「珍右翼が巣くう会」に突っ込む、ほか(2020年2/8日分:三浦小太郎&高世仁の巻、ほか)(副題:有本嘉代子が死去)

【産経抄】2月8日 - 産経ニュース

 抄子が、明弘さんからこんな手紙をもらったことは以前記した。
憲法改正を実現し、独立国家としての種々さまざまな法制を整えなければ、北朝鮮のような無法国家と対決できません」。
 衆参両院の憲法審査会は機能せず、いまだに野党議員は国会質疑でのんきに花見話*1に興じている。

 有本明弘にも産経にも、呆れて二の句が継げませんね。拉致と改憲と何の関係があるのか。「憲法九条などない」「世界最強の軍事大国」米国だって「ワームビア君帰国実現」は外交交渉でした。
 一方このような「改憲ウヨによる拉致の政治利用」に「改憲と拉致と何の関係があるのか!」「拉致の解決がしたいのではなく、それを口実に改憲したいだけではないのか!」「護憲派拉致被害者救出運動から遠ざけていいのか!」と抗議の声を上げたのが蓮池透氏ですが、そんな彼を「改憲ウヨ」救う会に言われるがままに家族会から除名するのが「今の家族会主流」ですから心底呆れます。

 抄子は持病悪化による第1次政権退陣*2から間もない平成19年12月、安倍首相が衆院議員会館の自室で明弘さんと今後の拉致問題について真剣に話し合う姿を目撃した。

 だから

蓮池透拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(2015年、講談社
・和田春樹『安倍首相は拉致問題を解決できない』(2018年、青灯社 )

共産・志位氏「無念だったろう」 有本さん母死去 - 産経ニュース
「(最近まで北朝鮮に対して)圧力一辺倒で来たことが問題の解決を難しくした。安倍政権の下で解決するのは大変難しい」(志位和夫日本共産党委員長

などといった安倍批判は間違ってると強弁する産経です。呆れて二の句が継げませんね。
 安倍の「有本明弘との対話」など「有本を丸め込むための舌先三寸*3」でしょうが、百歩譲って安倍が「本気だ」としても成果が出てない以上、話になりません。
 政治の世界は「客観的に成果が出なくても、主観的には頑張ってるからいい」が許される世界ではない。まあ、安倍は主観的にも「頑張ってない」「頑張ってる振りをしてるだけ」と思いますが。かつ、その頑張ってる振りがあまりにも「お粗末で見え透いてる」ので蓮池透氏のようなまともな御仁は安倍批判せずには居られなかったわけですが。
 まあ、産経がこんな強弁が出来るのも有本夫妻ら家族会が未だに安倍を万々歳してるからですが。家族会の馬鹿さに心底呆れます。
 まさに

有本嘉代子さんに限らず、横田滋氏もけっきょく巣食う会との泥船に乗っちゃったから、お孫さんとの再会も墓参りなどもできなかったのだと思う - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
・あまりに愚劣すぎて言葉もないですね。
・世の中ここまで無様で無残で愚劣な光景もないと思います。

でしょう。


有本嘉代子さんについては言葉もないが・・・ | 三浦小太郎BLOG Blue Moon

 拉致議連超党派でこういう時は声明くらい出すべきではないだろうか。

 今のところ拉致議連幹部の個人的発言は出ていても、組織としての声明はないようですね。メンバーの意見があまりにも違いすぎて共通の声明が出せないのか、はたまた「声明を出す必要を感じてない」のか、それとも議連の活動自体が低迷してるのか。

 最低限そこで言わねばならないことは、お悔やみではなく、有本さんご家族並びに被害者である有本恵子さんへの「救出できなくて申し訳ない、お母さんと合わせることができなくて申し訳ない」というお詫びの言葉だ。私は政治家や国家は軽々しく謝ってはいけないとは思うが、このことだけは謝罪しなければならない。

 「なぜ拉致が解決しないのか」という分析と、それに基づく改善策を提示もせずに、口先でわびの言葉など言ったところで何の意味もありません。どうせ最終的には「北朝鮮が悪い」「政府、外務省が悪い」「今までの我々の方針は間違ってない」で責任転嫁するのが拉致議連救う会、三浦といったウヨ連中の訳ですから。
 それにしても「政治家や国家は軽々しく謝ってはいけない」と平然と言える三浦の外道さには呆れます。
 「日本の中国、韓国、東南アジア侵略戦争日中戦争、太平洋戦争など)」であれ「明治以降のアイヌ同化」であれ、「砂の器」に描かれた「酷いハンセン病差別」であれ、「免田事件、財田川事件のような冤罪事件」であれ、何であれ、「政治家や政府」が「国の誤り(その多くは違法、不当な人権侵害ですが)」をわびるのは当たり前の話です。
 一方でこんなことを言う男が「シベリア抑留でのロシア批判」「天安門事件での中国批判」など外国へは「きちんとわびるべきだ」などと悪口雑言するのだからそのデタラメさには唖然とします。

 二つ目は、北朝鮮政府に対する怒りだ。日本政府や外務省は、北朝鮮政府とも交渉しなければならないという立場もあるかもしれないが、拉致議連にはそんな遠慮はいらないはずだ。
 拉致議連は「返さない限り、北朝鮮に未来などない、少なくとも自分たちは最後までテロ国家と闘う。そして、まずそのテロ国家の先兵である朝鮮総連を解体する」というのが拉致議連の仕事だと思う。

 おいおいですね。拉致議連とは何のための組織なのか。「拉致被害者を救出すること」が建前の組織ではないのか。
 その建前であるのなら「拉致解決のために北朝鮮をくそみそに罵倒することが不適切」であるなら遠慮はして当然です。
 北朝鮮をくそみそに罵倒すると言うことで三浦が(場合によっては三浦のウヨ仲間である巣くう会や家族会、拉致議連も)
1)くそみそに罵倒しても拉致が解決できる(下手したら交渉すら必要ない)と思ってる
2)拉致解決することを目的としていない、ただの反北朝鮮右翼。拉致解決の上で有害無益な存在
ということを意味します。
 俺は「特定失踪者」などという明らかなデマを垂れ流す三浦や拉致議連救う会は2)だと確信していますが、仮に1)でも「ばかばかしい」と思います。
 交渉以外に解決の道はない以上、批判するにしてもくそみそな罵倒は避けるべきです。そして「交渉」と言う意味では朝鮮総連解体*4などとんでもない話です。「北朝鮮との間に国交がない今」朝鮮総連以外に信用できる交渉パイプがどこにあるのか。

 三つめはよど号犯の問題にきちんと触れること。
 もう一度直接の実行犯である八尾恵にこの犯罪について国会等で堂々と証言をさせることを、拉致議連は呼びかけてもいいはずだ。

 今更「有本さん拉致の実行犯はよど号グループ」云々ということに何の意味があるのか。単にウヨとして三浦が北朝鮮への嫌がらせがしたいだけではないのか。あるいは「よど号グループが属した新左翼」や「広い意味では新左翼も含まれる左翼(社民党共産党など)」にネガキャンがしたいだけではないのか。


有本恵子さん拉致の全貌 - 高世仁の「諸悪莫作」日記

よど号」事件といっても知らない人が増えていると思う

 まあそれは仕方がないことですね。何せ1970年、佐藤内閣での事件ですから。
 1970年代に起こった同様の新左翼テロである「ハーグ事件」「三菱重工ビル爆破事件」(1974年、三木内閣)、「ダッカハイジャック事件」(1977年、福田内閣)なども知らない若い人が多いでしょう。
 当然「超法規的措置」「人命は地球よりも重い(福田首相)」なんてのも知らない。 

 恵子さんがロンドンで学ぶ語学学校「インターナショナル・ハウス」で巧みに恵子さんに接近する一人の日本人女性がいた。用心深い恵子さんだったが、自分と同じ兵庫県出身だというその女性に「お姉さん」と呼ぶほどの全面的な信頼を寄せるにいたる。
 失踪から19年たった2002年3月、その女性が恵子さん拉致を法廷で証言し、事件の驚くべき全貌が明らかになった。
 あの小泉訪朝の半年前のことである。
(つづく)

 で、その女性というのが『謝罪します』(2002年、文藝春秋)という著書を出版した八尾恵です。

*1:桜を見る会疑惑追及」への産経の誹謗中傷ですね。

*2:未だに「持病悪化による退陣」と虚言が吐ける神経には心底呆れます。石橋湛山首相辞任ならまだしも安倍の退陣は病気辞任などではない。「参院選敗北→首相を辞任せず居直ったが、支持率は低下の一途→党内で安倍おろし→安倍が抵抗できず辞任」が事実です。

*3:とはいえそんなもんに丸め込まれる有本も呆れたバカです。俺は有本には何一つ同情しません。むしろ「有本の馬鹿さ」を軽蔑や憎悪すらしています。

*4:三浦らウヨの考えにおいて、破防的な形で解体するのか、「第一次暴力団頂上作戦(多くは偽装解散にすぎず後に再結成されたが、多くの暴力団が締め付けに耐えられず一時解散した)」のような形で経済的に締め付けて解体に追い込むのかはともかく。