ロシア、ウクライナ政権転覆へ大統領に照準か - 産経ニュース
ロシアは、親欧米傾向を強めたゼレンスキー政権を徹底的に懲罰する恐れがある。
勿論「アンチロシア」の産経が「ウクライナは懲罰されて当然だ」などと言う価値観でないことは当然ですが、それにしても「懲罰」と書いたのは意外です。
ちなみに産経は「バイデン政権のロシア対応」などについても
抑止から懲罰へ バイデン政権、同盟結束正念場 - 産経ニュース
軍事侵攻の制止を狙った対露外交は抑止から懲罰へかじを切る。
【主張】ロシア軍の侵攻 冷戦後最大の秩序破壊だ 厳しい制裁を即座に断行せよ - 産経ニュース
プーチン政権を懲罰して軍事・政治的野望の達成を阻む必要がある。
として「懲罰」と書いています。
中国はロシア支持「ウクライナ問題には複雑で特殊な歴史的経緯」 : 国際 : ニュース : 読売新聞オンライン
アンチ中国の読売らしいですが「長い付き合いに配慮して」ロシアに悪口雑言しないとはいえ、中国は「ロシアの行為を全面支持しているわけではなく」、タイトルは虚偽と言っていいでしょう。
「9条で日本を守れるの?」ロシア侵攻で懸念噴出、共産は危機感 - 産経ニュース
産経らしくて呆れ、吹き出しました。
多くの護憲派は「専守防衛」は否定していない。そして今、改憲で自民が目指してるのは「米国とともに海外で戦う自衛隊」であり、それこそ「改憲=日本がロシアのような無法な戦争を始めるかもしれない話」です。
「憲法9条をウクライナ問題と関係させて論ずるならば、仮に(ロシアの)プーチン大統領のようなリーダーが選ばれても、他国への侵略ができないようにするための条項が、憲法9条なのです」
産経など日本ウヨは「大東亜戦争はアジア解放の聖戦」などと強弁しているのだから「日本による対外侵略」は残念ながら「杞憂」とは全く言えません。
全く志位氏の指摘の通りであり、九条とは「日本が外国から攻められない」という話ではない(但し、一方で「専守防衛」を日本が宣言すれば、「今回のプーチン」のようなよほどの無法者でない限り、戦争を仕掛けづらいのも事実です)。
そのように日本共産党ら護憲派が主張していたかのように悪口する「産経」「維新の松井」「自民の細野」はデマ屋でしかない。そもそも「そんなことより松井は大阪のコロナ蔓延をどうにかしろ」という話です。
そもそも現状において自衛隊は「世界有数の軍隊」であり「改憲しなければ攻め込まれる」などと言う状況には全くない。
むしろ「憲法九条があって」すらそれなのだから、改憲したらどれほど軍事費が膨らむかわかったものではない。
また「軍事大国」ナチドイツや戦前日本が軍事力におごって無謀な戦争を起こし滅亡したように「軍拡すれば平和になる」というほど話は単純ではない。今回のプーチンの行為も「国際的経済制裁」「国内外の反戦運動」などで「ウクライナからの撤退」ひいては「プーチン失脚」にまで仮に至れば「ナチドイツや戦前日本」同様の「軍拡による自滅」の一例になる。
しかし「本心か詭弁かはともかく」日本やロシアが軍事大国でありながら異常なまでに「被害者ぶる」という意味では「プーチン」と「産経、松井、細野らはうり二つ」というべきでしょう。
それにしても「他人の不幸」を九条攻撃、共産党攻撃に利用とは「九条や日本共産党は勿論」、ウクライナに対しても失礼と言うべきでしょう。
そもそも「ウクライナに軍隊があっても」ロシアがウクライナに侵攻したことを考えれば「軍隊があれば侵略を防げる」というほど話は単純ではない。なお、こうした言いがかりへの反論としては澤藤統一郎の憲法日記 » ウクライナの事態は「9条の危機」だなんて、ご冗談を。を紹介しておきます。澤藤氏も言うように「九条の危機」どころか「ロシアに憲法九条があればプーチンの無法は不可能だった」という意味で「九条の有用性」が示されたと俺は考えます。
【追記】
コメント欄でも指摘がありますが「九条云々はウクライナ問題とは関係ない」し、今日本の「最大の危機」は「コロナ問題」なのに維新や産経は全くふざけています。
ウクライナ侵攻の狙い 小泉悠、畔蒜泰助両氏に聞く - 産経ニュース
侵攻の目的がゼレンスキー政権の転覆なのは明らかだ。
俺も勿論素人とはいえ「明らか」なんですかね(疑問)。確かに「全面侵攻」とは「そこまで画策してるのか?」と思いたくなる無茶苦茶さですが。
当然ながらゼレンスキー政権を転覆*1したところで「後継政権」が反ロシアでは意味がない。
となると「旧ソ連のアフガン侵攻」のように「ウクライナの保護国化→傀儡政権でっち上げ」でもしないといけないでしょうが、「ハンガリー動乱(1956年)でのナジ*2政権打倒」「プラハの春弾圧(1968年)でのドプチェク*3政権打倒」のような、そんなことが可能なのか。今のウクライナは「旧ソ連時代の東欧」とは訳が違う。
過去にも「支援し続けること」の負担に絶え切れず、「南ベトナムから米国が撤退」「アフガンからソ連や米国が撤退」ですからね。ゴルバチョフ時代の東欧共産体制崩壊もそうした「撤退」の一例でしょう。ソ連は東欧の共産体制崩壊を容認し「プラハの春弾圧」のようには介入しませんでした。
しかし傀儡政権となると日本人としてはどうしても「満州国・溥儀政権」「汪兆銘政権」など「戦前日本の傀儡政権」を連想しますね(追記:コメント欄では他にナチスのビシー政権などをご指摘いただきました)。