野原燐(id:noharra)に突っ込む(2020年9月27日分)

野原燐がリツイート
 それはまずいんじゃないかな。
 米国の大衆(善意の反共主義者)に大ヒットすれば、劉慈欣に対する抑圧は極端に強くなる。(ボーガス注:ノーベル文学賞作家で、映画『赤いコーリャン』の原作者である)莫言*1にさえ加えられている抑圧を理解していない。SF作家でもある王力*2ツェリン・オーセル*3夫妻*4などたぶんほとんど幽閉状態?
◆KASUGA, Sho
 そもそも『三体』*5って監視社会の話だしね。支配者が外敵という設定になってるから中国共産党も見逃しているだけで…。私だったら、(ボーガス注:劉の『本心か疑わしい』ウイグル統治擁護発言を理由にドラマ化に反対するのでは無く)そう言った文脈に一定、西側の視聴者が理解をできるような「解釈」を施してあげて映像化することが、劉慈欣の意図にも適い、かつ人間性にとっても資すると思うけど。
「SF小説『三体』実写化やめて」米5議員がネットフリックスへ要請 中国作者がウイグル迫害を正当化

 びっくり仰天ですね。何がびっくり仰天って「小説『三体』のドラマ化に注意しないと中国在住の原作者が、中国政府に迫害される恐れがある(たとえ善意のドラマ化でも)」というほど「敏感な」野原が
1)「北朝鮮政権打倒」を過去に公言したのは、あるいは
2)巣くう会の北朝鮮政権打倒論を容認してるのはどういう意味なのかという話です。
 そうした暴挙が拉致被害者や日本人妻、ウンギョンさん、寺越武志さんに対する北朝鮮による迫害を招きかねないとどうして思わないのか。
 なおKASUGA氏はそのツイートから

「劉は中国在住なんだから中国共産党ウイグル統治批判なんかできるわけねえだろ。劉批判してる奴はバカなんじゃねえの?」
「監視社会を批判する劉の小説『三体』が中国共産党批判を示唆してることは明らかだと思うが(ただしSF小説の形態なので中国政府も黙認している)」

と認識してるらしいことが読み取れますね。もちろん劉の実際がどうかは分かりませんが「中国在住の人間」の「中国政府擁護発言」をそのまま本心だとみるのは確かに「財務官僚の森友答弁」「内閣府官僚の「桜を見る会」答弁」を彼らの本心だとみるくらい問題がありすぎでしょう。

野原燐がリツイート
◆じゅんちゃん
 我が国の北朝鮮化がすごい。数字とかがもう無茶苦茶で、よくわからなくなってきてとにかく大丈夫だと思うという非科学的楽観論を突き進む世界でも類まれな国家。

 アンチ北朝鮮の「野原と類友」らしいですが北朝鮮に対してあまりにも失礼すぎると思いますね。
 まず第一に日本政府を「非科学的楽観論」と批判するにおいて北朝鮮を持ち出す必然性が無い。
 第二に北朝鮮ほど「現実的でシビアな国家」もないでしょう。全然「数字とかがもう無茶苦茶で、よくわからなくなってきてとにかく大丈夫だと思うという非科学的楽観論を突き進む」なんて国家では無いでしょうよ。
 まあ俺は勿論北朝鮮専門家では無い。詳しいことまでは分かりません。
 しかし北朝鮮がそんなデタラメな国家なら、いかに中露が経済支援していてもとっくの昔に体制が崩壊していたでしょうね。中露に見限られたんじゃ無いか。
 まあ、北朝鮮は面子のために、外部に向かっては景気のいい、調子のいいことを言ってるかもしれませんが、内部においては「実体に基づいたデータ」でシビアに動いてるでしょうねえ。
 「ドイツが同盟国だから米国相手に戦争しても勝てるんじゃ無いか」「真珠湾攻撃で米海軍に大ダメージ与えれば勝てるんじゃ無いか」等と都合のいい設定で対米戦争始めたあげく、敗戦した戦前日本などとはおそらく北朝鮮は違う。
 「数字とかがもう無茶苦茶で、よくわからなくなってきてとにかく大丈夫だと思うという非科学的楽観論を突き進む世界でも類まれな国家」つうののは典型例は対米戦争始めた戦前日本でしょうね。

*1:著書『赤い高粱』(2003年、岩波現代文庫)、『白檀の刑』(2010年、中公文庫)など

*2:著書『私の西域、君の東トルキスタン』(2011年、集広舎)、『黄禍』(2015年、集広舎)、『セレモニー』(2019年、藤原書店)など

*3:著書『殺劫(シャーチェ):チベット文化大革命』(2009年、集広舎)、『チベットの秘密』(2012年、集広舎)

*4:王力雄、ツェリン・オーセル夫妻って「SF作家」なんですかねえ?。むしろ「もっとストレートでひねりの無いわかりやすい中国批判作家」だと思いますが。

*5:邦訳は2019年、早川書房