今日の中国ニュース(2023年3月3日分)(副題:豪州シンクタンクの技術競争力ランキングで中国が米国を圧倒して1位、日本は「4軍」、ほか)

習近平国家主席がベトナム新国家主席に祝電--人民網日本語版--人民日報
 何故、ボー・バン・トゥオン新国家主席が誕生したかというと以下のような事情です。

 前任のグエン・スアン・フック氏*1(68)は首相在任中の汚職事件の監督責任を問われ、1月中旬の臨時国会で解任されていた。

 勿論「反フック派」が「汚職事件」を政治利用して、彼を打倒したという面はあるかもしれない(ベトナム素人なのでその辺りはよく分かりません)。
 とはいえ「汚職事件に国民の怒りが沸騰」し「誰かが引責辞任しないと収まりがつかなかった」と言う面も実際あったのではないか。
 つまり積極支持ではない消極的支持(諦め)であれ、「デマ扇動やメディア統制による詐欺的支持獲得(いわゆるポピュリズム)」であれ、国民の支持無しでは独裁は成り立たない(追記あり) - bogus-simotukareのブログと言う話です。一党独裁だからと言って国民の批判が無視できるわけではない。
 なお、トゥオン氏は「1970年生まれの52歳」ということで前任者から10歳以上若返りました。
 国家主席が「フック氏(1954年生まれの68歳)→トゥオン氏(1970年生まれの52歳、10歳以上若返り)」というのは日本に置き換えれば

共産党委員長】
◆志位委員長(1954年生まれの68歳)→後継として田村政策委員長*2(1965年生まれの57歳)
【立民党代表】
◆枝野(1964年生まれの58歳)→泉(1974年生まれの48歳)

みたいなもんですかね。まあ、共産について言えばそうなってほしいとかそうなる可能性が高いとか言う話ではなく「日本に置き換えただけ」ですし「若ければいい」と言う話でもないですが。


◆豪州シンクタンクの技術競争力ランキングで中国が米国を圧倒して1位、日本は「4軍」

中国が先端技術の「主戦場」に 豪シンクタンク、国別ランキング発表:朝日新聞デジタル
 オーストラリアのシンクタンク、豪戦略政策研究所(ASPI)は2日、経済や社会、安全保障などの基盤となる重要な技術の国別競争力のランキングを公表した。全44項目のうち37項目で中国が1位となっており、ASPIは中国が「国際戦略ゲームの主戦場を構成するようになった」と指摘している。
 ASPIはエネルギーや人工知能(AI)、医療や防衛分野などにおける44項目について、2018~22年に発表された影響力のある論文を分析。その結果、中国が防衛や宇宙、ロボティクス、エネルギーやAIなど37項目で1位を占めた。量子計算コンピューティング、ワクチンなど7項目で1位だったが、32項目で2位にとどまり、ASPIは中国が「これまでの認識以上に多くの分野で先を行っている」と評した。
 日本は44項目の中で、5位以内に入ったのは原子力や量子センサーなどの4項目だけだった。

技術競争力ランキング、中国が米国を圧倒 「4軍」の日本、どう戦う:朝日新聞デジタル
 東大先端科学技術研究センターの井形彬特任講師に聞きました。
◆記者
 ASPIのリポートをどう見ましたか。
◆井形
 とてもショックでした。
 日本国内でも近年、(ボーガス注:世界大学ランキング、中国勢躍進 東大は35位 - 日本経済新聞(2021.9.2)、日本の注目度高い論文数 韓国、スペインに抜かれ12位に:朝日新聞デジタル科学の注目論文 日本の国際的地位さらに低下 過去最低 - 産経ニュース(以上、2022.8.9)、科学論文、トップ10陥落…大丈夫か、日本の研究開発力 : 読売新聞(2022.8.12)、自然科学分野の引用論文数 日本は過去最低の12位に後退 | NHK(2022.8.28)、世界大学ランキング 東大39位 京大68位 いずれも順位下げる | NHK | 教育(2022.10.22)など)「大学の世界ランキングにおける日本の順位がどんどん下がっている」「全体的な研究論文の数や質が低下している」などといったデータが少しずつでてきていました。さらに、(ボーガス注:2012年ノーベル生理学・医学賞山中伸弥*3、2014年ノーベル物理学賞中村修二*4、2015年ノーベル物理学賞梶田隆章*5、2015年ノーベル生理学・医学賞大村智*6、2016年ノーベル生理学・医学賞大隅良典氏*7、2018年ノーベル生理学・医学賞本庶佑*8、2019年ノーベル化学賞の吉野彰氏*9など)ノーベル賞をとる日本人がいても、それは「数十年前の貯金が残っているだけなのでは」という見方も存在しました。
 また最近、「先端技術をいかに守るべきか」という経済安全保障の議論が盛り上がっている一方で、「そもそも今の日本に守るべき先端技術はあるのか」という声があったのも事実です。
 それでも、私も含めて多くの人が「日本はナンバーワンではなくても、まだ多くの分野において先端的な研究をしているはずだ」と心のどこかで感じていたのではないでしょうか。
 それが今回、実用化につながる先端技術の研究を過去5年間、実際にアウトプットしてきた国はどこかというある程度、客観的な指標を用いたランキングが出ました。「1軍」は想像以上に圧倒的だった中国と差をあけられてしまった米国。「2軍」で英国とインドががんばっていて、「3軍」は韓国、ドイツ、オーストラリア、イタリア。日本が属しているのは、そのあとの「4軍」です。
 トップ層でないのは分かっていましたが、2軍でも3軍でもないというのは衝撃でした。守らなければならない技術自体がなくなってきているということです。
 同時に危機感を覚えたのが、中国が米国を完全に上回り、分野によっては大きく差をあけていたことです。これまでも、中国が米国に追随していることは分かっていても、実際に秀でているのはごく一部の分野だけであって、まだ総合的には米国の方が優位ではないかという印象が強かったと思います。それが、今回の調査では中国が米国を完全に圧倒していることが見て取れます。
 米国が1位をキープできたのは、先端半導体関連技術や人工知能(AI)の自然言語処理に加え、量子、バイオ、ロボティクスといった分野における特定技術の計7項目のみです。
(以下は有料記事なので読めません)

 素人には何処まで信用できるか判断できませんが紹介しておきます。これが事実なら科学技術振興に予算を使うべき所「岸田軍拡」とは非常識過ぎてため息が出ます。
 そして中国のすさまじい追い上げには驚嘆ですね。
 まさに基本的に、理数系の学問振興と政治体制・民主主義の程度は関係ないと思う - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)であり「阿部治平のバカさ」が改めて明白になったと思います。

*1:クアンナム省主席、党委員会書記、官房長官、副首相、首相、国家主席など歴任

*2:まあ誰がポスト志位になるにせよ松竹と類友は悪口しかしないのでしょうが。

*3:京大教授

*4:著書『怒りのブレイクスルー:「青色発光ダイオード」を開発して見えてきたこと』(2004年、集英社文庫)など

*5:東京大学卓越教授・特別栄誉教授

*6:北里大学特別栄誉教授、東京理科大学特別栄誉博士。著書『ストックホルムへの廻り道:私の履歴書』(2017年、日本経済新聞社)、『イベルメクチン』(編著、2021年、河出新書)など。

*7:総合研究大学院大学名誉教授

*8:京都大学名誉教授。著書『ゲノムが語る生命像』(2013年、講談社ブルーバックス)、『がん免疫療法とは何か』(2019年、岩波新書)など

*9:名城大学終身教授・特別栄誉教授