「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年7/13分:島田洋一の巻)

島田洋一ツイート
 パックネ、ノ・ムヒョン同様、告げ口外交を公開して恥と思わない感覚に呆れる。羞恥心のない人間は醜悪だ。
日本の輸出規制で懸念伝達=韓国外相、ポンペオ米国務長官に:時事ドットコム

 ふと気づいたのですが「戦前、蒋介石が米国に働きかけて、対日経済制裁させたこと(勿論蒋介石の働きかけだけが理由じゃありませんが)」を戦前日本も

 蒋介石の「告げ口外交を公開して恥と思わない感覚」に呆れる。羞恥心のない人間は醜悪だ。

とでも思ってたんでしょうねえ。
 それにしてもその島田の理屈だとダライや蔡英文が「中国への対抗目的に」訪米するのはどうなのか。「告げ口外交」じゃないのか。まあ島田らウヨもなんとも都合のいい脳みそをしています。
 つうか「筋の通らない理屈」なら告げ口されようと困らないわけでこれはまさに「語るに落ちてる」というべきでしょう。

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年7/12分:高世仁の巻)

政治を口にすると「危ない人」になる日本 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 一般論として「芸能人の政治発言が珍しくない欧米と違い」日本において「自民党や財界を恐れてテレビ局、ラジオ局」がタレントの「政府批判的な」政治的発言を好まないこと、それが安倍政権になってからさらに悪化したことは事実でしょう。
 自民党から出馬するタレント議員(例:元テレ朝アナウンサーの丸川珠代*1)は珍しくなくても「社民党(後に民主党民進党立憲民主党)から出馬した横光克彦氏(テレビ朝日特捜最前線』の刑事役で人気)」のような野党タレント議員は多くはありません。
 ただし、高世が紹介する田村淳のコメントは「あまりにも抽象的すぎて」なんとも評価できないですね。
 何せ「テレビ局かラジオ局か」、「田村が司会なのか、コメンテーターなのか」、「なぜ田村は竹島発言ツイッターが下ろされた理由だと思ったのか、はっきりそのように相手から言われたのか」、具体的なことは何も分かりません(田村の発言は、彼が司会を務める文化放送の番組中でのものなので、この局が文化放送でないことだけは確かでしょうが)。
 そもそも「韓国に媚びてる」とウヨから非難されかねない発言、例えば

竹島問題では韓国の主張の方が正しいと思う」
竹島問題についてはもう島の返還は諦めてはどうか」
竹島問題について日本の言い分が正しいと決めつけるのはどうか、韓国の主張にも虚心坦懐に耳を傾けたい」
竹島問題については当面は棚上げにしたらどうか」
竹島の日記念式典を日韓関係に配慮して島根県はやめたらどうか」
「何らかのバーター取引しないと島は戻らないと思う」
竹島を北半分は日本、南半分は韓国とか、日韓共同統治とかしたらどうか」

ならまだしも、「竹島問題についてはICJに提訴したらどうか(田村ツイート)」で本当に下ろされたりするのか。
 もしかして「ICJで争う必要などない!。そんなことを言い出すなんて韓国の主張に一理あると認めてるようなもんだ!」「だから北方領土だってICJで争う必要はない!」つう非難なのか?(当たり前ですが「裁判で片をつける」つうのは一般論としていえば「相手に一理ある」と認めてるわけではありません。一般論で言うなら「交渉で解決しない」なら実力行使するわけに行かないし裁判のような法的手段以外には手はありません)
 それとも「そんな提訴を日本がしたら日韓関係が悪化する」という批判か?(安倍の無法をテレビ局がろくに非難しないことを考えるととてもそうは思えませんが)。
 もちろん仮に「田村の発言が事実だ」としても「具体的に説明すること」は「あまりにもリスキー」でしょうがこんな抽象的な発言を、高世のようにそのまま鵜呑みにする気には俺はなりませんね。田村の「思い込み」の可能性が否定できないからです。
 なお、政治的発言で下ろされた有名な話では「1973年のマエタケ(前田武彦)の『共産党万歳』事件(当時は田中角栄*2内閣)」がありますね。
 あるいは政府批判ではないのですが、落語家・5代目柳家つばめ(1928~1974年)*3が、NETテレビ(現在のテレビ朝日)の演芸番組で、新作落語佐藤栄作*4の正体』を演じ、佐藤首相(当時)を茶化したら*5、佐藤側の逆鱗に触れ、しばらくテレビから干されたなんて話もあります。
 なお、この『佐藤栄作』の話、つばめ『創作落語論』にも出てきます。
 「そんなもん佐藤栄作が首相を辞めたらできないじゃないか」「永久的に残るのが落語だ、あんたのは時事漫才だ」云々とよく言われたそうですが、つばめは著書において「すぐに消える時事落語で何が悪いのか。時事漫才があるなら時事落語があってもいいはずだ」「(つばめ落語の善し悪しはともかく)時事落語自体は一向に問題ないと思う」「古典落語をいつまでも同じようにやってるのではマンネリで飽きられる」と反論しています。
 どんな落語はともかく、つばめ落語の一席 : 芸の不思議、人の不思議によれば、つばめが演じた新作落語として『佐藤栄作』以外には

つばめ落語の一席 : 芸の不思議、人の不思議
『落語政談 私は栄ちゃんと呼ばれたい』(1971年、立風書房
1、吉田茂*6を偲ぶ
   「追悼落語の一席。」
2、佐藤栄作の正体
   「ドキュメンタリー落語の一席。」
3、大山升田宿命の対決
   「名勝負落語の一席。」
4、獄窓の美濃部亮吉*7
   「都政落語の一席。」
5、アメリカ第七艦隊
   「軍事評論落語のケツマツ。」
6、ゲバラ*8日記
   ※「○○落語」で締めくくっていない。
7、川端*9文学の秘密
   「ノーベル賞落語の一席。」
8、古狐ド・ゴール*10
   「外務省教育落語の一席。」
9、毛沢東本伝
   「マルクス・アンド・エンゲルス落語、の一席。」
10、沖縄の王様
   「東支那海落語の一席。」
11、大学誕生記
   「『大学誕生記』という、バーカバカシイお笑い。」
12、松下幸之助
   「人生希望落語の一席。」
13、佐藤栄作の一日
   「ノンフィクション落語の一席。」
14、風雲児ナセル*11
   「アラビア砂漠落語の一席。」
15、妖剣三島由紀夫
   「緊急特報落語の一席。」
■『'73版つばめ政談 角さんどーする』(1973年、立風書房
1、頼むぜ角さん
   「国民悲願落語の一席。」
2、佐藤栄作の正体
   「ドキュメンタリー落語の一席。」
3、吉田茂を偲ぶ
   「追悼落語の一席。」
4、タレント議員伝
   「『タレント議員伝』の中から、一龍斎貞鳳*12の解剖という、変人落語の一席。」
5、獄窓の美濃部亮吉
   「都政落語の一席。」
6、恍惚の人*13
   「老人問題究明落語の一席。」
7、妖剣三島由紀夫
   「緊急特報*14落語の一席。」
8、松下幸之助*15
   「人生希望落語の一席。」
9、発明物語
   「科学技術振興落語の一席。」
10、毛沢東*16本伝
   「マルクス・アンド・エンゲルス落語、の一席。」
11、真説岡田嘉子*17
   「シベリヤ落語の一席。」
12、日本列島改造論反論
   「爆弾落語の一席。」

の名前が挙げられています。「新作が珍しくなくなった」今はともかく「古典落語全盛」の1960~1970年代当時においてはかなりの異端児だった*18と言っていいでしょう(しかも彼の師匠である五代目柳家小さん古典落語の名手です*19)。
 それはともかく、今の「安倍にびびるマスコミ」よりはましかもしれませんが、つまり「安倍以前」にそうした問題がなかったわけでは全くありません。

参考

前田武彦(1929~2011年、ウィキペディア参照)
・1953年の開局間もないNHK放送作家になりラジオやテレビの台本を書くようになった。
■1960~1970年代の活躍
・1960年代に入ってからはタレント活動が本業となり、洋楽チャート番組『東芝ヒットパレード』(TBSラジオ)などラジオ番組にパーソナリティーとして出演した。また、1968年から放送された『夜のヒットスタジオ(夜ヒット)』(フジテレビ)では司会者を務め、マエタケの愛称で呼ばれる人気司会者となった。
・1969年11月、それまでの司会者・立川談志の降板を受け、日本テレビの演芸番組『笑点』の司会に就任、翌年12月まで務めた。前田は落語家ではなかったため、もともと短期間の約束で司会を引き受けたが、最終的にスケジュールの都合で降板するまで約1年に渡って司会を務めた。
・『笑点』では新オープニングテーマ(中村八大作曲)の作詞も行った。
・さらに、『巨泉×前武ゲバゲバ90分!』(日本テレビ、1969年~1971年)、『ゴールデン洋画劇場』(フジテレビ)の初代映画解説者(1971年~1973年)を務め、タレントとして絶頂期を迎えることとなる。
共産党万歳事件
 1973年夏、前田は参議院議員選挙大阪府選挙区補選で、日本共産党公認の沓脱タケ子を応援。そして応援演説中に「沓脱さんが当選したら、当日の夜ヒットでバンザイをします」と発言。沓脱は自民党公認の森下泰(元森下仁丹社長)を破り当選し、前田は約束を守り番組エンディング後に万歳をした(ただし、この時はフジテレビに配慮し「取りあえず形だけはやっとこう」として「共産党」の名を一切出さず、この日放送のゲストだった東京ロマンチカの三條正人に向けて「三條君、お疲れさま。バンザーイ」と言っただけだった)。直後は特に問題にならなかったが、この選挙が国政補欠選挙で初めて共産党候補が自民党候補を破った選挙であったことや、右派の週刊サンケイが「マエタケ、共産党候補当選にバンザイ」と記事にしたことなどから騒動に発展。それが反共・右派である当時のフジテレビオーナー・鹿内信隆の逆鱗に触れ、同年秋(1973年9月)には夜ヒットの司会降板に繋がった。さらに、その他の出演番組からも降板、もしくは番組自体が打ち切りになることが相次ぎ、前田はその後数年間に渡ってテレビ業界で冷飯を食う羽目になる。その一方でラジオでは、1978年4月から1979年12月まで文化放送平日朝の生ワイド番組『マエタケの朝は自由大通り』のパーソナリティを務めた(前田『マエタケのテレビ半生記』(2003年、いそっぷ社)参照)。
■メディア出演復帰
 1980年代前半になると、前田はTBSテレビ『朝のホットライン』(1982~1987年)にお天気キャスターとして出演、「お天気マン」と呼ばれて徐々にテレビ出演の機会を増やしていった。また、俳優として、TBSの連続ドラマ『想い出づくり。』(1981年、森昌子が演じる主人公の父親役)や映画『釣りバカ日誌』シリーズ1及び3~ 8(1988、1990年~1996年、松竹、第1作では秋山専務*20、第3~8作では堀田常務*21)などに出演した。
■死去
 2011年8月5日、肺炎のため都内の病院で死去。82歳没。生前最後の仕事は、亡くなる約1か月前の同年7月16日に放送されたTBSラジオ『土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界』へのゲスト出演だった。最後のテレビ出演は、2010年5月23日に放映されたフジテレビ『ボクらの時代』での小沢昭一大橋巨泉との対談であった。
 前田の死去を受けて、長年の友人であった大橋巨泉は「ボクにとっては良き先輩、影響を受けた人」、萩本欽一は「教科書のような存在でボクにとっては大きかった人」とそれぞれ故人を偲ぶコメントを発表している。『笑点』の前任司会者だった立川談志も、週刊現代の連載「立川談志時事放談 『いや、はや、ドーモ』」で前田を偲んだが、談志自身も同年11月にこの世を去った。

*1:第三次安倍内閣環境相

*2:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相

*3:著書『創作落語論』、『落語の世界』(2009年、河出文庫

*4:吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、池田内閣通産相などを経て首相

*5:別に批判というほどのものではありません。

*6:戦後、東久邇、幣原内閣外相を経て首相。

*7:戦前、法政大学教授。戦後、東京教育大学(今の筑波大学)教授、都知事

*8:1928~1967年。キューバ革命の指導者の一人。革命後はキューバ国立銀行総裁、工業大臣を務めるが最終的には(カストロ首相との意見対立から?)キューバを去り、ボリビアでゲリラ戦を展開中に、ボリビア政府軍に身柄拘束され銃殺された。

*9:作家。日本初のノーベル文学賞受賞者

*10:フランス大統領

*11:エジプトの首相、大統領を歴任

*12:1926~2016年。講談師。一時、参院議員(自民党)、三木、福田内閣環境政務次官を務めた。

*13:1972年に、認知症の介護をテーマとした有吉佐和子の小説『恍惚の人』が出版され194万部のベストセラーになり『恍惚の人』は当時の流行後にもなりました(ウィキペディア恍惚の人』参照)。「恍惚」とは「感動や喜びなどで放心状態にあること」を本来は言いますが有吉小説発表後は「認知症の婉曲表現」になります。もともとは「恥知らず(例:モリカケの安倍)」を意味した『破廉恥』が永井豪ハレンチ学園』のヒットでその後は『ハレンチ』とかく場合は『明るいエロ』を意味するようになったり、もともとは「反倫理的行為(例:安倍のモリカケ)」を意味した『不倫』がTBSドラマ『金曜日の妻たちへ』のヒットで『浮気』と言う意味で使われるようになったことと似たようなもんです。

*14:もちろん「緊急特報」とはいわゆる三島事件のことです。

*15:パナソニック創業者

*16:中国共産党主席

*17:女優。戦前、左翼活動を理由にソ連に亡命したこと(ただ死皮肉にもスターリン粛清で酷い目に遭う)で知られる。1972年にいったん日本に帰国しているが、1986年にソ連に戻り、1992年にモスクワで病死。

*18:ただし弟弟子の談志とは違い、人間的には誰からも愛されるタイプの好人物だったようですが

*19:小生の持ってる、三遊亭円丈『ご乱心』(主婦の友社)には「新作落語を持ちネタとするなら、新作落語に理解のない円生より、柳家つばめを認めている、新作落語に理解のある小さんの弟子になればよかった。小さんだって名人でしょう」と言われたという円丈が「自分は円生の方が好きだし、(人間性はともかく)落語家としての腕は円生の方が上だと思ってる」という下りが出てきます。ちなみに円丈同様、自作の新作落語を持ちネタとする川柳川柳(旧名・三遊亭さん生。いわゆる落語協会分裂騒動の際に、「三遊協会には参加しない」という意見を表明したため円生から破門され、小さんの弟子として『川柳川柳(かわやなぎ・せんりゅう)』を名乗ることになる)も「なぜ小さんの弟子に最初からならなかったのか」と聞かれたことがよくあるそうです。

*20:第2作では庄司永健が、第3作以降では加藤武が秋山専務を演じた。

*21:第9作以降では鶴田忍が堀田常務を演じた。

今日の朝鮮・韓国ニュース(2019年7月10分)(追記あり)

【最初に追記】
 この拙記事をなんとも無様で無残な話だと思う(拉致被害者家族の有本明弘氏) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)で紹介頂きました。ありがとうございます。
【追記終わり】

神戸新聞NEXT|総合|「安倍外交、どう見ますか」有本さん父、在日コリアンに聞く

「この6年半、拉致問題は進んでいないが…、北朝鮮にモノが言える政治家は安倍首相しかいない」
 神戸市出身で北朝鮮による拉致被害者有本恵子さん=失踪当時(23)=の父明弘さん(91)は、自らに言い聞かせるように語る。

 「有本はバカか」と心底呆れますね。なぜ「拉致被害者帰国」という成果を上げた小泉氏を評価せず、何の成果も上げない安倍など評価するのか。それにしても評価の仕方もお粗末です。
 「成果は上げてないが、ガツンと物を言っている」て。そんなことで溜飲が下がれば「娘がいつまでも帰ってこなくても」有本は満足なのか。
 91歳という年齢では「いつ死去してもおかしくない」でしょうに。それとも「安倍や救う会を万歳し続け、田中均氏や蓮池透氏に敵対した自分の愚かさ」を今更認めたくないのか。
 「米国に言われるがまま、中国から撤退したら、日中戦争で死んだ英霊に申し訳が立たない」として米国との戦争に踏み切った「戦前日本政府」と同じような考えが今の有本なのか。

「外交は票にならないとされ、拉致問題に熱心な政治家*1が減っている」

 馬鹿馬鹿しい。拉致なんか票になるわけがないでしょう。当事者は「政府認定拉致被害者」しかいないから多くの人間は無関心です。そして解決法は「日朝外交」以外にないから、「大きな枠組みでは」与野党で「政策を差別化しようがない」。しかも「日朝交渉」を主張すると救う会や家族会が「北朝鮮シンパか」などと無茶苦茶な攻撃をしてくるから誰もそんなこと言いたがらない。
 だからこそ「増元照明」は2004年に参院東京選挙区(当時、定数4)に出馬したとき、「自民党から出たかった」のに自民党の公認がもらえなかったし、選挙結果は落選しただけではなく「増元が敵視している共産党」よりも少ない得票数でしかなかったわけです。
 2014年に衆院選に出馬したときも「泡沫政党・次世代」「次世代に言われるがままに増元となんのつながりもない宮城選挙区から出馬」「2004年の参院選が定数4に対し、今度は定数1」「当時は拉致もまだ風化してなかったのに落選、今回は完全に風化」なのだから選挙前から「ほぼ100パー落選確実」が予想されました。そして実際落選しました。
 安倍が「第二次安倍内閣」を作るときにアピールしたのはアベノミクスだし、その後も安倍がぶち上げたのは「働き方改革」だの「対ロシア外交」だのであって拉致では全くありません。

 「残念としか言いようがない」。
 在日本大韓民国民団兵庫県地方本部の李圭燮(イキュソプ)団長(71)は、先の見えない対立に陥った日韓関係を嘆く。

 どうせ民団関係者に話を聞くなら、神戸新聞は有本に「日韓関係の悪化をどう思いますか」「それで拉致が解決すると思いますか?」と聞いたらどうですかね。まあどうせ有本は本気か「安倍や救う会へのこびへつらいか」はともかく「韓国が悪い、安倍総理は悪くない」というのでしょうが。もはや家族会はただの右翼団体であり、「日本の右傾化を助長した団体」として「アンチ右翼」の俺は家族会には怒りしかありませんね。


【主張】輸出管理の厳格化 韓国は不毛な非難やめよ - 産経ニュース
 「不毛な行為」は安倍の方ですし、韓国の態度は今のところ「穏やかなもん」です。速攻でWTO提訴や対抗報復措置かと思いきやそこまではいっていません(後述するように「報復措置」はともかく「欧米や日本も過去に何度もやっている当然の権利」WTO提訴は十分今後ありうると思いますが)。
 おそらくは
1)「在庫が当面ある(すぐに実害は出ない)」
2)従来、規制免除していたのを「規制復活(一応これが原則ではあります)」しただけなので、多少手間がかかるとは言え禁輸ではない(従って建前では、他の規制対象国と同等の規制でなければならず、韓国だけ不当に厳しくすれば違法の疑いが高まる)
3)しばらくは国内外に安倍の行為の不当性を訴えると共に、他国からの購入で乗り切る構え
4)日本企業(韓国から半導体を購入or韓国に半導体材料を販売)にとってダメージゼロではあり得ないので日本国内の安倍批判にも期待する
といったところでしょうか。
 とはいえいつまでも韓国も甘くはないでしょう。「対抗報復措置」はとらないにしても「国際法上、当然の権利」であり「日本や欧米も含め」多くの国が既に行使したことがあるWTO提訴は「安倍の態度がこのままなら」当然「いずれはする」でしょう。
 なお、「日本芸能人が韓国進出したり、韓国人観光客が日本に来たり」でわかるように今や韓国は日本にとって大事なお得意様です。
 「韓国側は今のところ冷静な対応」ですし、たぶん今後も「大きな動きとしては」そういうことはないのでしょうが「日本製品不買運動の広がり」だの「韓国政府の報復対抗措置」だのなったら日本も相当のダメージであり、産経や安倍が考えてるほど日本が有利なわけでは全くないでしょう。まあ、このあたりは「朝鮮戦争では敵国だった中国、ロシア、北朝鮮(昔ほどではないにせよ今とて関係は微妙でしょう)」とのつきあいで「胆力が身についた」つうところがあるかもしれません。


韓国違法輸出、4年で156件 ウラン濃縮用機械など :日本経済新聞
兵器に転用可能…韓国「不正輸出リスト」を独自入手! サリンやVXの原材料も第三国に - FNN.jpプライムオンライン

韓国違法輸出、4年で156件 ウラン濃縮用機械など :日本経済新聞
・韓国の産業通商資源省は10日、2015年から19年3月までに戦略物資の東南アジアや中国、中東諸国などへの違法輸出が156件に上ったと明らかにした。
・韓国政府は10日の発表内容について「輸出管理が効果的にされている証左」と主張した。

 さて日経のこの記事がフジテレビにかかるとこうなります。

兵器に転用可能…韓国「不正輸出リスト」を独自入手! サリンやVXの原材料も第三国に - FNN.jpプライムオンライン*2
 FNNが韓国政府作成の「不正輸出」リストを独自入手した。
 リストによると兵器に転用可能な物資が第三国に不正に輸出されていたことが判明。2015年から2019年3月にかけて、韓国から無許可で輸出された案件は156件に上っている。

 誰しも思うのは「アレ、おかしいな。日経が韓国政府発表だと報じてる物が何でフジだと独自スクープなの?」「しかもフジは『安倍政権の制裁行為の妥当性が証明された』みたいな報道ぶりだけど、日経報道だとどう見ても韓国政府が『安倍自民への反論として発表した』としか理解できないんだけど?」ですね。
 まあおそらく「フジテレビ(つうかフジサンケイグループ)のいつものデマ報道」なんでしょうね。日経が韓国政府を無理にかばう動機などないであろう一方、フジは「無理してでも韓国を誹謗したい、そして安倍閣下を擁護したい」という黒い欲望に満ちあふれてるわけです。と言うか普通に考えてそんな事実(この不正リストとやらの存在が安倍の制裁行為の合法性や妥当性を裏付ける)があるなら「安倍応援団フジの自称スクープ」なんてわけの分からない形ではなく安倍政権がまともに発表してるでしょう。必死に安倍一味がひねくりだした「正当化材料」がこれで、しかし実は本当は正当化できるようなネタでは全くなく、日本政府発表として公然と言えないので「フジにネタ提供した」つうところでしょうか。都合が悪くなれば「フジテレビの報道に日本政府は関係ない」と言って逃げる気満満でしょう。
 いずれにせよさすがに「徴用工判決ガー(当初の安倍主張)」ではWTO提訴されたら負けるしかないことは「馬鹿な安倍」も次第に「周囲のレクチャーでわかりはじめた」わけです。その結果「本音はともかく建前では『軍事転用ガー(制度の建前、目的)』というしかない」と「やっと理解し」その方向に動いたわけですが、まあ当初散々「徴用工判決ガー」いってますので本音はモロバレです。やはりWTOに提訴されたら敗訴するかと思います。まあでも「他の日本メディア(朝日、毎日、日経など)はともかく少なくとも安倍応援団・フジ産経」は「軍事転用ガー」を言い続けるのでしょう(しかし産経も当初散々「徴用工判決ガー」いってますので本音はモロバレです)。
【追記】
韓国政府が輸出管理を行っている公開済みの証拠を【独自】とつけて不正輸出の証拠にでっち上げる産経式のやり方に騙される日本社会 - 誰かの妄想・はてなブログ版
 「やはり予想通りデマ記事か」ですね。やはり「韓国政府の公式発表(それもきちんと韓国は法規制をしてるとする趣旨の公式発表*3)」を「安倍政権の制裁の正当性を証明する独自スクープ」とデマってたわけです。
 それにしてもフジ報道に「安倍擁護のコメント」した「元・国連安保理北朝鮮制裁委パネル委員」古川某氏*4は完全に信用性を失いましたね。「パネル委員時代の昔」から彼がこうだったのか、最近このように劣化したのかはともかく。逆に「安倍政権は間違ってる」と言えば信用性が上がったでしょうにねえ。
 なおid:scopedog氏の記事については
何をいまさらながら、実に無様で無残でな有様だと思う(フジテレビのデマ報道) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)でもコメントがされていますので是非ご覧下さい。


日韓貿易戦争になれば、中国に「漁夫の利」を与えるだけで終わる理由 | 長内 厚のエレキの深層 | ダイヤモンド・オンライン長内厚(早稲田大学大学院経営管理研究科教授)
 櫻井よしことつながりを切ってもダイヤモンドは「嫌韓国ウヨ商売」をやめる気はないようです。
 「WTO違反じゃない(勿論正当な理由がなければWTO違反行為です、そして今のところ安倍は正当と見なせる理由を何一つ提出していません、もちろん「徴用工判決ガー」は正当な理由じゃありません)」だの「日本企業には不利益はないが韓国企業には不利益がある(いやいや日本企業は韓国から半導体を購入していますし、日本のフッ化水素メーカーは韓国が重要な買い手だったわけです。日本に不利益はないなんてことはあるわけもないでしょう)」だのデタラメなことがよくも抜かせるもんです。
 これが早稲田大学教授だというのだから心底呆れます。
 しかも最後に「韓国が中国からフッ化水素を購入するなどして中国との関係を深めたら日本企業が困る」と言い出すのだから「はあ?」「日本が困るのか困らないのかどっちなんだよ!」ですね。それでも「日本は正当な抗議をしただけで、それに応じない韓国が悪い」と言い続けるのだから「アホか?」ですね。ウィキペディア「長内厚」によれば「早稲田大学台湾研究所研究員」だそうなので「嫌韓国」「親台湾」の結論ありきの右翼なんでしょう。
 そもそも「徴用工判決ガー」なんて正当な抗議じゃないし、仮に正当な抗議でも「手段は何でも許される」わけじゃありません。


日本を根底から変えた拉致問題とその後の17年 - 樋口大二|論座 - 朝日新聞社の言論サイト

 太田昌国著『「拉致」異論』は15年にわたって版を改めながら3度刊行されるという、時事的な評論集としては異色の経歴を持っている。

 根底から変えたかどうかはともかく*5、「極右」安倍が拉致を悪用して「自民党幹事長、小泉内閣官房長官、首相」に成り上がり、その結果日本の右傾化が助長されたことは事実です。
 しかし太田氏の著書が刊行されたのは大分前のことですが「やっと朝日が取り上げるのか」ですね。それだけ拉致も風化し、冷静な議論がしやすくなったということでしょう。

 太田さんは、2002年の小泉訪朝後、「拉致非難」一色に塗りつぶされて植民地支配の歴史を相殺してしまうような国内世論を批判する一方、それまで北朝鮮の拉致を認めてこなかった「左派」や「リベラル」の言論についても厳しい態度をとった。

 そもそも「拉致疑惑」を政府が最初に認めた「梶山*6国家公安委員長答弁」「宇野*7外相答弁」を引き出したのは「橋本敦・日本共産党参院議員」です。
 「拉致を認めてこなかった左派やリベラル」などというのはやめてほしいですね。「日本共産党を馬鹿にしてるのか」「太田、手前何様だ。手前だけは正しいと自画自賛して自慢したいのか」「朝日新聞もふざけんな」といいたくなります(小生は太田氏の本を過去に一冊も読んでいないですが、「この共産党への無礼な暴言が共産党支持者として許せない」ので、今後も読まないと思います。彼のような「家族会、救う会批判」なら蓮池透氏、和田春樹氏など、他にも書き手はいますので)。
 というか「北朝鮮工作員が逮捕されて裁かれたラングーン事件や大韓機爆破事件」ならまだしも「小泉訪朝」まで拉致は「灰色の疑惑」にすぎません。
 「認めてこなかった」などと非難されるいわれは全くないと俺は思いますね。
 「南京事件否定論」「河野談話否定論」「ホロコースト否定論」などといった明らかなデマとはわけが違います。
 拉致疑惑に近いのは例えば「カチンの森虐殺(ポーランド軍将校虐殺)」じゃないですかね(ウィキペディアカティンの森事件」だけでもある程度事件の概要は分かります)。アレは「スターリンの犯行」だったわけですが、それをソ連は「スターリン死後も」、ゴルバチョフが改革路線をはじめるまで長い間認めませんでした。
 「ナチの犯行じゃないか」と言い続けたわけです。そして「スターリンの犯行だ」と言う決定的証拠も、ゴルバチョフが犯行を認めるまで残念ながらありませんでした。
 実は「ゴルゴ13の初期作品」で「カチン事件」が出てくる*8作品『みな殺しの森』(たとえばみな殺しの森 | ゴルゴ・ナビ(GOL-NAVI)ゴルゴ13第13巻-2みな殺しの森 - ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』参照)がありますが、この作品発表当時(1972年)は「ソ連がまだ犯行を認めてない」ので、作品内においては「ナチ犯行説」「ソ連犯行説」の2つが紹介されるにとどまっています。
 そして、「ソ連犯行疑惑が灰色のため」、「対ドイツ、対日戦にソ連の協力を得る必要があったこと」もあり、「共産党シンパどころか保守派*9」である事件当時のルーズベルト米国大統領やチャーチル英国首相もこの問題を大きく騒ぎ立て、ソ連批判することはしませんでした。
 拉致疑惑で日本左翼批判なんてカチン問題で「ルーズベルトチャーチル批判」位無茶苦茶でしょう。
 一方赤狩り時代になると、この件は、「赤狩りの中心人物として悪名高い」マッカーシーなど米国の反共右派によってソ連攻撃材料の一つにされます。こうしてみると「カチンの森を巡る米国の動向」は「拉致をめぐる日本の動向」にやや似ているのではないか。

*1:有本の場合「アンチ北朝鮮の右翼政治家=拉致に熱心」だからお話になりません。

*2:追記:「うかつにも」ネットでの指摘で「はじめて」気づきましたが「4年で156件」なら朴クネ政権時代も含まれてますね(文氏は2017年5月に大統領に就任したので現時点では約2年)。「文氏を批判するのに」朴クネ政権時代の事例を入れるのは明らかにおかしいでしょう。そもそも朴クネ時代から問題があるなら「朴時代になぜ制裁しなかったのか」つう話です。かつ、これは「文政権時代だけではたいした数にならないので朴クネ時代もぶっ込んで水増しした」と言う疑いもありますね。

*3:そうした公式発表の是非はひとまずおきます。そうした公式発表がされてるのにその事実を無視してこんな報道をするフジの態度は無茶苦茶でしかありません。

*4:著書『北朝鮮 核の資金源:「国連捜査」秘録』(2017年、新潮社)

*5:というのは「安倍が成り上がる前」の「石原都知事」「つくる会教科書」などの極右政治家、極右政治運動の存在を考えれば「単に隠されていた物が表に出ただけ」と見なすことも可能だからです。

*6:竹下内閣国家公安委員長、宇野内閣通産相、海部内閣法相、自民党幹事長(宮沢総裁時代)、橋本内閣官房長官など歴任

*7:田中内閣防衛庁長官福田内閣科学技術庁長官、大平内閣行政管理庁長官、中曽根内閣通産相、竹下内閣外相などを経て首相

*8:とはいえメインテーマではないですが。ゴルゴの犯行現場が皮肉にもカチン事件の近くだという似すぎません。

*9:とはいえ民主党ルーズベルトは、共和党よりは左寄りではあるでしょうが。

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年7/10分:高英起の巻)

貧富の格差拡大の北朝鮮で大人気の「激安13円均一」食堂(高英起) - 個人 - Yahoo!ニュース

 登場したのが、「1000ウォン食堂」だ。
 この「1000ウォン食堂」はその名の通り、すべてのメニューが1品1000北朝鮮ウォン(約13円)という激安ぶり

 日本で言えば「ワンコインランチ」といったところでしょう。もちろんこの場合のワンコインとは500円のことです。

「国の名節や週末になると、レストランを訪れる客の階層が明確に現れる」(情報筋)
 どの食堂に行くか、行けるかが階層で分けられてしまうのが、貧富の差が拡大する一方の今の北朝鮮の現状を示している。

 「アンチ北朝鮮」高の物言いには「なんだかなあ(苦笑)」ですね。もちろん「北朝鮮といろいろな点で違いはある」わけですが基本的に「古今東西」金持ちが行くレストランと、貧乏人が行くレストランが違うのは当たり前の話です。
 何も北朝鮮限定ではない。
 日本でも「貧乏人」は外食は
・「すき家松屋吉野家(牛丼)」
・「はなまるうどん丸亀製麺山田うどん(うどん)」
・「かっぱ寿司くら寿司、スシロー、はま寿司(回転寿司、1皿が基本的に100円)」
・「王将、ぎょうざの満州幸楽苑日高屋(ラーメン)」
・「すたみな太郎(焼き肉の他に寿司、デザート食べ放題)」
・「しゃぶしゃぶ温野菜やしゃぶ葉*1(しゃぶしゃぶ食べ放題)」
・「ステーキガストビッグボーイ(ステーキやハンバーグの他にサラダ、デザート、ライス、スープ食べ放題)」などと言った安いところに行くわけです。
 「すきやばし次郎だの、銀座久兵衛だの(高級寿司店)」にはまず行かない。
 勿論小生は「金持ちではない(貧乏人でもないですが)」のでこの種の「安い外食」、特に「すたみな太郎、しゃぶしゃぶ温野菜やしゃぶ葉ステーキガストビッグボーイ」のようなバイキング(ビュッフェ)形式は大好きです。
 まあ値段相応の味ですが、そんなに馬鹿にしたもんでもありません。「この値段でこのボリューム、この味なら満足できる」つう味です。
 「上を目指せば切りがない」ですし、そんなに「味の違いが分かる美食家」でもありませんしねえ。
 なお、「すき家、はま寿司、ビッグボーイ」がゼンショーグループ、「しゃぶ葉ステーキガスト」がすかいらーくグループですね。

*1:コメ欄でご指摘があったので追記しました。なお、最近、近所にしゃぶ葉が新規オープンしたので早速利用しました。

今日の産経ニュースほか(2019年7月10、11日分)

有志連合、日本参加に「4つの法的枠組み」 実現には課題 - 産経ニュース
 改憲派の安倍なら「自衛隊が外国に出せるのならウエルカム」となりそうですが
1)参院選前にそんなことを表明すれば「戦争の出来る国を目指す安倍改憲政権」として野党の絶好の攻撃ネタとなり選挙に影響しかねない
2)この連合はイランを敵視しており、イランと戦争する可能性が「ゼロではない」。先日「中東の戦争を回避する」と言ってイラン訪問したことと矛盾する可能性大であり、これまた野党の格好の(以下略)
ということで「現時点では」参加は表明しない物の
3)産経や米国トランプ政権などから参加をせっつかれたらどうするか考えがまとまってない
ということで「少なくとも選挙中はノーコメント(どうするかは選挙後考える)という逃げとごまかしの一手」のようです。勿論産経が有志連合参加(自衛隊を中東に送ること)については「安倍総理。ユー、やっちゃいなよ(ジャニー喜多川氏風に)」という物騒な考えであることは間違いないでしょう。


【産経抄】7月12日 - 産経ニュース

 イラン・イラク戦争は、1980年から8年続き、100万人を超える死者が出た。途中の84年からは、いわゆるタンカー戦争が始まる。両国が、ペルシャ湾を航行するタンカーなどに、無差別ともいえる攻撃を仕掛けるようになった。
▼被害を受けた船は400隻を超え、333人が死亡した。米国をはじめ、英仏、ソ連護衛艦艇を送り出し、自国船の保護に当たっていた。湾内には当時、常に20~30隻の日本船が航行していたが、日本政府はなすすべもない。「日の丸」を掲げた船にも、容赦なく弾は飛んできた。2人の日本人船員が犠牲になっている。

 会員登録されてない方はここまでしか読めませんが、落ち(引用はしませんが)は勿論皆さんの予想通りです。有志連合参加(自衛隊を中東に送ること)については産経は「安倍総理。ユー、やっちゃいなよ(ジャニー喜多川氏風に)」という物騒な考えであり「今のところやるとは言わない」安倍をなじってるわけです。


首相、原告団と面会へ ハンセン病家族訴訟 - 産経ニュース
 参院選挙前の人気取りでしょう。とはいえまともな内容なら批判はしません(まともでなければ批判しますが)。
 と同時に「安倍は人気取りのつもり」でしょうがどうなるかはわかりません。可能性としてなら「訪朝後に面会した小泉氏」を「たった5人か」と家族会がなじったようなこと*1もあり得ますし。
 それにしても今や「拉致被害者家族会との面会」などなんの人気取りにもならないわけです。


【産経抄】7月11日 - 産経ニュース

 イラン革命前夜の1978年12月、混乱の最中にあったテヘランから、最悪の知らせが届いた。米コンピューター・ソフト会社EDSの幹部2人が逮捕されたというのだ。
ロス・ペロー会長は、外交ルートを使った釈放が無理だとわかると、自力で救い出す決心をする。まず自ら危険をおかして、監獄にいる2人の部下の様子を確かめに行った。やがてペロー氏の派遣した6人の特殊部隊が、作戦を決行する。
▼2人が無事解放されるまでのいきさつは、英国の作家ケン・フォレットによるノンフィクション『鷲の翼に乗って*2』にくわしい。冒険小説さながらの、手に汗握る展開である。革命後に起きた米大使館占拠事件では、当時のカーター大統領が許可した人質救出作戦は、大失敗に終わっている。それだけに、ペロー氏のヒーローとしての輝きが際だっていた。

 まあ「運がよかった」んですかね。産経や家族会、救う会だと「だから自衛隊拉致被害者が救える」と言い出しそうですが、こんなんは一般化できる話じゃありません。カーターの発動した作戦が失敗して、外交せざるを得なかったようなケースの方が普通でしょう。

 悲願のホワイトハウス入りを果たせなかったのは、時代に恵まれなかったからなのか。それともトランプ氏が持つ何かの資質が、ペロー氏に欠けていたのか。

 私見では前者でしょうね。


思い出そう、政権傲慢行為の数々。安倍政権よ、自民党よ。「有権者をなめるな!」 | ちきゅう座

 参院選公示の翌日、7月5日付け東京新聞朝刊「こちら特報部」。
「民、侮るなかれ」の文字が踊る。それだけでない。「弱者軽視『上から目線』」「不適切発言の麻生氏 首相は議論避け」「三原氏『問責は愚か者の所業』」「二階氏『選挙一生懸命なら予算付ける』」「品格失い忖度が横行」「我田引水の参院定数増」「カジノ法案も強行採決」「選挙で傲慢政治家退場を」という見出し。この見出しだけでも相当なインパクト。
 選挙戦突入に際して、真っ当なメディアが「前回選挙以後に権力が犯した傲慢な行為の数々」を、もう一度思い出そう、あの責任を今こそ取らせようではないか、と有権者に訴えているのだ。そのメインのタイトルが、「民、侮るなかれ」「有権者をなめるな!」である。

 「一点だけのぞき」澤藤氏同様、東京新聞のこうしたスタンスは大いに評価したいと思います。
 一点と言うのは「参院定数増」はむしろ「自公の思惑が何でアレ」、国民の声をより反映する行為として評価すべき事ではないのか、これについては批判する東京の方がおかしいということです。まあそれ以外の「統計データ捏造疑惑」「モリカケ疑惑」「度重なる暴言」などは批判するほかない愚行ですが。


スーチー幻想を省みる | ちきゅう座

 (ボーガス注:ミャンマー国家顧問兼外相)スーチー氏はこの6月欧州を外遊しました。その際彼女はあろうことか(ボーガス注:ドイツ首相)メルケルや(ボーガス注:フランス大統領)マクロンといった指導者ではなく、EUの(中略)超問題児の一人とされる、極右人種差別主義者で、難民排斥の急先鋒であるハンガリーのヴィクトル・オルバン首相と会い、共同声明まで発表したのです。その声明で両者は反イスラム感情を共有し、ミャンマーにはありもしない事実、つまり「たえず増加しているイスラム教徒の人口に関連して、移民は両国が直面する最大の課題の1つである」としたのです。これにはかつてスーチー氏を支援した西側の世論も、驚きやショックを跳びこしてあきれ果て幻滅するしかありませんでした。この人はどこまで墜ちれば、気が済むのだろうか、という訳です。
 ここではスーチー神話の正体というか、スーチー神話が生まれた条件を簡単におさらいして、今後の教訓にしていきたいと思います。
<スーチー幻想の生まれた条件>
 スーチー幻想や崇拝感情の生まれた背景にはいろいろの側面があります。国内的にみれば、軍部独裁によって強化された、植民地支配の後遺症としての民衆側の受動的従属的意識(王様を欲しがるかえるたち!)であり、また上座部仏教特有の聖人崇拝の精神的伝統があります。
 また当のスーチー氏の側にも、国父の娘たる自負と政治的社会的経験の欠如や未熟さからくる自己万能意識―自分は何でも最適な評価と判断ができるという思い込みーがあったでしょう。集団的な知恵よりも自己決定の方に重きを置き、上から目線で党員たちや支持者に教訓を垂れるという説教スタイルは、一貫して変わりません。それは国民の圧倒的支持を自分への全権委任と取り違える非民主的な体質となって固まっています。かくしてソフトな独裁者という雰囲気を漂わせることにもなります。
 国際的な要因も無視できませんし、これには西側世論にも一斑の責任があります。ノーベル平和賞を始めとするあらゆる人権と民主主義関係の名誉賞を、決起し血みどろで闘ったミャンマー国民全体への贈り物とせず、スーチー氏個人の卓越した道徳性精神性への賞賛に変えてしまい、結果として個人崇拝感情を助長してしまったことです。朝日新聞には悪いですが、悪しき一例としてあげておきます。朝日はNLD政権成立後の一時期「アウンサンスーチーの軌跡」というタイトルで連載記事を組んでいました。スーチー氏の行動を軸にして、ミャンマー民主化に向かう情勢を追っかけるという視点でした。しかしロヒンギャ問題や言論の自由弾圧事件など民主主義に逆行する動きが顕在化しだしたため、スーチー氏の英雄物語風な特集は途中でとん挫せざるをえませんでした。
 今後スーチー氏の実像が明らかになってくるでしょうが、1988年動乱の際も、そもそもスーチー氏には自由の女神として民衆を先導する役割を演じる積りはなく、むしろ怒れる民衆と軍部との調停者として振る舞う積りだったという説もあります。愚かな軍部が見境のない残忍な弾圧を加え、1990年選挙のNLD勝利を認めなかったために、民衆の側にスーチー氏はやむなく立ち位置を移動したというのが真実かもしれません。そう解釈すると、NLDが合法化してからスーチー氏が軍部との融和に熱心だった行動も不自然ではありません。以前述べたように、たしかに(ボーガス注:アウンサンの娘)スーチー氏には国軍は不倶戴天の敵ではなく、自分たち創業家のなかの一員であり、国づくりファミリーの一員であるという意識が強いのです。
 いずれにせよ、いま述べた諸々のファクターの相乗効果によって生まれたのが、スーチー氏への共同幻想だったのです。なるほどスーチー氏が自宅軟禁され、ミャンマー民主化運動が息も絶え絶えだったときには、スーチー神話もプラスに働きました。彼女の知名度のおかげでミャンマーは国際世論から注目され続けられたのです。しかし同じ神話が状況の変化に伴い機能変化を起こし、運動の発展にマイナスの効果を及ぼすようになったのです。

 特にコメントなしで紹介だけしておきます。


リベラル21 1970年代に社会主義への道を批判した市井人(1)
リベラル21 1970年代に社会主義への道を批判した市井人(2)
リベラル21 1970年代に社会主義への道を批判した市井人(3)

リベラル21 1970年代に社会主義への道を批判した市井人(1)
 畏友中村隆承(Lと略記)は、1983年に49歳の若さで世を去った。
 1976年Lに癌がみつかり、2度の手術の後、余命いくばくもないと知ったとき、彼は気力を振り絞ってみずからの思想を書き残した。遺稿は『中村隆承遺稿集』として、1984年夫人の手により自費出版された。
 内容は、東欧とソ連解体のはるか以前、ソルジェニーツィンやサハロフに対する弾圧が行われた1970年代の思考である。考察に必要な資料は少なく、しかもLは学者でなく市井の人であったから、その内容はときに断片的であり、また過度に断定的であり、今となっては常識となった部分もないわけではない。
 今年は中国の天安門事件、東欧の民主主義革命から30年である。私はこれを機にLが生きた証を世に問いたいと願い、彼の遺稿からいくつかのテーマを選ぶことにした。数篇に分けて述べるつもりであるが、まず社会主義理論に関する部分を要約、紹介する。

 いつもながら「やれやれ」ですね。個人ブログに阿部がこういうことを書くのは何ら問題ない。
 こんな「私的な話」をリベラル21が掲載する理由はなんなのか、つう話です。中村某氏を阿部のようにリベラル21が「偉大な思想家、活動家」として評価してるのか。もちろんそうではないでしょう。阿部など「常連寄稿者」と「締まりのないズブズブの関係」だから、ほとんど何でもノーチェックで掲載される、それだけの話です。
 とはいえ、後で紹介する広原氏などはさすがに「護憲・軍縮・共生」がリベラル21の建前なのでそこから大きく外した記事はかかないのに、阿部にはそうした常識が全く皆無の訳です。


リベラル21 参院選序盤の選挙情勢をどう見る

 予想外だったのは1人区での野党共闘の不振ぶりだ。

全く成果がないわけではないのですが当初期待されたほどではないというのは残念ながら事実のようですが、まあ、野党共闘の方向性を進めていくほかはないでしょう。

 もっと早くから野党共闘体制を確立し、候補者を決定して選挙運動を始めるべきであったが、野党第一党の枝野立憲民主代表が最後まで踏み切らずこのような事態を招いたことは誠に残念

 最大の問題点はやはり「俺たちは最大野党だ」と居丈高になってる枝野ら立民でしょう。立民の自己中心主義には怒りを禁じ得ません。

 根本的な問題は、安倍政権の政策に賛成はしないが自民に投票するとする支持層が多数存在するという現実だ。朝日新聞によると、年金だけでは「2千万円不足」という問題に関しては、麻生金融担当相が報告書の受け取りを拒んだ対応について「納得できない」62%、「納得できる」16%と大差がついているにもかかわらず、納得できない層の比例区投票先は自民40%に達し、立民24%を大きく引き離している。また、消費税増税に「反対」する人の比例区投票先も自民40%、立民21%とこれも変わらない。

 意味が分からないですね。どういう脳みそをしているのか。「消費税増税反対」なら自民ではなく野党に投票するしかないでしょうに。

 私はその背景に、政策で政党を選択するという近代政治の基本が国民の間に充分に浸透していないことがあるのではないかと疑っている。

 つまり小生も別記事で書きましたが「就職で議員の先生に世話になった」などという政策と全く関係ない投票者が多いのでしょう。

 野党共闘の不振に関しても、これまで金科玉条の如く「自共対決」を掲げて野党共闘を拒んできた共産に責任がないとはいえないだろう。

 それは言いがかりというもんでしょう。共産党はむしろ「野党共闘を呼びかけても民主党が応じない」がゆえに「自共対決」を掲げてきたとみるべきでしょうにねえ。「民主党が積極的に野党共闘を呼びかけてきた」のを共産党が突っぱねたわけでは全くない。
 なお、「都知事選での浅野候補擁立時」のように政策協定も結ばないのに「共産候補を下ろすことを、共産に一方的に要求する行為」は共闘ではなく単に無礼なだけです。
 これは決して共産支持者の俺の身びいきではないと思います。
 つうかその理屈だと「希望の党騒動」で前原らが野党共闘をぶっ壊したのも共産のせいなのか。冗談じゃありません。
 野党共闘の不振は
1)民主党政権時代、「消費税増税反対」「沖縄基地県外移設」などの公約を公然と反故にした民主党(下野後の今「消費税増税反対」などと言っても説得力に欠ける)
2)希望の党騒動などという醜態をさらした民進党
つまりは旧民主、民進党にこそもっぱらあるとみるべきでしょう。

*1:勿論俺はああした家族会の態度は最悪だと思っています。

*2:邦訳は集英社文庫

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年7/9分:高英起の巻)

「秘密の話はiPhoneで」北朝鮮国内で広がる新常識(高英起) - 個人 - Yahoo!ニュース
 勿論、高は「(携帯でない、盗聴が容易な)有線電話を盗聴する金正恩政権は反民主的」云々という悪口をしてるわけですが、高の記事が事実だとして、「一部の金持ち層だけではある」のでしょうが今や北朝鮮にもiPhoneが普及してきたわけです。救う会の言う「北朝鮮崩壊」など当面ありそうにもありません。


人体を跡形もなく消し去り…金正恩氏の「公開処刑」ノウハウ(高英起) - 個人 - Yahoo!ニュース

 金正恩氏による処刑にはもうひとつ、大口径の高射銃*1を使い、人間をミンチにして殺すという特徴もある。
 高射銃を使ったのは、金正恩氏が初めてだ。従来の銃殺はカラシニコフAK47自動小銃*2で行われていたのだが、それでも人体はズタズタになる。高射銃を使って人体を跡形もなく消し去れるという「独創性」は、金正恩氏の残忍な人間性の本質を物語って余りある。

 こんな「全く裏のとれない怪しい話」をよくもまあ「間違いのない確定的事実」であるかのように垂れ流せるもんだといつもながら高には心底呆れます。

*1:飛行機を撃ち落とすための銃であり、普通に考えて人間に使うとはとても思えません。ぶっちゃけ弾丸の無駄遣いでしょう。

*2:勿論こちらは人間殺傷用の銃ですので処刑に使われても不思議ではないでしょう。

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年7/9分:島田洋一の巻)

島田洋一
 自由民主体制をファシズム勢力の侵略から防ぐのは文明社会の責務だ。
米が台湾へ最大規模の武器売却決定 中国が強く反発 | NHKニュース
 アメリ国務省は8日、装備の近代化を進める台湾の蔡英文政権の求めに応じる形で、戦車108両や地対空ミサイル250基など、トランプ政権として最大規模となる合わせて22億ドル余り、日本円にしておよそ2400億円の武器を売却することを決め、議会に通知しました。
 これについて中国外務省の耿爽報道官は9日の記者会見で「中国の内政に対する乱暴な干渉で、中国の主権と安全保障上の利益を損ねるものであり、強い不満を表明し断固として反対する」と述べ、強く反発しました。

 前も書きましたが「なんちゃって国際政治学者」島田の「ファシズム定義」ってなんでしょうか?
 ファシズムというのは通説では「反共主義」が重要な特徴ですので当然ながら中国共産党は通説では「ファシズム」ではありえません。
 そして中国共産党ファシズムなら「ソ連、東欧」「ベトナム」「ラオス」「キューバ」「北朝鮮」の共産党ファシズムなのか、そうでないのか。あるいは中国共産党が「ファシズム」だとしてそれは「誕生当初からそうなのか」「あるいは国家権力を握った建国時からそうなのか」。
 これらの質問について島田にまともな説明が出来るとはとても思えません。島田にとって「ファシズム」とは「バカ」「クズ」などの悪口雑言でしかないんじゃないか。
 しかし蔡英文も呆れたバカですね。「重要な商売相手国のはずの」中国との対立を深めて一体どうするのか。
 「韓国に無法なケンカを売ってる安倍」なみのバカと言っていいでしょう。民進党には早く下野してほしいもんです。

島田洋一
 メディアにリークの形でもよいから、韓国の対北「制裁破り」の情報をつかんでいるなら公表すべきだ。

 やれやれですね。例の「フッ化水素などの輸出規制」について、当初「徴用工判決ガー」といっていたものの「それでは法制度の趣旨と全く関係ないので、韓国にWTO提訴されたら確実に負ける」と誰かに言われて「制裁破り云々」と思わせぶりなことを言い出しただけでしょうに。もちろん根拠レスのデマでしょう。当然ながらこんなデマをほざいたところで韓国にWTO提訴されれば証明できずに敗訴でしょう。
 小生が別の記事新刊紹介:「前衛」8月号 - bogus-simotukareのブログで紹介した安倍のデマ

東京新聞:<ファクトチェック 安倍政治の6年半>(1)憲法 要件緩和、教育充実… 変わる改憲項目:政治(TOKYO Web)
 自衛官の子どもが「お父さん、憲法違反なの」と涙ながらに尋ねたというエピソード。

と話は全く同じです。そんなことは島田も分かってるだろうに良くも言ったもんです。
 しかし安倍も「自衛官の子ども」だの「制裁破り」だのと公然とモロバレのデマを飛ばして恥じないとは「日本史上最低の首相」といっていいでしょう。
 これが6年の長期政権だというのだから日本も落ちぶれたもんです。日本人として心底恥ずかしい。