今日の産経ニュース(9/3分)ほか(追記・修正あり)

■五十嵐仁*1の転成仁語『珍寿(95歳)をお祝いした畑田重夫*2先生は私を世に出してくださった大の恩人』
https://igajin.blog.so-net.ne.jp/2018-09-03

 昨日、「まだまだ元気 畑田重夫先生の『珍寿(95歳)』を祝う集い」に出席しました。日曜なのに予定はなく、空いていてラッキーでした。
 この会の通知を見て、95歳を「珍寿」というのだということを初めて知りました。グーグルで調べたら、「珍寿は、賀寿(年祝)の一つで、数え年で95歳のこと、またその祝い(儀礼)をいいます。これは、「珍」の左側の偏部(王)を「一」「十」「一」に分解し、右側の旁部を「八三」とすると、「1+10+1+83=95」となることから、95歳を意味するようになったそうです」と書かれていました。
 「へー、そうだったのか」と思いました。一つ、利口になりました。
 会では、牧野富夫*3日大名誉教授・全国革新懇代表世話人が呼びかけ人あいさつ、内藤功元参院議員・日本平和委員会代表理事が祝辞、乾杯の音頭が山田敬男*4労働者教育協会会長、お祝いの演奏がきたがわてつさん、お祝いの言葉が小森陽一*5東大教授・九条の会事務局長など6人、それに伊波洋一*6参院議員からのメッセージが紹介されるなど、畑田先生の長きにわたる活動と親交を反映して豪華なメンバーでした。
 100歳の方も珍しくなくなっている「高齢社会」の今日、95歳が「珍しいほどの長寿」と言えるかどうかは議論のあるところかもしれませんが、畑田先生のようにかくしゃくとされ今も短い講演などをこなされているのが「珍しい」ことは確かで、私など爪の垢でも煎じて飲ませていただきたいところです。
 畑田重夫先生は私にとっての大恩人ですが、このことはあまり知られていませんし、先生ご自身もそれほど自覚されていないかもしれません。
 先生と私が出会ったのは、私が法政大学の大学院を出て非常勤講師をしていた32年前にさかのぼります。このとき、私は畑田先生にお世話になり、先生のお陰で世に出ることができました。
 当時、私は35歳で非常勤講師として糊口をしのぎ、大原社会問題研究所の兼任研究員や法政大学社会学部・法学部、東京農工大学一般教育部などで労働問題や政治学の研究と講義に携わっていました。大学院は出たけれどまだ専任の職に就くことができず、最初の妻とも別れることになり、将来への大きな不安を抱えていたころのことです。
 そのとき、学習の友社から本を出すので手伝ったほしいという話が舞い込んできました。これは浜林正夫*7・辻岡靖仁監修の「現代の社会科学」全5巻の一冊で、畑田重夫編『現代の政治論』として出版されています。
 この話を紹介して下さったのは、法政大学大学院時代に政治学の手ほどきを受けた高橋彦博*8先生だったと思います。農工大での非常勤講師も高橋先生の紹介で、そこでの講義のために政治学のノートを作成していたのが大いに役立ちました。
 この本は畑田編で、執筆者は先生と私だけです。畑田先生は序章「現代と政治」、第3章「国際政治の基礎理論」、終章「戦後国際政治と核兵器廃絶」を書かれ、私は第1章「政治の基本的要素と政治制度」、第2章「現代日本の政治」を分担執筆しています。分量では約半分が私の執筆によるものでした。
 この本を執筆するために、私は畑田先生と2人だけで打ち合わせをする機会が何回かありました。その打ち合わせの際に、これまで書いてきた論文をまとめて出版したい旨、先生に相談しました。
 すると、知り合いの出版社を紹介して下さると仰るではありませんか。こうして、共著だけでなく単著も出版することができたのです。
 これが私の最初の単著として「ゆぴてる社」から刊行された『戦後保守政治の転換―「86年体制*9」とは何か』という本です。奥付を見ると、この本の刊行日は「1987年1月15日」で、畑田重夫編の共著の方は「1987年1月30日」となっています。
 2冊の本の刊行に向けての作業が、同時並行的に進められていたことが分かります。その結果、共著ではなく単著の方が15日早く出ることになりました。
 単著の「あとがき」に「本書を出版するにあたっては、畑田重夫先生にお世話になった。ここに記して、謝意を表したい」と書かれているのは、以上に述べたような事情があったからです。畑田先生との共著の執筆と、それをきっかけにした出版社の紹介がなければ、本書を刊行することはできなかったでしょう。
 そして、これらの共著や単著がなければ、大原社会問題研究所に専任研究員として採用されることはなかったかもしれません。幸いにも時を同じくして専任職の募集があり、86年5月1日付で助教授として大原社会問題研究所に採用されることになったからです。

 小生的に「珍寿なんて言葉があるのか」「畑田氏と五十嵐氏にはそんな関係があったのか」となかなか興味深い記事ですので紹介しておきます。
 しかしこうなると五十嵐氏が全国革新懇代表世話人になったのも、「以前、代表世話人を務めていた畑田氏の依頼」によるものかもしれません(そのあたりについては特に五十嵐氏は述べていませんが)。


【ここから産経です】
■【自民党総裁選】野田聖子*10総務相安倍晋三首相に直接支持を伝達
https://www.sankei.com/politics/news/180903/plt1809030020-n1.html
 出馬を検討していたのに支持表明とは実に無様な話です。「石破氏*11と比べれば共通点が多い」などと必死に言い訳してるようですが。


小川勝也*12参院議員の長男を再逮捕 強制わいせつの疑いで
https://www.sankei.com/affairs/news/180903/afr1809030010-n1.html
 さすがに心神喪失は認められないでしょうし、「病気だから法的に許される(つうか処罰されない)」つう話でもないですが、こういうのはもはや病気でしょう。治療が必要なレベルで「懲役や罰金」などの処罰「だけ」ではもはや何の意味もないかと思います。子育てがどうこう言うレベルを既に超えており、小川議員には同情しますね。


■「ちびまる子ちゃん」視聴率14・3% 訃報後初の放送、大幅上昇
https://www.sankei.com/entertainments/news/180903/ent1809030003-n1.html
 視聴率が大幅増加といっても14%ですからねえ。それはつまりは通常は1桁台の%だと言うことでもはやテレビアニメは人気アニメとされる「ちびまる子ちゃん」ですらこれですから、「テレビコンテンツ」としては視聴率がとれないわけです。
 以前「北斗の拳」(フジ、1984〜1988年、毎週木曜19:00〜19:30)、「ドラゴンボール」(フジ、1986〜1997年、毎週水曜19:00〜19:30)などがゴールデンタイムで放送されて「視聴率が常時2桁台の%だった」ようなことはもはやありえない。
 結果、今のテレビアニメはフジ「ちびまる子ちゃん」(毎週日曜18:00〜18:30)、「サザエさん」(毎週日曜18:30〜19:00)、テレ朝「ドラえもん」(毎週金曜19:00〜19:30)、「クレヨンしんちゃん」(毎週金曜19:30〜20:00)など一部を除いていわゆるゴールデンタイムには放送されない(深夜放送が多い)し、おそらく利益の回収も「テレビ放映だけではできず」、放送終了後のDVD販売なども見込んでるわけです。


■【麻生美代子さん死去】サザエさん役の加藤みどりさん「皆の目標でした」 タラちゃん役の貴家堂子さん「さびしいです…」
https://www.sankei.com/entertainments/news/180903/ent1809030006-n1.html
 声を担当していた「サザエさん(磯野フネ)」「和風総本家(ナレーター)」などは「高齢化を理由に」既に麻生氏が降板し、別の方に交代してるので「永井一郎氏死去(磯野波平役、享年82歳)」のような影響はありません。また92歳という年齢では死去は予想の範囲内ですが、なんとも複雑な気持ちです。
 なお、92歳死去の麻生氏よりは若いとは言え

加藤みどりサザエさん):78歳
増岡弘(マスオさん):82歳
貴家堂子*13(さすが・たかこ)(タラちゃん):77歳

ですからねえ。いずれ「永井氏死去」「高齢化、体調不良による麻生氏降板」後の声優交代のような事態は避けられないでしょう。
 その点「前も書きましたが」ドラえもんは声優交代がうまく成功したと思います。ルパン三世なんかもネット動画で見ましたが、声優交代が割と成功してる方ではないかと思います。
 「栗田貫一氏のルパン」は「まあ、あれはあれでいいかな」という気になります。


■【国際情勢分析】カスピ海は湖か? 海か? 20年越しの論争が決着 権益めぐりイランが譲歩
https://www.sankei.com/premium/news/180903/prm1809030005-n1.html
 米国のイラン制裁に対抗するにはロシアともめられないつう判断のようです。
 カスピ海で「チョウザメ養殖がされてますが」それだけでなく石油埋蔵の可能性もあるのが「もめた理由」だそうです。
 まあ、政治判断無視すればイランの言うように「カスピ海は海ではなく湖」だとは思いますけどね。


■大阪・松原市議選 新議員18人決まる
https://www.sankei.com/west/news/180903/wst1809030014-n1.html
 松原市をどう評価すべきかわかりませんが、

党派別では、自民4人▽公明4人▽共産4人▽立憲民主1人▽大阪維新の会3人▽無所属2人

というのが興味深い。この数字を見る限り松原市において維新にはそれほどの力はなさそうです。これが他の大阪の市町村でも「そうなりつつある」のならありがたいのですが。


■【野口裕之の軍事情勢】同じ過ち犯す中国 「C級戦犯」は存在せず「AB級」も靖国にお祀りされていない
https://www.sankei.com/premium/news/180903/prm1809030004-n3.html
 「東京裁判は事後法だから裁判自体が違法で判決も無効だ*14」「パル判事も被告全員無罪だと言った」「だから中国などのA級戦犯靖国合祀批判や安倍総理靖国への参拝や玉串料奉納に対する批判なんか無視していいんだ」「大体原爆投下(米国)やシベリア抑留(旧ソ連)やった連中に裁判で裁かれる筋合いない。原爆投下などの方が戦争犯罪じゃないのか」つう暴論です。中国どころか、こんなん公言したら欧米や東南アジアからも確実に批判が来る酷い暴論です。
 安倍ですらこんなんは公言できないですね。日本は建前では東京裁判判決を受け入れているからです。
 もちろん「靖国」についていえば政教分離原則の問題がありますし、そのため千鳥ケ淵戦没者墓苑が追悼の場として設けられています。
 また靖国には戦没者としては「軍人軍属しかまつられてない(民間人がまつられてない)」という問題もあれば、「戦没者じゃないのにまつられてる人間(東京裁判で死刑となった東条英機*15元首相、東京裁判中に病死した松岡洋右元外相、終身刑で服役中に病死した小磯国昭*16元首相などいわゆる「昭和殉難者」、あるいは吉田松陰橋本左内など安政の大獄の犠牲者)がいる」つう問題もあるわけです。
 なぜ戦没者じゃないのに「松陰や左内がまつられてるか」といえば明治新政府的には「安政の大獄での松陰らへの死刑判決は不当」「その不当な処分を覆すため」だからです。
 靖国はそういう意味では戦没者追悼にふさわしい場所ではない。
 当然ながら「A級戦犯の合祀」も「松陰や左内同様に靖国は、東条英機らへの死刑判決を不当視し覆そうとしてる→靖国は戦前美化」「そんな靖国に安倍が参拝したり玉串料を奉納したりしてる→安倍も靖国と同様に戦前美化」と見なされ批判されるのは当たり前の話です。

*1:法政大学名誉教授。全国革新懇代表世話人。著書『戦後保守政治の転換』(1986年、ゆぴてる社)、『一目でわかる小選挙区比例代表並立制:新しい選挙制度であなたの一票はどうなる』(1993年、労働旬報社)、『保守政治リストラ戦略』(1995年、新日本出版社)、『徹底検証 政治改革神話』(1997年、労働旬報社)、『政党政治労働組合運動』(1998年、御茶の水書房)、『戦後政治の実像』(2003年、小学館)、『この目で見てきた世界のレイバー・アーカイヴス』(2005年、法律文化社)、『労働政策』(2008年、日本経済評論社)、『労働再規制』(2008年、ちくま新書)、『対決 安倍政権』(2015年、学習の友社)、『活路は共闘にあり:社会運動の力と「勝利の方程式」』(2017年、学習の友社)、『打倒安倍政権:9条改憲阻止のために』(2018年、学習の友社)など

*2:著書『戦後50年の原点』(1995年、学習の友社)、『安保問題のすべて:安保大改悪と日米共同宣言』(1996年、学習の友社)、『自動参戦・列島総動員の新「ガイドライン」:安保・有事立法・改憲策動』(1997年、学習の友社)、『どうみる新しい内外情勢:畑田重夫大いに語る』(2010年、学習の友ブックレット)、『畑田重夫の卒寿の健康力!』(2013年、本の泉社)、『わが憲法人生七十年』(2016年、新日本出版社)など

*3:著書『構造改革は国民をどこへ導くか』(2003年、新日本出版社)、『労働ビッグバン』(編著、2007年、新日本出版社)、『“小さな政府”論とはなにか』(2007年、公人の友社)、『アベノミクス崩壊』(編著、2016年、新日本出版社)など

*4:著書『新版・戦後日本史』(2009年、学習の友社)、『社会運動再生への挑戦』(2014年、学習の友社)など

*5:著書『最新 宮沢賢治講義』(1996年、朝日選書)、『「ゆらぎ」の日本文学』(1998年、NHKブックス)、『心脳コントロール社会』(2006年、ちくま新書)、『村上春樹論』(2006年、平凡社新書)、『大人のための国語教科書』(2009年、角川oneテーマ21)、『漱石を読みなおす』(2016年、岩波現代文庫)、『子規と漱石』(2016年、集英社新書)など

*6:沖縄県議、宜野湾市長を経て参院議員

*7:一橋大学名誉教授(イギリス史)。日本学術会議会員、日本科学者会議代表幹事、全国革新懇代表世話人、労働者教育協会副会長、憲法改悪阻止各界連絡会議代表委員などを歴任。著書『イギリス市民革命史』(1959年、未來社)、『イギリス革命の思想構造』(1966年、未來社)、『イギリス民主主義思想史』(1973年、新日本出版社)、『イギリス名誉革命史(上)(下)(1981年、1983年、未來社)、『イギリス宗教史』(1987年、大月書店)、『イギリス民主主義思想史(新版)』(1999年、新日本出版社)、『パブと労働組合』(2002年、新日本出版社)、『イギリス労働運動史』、『「蟹工船」の社会史:小林多喜二とその時代』(以上、2009年、学習の友社)など。

*8:法政大学名誉教授。著書『民社党論』(1972年、新日本新書)、『日本の社会民主主義政党』(1977年、法政大学出版局)、『現代政治と社会民主主義』(1985年、法政大学出版局)、『民衆の側の戦争責任』(1989年、青木書店)、『左翼知識人の理論責任』(1993年、窓社)、『日本国憲法体制の形成』(1997年、青木書店)、『戦間期日本の社会研究センター:大原社研と協調会』(2001年、柏書房)など

*9:1986年の衆院総選挙で自民党が勝利したことで当時の中曽根は「1955年体制は崩壊し1986年体制になった」と豪語したが、その後、おたかさんブームと「リクルート事件による自民党への批判」でこの「1986年体制」という言葉は完全に死語になる。

*10:小渕内閣郵政相、福田、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て第四次安倍内閣総務相

*11:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相を歴任

*12:菅内閣で防衛副大臣

*13:かなりの珍名と言っていいでしょうね。

*14:この理屈だとナチを裁いたニュルンベルク裁判も無効になりますが、そこまで言う度胸は果たして野口にはあるんでしょうか?

*15:関東憲兵隊司令官、関東軍参謀長、陸軍次官、第二次、第三次近衛内閣陸軍大臣を経て首相

*16:陸軍省軍務局長、陸軍次官、関東軍参謀長、平沼、米内内閣拓務大臣、朝鮮総督などを経て首相

今日の産経ニュース(8/27分)(追記・修正あり)

■【産経・FNN合同世論調査自民党支持層の66.4%が安倍晋三首相を支持 石破茂氏の3倍以上
http://www.sankei.com/politics/news/180827/plt1808270033-n1.html
 「モリカケの腐敗政治家」「日本会議とずぶずぶの非常識極右」というあんな奴をなぜ支持できるのかと本当にげんなりします。リクルート事件時に「安倍*1幹事長、宮沢*2蔵相、渡辺*3政調会長」ら幹部連が謹慎を余儀なくされたときに「傍流の海部氏*4」が擁立されたように、安部よりもましな人間など自民にいくらでもいるでしょうにねえ。
 そして「政治状況が違う」とはいえ、「武村正義*5新党さきがけ結党」「小沢一郎*6羽田孜*7新生党結党」のような動きは自民党にはまるでないわけです。
 ただしこれで、「世論調査だと安倍と石破が拮抗してる」つうのは裏返せば「自民支持層以外では野党支持層だけでなくいわゆる無党派も含めて、安倍の不人気が圧倒的だ」「昔はともかく、自民党は今や国民政党と呼べる政党ではない」ということでもあるわけです。正直、そういう状態は自民党にとっても「長い目で見れば」決して望ましいもんではないでしょう。


■【正論】40年ぶり「相続法制改正」の意義 麗澤大学教授・八木秀次
http://www.sankei.com/column/news/180827/clm1808270004-n1.html

 この点については法案の基をつくり、私も委員として議論に参画した法制審議会民法(相続関係)部会でも異論があった。

 コラム内容ももろLGBT差別でうんざりしますがそれはひとまずおきます*8
 「は?」「何でお前が委員なの?。お前民法の専門家じゃないだろ?。ただのプロ右翼活動家だろ?」ですね。
 まあ安倍*9のごり押しでしょうが。
 なるほど「安倍に言われるがままに、オウム死刑囚を皆殺しにした安倍の忠実な子分」上川法相だとそういうことになるのでしょう。
 「安倍以外が首相なら」石破*10であれ、石原*11であれ、岸田*12であれ、誰であれ絶対にあり得ない話でしょう。マジでげんなりします。
 なお、法制審議会民法部会(相続関係)のメンバーですがhttp://www.moj.go.jp/content/001238772.pdfによればもちろん

東京大学教授・大村敦志*13
東京大学教授・沖野眞已氏
神戸大学教授・窪田充見氏*14
京都大学教授・潮見佳男氏*15
早稲田大学教授・中田裕康氏*16
東北大学教授・水野紀子氏*17
明治大学教授・村上一博氏*18
一橋大学教授・山本和彦氏
京都大学教授・山本克己氏
千葉大学教授・米村千代*19
東京大学教授・垣内秀介氏
慶應義塾大学准教授・西希代子氏

といった「おそらくまともな」民法*20の研究者もいます。つうか明らかにまともじゃないのは八木だけですが。
 http://www.moj.go.jp/shingi1/housei02_00294.htmlには会議議事録があるので八木の発言も確認できると思いますがそこまでは手間がかかるのでしません。


■漫画家のさくらももこさん死去、53歳 「ちびまる子ちゃん」など
http://www.sankei.com/entertainments/news/180827/ent1808270004-n1.html
 乳がんだそうですが、人生80年時代では50代の死は明らかに早死にですね。
 なお、フジテレビアニメ「ちびまる子ちゃん」についていえば作者死去後も続いている

フジテレビ「サザエさん」(長谷川町子
テレ朝「ドラえもん」(藤子F不二雄)
テレ朝「クレヨンしんちゃん」(臼井儀人

のように続いていくのでしょう。
 ちなみに「サザエさんドラえもんなどのようなずっと続いている形とはまた違いますが」、作者が死んでるのに放送されてるアニメとしては現在

フジテレビ「ゲゲゲの鬼太郎」(水木しげる
テレビ東京天才バカボン」(赤塚不二夫

があります。


■「日本の憲法が一度も改正されない理由はマインドコントロール」ジャーナリスト木佐芳男氏*21が講演
http://www.sankei.com/west/news/180827/wst1808270004-n1.html
 タイトルだけでうんざりですね。こんな物言いが許されるのなら

「沖縄基地問題について本土の人間が無関心なのは日米両国政府のマインドコントロール
「欧米で死刑が廃止されても日本で廃止されない理由は法務省のマインドコントロール
「世界各国から批判があっても日本で捕鯨が中止されない理由は水産庁のマインドコントロール

など何でもありになるわけです(ただし「マインドコントロールは言い過ぎ」にしても俺が例示した事例で、日本において「死刑廃止論」「捕鯨廃止論」がメディアでほとんど取り上げられないという偏向があること、それはどう考えても不適切であることは事実です)。
 「カルト宗教の洗脳」のような明らかな洗脳ならまだしも、そうでないもんでマインドコントロールなどと言い出すのはただの詭弁です。
 しかも誰がマインドコントロールしたかと言ったらいつもの陰謀論GHQガー」だそうです。さすがに故意のデマでしょうが絶句ですね。こんなんが元読売新聞ベルリン支局長だそうです(呆)。
 まともな人間なら馬鹿馬鹿しくて聞いていられるもんではありません。


■【産経抄】8月27日
http://www.sankei.com/column/news/180827/clm1808270003-n1.html
【お断り】
 「獄門島」のネタばらしがあります。ちなみにウィキペディア「獄門島」は産経以上にネタばらししており、犯人と犯行動機がかなり詳細にわかります。

「獄門島」では、戸主の「相続者の抹殺」という遺言を島の顔役3人が実行していった。

 犯人について、かなりネタバレしていますね。

参考

■獄門島ウィキペディア参照:キャスト名は1977年の映画版)
 終戦から1年経った昭和21年9月下旬。金田一耕助石坂浩二)は、引き揚げ船内でマラリアで死んだ戦友・鬼頭千万太(きとう・ちまた)(武田洋和)の死を知らせるため、千万太の故郷・瀬戸内海に浮かぶ、獄門島へと船で向かっていた。金田一は、千万太が息絶える前に残したある言葉が気に掛かっていた。
 「おれが帰ってやらないと、3人の妹たちが殺される…」
 千万太は金田一が戦前、本陣殺人事件を解決した探偵であることを知っていて、来るべき事件のために自分の故郷に赴くように頼んだのだ。
 獄門島は封建的な因習の残る孤島で、島の網元である鬼頭家は、本家の本鬼頭(ほんきとう)と分家の分鬼頭(わけきとう)に分かれ対立していた。千万太は本鬼頭、千万太のいとこ一は分鬼頭であった。
 本鬼頭には、美しいがいまだ幼子のような千万太の異母妹3人が、分鬼頭には、美しくしっかりした一の妹の早苗(大原麗子)がいたが、本鬼頭当主である千万太の父・与三松(内藤武敏)は発狂して座敷牢に入っていたため、千光寺の和尚・了念(佐分利信)、村長の荒木(稲葉義男)、医者の幸庵(松村達雄)が後見人となっていた。
 その夜、3姉妹の三女の花子(一ノ瀬康子)が行方不明となった。寺の庭では花子が足を帯で縛られ梅の古木から逆さまにぶら下げられて死んでいた。金田一は和尚が念仏を唱える中「きちがいじゃが仕方がない」とつぶやくのを耳にし、和尚は発狂した与三松を犯人と思っているようだが、それなら「きちがいだから」であるべきはずで、なぜ「きちがいじゃが」なのかといぶかる。
 次の日、金田一は逗留させてもらっている千光寺で、千万太と一の祖父で本鬼頭の先代・嘉右衛門(東野英治郎)の書いた3句の俳句屏風を目にする。「むざんやな 冑(かぶと)の下の きりぎりす」「一つ家に 遊女も寝たり 萩と月」の2句は読めたが、残りの1句が判読できなかった。
 千万太の言ったとおり残る2人の姉妹も危ないことを悟った金田一だが、不審人物として駐在所の牢に入れられてしまい、その間に次の殺人が起こってしまう。今度は3姉妹の次女の雪枝(中村七枝子)が首を絞められて釣鐘の中に押し込まれていたのであった。牢に入れられていてアリバイがあるため釈放された金田一は現場に赴き、そこで和尚が「むざんやな」の句をつぶやくのを聞く。
 通夜をしている本鬼頭家では、祈祷所で3姉妹の長女の月代(浅野ゆう子)が白拍子姿となり母から伝授されたという祈祷を行っていたが、家の者が確かめに行くと首を絞められて殺されており、そこには萩の花が撒かれていた。
 さらに月代がこもった祈祷所を先代・嘉右衛門が「一つ家」と呼んでいたことを知った金田一は月代の死が「一つ家に」の句の見立てであると知り、読めなかった屏風の句が「鶯(うぐいす)の身を逆(さかさま)に初音かな」であること、そして3姉妹はすべて屏風の句の見立てで殺されたことを知る。金田一は、その瞬間、和尚の言葉「きちがいじゃが」の謎が解ける。
 金田一は磯川警部*22立会いのもと和尚に面談し、そこで一連の殺人事件の真相を語る。花子は和尚、雪枝は村長、月代は幸庵に殺されたのであり、俳句の見立てによる殺人方法も含めすべては死んだ嘉右衛門の差し金によるものであった。花子を殺した和尚が「きちがいじゃが仕方がない」と言ったのは「(俳句の季節と今の季節は)季がちがっているが仕方がない」という意味であった。出征した千万太が死亡すれば、気の狂った与三松とその子どもである3姉妹が本鬼頭を継ぐことになるが、嘉右衛門は3姉妹の誰が跡を継いでも本鬼頭はつぶれてしまうことを心配し、また3姉妹の母親であるお小夜(草笛光子)に対する憎悪も手伝って、千万太が死に一が帰ったときには一に本鬼頭を継がせたいと考えた。和尚は、そのために邪魔になる3姉妹の殺害を、嘉右衛門が死の直前に自分たち3人に依頼したこと、その実行条件は千万太が死に一が帰ったとき(千万太が生きて帰ってきたときや、千万太も一も死亡したときには実行不要)であったことなどを語る。
 金田一はすべてが明らかになった後、前夜に村長が島から逃亡したことと幸庵も面談の前に発狂したことを知らせ、さらに一の生存が「復員詐欺」による偽りであったこと、一は戦死していることを告げたため、和尚はその場でショック死する。金田一は残された早苗に「一緒に東京に行きませんか?」と思いを伝えるが、早苗は本鬼頭を継ぐ意志を固めていたため断られ、ひとり島を去る。

21世紀の南の島でも、実力者の遺言は、なかなか威力がある。先日亡くなった翁長雄志*23沖縄県知事は、いまわの際に後継候補として2人の名前を挙げ、音声データが、遺言として残っているという。結果、1人が辞退し、残る国会議員が立候補する。政策や候補者の資質より遺言が重い、というわけだ。

 もちろん「政策や候補者の資質」無視のわけもないでしょう。産経らしい因縁付けです。
 なお、過去に自民において

「小渕*24総理の生前のご意志は森幹事長の自民党総裁、首相への昇格だ(森*25幹事長、野中*26幹事長代理、亀井*27政調会長、青木*28官房長官、村上*29参院議員会長のいわゆる自民党五人組)」
中川一郎*30先生の生前のご意志は息子さんの出馬ではない。むしろ側近秘書の私の出馬だ(鈴木宗男*31側)」「いや息子さんの出馬がご意志だ(中川昭一*32側)」

などあるので、別に産経が翁長陣営を馬鹿にするほど、「産経大好き自民党」がこうした遺言云々と無関係なわけでもありません。もちろんこういう自民の遺言は「自民応援団」産経は批判しません。森氏の場合は「五人組以外にそんな話を聞いた人間がいない」「首相就任というでかい話」なので「五人組による、ありもしない遺言捏造と、それによる政治私物化ではないのか」という批判が野党はもちろん、自民党内からもあったのですがねえ。実際、当時のマスコミ報道では『遺言などなく、五人組の話し合いによる森氏擁立だった』という話が出ています。
 何せ今回の「膵臓がんの翁長氏(膵臓がんは死亡率の高い病気です)」と違い、小渕氏の死は「突然の脳梗塞による急死」でその死を誰も予想していません。かつ脳梗塞発病直後に意識不明になりそのまま死亡したとみられるので「遺言なんてあるのかよ?」となるのは当然でしょう。小渕氏の音声データもありませんしね(産経への皮肉のつもり)。
 中川一郎氏の死も「突然の自殺」であり、誰もその死を予想してないので、当然ながら「生前の意思なんて誰がわかるのか」ともめごとになるわけです。
 それはともかく、森氏の支持率が低かった理由にはもちろん「えひめ丸事件でのゴルフ」「神の国発言」などいろいろありますが、理由の一つは「存在自体が怪しい小渕氏の遺言を理由とした自民党総裁、首相就任」という「自民党総裁、首相就任経緯の怪しさ」にもあったわけです。

 不思議なことに、音声データを実際に聞いた関係者は、県議会議長らごく少数で、公開もされていない。表に出せない事情でもあるのだろうか。どういう理由で2人を指名したかもさっぱりわからない。

 音声データを公開したところで、「指名の具体的理由を音声データにおいて翁長氏が語っていなければ」明確な指名理由はわからないでしょうね(生前の言動からある程度の想像はできるとしても)。
 まあ、産経がいいたいことはおおよそ想像がつきますが。俺も含めて、この一件については誰でも色々憶測できますしね。
1)実際には遺言は全くない。単に生前の翁長氏の言動を基に「想定される遺言」を「実際に遺言があった」かのように主張してるだけ
2)遺言はあるが音声データや文章などの形になったものがない
3)遺言も音声データもあるが、公開することに何らかの差し障りがある(もちろん県会議長などの主張はこれです)
のどれかでしょうね。いずれにせよ、翁長陣営から「後継が玉城氏(自由党幹事長、衆院議員)では納得いかない」といった異論も「目立った形ではない」のは「翁長氏がそうした指名をしていてもおかしくないから」でしょうね。

【追記】
 コメ欄の指摘にもコメントしておきます。

『獄門島』の映画を先日観ましたが、浅野ゆう子が殺される女の子の役で出ていました。まだ16〜17歳くらいですが、私が前紹介した清純な時代から大人の女性になる過渡期の趣がありましたが、たぶん設定年齢が実年齢より上だったせいか、化粧が濃すぎてちょっと興ざめでした。

 映画(1977年版)で浅野ゆう子(1960年生まれ)がやった役「長女・月代」はウィキペディア「獄門島」によれば

・1990年のフジテレビドラマ『獄門島』:牧瀬里穂(1971年生まれ、ドラマ当時18〜19歳)
・1997年のTBSドラマ『獄門島』:櫻井淳子(1973年生まれ:ドラマ当時23〜24歳)

ですからねえ。明らかに浅野ゆう子の実年齢と役の設定年齢は会ってないと思いますね。

*1:三木内閣農林相、福田内閣官房長官自民党政調会長(大平総裁時代)、鈴木内閣通産相、中曽根内閣外相、自民党幹事長(竹下総裁時代)など歴任

*2:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*3:福田内閣厚生相、大平内閣農水相、鈴木内閣蔵相、中曽根内閣通産相自民党政調会長(中曽根、竹下総裁時代)、宮沢内閣外相など歴任

*4:福田、中曽根内閣文相を経て首相

*5:細川内閣官房長官、村山内閣蔵相など歴任

*6:中曽根内閣自治相・国家公安委員長自民党幹事長(海部総裁時代)、新生党代表幹事、新進党党首、民主党幹事長などを経て現在、自由党代表

*7:中曽根、竹下内閣農水相、宮沢内閣蔵相、細川内閣外相を経て首相

*8:なお、八木は「相続法改正において『内縁配偶者の相続権』の『内縁配偶者』にLGBTが入らなかったのは俺の手柄だ」と吹いてますが関係ないでしょうねえ。LGBTについて未だ国民的理解が乏しく「同性婚など認められてない」「一部自治体の条例での同性婚的扱い(同性婚とは違う)がされてるに過ぎない」現状で『内縁配偶者の相続権』についてLGBTを入れることは現実性に乏しいでしょう。安倍自民党がそれを受け入れるとも思えませんし。いや安倍でなく「安倍ほど極右でない」橋本、小渕、福田といった歴代自民党政権でも、いやそれどころか「鳩山、菅、野田といった民主党政権」でも受け入れるかは疑問です。

*9:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官などを経て首相

*10:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相などを歴任

*11:小泉内閣国交相自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相を歴任

*12:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て、現在、自民党政調会長

*13:著書『公序良俗と契約正義』(1995年、有斐閣)、『法源・解釈・民法学:フランス民法総論研究』(1996年、有斐閣)、『典型契約と性質決定』(1997年、有斐閣)、『法典・教育・民法学:民法総論研究』(1999年、有斐閣)、『契約法から消費者法へ』(1999年、東京大学出版会)、『フランスの社交と法』(2002年、有斐閣)、『父と娘の法入門』(2005年、岩波ジュニア新書)、『ルールはなぜあるのだろう:スポーツから法を考える』(2008年、岩波ジュニア新書)、『他者とともに生きる:民法から見た外国人法』(2008年、東京大学出版会)、『20世紀フランス民法学から』、『新しい日本の民法学へ』(以上、2009年、東京大学出版会)、『フランス民法:日本における研究状況』(2010年、信山社出版)、『「法と教育」序説』(2010年、商事法務)、『法教育への招待』(2015年、商事法務)など

*14:著書『過失相殺の法理』(1994年、有斐閣)など

*15:著書『契約規範の構造と展開』(1991年、有斐閣)、『民事過失の帰責構造』(1995年、信山社出版)、『契約責任の体系』(2000年、有斐閣)、『契約法理の現代化』(2004年、有斐閣)、『債務不履行の救済法理』(2010年、信山社出版)など

*16:著書『継続的売買の解消』(1994年、有斐閣)、『継続的取引の研究』(2001年、有斐閣)など

*17:著書『社会法制・家族法制における国家の介入』(編著、2013年、有斐閣)、『相続法の立法的課題』(編著、2016年、有斐閣)など

*18:著書『明治離婚裁判史論』(1994年、法律文化社)、『日本近代婚姻法史論』(2003年、法律文化社)など

*19:著書『「家」の存続戦略』(1999年、勁草書房)など

*20:たとえば、米村氏は民法と言うより「家族社会学」の研究者のようです。

*21:著書『“戦争責任”とは何か:清算されなかったドイツの過去』(2001年、中公新書)、『「反日」という病:GHQ・メディアによる日本人洗脳(マインド・コントロール)を解く』(2018年、幻冬舎)など

*22:映画では磯川ではなく等々力警部(加藤武

*23:那覇市議、沖縄県議、那覇市長を経て沖縄県知事

*24:竹下内閣官房長官自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相を経て首相

*25:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*26:村山内閣自治相・国家公安委員長小渕内閣官房長官自民党幹事長(森総裁時代)など歴任

*27:村山内閣運輸相、橋本内閣建設相、自民党政調会長(小渕、森総裁時代)、国民新党代表、鳩山、菅内閣金融担当相など歴任

*28:小渕、森内閣官房長官自民党参院議員会長など歴任

*29:宮沢内閣労働相、自民党参院幹事長、参院議員会長など歴任。KSD事件による逮捕、起訴で自民党離党、議員辞職に追い込まれ失脚。

*30:福田内閣農林相、鈴木内閣科学技術庁長官など歴任。自民党総裁選に出馬し惨敗したことを苦にして自殺。

*31:橋本内閣沖縄・北海道開発庁長官、小渕内閣官房副長官など歴任

*32:小渕内閣農水相小泉内閣経産相麻生内閣財務相など歴任

今日の産経ニュース(6/29分)(追記・修正あり)

■漫画家、永井豪さんと教育界が“歴史的和解” 「ハレンチ学園」騒動から半世紀
https://www.sankei.com/premium/news/180629/prm1806290008-n1.html
 まあ永井豪も「ハレンチ学園以外の作品もある」し今やあのレベルでは全然エロくないですからねえ。別に詳しいわけでもないですが、最近の少年マンガのエロ描写はあんなレベルじゃないでしょう。

 贈賞式で、多くの人がひときわ聞き入ったのが、約30年にわたり、ゲイ雑誌を中心に作品を発表してきた田亀源五郎さん(54)の言葉だろう。男性同士の結婚を通じ、新しい家族の形を描き(ボーガス注:2018年にNHKで)ドラマ化もされた「弟の夫」の作者で、作品は優秀賞に輝いた。
 「私は18歳でゲイをカムアウト(公表)し、以来ずっと隠さずに生活してきました。海外にはオープンリーゲイ(ゲイを公表している人)のアーティストが多く、私も高校生くらいから表現者を目指してきましたが、日本には(ボーガス注:ゲイをカミングアウトして活躍する)目標になるような人がいませんでした。残念ながら、約30年たった今もそうなりませんでした」
 だからこそ、田亀さん自身にとって(ボーガス注:ゲイ雑誌ではない『月刊アクション』(双葉社)に連載された)初の一般向け作品「弟の夫」は「自分にとって大きな挑戦だった」と振り返る。
 「この作品をきっかけに、一人一人が社会において、『セクシュアルマイノリティーのいる社会がどういうものか』という未来像を考えていただければ幸いです」

 月刊アクションも読んでないし、ドラマも見てないので内容がさっぱりわかりませんがそれはさておき。
 日本会議など日本右翼は露骨に同性愛差別なので、過大評価はしませんが日本も少しは「そういう方面(性的マイノリティ方面)ではまともになってきた」つうことでしょうか。
 それにしても産経も文化面は「同性愛差別をぶちかますほど」野蛮ではないようです。


小泉純一郎*1元首相が小沢一郎*2政治塾で講演 原発ゼロでタッグ
https://www.sankei.com/politics/news/180629/plt1806290026-n1.html
 野党党首・小沢氏の勉強会で講師とは小泉氏もずいぶんと思い切ったもんです。


■次世代加速器「ILC」の応援組織が発足 日本誘致の機運盛り上げ目指す
https://www.sankei.com/life/news/180629/lif1806290038-n1.html

 建設費のうち日本の分担額は約3千億円の巨費に上るとされるため、日本政府は誘致の是非について姿勢を明確にしておらず、所管する文部科学省有識者会議が科学的な妥当性などを審議している段階だ。

 ということで、誘致した場合の負担額がやたらバカ高いことを考えると無邪気に「誘致すると日本の知名度がアップ!」「ノーベル賞が取れるかも!」などと脳天気なこともいえません。「誘致するな」とはいいませんが、メリット、デメリットをきちんと検討していく必要があります。

 増田寛也*3・元岩手県知事が発起人代表となって100人委員会(https://www.ilc100.org/)を立ち上げた。
 賛同した委員は129人に達し、建築家の隈研吾氏、漫画家の弘兼憲史氏、日本文学研究者のロバート・キャンベル*4ら幅広い分野のオピニオンリーダーが参加。

 「また弘兼か(うんざり)」ですね。「お前、権力とか利権とかにつながりそうなところには、何にでも顔を出すダボハゼ銭ゲバなだけだろ。この問題について何一つ理解してないし、今後、勉強して理解する気もないだろ。いつもながら本当に軽薄で最低だな。まあ、ほかのメンツはお前のこと、客寄せパンダとしか思ってないだろうけど(苦笑)」ですね。
 つうかほかのメンツはともかく「弘兼ごとき」が「オピニオンリーダー」ですか。笑えない冗談も大概にしてほしい。つうか今後、例の「島耕作(弘兼の最大のヒット作)」で無理矢理この話をぶち込むわけですか。
 ちなみにhttps://www.ilc100.org/によれば、100人委員は、弘兼以外で「俺が知ってる人間」では

有馬朗人
  元東大総長、元理化学研究所理事長、小渕*5内閣文相(科技庁長官兼務)
牛尾治朗
  ウシオ電機創立者
内館牧子
  脚本家。代表作として、NHK連続テレビ小説『ひらり』(1992〜1993年)、NHK大河ドラマ毛利元就』(1997年)、NHK連続テレビ小説私の青空』(2000年)など。
奥田碩
  トヨタ自動車相談役、元日本経団連会長、元経済財政諮問会議議員
柴門ふみ
  漫画家。弘兼の妻。代表作としてフジテレビでドラマ化された『東京ラブストーリー』など。
寺島実郎*6
  日本総合研究所会長。
御手洗冨士夫
  キャノン会長、日本経団連名誉会長、元経済財政諮問会議議員
吉村作治
  早稲田大学名誉教授。いわゆるタレント学者としてバラエティ番組に多数出演。著書『古代エジプト女王伝』(1983年、新潮選書)、『クレオパトラの謎』(1983年、講談社現代新書)、『ツタンカーメンの謎』(1984年、講談社現代新書)、『ピラミッドは語る』(1985年、岩波ジュニア新書)、『豊饒のナイル、ルクソールの食卓:エジプトグルメ紀行』(1996年、中公文庫)、『貴族の墓のミイラたち』(1998年、平凡社ライブラリー)、『エジプトミイラ5000年の謎』(2000年、講談社プラスアルファ新書)、『古代エジプトを掘る』(2001年、PHP文庫)、『ピラミッドの謎』(2006年、岩波ジュニア新書)など。

なんかがいますね(ほとんどの名前は知りませんが)。なお産経の記事に内舘や柴門の名前が出てこないのが少し意外でした。
 それにしても、サイト掲載の名簿に「委員は必ずしも所属する組織の立場を代表するものではありません」とし、「そして所属組織を代表しているという誤解を避けるため」という理由で「肩書きが何一つ書いてない」のはいかがなもんかと思います。どういう人間なんだかさっぱりわからない。
 つうか「所属組織とイコールではない」にせよ、たとえば奥田や御手洗の参加が「トヨタやキャノンと全く関係ない」なんて誰も思わないでしょうに、よく言います(苦笑)。


■【関西の議論】中国産「漆」に待った 日本の宝は国産で守る…発祥の地、奈良・曽爾(そに)村の挑戦
https://www.sankei.com/west/news/180629/wst1806290001-n1.html

英語で「japan」と訳されるほど日本を象徴する素材の漆だが、実は現在国内で使う97%が中国などからの輸入。

 そりゃ国内で漆なんか生産しても儲からないんだから仕方がない。
 なお、https://togetter.com/li/1236626によれば「漆はジャパンで通じる」は実は間違いで「ジャパン・ラッカー(日本の塗料)」といわないと通じないらしい。「まあ、そりゃそうだろう」ですね。

国宝や重要文化財建造物の修復にすら外国産漆を使わざるを得ない現状に、「日本の宝は日本の素材で守る」と、発祥の地の誇りを胸に立ち上がった。

 単なる村おこしに「右翼排外主義」を混入するのもやめてほしいですね。中国の漆の何が悪いのか。
 値段、または品質で勝てないと自覚してることの表れじゃないか?


■【サッカー日本代表】日本、2大会ぶり決勝Tへ ポーランドに敗れるもH組2位
https://www.sankei.com/sports/news/180629/spo1806290006-n1.html
 得失点差での突端ですので、微妙な結果でしたね。この点は「ドイツに最終試合で勝ったが予選リーグ敗退が決まった韓国」などもそうだったと思いますが。
 「ポーランドにほぼリーグ突破の可能性がないこと」「韓国があのドイツに勝ったこと」「日本が勝ったコロンビアはランキングでは格上」ということで「1−0」の僅差ではあっても日本がもしかして勝つかと思いましたが、そうはいきませんでした。
 もちろん突破は悪いことではないですが
1)今後もしばらくはマスコミ(特にテレビ局)がW杯にかまけて安倍批判、日大批判などやるべきことをネグる
 まあ、日本がここで敗退しても、W杯で今ほど騒がなくなるとはいえ、「W杯報道にかまける」のではあるでしょうし、今のへたれマスコミでは、W杯がなくてもとにかく安倍批判などから逃げ続けるのでしょうが。そもそも本選第1試合ですぐに日本が負ける可能性もありますし。
2)ハリルホジッチ*7監督解任劇のような無茶苦茶が黙認される
 予選リーグ突破はあくまでも結果論でしかないでしょう。あの時点での監督更迭は明らかに異常です。予選リーグ敗退なら確実に責任問題でしょうが、これで「ああした問題を生み出した構造」はうやむやになるのでしょう
と思うとげんなりです。

*1:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*2:中曽根内閣自治相・国家公安委員長自民党幹事長(海部総裁時代)、新生党代表幹事、新進党党首、民主党幹事長などを経て自由党代表

*3:第一次安倍、福田内閣総務相

*4:国文学研究資料館館長。著書『読むことの力』(2004年、講談社選書メチエ)など

*5:竹下内閣官房長官自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相を経て首相

*6:著書『国家の論理と企業の論理』(1998年、中公新書)、『何のために働くのか』(2013年、文春新書)、『シルバー・デモクラシー』(2017年、岩波新書)など

*7:元ユーゴ代表選手。コートジボワール代表監督(2008〜2010年)、アルジェリア代表監督(2011〜2014年)、日本代表監督(2015〜2018年)など歴任。

今日の産経ニュース(6/28分)ほか(追記・修正あり)

働き方改革法が成立 罰則付き残業規制や高プロを導入
https://www.sankei.com/politics/news/180629/plt1806290017-n1.html
安倍晋三首相、働き方改革法の意義強調 「多様な働き方可能に
https://www.sankei.com/economy/news/180629/ecn1806290047-n1.html
 予想の範囲内ではありますがやはり怒りと悲しみを禁じ得ません。
 しかし諦めずに戦うことが大事でしょう。今後とも野党や労組など各方面の奮起を期待したい。
 それにしても安倍も

https://www.sankei.com/economy/news/180629/ecn1806290047-n1.html
「子育てや介護をしながら働くことができるよう、多様な働き方を可能にする法制度が制定された」

などという出任せがよくも言えたもんです。
 本当にそんな法律なら誰も反対などしません。むしろ「子育てや介護をしながら働くことがより困難になった」というべきでしょう。


■「なるほど」と共感したツイートやブログ記事(働き方改革法案での連合、国民民主批判ツイート)

https://igajin.blog.so-net.ne.jp/
■五十嵐仁の転成仁語『ワールドカップの影で強行された働き方改革関連法案の採決についての『日刊ゲンダイ』でのコメント』
「支持率1%に低迷したままの国民民主は立憲民主とは違うことをして独自性を示したいのでしょうが、与党を利するだけです。『野党の足並みが乱れている』とメディアに報じられ、有権者にも『党利党略』と思われ、結果的に国民民主にとってプラスにならない。支持率も上がりませんよ。どうしてそういうことが分からないのでしょう」(五十嵐仁氏=前出)

・澤路毅彦*1朝日新聞社勤務。労働担当の編集委員。経済部労働チームの同僚と雇用・労働問題を取材しています。投稿は朝日新聞社の見解を代表するものではありません。)
参議院厚生労働委員会は、立憲、共産、社民が委員長解任決議案を出し、休憩に。国民は同調せず、採決に同意した模様。
・なお、今日の連合会長会見で、(ボーガス注:働き方改革法案への)この2党*2の対応が違うことについて質問がありましたが、神津会長は「論評しない」「判断できる材料を持っていない」(趣旨)。(ボーガス注:他人事みたいなことを言うとは)連合会長は当事者ではないのですか。
・判断できる材料がないのなら、下に「情報を集めて報告せよ」と指示すればいいだけ。組織のトップなのに、判断材料がないとは。
・会社との交渉の最終段階で、トップが「判断できる材料がない」なんて言ったら、労働組合やめるか、別の組織を作ること考えるのでは。(ボーガス注:連合内の執行部批判派に連合を脱退して新組織を作れと教唆してるわけじゃなく、あくまでも)一般論ですが。
・付帯決議は47項目。読み上げたのは国民の小林さん*3(電力総連)。小林さんが読み上げていたとき、立憲の難波さん*4(JP労組)が盛んにヤジを飛ばしていました。立憲は(ボーガス注:付帯決議には賛成と)付帯決議の共同提出者になろうとしたが、与党だけでなく、国民からも(ボーガス注:法案採決に反対し、参院厚労委員長の解任動議も提出してるからという無茶苦茶な理由で)反対された模様。

・さくら
 いつもらったかも覚えてない連合のティッシュに「STOP! 長時間労働」って書いてるんですけど、明らかにその長時間労働が増える可能性を持つ高プロ強行採決されそうな時だっていうのに、連合なにしてるわけ?。しっかりしろ!。誰のための労働組合だよ!!

ガイチ
 この土壇場での、国民民主党所属議員と連合幹部の発言や振る舞い、よく覚えておく。

砂まみれ
‏・やっぱり連合(ボーガス注:執行部)はクソですね。(ボーガス注:UAゼンセンなど)旧民社党(ボーガス注:系労組)のポチっぷりは、ハンパない!

・extremely_stuff
‏ 神津はクズ。早く(ボーガス注:連合会長を)やめろ。国民民主が何やったか、わかってるのか。

 まあ、これらの方々が激怒するのも当然です。神津は無責任極まりないですね。神津を野放しにしてる連合傘下労組も「安倍を野放しにする自民党執行部並みに」どうかと思いますが。
 「連合執行部が国民民主にああいう動きをやらせてるの?。高度プロを含むあの法案に賛成だから?。高度プロ反対、立憲民主支持の傘下労組の意向を無視して?。野党共闘をぶち壊す危険性も恐れずに?。それでいて立民と国民民主で一緒になってほしいとかバカ抜かしてるの?」と疑われて非難の対象になっても文句は言えないでしょう。まあ、今の連合執行部って旧民社・同盟系だからなあ。こうした連合の態度が明らかに安倍を利してるわけです。
 そもそも「希望の党」騒動で野党共闘を破壊し、安倍を利しても、立憲民主や共産、市民運動などに謝罪一つしないクズが神津ら連合執行部ですからねえ。「安倍政権打倒より反共がそんなに大事か?。そんなに野党共闘で共産が評価上げることが嫌か!。手前ら連合が無能だから、安倍批判派によって共産が評価されるだけだろうが!」「手前らが反共したいなら勝手にすればいいがせめて安倍を打倒してからやれ!」ですね。

・KaSuehiro
 (ボーガス注:働き方改革法案に対する態度で)国民民主党立憲民主党との違いを何が何でも際立たせて“第3極”に見せなきゃと思っている。それで例え自民党の補完勢力となろうとも。
 しかし、政治のイシューは実際は2項対立がほとんどなんだよね。企業の中でカネを独占したい経営者と、当然の賃金と休みが欲しい労働者と、その中間など無いのにね。

 本多勝一氏も「ヒトラー支持と反対の中間などない」などとして「多くの問題は二項対立であり無理に第三の道を作ろうとしても混乱するだけ」としていたと思いますが、まあ、そういうことです。
 まあ、国民民主のその道は「公明」「旧民社」「みんなの党」「維新」などの道であり、公明以外はほとんど党が消滅、衰退した道です。愚かとしか言い様がありませんね。
 国民民主や「安倍批判を躊躇するテレビ局」のような馬鹿者のせいもあって、「高度プロ」という「残業代不払い制度」がかける危険性が高まっています。
 とはいえ、「俺の願望込み」ですが、特定秘密保護法などに比べれば「(施行された場合)その害悪はわかりやすい」と思うので、野党の力及ばず、不幸にして可決されても「再改正の道は簡単ではないが不可能でもない」とは思っています。もちろん可決されていいわけでもなければ、国民民主や「安倍批判を躊躇するテレビ局」のような馬鹿者の存在が許されるわけでもないですが。


■「法律に基づいてやった」細野豪志*5環境相5000万円借り入れ問題で記者団との主なやりとり
https://www.sankei.com/politics/news/180628/plt1806280013-n1.html
 安倍が加計森友で平気で居直って「朝日や東京新聞など一部を除き」マスコミもろくに批判しない(特にテレビがひどい)のを見ていると、細野を批判する気も失せますが、まあ重大な疑惑ではあるでしょうね。
 安倍と違い権力者とはもはや言いがたい細野では、マスコミも批判に躊躇しないでしょうし、野党共闘を破壊した元凶の一人・細野をかばう義理もほかの野党幹部にはないでしょう。
 まあ細野がどこまで政治責任、刑事責任を追及されるかはともかく当面上がり目はなさそうです。


■「ゲゲゲの鬼太郎」鬼太郎役 峰不二子役など 人気声優の沢城みゆきさん 産休育休へ
https://www.sankei.com/entertainments/news/180628/ent1806280007-n1.html
 鬼太郎といえば俺的には野沢雅子(1968〜1969年の第1シリーズ、1971〜1972年の第2シリーズ)、あるいは戸田恵子(1985〜1988年の第3シリーズ)であり、峰不二子といえば、二階堂有希子(1971〜1972年のルパン三世第1シリーズ)、あるいは増山江威子(1977〜1980年のルパン三世第2シリーズ、1984〜1985年の第3シリーズ)ですが時代はもはや違うわけです。鬼太郎では「田の中勇目玉おやじ)」、ルパン三世では「山田康雄ルパン三世)」、「納谷悟朗(銭形警部)」とすでになくなってる方もいますから声優が変わること自体はもちろん仕方がないことです。
 それにしても「鬼太郎と峰不二子」て「歴代声優(野沢雅子増山江威子)を見てもわかる」ようにイメージがあまりに違いすぎる上、沢城さんについて知らないので全然声の想像がつきません(産休というからまだ若いのかと思ってウィキペディアを見たら、1985年生まれの33歳だそうです)。もちろん沢城版「鬼太郎」「峰不二子」もまだ見てませんし。
 まあ世の中には

・アニメ『ドラえもん』(1979〜2005年)の野比のび太役を筆頭に、『アルプスの少女ハイジ』(1974年)のペーター、『未来少年コナン』(1978年)のコナンなど、少年役を得意とするベテラン声優の1人。
・一方で『タイムボカンシリーズ』(1975〜1983年)での女ボスなど、妙齢のコケティッシュな女性役もこなしている。
・洋画吹き替えではブリジット・バルドーシャーリー・マクレーン*6ジェーン・フォンダ*7ミレーヌ・ドモンジョクラウディア・カルディナーレアン・マーグレット*8、シルビア・クリステルなどを持ち役としている。

という「少年役も美女役もこなす小原乃梨子氏」のような方がいますからそういうイメージを持てばいいんですかね?(もちろん沢城氏の声が小原氏に似ているという話ではありません)


■JR東労組の脱退者3万3千人に 先月から千人増
https://www.sankei.com/economy/news/180628/ecn1806280061-n1.html
 注意しなければいけないのはネタ元が労組と対立する立場にあるJR東日本だということでしょう。
 つまりは脱退者数とやらが水増しされてる可能性が高いということです。つうかそもそも特定企業の労組員の数なんか何のニュースバリューがあるのか。産経もこんな記事を書くのはJR東日本だけで東武鉄道西武鉄道などほかの私鉄で書いたりはしないわけです。
 産経もよくもまあこんな与太記事が書けるもんです。
 JR東日本労組は革マル派とつながりがある*9と考えて産経は敵視してるのか、はたまた別の理由で敵視か知りませんが実に馬鹿馬鹿しい。


参院厚労委、働き方法案を可決
https://www.sankei.com/politics/news/180628/plt1806280006-n1.html
 こうした悪法を強行成立させようとする与党といい、そんな与党を支持する国民といい、W杯報道などにかまけてまともに与党批判しないテレビ局といい心の底からうんざりしますが、諦めずに戦うしかないのでしょう。
 それにしてもこんな悪法をワークライフバランスだの働き方改革だのよくも恥知らずなデマが飛ばせるもんです。

*1:著書『非正規クライシス』(共著、2017年、朝日新聞出版)

*2:与党の委員会採決方針に応じた国民民主と、共産、社民などとともに応じず、委員長解任動議を出した立憲民主のこと

*3:菅内閣で厚労大臣政務官。国民民主党副代表。元東電労組副委員長、電力総連副会長。

*4:元JP(日本郵便)労組副委員長

*5:野田内閣環境相民主党幹事長(海江田代表時代)、政調会長岡田代表時代)、民進党代表代行(蓮舫代表時代)など歴任

*6:1983年に『愛と追憶の日々』でアカデミー主演女優賞を受賞

*7:1971年に『コールガール』、1978年に『帰郷』で、アカデミー主演女優賞を2度受賞

*8:1971年の『愛の狩人』でゴールデングローブ賞助演女優賞、1975年の『トミー』でゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞

*9:実際、どうなのか小生は知りませんが。

今日の産経ニュースほか(6/6分)(追記・修正あり)

■作者の思想や言動と作品は原則的に切り離すべき 「リトル・トリー」と「二度目の人生」(三浦の個人ブログ)
http://miura.trycomp.net/?p=4700
・「作者の思想や言動と作品は原則的に切り離すべき」つうのは、むしろ「三浦のウヨ仲間」が敵視する

・画家のいわさきちひろ氏(共産党員)
・「男はつらいよ」「幸福の黄色いハンカチ」「たそがれ清兵衛」などで知られる映画監督・山田洋次氏(共産党支持者)
週刊金曜日編集委員を務めた作家の井上ひさし氏やマンガ家の石坂啓

などについて三浦自らウヨ仲間に「彼らの政治志向と作品評価は切り離せ」とはっきり言ってほしいですけどねえ。
 あるいは「杉田水脈らによる、山口二郎氏、松島泰勝氏らへの酷い誹謗」などについて三浦自ら杉田らウヨ仲間に「彼ら、安倍批判派学者の政治志向(アンチ安倍)と研究成果の評価は切り離せ」とはっきり言ってほしいですけどねえ。
 もちろん「虚言常習」三浦には何一つ期待してませんけど。id:noharra先生もよく三浦なんぞと付き合えるもんです。
・しかしウィキペ「いわさきちひろ」を見て驚きましたが

いわさきちひろ
1950年:文部大臣賞(紙芝居『お母さんの話』)。
1959年:厚生大臣賞(紙芝居『お月さまいくつ』)。
1961年:サンケイ児童出版文化賞(絵本『あいうえおのほん』)。

なんですねえ。さすがにいわさきちひろレベルだと「日本政府や産経」も評価せざるを得ないんでしょうか。
・下でも書きましたが「二度目の人生を異世界で」は中韓ヘイトアニメなのでそんな三浦の言い訳は詭弁でしかありません。「三島事件と三島小説の評価は別」のような言い訳は成り立ちません。
 そもそも三浦が

私は、この小説も読んでおらず、ツイッターも観ていないので、直接この問題には触れません。

などと言い訳して、逃げを打ってる時点で話になりませんが。id:noharraこと八木孝三のバカもよくもまあ三浦が役員を務める極右団体「守る会」の会員なんかやれるもんです。id:noharraはクズでバカで恥知らずとしか言い様がありませんね。

 彼はKKKの過激な分派組織を設立しています。ただ、このグループは残酷な殺人事件を起こし、内ゲバの中解体していき、カーターも組織を去ったようです。
 政治活動に挫折したのち、カーターは名前も変え、家族とも距離を取り、小説を書き始めます。

という話ならば「作者の思想や言動と作品は原則的に切り離すべき」とはいえないでしょうね。
 カーターの反省が必要十分かはともかく、「KKK分派時代」と「小説リトル・トリー執筆時代」では明らかにカーターの考えは「過去の差別を反省する方向」に変わっていると思われるからです。
 「二度目の人生を異世界で」のウヨ作者とは話は全然違います。まあこういう件で名前を出すなら「百田尚樹の娯楽作品」でも出せばいいでしょうが、「やしきたかじんの件」などで今やウヨ業界においても百田は「厄介者扱い」なんでしょうか?

 人種隔離政策を主張するアラバマ州知事のジョージ・ウォレスのスピーチライターを務めていたこともありました

 なお、ウィキペディア「ジョージ・ウォレス」によれば

・1982年の州知事選挙では今までの誤りを認めたため黒人からも投票され再選した。知事に就任後は公約通り黒人を州政府に登用した。
・晩年はキリスト教の信仰に目覚めたことなどから1995年、ウォレスは自身が命じたことで起きた、いわゆる「血の日曜日事件」の記念式典に病をおして出席、知事時代の人種隔離政策が誤っていたことを謝罪し、黒人指導者達と手を取り合った。

そうです。


■「二度目の人生を異世界で」アニメ化中止に 作者がヘイト発言で謝罪 主要声優が一斉降板
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180606-00000094-it_nlab-ent

 10月から放送予定だったテレビアニメ「二度目の人生を異世界で」の放送と製作が中止になったことが6月6日に公式サイトで発表されました。

 大変いいニュースだと思うので紹介しておきます。さすがに4人もの主演予定声優が一斉に降板発表という事態をリカバリーはできなかったのでしょう。


朝日新聞『アニメ化決定のラノベ、出荷停止 原作者が差別ツイート』
https://www.asahi.com/articles/ASL665GKQL66UCLV00G.html

 アニメ化が決まっていたライトノベル二度目の人生を異世界で」の原作者が、中国や韓国に対する差別的な発言をしたとして、出版元のホビージャパンは6日、これまでに刊行された計18巻を出荷停止にすることを決めた。
 5月下旬のアニメ化発表後、過去に原作者の「まいん」氏がツイッターに、「中国人が道徳心って言葉を知ってたなんて」「日本の最大の不幸は、隣に姦国という世界最悪の動物が住んでいること」などと投稿したとネット上で指摘された。

 なお、■読む・考える・書く『TVアニメ化されるというラノベ二度目の人生を異世界で』の設定がひどすぎて目眩がする』
http://vergil.hateblo.jp/entry/2018/06/05/211819によれば何もこうした差別暴言は「作品と関係ない」訳では全くなく、作品内容ももろに中国、韓国差別だそうです。
 したがって

三島由紀夫作品といわゆる三島事件の評価は別

のような「作品と作者の人間性は別」という言い訳は今回は明らかに成立しません。

http://vergil.hateblo.jp/entry/2018/06/05/211819
日中戦争中に3000人を日本刀で斬り殺した」という主人公が異世界に転生してまた殺戮する内容の新アニメ『二度目の人生を異世界で

つうのはどう考えても正気じゃないでしょう。
 そんな代物が「過去に計18巻」つうのもいい加減呆れますがTVアニメ化ねえ(どこのテレビ局でしょうか?。「ニュース女子のMX?」)。日本人であることに何つうか、つくづくげんなりします。
 とはいえ

http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1806/06/news076.html
 10月から放送されるテレビアニメ「二度目の人生を異世界で」の声優4人が、6月6日10時に一斉に公式サイトやTwitterで降板を発表しました。声優の降板を発表したのは、主人公・功刀蓮弥役の増田俊樹さん、ローナ=シュヴァリエ役の中島愛さん、シオン=ファム=ファタール役の安野希世乃さん、創造主役の山下七海さん。

というのはまあそれなりに声優とその所属事務所を評価してもいいでしょう。
 「人権意識の表れ」か「こんなもんに加担したら中韓のアニメファンを無駄に敵に回す*1し、日本のアニメファンだってウヨばっかじゃない。人権とか政治的妥当性とか以前に金儲けに反する、と考えた」かはともかく彼ら声優とその所属事務所には「引き受ける前に断る良識」は残念ながらなかったものの、「ここまで問題化しても引き受ける」程のバカではなかったわけです。
 降板理由を詳しく説明しないのはウヨともめたくないからでしょう。そこは腰が引けていますが、まあ、何度も言うようにそれなりに評価はしたいと思います。しかしこの4人について「誰それ?」状態のおっさんの俺です。あまり声優って興味ないですしねえ。
 しかも、ウィキペディアによれば

増田俊樹(1990年生まれ)
・2011年4月、テレビ東京系アニメ『遊☆戯☆王ZEXAL』の神代凌牙役でテレビアニメ初レギュラーを獲得。2013年、フジテレビの深夜アニメ枠『ノイタミナ』で放送された『サムライフラメンコ』の羽佐間正義役でテレビアニメ初主演。
中島愛(1989年生まれ)
・2007年、アニメ「マクロス」シリーズ新作のヒロインを決める「Victor Vocal&Voice Audition」に応募。約5,000通の応募の中から合格者に選ばれ、2008年放送のTBS系アニメ『マクロスF』にてランカ・リー役で声優デビュー。
安野希世乃(1989年生まれ)
・2011年、アニメ映画『キズナ一撃』の轟キズナ役で主役デビュー。
・歌手としてもアイドルマスター シンデレラガールズ木村夏樹役)、ワルキューレカナメ・バッカニア役)など複数の声優ユニットに所属し、2017年7月にミニアルバム『涙。』でソロデビュー
山下七海(1995年生まれ)
・2012年の高校2年時に声優オーディションへの応募を決意。同年開催された『avex×81produceWake Up, Girls! AUDITION」第2回アニソン・ヴォーカルオーディション』に合格。2014年にアニメ映画『Wake Up, Girls!』のメインヒロインの1人である久海菜々美役で声優デビュー。声優ユニットWake Up, Girls!」としても活動中。

ですからねえ。「若者向け(?)アニメ中心の仕事」「最近本格デビューの若手声優(20代)」なんてのは「その種のアニメはまず見ない」オッサンの小生の生活範囲から外れますのでね。彼らのやってるアニメは「見てない」以前に「全く知らない」ので。

参考

http://d.hatena.ne.jp/kanimaster/20100429/1272470913
手塚治虫 『マンガの描き方』*2

 漫画を描くうえで、これだけは絶対に守らねばならぬことがある。
 それは、基本的人権だ。
 どんなに痛烈な、どぎつい問題を漫画で訴えてもいいのだが、基本的人権だけは、断じて茶化してはならない。
 それは、
 一、戦争や災害の犠牲者をからかうようなこと。
 一、特定の職業を見くだすようなこと。
 一、民族や、国民、そして大衆をばかにするようなこと。
 この三つだけは、どんな場合にどんな漫画を描こうと、かならず守ってもらいたい。
 これは、プロと、アマチュアと、はじめて漫画を描く人とを問わずである。
 これをおかすような漫画がもしあったときは、描き手側からも、読者からも、注意しあうようにしたいものです。
 手塚治虫 『マンガの描き方――似顔絵から長編まで』


【ここから産経です】
自民党石破茂元幹事長 合区継続・定数6増の党改正案に批判の立憲を一蹴
https://www.sankei.com/politics/news/180606/plt1806060032-n1.html
 いくら産経がアンチ野党とはいえ「一蹴」ねえ。何で普通に「反論」などと書けないんでしょうか?


■【明治150年】第3部 法律(5)江戸時代の道徳、戦後も残る 刑法、尊属殺重罰規定
https://www.sankei.com/affairs/news/180606/afr1806060003-n1.html
 さすがに今の産経は尊属殺重罰規定を擁護はしないわけです。


滋賀県知事選、7日告示 再選目指す現職と共産推薦新人の一騎打ちか
https://www.sankei.com/west/news/180606/wst1806060109-n1.html
 まーた「共産以外皆相乗り」だそうです。政治不信を助長する愚行も大概にしてほしいですね。


■【新潟県知事選】新潟知事選テコ入れ 二階俊博幹事長が新潟入り 総裁選視野「まるで派の選挙」
https://www.sankei.com/politics/news/180606/plt1806060025-n1.html
 当初は二階氏*3のような大幹部が行かなくても「野党系の前知事が不祥事辞任なので」勝てる、むしろ下手に行くと「県民党アピールができず、加計森友批判も浴びて逆効果になる」と思っていたのかもしれませんが、「行った」というあたりは勝敗について、微妙なのでしょう。
 かつ「負けても安倍と主流三派は『国政と関係ない』と居直る」でしょうが、負けた場合の「石破、石原、岸田、野田*4、小泉jr」らポスト安倍扱いされるメンツや、竹下派(竹下*5自民党総務会長が会長)など「細田*6派、二階派、麻生*7派の主流三派に敵対もしないが距離を置いてる派閥」、野党、マスコミ報道の動きをやはり恐れてるということです。
 是非野党陣営に勝利してほしいもんです。
 安倍が行かないのはやはり「負けたときの保険」でしょう。安倍が行って負けたら安倍おろしを助長する恐れがある。安倍とはそういう小心者でしょう。
  なお、現地入りしても二階氏が回るのは業界団体ばかりで、応援演説は避けてるつうのが興味深いですね。加計森友疑惑もあって自民党を前面に出すことはメリットがないと判断してるわけです。
  しかし、そんなんでいいんですかね?。そんな「自民隠し」をするくらいなら安倍など切って捨てて、石破*8元幹事長でも石原*9元幹事長でも岸田政調会長(前外相)でも、とにかく安倍以外に変えた方がよほどいいと思いますが。


■【受刑者脱走】センサーで逃走防止図る GPSは見送り「受刑者に対する信頼という前提が失われる」 法務省
https://www.sankei.com/affairs/news/180606/afr1806060024-n1.html
 まあ産経じゃあるまいしGPSなんてもんはそう簡単に認めるべきもんではないでしょう。


■【政界徒然草】「法的措置」の前に“潔白”の説明は? 加戸前愛媛県知事の玉木*10、福山*11両氏「献金でブレーキ」発言で場外戦
https://www.sankei.com/premium/news/180606/prm1806060005-n1.html
 名誉毀損行為に対し刑事告発でアレ民事訴訟でアレ、法的措置を執ることは何ら非難されることではない。そもそも確信犯的に名誉毀損をやってる産経や加戸のような輩は誤解してるわけではないのだから、「潔白だ」と主張しても説得しようがない。法的措置をしなければ「法定措置をできる材料がないのだからしないのだ」と居直るのが産経や加戸らです。先日の植村氏*12に対する産経の記事訂正も「法的措置の成果」です。植村氏が訴えなければ今も産経は居直っていたでしょう。そもそも「自分の主張に自信がある」のなら「法廷で自分の主張を訴えられる」という意味でむしろ法的措置は願ったり叶ったりではないのか。自信がないから「訴えるな」と泣き言を言い出すわけです。
 まあ一般サラリーマンだと「訴訟が負担になる」つうこともあるでしょうが、加戸の場合「元知事」という権力者ですからいくらでも弁護士は雇えそんな負担もないでしょう。まあそれ以前に根拠レスで誹謗した加戸の自業自得ですが。


■【産経抄】6月7日
https://www.sankei.com/column/news/180607/clm1806070003-n1.html

 犯罪被害者への補償は今も「一時給付」の色が濃く、国が完全補償するフランスなどにはほど遠い。

 つまり「あすの会」はそうした経済支援方面については全く無関心であり、そのことが解散を招いたと言うことでしょう。「一定の成果を達した」なんて岡村発言は「岡村ですら信じてない詭弁」でしかありません。
 そういう意味で「あすの会」の解散は自業自得ですし、むしろまともな被害者支援の立場からすれば「朗報」ですらあります。


■【主張】「あすの会」解散 課題は社会全体で継承を
https://www.sankei.com/column/news/180606/clm1806060001-n1.html

 犯罪被害者や遺族らで作る「全国犯罪被害者の会あすの会)」が、18年余の活動を経て解散した。被害者の権利を明記した犯罪被害者等基本法の成立など所期の目的を果たしたことや、会員の高齢化が主な理由だ。

 「所期の目的を達した」はまあいいでしょう。以前も指摘しましたが「会員の高齢化」というのは極めておかしな話です。
 なぜなら「広島・長崎被爆者の会(被爆者の高齢化)」「ハンセン病被差別者の会(医療の進歩で差別を受けるハンセン病者などいない)」「北朝鮮拉致被害者家族会(北朝鮮が拉致を辞めたので新規の拉致被害者家族などいない)」などと違い、「会員が限定されるような問題」ではないからです。
 まともな団体なら「犯罪被害者は毎日生まれてる」のだから会員が減るわけもなく、高齢化することなどない。なんらかの理由で「会に新規会員が入りたがらないか」、逆に「会の方が新規会員を入れたがらないか」、そういう理由での高齢化でしょう。要するに「あすの会がまともではない」という話です。

あすの会の顧問で、被害者遺族でもある岡村勲弁護士は今後の対策について「国や国民が考えてほしい」と述べた。課題は、社会全体でしっかりと引き継ぎたい。

 「はあ?」ですね。何も犯罪被害者支援団体は岡村の「あすの会」以外にもいくらでもあるわけです。岡村は何を思い上がって勘違いしてるのか。
 まあ勘違いと言えば「あすの会」を持ち上げる産経も勘違いしていますが。

あすの会が声をあげるまで、犯罪被害者は社会から疎外されていた。

 「あすの会」以前にも犯罪被害者支援団体はあったし、「過大評価は禁物ですが」一定の成果もありました。いつものことですが産経のデマです。
 素人の俺ですら知ってる有名なものとしては映画『衝動殺人 息子よ』で描かれた犯罪被害者給付金制度がありますね。

参考

■『衝動殺人 息子よ』(ウィキペディア参照)
 1979年(昭和54年)に公開された日本映画。1978年(昭和53年)に『中央公論』で連載された佐藤秀郎「衝動殺人」(後に1979年、中公文庫)が原作。製作は松竹・TBS、監督は木下惠介*13、主演は若山富三郎高峰秀子。この映画で若山はブルーリボン賞毎日映画コンクール日本アカデミー賞などの主演男優賞を受賞した。また同じく主演の高峰は、この映画を最後に女優引退を発表した。この映画が世論を動かし、犯罪被害者給付金制度の成立(1980年)に貢献したとも言われる。
■あらすじ
・町工場を経営する川瀬周三(若山富三郎)、雪枝(高峰秀子)夫婦の一人息子・武志(田中健)は、友人と近くの釣り堀に出かけた帰り道で、通り魔に腹部を刃物で刺され死亡する。
 犯人は少年で、ヤクザ者にけしかけられ、誰でも良いから殺そうとした、というのが犯行動機だった。その暴力団関係者を警察は呼び出して詰問するが、組に入りたければ何でも良いから大きなことをしろ、と言っただけで、人を殺せとは言っていない、と責任回避してしまったので、警察も暴力団に対してこれ以上の追及はできなかった。
 事件の理不尽さに精神的な打撃をうけた周三は、役所の無料法律相談に行く。そこでの回答は、現在の日本の制度だと、犯罪の被害者が公的な補償を受けられるのは、捜査や逮捕で警察に協力したり、検察側の証人として裁判で証言したことで恨まれ殺傷されるなど、お上に協力したために遭った被害についてのみ。あまりにも冷たいと感じた周三は、法律が間違っているのではないかと考え、その日から法律の専門書を買い集めて独学を始める。
 さらに周三は、自分と同様に子供を通り魔に殺害された者がいると松崎記者(近藤正臣)から聞き、その中沢(藤田まこと)という人物を訪ねる。中沢の娘を襲った犯人は、警察の取り調べに対して、むしゃくしゃしていて誰でも良いから殺してやろうと思い刃物を持って出たと証言した。中沢の話を聞いた周三は、自分の息子の事件と共通していると感じたが、しかし中沢は娘を亡くしても他に息子がいるそうなので、跡取りの一人息子を亡くした自分よりはまだマシだ、という意味のことを周三は言って中沢を傷つけてしまう。周三は自分ばかり哀れんでいたことを反省し、もっと犯罪被害者の遺族に会って幅広く事実を知ろうと決意する。
 彼は工場の売却で得た資金で全国を行脚し、何年もかけて大勢の被害者遺族に面会した。すると家族を亡くして悲しんでいるだけでなく、働き手を失い経済的困窮に見舞われている者が少なくないことがわかった。そして周三は、犯罪学を研究する同志社大学教授の中谷勝*14加藤剛)に会い、犯罪の被害者とその遺族に対して国が補償をする制度を創設するべきだという持論を聞いた。これに共鳴した周三は、犯罪被害者の遺族たちに協力を呼びかけ、賛同の署名を集め、請願書を国会に提出する。
 そして国会で証言した周三は、ついに政府を動かすことになる。しかしその直後に心筋梗塞で倒れた周三は、武志が亡くなったのと同じ病院で66年の生涯を閉じる。

■大谷實(1934年〜:ウィキペディア参照)
同志社大学名誉教授。同志社大学法学部長、総長を歴任。
同志社大学の教員となり、イギリス留学後、日本において早くから犯罪被害者の支援活動に取り組み、犯罪被害者等給付金支給法の制定に尽力した。この過程が木下恵介監督の映画『衝動殺人 息子よ』に描かれている。この映画のなかで大谷は中谷勝教授(配役は加藤剛)として登場する。その後も被害者支援に奔走。その熱意は、電話相談や給付金申請補助を行なう社団法人京都犯罪被害者支援センター(http://kvsc.kyoto.jp/)設立に結実した。現在も同法人の理事長の他、全国被害者支援ネットワーク(https://www.nnvs.org/)特別顧問を務めている。
 なお京都犯罪被害者支援センター設立に動こうとした際、刑事被告人の権利確立を優先させるべきであるとする団藤重光*15(1913〜2012年)に「大谷君、10年早い。」と言われ、言葉どおり10年を待って設立したという逸話がある。
■著書
・『我が人生、学問そして同志社』(2012年、成文堂)、『同志社総長『思い』を語る』(2016年、成文堂)など

http://sugoihito.or.jp/2014/06/8373/
■学校法人同志社の総長を務め学校改革をしたスゴい人!
 学校外の活動では、犯罪被害者の救済の運動にも力を注ぎました。
 40年程前は、今とは状況が違って犯罪の被害者の存在はクローズアップされておらず、損害賠償の実態調査をしたら、ほとんどもらえていなかった。
 裁判をやっても金ばかりかかると泣き寝入りする人が大半でした。
 イギリスでは、犯罪被害者救済の制度が普及していることを知り、留学して調査をしました。
 知れば知るほど、日本にも導入しなければいけないと思いました。
 帰国後に刑法学会でまとめて発表したけれど、最初は誰も知らん顔でした。
 この問題をそのままにしても、被害者の環境は改善されないので、諦めずチャンスを待ちました。
 もう一度発表する機会をもらった時には、否定的な意見も言われましたが、学界の権威のある方から「大谷君は犯罪被害者(ボーガス注:支援)の母になる。すぐにやりなさい」と言ってもらいました。
 それから法務省と警察が動き出し、実際に制度が出来上がるまでに10年かかりました。
 私は、これは何としてもやらなならんということは比較的実現してきた人生だと思います。
 そのためには、自分で“しなければならない”と決意を持つことが大切ですね。
 誰でもそのような志を持っているはずです。
 志を決めたら、決断して実行に移すこと、これが大事です。

https://blog.goo.ne.jp/langberg/e/75fdac204261f4212d5c4f835ed2de37
■【映画】衝動殺人 息子よ
(前略)
 この大阪行きが周三たちに取って、ひとつの転機になりました。夫を猟銃で殺されたという奥さん(中村玉緒)は、国と大阪府に訴訟を起こしているというのです。
「これは義務やと、思うようになりましてん」
「義務?」
「ええ、中谷先生の言わはるとおり、補償請求は被害者の遺族として、当然の権利やから、それのできるもんは怠ったらアカンと思います。世の中にはおんなじような目にあいながら、泣き寝入りしてる人がぎょうさん、いてはりますやろ。その人らに対する義務ですわ」
「あの、お話の中谷先生という人は?」。
 早速、その中谷先生を訪ね、京都の同志社大学に行く二人。中谷先生によると、なんと殺人事件の被害者のうち、三人に一人が理由もなく殺されているというではありませんか。そして、それを「一種の風土病のようなものだと考えています」と考えている中谷先生は、殺人を防ぐことができないなら、せめて保険を掛けようと言うのです。
「保険ですか?」
「わざわざ掛ける必要はありません。国民は本来、そういう保険に入っているのです。掛け金は税金です」。
 目からウロコが落ちた気分の周三に中谷先生は言います。
「これからは、ご一緒に力を合わせて頑張りましょう」。
(中略)
 この映画の主人公・周三のモデルになったのは、市瀬朝一さんという方です。そして、実際にその市瀬さんが、衆院の法務委員会で陳述した内容を、以下に載せたいと思います。
■第075回国会 法務委員会 第29号 より市瀬朝一さんの発言のみを抜粋
○市瀬参考人
 私は横浜在住の市瀬朝一と申します。
 私がなぜこの運動を始めたかということについてちょっと申し上げたいと思いますが、私は、たった一人の二十六歳のせがれを、十九歳の、しかも少年院を出たり入ったりしておった人間に、うちのすぐそばの橋の上で刺し殺されたのでございます。そうして、そのときはまだ息があったのですが、病院へ収容されまして二十時間後に息を引き取りました。その息を引き取る寸前に、私の手をしっかり握りまして、「おやじ、くやしいから、かたきをとってね」と言って、その言葉を残して死んだのでございます。私は、たった一人の、天にも地にもかけがえのない、二十六歳までも育てて、私の手足となって現場の方で働いておった人間に先立たれて、もう生きる望みもなくなったのでございます。葬式も、本当に無我夢中のうちに、近所の方々の御親切によりまして終わり、初七日、四十九日になりましてようやく、せがれがわが家からいなくなったという実感がわいてまいりまして、せがれの残したこの言葉を親として何とかかなえてやりたい、それが頭にいっぱいでございました。
 そうして、九月の中旬になりまして、事件当時私宅へ時たまお見えになりました新聞社の記者の方から、あすはおたくの犯人の第一回の公判がありますよと教えていただきました。どんな犯人がうちのせがれを殺したのか、顔を見るつもりで行ったのでございますが、初めて私は法廷というところへ行ったのでございます。行ってみて、生と死というものに対して余りの区別のあるということを私はつくづく感じたのでございます。死んだ者の方の遺族に対して一片の公判の通知さえもないのに、犯人には国選弁護人をつけられ、顔を見ればまるまると太った血色のいい顔をして、人一人あやめたような顔もせずに薄ら笑いを浮かべている犯人を見まして、私は本当に腹が立ちました。第二回目、第三回目と、本当に、長い廊下を看守に連れられてくるところを、横におって、横腹を、せがれと同じところをひとつ刺してかたきをとってやろうと思いましたが、いろいろ考えるとそのこともできず、さてどうしたらこのせがれの言葉に対して親が報いてやれるかということを考えまして、そうして十二月も押し詰まって、家内とともども相談いたしまして、終戦後二十一年間、私と同じような悲しみ、怒りを持った遺族の方が大ぜいいらっしゃるに違いないのに、だれ一人この運動を始めようと思った人はないのです。よし、それだったら、この方々のためにも私はこれからの生きがいをこの運動にかけようと決心いたしました。
 そして、明くる四十二年の一月十二日から家庭訪問を始めたのでございます。そして四十二年の六月四日に鶴見公会堂を借りまして、殺人犯罪撲滅推進遺族会というものを結成いたしました。そのときはまだ遺族の数は十三家族でございましたが、一般の方々も三百名以上お集まりいただきまして、来賓の方々も、市長代理、県警、そして県会の方々、また民社党の門司亮*16先生等もおいでいただきまして、その当時はなかなか華々しくいったのでございますが、何としてもこの運動はむずかしゅうございまして、それでその年の十二月二十日ですか、六月ごろから皆さんの方に署名簿を郵送いたしまして、皆さんから五十名、百名と署名をいただきまして、それを国会に請願いたしました。そのときは、東京におられる遺族の知り合いである自民党の濱野*17先生を紹介人にお願いいたしまして、当時石井光次郎*18先生が(ボーガス注:衆院)議長だったかと思いますが、提出したのでございます。そして翌四十三年、回答文が寄せられたのでございますが、一回ぐらいの署名、請願で私たちの思うことが通ろうとは毛頭思っておりませんでしたので、それを手始めに何回か署名運動をやろうといたしましたが、いかんせん私たちは本当の素人でございまして、その様式すらわからないものでごぎいますし、また、同じ文句では二度と受理いただけないということがわかりまして、そのままになりました。
 それから後、私は関東一円、福島、岩手、山形、青森、秋田、新潟、山梨、長野、静岡、愛知、岐阜、これだけの間をせっせと歩き回りまして遺族の方々をお訪ねしたのでございます。一家の御主人を亡くして、もう本当に惨めな家庭を私はこの目で見たり聞いたりしてきております。そうしたときに、生きている犯人に対してはあれだけの恩典がある*19のに、何もしないのに殺された家庭に対して何の恩典もないというのは余りにも不公平ではないかということをつくづく感じたのでございます。ですが、なかなかこの運動も思うようにいかず、私も一、二度やめようと思ったこともございますが、またそうした母子家庭の苦しい家庭のことを考えてみますと、もし私がこの運動をやめたら、だれがあとこの運動を続けてくれるだろうか、何が何でもがんばらなければならないと心に誓いました。ですが、なかなかこの運動の壁も厚く困っていたやさき、京都において大谷*20先生の肝いりで遺族会が誕生したという新聞記事を見まして、早速先生と連絡をとりまして、そして先生にお会いいたしまして、合同いたして今日に至っております。
 その間、昨年十一月三十日には同志社大学学生会館におきまして近畿集会を開き、そして本年二月二日には東京で関東甲信越集会を開きまして、そして六月一日には、私どもの運動の一環として、大阪へ行きましてチラシなどを配布いたしてまいりましたが、初めてのことでなかなか思うような成果も上がりませんでした。続いて十五日に東京渋谷で同じようにどうの配布をいたしました。そして、多少なりともカンパをいただけたらば、それを母子家庭のお子さん方に分け与えてあげたい。金額は少なくとも、同じ同志の方々が街頭で募金されたその金を、ぼくたち、私たちにくれたと思えば、そのお子さんたちがこれから成長していく過程においでどれだけためになるかということを考えてやったのですが、世間の風は冷たく、東京から五名で行きまして往復電車賃が五万円、向こうでいただいたお金は八千円でございました。東京ではやはり十何名の方々に手伝っていただきましてビラまきをしたのですが、そのときは三千三百円でございました。このようではビラ代にも当たらないような始末でございまして、私たちの心持ちが遺児たちに通じないような結果になっておりますが、今後は、私たちはこれに負けずに強力に運動を進めていきたいと思います。
 そして、最後にお願いしたいのは、どうかこの立法を一日も早く成立さしていただきたいということでございます。そうして、私たち十年選手、もっと古い方も会員の中におりますが、どうかこの適用範囲を大幅に広げていただいて、せめて二十年ぐらいまではさかのぼって実施をお願いしたい、これがいまの私の切なるお願いでございます。どうかよろしくお願いいたします。(拍手)

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 詳細は、国会会議録検索システム(http://kokkai.ndl.go.jp/)で、ご覧になれます。

*1:以前、人民日報に■『声優の柿原徹也八代拓、「イケメンボイス」で中国ファンを鷲掴み』(http://j.people.com.cn/n3/2017/0724/c94473-9245656.html)なんて記事が載りましたが、柿原氏(1982年生まれ)、八代氏(1993年生まれ)のような中韓進出を考えればこんな中韓差別アニメには到底協力できないでしょう。もちろん小生はオッサンなので柿原、八代氏についても全く知りません。

*2:1996年、光文社知恵の森文庫

*3:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第2次安倍総裁時代)などを経て自民党幹事長

*4:小渕内閣郵政相、福田、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第2次安倍総裁時代)を経て第4次安倍内閣総務相

*5:第3次安倍内閣復興相、自民党国対委員長を経て総務会長

*6:小泉内閣官房長官自民党幹事長(麻生総裁時代)、総務会長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*7:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相。現在、第二〜四次安倍内閣副総理・財務相

*8:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第3次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*9:小泉内閣国交相自民党政調会長(第1次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相など歴任

*10:希望の党代表などを経て国民民主党共同代表

*11:鳩山内閣外務副大臣菅内閣官房副長官民主党政調会長(海江田代表時代)などを経て立憲民主党幹事長

*12:著書『真実:私は「捏造記者」ではない』(2016年、岩波書店

*13:1954年(昭和29年)には『二十四の瞳』でブルーリボン賞作品賞、毎日映画コンクール日本映画大賞、ゴールデングローブ賞外国語映画賞などを受賞。同年のキネマ旬報ベストテンでは同作と木下『女の園』が黒澤明の『七人の侍』を抑えて1位・2位を独占した。

*14:同志社大学法学部長、総長を歴任した大谷實氏のこと。

*15:東大名誉教授。東大法学部長、最高裁判事東宮職参与、宮内庁参与など歴任。著書『この一筋につながる』(1986年、岩波書店)、『死刑廃止論(第6版)』(2000年、有斐閣)、『「改正」少年法を批判する』(共著、2000年、日本評論社)など。団藤氏の死刑廃止論についてはたとえば■『故・団藤重光さんを死刑廃止論者に変えた発言の主が新証言「人殺しとは言っていない」』(https://www.bengo4.com/c_1018/n_6104/)参照

*16:神奈川県議を経て衆院議員(神奈川県選出)。民社党国会議員団長、民社党顧問など歴任。

*17:田中内閣法相を務めた浜野清吾のことか?

*18:吉田内閣商工相、運輸相、岸内閣行政管理庁長官、池田内閣通産相、佐藤内閣法相、衆院議長など歴任

*19:まあ、「恩典」云々とは、かなり一面的な見方ですが、犯罪被害者遺族という立場を考えれば仕方がないでしょう。

*20:同志社大学法学部長、総長を歴任した大谷實氏のこと。

今日の産経ニュース(4/24分)ほか(追記・修正あり)

■リテラ『安倍昭恵夫人がまた…今度は桜井誠在特会元会長を支持する“ヘイト”運動家主催のデモに(ボーガス注:夫を応援してくれてありがとうと)感謝のメッセージ』
http://lite-ra.com/2018/04/post-3972.html
 事実なら昭恵と言う女も救いようのないバカですね。


【ここから産経です】
■産経『林芳正文科相、公用車でヨガ店 週刊文春が報道』
https://www.sankei.com/affairs/news/180424/afr1804240018-n1.html
週刊文春林芳正*1文科相 公用車で白昼“セクシー個室”ヨガ通い』
http://bunshun.jp/articles/-/7159
 セクシー個室ヨガつうのは

http://bunshun.jp/articles/-/7159
 店は、元AV女優が経営し、個室で元グラビアタレントや元キャバクラ嬢のインストラクターらが一対一でヨガを指導した後、オイルマッサージなどを行う。料金は男性客は1時間1万1000円なのに対し、女性は3000円。客とのLINE交換や食事、交際も認めており、テレビでは「キャバクラヨガ」として扱われていた。

というのだから文春記事が事実ならば明らかに風俗店でしょう。もちろん「本当のマッサージ店でのリラクゼーション行為」でも「平日の昼間から公用車で行くこと」が適切か疑問ですが、風俗店だというのでは論外でしょう。
 しかしこうしたネタが週刊誌に載ると言うことはそれこそ「安倍政権の終わりの始まり」ではないか。要するに誰かが文春にたれ込んだのでしょうから。とはいえ、意外と安倍は「麻生程の思い入れはないらしい林文科相」をすっぱり更迭するかもしれませんが、それにしても安倍政権へのダメージはゼロではないでしょう。もちろん安倍が「当初福田を擁護しようとした」ようなまねをすれば、ダメージはかなりのものになるでしょう。


■【財務次官セクハラ問題】自民・竹下亘*2総務会長「辞めるのも一つ」
https://www.sankei.com/politics/news/180424/plt1804240052-n1.html
 「辞めるべきだ」とはいってないものの「辞める選択肢もあり得る」とし「余人に代えがたい人物、辞める必要はない」などとかばっていない点が興味深い。


■【野党ウオッチ】立憲民主党 セクハラ問題で財務省追及もスネに傷 身内に甘い?
https://www.sankei.com/premium/news/180424/prm1804240007-n1.html

 立憲民主党はセクハラ問題を起こした議員を抱える。その議員には資格停止処分などにとどめており

といったところで安倍*3や麻生*4のほうは現時点では何一つ福田に処分せず、当初は露骨に擁護すらしていたのだから、立民の処分が甘いとしても、立民と比較にならない問題外の話です。辞表提出の受理は処分ではありません。

 さらに同党は昨年末、山尾志桜里*5衆院議員(43)を迎え入れた。不倫で衆院議員を辞職した自民党の宮崎謙介氏(37)を公然と批判しながら、自身の不倫疑惑に対しては「むき出しの好奇心」(神奈川新聞のインタビュー)などと答えた山尾氏は、いまだに十分な説明責任を果たしていない。

 不倫とセクハラは全然話が違いますし、宮崎某が非難されたのは不倫それ自体より「イクメン」云々と愛妻家をアピールしていた詐欺師ぶりではないのか。


■【民進・希望合流】「新党ゼロ」など浮上…きょうにも党名決定
https://www.sankei.com/politics/news/180424/plt1804240004-n1.html
 どんな名前にしようともはや「最大野党は立民」という状況はどうにもならないと思いますが。
 何せ世論調査では支持率が自民、立民どころか共産、公明も下回っていますしねえ。


■【政界徒然草】「ちびまるこちゃん」にも圧力? 前川喜平氏批判の自民議員に噛みつくメディア(政治部 坂井広志)
https://www.sankei.com/premium/news/180424/prm1804240006-n1.html
 赤池がちびまる子のアニメ映画に無茶苦茶な言いがかりをつけたことはたとえば
■リテラ『前川氏授業に圧力の安倍チル・赤池議員が『ちびまる子ちゃん』にも圧力!「友達に国境はな〜い」のコピーに「国家意識がない」』
http://lite-ra.com/2018/03/post-3889.html
アエラドット『「ちびまる子ちゃん」キャッチに抗議の自民・赤池議員「(友達に)国境はないと嘘を教えてはいけない」』
https://dot.asahi.com/dot/2018032400007.html
が報じています。
 それについて

 自民党文部科学部会長の赤池誠章参院議員(56)が平成27年12月に公開されたアニメ映画「ちびまる子ちゃん イタリアからきた少年」のキャッチコピー「友達に国境はな〜い」に噛みついたのは公開直前のこと。そんな2年以上前の出来事を一部のメディアは批判している。組織的な天下りで処分を受けた前川喜平前文科事務次官名古屋市立中学校で行った授業をめぐり、赤池氏が文科省に問い合わせをしたことを問題視したメディアの悪意が透けてみえる*6

と言って赤池擁護しようというのだから呆れます。何が「悪意」なのか。
 フジテレビ社員からすれば

 産経はなめてるのか!。うちの制作したちびまる子映画が『友達に国境はな〜いなんて、国家意識がない、こんな映画を文科省は後援していいのか。後援をやめるか、コピーを変えるべきだ』とウヨ政治家・赤池にいいがかりつけられたのに、『そんな非難はおかしい』とうちを擁護して赤池批判するならともかく、赤池をかばうってどういうことだ!。『名探偵コナン』(日本テレビ)や『ドラえもん』(テレビ朝日)といった他局のアニメならまだしも手前らにとってグループ企業のフジより安倍チルドレンの赤池のほうが大事か!。それでよくうちに経済支援が頼めるな!。そんなに自民党が好きならうちに支援を頼まないで自民党に頼めや!

と怒りを禁じえないでしょう。
 つうか、そもそもは「赤池がちびまる子映画に言いがかりをつけた時点」でマスコミが批判すべきだったのであり、「その時点で批判しなかったからずっと批判すべきでない、今批判するのは悪意が透けて見える」なんて産経の主張は無茶苦茶です。
 なんで「赤池の前川講演への言いがかり」時点(ちびまるこへの言いがかりから2年後)でちびまる子の話が騒がれるようになったかといえば
1)文科省への不当介入という意味ではどちらも性格が同じ
2)2年前は安倍政権支持率もそこそこ高かった。しかも結果的に「後援取りやめ」などの実害はなかったのでマスコミも批判しづらかったが、加計森友で支持率が下がってきたので批判しやすい
3)しかも赤池が前川講演に因縁つけた理由は講演内容というよりは「前川氏の加計告発への逆恨み」であり「そんな逆恨みはおかしい」という意味で批判しやすく、「前川問題で批判するなら、過去のちびまるこもこの際批判しよう、ちびまるこへの言いがかり明らかにおかしいやろ」となっただけの話です。

 これに対し、左派系のニュースサイトとして知られる「リテラ」は今年3月21日の記事で「赤池議員は今回の前川氏授業圧力問題以前にも、文科省にトンデモとしか言いようのない圧力をかけた事実がある。それは『ちびまる子ちゃん』圧力問題だ」として、こう切り捨てた。
 「はっきり言って異常としか言いようがないが、まったく悪びれるどころか誇ってすらいるところを見るに、赤池議員や自民党は、このような圧力を日常茶飯事で行ってきたらしい」
(中略)
 朝日新聞出版のニュースサイト「AERA dot.」(アエラドット)も3月22日に「ちびまる子ちゃん」問題を取り上げ、「2年以上前の出来事であるが、前川氏の授業への圧力と通じる姿勢に、ネット上では『戦前か!』『国際感覚が欠如している』などの批判が出ている」と書いた。
(中略)
 同月23日付の朝日新聞のコラム・天声人語も黙っておらず、「子ども向けの宣伝文句も見過ごすことなく、国家意識の危機をかぎつける。鋭敏な感覚の持ち主なのだろう」と皮肉った。

 で「その通りじゃないか、リテラやアエラドット、天声人語の主張は間違ってないだろう」つう話です。

https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201803300000467.html
■日刊スポーツ『坂上忍「ちびまる子」批判の赤池議員説明に「え?」』
 アニメ映画「ちびまる子ちゃん」の「友達に国境はない」というキャッチフレーズに“難癖”をつけたことで物議をかもしている自民党赤池誠章参院議員が、フジテレビ系「バイキング」を通じてあらためて発言の真意を説明した。
 赤池氏は、文科省東宝のタイアップで15年12月に公開された映画「ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年」のキャッチフレーズ「友達に国境はな〜い!」について、自身の当時のブログで「国家意識なき教育行政を執行させられたら、日本という国家はなくなってしまいます。文科省の担当課には、猛省を促しました」などとつづり、このブログ内容が最近になって話題となっていた。
 30日放送のフジテレビ系「バイキング」はこのブログ内容を取り上げ、MCの坂上忍は「これは『国境というものはあるんだけど、たとえば友情、愛情、スポーツ、芸術っていうのに国境は関係ない』っていうことじゃないですか。でもこれで赤池さんは『国境がないだと(ボーガス注:国境はあるじゃないか)!』って(ボーガス注:憤激したと)いうこと?」と首を傾げた。
 また番組では、赤池氏への取材で得た回答も紹介。「私は、(キャッチフレーズを)つけるなら『国境があっても、友達でいよう』ではないかとの考えでしたので、文科省に問題提起をした次第です」という赤池氏の説明に、坂上は「え? 笑かそうとしてるわけじゃないんでしょ?」と驚きを隠さなかった。

という反応が出てくるのも当然でしょう。まあバイキングと言えばフジテレビの番組ですから「ちびまる子に変な言いがかりをつけられれば」こういう反論は当然やるでしょう。

 もっとも赤池氏も負けていない。
 アエラドットからの質問に対し、3月23日のブログで質問と回答を公開した。「子供向けとはいえ、『国境はない』という嘘を教え、誤認させてはいけない。国境は歴然としてあります。国家があってこそ、私たちの平和で安全な暮らしが守られています」などと反論した。

 「あほか?」ですね。
 イタリア人の少年とまる子たちの友情を描いたアニメ映画のキャッチコピー「友情に国境はない」に因縁つけたあげく、批判されても「友情に国境はある」と居直り続ける。まともな人間には到底まねできない所業です。
 ということは産経らウヨが自慢する「トランプと安倍の友情」とやらも「嘘」なんでしょうか?
 あるいは魯迅の「藤野先生」への敬愛も「嘘」だったのか?(皮肉のつもり)
 しかしこんな弁解の余地のない暴論、しかも「フジサンケイグループ企業・フジテレビ制作のアニメへの言いがかり」を擁護しようとするのだからいつもながら産経は気がくるっています。

実はこの「ちびまる子ちゃん」問題、オチがあり、赤池氏の抗議を受けても文科省などがキャッチフレーズを変更することはなかった。

 そりゃいくら文科省だって赤池のこんな無茶苦茶な言いがかりは飲めないでしょう。すでにこのキャッチコピーについては当時の馳文科相の了承ももらってる。しかもフジテレビや東宝といった文科省以外の組織もかかわる話です。
 「赤池氏がうるさいから、キャッチコピーを変えるか、それが無理なら映画の後援はなかったことにしてほしい」といってフジテレビや東宝が「わかりました」なんていうわけがないでしょう。キャッチコピーを変えたら、キャッチコピーを使って、フジや東宝が作ったポスターやテレビCMなどの費用がまるきり無駄になってしまいます。せっかく得た後援をそんなことでチャラにしたいといって向こうも納得するわけもない。
 文科省後援によって「教育的アニメ」という宣伝ができるわけですから。
 大体そんなことを文科省がやったらそれこそ「第二の森友加計疑惑(政治家の不当介入に加担)」になってしまいます。
 産経は「赤池氏の言い分が通らなかったから問題ないと強弁したい」ようですがそういう話ではないでしょう。

 赤池氏はちびまる子ちゃんファンに対して十分な配慮もしており、「キャッチフレーズについて意見を申し上げたのであって、ちびまる子ちゃんには意見しておりません」とブログに書き込む念の入りようだ。

 ちびまる子ファンからすれば「そのキャッチコピーのどこに問題があるんだ!。手前ふざけんな!」でしょう。

赤池氏の支持者の中には「知名度が上がった」と喜んでいる人もいるという。「悪名は無名に勝る」ということか

 こんなことで有名になったからと言って喜べる話じゃないでしょうに。

*1:福田内閣防衛相、麻生内閣経済財政担当相、第二次、第三次安倍内閣農水相などを経て、現在、第四次安倍内閣文科相

*2:第三次安倍内閣復興相、自民党国対委員長(第二次安倍総裁時代)を経て総務会長

*3:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官などを経て首相

*4:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相。現在、第二〜四次安倍内閣副総理・財務相

*5:民進党政調会長岡田代表時代)

*6:むしろ「講演と関係ない天下り問題について書き加える」産経にこそ「前川氏への悪意が透けて見えます」が。

今日の産経ニュース(4/6分)(追記・修正あり)

■自民、公文書管理改革で初会合
http://www.sankei.com/politics/news/180406/plt1804060033-n1.html
 一般論としてなら制度改革は悪いことではありませんが、今回の一件は誰が考えても「自民の命令による故意の改竄や隠蔽」ですからねえ。
 「泥棒(自民)が防犯対策を語る」なんて全く馬鹿げています。


■希望・玉木雄一郎代表、新党結成は「解散総選挙の最低限の備え」
http://www.sankei.com/politics/news/180406/plt1804060035-n1.html
 解散があり得るかどうかはともかく「自民、立民どころか、公明や共産の支持率すら下回る民進と希望」が一緒になったところで何の備えにもならないでしょう。


鳥取の強殺、逆転無罪見直しか 6月に最高裁弁論
http://www.sankei.com/west/news/180406/wst1804060069-n1.html
 一審無罪で、二審逆転有罪で結局再審無罪(あるいは日弁連などの支援で再審請求)なんて代物*1が過去にあることを知ってれば、「大丈夫なのかよ?」「またえん罪をやらかさないだろうな?」「しかもやらかしてもお前ら裁判官連中は責任とらねえし!」つう疑念を感じざるを得ません。


■米下院議員「日米間に不一致なし」 日米国会議員会議が安倍晋三首相を表敬
http://www.sankei.com/politics/news/180406/plt1804060036-n1.html
 「えー、この間トランプが対日報復関税しとったっやん?、不一致大ありやん?」と思ったら

 会議の米国側共和党共同議長のセンセンブレナー下院議員は「米国議会は北朝鮮の核・ミサイル問題、そして拉致問題について日本への支持を表明してきた。北朝鮮の指導者たちが、こうした懸念について日米間に不一致はないことを首脳会談を通じて感じ取ってもらえるといいと思う」と語った。

だそうです。北朝鮮限定話なのに、「全ての分野で不一致がない」かのようなタイトルとは全く詐欺もいいところです。


ジブリ映画「火垂るの墓」 高畑勲*2監督が死去
http://www.sankei.com/life/news/180406/lif1804060006-n1.html
 記事曰く最近は体調を崩し、明らかに痩せていた、そうなので高畑氏や家族、知人友人は覚悟してたのでしょうがショックですね。おそらく「追悼番組」として高畑アニメがいくつ放映されるでしょうから視聴しようかと思います。


■【森友文書】人民裁判発言、問題なし 財務相会見で政府答弁書
http://www.sankei.com/politics/news/180406/plt1804060023-n1.html
 予想の範囲内ですが明らかな暴言を居直るのだから呆れて二の句が継げません。


■【産経抄】4月6日
http://www.sankei.com/column/news/180406/clm1804060003-n1.html

必要としている子供がいる限り、運営を続けてもらいたい。

 言ってることは間違っていませんが、そもそも「子ども食堂があること自体」、安倍政権の政治の失敗でしょう。


■【主張】イラク日報の隠蔽 自ら強さを損なっている
http://www.sankei.com/column/news/180406/clm1804060002-n1.html

 稲田氏*3ら当時の防衛省自衛隊の首脳部は、国民に対して重大な責任を感じるべきだ。「知らなかった」ことを含め、自分たちの指導力不足を猛省してほしい。

 本当に知らなかったのか、むしろ稲田が隠せと命じたのではないかと疑いますがそれはさておき、稲田に対して冷たい産経です。
 稲田の防衛相辞任後はどうやら稲田を見捨てることにしたようです。
 そして稲田にここまで悪口しながら
1)稲田を大臣にした安倍の任命責任
2)財務省公文書改竄問題では稲田と同じ立場にある麻生*4副総理・財務相政治責任
は語らず、それを追及する野党やマスコミに悪口ですから全く産経はでたらめです。

 北朝鮮核危機や尖閣諸島をねらう中国の脅威を踏まえれば、いつ有事になってもおかしくない時代に入った*5といえる。陸自は精強さを保つためにも、隠蔽が生じる余地を一掃すべきである。

意味がわからないですね。軍事的強さとこの問題と関係ないでしょう。

*1:例えば「名張毒葡萄酒事件(一審無罪、二審で逆転有罪。再審請求中)」「弘前大教授夫人殺害事件(一審無罪、二審で逆転有罪。後に再審無罪判決)」「東電OL殺害事件(一審無罪、二審で逆転有罪。後に再審無罪判決)」がそうです(ウィキペディア「日本弁護士連合会が支援する再審事件」参照)。なお、名張毒葡萄酒事件については江川紹子名張毒ブドウ酒殺人事件:六人目の犠牲者』(2011年、岩波現代文庫)、東海テレビ取材班『名張毒ぶどう酒事件・死刑囚の半世紀』(2013年、岩波書店)、浜田寿美男名張毒ぶどう酒事件 自白の罠を解く』(2016年、岩波書店)、弘前大教授夫人殺害事件については鎌田慧弘前大学教授夫人殺人事件』(1990年、講談社文庫) 、井上安正『冤罪の軌跡:弘前大学教授夫人殺害事件』(2011年、新潮新書)、東電OL殺害事件については読売新聞社会部『再審無罪 :東電OL事件 DNAが暴いた闇』(2014年、中公文庫)など参照。

*2:著書『「ホルス」の映像表現』(1983年、徳間書店アニメージュ文庫)、『映画を作りながら考えたこと:1955〜1991』(1991年、徳間書店)、『十二世紀のアニメーション:国宝絵巻物に見る映画的・アニメ的なるもの』(1999年、徳間書店)、『漫画映画(アニメーション)の志―「やぶにらみの暴君」と「王と鳥」』(2007年、岩波書店)、『アニメーション、折りにふれて』(2013年、岩波書店)、『君が戦争を欲しないならば』(2015年、岩波ブックレット)など

*3:第二次安倍内閣行革相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣防衛相など歴任

*4:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相。現在、第二〜四次安倍内閣副総理・財務相

*5:もちろんそんな時代にはなっていません。北朝鮮も中国も日本や韓国、台湾など相手に戦争する気などないでしょう。国際的批判を浴びるだけでメリットがないからです。