■五十嵐仁*1の転成仁語『珍寿(95歳)をお祝いした畑田重夫*2先生は私を世に出してくださった大の恩人』
https://igajin.blog.so-net.ne.jp/2018-09-03
昨日、「まだまだ元気 畑田重夫先生の『珍寿(95歳)』を祝う集い」に出席しました。日曜なのに予定はなく、空いていてラッキーでした。
この会の通知を見て、95歳を「珍寿」というのだということを初めて知りました。グーグルで調べたら、「珍寿は、賀寿(年祝)の一つで、数え年で95歳のこと、またその祝い(儀礼)をいいます。これは、「珍」の左側の偏部(王)を「一」「十」「一」に分解し、右側の旁部を「八三」とすると、「1+10+1+83=95」となることから、95歳を意味するようになったそうです」と書かれていました。
「へー、そうだったのか」と思いました。一つ、利口になりました。
会では、牧野富夫*3日大名誉教授・全国革新懇代表世話人が呼びかけ人あいさつ、内藤功元参院議員・日本平和委員会代表理事が祝辞、乾杯の音頭が山田敬男*4労働者教育協会会長、お祝いの演奏がきたがわてつさん、お祝いの言葉が小森陽一*5東大教授・九条の会事務局長など6人、それに伊波洋一*6参院議員からのメッセージが紹介されるなど、畑田先生の長きにわたる活動と親交を反映して豪華なメンバーでした。
100歳の方も珍しくなくなっている「高齢社会」の今日、95歳が「珍しいほどの長寿」と言えるかどうかは議論のあるところかもしれませんが、畑田先生のようにかくしゃくとされ今も短い講演などをこなされているのが「珍しい」ことは確かで、私など爪の垢でも煎じて飲ませていただきたいところです。
畑田重夫先生は私にとっての大恩人ですが、このことはあまり知られていませんし、先生ご自身もそれほど自覚されていないかもしれません。
先生と私が出会ったのは、私が法政大学の大学院を出て非常勤講師をしていた32年前にさかのぼります。このとき、私は畑田先生にお世話になり、先生のお陰で世に出ることができました。
当時、私は35歳で非常勤講師として糊口をしのぎ、大原社会問題研究所の兼任研究員や法政大学社会学部・法学部、東京農工大学一般教育部などで労働問題や政治学の研究と講義に携わっていました。大学院は出たけれどまだ専任の職に就くことができず、最初の妻とも別れることになり、将来への大きな不安を抱えていたころのことです。
そのとき、学習の友社から本を出すので手伝ったほしいという話が舞い込んできました。これは浜林正夫*7・辻岡靖仁監修の「現代の社会科学」全5巻の一冊で、畑田重夫編『現代の政治論』として出版されています。
この話を紹介して下さったのは、法政大学大学院時代に政治学の手ほどきを受けた高橋彦博*8先生だったと思います。農工大での非常勤講師も高橋先生の紹介で、そこでの講義のために政治学のノートを作成していたのが大いに役立ちました。
この本は畑田編で、執筆者は先生と私だけです。畑田先生は序章「現代と政治」、第3章「国際政治の基礎理論」、終章「戦後国際政治と核兵器廃絶」を書かれ、私は第1章「政治の基本的要素と政治制度」、第2章「現代日本の政治」を分担執筆しています。分量では約半分が私の執筆によるものでした。
この本を執筆するために、私は畑田先生と2人だけで打ち合わせをする機会が何回かありました。その打ち合わせの際に、これまで書いてきた論文をまとめて出版したい旨、先生に相談しました。
すると、知り合いの出版社を紹介して下さると仰るではありませんか。こうして、共著だけでなく単著も出版することができたのです。
これが私の最初の単著として「ゆぴてる社」から刊行された『戦後保守政治の転換―「86年体制*9」とは何か』という本です。奥付を見ると、この本の刊行日は「1987年1月15日」で、畑田重夫編の共著の方は「1987年1月30日」となっています。
2冊の本の刊行に向けての作業が、同時並行的に進められていたことが分かります。その結果、共著ではなく単著の方が15日早く出ることになりました。
単著の「あとがき」に「本書を出版するにあたっては、畑田重夫先生にお世話になった。ここに記して、謝意を表したい」と書かれているのは、以上に述べたような事情があったからです。畑田先生との共著の執筆と、それをきっかけにした出版社の紹介がなければ、本書を刊行することはできなかったでしょう。
そして、これらの共著や単著がなければ、大原社会問題研究所に専任研究員として採用されることはなかったかもしれません。幸いにも時を同じくして専任職の募集があり、86年5月1日付で助教授として大原社会問題研究所に採用されることになったからです。
小生的に「珍寿なんて言葉があるのか」「畑田氏と五十嵐氏にはそんな関係があったのか」となかなか興味深い記事ですので紹介しておきます。
しかしこうなると五十嵐氏が全国革新懇代表世話人になったのも、「以前、代表世話人を務めていた畑田氏の依頼」によるものかもしれません(そのあたりについては特に五十嵐氏は述べていませんが)。
【ここから産経です】
■【自民党総裁選】野田聖子*10総務相、安倍晋三首相に直接支持を伝達
https://www.sankei.com/politics/news/180903/plt1809030020-n1.html
出馬を検討していたのに支持表明とは実に無様な話です。「石破氏*11と比べれば共通点が多い」などと必死に言い訳してるようですが。
■小川勝也*12参院議員の長男を再逮捕 強制わいせつの疑いで
https://www.sankei.com/affairs/news/180903/afr1809030010-n1.html
さすがに心神喪失は認められないでしょうし、「病気だから法的に許される(つうか処罰されない)」つう話でもないですが、こういうのはもはや病気でしょう。治療が必要なレベルで「懲役や罰金」などの処罰「だけ」ではもはや何の意味もないかと思います。子育てがどうこう言うレベルを既に超えており、小川議員には同情しますね。
■「ちびまる子ちゃん」視聴率14・3% 訃報後初の放送、大幅上昇
https://www.sankei.com/entertainments/news/180903/ent1809030003-n1.html
視聴率が大幅増加といっても14%ですからねえ。それはつまりは通常は1桁台の%だと言うことでもはやテレビアニメは人気アニメとされる「ちびまる子ちゃん」ですらこれですから、「テレビコンテンツ」としては視聴率がとれないわけです。
以前「北斗の拳」(フジ、1984〜1988年、毎週木曜19:00〜19:30)、「ドラゴンボール」(フジ、1986〜1997年、毎週水曜19:00〜19:30)などがゴールデンタイムで放送されて「視聴率が常時2桁台の%だった」ようなことはもはやありえない。
結果、今のテレビアニメはフジ「ちびまる子ちゃん」(毎週日曜18:00〜18:30)、「サザエさん」(毎週日曜18:30〜19:00)、テレ朝「ドラえもん」(毎週金曜19:00〜19:30)、「クレヨンしんちゃん」(毎週金曜19:30〜20:00)など一部を除いていわゆるゴールデンタイムには放送されない(深夜放送が多い)し、おそらく利益の回収も「テレビ放映だけではできず」、放送終了後のDVD販売なども見込んでるわけです。
■【麻生美代子さん死去】サザエさん役の加藤みどりさん「皆の目標でした」 タラちゃん役の貴家堂子さん「さびしいです…」
https://www.sankei.com/entertainments/news/180903/ent1809030006-n1.html
声を担当していた「サザエさん(磯野フネ)」「和風総本家(ナレーター)」などは「高齢化を理由に」既に麻生氏が降板し、別の方に交代してるので「永井一郎氏死去(磯野波平役、享年82歳)」のような影響はありません。また92歳という年齢では死去は予想の範囲内ですが、なんとも複雑な気持ちです。
なお、92歳死去の麻生氏よりは若いとは言え
ですからねえ。いずれ「永井氏死去」「高齢化、体調不良による麻生氏降板」後の声優交代のような事態は避けられないでしょう。
その点「前も書きましたが」ドラえもんは声優交代がうまく成功したと思います。ルパン三世なんかもネット動画で見ましたが、声優交代が割と成功してる方ではないかと思います。
「栗田貫一氏のルパン」は「まあ、あれはあれでいいかな」という気になります。
■【国際情勢分析】カスピ海は湖か? 海か? 20年越しの論争が決着 権益めぐりイランが譲歩
https://www.sankei.com/premium/news/180903/prm1809030005-n1.html
米国のイラン制裁に対抗するにはロシアともめられないつう判断のようです。
カスピ海で「チョウザメ養殖がされてますが」それだけでなく石油埋蔵の可能性もあるのが「もめた理由」だそうです。
まあ、政治判断無視すればイランの言うように「カスピ海は海ではなく湖」だとは思いますけどね。
■大阪・松原市議選 新議員18人決まる
https://www.sankei.com/west/news/180903/wst1809030014-n1.html
松原市をどう評価すべきかわかりませんが、
党派別では、自民4人▽公明4人▽共産4人▽立憲民主1人▽大阪維新の会3人▽無所属2人
というのが興味深い。この数字を見る限り松原市において維新にはそれほどの力はなさそうです。これが他の大阪の市町村でも「そうなりつつある」のならありがたいのですが。
■【野口裕之の軍事情勢】同じ過ち犯す中国 「C級戦犯」は存在せず「AB級」も靖国にお祀りされていない
https://www.sankei.com/premium/news/180903/prm1809030004-n3.html
「東京裁判は事後法だから裁判自体が違法で判決も無効だ*14」「パル判事も被告全員無罪だと言った」「だから中国などのA級戦犯靖国合祀批判や安倍総理の靖国への参拝や玉串料奉納に対する批判なんか無視していいんだ」「大体原爆投下(米国)やシベリア抑留(旧ソ連)やった連中に裁判で裁かれる筋合いない。原爆投下などの方が戦争犯罪じゃないのか」つう暴論です。中国どころか、こんなん公言したら欧米や東南アジアからも確実に批判が来る酷い暴論です。
安倍ですらこんなんは公言できないですね。日本は建前では東京裁判判決を受け入れているからです。
もちろん「靖国」についていえば政教分離原則の問題がありますし、そのため千鳥ケ淵戦没者墓苑が追悼の場として設けられています。
また靖国には戦没者としては「軍人軍属しかまつられてない(民間人がまつられてない)」という問題もあれば、「戦没者じゃないのにまつられてる人間(東京裁判で死刑となった東条英機*15元首相、東京裁判中に病死した松岡洋右元外相、終身刑で服役中に病死した小磯国昭*16元首相などいわゆる「昭和殉難者」、あるいは吉田松陰、橋本左内など安政の大獄の犠牲者)がいる」つう問題もあるわけです。
なぜ戦没者じゃないのに「松陰や左内がまつられてるか」といえば明治新政府的には「安政の大獄での松陰らへの死刑判決は不当」「その不当な処分を覆すため」だからです。
靖国はそういう意味では戦没者追悼にふさわしい場所ではない。
当然ながら「A級戦犯の合祀」も「松陰や左内同様に靖国は、東条英機らへの死刑判決を不当視し覆そうとしてる→靖国は戦前美化」「そんな靖国に安倍が参拝したり玉串料を奉納したりしてる→安倍も靖国と同様に戦前美化」と見なされ批判されるのは当たり前の話です。
*1:法政大学名誉教授。全国革新懇代表世話人。著書『戦後保守政治の転換』(1986年、ゆぴてる社)、『一目でわかる小選挙区比例代表並立制:新しい選挙制度であなたの一票はどうなる』(1993年、労働旬報社)、『保守政治リストラ戦略』(1995年、新日本出版社)、『徹底検証 政治改革神話』(1997年、労働旬報社)、『政党政治と労働組合運動』(1998年、御茶の水書房)、『戦後政治の実像』(2003年、小学館)、『この目で見てきた世界のレイバー・アーカイヴス』(2005年、法律文化社)、『労働政策』(2008年、日本経済評論社)、『労働再規制』(2008年、ちくま新書)、『対決 安倍政権』(2015年、学習の友社)、『活路は共闘にあり:社会運動の力と「勝利の方程式」』(2017年、学習の友社)、『打倒安倍政権:9条改憲阻止のために』(2018年、学習の友社)など
*2:著書『戦後50年の原点』(1995年、学習の友社)、『安保問題のすべて:安保大改悪と日米共同宣言』(1996年、学習の友社)、『自動参戦・列島総動員の新「ガイドライン」:安保・有事立法・改憲策動』(1997年、学習の友社)、『どうみる新しい内外情勢:畑田重夫大いに語る』(2010年、学習の友ブックレット)、『畑田重夫の卒寿の健康力!』(2013年、本の泉社)、『わが憲法人生七十年』(2016年、新日本出版社)など
*3:著書『構造改革は国民をどこへ導くか』(2003年、新日本出版社)、『労働ビッグバン』(編著、2007年、新日本出版社)、『“小さな政府”論とはなにか』(2007年、公人の友社)、『アベノミクス崩壊』(編著、2016年、新日本出版社)など
*4:著書『新版・戦後日本史』(2009年、学習の友社)、『社会運動再生への挑戦』(2014年、学習の友社)など
*5:著書『最新 宮沢賢治講義』(1996年、朝日選書)、『「ゆらぎ」の日本文学』(1998年、NHKブックス)、『心脳コントロール社会』(2006年、ちくま新書)、『村上春樹論』(2006年、平凡社新書)、『大人のための国語教科書』(2009年、角川oneテーマ21)、『漱石を読みなおす』(2016年、岩波現代文庫)、『子規と漱石』(2016年、集英社新書)など
*7:一橋大学名誉教授(イギリス史)。日本学術会議会員、日本科学者会議代表幹事、全国革新懇代表世話人、労働者教育協会副会長、憲法改悪阻止各界連絡会議代表委員などを歴任。著書『イギリス市民革命史』(1959年、未來社)、『イギリス革命の思想構造』(1966年、未來社)、『イギリス民主主義思想史』(1973年、新日本出版社)、『イギリス名誉革命史(上)(下)(1981年、1983年、未來社)、『イギリス宗教史』(1987年、大月書店)、『イギリス民主主義思想史(新版)』(1999年、新日本出版社)、『パブと労働組合』(2002年、新日本出版社)、『イギリス労働運動史』、『「蟹工船」の社会史:小林多喜二とその時代』(以上、2009年、学習の友社)など。
*8:法政大学名誉教授。著書『民社党論』(1972年、新日本新書)、『日本の社会民主主義政党』(1977年、法政大学出版局)、『現代政治と社会民主主義』(1985年、法政大学出版局)、『民衆の側の戦争責任』(1989年、青木書店)、『左翼知識人の理論責任』(1993年、窓社)、『日本国憲法体制の形成』(1997年、青木書店)、『戦間期日本の社会研究センター:大原社研と協調会』(2001年、柏書房)など
*9:1986年の衆院総選挙で自民党が勝利したことで当時の中曽根は「1955年体制は崩壊し1986年体制になった」と豪語したが、その後、おたかさんブームと「リクルート事件による自民党への批判」でこの「1986年体制」という言葉は完全に死語になる。
*10:小渕内閣郵政相、福田、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て第四次安倍内閣総務相
*11:小泉内閣防衛庁長官、福田内閣防衛相、麻生内閣農水相、自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相を歴任
*13:かなりの珍名と言っていいでしょうね。
*14:この理屈だとナチを裁いたニュルンベルク裁判も無効になりますが、そこまで言う度胸は果たして野口にはあるんでしょうか?