島田や百田、嫌韓国ウヨを擁護できずに、「そう言う物言いと俺の物言いと違う」と強弁するでしょうが全然違いません。そもそも「暴力団のような潰すことに異論のない集団」ならともかく「潰す」などという時点でそれはまともな批判ではないでしょう。ならば「ジンネットを潰す」「アジアプレス(高世の類友・石丸次郎が所属)を潰す」という物言いも何ら問題ないのか。さすがの高世も「それは表現の自由です」とは言わないでしょう。
 そもそもそう言うことを朝鮮総連相手に言って何か意味があるのか。
 朝鮮総連関係者への嫌がらせや「場合によっては」犯罪を助長するだけでしょう。で仮に「極右のテロ」によって朝鮮総連関係者からけが人が出たり、最悪死者が出たら高世はどう責任を取る気なのか。全く高世のあほさには呆れて二の句が継げません。

米大統領オバマの歴史的キューバ訪問をみながら、あらためて北朝鮮を思って感慨深かった。

 似たようなことはid:Bill_McCrearyさんも「経済制裁しても効果ないから逆に国交樹立に動いたってところが北朝鮮経済制裁の無意味さを連想させる」という主旨のコメントしていましたが、相手は「制裁万歳」の反北朝鮮ウヨ高世ですから勿論そう言う話にはなりません。
 なお、小生は鈍感な男なので正直、id:Bill_McCrearyさんのご指摘があるまではそう言う連想はしていませんでした。指摘を受けて「なるほど」と思いましたが。こういうの(自分の気付かないことの指摘)がコメントのありがたさです。まあ、ろくでもないコメントとか賛同できないコメントとかも勿論中にはありますが。id:Mukkeとかid:noharraとかね(毒)

オバマ訪問をピースサインと笑顔で歓迎する大勢の市民。この市民の反応は、北朝鮮と違って「やらせ」じゃない。

 と決めつける根拠を高世は何一つ提示していません。
 まあ、俺も「やらせだ」と主張する根拠もないですが、一方で「サクラは一人もいない」という根拠もないように思いますが。

 同じ日、反政府派団体が数十人拘束される騒ぎがあったが、そのとき「カストロは独裁者」とスローガンを叫びながら警官に引きずられていく姿がテレビにうつった。
 欧米メディアのカメラがこれを「自由」に撮影している。

 おいおいですね。「カストロ(兄カストロ*30か弟カストロ*31か、両方か分かりませんが)は独裁者」と叫ぶだけで警察が引っ張るのは人権的な意味で充分問題でしょう。
 それを「自由に撮影できた」という強弁で「何か問題ないことであるかのように言う」高世にはびっくりです。「お前、中国や北朝鮮、シリア・アサド政権に対する物言いと全然違うのな」と呆れます。

一方、ミャンマーではスーチー氏が入閣するとのニュースも。

 まあ、スーチーを潰そうとして潰しきれずに「取り込もう」つうことでしょう。こうなるまで軍事独裁政権がずっとスーチーを軟禁し続けたことと、それを欧米諸国が批判し続けたことを忘れてはいけません。ミャンマー軍部の態度は悪いことではないが「南アの白人政権が経済制裁に耐えきれずにアパルトヘイト廃棄に動いたこと」と大して変わりません。そんなに褒めることでもない。
 また「入閣する」には「議員辞めなきゃ行けない」そうですし、「親族に外国人がいると大統領になれない」という例の規定のせいで「大統領にはなれない*32」わけです。予定される閣僚ポストも首相ではない。スーチーは「建前では大統領や首相の部下」になるわけですが、「大統領や首相に簡単に更迭されても困る」ので「外相、大統領府相、教育相、電力エネルギー相の4閣僚を兼務*33」するそうですが「4閣僚兼務」という辺りからして既に異常でしょう。普通の国ではこんな事はあり得ません。

 ああ、これがソフトランディングもありうる「普通の独裁」なんだな。
 北朝鮮の体制とは量的な違いではなくて「質的な」違い。

 俺は北朝鮮と「キューバミャンマーの独裁」に質的違いがあるなんて全く思っていません。
 北朝鮮だってソフトランディングは充分あり得るでしょう。大体キューバは「共産党独裁は否定していない」しミャンマーも「軍人議員が自動的に国会の25%を確保する」などの軍に有利な政治システムが全面廃棄されたわけではありません。「スーチーが大統領になれない」なんてのは未だ軍が政治力を保有してることの象徴でしょう。
 むしろキューバはともかく、「こっそり日本人を拉致した、ヘタレのむっつりスケベ・北朝鮮」「わびた事情はともかく、また『末端の暴走で中央は知らなかった』という言い訳付ではあるが拉致をわびた北朝鮮」より「白昼堂々、西側メディアのいる中で日本人カメラマン長井健司氏を故意に射殺したあげく犯人引き渡しもしない、未だに日本にわびも入れない国際社会のジャイアン(?)・ミャンマー」の方にこそ「おいこら、ミャンマー、手前日本舐めてるのか(怒り)」「白昼堂々射殺した上、犯人も引き渡さないとか頭狂ってるのか?(恐怖)」と怒りや恐怖を感じますが。
 まあ、怒りや恐怖と言えば「拉致(北朝鮮)や産経ソウル支局長起訴(韓国)や反日デモ(中国)」で糞味噌に罵倒してたのに「長井氏暗殺」ではミャンマー批判があまり起こらないという辺りには「日本ってなんて変な国なんだ?」「同じ事を中国や韓国や北朝鮮がやったら『同胞を殺した野蛮国家を許すな』と日本ウヨ連中は糞味噌じゃねえの?」という恐怖と怒りを感じますね。
 いや「自衛隊で打倒ミャンマー」とか「ミャンマー相手には何をしても許される」とか言われても困りますが「このミャンマーへの異常な甘さ」は本当に何なんでしょうか。

全く違うものを同じ名詞の《独裁》と呼んだらおかしいよね。だから、私は北朝鮮を「独裁」というべきではないし、そう呼ぶと、あの国の本質を見失うと言ってきたのだ。
http://exodus.exblog.jp/3924376/

 わけがわかりません。こんな物言いこそ「キューバミャンマーの独裁を免罪するな」と、かの国の反体制派の怒りを呼ぶでしょう。高世が「自信満々に持ち出してきた」高世の2004年、つまり今から「11年以上前」の過去記事「金正日体制は平和的に打倒すべきである(高世仁)」(http://exodus.exblog.jp/3924376/)については後で突っ込みます。

朝鮮中央通信は20日、金正恩(キムジョンウン)第1書記が上陸演習と対上陸防御演習を指導したと伝えた。海軍や機械化歩兵部隊などが協力し、韓国へ奇襲上陸する作戦だ。

 まあ、「対上陸防御演習」はともかく「上陸演習」なんて論外です。本気で上陸できるわけもない。
 実際問題、何か韓国相手にやるとしたら上陸などできずにミサイルぶち込むような遠距離からの攻撃でしょう。それでも「ミサイルを完全に防ぐことは難しい」から、充分「米韓の北朝鮮侵攻を防ぐ抑止力」になるわけです。
 対抗措置や瀬戸際外交にしても「上陸演習」は馬鹿げてると小生は思いますが、これが「父・金正日氏存命でも対応は大して変わらない」のか、「正恩君がまずい対応をしているのか(正日氏ならこういう事はしない)」のか気になるところです。

 こういう動きをメディアは「挑発」と表現するが、これはおかしいと思う。
 挑発とは、「ほらほら、もっとやってこいよ」と、敵がさらに大きな敵対行動を採るよう煽り立てることだが、北朝鮮は実は米韓軍事演習や国連制裁はやってほしくない。だから厳重抗議しているわけである。
(中略)
 普通の表現で言えば「威嚇」である。

 まあ、ここについては「その通りかな」と思います。

 例えば、安倍首相が沖縄問題で強硬な施策をとり、沖縄県当局が強く反発した場合、安倍政権が「挑発」したとは言わない*34だろう。結果的には反発を煽ることになったとしても。

 いや、ここで安倍の行為を持ち出すのは話が違うような。「米国と北朝鮮の国力の差」を考えれば持ち出すべきは「沖縄側の行為」でしょう(まあ沖縄側の行為は「挑発」でも「威嚇」でも「瀬戸際外交」でもないですが)。

朝日新聞がきのう「朝鮮学校補助 子どもらに責任はない」という社説を出した。
http://www.asahi.com/articles/DA3S12268692.html
 典型的なリベラル左派の、一見人道的な装いの社説だが、朝鮮学校が普通の民族学校などではないことはこのブログで繰り返し書いてきた。

 バカバカしい。ちなみに朝日は「北朝鮮のロケット発射や核開発は別途批判してる」。
 国連も安保理で制裁していますが、人権関係の委員会では無償化除外を人権侵害として批判しています。
 つまりは「北朝鮮の現体制を批判すること」と「高世のような暴論を朝鮮総連朝鮮学校相手に吐く事」は全然違うわけです。
 「高世のような暴論を批判する人=北朝鮮シンパ」では全然ない。むしろ「高世のような暴論」など極右しかはかない暴論です。まともな人権主義者ならこんなバカは言わない。
 つまり「朝鮮学校や総連について俺が言ってることは暴論じゃない」という高世は「嘘つきかバカ」だと言う事です。

金正恩を讃える出し物を何カ月も練習させられ、一ヵ月以上北朝鮮に送られて*35、個人崇拝の宣伝に供せられるパフォーマンスを強いられることこそ、子ども*36への虐待ではないのか。

 そういうことが仮に事実*37だとして、それを「たとえ相手が国家元首でも問題だ(民主的に選ばれてるわけでもないのでなおさら問題だ)」と高世が考え批判するのはもちろん高世の自由です。誰も「総連や朝鮮学校を何一つ批判するな」とは言ってない(まあ、差別助長にならない配慮は必要とは言ってるでしょうが)。しかし、そんなことは「朝鮮学校を潰せ」と叫んだり、無償化除外を正当化したりする理由は全くなりません。大体その理屈だと間違いなく「学校創立者大川隆法の個人崇拝をやってると思われる「幸福の科学学園中学・高校」はどうなるのか。もちろん俺は「幸福も潰せ」といいたいわけではなく「教育内容で不利益処分」なんかすべきでないということです。「この内容は駄目だが、この内容はいい」なんてきれいに線が引けるとも思えない。

朝鮮総連朝鮮学校を閉鎖せよというのはヘイトでも何でもなく、正当な主張だと考える。

 高世の馬鹿さがすさまじいですね。完全に「俺の予想の範囲外」です。「各種学校認可取り消し*38ならまだしも」どういう理由で誰が「朝鮮学校を閉鎖」するのか。「閉鎖しろ」といったって向こうが自主的閉鎖するわけもない。
 であるなら、高世は機動隊でも投入して、教員や生徒を物理的に排除でもしろ、というのか。そこまでいったらもはや法治国家とは呼べないでしょう。今の朝鮮学校無償化除外だっていい加減酷いですが、それを上回る暴言を平気ではける高世には呆れます。正直「安倍の方が高世よりまともに見えてきます」。いや正直「安倍の方がまとも」かもしれませんが。高世とつきあえる人間(例:石丸次郎や常岡浩介)の気が知れません。


■高尾山はスミレの宝庫だった
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160321

 18日金曜の報道ステーションの特集が話題になっている。
「独ワイマール憲法の“教訓”」の特集だ。
 民主的な手続きでナチス全体主義へと移行するさい、48条の「国家緊急権」がキーになったという歴史*39を辿り、自民党憲法改正草案に盛り込まれている「緊急事態条項」への警鐘を鳴らす。
 非常に力の入った企画で、番組キャスターを退く古舘氏のいわば「置き土産」。これはなるべくたくさんの人に観てほしい。
https://www.youtube.com/watch?v=3Kw0uuflXdc

 「めぐみさんは間違いなく生きてる(そんな保証はありません)」とか馬鹿な事言わないで、こういうまともな文章だけ書いてれば小生も高世を批判しないんですけどね。ただ「置き土産」というのは高世流の「古舘氏のねぎらいの言葉」でしょうがこれが本当に置き土産になっては困る。ポスト古舘にもまともな報道を期待したいところです。
 しかし「戒厳令の危険性」なんてある意味「当たり前の話」であって他のメディアが報じてもおかしくないのにその程度で「報ステ良くやった」といわれるのは日本マスコミがいかに安倍に怯えてるかの表れでしょう。安倍の支持率がなかなか落ちないことにはげんなりしますが、そこには「安倍のマスコミ恫喝」と言う要素もあるわけです。
 なお、ナチスの政権獲得においては「国会議事堂放火*40事件(共産党弾圧)」「長いナイフの夜事件(突撃隊最高幹部レームなどの暗殺)」といった暴力的、謀略的手法もとられたわけで彼らは「合法的行為(選挙)」だけで政権を取ったわけではありません。

きょうはかみさんと高尾山に出かけた。
イカーの多いこと。中国語、韓国語、英語が飛び交い、外国人の多いことにも驚いた。

 高世が書くように最近は外国人観光客が増えていてその中には中韓の人もいるわけです。
 そういう時代に安倍が総理なんだから本当に「日本は大丈夫なのか」とげんなりします。


民進党に期待しない57%、論客はいるのだが
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160320

 (ボーガス注:口利き疑惑の甘利*41前経済財政担当相や育休不倫の宮崎前議員が早稲田大学卒、などと)みな、名のある学校*42を出ていてこのざま。

 大学というのは「知識や技術を伝達する場」であって「人間性を養う場」じゃないですからねえ。
 つうかそんなことは
1)放言大臣・渡辺ミッチー*43や、暴言知事・石原*44が一橋大卒
2)あの極右バカ議員「片山さつき*45中山成彬*46」が「東大卒の財務官僚出身」つうことなどでとっくの昔に分かってることです。
 そもそも早稲田卒の高世自体、ろくな人間じゃありませんし(毒)。

 彼のコメントというのは、簡単な話を薀蓄をちりばめて長くしゃべるだけ。たぶん直前に仕込んできたであろう統計の数字や細かいエピソードをすらすら挙げて、当たり障りのない結論で終るのがいつものパターンだった。
 コメンテーターとしてもてはやされるのが不可解

 小生はあまりテレビを見ないので、ショーンKと言う人を今回の一件まで知りませんでしたがそれはともかく。「もちろんいいことではないですが」全然不可解じゃありません。「当たり障りがない」つう点が重要なわけです。
 売れっ子・池上彰もそうですが「自分のカラーを曖昧にごまかす点」が重要なわけです。そうすることによって政府や番組スポンサーなどから反感買わないコメンテーターとしてテレビ局に重宝される。
 一方で政府批判派から「政府の犬」として批判されることもない。
 「当たり障りがない」というのは往々にして「無内容」「毒にもならないが、薬にもならない」つうことのわけですが、その辺りを「当たり障りがないのは各方面に配慮して、皆が納得する回答を可能な限り目指してるからだ、誠実な穏健派なんだ」とテレビ局や視聴者相手にごまかせれば「一丁上がり」でしょう。後は写真を見ましたがなかなかのイケメンではありますね。
 個人的には「当たり障りがないコメント」につとめてきた人間が何で「経歴詐称」なんて言い訳できない愚行をやらかしたかが疑問ですね。

この24日号の『週刊文春』、飯島勲内閣参与がコラムで、山尾志桜里議員を新党(民進党)の政調会長に抜擢すべしという。

事業仕分けの時には鳩山内閣行政刷新担当相として話題になったものの、その後は「事業仕分けの成果*47」を民主党政権がアピールできなかったことなど*48から、メディアの注目もなくなった蓮舫氏(現・民主党代表代行)の前例もあるのであまり過大評価するのもどうかと思います。
・とはいえ、少なくとも稲田朋美自民党政調会長にするのよりはマシな気がします。

【追記その1】
 「ショーンK」でググったら面白い記事を見つけたので紹介しておきましょう。

http://nikkan-spa.jp/1076131
 ショーンK氏の経歴がデタラメであることが判明したことにより、“消えた”経歴詐称疑惑にも注目が集まっている。特に海外留学体験をさも“学歴”のように表示する疑惑が現政権のトップにも存在していたことから、今回の騒動が氷山の一角であることがわかる。
 まずは日本のリーダーである安倍晋三*49首相だ。かつての公式ホームページには、1977年「成蹊大学法学部政治学科卒業、引き続いて南カリフォルニア大学(USC)政治学科に2年間留学」から1979年「株式会社神戸製鋼所入社」と記載されていたが、現在の公式ホームページには、1977年「成蹊大学法学部政治学科卒業」から1979年「株式会社神戸製鋼所入社」となっており、南カリフォルニア大学政治学科に2年間留学という海外での経験が一切削除されている。
 2004年2月の『週刊ポスト』の報道によると、安倍氏がUSCの政治学科に在籍したことはなく、78年の春期、夏期、秋期にのみ在籍し、取得した6コースのうち、3つは外国人のための英語コースであり、そこには政治学は含まれていない。しかも安倍氏は、2年間留学といいながら、実際には1年間にも満たないことが判明。そして、安倍事務所は「南カリフォルニア大には78年1月から79年3月まで在籍しています。政治学は履修したが、途中でドロップアウトしたため、記録が残っていないだけで、留学の実態はあったと考えています」と答えている。
 その疑惑に対して、当時の民主党・菅*50代表は記者会見で「取材やホームページでの安倍氏の発言がくるくる変わっている」と指摘し、民主党として事実関係の調査をしていることを明らかに。その過程で記載は削除されたという。
 続いては、麻生太郎*51副総理だ。2004年時点での公式ホームページでは、昭和38年「学習院大学政経学部を卒業後、スタンフォード大学大学院(昭和38年〜昭和40年)に留学」から昭和40年「ロンドン大学政治経済学院(昭和40年〜昭和41年)に留学。帰国後に家業の麻生産業(現麻生セメント)に入社」と記載されていたが、2007年以降の公式ホームページでは、昭和38年「学習院大学政経学部卒業」から昭和41年「麻生産業株式会社入社」となっており、スタンフォード大学ロンドン大学という海外留学の経験が一切削除されている。


 つまりは安倍も麻生も学歴詐称なのでしょう。一タレントに過ぎないショーンKより「首相の安倍」「副総理・財務相の麻生」の学歴詐称の方が問題であることは言うまでもないでしょう。

http://lite-ra.com/2016/03/post-2083.html
 ショーン・マクアードル川上氏に経歴詐称が発覚し、スタート前から“メインキャスター降板”という異例の事態となった、フジテレビ夜の新情報番組『ユアタイム〜あなたの時間〜』。後任が誰になるかが注目を集めるなか、昨日3月19日、フジテレビが新たな出演者を正式発表した。
 そのひとりが、日米ハーフのラジオDJ*52モーリー・ロバートソン氏(53)。ショーン氏のハーバードビジネススクールに続き、またもやハーバード大学卒業という肩書きが気になるところ。一応、2〜3日前に自身のツイッターで卒業証書をアップしているように、どうやら今度はホントに卒業しているらしい。
 それにしても、フジテレビはなぜこんなにハーバード大ブランドにメロメロなのか……とあきれるが、しかし、実はこの人選、そんなふうに笑って済ませられるものでもない。
 問題は、ロバートソン氏のスタンスだ。実はこのロバートソン氏、自分では「国際ジャーナリスト」を名乗ってはいるものの、その実体はおもにツイッターニコニコ動画などで安倍政権への反対意見や左翼を熱心にディスりまくっているネトウヨまがいの人物なのだ。
 たとえば、昨年秋には、雑誌の連載でこんなことを語っている

「気になるのは、安倍政権を批判する人たちの奥底に見える“リーダーアレルギー”です。」
(「週刊プレイボーイ」15年9月7日号/集英社

“タレントや文化人がリーダーを感情的に叩くのが日本の特徴って、ロバートソン氏は自分の母国のアメリカのテレビや新聞を見たことがないのか(ボーガス注:タレントや文化人の政治家批判なんて日本以上に普通だろうが)、とツッコミたくなるが、それはともかく、唖然とするのは、その語り口だ。「愚民どもは安倍サマを批判するな」と公言するかのようなこの態度には、いったいお前は何様なのか、と言いたくなる。

・俺的に、この記事が言うように、経歴詐称「ショーンK」より「安倍の幇間らしいモーリー(安倍を持ち上げるためには産経なみに非論理的なことも平気で言う)」の方が問題ですね(このモーリーも知りませんでしたが)。
 まあ、フジテレビらしい人選なんでしょう。ただ「聴取者の少ないラジオのDJ*53」ならともかく「視聴者の多い」フジテレビの番組で「レベルの低い安倍万歳芸人」なんか使ったら「かえって視聴者の反発買って、視聴率で裏番組に負ける」んじゃないですかねえ。視聴者は、安倍万歳の人間ばかりではないし、その安倍万歳が低レベル*54ではお話になりません。
 そもそも「安倍万歳芸人ではないショーンK」が最初の司会候補つう事は「安倍万歳番組でがんがん行く予定」ではなかったでしょうし。

【追記その2】
 「新党」といったところで「民主党による維新吸収合併&党名変更」に過ぎないため、山尾政調会長などと言う事はなくおそらくは「民主党現執行部が横滑り、旧維新から一部登用」かと思ってたら「本当に山尾政調会長の見込み」だそうです。
 まあ、取り合えずは「お手並み拝見」といっておきます。岡田*55代表、枝野*56幹事長は「留任」だそうですが、今回政調会長から外される細野氏*57がどう処遇されるのか、そして氏がどう動くのかも注目でしょう。


■宇出津事件が国会で質疑
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160319

 お知らせが遅れてしまったが、明日日曜、2つの番組の放送があります。
 TBS「夢の扉+」(夕方6時半)では、「ミュー粒子」という素粒子で火山内部の「透視」に成功した研究者を取り上げ、噴火予測の可能性に迫ります。この番組、残念ながら3月で終わりになります。

・「夢の扉+」公式サイト(http://www.tbs.co.jp/yumetobi-plus/archives/future.html)によればその研究者とは「田中宏*58東京大学地震研究所教授」だそうです。
・「3月で終わり」ねえ。「裏番組があの長寿番組・サザエさん(フジ)」とはいえ、よほど視聴率が穫れなかったんでしょうか。ウィキペ「夢の扉+」によれば後番組はバラエティー番組「この差って何ですか?」(http://www.tbs.co.jp/konosa/)だそうです。現在「この差って何ですか?」は「7時から8時の1時間番組」ですが4月からは「6時半から8時の1時間半番組」になるんだそうです。
「この差って何ですか?」はいわゆる「生活情報バラエティ番組」です。
 たとえば、3/13放送番組の内容は

http://www.tbs.co.jp/konosa/archive/20160313.html
・ホットケーキを膨らますにはマヨネーズを入れるといい
・魚の生臭さを和らげるには牛乳に浸すといい

などの生活情報が紹介されたようです。まあ、最近はこういう番組がはやってるようですね。

 きのう、参院予算委員会の外交・安全保障に関する集中審議で、民主党・新緑風会有田芳生*59議員が「宇出津事件」を取り上げた。
(中略) 
《1977年の宇出津事件について有田議員は、「事件発生前に当時の警察庁石川県警に対して警告を発し、石川県警も警戒をしていたが久米さんは拉致されてしまった。この事件がもっと大きく取り扱われていれば、その後の松本京子さん、横田めぐみさんの拉致事件は果たしてあったのであろうか。石川県警は事件後に200ページに及ぶ総括を行った。今からでも総括を行うべきだ」として、安倍総理に見解を求めた。

 今さら有田氏や高世がそんな事言っても意味ないと思いますね。そりゃ当時、宇出津事件の教訓でその後の拉致が防げれば良かった。ただそれ現実性のある話なのか。まあ、横田夫妻だの拉致被害者家族がそう思うのは人情として否定しません。ただそんな感情論に有田氏や高世のような第三者が媚びたって仕方ないでしょう。

それに対して安倍総理は、「当時は政府も含め、拉致が北朝鮮により組織的に行われているという認識がなかった結果と思う。」と答えた。

つう話のわけです。アンチ安倍の俺ですが「嘘だ、当時から日本警察は分かっていたはずだ」と言える根拠でもない限り、これは安倍の答弁しか答えようがないでしょう。

拉致被害者久米裕(くめゆたか)さんを北朝鮮工作員の待つ入り江まで誘い出したR氏はいったん逮捕されながら立件されずに現在も一市民として北関東に暮らしている。

「で、それがどうかしたのか」て話です。証拠がないからこそ起訴されなかったのでしょうし、である以上「R氏が本当に拉致に関与していた」としても今さら追及しようがない。「彼が前非を悔い、真相を話すこと」位しか期待できません。
 そもそも高世が「R氏」「北関東」と曖昧な書き方をしているのは
1)極右がR氏に危害を加えることを恐れている
のもあるでしょうが、それだけではなく、
2)下手なことを書くと高世が名誉毀損で訴えられかねない
というのもあるでしょう。繰り返しますが「証拠不十分で不起訴」のわけですから。

*1:まあ高世のように積極的に朝鮮学校弾圧に荷担しないまでも、弾圧を容認してる時点で日本人マジョリティには残念ながらそう言う認識はないようですが。そして攻撃されてるのは既に朝鮮学校だけではなく「九条の会の申請したイベント後援依頼を自治体が拒否する」「クローズアップ現代の国谷氏、ニュース23の岸井氏、報ステの古舘氏がキャスター降板に追い込まれる」などさまざまな「安倍政権が敵視する団体・個人」が弾圧を受けている(にもかかわらず日本人マジョリティはそれを事実上黙認している)わけです。ニーメラーが表現する事態に「今の日本」ほどマッチする社会もないでしょう。小生が別エントリで突っ込んだ「白鵬への酷いヤジ」もこうした視点で見るべきでしょう。あれはどうみてもげすな外国人差別でしかありません。「白鵬にも問題がある」なんてとんでもない主張です。

*2:鬼海氏は山形県寒河江市出身、高世は山形県南陽市出身

*3:著書『眼と風の記憶:写真をめぐるエセー』(2012年、岩波書店)、『誰をも少し好きになる日:眼めくり忘備録』(2015年、文藝春秋社)など

*4:著書『新選組の哲学』(1986年、中公文庫)、『仕事の哲学』(2010年、中公文庫)など

*5:日本将棋連盟会長。1991年に大山康晴中原誠米長邦雄に次いで史上4人目の四冠(竜王棋聖・王位・王将)となったが、1993年に大山康晴中原誠に次いで史上3人目の五冠(王位・王座・棋王棋聖竜王)を達成する怪物・羽生善治の登場により谷川が羽生に押されていくことになる。

*6:どういうサッカーだかわかりませんが

*7:どういう手だかわかりませんが

*8:著書『囚われのイラク:混迷の「戦後復興」』(2004年、現代人文社)、『ルポ 戦場出稼ぎ労働者』(2010年、集英社新書

*9:個人サイト(http://www.sikounokakutougi.sakura.ne.jp/)。著書『豊かさの文化経済学』(1992年、丸善ライブラリー)、『消費資本主義のゆくえ』(2000年、ちくま新書)、『長期不況論』(2003年、NHKブックス)、『分断される経済』(2005年、NHKブックス)、『経済学の名著30』(2009年、ちくま新書)、『日本経済論』(2011年、NHK出版新書)、『ケインズハイエク』(2011年、講談社現代新書)など

*10:吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*11:岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣外相、田中内閣蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*12:もちろん「テロ組織との交渉を支持する人間イコール北朝鮮への制裁を支持する人間」では必ずしもないでしょう。つうかむしろイコールだったら変ですが。

*13:つうかもしかしたら御前様のモデルの一つは良寛かも知れませんが

*14:ウィキペディア笠智衆」に寄れば笠は実家が浄土真宗本願寺派の寺で、笠智衆は本名。寺を次ぐ前提で東洋大学印度哲学科に入学するが大学を中退。松竹蒲田撮影所の俳優研究所第一期研究生の募集に合格、入所した。

*15:ソーシャルプランニング(http://socialplanning.net/代表取締役

*16:著書『アメリカ合州国』(1981年、朝日文庫)、『カナダ=エスキモー』(1981年、朝日文庫)、『戦場の村』(1981年、朝日文庫)、『中国の旅』(1981年、朝日文庫)、『ニューギニア高地人』(1981年、朝日文庫)、『検証・カンボジア大虐殺』(1989年、朝日文庫)、『南京への道』(1990年、朝日文庫)など

*17:本多氏についてははっきりと「国際ジャーナリストは国内ジャーナリストよりそれだけで格上みたいな偏見があるようだから俺はそう言う肩書きは使わない」と明言していたかと思います。

*18:追記:コメ欄でご指摘頂きましたが「巨大な犯罪ほど『合法的』である」ですね。

*19:チリ大統領

*20:もちろん未だにわからない事も一方では多いでしょうが

*21:党第一書記、議長、名誉議長を歴任。

*22:国防委員長、朝鮮労働党総書記、朝鮮人民軍最高司令官

*23:民主カンボジア首相、カンボジア共産党書記長

*24:ソ連共産党書記長

*25:中国共産党主席

*26:ルーマニア大統領、ルーマニア共産党書記長

*27:著書『革命について』、『暗い時代の人々』、『人間の条件』(以上、ちくま学芸文庫)など

*28:中国に対してはこれほど差別的でないのは「向こうが経済大国だから」、韓国に対してもこれほど差別的でないのは「反共主義」でしょうか。

*29:小生はヘイトスピーチだと思いますが

*30:キューバ共産党第一書記、国家評議会議長(大統領)、閣僚評議会議長(首相)、キューバ革命軍最高司令官を歴任。

*31:現在、キューバ共産党第一書記、国家評議会議長(大統領)、閣僚評議会議長(首相)、キューバ革命軍最高司令官。

*32:大統領にはスーチーの側近と言われる人物が就任はしますが

*33:追記:結局、外相、大統領府相の2閣僚兼務プラス国家顧問(新設ポスト)就任だそうです。

*34:いや普通に「安倍首相の行為は挑発行為だ」と安倍批判派は言ってるんじゃないですかね?。「沖縄が反発することはわかりきってる」わけですから。

*35:何か北朝鮮に1ヶ月滞在することそれ自体が悪であるかのような珍表現です。

*36:「子供(産経や安倍政権が愛用)」ではなく「子ども」と表記する辺りが興味深いですね。こういう点で「左翼orリベラル保守ぶっちゃう」のが高世の特長です。なおこの子供表記の件については拙エントリ『「下村の政治介入」という事情も分からない癖に文科省「子供表記」統一を「当然」と放言するMukke(追記あり)』(http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20141122/5234241756)及びそこで紹介されているkojitakenの日記『下村博文が「言葉狩り」? 「子ども」はダメ、「子供」と書けって?』(http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20130726/1374846825)参照

*37:事実かどうか知りませんが。そう言えば以前「北朝鮮非難言説は根拠薄弱な怪しいもんが多い」と書いたらid:noharra(八木孝三)が「北朝鮮をかばうのか」と絡んできましたが最近はそう言うのが全くなくなりましたね(苦笑)。「三浦小太郎の極右言動を容認してる奴がでかい口叩くな」と俺に言われたことが「穏健保守or左派」を偽装してる「極右活動家id:noharra」にはよほどショックだったようです。まあ、60過ぎてああいう醜態をさらす人間には軽蔑の念しかないですね。

*38:認可取り消しも不当だと思いますが、まあその場合でも「認可のない学校」として教育自体はできるわけです

*39:おそらく国会議事堂放火事件のことでしょう。

*40:放火が「逮捕されたルッベの犯行なのかそうでないのか」「ルッベが無実だとしたらナチスの自作自演か」については争いがありますが「ルッベの背後にはドイツ共産党がいる」と決めつけて弾圧を強行したナチスの行為が「言いがかり」であることについては争いはありません。

*41:小渕内閣労働相、自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、第一次安倍、福田内閣経産相麻生内閣規制改革担当相、第二次、第三次安倍内閣経済財政担当相を歴任

*42:つうか大学

*43:福田内閣厚生相、大平内閣農水相、鈴木内閣蔵相、自民党政調会長(中曽根総裁時代)、宮沢内閣副総理・外相など歴任

*44:福田内閣環境庁長官、竹下内閣運輸相、都知事など歴任

*45:小泉内閣経産大臣政務官、第二次安倍内閣総務大臣政務官を歴任。

*46:小泉内閣文科相麻生内閣国交相を歴任

*47:そもそも成果があったのかも問題でしょうが

*48:「など」としては「沖縄基地県外移設を反故にし反対した福島・鳩山内閣少子化等担当相(社民党党首)を大臣から更迭したこと」「消費税増税しないという公約を反故にしたこと」「小沢西松疑惑の対応」があげられるかと思います

*49:小泉内閣官房副長官官房長官自民党幹事長(小泉総裁時代)を経て首相

*50:橋本内閣厚生相、鳩山内閣財務相などを経て首相。

*51:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)など歴任

*52:ウィキペディアに寄れば、ショーンKもこのモーリーもFM放送「J-WAVE」のDJ出身だそうです。偶然ではなくそう言う人脈から司会を選んでるのでしょう。

*53:まあそれだって問題ですが

*54:リテラの記事を読む限りでは産経の阿比留といい勝負です。

*55:鳩山、菅内閣外相、野田内閣副総理。行政刷新担当相、民主党代表代行(海江田代表時代)を経て民主党代表。

*56:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相を経て民主党幹事長

*57:野田内閣環境相民主党幹事長(海江田代表時代)を経て現在、民主党政調会長

*58:著書『素粒子で地球を視る:高エネルギー地球科学入門』(2014年、東京大学出版会)など

*59:著書『歌屋・都はるみ』(1997年、文春文庫)、『私の家は山の向こう:テレサ・テン十年目の真実』(2007年、文春文庫)など