黒井文太郎&常岡浩介に突っ込む(2022年2月20日分)

黒井文太郎
 自分の知る限り90年代末期のプーチン登場時から日本の言論メディアで彼を激烈批判してたのは常岡浩介さん*1くらい。

 黒井と常岡がみっともなく「仲間褒め」をするのには吹き出しました。哀れなのは「どちらもまともに世間に相手にされてないこと」ですが。特に「講談社フライデー」という発表の場が一応ある黒井(元フライデー編集部)と違い「どう見ても何の活動もしてない」常岡は「哀れの極み」です。
 何せ常岡の「最新の著書」は『イスラム国とは何か』(2015年、旬報社)ですからね。過去に『ロシア 語られない戦争:チェチェンゲリラ従軍記』(2011年、アスキー新書)というロシア関係著書があるとはいえ、長いこと本を書かず、しかも最新の著書が『ロシアと関係ない男』がよくもロシア専門家ぶれるもんです。

【刊行順(常岡が自称ジャーナリストなので、新聞記者などジャーナリストの著書のみ)】
◆佐藤親賢*2プーチンの思考:「強いロシア」への選択』(2012年、岩波書店
◆石郷岡建*3『ヴラジーミル・プーチン:現実主義者の対中・対日戦略』(2013年、東洋書店
◆佐藤親賢『プーチンとG8の終焉』(2016年、岩波新書)
◆真野森作*4『ルポ・プーチンの戦争:「皇帝」はなぜウクライナを狙ったのか』(2018年、筑摩選書)
朝日新聞国際報道部『プーチンの実像:孤高の「皇帝」の知られざる真実』(2019年、朝日文庫)
◆駒木明義*5『安倍vs.プーチン:日ロ交渉はなぜ行き詰まったのか?』(2020年、筑摩選書)
◆真野森作『ポスト・プーチン論序説:「チェチェン化」するロシア』(2021年、東洋書店新社)

など、「常岡『ロシア 語られない戦争:チェチェンゲリラ従軍記』(アスキー新書)の出版された2011年より後に刊行されたロシア本」の存在を考えればもはや常岡はロシア問題ではお呼びではないでしょう。最近はそもそも「ロシア問題の本」どころか「ロシア問題に限らず」まともな記事を何一つ書いてないのが常岡ですが。
 なお、

90年代末期のプーチン登場時

ですが、プーチンが大統領に就任したのが2000年。
 その前段階として

ウラジーミル・プーチン - Wikipedia
◆1992年5月
 サンクトペテルブルク市副市長に就任
◆1994年3月
 サンクトペテルブルク市第一副市長に就任
◆1996年8月
 サプチャーク市長がサンクトペテルブルク市長選で敗北して辞任すると、プーチンも第一副市長を辞職。ロシア大統領府総務局次長に就任し、中央政界に転じる。
◆1997年3月
 ロシア大統領府副長官兼監督総局長に就任
◆1998年5月
 ロシア大統領府第一副長官に就任
◆1998年7月
 ロシア連邦保安庁長官に就任。エリツィン大統領のマネーロンダリング疑惑を捜査していたスクラトフ検事総長を女性スキャンダルで失脚させ、プリマコフ首相のエリツィン追い落とし工作を未然に防いだ。この功績によりプーチンエリツィンの信頼を得るようになる。
◆1999年8月9日
 第一副首相に就任。8月16日には首相に就任。首相に就任するとロシア高層アパート連続爆破事件をきっかけにして勃発した第二次チェチェン紛争の制圧に辣腕を振るい、「強いリーダー」というイメージを高め国民の支持を獲得した。
◆1999年12月31日
 大統領代行に就任

という経歴があります。

黒井文太郎
 ロシアというより「プーチン政権」が拒否権持つ国連なんて存在意義ないですよねとしか

 ならば「他の四カ国(米英仏中)の拒否権行使は常に正当だとでも言う気か」と突っ込みたくなります。結局拒否権とは「米ソ対立を前提に、お互いを牽制したい米ソがそうした権利(自分の一存で安保理決議を葬れる)を要求した(その結果、英仏中も同様の権利をくれと言い出した)」という「スタートラインから不純な代物」です。この結果、米ソは「自らの勢力圏では安保理決議を恐れず武力行使可能」となり「ソ連チェコ侵攻(プラハの春弾圧)」「米国レーガン政権のグレナダ侵攻」だのやらかすわけです。何も「今回のプーチン」に限った話ではない。

黒井文太郎
コメント採用していただきました↓
▽ これまで北朝鮮のミサイル発射は、追い詰められたゆえの暴発や、経済支援を得るための “瀬戸際外交” ととらえられることが多かった。しかしそうではないと、軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏が言う。
「純粋にミサイル技術の開発が目的です。何かをアピールする意図でミサイルを撃っている、という見立ては、北朝鮮の “本気度” を軽く見ているので、危険だと思います」
国際社会は北朝鮮を侮っていた…!金正恩氏「ミサイル7連発」に隠れた “本気の対米姿勢” と “経済繁栄” の真意 | Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌](週刊FLASH 2022年3月1日号)

FLASH|最新号|雑誌|光文社
2022年3月1日号 目次
◆「離婚原因男」との食事に呼ばれて、台湾に残した子供の話は一切なし、福原愛「私、この人と結婚するの」、罪悪感ゼロで知人も引いた
西島秀俊、濱口監督も「狙っていた!」『ドライブ・マイ・カー』アカデミー賞候補入り(驚)戦略
◆引退後(秘)計画、羽生結弦、年収10億円でラスベガス進出
◆「テレビ朝日天皇・早河会長」の忠臣・亀山社長はなぜ60万円で切腹させられたのか
阪神次期監督は今岡? 落合?、岡田彰布「もう一回やりたいんや!」

ということで、「芸能記事がメイン」で「硬派な政治雑誌や外交専門誌」とは言い難いフラッシュにコメント採用で喜ぶのかよ、と大笑いしました。
 それにしても、黒井の言ってることは全く意味不明です。
 いわゆる「瀬戸際外交論」にしても「ミサイル技術の開発それ自体」が目的ではない、などとは言ってないでしょう。
 「ミサイル技術が一定の軍事的レベルに達していなければ」脅威とは言えず、「瀬戸際外交」にそもそも使えない。
 そして何が「危険」なのか。北朝鮮の発射実験の「動機」が何であれ「北朝鮮側から日本や韓国、米国にミサイル攻撃する」という選択肢が事実上ない(そんなことをしたら相手国の反撃で北朝鮮がかえって大打撃の可能性が強い)以上、北朝鮮の脅威などというものはどこにもありません。
 黒井がどんなに「北朝鮮脅威論」を煽ろうとももはや韓国(人)にとっては、北朝鮮は「脅威」「打倒の対象」よりもメロドラマのネタ程度のものなのだろう(たぶん日本も同じ 関川某も自分の書いたことを撤回しろとおもう) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)である以上、黒井が世間に相手にされないのも当然の話です。

*1:本当にそうなのかはひとまずおきます。

*2:共同通信プノンペン支局長、モスクワ支局長、外信部次長など歴任

*3:元・毎日新聞モスクワ特派員

*4:毎日新聞モスクワ特派員、カイロ特派員など歴任

*5:元・朝日新聞モスクワ支局長