今日の産経ニュースほか(2020年2月27日分)(副題:つくる会歴史教科書不合格、ほか)

【正論】戦勝国史観見直しの好機逃すな 評論家、拓殖大学大学院客員教授・江崎道朗 - 産経ニュース
 酷い妄想で呆れて二の句が継げませんね。さすがに故意のデマでしょうが、「クマラスワミ報告」「マクドガル報告」「ユネスコ記憶遺産に南京事件資料登録」などを無視してよくもこんなデマが飛ばせたもんです。


「答弁に詰まり有名になった」発言を釈明 北村地方創生相 - 産経ニュース
 あまりにも馬鹿すぎて呆れて二の句が継げませんね。


つくる会ツイート

https://twitter.com/Tsukurukai/status/1232529141800398849
 下記の画像は今日、全国の学校で使用されている山川出版社の高校教科書『詳説日本史B』(平成28年検定合格)。
 坂本龍馬大政奉還への関りを断定。
 山川は合格で(ボーガス注:とも言われている、という)抑制的な記述の当会の教科書は「欠陥」扱い。これが嫌がらせではなかったら何なのか?

 まあこういう指摘は「事実なら」正当なもんだと思いますね。俺もアンチつくる会ですが「龍馬が大政奉還に関わったかのように書いたら駄目だと言うが、山川だって(平成28年合格の教科書で)そう書いてる」というなら、この部分はつくる会への検定意見として果たして適切かどうか疑問符がつくでしょう(もちろん「山川も訂正すべきなのであり検定意見は間違ってない」という理解もあり得ますし、文科省がそう主張するなり、山川がこの『文科省つくる会のバトル』に巻き込まれるのを恐れて書き直す、なりすることも今後あり得ますが)。
 ただし、つくる会の場合、全部で「400の意見」ですからねえ。1個や2個、問題点を指摘しても追いつかない(苦笑)。そして今のところつくる会の反論は「せいぜい数個」にとどまってるわけです。

新しい歴史教科書をつくる会【公式】
文科省教科書検定
×古墳に祀られている
◎古墳に葬られている
 いわゆる「仁徳天皇陵」に仁徳天皇が「葬られている」かは考古学的に議論の余地があります。
 ただ、宮内庁が「仁徳天皇陵」と比定して「祀っている」のは事実なのでそう表記しましたが「生徒が誤解するおそれ」があるそうです

 びっくりですね。右翼として「仁徳天皇陵天皇陵か怪しいこと」について触れずにごまかすかと思っていましたが。ただし「仁徳天皇の実在自体が怪しいこと」については触れていません。

新しい歴史教科書をつくる会【公式】
 別に他社が「(ボーガス注:仁徳天皇陵に)葬られている」と書いても良いと思いますが、この程度の表現の幅すら認めないのは文科省による検閲ではないか?という問題提起だとご理解いただきたく。

 びっくりですね。極右集団として「葬られた、と書く他社の方がおかしい!」というかと思いきや「他社はそう書けばいい、他社の執筆の自由は否定しない。我々の執筆の自由を認めてほしいだけだ」そうです。

https://twitter.com/Tsukurukai/status/1232853652559159296
新しい歴史教科書をつくる会【公式】
文科省教科書検定
×1949中華人民共和国(共産党政権)成立
 文科省によると「連合政権だから(ボーガス注:この記述では共産党単独政権だと)生徒が誤解する」からダメ
 これ冷戦構造の説明の年表なんですけど。
 「中国人民政治協商会議による連合政権」とか書いた方が中学生は何のことかわからず誤解すると思いますが

 「文科省検定意見の是非」はともかく、「連合政権であること」は事実なのに、なんでこんなに「連合政権と書くこと」を拒否するかと言えば「反共右翼だから」でしょう。教育的見地ではない。「教育の場にそうした反共極右主義を露骨に持ち込む」のもどうかと思います。俺だったら「ああ、そうですか?、じゃあ書き直します」ですけどね。(今の自公連立を「自民主導の連立」と呼ぶように)「中国共産党主導の連合政権」とでも書いてどうなるか、文科省の反応を見てみたいと思うところですね。
 単につくる会が「建国当時から中国は共産党色の強い政権だった」といいたいだけなら「共産党主導の連合政権」で何の問題もない。 
 「単独政権と誤解するからこの記述じゃ駄目だ」という文科省の要望にも応えてるし、俺がつくる会の立場ならまずこの修正記述で様子見ですかね。

新しい歴史教科書をつくる会【公式】
 (ボーガス注:龍馬『大政奉還』記述での文科省検定意見について船中八策をアピールしてはどうかとのご意見ですが)いわゆる「船中八策」は史実ではありません。
 そこを推しても文科省に議論で勝つのは無理です

 南京事件否定論河野談話否定論のデマ右翼・つくる会ですが「船中八策が後世の創作であること」は認めるそうです(なお、これについてはウィキペディア船中八策』や龍馬と亀山社中、関係薄い? 船中八策は虚構の可能性:朝日新聞デジタル坂本龍馬は教科書に必要か 大政奉還や薩長同盟、史実は:朝日新聞デジタル参照)。
 だったら
1)大政奉還に龍馬が関わったかどうかも怪しいこと
2)南京事件否定論河野談話否定論はデマであること
も認めたらどうなんですかね。というか「船中八策が後世の創作」と理解するだけの能力がある*1なら、南京事件否定論河野談話否定論をがちで真実だと思うほどつくる会もバカじゃないでしょう。皮肉にもこのツイートで「嘘と知りながら南京事件否定論河野談話否定論を垂れ流してること」を事実上認めてるつくる会です。

新しい歴史教科書をつくる会【公式】 on Twitter: "【文科省教科書検定】
❌(毛利輝元は)関ヶ原の戦いでは西軍の大将格として徳川家康に敗北しました

輝元が実際に戦闘に参加したように生徒が誤解する…?
それでは「足利義満が建てた金閣」も義満が大工として建てたように誤解しますね。
これでは教科書が書けない😫
酷いいちゃもんだと思いませんか?… https://t.co/h6KrAgRhfw"

 この指摘は俺個人は「文科省の方が正しい」と思います。つくる会の書き方では
1)実際の総大将は石田三成で、輝元はお飾りでしかない。織田信長政権における室町幕府将軍・足利義昭のような存在でしかない
2)三成とのしがらみから輝元は総大将を仕方なく引き受けたが、家康勝利を予想する家臣が猛反発。結果、「総大将は続けるが大阪城に籠城する」「家臣のみが戦闘する」方針をとり、三成の出陣要請を徹底的に無視
3)そのため、輝元は死罪となった石田三成小西行長と違い「領土削減」という軽い処罰ですんだし、ましてや大谷吉継のように戦場で自決することもなかった
という面が読み取れません。「義満が金閣を立てた」なんて話とは全然話が違う。
 このつくる会ツイートにも

kazu_moriwaki on Twitter: "それならば、五奉行格の石田三成が西軍の総大将では士気的に難しい点や大谷吉継の進言にて、五大老で家康の次の勢力を持っていた毛利輝元を西軍の総大将として担ぎ出した経緯について検証して補足し、関ヶ原へは出陣せずに大坂城にて秀頼や淀殿を補佐して指揮を執っていた旨を加筆した方が分かり易い。… https://t.co/Uzq0tC1s5J"

というリツイートがついています(書き直させるべきで一発不合格にすべきではないとしていますが、『文科省意見の正当性』は認めています)。
 要するに五奉行の三成が旗頭では五大老・家康に対抗するには力不足だったわけです。
 つうか歴史ファンだったら、大河ドラマなどから「三成が実質的総大将」ということを知ってるので「え、文科省意見の方が正しいんじゃないの?」でしょう。これで「俺たちの正しさが分かってもらえる」と思えるつくる会は本当に理解できません。


【主張】歴史教科書 太子や龍馬を泣かせるな - 産経ニュース
 ぶっちゃけ「つくる会の記者会見」の翌日にこうした社説が出てもおかしくないところ、「数日たってやっと産経抄や社説で取り上げる」「三浦小太郎のブログ記事つくる会教科書 検定不合格。しかし「中華人民共和国」はどう見ても「中国共産党政権」だと思う | 三浦小太郎BLOG Blue Moonよりも産経抄社説で取り上げるのが遅い(三浦の記事が記者会見翌日の2/22、産経抄が2/25、社説が2/27)」辺り、産経が「育鵬社じゃないからどうでもいい」と当初考えていたことは間違いないでしょう。もしかしたら不合格決定自体が「産経の要望に対する安倍の対応」という「モリカケ並みの忖度行政」なのかもしれない。
 ところが、おそらくウヨ方面(特に高池や藤岡らつくる会)から「つくる会記者会見翌日(2/22)に、速攻で社説や産経抄で取り上げるのが当然だ!。何故取り上げない!。育鵬社不合格ならそうしていたんじゃないのか!」「産経は、育鵬社じゃないからどうでもいいと思ってるのか!(実際そうだったのでしょうが)」「それどころか、もしかして、この不合格決定は産経の要望か?。産経がつくる会つぶしに動いてるのか!」つう批判が出てきたのでしょう。
 産経として「チッ、うるせいなあ。高池勝彦藤岡信勝がどうなろうと知るかよ!」「育鵬社に反対して出て行った奴なんか死のうが生きようが知ったことか!。むしろ今回のことをきっかけに育鵬社にわびに来たらどうなんだ!」「仮に俺たちが不合格を安倍政権に要請したとして何か問題があるのか!(注:もちろん商売敵の不合格を要請するなど、モリカケ並みの無法行為です)」とはさすがに言えない。
 「考えが違うから分かれたとは言え同じウヨ仲間じゃなかったのか!」「産経は自分さえ良ければそれでいいのか!」「もし今回の件が産経の陰謀ならそもそもそんな行為は違法行為じゃないのか!」というウヨ業界(特に高池や藤岡らつくる会)からの非難が確実に予想される。その結果、慌てて、文科官僚(決して安倍首相、萩生田文科相ではない)への批判を始めるわけです。
 まあ「ゆとり教育での寺脇氏非難」「小泉訪朝での田中氏非難」なみに無茶苦茶な「官僚ガー」非難ですね。「口頭決裁(苦笑)」であれ萩生田の決裁なしで不合格なんかありえないわけですから。

 つくる会の反論はもっともな点が少なくない。たとえば、年表の中で1949年の「中華人民共和国共産党政権)成立」の記述が「誤解されるおそれ」があるとされた。成立時は「連合政権」だというが、実態は共産党政権に変わりない。それを無視しては、かえって生徒の理解を損ねよう。
 仁徳天皇をめぐる記述で「(ボーガス注:面積が?)世界一の古墳に祀(まつ)られている」との記述に対し「葬られている」が正しい表現とされた。だが天皇陵は単なる墓所ではなく祭祀(さいし)の対象とされ、「祀られている」で問題ないとの同会の説明はうなずける。
 聖徳太子坂本龍馬の功績をめぐる記述にも意見がついた。

 三点セットと言うべきか、毎度毎度「中国建国は連立政権(共産党単独政権ではない)」「仁徳天皇陵に祀るではなく、葬る」「坂本龍馬大政奉還」の3つを持ち出す産経です(つくる会もそうですが)。
 400カ所も指摘があったそうなので、その3つ以外にも指摘はあるのに。つくる会らウヨにとってこの3つがよほど不愉快だったのか。この3つを持ち出せば「ウヨのみんなはつくる会を支持してくれる!」と思ってるのか。

 新学習指導要領で「聖徳太子」を避け、「厩戸王(うまやどのおう)」の表記を優先しようとする方針に異論が出て撤回されたことも記憶に新しい。一部教員グループが高校教科書の歴史用語から坂本龍馬らを外す案が物議をかもしたこともある。

 今回の検定と関係ないこと持ち出すなって話です。教員グループとやらに至っては民間団体で文科省は関係ないし。

 教科書が人物ドラマや時代を通じて流れる国民の物語を欠いては無味乾燥なものになる。

 歴史教育にその種の面白さを求めるなって話です(つくる会教科書が面白いか疑問ですが)。歴史教育は「歴史娯楽物(NHK大河ドラマなど)」とは違う。

 戦後歴史教育では日本をことさら悪く描く自虐史観*2が拭えない。教科書検定でも外圧に弱い点が指摘され、中韓などへの配慮を求める「近隣諸国条項」もいまだに見直されていない。検定も自虐史観にとらわれていては、歴史を多角的にみる力*3を重視する新学習指導要領の趣旨にかなわない。

 安倍の名前を出さないとはいえ「建国当時の中国は連立政権(共産党単独政権ではない)」を事実上「外圧(中国)への屈服に違いない(4月の習主席訪日とも無関係ではない?)」と安倍政権を事実上非難する産経です。


【阿比留瑠比の極言御免】教科書検定 見えた左派の根 - 産経ニュース

 「何でもあり」の政界を長く眺めていると、大抵のことには驚かなくなるが、今回の事件には衝撃を受けた*4。来年度採択の中学校の教科書検定をめぐり、「新しい歴史教科書をつくる会」(高池勝彦会長)が推進する教科書(自由社)が不合格になった件である。
 若手議員の頃から教科書正常化運動*5の牽引(けんいん)役となってきた安倍晋三政権下で、しかも運動に率先して携わってきた自民党萩生田光一氏が文部科学相を務めているこの時期に、その流れに真っ向から逆行するようなことが起きたのである。

 有料記事なのでここまでしか読めませんが、これ以降の内容は「文科官僚の反逆」「安倍総理も萩生田文科相も悪くない」という詭弁であることは容易に想像がつきます。
 「モリカケ財務省内閣府)」「桜を見る会内閣府)」「検事長定年延長(人事院)」などで安倍のいいなりに官僚がデタラメな国会答弁を強要されてるのを見ながら、あるいは「森友疑惑で財務官僚から起訴が一人もなし、籠池夫妻のみ起訴(検察庁)」「山口某のレイプもみ消し(警察庁)」など安倍の権力乱用疑惑を知りながら、阿比留もよくもまあ「自由社版・つくる会教科書は文科官僚の安倍首相、萩生田文科相への反逆だ」「文科省左傾化してる」なんてデマカセが言えたもんだと感心します。そんなことが今の官僚組織に出来るわけがないでしょう。官僚たちは完全に安倍に屈服している。
 いや官僚どころか、テレビ朝日が安倍の恫喝に屈し、古館キャスターを報道ステーションから更迭したり、新聞各社も「新聞労組」はともかく日本新聞協会は「東京新聞・望月記者」に対する菅官房長官の誹謗中傷にろくに抗議しない無様さです。マスコミ上層部すら安倍に怯えている。
 ホテルオークラ桜を見る会関係のパーティーを実施)も安倍の報復が怖くて、「桜を見る会」での野党の質問に対して、安倍に調子を合わせてる(もはやまともな法治国ではなく、安倍独裁国家とでも言うべき惨状です。歴代総理でここまでクズな奴もいない)。
 たとえば文科省限定ですら、安倍や萩生田がごり押ししたとしか思えないもんとして

中教審委員に一時、「安倍と交友関係のある右翼活動家」櫻井よしこ・国家基本問題研究所理事長が任命された
・前川氏が退官後、加計告発。氏は「文科事務次官在任当時からおかしいと思っていたが、政権の報復が怖くて言えなかった」と証言
(例えば前川氏「特定の人のためゆがんだ」/加計行政手続き 首相の意向 3ルートで/岡山で講演と対談参照)
・前川氏が退官後、朝鮮学校無償化除外を批判。無償化除外には乗り気でなかったが、安倍政権からの圧力で「無償化除外をせざるを得なかった」と証言
・前川氏の告発後、安倍翼賛メディア・読売が「前川は出会い系バー通いをー」という中傷報道。官邸のリークとみられる。しかし週刊文春が「前川氏は出会い系バーに興味を持って訪問しただけで援助交際(買春)などしてない」という前川擁護報道。読売に対しては「安倍政権にどこまで媚びるのか?」「どこまで恥知らずなのか?」と安倍批判派の批判が沸騰。「我々は安倍擁護などしていない」と読売が異例の釈明記事。
(例えば前川前次官の出会い系バー通いの真相 - 高世仁の「諸悪莫作」日記参照)
・安倍政権下において「格闘技の授業」が必修化されたあげく、銃剣道が学習指導要領において「柔道や剣道、空手などとともに格闘技の例」としてあげられる
(例えば中学の武道に「銃剣道」/「子どもに教えていいのか」「自衛隊がかかわるのでは」/不安・疑問の声隊発足以来 銃剣道の訓練中自衛隊死者2人/宮本徹議員要求に防衛省回答/胸突く危険な技 中学で教えていいか参照)
・前川氏が愛知県の学校で講演した際、文科省から「どういう経緯で講演したのか」という嫌がらせとしか思えない問合せが学校に来た
(例えば主張/前川氏授業に圧力/異常な教育介入、異常な体質前川氏授業に圧力 異常な教育介入/不当な支配の可能性高い/前川氏がコメント文科省の前川氏授業調査/自民議員が執拗な要請 電話とメールの間にも/吉良氏「政治介入そのもの」参照)
文化庁補助金がつくことが決定していた「あいちトリエンナーレ」について文化庁が決定を撤回。少女像(慰安婦像)が展示された事への安倍や萩生田の報復とみられる
(例えば不交付の議事録なし/あいちトリエンナーレ 本村議員に文化庁回答主張/あいち国際芸術祭/補助金不交付の決定は撤回をトリエンナーレ補助金/吉良氏 不交付の撤回要求/参院文科委参照)
文化庁所管の独立行政法人日本芸術文化振興会(芸文振)」の補助金がつくことが決定していた映画「宮本から君へ」について芸文振が「出演者ピエール瀧の薬物使用問題」を理由に決定を撤回。「瀧の薬物使用」は口実で「宮本から君へ」のプロデューサー河村光庸氏*6が映画「新聞記者(原案:望月衣塑子「新聞記者」(角川新書))」のプロデュースもしている事への安倍や萩生田の報復とみられる。河村氏が芸文振を提訴し、現在裁判中。
(例えば映画『宮本から君へ』助成金の内定取り消し、製作会社が芸文振を提訴 ピエール瀧さん出演を問題視 | ハフポスト本日、『宮本から君へ』助成金不交付を提訴した! - 河村光庸|論座 - 朝日新聞社の言論サイト参照)

なんて出来事があるわけです。
 阿比留や産経はこれら全て「安倍総理や歴代文科大臣は関係ない」と強弁する気なのか。
 あるいは昨日の「しばらくの間(3/15頃まで)、コロナ予防のため、文科省所管の国立美術館(上野の東京近代美術館など)、国立博物館(上野の東京国立博物館など)、国立劇場などは使用をやめて閉鎖します(例えば国立の美術・博物館閉館を 萩生田文科相、劇場公演の中止も要請―新型肺炎:時事ドットコム参照)」「ある市町村の学校で感染者が出たら、思い切って街ごと学校を休みにすることを選択肢にしてほしい(例えば
「複数の感染者出た市は、全て休校を選択肢に」 文科相:朝日新聞デジタル「卒業式やりたい」「仕事休めない」…文科相方針が波紋 [新型肺炎・コロナウイルス]:朝日新聞デジタル参照)」なんてのも文科相・萩生田の了解なしで出来ることではない(そもそもこれについては、萩生田自身が記者会見してるわけですが)。
 いかに「安倍総理や萩生田文科相つくる会教科書を積極的に不合格にするわけがない」といいたいからと言って詭弁が酷すぎます。
 不合格決定は勿論、個別の検定意見「建国当時の中国は連立政権(例えばつくる会教科書 検定不合格。しかし「中華人民共和国」はどう見ても「中国共産党政権」だと思う | 三浦小太郎BLOG Blue Moon参照)」だって「祀るではなく葬ると書け(仁徳天皇陵)」だって安倍や萩生田の事前了承があるに決まってるでしょう(正直「建国当時の中国は連立政権」には驚きましたが、2018年5月の「李克強首相・北海道訪問への安倍の同行(親中国に傾斜する最近の安倍)」を考えれば驚く必要はないのかもしれません)。
 まあ「一帯一路や習主席国賓訪日は二階ガー」「河野談話踏襲やロシア外交、習主席国賓訪日は外務官僚ガー」「消費税増税は財務官僚ガー」などの文科省版でしかありません。
 断言してもイイですが、「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年2/26分:島田洋一の巻) - bogus-simotukareのブログでも指摘しましたが、今がたとえば「細川(日本新党)、羽田*7新生党)、村山(社会党)、鳩山*8、菅*9、野田*10民主党)」といった非自民内閣や、自民内閣でも「媚中国」扱いして敵視してる宮沢*11内閣(天皇訪中を実行)や福田康夫*12内閣(福田氏が訪日した胡錦濤国家主席と会談、また北京五輪開会式に出席)なら「こんなことは文科相の一存で出来ることではない」と確実に非難してるでしょうから全く阿比留ら安倍万歳右翼もデタラメな連中です。
 あるいは安倍政権の文科相でも、萩生田ほどの極右ではない「馳浩*13細田*14派、第3次安倍第1次改造内閣)」、「松野博一*15細田派、第3次安倍第2次改造内閣)」、「林芳正*16(岸田*17派、第3次安倍第3次改造、第4次安倍内閣)」ならためらいなく産経も「あんな奴、大臣を首にしろ」「馳なんか『日体大の学生を率いて訪朝*18したことがある松浪健四郎*19日体大理事長)』の『レスリングの世界での後輩*20』で日体大理事もやってる。前から馳は怪しいと思っていたがやはりそう言う奴だったんだ」などといっているのではないか。
 阿比留も自分の主張が嘘だと言うことは分かってるでしょう。
 なぜ安倍や萩生田がこんなことをしたのかも簡単に想像がつく。
1)自由社系・つくる会を不合格にする一方で、育鵬社版・つくる会は合格にし、育鵬社をアシストし、自由社を潰す(既に指摘しましたが、阿比留ら産経自身が「フジサンケイグループ育鵬社をアシストするため、「自由社を潰してくれ」と安倍や萩生田に頼んだ疑いすらあります。もしそうなら自分らで自由社潰しを頼みながらこんな記事を書くとは阿比留も産経も呆れたクズですが。正直、高池勝彦藤岡信勝らもそうした産経への疑念は絶対に持ってるでしょう)
2)4月の習主席訪日を前につくる会教科書を潰すことで日中友好ムードを高める
のどちらか、あるいはその両方でしょう。
 ところが1)も2)も阿比留も産経も認めたくない。
 「安倍は育鵬社のためなら、高池勝彦つくる会会長や藤岡信勝つくる会副会長なんかためらいなく潰す(もしかしたら産経自体が育鵬社アシストのために安倍らに潰しを依頼した?)」も「安倍は4月の習主席訪日成功のためなら(以下略)」なんてことも認めたくない。その結果「文科官僚の反逆」などという、阿比留本人すら絶対に信じてない強弁が飛び出すわけです。
 「前から分かってること」ですが、もはや阿比留は記者と言うより右翼活動家でしかありません。産経もまともな新聞ではない。

*1:正直、司馬遼太郎竜馬がゆく」のイメージから船中八策を事実と思い込んでる日本人は多いでしょう。

*2:南京事件慰安婦も事実なので自虐ではありません。大体そんなこと言うなら、仮に「ドイツがホロコーストを教科書に書かない」「ロシアがスターリン粛清を教科書に書かない」「中国が文革を教科書に書かない」「北朝鮮朝鮮戦争南進を教科書に書かない」(実際どうなのか知りませんが)でも産経は容認するのか?

*3:「歴史を多角的に見る=俺たちの歴史修正主義南京事件否定論など)も認めろ」の産経です。いつもながら酷い詭弁です。

*4:まあ、大抵の人間はそうでしょう。

*5:阿比留なので予想の範囲内ですがよくもまあ「正常化」なんて言えたもんです。

*6:エグゼクティブプロデューサーを務めた映画『かぞくのくに』(2011年)で藤本賞特別賞を受賞(藤本賞は映画プロデューサー藤本真澄東宝副社長)の功績を讃え、東宝によって設立された賞で映画プロデューサーが対象)。また映画『新聞記者』のプロデュースで2019年度新藤兼人賞プロデューサー賞を受賞(ウィキペディア『河村光庸』参照)。

*7:中曽根、竹下内閣農水相、宮沢内閣蔵相、細川内閣副総理・外相などを経て首相

*8:新党さきがけ代表幹事、細川内閣官房副長官民主党幹事長(菅代表時代)などを経て首相

*9:社民連代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、民主党幹事長(鳩山代表時代)、鳩山内閣副総理・財務相などを経て首相

*10:鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相、首相、民進党幹事長(蓮舫代表時代)を歴任

*11:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*12:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*13:小泉内閣文科大臣政務官、文科副大臣、第3次安倍第1次改造内閣文科相など歴任

*14:小泉内閣官房長官自民党幹事長(麻生総裁時代)、総務会長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*15:第一次安倍内閣厚労大臣政務官、福田改造内閣文科副大臣、第3次安倍第2次改造内閣文科相など歴任

*16:福田改造内閣防衛相、麻生内閣経済財政担当相、第2次、第3次安倍内閣農水相、第3次安倍第3次改造、第4次安倍内閣文科相など歴任

*17:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て現在、自民党政調会長

*18:松浪訪朝については例えば【話の肖像画】日本体育大理事長・松浪健四郎(72)(9)物議を醸した訪朝 - 産経ニュースそこが聞きたい:北朝鮮とのスポーツ交流 日本体育大理事長・松浪健四郎氏 - 毎日新聞参照

*19:小泉内閣外務大臣政務官、第一次安倍、福田内閣文科副大臣など歴任

*20:卒業大学も一緒かと思いましたが、ウィキペディアによれば松浪氏が日体大、馳が専修大なのでそこは違います。