夫婦別姓「ビジネス弊害」主張も、最終的には「アイデンティティー」経団連担当者一問一答 大山みこ氏インタビュー - 産経ニュース田北真樹子
◆田北
「旧姓の通称使用でも残るビジネス上のリスクとは」
◆大山
「海外渡航時の身分証明書の確認だ。空港でも民間施設でもチェックが厳しい。日本のパスポートは旧姓を括弧で併記できるが、海外では疑問に思われ足止めされることがある。20、30分通してもらえないと商談の機会を失うかもしれない。私も海外で仲間が引き留められる経験をした」
◆田北
「パスポートのICチップにデータが入っている」
◆大山
「ICチップは戸籍上の名前しか入らない。航空券の予約や査証(ビザ)の発行も戸籍姓だ」
◆田北
「すべて同じ戸籍姓なのだから身分証明でトラブルがあるとは思えないが」
◆大山
「いろいろなやり取りが入管とある。実際にそういう事例が寄せられている」
◆田北
「事前に相手方に事情を伝えておけばいいのでは」
◆大山
「それはわれわれも嫌というほど経験してきた。事前に『これがリーガルネーム(戸籍名)、こちらがビジネスネーム』と資料を渡して伝えていてもトラブルがある」
◆田北
「それは先方の対応が悪いだけでは」
◆大山
「いろいろな国がある。そもそも日本の制度が特殊。ほかの国は別姓ですから」
◆田北
「これが日本のシステムだと伝えればよい」
◆大山
「言いたいことはわかるが、行く先々で対応にばらつきがある。それがリスク。女性役員だけが入るのを止められたら、何のために行ったのかとなる」
◆田北
「施設に入れないことはないのでは」
◆大山
「相当待たせられる。ホワイトハウスではこの前30分待たせられた」
◆田北
「ホワイトハウスは日本の記者団でも時間がかかる」
◆大山
「パスポートはあくまで1つの例で、そこが解決すればいいのではない。最終的にはアイデンティティーや価値観の問題でもある」
◆田北
「他に弊害は」
◆大山
「アンケートで多かったのが、ビジネスネームで銀行口座やクレジットカードを作れなかったケースだ。セキュリティーの面で厳格な運用があるので、通称使用の拡大で利便性を高めても解決しない」
◆田北
「令和4年のアンケートでは銀行の約7割、信用金庫の約6割が旧姓による口座開設と既存口座の旧姓名義による取引を認めている。信用組合は1割超だが、経団連が働きかければよいのでは」
◆大山
「不正防止は企業の責任であり、厳格な運用は当然だ。経団連が言って簡単に変わる話ではない。政府が旧姓で(ボーガス注:口座開設しても)大丈夫だと政策として担保すべき。システム改修のコストも必要だ」
ブクマもつけましたが、インタビュアーの産経・田北が「別姓でないと海外で不便」という「経団連担当者の大山氏」相手にしつこく「旧姓使用でもいいのでは」「これ(旧姓使用)が日本の伝統だと言って海外に普及すればいい」(俺の要約)を繰り返し発言し「インタビュー」というより「別姓反対派(旧姓使用拡大派)」として大山氏を言い負かしたいという欲望がダダ漏れになってることに呆れます。「野党の国会質問」等ならともかく、インタビューってそういう代物ではないでしょうに。
どう見ても田北は大山氏を舐めてますね。例えば安倍晋三相手にはこんな「高圧的なインタビュー」はとてもできないでしょう。激怒されてインタビュー中止になりかねないからです。
過去のインタビュー野田聖子氏、選択的夫婦別姓に前向き「党議拘束あっても心の問題」「産経調査は誘導的」 - 産経ニュースと比べても今回は「格段に失礼」と思います。「別姓派」野田聖子*1相手にはここまで無礼な態度は取ってない(なお、野田の時は、インタビュアーは田北ではない)。
恐らく大山氏も内心では相当憤慨していた*2でしょうが、記事を読む限りでは「そうした考えには賛成できない」(俺の要約)と反論しながらも冷静な態度を維持したようです。
<産経抄>犯罪被害者の権利を守り、岡村勲弁護士が逝く - 産経ニュース
<主張>岡村勲さん死去 被害者支援の遺志を継げ 社説 - 産経ニュース
「死刑廃止派」の俺的には「妻を殺された感情論から死刑反対派を公然と誹謗してた老害のクズが死んだ」という「グッドニュース」でありまさに「飯がうまい」「死もまた社会奉仕(「元老」山縣有朋死亡時に石橋湛山が述べたとされる言葉)」です。「厳罰論、死刑肯定派」産経と違い、俺は岡村に対しては「軽蔑、憎悪」といった「負の感情」しかない。
そもそも岡村は「加害者への厳罰論(例:死刑対象犯罪についての公訴時効廃止、少年法の『厳罰化』など)」ばかり唱え
1)「犯罪被害者のメンタルヘルス支援、経済支援*3」に無関心でそうした問題の解決を遅らせた上に、
2)阿部恭子*4『息子が人を殺しました:加害者家族の真実』(2017年、幻冬舎新書)、『加害者家族を支援する:支援の網の目からこぼれる人々』(2020年、岩波ブックレット)等が批判する『加害者家族バッシング』を助長したと俺は「低評価」しています。
大阪・八尾のコンクリ遺体、明るみに出なかった少女の失踪 「消えた子供」は全国で74人 - 産経ニュース
所在不明のほとんどは「(借金取り、DV親から逃れるためなどで)所在が不明なだけで、犯罪被害ではない」と思いますが、良いことではないでしょう。
「まずほとんど無いとは思います」が、被害者の関係者全員(親族、知人、友人)が悪者で「殺人等の隠蔽」に加担すれば「全てが闇に葬れる事がありうる」というホラーです。
正論新風賞の小泉悠氏「軍事オタクの興味から始まった研究に大きな意義」 受賞あいさつ - 産経ニュース
「やはりその程度のレベルの低い人間(プロ右翼)か」というのが率直な感想ですね。
まともな人間なら井上和彦*5(2016年)、小川榮太郎*6(2017年)、江崎道朗*7(2019年)、竹田恒泰*8(2020年)といった「研究者とは言いがたい、レベルの低いプロ右翼」がもらうような賞(正論大賞 - Wikipedia参照)は辞退するだろうし、そもそも「受賞候補にならない」でしょう。
「サントリー学芸賞」等と違って明らかにまともな賞扱いされてませんからね。
*1:小渕内閣郵政相、福田、麻生内閣科学技術政策等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)、第四次安倍内閣総務相、岸田内閣少子化等担当相等を歴任
*2:そもそも大山氏個人へのインタビューではなく、「経団連(組織として夫婦別姓支持)の担当者」としての対応なので、こうした対応は「経団連に対しても無礼」ですがそうした認識は田北にはないのでしょう。
*3:当たり前ですが「厳罰の是非」はともかく、厳罰にしたところでメンタルヘルス支援、経済支援にはなりません。
*4:加害者家族を支援するNPO法人「World Open Heart」理事長。著書『家族間殺人』(2021年、幻冬舎新書)、『高学歴難民』(2023年、講談社現代新書)等
*5:1963年生まれ。著書『こんなに強い自衛隊』(2010年、双葉新書)、『本当は戦争で感謝された日本』(2018年、PHP文庫)、『「美しい日本」パラオ』、『封印された「日本軍戦勝史」』(以上、2021年、産経NF文庫)等。テレビ朝日アニメ『サイボーグ009』(1979~1980年:主人公「009」こと島村ジョー)、日本テレビアニメ『美味しんぼ』(1988~1992年、主人公・山岡士郎)、アニメ『妖怪人間ベム』(東京MX等で放送、2006年、主人公・ベム)等で知られる同姓同名の声優(1954年生まれ)とは別人
*6:著書『「永遠の0」と日本人』(2013年、幻冬舎新書)、『約束の日:安倍晋三試論』(2013年、幻冬舎文庫)等
*7:著書『アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄』(2016年、祥伝社新書)、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』(2017年、PHP新書)、『日本占領と「敗戦革命」の危機』(2018年、PHP新書)、『朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作』(2019年、PHP新書)、『日本は誰と戦ったのか:コミンテルンの秘密工作を追及するアメリカ』(2019年、ワニブックスPLUS新書)、『緒方竹虎と日本のインテリジェンス』(2021年、PHP新書)、『ルーズヴェルト政権の米国を蝕んだソ連のスパイ工作』(2023年、扶桑社新書)等
*8:著書『旧皇族が語る天皇の日本史』(2008年、PHP新書)、『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』(2010年、PHP新書)、『日本人の原点がわかる「国体」の授業』(2016年、PHP文庫)、『竹田恒泰の感動する日本』(2025年、宝島社新書)等