「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年5/15分:荒木和博の巻)

戦争【調査会NEWS2982】(R01.5.15): 荒木和博BLOG

 ビザなし渡航中の北方領土で「戦争しないと取り返せない」と発言した国会議員の発言が問題になっています。
 しかし、戦争のどさくさに奪われた領土なのですから、実際にやるかどうかは別として、そんな発言があって何が悪いのだろうと思います。現代の戦争というのは単に軍隊と軍隊が戦うだけでなく、情報戦、謀略戦、外交戦などすべてを含むのですから、どういうやり方をしようとやはり戦争なのではないでしょうか。

 完全な詭弁ですね。例の暴言は前後の文脈から見て「軍事攻撃」という意味の戦争でしかない。さすがに荒木も「プーチンロシアを軍事攻撃して何が悪い」とはいわない物の、詭弁で擁護しようとは荒木も呆れたバカです。

安倍総理の「条件なしに金正恩に向き合う」という言葉が、実は国交正常化や経済援助を餌に笑顔で金正恩をおびき出しておいて一気に窮地に陥れようとする狡猾な罠であることを期待しています。

 「問うに落ちず語るに落ちる」というべきでしょうか。
 荒木ら巣くう会の目的は「建前では」、拉致を解決することであって「北朝鮮政府を窮地に陥れること」ではないでしょうに。
 荒木が本心で拉致の解決を望んでいるのなら「安倍総理が拉致を解決することを期待」ということはありえても「北朝鮮政府を窮地に陥れることを期待」とはいわないでしょう。荒木がただの「アンチ北朝鮮の極右でしかないこと」「拉致の解決云々が口からでまかせでしかないこと」が明白です。
 たとえば「北方領土返還」を期待する元島民は「安倍政権がプーチン政権を窮地に陥れることを期待」というかといえばいわないでしょう。

今日の北朝鮮・韓国&ロシアニュース(2019年5月15日分)

丸山議員の発言にロシアでも非難の声 「解決望まぬから、挑発的発言できる」 - 毎日新聞

 共同通信によると、コサチョフ上院外交委員長は13日、丸山氏の発言について「そのような挑発的な発言ができるのは、存在する問題の解決を望まない人々だ」とも語った。

 「そのような挑発的な発言ができるのは、存在する問題の解決を望まない人々だ」。
 実に名言ですね。
 巣くう会や家族会が「北朝鮮相手どころか」、蓮池透氏や田中均氏を相手に挑発的発言をするのは「存在する問題(拉致問題)の解決を望まない人々」だからでしょう。まあ、そう言うと連中が逆ギレするであろうことはよくわかります。しかし小泉訪朝から16年以上経っても制裁に固執する人間たちは「存在する問題(拉致問題)の解決を望まない人々」以外の何物でもないでしょう。
 正直、俺は巣くう会や家族会には「憎悪」「憤激」「軽蔑」といったネガティブな感情しかありません。

今日の産経ニュース(2019年5月15日分)

「日本は台湾のWHO参加支援を」 超党派の日華懇が決議 - 産経ニュース
 とはいえ安倍はそんなことしないのでしょうし、それに対し、この「自民党台湾ロビーを中心とする団体」も安倍批判などしないでしょう。


【野党ウオッチ】ご即位を受け入れる共産党の深謀遠慮(1/4ページ) - 産経ニュース
 是非はともかく*1賀詞への賛成は簡単に理解できる話で深謀遠慮というほど大げさな話でもない。
1)今の共産党員、支持者には賀詞賛成派が多い
2)「賀詞賛成派の無党派」にも共産支持者を増やしたいという執行部の考え
3)野党共闘を進めるに当たりできる限り他野党ともめる可能性のある条件を減らしたい(まあ、これだけで野党共闘が進むと考えるほど党執行部も脳天気ではないでしょうが)
のどれか、あるいは全てといったところでしょう。いずれにせよ共産が「賀詞に賛成」しても産経や安倍流の極右的「天皇制政治利用」はさすがに容認していないことや「即位式について政教分離の観点から問題があると指摘したこと」「明治150年記念式典に欠席したこと」などは別途指摘しておきます。

 共産党関係者は「国民の大多数が令和改元を歓迎*2するなか、天皇*3を真っ向から批判しにくい雰囲気*4があった」と明かす。

 「関係者って誰よ」つう話です。「共産党員、支持者」「共産党を監視する公安警察」「産経のような反共活動家」のどれかで発言の意味は大分変わってきます。


【主張】仁徳陵が世界遺産 国の成り立ち考える機に - 産経ニュース
 「仁徳陵(仁徳天皇陵)」と呼ぶメディアは、産経だけではないのですがあれを仁徳陵と呼ぶのはやめてほしいですね。天皇陵かどうか怪しいために最近では地名から大山古墳と呼んでるからです。

 世界遺産への登録には新たな課題もある。49基のうち29基は歴代天皇や皇后、皇族の陵墓として宮内庁が管理する。従来「静安と尊厳が必要」として立ち入りも厳しく制限されてきた。連綿と続く皇室の「祖先の墓」として今も祭祀(さいし)が行われており、尊厳は守らなければならない。

 「おいおい」ですね。祭祀を理由に「天皇陵の調査を宮内庁が拒絶する」現状を産経は今後も容認する気でしょうか?
 そもそも仁徳陵も含めて「明治時代の認定がそのまま」なので天皇陵かどうかは非常に怪しいのですが。

【参考】

推薦書には「仁徳天皇陵」と表記 研究者は「大山古墳」名称を求める - 毎日新聞
 構成資産となった古墳49基のうち、仁徳天皇陵とされる大山古墳など29基は、宮内庁が歴代の天皇や皇后らの墓として管理する「陵墓(りょうぼ)」だ。今回、推薦書にはその指定に沿って「仁徳天皇陵古墳」などと記されたが、学術的には被葬者は確定していない。大山古墳も、過去に見つかった埴輪(はにわ)から、仁徳の子である履中天皇陵より後に造られた可能性が指摘されている。
 このため研究者からは、地名に基づく「大山古墳」などの名称を用いるべきだという指摘がある。昨年9月には、日本考古学協会など歴史、考古系の13団体が「被葬者が認定されているように理解される危惧を覚える」などとする見解を発表した。

大山古墳の名称巡り各紙対応分かれる 学界議論続く - 社会 : 日刊スポーツ
 宮内庁仁徳天皇陵として管理する日本最大の大山(だいせん)古墳(堺市、5世紀)は、歴史的にいくつもの名前で呼ばれてきた。
 百舌鳥・古市古墳群大阪府)が世界文化遺産への登録を勧告されたニュースを報じた14日の新聞各紙でも、古墳の名称を巡り対応が分かれた。
 大山古墳は明治時代に国が「仁徳天皇陵」に指定したが、1969年に考古学者の故森浩一氏*5 が「実際に仁徳天皇という人物が葬られたかは分からない。学者が仁徳天皇陵と呼ぶと、それが事実と誤解される」と指摘。仁徳天皇の墓に指定された古墳、という意味で仁徳天皇陵古墳と呼んだ。
 これを機に、学界では陵墓の年代や被葬者論争が活発化。森氏は76年、天皇名を外し、古い地名などから「大山古墳」という名称を再提唱した。
 現在の教科書では「大山古墳」か江戸時代の地名を尊重した「大仙陵古墳*6」という表記が主流で、科学的に証明できない「仁徳天皇陵」は併記しない例も増えている。
 これに対し、今回の登録勧告を報じた各紙の見出しは「大山古墳」や「仁徳天皇陵」、仁徳天皇を葬った伝承があるという意味の「伝仁徳陵」などさまざまだった。
 そもそも推薦書の名称が「仁徳天皇陵古墳」になった理由は、構成資産に含まれる誉田御廟山(こんだごびょうやま)古墳(大阪府羽曳野市応神天皇陵)の外濠(がいごう)などが78年、「応神天皇陵古墳」という名称を付けて史跡指定されていたからだ。
 しかし、学界では仁徳天皇が実在したかどうか論議が続いている。日本考古学協会などの学術団体は2018年9月、「仁徳天皇陵古墳という構成資産名は、被葬者が認定されているように理解される危惧(きぐ)を覚える」などとする見解を発表。現在も見直しを求めている。
 だが、今回の勧告でも古墳の名称に対する疑問や修正意見は示されておらず、このまま登録名称となる見通しだ。

*1:俺はおそるべし天皇制。衆院全会一致の阿諛追従決議。 | ちきゅう座(澤藤統一郎)と同意見で「非の立場」ですが

*2:小生には「歓迎する理由」がさっぱりわかりません。これが「消費税5%に引き下げ」だの「ふるさと創生1億円」だの「商品券ばらまき」だの生活にプラスになるものならわかりますが。

*3:正確には「天皇制」ですね。共産党に限らず天皇制批判派は「政治的言動に非常に問題があった昭和天皇を除けば」天皇個人を批判してるわけではありません。

*4:「賀詞に賛成しない」とは「天皇制批判、否定」では必ずしもないのですが

*5:著書『考古学 西から東から』(1984年、中公文庫)、『古代日本と古墳文化』(1991年、講談社学術文庫)、『古代史津々浦々』(1997年、小学館ライブラリー)、『古代史の窓』(1998年、新潮文庫)、『日本神話の考古学』(1999年、朝日文庫)、『僕が歩いた古代史への道』(2000年、角川ソフィア文庫)、『巨大古墳』(2000年、講談社学術文庫)、『語っておきたい古代史』(2001年、新潮文庫)、『地域学のすすめ:考古学からの提言』(2002年、岩波新書)、『わが青春の考古学』(2002年、新潮文庫)、『僕の古代史発掘』(2003年、角川選書)、『海から知る考古学入門』(2004年、角川oneテーマ21)、『記紀の考古学』(2005年、朝日文庫)、『日本の深層文化』(2009年、ちくま新書)、『倭人伝を読みなおす』(2010年、ちくま新書)、『萬葉集に歴史を読む』(2011年、ちくま学芸文庫)、『天皇陵古墳への招待』(2011年、筑摩選書)、『僕は考古学に鍛えられた』(2012年、ちくま文庫) など

*6:森氏などが批判していますが「天皇の墓か怪しい」のだから「陵(天皇の墓)」をつけるべきではありません。かつ「仁徳天皇陵」などからの連想から「大山天皇(大仙天皇)?」という誤解を生みかねません。

「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」を笑おう(2019年5/14分:黒坂真の巻)

志位和夫
‏ 共産党の「暮らしに希望を―3つの提案」。
1、8時間働けばふつうに暮らせる社会。
2、暮らしを支える社会保障
3、お金の心配なく学び、子育てができる社会。
 消費税10%を中止し、「3つの提案」を実行するのに必要な財源は7・5兆円。大企業優遇税制を是正し中小企業なみの負担(4兆円)、富裕層優遇の証券税制を是正し最高税率の引き上げ(3・1兆円)、米軍への「思いやり予算」等の廃止(0・4兆円)。「消費税に頼らない別の道」でまかないます!

 さて普段はくだらない因縁しかつけない黒坂がこの志位ツイートに「(米軍への「思いやり予算」等の廃止に入るのかもしれませんが)自衛隊軍縮がツイートに明確に書いてないのはなぜですか?」「(自衛隊軍縮に好意的か怪しい)立民や国民民主への配慮ですか」「共産は自称護憲派のくせに自衛隊軍縮には乗り気ではないのですか?」(俺の要約)と珍しく「一理ある」ツイートをしていました。
 まあ「共産支持者として」そういう話ではないと思いますが、志位ツイートは「深読みすればそう読めないこともない」。普段の黒坂の因縁(明らかなデマや言いがかり)に比べれば「一理はあります」。
 黒坂に善意に理解すればこのツイートは「自衛隊軍縮をもっと志位氏は打ち出すべきだ」という「党員、支持者の叱咤激励(?)のツイートのようにすら」見えなくもないのではないか。
 とはいえ「黒坂のツイート全体」で考えるとこのツイートはおかしいのですが。
 というのも黒坂は以前「共産党の目標は即時自衛隊廃止だ、中国に日本を侵略してほしいのだ」(俺の要約)などとツイートで放言していたからです(もちろん言うまでもなく明らかなデマです)。
 「共産党の目標は即時自衛隊廃止」と、「共産は旧民進党系に忖度して自衛隊軍縮をあまりアピールしていないのではないか」は明らかに両立しえない主張です。
 黒坂も「とにかく共産党に因縁がつけられればいい」つう態度なので「まるで整合性がない」わけです。

今日の北朝鮮・韓国ニュース(2019年5月14日分)

会談したい官邸、北朝鮮非難を封印 パイプなく五輪頼り:朝日新聞デジタル
 正直いって「本当に会談したいのかよ」ですね。
 「本当に会談したい」のなら、小生が安倍の立場だったら「制裁解除」「朝鮮総連幹部の渡航制限解除」「朝鮮学校即時無償化」など何らかのお土産を提示しますけどね。制裁だの渡航制限だの敵対行為をされてどこの誰が会談したがるのか。
 なお、お断りしておきますが、これは「制裁解除などお土産を提供して首脳会談すべきだ」という話ではありません。
 小生個人は「そうすべきだ」という価値観*1ですが、ここでいってるのはそういう「価値判断の話」ではなく「お土産もなしで会談が実現するわけがない」という「事実認識の問題」です。

 北朝鮮などの人権問題に取り組むヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)日本の土井香苗代表は、「北朝鮮の人権問題を国際水準に引き上げたのは安倍晋三首相の功績だった」と評価する。

 本気で言ってるのならキチガイの沙汰ですね。土井某やHRWとやらが「自称人権派、実はただの反北朝鮮の極右」「つまり巣くう会の同類」、あるいは「狂信的安倍信者」という、ろくでもない個人や団体であることがよく分かる発言です。
 なお、むしろ安倍が「国際水準に引き上げた」のは慰安婦問題じゃないか。もちろん安倍が「慰安婦問題がらみで無茶苦茶な言動をしたこと」で世界中で慰安婦問題について安倍を批判する政治的アピール(いわゆる少女銅像の建設など)が相次いだことによるもんであって要するに「安倍の自爆行為、自滅行為」ですが。安倍が何もしなければ慰安婦問題が「改めて」これほど世界で注目されることもなかったでしょう。

今年3月、政府は突然、人権理事会への共同提案者から降りると発表した。複数の日本政府関係者によると、提案見送りを主導したのは安倍首相の意向を受けた首相官邸だった。

 共同提案から降りたところで棄権せずに賛成投票してるのだから意味不明です。どこの世界に「共同提案でなきゃ賛成してもいい」なんて人間がいるのか。反対票を投じることが過去の経緯から無理としてもなぜ棄権しないのか。

*1:まあ横田一家(滋氏除く)なんかは小生のことを「腰抜けか、北朝鮮シンパ」認定するのでしょう。まあ「北朝鮮シンパ呼ばわり(もちろん小生はそんなもんではない)」はともかく腰抜け呼ばわりしたければ勝手にすればいいと思いますが。しかし正直、拉致解決にはそういうバーター取引しかないでしょう。かつ北朝鮮と対決して緊張を高めることをハト派の小生は希望しません。

今日の産経ニュース(2019年5月14日分)

サッカーくじ「BIG」 上限額を12億円に引き上げへ - 産経ニュース

 日本国内では宝くじを含めても、史上最高の当せん金額となる。

 今現在十分売り上げがあるのに、射倖性を高めるとは正気の沙汰ではないでしょう。そもそも導入時には「射倖性を高めることはしない」、つまり「宝くじの最高当選金額を上回る設定にはしない」という約束だったはずです。


維新、丸山穂高衆院議員を除名処分 - 産経ニュース
 除名したのが意外ですが、「橋下や松井」と比べ、かばうほどの価値もないということでしょうか。


「今後大いに期待」 大谷の復帰後初本塁打で菅官房長官 - 産経ニュース
 馬鹿馬鹿しい。こんなことを記者会見で聞くマスコミ記者は全く何を考えてるのか。「政治家には政治のことだけ聞け」て話です。誰も菅の大谷選手に対する感想なんか知っても何の得にもならない。


女優の京マチ子さん死去 95歳 「羅生門」「雨月物語」グランプリ女優 - 産経ニュース
 失礼ながら「まだ存命だったのか」という驚きを最初に感じました。

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年5/14分:荒木和博の巻)

武藤元大使との対談(「海外事情」5・6月号): 荒木和博BLOG
 嫌韓国ウヨ・荒木と対談して恥じないようなウヨが元駐韓大使だというのだから呆れて二の句が継げません。


■荒木のツイート

荒木和博
 Web論座の連載(藤生*1編集委員)の2回目です。私も(ボーガス注:高池氏同様)自分自身はあくまで社会主義者であって保守ではないと思っています。
「反マルクスの社会主義」 民社党の遺伝子 - 藤生 明|論座 - 朝日新聞社の言論サイト

「反マルクスの社会主義」 民社党の遺伝子 - 藤生 明|論座 - 朝日新聞社の言論サイト
 予期せぬ答えが返ってきた。「ぼくは社会主義者。今でも」「保守とは呼ばれたくない」
 新しい歴史教科書をつくる会会長を務める高池勝彦*2弁護士。
 弁護士から思いがけない言葉を聞いたのは3月上旬、都心の法律事務所だった。
 取材の途中、高校時代から憲法改正に熱心だったのに、なぜ自民党学生部ではなく民主社会主義の学生団体や社思研に入ったのか、高池氏に尋ねたときだ。冒頭のような言葉が返ってきたのだ。
 前後関係を含めて記せば、「自民党は嫌い。正直言えば今だって嫌いだよ。ぼくは社会主義者だから、今でも」。
 そして、自分たちの運動が保守とくくられることにも首をひねった。
 「ぼくはあまり保守と呼ばれたくないんだよなあ*3」。

 「はあ?(唖然)」ですね。藤生氏や俺だけでなく多くの人間にとって「はあ?」でしょう。
 「僕らは旧民社党員です!。旧民社党は民主『社会主義』なんです!。英国労働党やドイツ社民党などの仲間です。自民とは違うんです」と高池や荒木にいわれても

塚本三郎*4民社党消滅後に自民から立候補したことあるのにそういうこというか?」
つくる会会長がそういうこというか?。ドイツ社民党南京事件を否定する手前らみたいにナチの犯罪を否定してるのかよ!」
「今の社民党や昔の社民連ならともかく、お前らのどこが英国労働党やドイツ社民党の仲間なんだよ?。」
「むしろドイツ国社会主義労働者党(ナチス)の仲間、つまり『国家』が頭につく『国家社会主義政党』の仲間だろ、お前ら」
「じゃあお前らが親しい産経は社会主義の新聞なのか?」

ですよねえ。
 旧民社の連中ってのは、荒木や高池以外も本気でこんなこと思ってるのか。一寸話が通じませんね。
 「反マルクス」つうか「反ソ連型」の社会主義ならもちろん「英国労働党やドイツ社民党」などがありますが旧民社をそういう代物だと思ってる人はまず居ないでしょう。何度も書いてますがむしろ「日本共産党の方が相対的に旧民社より社民主義に近かった」わけです。
 ソ連批判なら日本共産党も「プラハの春弾圧」「アフガン侵攻」など批判していましたし、社会党と共闘して美濃部都政を誕生させたり、創価学会と協定を結んだり、「連立政権構想(1970年)」を発表したりすることで共産党は次第に「戦後直後のソ連の影響が強い党」から「いわゆるユーロコミュニズムイタリア共産党などに近い方向」へ変化していき、そのことによって「社民政党というより反共右翼政党」の民社党の「存在価値も落ちていった」といっていいでしょう。その後、社民連が誕生したことでなおさら民社党の価値は落ちるわけです。
 しかし世界広しといえども「社民主義の看板を掲げた極右政党」なんて旧民社だけでしょう。なんでそんなもんが日本に誕生したのかは興味深いところです。世界一般の社民主義政党とはあまりにもかけ離れてますからね。

民社党の志とは、民社の遺伝子を残すこと。遺伝子とは民社党に始まるものではなく、戦前から続く運動の歴史の中にある。
・それは安部磯雄が主導した1901年の社会民主党*5、同じく安部が創立した1926年の社会民衆党、どちらかを起点*6とする民主的な社会主義政党の歴史である。
・そこを貫くものは弱肉強食の経済を打破し、貧困と不条理をなくすこと。そのため左右の全体主義に反対*7し、自由と民主主義の政治を実現することである。
・自由にして民主的な労働運動を支援し、階級的労働運動を打破する。
・幻想的な平和主義を排し、現実的な平和主義を進めること。日本の伝統を尊重し、継承することである。
・戦前の安部磯雄*8や鈴木文治*9らユニテリアンが共有した理念「自由の拡大、社会問題の解決」は民社党の志の原点、背骨である。

 唖然ですね。単なる「一般的な労使協調型労組」なんて甘いもんでは旧民社・同盟はないでしょう。
 「現実的な平和主義」といえば聞こえはいいですが、反共主義から中国やソ連を敵視し、ただただ軍拡一本槍ですからね。
 「弱肉強食の経済を打破し、貧困と不条理をなくすこと」て「お前ら、いつそんなことやったの?。右翼運動しかやってねえだろ?」ですよね。
 つうか「安部磯雄(1949年死去)や鈴木文治(1946年死去)」なんか持ち出してる時点で「1960年の民社党創立メンバー(初代委員長・西尾末広*10、初代書記長・曽祢益民社党顧問・片山哲*11など)が何で持ち出せないの?。安部も鈴木も旧民社創立者の師匠かもしれないけど、直接の創立者と違うヤン。1960年にはもう死んでるヤン」て話です。
 まあ俺が思うに「安部も鈴木も1960年結党の旧民社党ほど極右ではなかった」んでしょうね。だから旧民社に都合がいいから持ち出す。
 ちなみに西尾末広ら、旧民社党の連中(当時は社会党右派)が「社会党にいたとき」に岸信介*12を入党させようとして、「岸なんか入党させられるか」と社会党左派に批判されて入党話がぽしゃったという有名な話がありますね。
 A級戦犯容疑者となった岸の弁護についた弁護士は社会党右派*13の三輪寿壮(1894生まれ~1956年死去。1952~1956年まで代議士)という人間ですし、三輪の葬儀(1956年)では岸が友人として

「本当に残念だ。これで政権を渡す相手がいなくなった」

云々という弔辞を読んだといいます(ウィキペディア岸信介」「三輪寿壮」参照)。旧民社の連中は昔からウヨだったわけです。
 まあ、旧民社の前身*14である社会大衆党

社会大衆党ウィキペディア参照)
 社会大衆党は陸軍統制派に迎合・接近していく。親軍路線を主導したのは、麻生久書記長(後に党首)を中心とするグループであった。麻生は1934年「戦いは文化の母である」と主張する「陸軍パンフレット」を「広義国防論」(戦争協力とひきかえに国民の社会権の保障を求める主張)の観点から支持。1937年に行われた総選挙で第3党に躍進する倍増の38名当選の成果を得たが、同年の日中戦争勃発を受けて、「国体の本義」を支持する新綱領を制定。1938年の党大会では新建設大綱が決定され、全体主義を原則とする党となることを明確にした。
 1939年には中野正剛率いる右翼政党・東方会との合併を試み、右翼との連携を模索していた。
 その後も軍部との関係を強化し、1940年3月には、斎藤隆夫の反軍演説による懲罰動議に対して反対の姿勢を示し欠席・棄権した党首の安部磯雄片山哲、鈴木文治、西尾末広松本治一郎*15、水谷長三郎*16ら8名*17に対し、麻生主導で除名処分にするなど、より親軍部の立場を鮮明にした。同7月に立憲政友会、立憲民政党の二大政党よりも早く、先頭切って自発的解散の形をとって消滅、大政翼賛会に合流した。

というウヨ政党ですしねえ。

*1:著書『ドキュメント 日本会議』(2017年、ちくま新書)、『徹底検証 神社本庁』(2018年、ちくま新書

*2:著書『反日勢力との法廷闘争:愛国弁護士の闘ひ』(2018年、展転社

*3:社会党共産党幹部はともかく、むしろ社会党員、共産党員や支持者の中に「僕はアンチ自民なだけであまり左翼とか社会主義者とか呼ばれたくないんだよなあ。護憲とか福祉重視(「福祉の重視」自体は社会主義ではありません)とか社会主義以外のことでもっぱら支持してるんで」つう人が居るのは不思議ではないですが、高池や荒木のような極右がこう言うとはまるきり理解できません。

*4:民社党書記長、委員長を歴任。国家基本問題研究所理事、「頑張れ日本!全国行動委員会」愛知県本部顧問、「明治の日推進協議会」会長という右翼活動家。

*5:ウィキペディア社会民主党」によればこの党のメンバーには片山潜(後にソ連に亡命)や幸徳秋水アナキスト)、堺利彦社会党左派)がいますので旧民社ほど右寄りではないでしょう。

*6:どちらも旧民社だけでなく「日本社会党のルーツ」でもあるので「何だかなあ(苦笑)」ですね。

*7:どう見ても旧民社は「右の全体主義」なのによくもいったもんです。

*8:社会民衆党党首、社会大衆党委員長、日本社会党顧問を歴任。また早稲田大学野球部長、東京六大学野球連盟会長、日本学生野球協会会長を歴任。「日本学生野球の父」と呼ばれ野球殿堂入りしている。

*9:日本労働総同盟会長

*10:社会党書記長、片山内閣官房長官、芦田内閣副総理、民社党委員長など歴任

*11:社会党書記長、委員長、首相を歴任

*12:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*13:旧民社誕生前に病死しています。おそらく存命なら旧民社に幹部として参加したでしょう。

*14:まあ「旧民社だけでなく社会党の前身」でもありますが、麻生のウヨ路線に賛同するような連中はほとんど旧民社人脈でしょう。

*15:全国水平社議長、部落解放同盟委員長を歴任。菅内閣環境相を務めた松本龍・元衆院議員の祖父。

*16:片山、芦田内閣商工大臣、民社党国会議員団長など歴任

*17:このうち、安倍、片山、西尾、水谷が旧民社の創立メンバーです。