今日の産経ニュース(2021年5月30日分)

アマチュア無線、27年ぶり会員増 コロナ禍で脚光 - 産経ニュース

 日本アマチュア無線連盟(JARL)の令和2年度末の会員数は、前年同期比574人増で6万5788人となり、平成6年以来、27年ぶりに増加した。インターネットの普及などで長らく下火だったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い室内でできる趣味として、新たな愛好家を獲得しているようだ。

 まあ、今時、アマチュア無線が趣味という人間も少ないでしょう。


【主張】わいせつ教員 法の厳格運用で子供守れ - 産経ニュース

 現行の教員免許法では、教員が懲戒免職になっても最短で3年たてば免許を再取得できる。これに対し新法では、わいせつ行為を「性暴力」と定義し、都道府県教育委員会に免許の再交付を拒否できる裁量権を付与した。
 再交付の判断に、各教委でばらつきがあっては困る。文科省には、わいせつ教員の現場復帰を許さない明確な基準づくり*1を求めたい*2

 率直に言って「不当な拒否だ」と裁判になっても「問題ない」と反論できるまともな基準なんか作れるんですかね?
 「性犯罪で懲戒免職なら一律、交付しない」では「裁量権なんて有名無実」「それなら最初から法律で交付不可とすべきだし、交付不可と明記することには法律上、問題があるというなら一律交付しないという扱いはおかしい」。
 一方で「ケースバイケースで交付不可としたり可としたりする」という基準が出来れば良いですが果たして出来るのか。
 共産党も賛成し全会一致だったようですがそういう意味で「共産支持ですが」俺はこの法律には「成立させて良かったのか」と言う疑問を感じますね。
 別に現行法だって「免許を交付」したところで、採用試験で落とせばいいわけですしね。
 そして菅政権は「そうした基準作りが難しい」という内閣法制局のダメ出しを食らって、政府提出法案として出すことを断念したわけです(その結果、議員立法になった)。
 むしろ「性犯罪による懲戒処分者(懲戒免職、諭旨免職など)のデータベース」でも充実させて採用試験時に「そういう危ない過去があると知らずに採用してしまう」つうリスクを減らす方が余程現実的じゃ無いか。

 沖縄県では平成25年、中学3年時にキスなどをされた女子生徒が1年後に自殺した。大分県でも31年、みだらな行為をされた女子高生が自殺を図った。命はとりとめたが、今も意識不明の状態が続く。
 この現実を、教育関係者は厳粛に受け止めるべきだ。

 勿論性犯罪はなくすべきですが、現実問題「ゼロにする」なんて無理でしょう。わいせつ教員を学校から仮に完全に排除できても、学校以外にも「わいせつ犯罪実行の予備軍」がいますし。自殺云々(未遂含む)についていえば「わいせつ犯罪をなくそう!」つう話よりむしろ「被害者の精神ケアをどうするか」つう話に持って行くべきじゃ無いか。なお、自殺云々つうのは「犯罪被害者一般」に共通する話であって「性犯罪限定じゃない」つう点も指摘したい。
 などと以上の様なことを書くと「性犯罪者に甘い」「身内に被害者が居ないからそういうことを言う」「お前も性犯罪者予備軍か!」などと発狂する方(特に性犯罪被害者とその身内)が居るとは思いますが俺はそういう価値観です。


【産経抄】5月30日 - 産経ニュース

・落語家の春風亭一之輔さんが小紙のコラムで筆を尖らせていた。新型コロナ禍で傷ついた芸能・芸術の再建にお上も一肌脱いでもらいたい。さりとて「官房長官に『寄席(よせき)』と読まれたら、(ボーガス注:寄席が潰れても構わないと思ってるのだろう、無関心なのだろうと)諦めるしかないか」と。
・ひと月ほど前、緊急事態宣言下で客を入れた東京都内の寄席(よせ)に無観客を要請した際の読み間違い、いや失言である。
・「近いうちに寄席が無くなるかも」とは一之輔さんの嘆きである。世の中はしかし、捨てる神ばかりでもない。落語協会落語芸術協会が、インターネット上で寄席への支援金を募ったところ、わずか4日で目標額の5千万円に達した。
 支援金は都内5軒の寄席の運営資金に活用されるという。

◆安倍*3の「でんでん*4(云々(うんぬん)の誤読)」「立法府の長としての私(『行政府の長』の言い間違い)」
◆麻生*5の「みぞゆう(未曾有(みぞう)の誤読)」「ふしゅう(踏襲(とうしゅう)の誤読)」

などには「ただの言い間違い。野党やマスコミは首相への揚げ足取りは辞めろ!」「そんなことより政策批判ガー」と甘かった産経が今回は「揚げ足取りは辞めろ!」とはかばわず、「加藤官房長官が経営に苦しんでる寄席(よせ)に理解がないからそう言う誤読をする」「寄席ぐらいまともに読めないのか」「そもそも落語、漫才など寄席芸能に全く興味が無いのだろう」という趣旨の悪口をするのも
1)菅政権のコロナ対応(自粛要請してもろくに休業支援しない:とはいえこの点は安倍政権時代も大して変わりませんが)に呆れてる
2)安倍政権で「官房長官(菅)」「厚労相自民党総務会長(加藤)」として重用されたとはいえ、菅や加藤が、産経にとって「安倍ほどの極右でない」「派閥ボスでもある麻生ほどの重要人物でない」のでかばう気にならない
3)寄席への愛着心などといったところでしょう。

参考

立川談四楼「寄席をヨセキと言った」加藤官房長官に嘆き 休業の決断には「引き際は見事だったねえ」:中日スポーツ・東京中日スポーツ2021年4月29日
 落語家の立川談四楼(69)が29日、自身のツイッターを更新。緊急事態宣言下で観客を入れて営業を続けていた東京都内の4カ所の定席寄席が5月1日から休業を決断したことに好意的な意見をつづるとともに27日の会見で加藤勝信官房長官が寄席を「ヨセキ」と読んだことを嘆いた。
 「テレ東の官邸キャップが落語好きの閣僚に寄席の無観客について訊ねた。小泉進次郎*6は続行に理解は示したものの『要請には従って欲しい』とたちまち政治家に戻り、加藤官房長官は、寄席をヨセキと言った段階でメッキが剥げた」とした。
 加藤官房長官は27日の定例会見で「ヨセキを含む劇場等に対し無観客開催を要請していると承知している」と述べ、一般には「ヨセ」と呼ばれる寄席を「ヨセキ」と表現していた。
 フォロワーからも「よせき(寄席)も自粛せざるを得ないみぞゆう*7(未曾有)の事態」「文化芸術にはまったく興味なく生きてきたのかな」と皮肉を込めた意見も寄せられた。

*1:常々凶悪犯罪で「判例永山基準など)なんか無視しろ、遺族の要望に従ってどんどん死刑にしろ」と言う産経が今回は「公平性確保のために統一基準作りを」だそうです。おそらく1)「再交付拒否が殆ど無い、現状の対応とほとんど変わらない自治体」が多数出ることを恐れてる、2)とはいえまさか『性犯罪被害者の希望に従いどんどん交付拒否しろ』とも言いづらい(裁量権の否定になるので)のでしょうが、本当に無茶苦茶です。

*2:「政府提出法案でもないのに何で文科省?」ですね。俺が文科官僚なら「議員立法なんだから基準は議員が作れ。作る気が無いならこんな法律を制定するな。何であんたらの尻拭いを文科省がするんだ。くだらない人気取りも大概にしろ」と怒りを禁じ得ませんね。

*3:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官等を経て首相

*4:安倍の場合、誤読云々よりも「スピーチライターの書いた原稿を、内容を理解せずにただ棒読みしている疑い濃厚」と言う点が問題ですね。

*5:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、外相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)、首相、第二~四次安倍内閣副総理・財務相等を経て菅内閣副総理・財務相

*6:第四次安倍内閣菅内閣環境相

*7:もちろん麻生への皮肉