今日の産経ニュース(2024年9/26、27日分)(副題:石破が自民党総裁に就任)

◆石破が自民党総裁に就任
 恐らく安倍が今も存命なら(誰が総裁になるにせよ)石破は総裁になれなかったでしょうから、「安倍の死」は石破に有利に働いたわけです。

道産子ナオ
 自民党の新総裁は石破茂か。(ボーガス注:首相就任後の)靖国参拝*1を公言するガチの靖国派で極右の高市早苗がなるよりか幾分マシだが、石破も「改憲国防軍*2」と主張するタカ派*3だからな。五十歩百歩だ。

道産子ナオ
◆アームズ魂
 高市さんが総裁にならなくて本当に良かった*4ですよ。だってもし当選してたら、勝者側として(ボーガス注:推薦人の一人である)杉田水脈がデカいツラしてたわけでしょう?。そんなのたまったもんじゃありませんもんね。

道産子ナオ
◆Takafumi Ando(安東嵩史)
 「石破でよかった」というよりは「(ボーガス注:高市という)やばい差別主義者が総理大臣にならなくてよかった」という感想しかないのが寂しい限りだが、ひとまず最悪の結果は免れた

道産子ナオ
◆小野美由紀*5
 「石破氏でよかった」より「高市氏じゃなくてよかった」というカスみたいな安堵をしなければいけない総裁選だった。水道水を飲んで「泥水じゃないだけまし」と思わないといけないみたいな。

と言う指摘には同感です。
 アピールは総裁が「高市*6なら女性初の首相」「小泉*7なら若さ」、そして石破は
①安倍派等と違い、裏金疑惑で石破派の名前が出なかったこと
②第三次安倍内閣地方創生担当相辞任後(第四次安倍、菅、岸田内閣)は主流派に嫌われ、要職に就けず、長く反主流派だったこと
③しかしそれなりに役職経験(福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相)があること
でしょう。まずは誰が総裁か決まり、攻撃、批判の対象がはっきりしたのは良かった。

9月27日(金) 政権担当能力を失った自民党にさらなる追撃を(その2):五十嵐仁の転成仁語:SSブログ
 自民党は岸田首相を切り捨て、危機を乗り切ってきた「成功体験」に学ぼうとしました。たとえばロッキード事件での「ダーティー田中*8」から「クリーン三木*9」への転換、森喜朗*10首相から小泉純一郎*11首相への交代という「小泉劇場」による幻惑、そして、直近ではコロナ対策の失敗から政権を投げ出した菅義偉首相から岸田首相への交代による総選挙での勝利です。
 いずれも「疑似政権交代」を演出することで支持を回復しましたが、実際には自民党政治の枠内での政権たらいまわしにすぎません。
 新総裁の選出と新内閣の成立によって「刷新感」を演出し、「ご祝儀相場」で支持率を引き上げ、ボロが出ないうちに解散を打って総選挙になだれ込む作戦だと思われます。それがどのような経過をたどるかは不明ですが、2021年の菅*12首相から岸田*13首相への交代が参考になります。
 菅首相は9月3日に退陣を表明し、総裁選は今回より2日遅い9月29日に実施されました。その後、10月4日の臨時国会召集、岸田内閣発足、所信表明演説と続き、解散は10月14日、総選挙の投票日は31日でした。「2匹目のドジョウ」を狙って似た経過をたどるとすれば、総選挙の投票日は早ければ10月27日、遅くても11月10日になる可能性が高いと思われます。

との指摘の通り、石破は、①、②を前面に出して「変化イメージ」を出し、自民党や内閣の支持率をなるべく高くし、ご祝儀相場で早期解散しようとするでしょう。
 だからこその

石破茂氏、衆院解散「なるべく早く審判」投開票「10月27日」「11月10日」など - 産経ニュース
 党都道府県連に対し、次期衆院選の公認予定候補者を10月7日までに申請するよう通達した。

でもあるでしょう。 
 前も書きましたが、私見ではまずは
ア)「ご祝儀相場での早期解散」を阻むため、支持率低下に努める。まずは過去の言動を元に石破批判を行い、首相就任後の党役員、内閣人事(例えば総裁選で戦った面子をどう処遇するか、岸田内閣時代に要職から外された安倍派5人衆をどう処遇するかなど)、打ち出す政策(小泉の「郵政民営化」、安倍の「アベノミクス」、岸田の「新しい資本主義」等のような看板政策)等を元にさらに石破批判を強める
イ)また、最低限、所信表明演説と代表質問を行うこと、また、救済の必要性が高い「能登豪雨」「強制不妊被害者救済」が済むまでご祝儀相場で早期解散を企むべきではないと批判
ウ)上記で早期解散阻止に努める*14が、不幸にして石破が早期解散に打って出た場合に備え、急速に選挙準備を強める(可能ならば野党共闘にも務める:とはいえ、立民の野田との間に共闘が成り立ちそうにないですが)。そして、選挙が始まったら、自民批判と共産アピール(可能ならばそれプラス野党共闘アピール)で自民の議席減、共産及び野党共闘議席増に務める
といったところですね(リアルな政治経験が俺にないのでかなり抽象的ですが)。

道産子ナオ
◆堀田信樹
 石破政権が、解散総選挙をいつ行うかだが、失政なく行えば自民は勝利するのではないか。実質野党共闘が崩壊し立憲が泥船維新や連合の手足国民民主と共闘組んでも到底有権者の支持を得て政権交代など夢想にしか思えない。保守層を切り崩す立憲の目論見も夢の彼方に終わる可能性は高い。

という危惧(堀田氏もナオ氏も共産支持)には俺も同感です。


袴田巌さん再審無罪 検察側、全面敗北 3つの捏造、検察官の関与も示唆 - 産経ニュース
<主張>袴田さん再審無罪 検察は控訴すべきでない 社説 - 産経ニュース
 「証拠捏造の認定」は「再審無罪事件」でも、過去に例がないのではないか。袴田氏(1936年生まれ:福田康夫*15元首相、山崎*16自民党副総裁などが同年生まれ)も既に「88歳の高齢」であり、検察は控訴などせず潔く自らの非を認めるべきです。
 そして「冤罪防止」「死刑の廃止(死刑再審の無罪は免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件に続いて5件目)」に向けて国が動くべきです。
 また改めて浅野健一*17『犯罪報道の犯罪』(1984年、学陽書房→1987年、講談社文庫)が主張する「匿名報道原則」にマスコミは踏み切るべきだという思いを強くしました。
 犯人扱い報道されれば阿部恭子*18『息子が人を殺しました:加害者家族の真実』(2017年、幻冬舎新書)、『家族という呪い:加害者と暮らし続けるということ』(2019年、幻冬舎新書)、『加害者家族を支援する:支援の網の目からこぼれる人々』(2021年、岩波ブックレット)、『家族が誰かを殺しても』(2022年、イーストプレス)が指摘するような家族バッシングの恐れもありますし。真犯人でも家族バッシングなど許されませんが、冤罪ならなおさらです。


維新、過去の政策活動費調査へ 自民追及へ「まず自らただす必要ある」 - 産経ニュース
 今頃こんなことをやるとは維新が落ち目であることを実感します。やるのなら「政治と金」が問題になった「今年の6月国会の会期中」にやるべきだった。ただその頃は「大阪万博の体たらく」「兵庫県知事パワハラ」は今ほど表面化しておらずまだ維新は自らを「落ち目だ」とは実感してなかったわけです。

*1:勿論そんなことを公言すること自体が問題ですが、過去にそう公言した安倍も、米国の批判で1回で辞めたことを考えれば高市にそれが実施できたかどうか?。

*2:これについては例えば自民・石破茂氏が新著、憲法9条2項削除と国防軍を主張 首相になるかは「天が決める」 - 産経ニュース(2024.8.27)参照

*3:この記事のコメント欄でnordhausen氏も同様の指摘をしています

*4:勿論総裁にならなかったのは良かったですが、石破が自民党政調会長(第二次安倍、岸田総裁時代)、総務相(第三次安倍内閣)等を歴任した彼女を党三役や閣僚で登用する可能性があります(それでも総裁就任よりはマシですが)。

*5:作家。著書『人生に疲れたらスペイン巡礼:飲み、食べ、歩く800キロの旅』(2015年、光文社新書)、『メゾン刻の湯』(2020年、ポプラ文庫)等

*6:第一次安倍内閣沖縄・北方等担当相、第三次安倍内閣総務相自民党政調会長(第二次安倍、岸田総裁時代)等を経て岸田内閣経済安保相

*7:第四次安倍、菅内閣環境相

*8:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)等を経て首相

*9:国民協同党委員長、片山内閣逓信相、国民民主党幹事長、改進党幹事長、鳩山内閣運輸相、岸内閣科技庁長官(経企庁長官兼務)、池田内閣科技庁長官、自民党政調会長、幹事長(池田総裁時代)、佐藤内閣通産相、外相、田中内閣副総理・環境庁長官等を経て首相

*10:中曽根内閣文相、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)等を経て首相

*11:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相等を経て首相

*12:第一次安倍内閣総務相、第二~第四次安倍内閣官房長官を経て首相

*13:第二次、第三次安倍内閣外相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)等を経て首相

*14:実際、麻生内閣においては早期解散を画策した物の「中山国交相の就任直後の『成田闘争ごね得』暴言(中山は引責辞任)による政権支持率低下」で出鼻をくじかれて早期解散ができませんでした(その結果、鳩山民主党に敗北して下野)。

*15:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*16:宇野内閣防衛庁長官、宮沢内閣建設相、自民党国対委員長(河野総裁時代)、政調会長(橋本総裁時代)、幹事長、副総裁(小泉総裁時代)等を歴任

*17:共同通信ジャカルタ支局長、同志社大学教授等を歴任。著書『犯罪報道は変えられる』(1985年、日本評論社)、『犯罪報道と警察』(1987年、三一書房)、『過激派報道の犯罪』(1990年、三一新書)、 『マスコミ報道の犯罪』(1996年、講談社文庫)、『「犯罪報道」の再犯』(1997年、第三書館)、『脳死移植報道の迷走』(2000年、創出版)、『「報道加害」の現場を歩く』(2003年、社会評論社)、『安倍政権・言論弾圧の犯罪』(2015年、社会評論社)『生涯一記者:権力監視のジャーナリズム提言』(2024年、社会評論社)等(浅野健一 - Wikipedia参照)。浅野氏については以前浅野健一『犯罪報道の犯罪』(講談社文庫)の問題意識はないらしいマスゴミ - bogus-simotukareのブログ(2023.5.13)等で触れました。浅野氏の近況については例えば『犯罪報道の犯罪』出版40年記念シンポジウム報告 : 浅野健一のメディア批評参照

*18:加害者家族を支援するNPO法人World Open Heart理事長。著書『交通事故加害者家族の現状と支援』(編著、2016年、現代人文社)、『性犯罪加害者家族のケアと人権』(編著、2017年、現代人文社)、『加害者家族の子どもたちの現状と支援』(編著、2019年、現代人文社)、『少年事件加害者家族支援の理論と実践』(編著、2020年、現代人文社)、『加害者家族支援の理論と実践(第2版)』(編著、2021年、現代人文社)、『家族間殺人』(2021年、幻冬舎新書)、『高学歴難民』(2023年、講談社現代新書正規雇用につけないいわゆるオーバードクターポスドクのことか?。以前、新刊紹介:「歴史評論」7月号(追記あり) - bogus-simotukareのブログ新刊紹介:「歴史評論」2021年3月号 - bogus-simotukareのブログオーバードクター(西村玲氏ら)の自殺を取り上げましたが改めて紹介しておきます)等