今日の中国ニュース(2021年8月29日分)(副題:楊海英のバカさに心底呆れる)

◆楊海英のツイート

楊海英
 武漢肺炎*1の猖獗でユーラシアに行けないので、1990年代にロシアとモンゴルで買った本を整理。しかし、ソ連邦の学者の学術レベルの高さにあらためて驚かされる。中国には世界的学者はいないし、優れた学説も出てこない。

 唖然ですね。例えば

楊振寧 - Wikipedia(1957年度のノーベル物理学賞受賞者:受賞当時は中華民国籍だが、現在は中華人民共和国籍)
屠呦呦 - Wikipedia(2015年度のノーベル医学・生理学賞受賞者)

は「世界的学者」ではないのか。
 しかも楊は

 ここでいう『中国』とは1949年の中華人民共和国のことであり、私はそれ以前についてまで世界的学者が一人もいないとは言ってない

とは「断ってない」のでアンチ中国共産党という甘いものではなく「古代から中国には世界的学者はいない」という「完全な中国人への差別発言」の疑いすらあります。

楊海英
 南モンゴル*2人もウイグル人もかつて中国を信じたが、ジェノサイドされてすべてを失った。南モンゴルは人口が逆転されて、昨年より母国語教育も廃止された。それでも、報道特集は、中国の侵略を「中国脅威論」の誘導だと放送。

 報道特集は「産経など右翼の主張する中国による沖縄や尖閣への軍事侵攻はあり得ない(これが常識的見解でしょう)」と指摘しただけであって「中国の少数民族統治には問題はない」と言ってないので「話のすり替えによる誹謗中傷」も甚だしい。もはや楊はまともな議論がしたいのではなく、「ウヨによるTBS攻撃」を扇動しているとみていいでしょう。まさに楊海英静岡大学教授も、完全にトンデモの域だと思う - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)でしょう。

楊海英
 20世紀の暴力の根源はすべて中国毛沢東から。21世紀になっても、中国由来の独裁*3は健在

 吹き出しました。
 確かに「文革ポルポト虐殺(1970年代)」は毛沢東と関係があるでしょうが

虐殺事件の一覧 - Wikipediaなど参照
【1900年代】
 オスマントルコの『アルメニア人虐殺』
 ドイツ帝国の『ナミビア虐殺』(最近、ドイツ側がナミビア政府に対し謝罪)
1920年代】
 日本の『関東大震災での朝鮮人虐殺』
【1930年代】
 ナチドイツのホロコースト
 日本の南京事件731部隊
 ソ連の『カチンの森虐殺』
【1940年代】
 台湾・蒋介石政権の『228事件』
 韓国・李承晩政権の「済州島虐殺事件』
【1960年代】
 ベトナム戦争での『ソンミ村虐殺事件
【1990年代】
 ユーゴ内戦での『民族浄化
 ルワンダ虐殺事件

なども「毛沢東と関係がある」と強弁する気なのか。


習主席「共同富裕」が波紋 大企業に警戒感―中国:時事ドットコム
 「格差是正」という方向性自体は正論でしょうに、何でこういう因縁つけになるのか。


中国国家プロジェクトに「日本人44人」の重大懸念 | 中国・台湾 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

新刊『中国「見えない侵略」を可視化する』(読売新聞取材班、新潮新書)から抜粋して紹介する。

だそうで「パブ記事」ですが

・千人計画には日本人研究者も参加している
・千人計画にはドローン開発計画もある
・ドローンは軍事利用の危険がある(→おいおいですね。ドローンは民生利用も勿論されますし、まさか日本人研究者が軍用ドローン開発計画に直接関与してるわけもない)
・だから千人計画は「中国の恐るべき侵略」だ

という「風が吹けば桶屋が儲かる」論法での「手垢のついた千人計画への誹謗中傷」です。心底呆れます。しかし右派新聞とは言え昔は読売も「もっとまともだった」と思いますが今や「佐渡が危ない」「北海道が危ない」(中国の魔の手が!)の産経と「見分けがつかなくなりつつある」ようです。とはいえ、さすがの読売も「名誉毀損」と提訴されることを恐れてるのでしょう、日本人研究者の名前は出さないわけですが、「名前を出さないこと自体」が「語るに落ちている」というべきでしょう。


【強権解剖】第2部拡散⑤大虐殺生んだ「毛沢東のDNA」 カンボジアで根付く独裁 - 産経ニュース
 有料記事なので途中までしか読めませんが、「日頃の産経の論調」からある程度予想はつきます。
 まず第一に「ポルポト虐殺」が毛沢東文革の影響があることはその通りでしょうが、「どちらも1970年代後半(当時の日本は三木~大平内閣*4)」の話であり、既に40年以上が経過しています。今のカンボジアも中国もポル・ポト毛沢東文革の影響など既にない。
 第二に「今のカンボジアのフン・セン政権」が独裁的であること、中国が経済的利益重視からあまりフンセンに批判的でないのはその通りです。しかしそれは「毛沢東ポル・ポトとは関係ない話」だし、フン・センに甘いのも何も中国だけではない。欧米や日本、東南アジア諸国だって決して厳しいわけではない。

【追記】
 コメント欄で「沖縄の原発」について指摘しましたがそれについて関係記事を紹介しておきます。

沖縄に原発2基の建設を計画 米政府が1960年代に 世界の10候補地で最大の規模 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス2021.3.5
 沖縄が米国の施政下にあった1960年、米政府が金武村(当時。現在の金武町(きんちょう))に原子力発電所を建設する詳細な計画を定めていたことが、沖縄タイムスが入手した報告書で分かった。予定地は現在の沖縄電力金武火力発電所の敷地。原子炉1号機を63年12月に、2号機を65年に完成させる予定だった。
 最終的に沖縄で建設しなかった理由は分かっていない
 予定地では米政府が原発ではなく石油火力発電所を建設し、65年に運転を始めた。86年に廃止され、跡地では2002年から現在の金武火力発電所が運転している。

原発導入 沖縄電力の公式見解は? | 沖縄タイムス+プラス プレミアム | 沖縄タイムス+プラス2021.3.9
 沖縄電力浦添市、本永浩之社長)が原発の導入に関する公式説明を、従来の「研究している」から「情報収集している」にトーンダウンしたことが分かった。8日までの本紙取材に答えた。実際の導入については従来通り「検討や具体的計画は一切ない」と述べた。

*1:COVID19(新型コロナウイルス)のこと。1)武漢云々は中国差別を助長しかねない、2)COVID19は必ずしも肺炎を引き起こさない)ということで普通こういう呼び方はしません。

*2:内モンゴル自治区のこと

*3:楊の言う「中国由来の独裁」とは何なのか?。楊だと「朝鮮戦争ベトナム戦争での支援」を理由に「北朝鮮ベトナム」の名をあげるかもしれませんが、それは無茶苦茶というもんでしょう。「支援=由来」ではない。そしてこじつけですら「由来」といえるのは「その二カ国ぐらい」ではないか?。

*4:当初、「鈴木内閣」としてましたがコメント欄のご指摘に従い修正しました。