今日の産経ニュース(1/17分)(追記・訂正あり)

■基地負担軽減の実績、佐喜真氏*1やや優位か? 翁長氏*2側の世論誘導警戒 宜野湾市長選告示
http://www.sankei.com/politics/news/160117/plt1601170022-n1.html

基地負担軽減の実績、佐喜真氏やや優位か?

なんて明らかな世論誘導記事を書く産経が「翁長氏側の世論誘導警戒」なんて言うんだから呆れます。
 というかこれ産経のことだから「地元紙の安倍政権批判」ですら「地元紙=翁長陣営」呼ばわりした上で「安倍政権が支持する佐喜真氏を不利にするための世論誘導」と因縁をつける気でしょう。


■米軍事アナリストが徹底分析 「五十六*3神話」完全崩壊
http://ironna.jp/article/2666?p=1
 何が神話かといえば
1)真珠湾攻撃の成功は米国側の油断によるところが大きく米国が油断していなかったら奇襲作戦が成功したか疑問、かえって日本の連合艦隊が大ダメージ食らった恐れがある。
2)真珠湾作戦が成功しても経済大国の米国にとってダメージは小さくすぐに戦艦の新造でダメージを克服した
という話です。
 まあ、そう言った批判は以前からあるのではないか、つう気もしますがそれはさておき。
 「真珠湾攻撃は失敗の危険性も高くかつ、成功しても米国にとって大してダメージもなかった」というならば、当然ながら「真珠湾攻撃にかわる効果的な対米攻撃」を対案として提示*4しないなら、そこから導き出される結論は「対米戦争は回避すべきだった」という話にしかならないのですが、その辺り産経はどう考えてるんでしょうか?。いやもちろん俺は「回避すべきだったし、ハルノートの受諾で回避できた」と思いますが。


■日本の真珠湾攻撃情報は 「007」から「FBI」に伝えられていた
http://ironna.jp/article/2667?p=1
 英国の戦況を有利にするため、米国を第二次大戦に引きずり込みたかったチャーチル*5英国首相は事前に英国諜報機関から「真珠湾攻撃情報」を入手しながら、あえてルーズベルト*6米国大統領に知らせなかったという産経らしい陰謀論です(もちろんもっと有名な真珠湾陰謀論としては「ルーズベルトは米国諜報機関から真珠湾攻撃情報を入手していたのに対日戦争の口実をつくる為、あえて放置した」というものもありますが)。
 まあバカバカしいですね。たかが産経とは言えチャーチルルーズベルトに向かってこういうデマを言う事がいかに問題発言かその程度の事も理解できないんでしょうか。


■【iRONNA発】共和国は蘇ったか 暗黒卿と語るアベノミクス 田中秀臣*7上武大学ビジネス情報学部教授)
http://www.sankei.com/premium/news/160117/prm1601170041-n1.html
 ブクマもつけましたが「内容の是非以前*8に」独りよがりの最低の文章ですね。学者の肩書きを持つ人間が書く文章じゃない。先ず第一にパロディ(パロ)がつまらない。ただまあ、「つまらないパロは世の中に多いので」そこは大目に見てもいいかもしれない。
 第二に「まじめに書けばいいところを無理矢理パロにしたあげくそのパロが意味不明」なので何が言いたいのかさっぱり分かりません。これは大目に見ることはできないでしょう。しかもパロがつまらないので読むのが苦痛。何度も読んでまで理解する気には到底なりません。正直「アベノミクスの失敗が表面化しているために、アベノミクス支持者として批判をかわすために、まともに読ませたくないのでわざとふざけてるのか」と疑いたくなるレベルの酷さです。実際「アベノミクス批判派の名前とその主張を正確に紹介して反論する(まあ批判も多種多様ではありますが)」と言うような学者らしい文章はどこにもありません。正直、アベノミクス派ですらまともな人間なら「こんな酷いゴミ文章はアシストにならない」「ろくに説明もない、ただの自画自賛と批判派への悪口雑言、それプラス糞パロじゃん」「産経以外なら乗らないレベルだろ(つうか産経を舐めてるんじゃねえのか、田中は?)」と呆れるレベルでしょう。
 まあ、ここまで酷い糞パロは論外ですが、たとえ話やパロが難しいのは「相手との間にコミュニケーションギャップが発生する危険性が高い」からです(たとえ話やパロでなくてもコミュニケーションギャップは当然発生しますが)。パロやたとえ話を理解する上で「自分が前提としている認識」を相手も保有しているとは限らない。特に相手が「特定少数ではない不特定多数」の場合はそうです。
 文章能力のない人間は下手に「かっこつけて」たとえ話やパロをするのは避けた方がいい場合が多いと思います。
 むしろ自分が言いたいことを誤解を生まないようストレートにバカバカしいまでわかりやすく言った方がいい。
 たとえばこの糞パロについていえばSF映画スターウォーズ」の知識がなければ意味不明だし、「経済学話」をするにあたってスターウォーズの知識を相手に求めることが適切とも思いません。しかも相手は「スターウォーズの知識を持ってるか不明の不特定多数」が対象です。
 何度も言いますが実に独りよがりの文章です。「ゼミ生など田中氏の身内相手ならともかく」少なくとも「不特定多数の読み手を対象にする」全国紙に大学教授が書くレベルの文章じゃありません。
 それともまさか、田中氏は「スターウォーズは当然の教養だ」とか「スターウォーズファン以外は理解してくれなくて構わない」とでも強弁する気でしょうか。まあ田中氏ご本人がそう言いたいのならご本人の勝手ですが「スターウォーズに関心がない人間」が「意味不明でわけ分からない」とこの文章を読まなくても「スターウォーズを見ろ」などと無茶苦茶言わないで欲しいですね。そんな事を読者に求めるのではなく「スターウォーズを知らない人間にも分かる文章を田中氏が書けばいいだけの話」です。
 ただスターウォーズファンでも

フォースの力(金融政策)

などという田中氏の物言いをどれほどまともに理解できるかは非常に疑問に思いますが。


■【経済インサイド】中国景気冷え込みの予兆か? 日本の化粧品メーカーが中国現地の撤退・縮小にジワリ
http://www.sankei.com/premium/news/160115/prm1601150003-n1.html
 タイトルだけ見るといつもの反中国記事のようですが実は本文はそうでもありません。タイトルが今ひとつの気がします。中国からの撤退や規模縮小に動く場合も「あくまでも個々の企業の企業判断による物であること」を断っており、落ちも

日本国内市場が成熟化が進むなか、(ボーガス注:日本に比べれば消費の伸びが期待できる)中国は今後も貴重な市場であり続けるとみられるが、(ボーガス注:最近の中国景気停滞やライバルである中国現地メーカーの発展で)向き合い方を改めて見直す時期に来ているようだ

というものです。なお「日本国内市場の成熟化」とは要するに「大幅な消費の伸びが見込めない」と言う意味です。


■【この本と出会った】軍人の本だからと毛嫌いしてはならない 昭和の陸軍大国日本の表裏を解き明かす、陸軍大将の自伝『今村均*9回顧録』(東京大学名誉教授・比較文化史家、平川祐弘*10
http://www.sankei.com/life/news/160117/lif1601170018-n1.html

 過去の日本を根に持つ国がある。
(中略)
 現地のインドネシア人は親日だが、植民地宗主国オランダの恨みは深く、戦後日本人戦犯はいわばみせしめに極刑*11に処された。
 戦後二十数年、昭和天皇のオランダ訪問の際も騒ぎが起きた。左翼史家によると、戦争中の日本軍の横暴ゆえという。だが英国人歴史学者、イアン・ニッシュ*12博士の説明は違う。東南アジアの英人はいわば出稼ぎで、植民地から帰っても英国に引き揚げ先があった。ところがジャワに代々住みついたオランダ人には本国にもはや頼るべき親戚もない。それもあって恨みが深いのだという。

 吹き出してしまいました。
 先ず第一にこんなことと今村回顧録と何か関係があるんでしょうか?。いくら今村が一時「インドネシアにいたから」と言って関係があるようには思えませんし、平川も「今村との関係」について説明などしていません。
 第二にイアン氏の説明とやらについて平川は何一つ出典を明記しないので確認ができません。つまりはイアン氏が言ってもいないことを「言ったと強弁してる疑い」が否定できないわけです。出典を出さずに物をいうとは全く学者とも思えない振る舞いです。
 第三にまあ、小生もインドネシアの歴史に詳しいわけではないですが「日本軍のインドネシア占領統治には問題などない。インドネシアに住んでたオランダ人だけが反日だ、現地インドネシア住民は親日だ」なんて平川ら日本ウヨにとって都合のいい話があるとも思えません。
 第四にこれはオランダに対して「反日国家呼ばわり*13してるのも同然*14」で全く失礼です(ただしウィキペディア「日蘭関係」によれば戦争被害のために、対日感情について微妙な感情があったこと自体は事実のようですが)。米国にはへいこらするウヨ連中ですがオランダ相手には「ヨーロッパの先進国でも英米仏独に比べれば小国だから」とでも思ってるのか、悪口雑言していいとオランダを舐めてるようです(まあ、昭和天皇関係ではウヨは発狂しがちですが)。
 ただし右翼連中の中韓に対する態度はオランダに対する態度よりもっと酷いですね。

参考

http://www.sankei.com/life/news/140925/lif1409250011-n1.html
■産経【昭和天皇実録を読む】国際親善 投げつけられた魔法瓶 昭和46年オランダ・ハーグ*15
《お召自動車が(オランダ)ハーグ市内に入った午後四時三十分頃、車体に液体入り魔法瓶が投げつけられるという事件が起きる。魔法瓶はフロントガラスに当たるが、防弾ガラス付きのものであったため外側に亀裂を生じさせたにとどまり負傷者はなかった。(中略)同夜、日本国大使公邸にお立ち寄りの際、(中略)この度の事件は大したことではないが、大きく取り扱われて両国関係に悪い影響を与えることのないよう同行記者団によく話しておくようにとのお言葉がある》(昭和46年10月8日)

・日蘭関係(ウィキペ参考)
 1971年(昭和46年)に昭和天皇がオランダ訪問した際には街中に「裕仁は(ボーガス注:戦争)犯罪者」という落書きが見られ、卵や魔法瓶が投げつけられ手植え苗を引き抜かれるという嫌がらせがあったという。1986年(昭和61年)にはベアトリクス女王の訪日計画がオランダ国内世論の反発を受けて中止された。1989年(平成元年)の昭和天皇大喪の礼の際も、多くの君主国が王族を派遣*16したもののオランダからは王族が葬儀に参列することはなかった*17。1991年(平成3年)に来日した女王は宮中晩餐会で「日本のオランダ人捕虜問題は、お国ではあまり知られていない歴史の一章です」と、この間の事情の一端について触れる一方、翌年3月に開業を控えていた長崎のテーマパーク「ハウステンボス」にも言及し、蘭日関係の親善を強調した。同年、海部俊樹首相がオランダ訪問した際には、戦没者慰霊碑に海部首相が捧げた花輪が池に投げ捨てられたという。しかしその後、日蘭交流400周年*18を記念して、2000年(平成12年)に今上天皇が訪問した際には、オランダのテレビ番組で献花の様子が放映され、昭和天皇の訪問のときとは打って変わって熱烈な歓迎*19を受けたという。
 ただし、2007年(平成19年)にはオランダ議会下院で日本政府に対し「慰安婦」問題で元慰安婦への謝罪と補償などを求める慰安婦問題謝罪要求決議がなされた。2008年(平成20年)に訪日したマキシム・フェルハーヘン*20外相は、「法的には解決済みだが被害者感情は強く、60年以上たった今も戦争の傷は生々しい。オランダ議会・政府は日本当局に追加的な意思表示を求める」と述べた。

 ウヨは「中韓以外は歴史認識問題で日本批判しない」と平気でデマ飛ばしますが「勿論そんな事実はないこと」がよくわかります。オランダの「過去の対日感情の厳しさ」はウィキペディアを見る限り、相当のもんだと思いますが、日本と闘った米国、英国、オーストラリアなどだって「オランダほどではないとしても」感情(少なくとも太平洋戦争当時の兵隊など当時、日本軍の被害を受けた人間)には微妙な物がおそらくあるでしょう。


■【iRONNA発】平和ボケから目が覚める! 一色正春のニッポン自衛論
http://www.sankei.com/premium/news/160117/prm1601170040-n1.html
 海保を事実上、首になって*21から、すっかり右翼活動家になった一色です。

 日本を仮想敵国とする国は、(中略)日本にまともな防衛力を持たせないため、スパイ行為やプロパカンダなど、ありとあらゆる手段で、日本人に憲法を変えさせないような工作活動を行っているのです。

 護憲派に下劣なレッテルを貼るのも大概にしろと言う話です。

 だいたい自国の防衛力を制限するということは、自国及び自国民にとって何のメリットもなく、敵対する国を利するだけです。

 これで日本の軍拡を正当化する算段のようですが、当然ながらこの理屈は「日本だけでなく」、一色が敵国扱いする「中国、北朝鮮、ロシア」などが主張し、軍拡をすすめてもおかしくないわけです。「日本は軍拡する、しかしお前らはするな」なんて話が通るわけがないでしょう。日本に限らず他国の軍拡は当然「中国、北朝鮮、ロシア」にとって脅威ですから。一色の理屈では軍縮という話は全く出てきません。全く非建設的です。

 これは先の大戦が終わってからの中華人民共和国による侵略の歴史です。
 1946年*22 モンゴル     東モンゴル併合・南モンゴル併合
 1949年〜 東トルキスタン ウイグル侵略
 1950年〜 チベット     チベット侵略

 吹き出してしまいました。「内モンゴル(一色の言う東モンゴル・南モンゴル)、新疆ウイグル(一色の言う東トルキスタン)、チベット」は全て「中華民国時代から中国の領土」なのに「侵略」だそうです。
 でこの侵略呼ばわりに協力する日本ウヨのオナペットとしてペマ・ギャルポチベット)だのイリハム・マハムティ(ウイグル)だの楊海英(内モンゴル)だのといった馬鹿者がいるわけです。マジでうんざりします。昔はチベットしかネタにしてなかった一色らウヨですが最近では普通に「ウイグル内モンゴルも中国の侵略だ」と公言しています。

1978年〜 日本:尖閣諸島武装漁船領海侵犯〜小笠原珊瑚強奪

 漁船が武装してるなんて一色の主張には何の根拠もありませんし、中国の民間漁船がサンゴの強奪をやっていいとは言いませんがその程度の事のどこが侵略なんでしょうか。
 他にも一色の主張は「既にある意味片がついてる、『1950年代の台湾侵攻作戦』、朝鮮戦争*23中ソ国境紛争中印国境紛争中越戦争を中国の侵略だ、中国は危険だとバカ騒ぎする」などというとんでもない代物です。
 大体侵略をカウントするならむしろ中国よりソ連(例:ハンガリー動乱プラハの春弾圧、アフガン侵攻など)や米国(例:キューバ侵攻作戦(失敗したが)、ベトナム戦争グレナダ侵攻など)の方がよほど数は多いでしょう。

 フィリピンやベトナムなどの南シナ海で中国の脅威にさらされている国々は、一国で中国と対峙するには、あまりにも非力であるため、日本との連携を望んでいます。そんな彼らに対して「日本は憲法があるから他国を助けることができない」と言って見捨てておいてよいのでしょうか。

 勘弁して欲しいですね。一色は南シナ海で中国とドンパチやる気でしょうか。正気じゃないですね。


■【SMAP解散協議】さんま、SMAPの危機知っていた! 昨年特番で共演「やりにくかった」
http://www.sankei.com/entertainments/news/160117/ent1601170011-n1.html
 最近のスマップ解散報道ほど、見聞きして「気持ちの悪い芸能報道」もないですね。むしろこの一件はいかに芸能界が「どろどろした気持ちの悪い代物か」を示してるのではないか。
 というのも現時点で間違いないのは「スマップの担当マネージャーの某女史がジャニーズ事務所を退社した」という事実でしかないからです。
 やれ「女史はSMAPを連れてジャニーズ独立を画策し退社に追い込まれた」だの「キムタク以外は女史を慕って退社するらしい」だのいうのはジャニーズ事務所なり、スマップメンバーなり、退社した女史なりから正式に出てる話ではありません。いわゆる出所不明のリーク情報に過ぎない。
 結局「ジャニーズ事務所」「スマップの各メンバー」「女史」など関係者がそれぞれ「自分に有利な情報を流す情報戦」をやってるのでしょうが、今後「スマップが解散するにせよ、ジャニーズ事務所を退社するにせよ、退社した場合女史の事務所に所属するにせよ、はたまた別の事務所に所属するにせよ、今まで通りジャニーズ事務所でスマップが続くにせよ」見ていて気持ちのいい物ではありません。完全に泥仕合と言っていいでしょう。


■【スポーツ異聞】女性登山家・谷口けいさんの滑落死から何を学ぶのか? 山のトイレ事情と「用足し」論
http://www.sankei.com/premium/news/160117/prm1601170003-n1.html

 ジャーナリスト、本多勝一*24の代表作『新版 山を考える』(朝日文庫*25)によると、安全度の高い確率の中で行動していながら、残りの「危険の確率」にひっかかるという。「どんな大ベテランも、登山の第一線にいる限り、いつかはこの『小さな確率』にひっかかる」と警鐘を鳴らす。

 阿比留のような「いかれた極右」ならまだしもスポーツ記者なら産経記者でも「本多勝一氏に対して別に敵意もない」のでしょう(まあ紹介されてるのは産経が敵視する『日本軍の戦争犯罪関係ではない著作』ということもありますが)。


■【高論卓説】壊死していく中国経済 株暴落と金融不安は起きるべくして起きた…共産主義国家に市場経済の本質は理解できない(渡辺哲也*26
http://www.sankei.com/premium/news/160117/prm1601170008-n1.html
 産経以外の新聞では「右翼機関紙を除けば」まず読むことのできない反中国アホ記事です。
 本当に中国経済が「壊死したら」日本もダメージを受けるのに喜んでるんだから呆れます。
 実際、最近、日本の株価が下降傾向にある理由の一つは「中国経済停滞」でしょう(もちろん中東情勢など他にも色々あるでしょうが)。これが「中国経済破綻」なんてことに本当になったらそれこそ株価下降は今のレベルではすまないでしょう。
1)中国経済が壊死しても日本経済にダメージはないと勘違いしてるのか
2)「中国経済が壊死などしていないこと*27」を前提にアンチ中国相手にホラ吹いてるだけ
か知りませんがどっちにしろバカです。まともな人間のやる物言いではない。


■安倍首相、日韓慰安婦合意、「私がやらねばいけないと思った」 公明議員らに表明
http://www.sankei.com/politics/news/160116/plt1601160032-n1.html

(ボーガス注:日本の)若い世代に同問題を背負わせてはいけないとの思いを語っていたという。

 やれやれですね。まともな人間ならそんなことよりも「高齢化し、中には死去する人もでている慰安婦への同情」でも口にするでしょうが、安倍には「そんな常識はかけらもない」ようです。同席した公明党議員(上田勇*28富田茂之*29衆院議員、若松謙維*30参院議員)もそう言うことは何一つ言わなかったんでしょうか?。もしそうなら全くお粗末な連中です。こんなお粗末な連中が政権与党の面子であることは実に国辱です。


■【台湾・総統選】日本大使に中国の立場説明 外務次官補 あらためて「一つの中国」強調か
http://www.sankei.com/world/news/160117/wor1601170051-n1.html
 今さら「日本も採用している『一つの中国』原則」を「台湾総統選を契機に」中国から説明されるのも変な話ですが要するに中国は安倍を全く信用してないわけです。何かあれば「一つの中国、一つの台湾」だの「二つの中国」だの言い出しかねないと疑念持たれてると。二国間関係としては相当まずい状況でしょう。

(ボーガス注:駐中国大使の)木寺氏は(ボーガス注:中国外務省の)孔氏に対し「台湾に関する日本の立場に変わりはない」と表明したという。

 まあ、説明を受けた直後に中国を挑発もできないからこうなるわけですが中国は全く信用してないでしょう。


■【台湾・総統選】次期VS現総統、早くもギクシャク 蔡氏、馬総統の組閣要請を拒否
http://www.sankei.com/world/news/160117/wor1601170048-n1.html

 立法院(定数113)の議席民進党68、中国国民党35、時代力量(時代の力)5、親民党3、その他2となった。

 民主進歩党過半数を確保したことにより当面は安定政権であり、一方、国民党は厳しい状況にあると言えるでしょう。時代力量なる新党については5議席なので「今後の様子見」でしょう。
 第三勢力だった宋楚瑜*31が党首を務める親民党は、時代力量の登場によって第四勢力になってしまいましたが、これまた「今後の様子見」でしょう。


■【台湾・総統選】尖閣諸島は台湾領 勝利した蔡英文氏が明言
http://www.sankei.com/west/news/160117/wst1601170039-n1.html
 初代・蒋介石総統から前任者・馬英九総統に至るまで「国民党(李登輝)から民主進歩党陳水扁)への政権交代があっても」台湾政府見解はずっと「尖閣・台湾領」ですので何ら不可思議ではありませんが、産経にとっては大ショックだったのかも知れません。


■【台湾・総統選】台湾と国交持つ国を「いつでも奪い取れる」 中国紙社説、蔡氏当選を牽制 「民衆が独立支持したわけではない」
http://www.sankei.com/world/news/160117/wor1601170026-n1.html
 タイトルがかなりミスリーディングですね。中国は「新政権が独立色を強めるならば」対抗措置として「台湾と国交持つ国をいつでも奪い取れる」としているのであってさすがに「民主進歩党が今まで通りの外交ならば」そんなことはしないわけです。
 ちなみにウィキペ「中華民国の政治」によれば台湾と国交のある国は

オセアニアキリバスソロモン諸島、ツバル、パラオマーシャル諸島ナウル
・アフリカ:サントメ・プリンシペスワジランドブルキナファソ
・南米:エルサルバドルグアテマラ、セントクリストファー・ネービス、セントビンセント及びグレナディーン諸島ドミニカ共和国ニカラグア、ハイチ、パナマパラグアイベリーズホンジュラスセントルシア
・ヨーロッパ:バチカン

だけだそうです。日本や欧米がそうですが他は「出先事務所」はあってもそれは「大使館ではない」わけです。


■【台湾・総統選】日本政府、蔡氏当選を歓迎、連携を模索 「台湾は大切な友人」 対中政策を注視
http://www.sankei.com/world/news/160116/wor1601160073-n1.html
 もちろん外交儀礼上、誰が当選しようと歓迎の意表明は当然ですが、安倍政権だと「産経的な意味での歓迎(新総統を反中国扱い)」をしている疑いがあるから弱ります。

 安倍晋三首相は(中略)昨年10月には来日中の蔡氏*32と同じ都内ホテルで居合わせており、非公式に会談したとみられる。

 もちろん当時も今も公式にはそんな事は安倍は認めていませんが(今後も公式には認めないでしょう)。いずれにせよこの程度の事で「安倍さんと蔡新総統は友達」なんて勘違いしたら後で痛い眼を見ることになりかねません。まあ、その場合は産経は「蔡が安倍さんを裏切ったんだ!」と今「韓国の朴大統領辺りにやってるのと同レベルの誹謗」を始めるのでしょうが。


■【主張】台湾政権交代 民意踏まえ賢明な道探れ
http://www.sankei.com/column/news/160117/clm1601170005-n1.html

直接投票制が導入されて20年となる総統選が、民主的手続きにより行われたことを歓迎したい。

 言ってることがさっぱりわかりません。直接投票制が導入されて20年が経ち、既に「国民党(李登輝*33)→民主進歩党陳水扁)」「民主進歩党陳水扁*34)→国民党(馬英九*35)」という政権交代があるのに今回「総統選が民主的に行われない危惧(不正選挙?)」なんてことが存在したのか?。たとえば今さら韓国やフィリピンの大統領選で不正選挙の可能性もないのに「朴チョンヒやマルコス時代のような不正がなかったことを歓迎したい」なんて言ったらかえって「バカにしてるのか?」と反感を買うでしょう。そのくらい変な物言いだと思います。
 まさかとは思いますが「国民党候補が勝利したら*36」根拠レスで「不正選挙」と産経は騒ぐ気だったのか?

蔡氏勝利の意味合いは、「過度の対中接近」にブレーキをかけたことにある。

というのは産経の理解に過ぎません。実際そのように理解できるのか、理解すべきなのかは「今後の民主進歩党の対中国外交」と「それに対する世論の動き」によってわかるでしょう。そもそも国民党の馬・前政権は「過度の接近などしているつもりはない」わけです。
 なお、興味深いのは産経ですら「過度の台中接近」と書いてることです。つまり産経は建前では「バランスの取れた台中交流」なら反対しないわけです。

台湾を中国の一地方と見なし、武力統一も辞さない原則を崩さない中国共産党

それはあくまでも「台湾が独立宣言した場合」という制約付であり、実際問題「武力統一の可能性」は
1)台湾の政権が即時独立を唱え中国を挑発
2)台湾が独立宣言も何もしていないのに中国側が不当にも武力攻撃
という「まずほとんどあり得ないシチュエーション」です。1)も2)もしない程度の常識は台湾、中国双方の政権にあるでしょう。つうか長年「台湾が独立宣言したら武力行使するがそうでない限り友好を深めたい→友好関係の進展」でやってきたわけです。それを破壊するメリットは中台どちらの側にもないでしょう。

政権交代後、中国側が台湾企業の進出への優遇措置を停止するなど、経済的な圧力を加える懸念がある。

 当面はそういうことはしないんじゃないですかね。少なくとも「馬政権時代に決めてしまったこと」は「民主進歩党政権が対中国外交を冷却化させる*37」など「中国にとって問題視せざるを得ない行為」をしない限り、そういうわけにもいかないでしょう。そう言うことをする理由がない。ただし「民主進歩党政権の動き」によっては勿論対抗措置を発動するでしょう。

*1:宜野湾市議、沖縄県議を経て宜野湾市

*2:那覇市議、沖縄県議、那覇市長を経て沖縄県知事

*3:海軍航空本部技術部長、第一航空戦隊司令官、海軍航空本部長、海軍次官連合艦隊司令長官など歴任

*4:まあ提示は無理でしょうが

*5:内務大臣、蔵相、海軍大臣などを経て首相

*6:ニューヨーク州知事などを経て大統領

*7:著書『日本型サラリーマンは復活する』(2002年、NHKブックス)、『経済論戦の読み方』(2004年、講談社現代新書)、『経済政策を歴史に学ぶ』(2006年、ソフトバンク新書)、『雇用大崩壊:失業率10%時代の到来』(2009年、NHK生活人新書)など

*8:まあアベノミクスを大成功と評価しているようなので内容も俺は評価しませんが

*9:関東軍参謀副長、陸軍省兵務局長、第5師団(広島)長、第23軍(中国)司令官、第16軍(インドネシア)司令官、第8方面軍(ニューブリテンラバウル)司令官など歴任。

*10:著書『夏目漱石』(1991年、講談社学術文庫)、『平和の海と戦いの海:2.26事件から「人間宣言」まで』(1993年、講談社学術文庫)、『日本人に生まれて、まあよかった』(2014年、新潮新書)など

*11:第16軍(インドネシア)司令官だった今村には16軍司令官時代については無罪判決が出ているので果たして「見せしめの極刑」と言う認識が正しいかは疑問(なお、第8方面軍時代についてオーストラリアの戦犯裁判で今村には禁固10年が言い渡された)。

*12:著書『日本の外交政策・1869〜1942:霞が関から三宅坂へ』(1994年、ミネルヴァ書房)、『戦間期の日本外交:パリ講和会議から大東亜会議まで』(2004年、ミネルヴァ書房)など

*13:ちなみにググったところ井沢満なるバカウヨ脚本家(百田尚樹曾野綾子などの同類)による『オランダの反日について』(http://blog.goo.ne.jp/mannizawa/e/1bce58df7abf1a5c325cbb7ab35e6132)という駄文を発見しました。勿論内容はこの産経記事と同レベルです。

*14:ただ小生の理解ではウヨがオランダについて普段、語る時って「日本と同じ王政」「江戸時代に長崎出島で交易関係があった」だの都合がいいことしか言ってない気がしますが。

*15:オランダの首都は憲法上はアムステルダムだが、ハーグには王室、中央官庁、国会議事堂、各国大使館などが集中しており事実上の首都はハーグと言われる(ウィキペ「アムステルダム」参照)。

*16:http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/1989/h01-shiryou-5.htmによればベルギー、ブータンカンボジアデンマーク、ヨルダン、レソトリヒテンシュタインルクセンブルグ。マレーシア、モナコ、モロッコ、ネパール、ノルウェーオマーンカタール西サモアサウジアラビア、スペイン、スウェーデン、タイ、アラブ首長国連邦、英国

*17:http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/1989/h01-shiryou-5.htmによれば外相が出席。

*18:オランダの商船リーフデ号が日本に漂着した1600年からカウントして400年。

*19:昭和天皇はもろ戦争責任者ですが今上はそうではない(終戦当時は小学生)し、時の経過によりオランダの戦争当事者もかなり亡くなり、反日感情も薄れてきたのでしょう。

*20:外相、副首相など歴任

*21:懲戒処分を受け出世の見込みがなくなったことで一色が辞表を提出。即刻受理された。

*22:1946年って中華人民共和国の建国は1949年ですが?

*23:そもそも朝鮮戦争の主役は北朝鮮です。また北朝鮮支援というならソ連もやっています(人民解放軍を投入した中国と違い小規模かつ秘密にですが)

*24:著書『カナダ=エスキモー』(1981年、朝日文庫)、『ニューギニア高地人』(1981年、朝日文庫)、『戦場の村』(1981年、朝日文庫)、『アメリカ合州国』(1981年、朝日文庫)、『中国の旅』(1981年、朝日文庫)、『殺される側の論理』(1982年、朝日文庫)、『ルポルタージュの方法』(1983年、朝日文庫)、『麦とロッキード』(1983年、講談社文庫)、『アラビア遊牧民』(1984年、朝日文庫)、『職業としてのジャーナリスト』(1984年、朝日文庫)、『殺す側の論理』(1984年、朝日文庫)、『北海道探検記』(1984年、朝日文庫)、『冒険と日本人』(1986年、朝日文庫)、『憧憬のヒマラヤ』(1986年、朝日文庫)、『検証・カンボジア大虐殺』(1989年、朝日文庫)、『子供たちの復讐』(1989年、朝日文庫)、『南京への道』(1990年、朝日文庫)、『NHK受信料拒否の論理』(1991年、朝日文庫)、『マゼランが来た』(1992年、朝日文庫)、『日本環境報告』(1992年、朝日文庫)、『先住民族アイヌの現在』(1993年、朝日文庫)、『実戦・日本語の作文技術』(1994年、朝日文庫)、『滅びゆくジャーナリズム』(1996年、朝日文庫)、『きたぐにの動物たち』(1998年、朝日文庫)、『マスコミかジャーナリズムか』(1999年、朝日文庫)、『50歳から再開した山歩き』(2000年、朝日文庫)、『中学生からの作文技術』(2004年、朝日選書)、『はるかなる東洋医学へ』(2004年、朝日文庫)、『南京大虐殺と日本の現在』(2007年、金曜日)、『疋田桂一郎という新聞記者がいた』(2009年、新樹社)、『本多勝一戦争論』(2011年、新日本出版社)など

*25:1993年刊行

*26:著書『中国壊滅』(2015年、徳間書店)、『余命半年の中国経済:これから中国はどうなるのか』(2015年、ビジネス社)など

*27:小生は経済素人、中国素人なので実際の所は分かりませんがもちろん「壊死などないこと」を望みますし、当然ながら「壊死という悲惨な状況」なら「世界経済や日本経済が沈みかねない」ので「中国にお任せで何もしない」つうわけにもいかないでしょう。小国ギリシャの経済危機ですら「ギリシャにお任せ」ではなかったわけです。

*28:小泉内閣で財務副大臣

*29:小泉内閣法務副大臣、第一次安倍内閣財務副大臣を歴任

*30:第三次安倍内閣で復興副大臣

*31:国民党秘書長、台湾省長など歴任。

*32:副首相などを経てこのたび、総統選挙に勝利

*33:台北市長、副総統などを経て総統

*34:台北市長などを経て総統

*35:連戦内閣法相、台北市長などを経て総統

*36:世論調査ではその可能性は低いですが

*37:とはいえ民主進歩党政権もそう言うリスキーなことはしないと思いたいところです。