今日の中国関係ニュースほか(9/1分)(追記・訂正あり)

 中国ネタを中心にいろいろ書いていくことにします。
■産経『陳水扁*1が政治活動再開なら中台関係変化』
https://www.sankei.com/world/news/180905/wor1809050002-n1.html
 少なくとも建前では「病気療養」を理由に仮釈放ですから、政治活動なんぞしたら「病気つうのは嘘か!。ふざけんな!」「陳の仮釈放を取り消し収監すべきではないか」つう国内外の批判は避けられないでしょうね。今回のインタビューだって相当に問題でしょう。
 有罪判決にしてもえん罪ではないし、もはや陳に政治活動の余地なんかないでしょう。政治活動してもほとんど影響力はないでしょうね。

 民主進歩党内で陳氏をライバル視する蔡英文*2総統は、中南部貧困層の間で高い人気を誇る陳氏が表舞台に出ることを警戒し、恩赦手続きをしなかった。

 というより「お手盛りだ」「お仲間なら犯罪者をお目こぼしするのが民進党か」などの批判を恐れただけでしょう。そんな思いをして恩赦したところで、「陳にもはやたいした政治力がない」つう意味でも、「陳は蔡に好意的ではない」つう意味でも、蔡にとって、何かメリットがあるわけでもない。
 陳の有罪がえん罪だなんて抜かしてるのは一部の陳支持者に過ぎませんし。
 「ロッキード田中角栄元首相を恩赦なんかしたらどうなるか」つうのと同じ話でしょう。
 もはや陳なんぞ蔡英文にとって恐れるような存在じゃないでしょう。つうか一時は「蔡英文万歳」だった産経も蔡が「馬前総統よりは反中国」でも、「産経ほどには反中国じゃない」ため、終わった人間「陳水扁」を「蔡に代わる反中国指導者」として持ち上げてるのには苦笑させられます。


■産経『「台湾存続、中国圧力で危機」 台湾の陳水扁元総統に独占インタビュー 10年ぶりメディアに』
https://www.sankei.com/world/news/180905/wor1809050003-n1.html
 実に産経らしい。陳水扁なんて汚職で起訴されて有罪判決が下ってからは完全に過去の人でしょう。民進党ですら奴の有罪について「国民党政権の国策捜査、えん罪、濡れ衣」とはいえないわけです。
 だからこそ産経以外は陳に取材などせず「10年ぶりメディア」になるわけです。一方陳もそんな状態で「産経じゃ嫌だ」とえり好みしてられる立場でもない。

 最近、台湾と外交関係のある国が次々と中国に奪われていることについて、陳氏は「国際社会における台湾の存在感を抹殺することが目的だ。台湾を併合することへの準備であり、いつ武力行使があってもおかしくない」と分析した。

 「デマも大概にしろ」ですね。武力併呑なんぞできないからこそ「台湾との国交断絶、中国との国交樹立」といった「武力以外の方法」で締め付けるわけです。

 蔡政権に対し「住民投票を推進すべきだ」と提言した。「中国の一部になりたくない」という台湾の民意を数字ではっきりと示し、国際社会に理解される努力をする必要があると主張した。

 それをすると中国の締め付けはもっときつくなるでしょうね。中台間の緊張を望まない欧米などからも「そういうことはすべきでない」というダメ出しが入ってるんじゃないか。

 日台関係については「安倍晋三政権は歴代自民党政権でも最も台湾に友好的だ。とても感謝している」と語る

 インタビュアーが産経だからという面も大きいでしょうが、なんでここまで安倍にへいこらしますかね。「靖国極右」安倍にへいこらすればするほど、俺のような安倍批判派からは距離を置かれるのですが、まあ常識がないんでしょうね。

 陳氏は一方で、馬英九(ば・えいきゅう)前政権について「ほぼ無条件に門戸を開いたため、中国の台湾に対する侵食を加速させる原因をつくった」と厳しく批判。2015年にシンガポールで行われた中国の習近平国家主席と馬氏との会談について、「馬氏個人のパフォーマンスだ。台湾にとって何の良いこともなかった」と一蹴した。

 いやいやむしろ馬氏のような態度で中台経済交流をすすめることの方が現実的でしょうよ。

 自身に対する汚職などの容疑については「理不尽な理由で投獄されたのは大変つらいが、台湾の民主化のために背負わなければならない十字架だ」と語った。

 「未だにそんなこと言ってるのかよ?。光州事件金大中有罪なんぞと違って、お前の有罪はえん罪じゃないし、お前に関係なく民進党は政権奪取したやないか?」ですね。


日経ビジネスオンライン『中国・一帯一路の挫折と日中関係福島香織*3
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/090400171/?P=1
 この福島の文章の「何がすごい」って「安倍が5月の李首相訪日で、李首相相手に一帯一路支持を明確に表明したこと」について何一つ触れないあたりがすごすぎます。まあ「酷い」という意味ですごいわけですが。
 「日中関係と一帯一路」を論じるなら「安倍の一帯一路支持表明をどう考えるか」は論じることが不可避の問題でしょうに。
 「一帯一路は挫折した」という福島の立場なら安倍批判しないとおかしいでしょうが、結局安倍批判したくないんでしょう。「安倍万歳メディアを主要な活動場所にした安倍万歳芸人・福島の悲哀」といっていいでしょう。
 一方で「マレーシアの鉄道建設ガー」「一帯一路は挫折したー」と言い出す福島です。何も「一帯一路イコールマレーシアの鉄道建設」ではないし、鉄道建設を中止したとは言え、それは一帯一路の否定ではない。マハティールはあくまでも「鉄道建設は負債を増やすだけでペイしない可能性が高い」からという経済的理由で中止したに過ぎず「中国との友好関係はかわらない」「一帯一路を否定してはいない(一帯一路だろうが何だろうが経済的に問題があるプロジェクトは実施できないだけ)」としています。
 大体「安倍が5月に訪日した李首相に一帯一路参加を表明し」、つい先日は「アフリカの首脳が大挙して訪中し、一帯一路支持を表明した」のに「挫折云々」て何バカなこと言ってるんだって話です。

安倍晋三が日中平和友好条約締結日40周年の10月23日を軸に訪中を調整中であり、その地ならしに8月末に北京で財務相対話が開催され、2013年に失効していた日中通貨スワップ協定の再開に大枠合意している。
 一帯一路が行き詰まり、米中貿易摩擦に苦しみ、その影響で人民元が急落する中で、日本円とのスワップは、中国をかなり勇気づけるものにはなろう。

 id:Bill_McCrearyさんがコメント欄で書いたように、福島は「日中関係の改善」には全く触れないで逃げ続けるのかなと思っていたので意外です。
 とはいえ「日中通貨スワップでメリットがあるのは中国だけ、日本に中国が泣きついてきたからつきあってやった」と描き出すのはさすがの「反中国」福島です。もちろんほめてません。
 小生も経済音痴なので、このあたり「通貨スワップには日本にこうしたメリットがある」と反論ができず恐縮ですが、普通に考えて「中国にしかメリットがない」なんてことはないでしょう。そして「一帯一路は挫折したー」と言いたいがために結局最後まで「安倍の一帯一路支持表明」には福島は触れないで逃げ続けます。
 あるいは一帯一路に限らず

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30259240Z00C18A5EE8000/
■日経『日本米、中国輸出拡大へ精米施設拡充 日中合意』
 日中両政府は9日、日本産の精米の中国向け輸出に必要な処理施設を増やすことで合意した。北海道と兵庫県の精米工場を追加するほか、害虫をいぶして駆除する倉庫を5カ所加える。国内のコメの消費が落ち込むなか、巨大市場への輸出拡大に追い風となる。

などという「日本に明らかにメリットがある話」「どうこじつけても日本にメリットがない、中国が泣きついてきたとは言えない話」に触れることからも逃げるわけです。

 時期同じくして、外務次官の訪中、日中与党交流協議会の北京での開催と、日中政治交流が続き、9月末には「一帯一路」をめぐる日中官民合同委員会の初会合を北京で開催する。第三国で日中両国企業がともに参加できる一帯一路インフラ案件の整備を進めていると報道されており、具体的には一帯一路の一環であるタイ鉄道計画や、日本が主導する西アフリカに4000キロの道路を建設する「成長の環」計画に中国を参与させることなどが、検討されているようだ。
 一帯一路への参加を日本が表明することになれば、地に落ちた一帯一路の評判も、持ち直すかもしれないし、中国はそう期待していると思われる。

 「評判が地に落ちてないからこそ、日本は参加するのだ」と考えるのが普通の考えでしょう。福島の「とにかく一帯一路を否定する」つう態度には心底呆れます。もはやジャーナリストと言うより反中国右翼活動家です。日経ビジネスもこんな駄文をよくも載せるもんです。

 さて、安倍政権が一帯一路に対して本音ではどのようにアプローチしていくつもりかは、私にはわからない。安倍訪中に同行する経済界訪中団の規模は240人規模に上り、関係者から「一帯一路で、大きなチャンスが日本企業にもたらされる」といった発言を聞くと、本気かと問い直したくなる。

 いやどう考えても「日本財界が一帯一路で儲けたいつうから一帯一路に参加しよう」つうのが安倍の態度でしょう。

・安倍訪中に同行する経済界訪中団の規模は240人規模に上る見込み
・訪中関係者*4から「一帯一路で、大きなチャンスが日本企業にもたらされる」といった発言を聞いた

と福島は書きながら、何で「私には安倍首相の一帯一路に対する考えがわからない」なのか。これが安倍でなくたとえば「産経などウヨが嫌ってる」福田康夫*5首相や菅*6首相なら福島はこんなこと言ってないでしょう。たぶん非難してる。
 「安倍総理は我々反中国ウヨの期待の星だ。安倍総理なら中国と全面対決してくれる。AIIBだの一帯一路だのに参加するわけがない」つうウヨ連中と「親密交際しズブズブになった」がゆえに福島は素直に「安倍総理は一帯一路支持です」と認められないだけのくだらない話です。繰り返しますがもはや福島はジャーナリストじゃないですね。「いつ倒産してもおかしくない産経なんぞいつまでもいる会社じゃない、私なら独立してもやってけるはずだ」とフリーになって「定期収入がなくなったが故に」予想に反しかえって食い詰めて、こうした道に転落したように見えます。まあ、自らの能力への過信つうことですが。
 産経を辞めるにせよ「フリーではなく」読売や日経といった他社にでも移籍すればもう少しまともになったんでしょうか?

 一帯一路の本質が「偉大なる中華民族の復興」という中華覇権を目的としたものだと考えると、たとえビジネス利益が見いだせても、この戦略の成功に日本として手助けしてよいものかどうか、という気にもなる。

 反中国・福島ですら「ビジネスチャンスなんかねえ」といえないのが滑稽です。
 まあ一帯一路参加国の多くは「中華覇権なんて中国は狙ってないし、そんなことは一帯一路程度でできるもんでもない」「もちろん中国は一帯一路によって自国の利益最大化を狙ってるだろうし、それは場合によっては我が国の利益に反すること、抵触することもあるかもしれないが、それよりも不参加で失われる利益の方が大きい」と思って参加してるのでしょうね。

 安倍が提唱した「自由で開かれたインド太平洋戦略」は米国、インド、オーストラリアなどともに一帯一路に対抗する中国包囲網戦略と見ていたが、安倍は一帯一路とインド太平洋戦略を連携させるとも発言している。この真意はどこに。
 単に、保守政治家のイデオロギーよりも財界の要望を重視しただけなのか。米中対立が先鋭化する中で、日本が独自の存在感や外交を模索しているということなのか。あるいはもっと深い目論見があるのか。様々な予測を念頭に、秋の訪中の行方を注目していこう。

単に、保守政治家のイデオロギーよりも財界の要望を重視しただけ

でしょうねえ。安倍にそんな深い考えなどないでしょう。
 というかこれが安倍でなくたとえば福田康夫首相や菅首相なら福島はこんなこと言ってないでしょう。たぶん、ただただ非難してる。
 福島だって内心じゃ「安倍には我々凡人には思いもよらない深い考えがあるのだ、一帯一路参加したからインド太平洋戦略(中国封じ込め)が事実上放棄されたとみるのは時期尚早です」なんて少しも思ってない。
 しかし福島も「いつになったらあんた安倍の一帯一路に対する態度に触れるの?。自称中国ウオッチャーがいつまで逃げてるの?」という批判の声を無視できなくなったのでしょうが結局、「日本の一帯一路参加はまだ本格化してないし、成り行きに注目したい。安倍総理は一方ではインド太平洋戦略を提唱してるし、AIIBには参加してないし」と言葉を濁して逃げるわけです。まあ「今後参加が本格化すればするほど」福島は言葉に詰まるでしょうが。福島らウヨが次に恐れてるのは「米国のAIIB参加表明」そして「日本のAIIB参加表明」でしょう。
 福島らにとっては「頼むからAIIB参加辞めてくれ」でしょうね。もちろん「参加するかどうかはわかりませんが」参加しない保証はないわけです。日本財界は明らかに参加を希望してるでしょうし。


■中国のアフリカ外交
 以前、『「今、アフリカビジネスが熱い」らしい(追記・訂正あり)』
http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20180726/1064208022でも触れましたがその続きです。

https://digital.asahi.com/articles/ASL9352X0L93UHBI017.html
■朝日『中国、アフリカ支援6.6兆円表明 日本や欧米は警戒感』
 習氏はアフリカへの支援として無償援助150億ドルを含む総額600億ドル(約6兆6500億円)の拠出を表明。これまでの借款を18年末までに償還できない一部の国に対し、債務を免除する方針も示した。
 今後3年間で重点的に取り組む「8大行動」も発表し、500人の農業専門家の派遣や50項目の環境保護政策などを打ち出した。
 さらに習氏は安全保障面にも支援を広げていく考えを表明した。「銃声なきアフリカ」の実現を目指すとし、アフリカ諸国が安保上の課題を自主的に解決するために「治安維持能力の向上を支援する」と語った。中国軍事筋は「今後は共同訓練なども視野に入る」としている。

https://www.sankei.com/world/news/180903/wor1809030025-n1.html
■産経『中国、アフリカに6兆円超 巨額支援で「運命共同体」 米国をけん制』
 中国とアフリカ各国が参加する「中国アフリカ協力フォーラム」首脳会合が3日、北京の人民大会堂で始まった。習近平国家主席が開幕式で演説し、アフリカとの「運命共同体」を構築し、アフリカの経済発展のため総額600億ドル(約6兆6600億円)規模を拠出すると表明した。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34772300Q8A830C1EA4000/
■日経『中国、アフリカ囲い込み 3日から北京で首脳会議:「一帯一路」拡大狙う』
 中国のアフリカに対する熱の入れようがすさまじい。3〜4日に北京で開く「中国アフリカ協力フォーラム」の首脳会議は、その象徴的なイベントとなる。
 会議には、50以上の国から首脳級の代表団が参加する。議長を務める習近平*7(シー・ジンピン)国家主席は開幕4日前の8月30日から、分刻みのスケジュールで首脳らとの個別会談をこなしている。
 3年に1度の中国アフリカ協力フォーラムは2000年に始まった。中国は当初、日本が1993年に始めた「アフリカ開発会議」を意識していたとされる。しかし、その存在感と影響力はいまや本家(?)の日本をはるかにしのぐ。
 原動力は年々深まる経済のつながりだ。中国側の説明によると、2017年の中国からアフリカへの直接投資額は31億ドル(約3500億円)。03年のほぼ40倍で、間接的な投資も含めれば残高は1千億ドルを超す。17年の貿易額は1700億ドルに達し、アフリカにとって中国は9年連続で最大の貿易相手国だ。
 「中国企業はアフリカで道路や港湾、発電所などの建設に携わり、90万人の雇用を生み出している」。
 中国商務省の銭克明次官は8月末の記者会見で、中国がアフリカの発展にどれだけ貢献してきたかを力説した。今回の首脳会議でも、中国は一帯一路にからめて巨額のインフラ建設を提案する見通しだ。
 アフリカからみれば、民主主義や人権に目くじらを立てない中国の支援は魅力的に映る。今年5月、西アフリカのブルキナファソは台湾と断交し、中国と国交を結んだ。アフリカで台湾と外交関係を保つ国はいまやエスワティニ(旧スワジランド)だけだ。中国はエスワティニにも外交攻勢をかけ、台湾との関係を完全に断ち切ろうと動く。

http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/180831/cpd1808310500003-n1.htm
フジサンケイビジネスアイ『アフリカ4カ国大統領が相次ぎ訪中へ』
 中国外務省ウェブサイトによると、同省の陸慷報道官はこのほど、アフリカ4カ国の大統領が訪中することを明らかにした。コートジボワールのワタラ大統領、シエラレオネのビオ大統領、ボツワナのマシシ大統領、ブルキナファソカボレ大統領が中国の習近平国家主席の招きに応じ、中国・アフリカ協力フォーラム北京首脳会議への出席と組み合わせて、9月7日まで相次いで国賓として中国を訪問する。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3484085031082018FF8000/
■日経『「『一帯一路』に協力」ジブチ外相』
 ジブチのマハムド・アリ・ユスフ外相は31日、都内で日本経済新聞の取材に応じ、中国政府が進める経済圏構想「一帯一路」について「歓迎し、協力する」と述べた。

http://j.people.com.cn/n3/2018/0830/c94474-9495699.html
■人民日報『「一帯一路」構想はアフリカ諸国に大きなメリットをもたらす』
 「一帯一路」国際協力サミットフォーラムでは、ケニアエチオピア両政府が中国政府と経済・貿易協力協定に調印した。インフラ融資協力協定、内陸コンテナヤード事業融資協定、エネルギー分野協力覚書といった文書の1つ1つが、手を携えて発展する中国とアフリカの決意を示している。
 今年5月にケニアがアフリカで6番目にアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加した。先日、中国はセネガルルワンダと「一帯一路」共同建設覚書に調印し、モーリシャスと「一帯一路」協定の早期調印について合意した。

http://j.people.com.cn/n3/2018/0831/c94474-9496040.html
■人民日報『習近平主席「シエラレオネとのパートナーシップを前進」』
習近平国家主席は30日、シエラレオネのビオ大統領と人民大会堂で会談した。
・習主席はビオ大統領による中国アフリカ協力フォーラム北京サミット出席と中国公式訪問を歓迎。
・ビオ大統領は「中国は長年シエラレオネの経済・社会発展に貴重な手助けをしてきた。とりわけ、われわれがエボラ出血熱の感染に立ち向かっていた最も困難な時期に、他に先駆けて救援に駆けつけたのが中国の政府と国民であったことを、シエラレオネ国民は忘れない。シエラレオネは中国の発展経験を学び、参考にし、両国関係を緊密化し、『一帯一路』共同建設に積極的に参加し、教育・漁業・衛生・インフラ分野の協力を深めたい。アフリカ諸国の正当な利益を守るため、多国間問題で中国側との意思疎通と協調を強化すべく尽力する」と表明した。

http://j.people.com.cn/n3/2018/0831/c94474-9496028.html
■人民日報『習近平主席「コートジボワールとの関係を一段と高い水準へ」』
習近平国家主席は30日、コートジボワールのワタラ*8大統領と人民大会堂で会談した。両国首脳は中国とコートジボワールの関係を一段と高い水準へ押し上げ、互恵・ウィンウィンを実現することで一致した。
・習主席はワタラ大統領による中国アフリカ協力フォーラム北京サミット出席と中国公式訪問を歓迎。
・ワタラ大統領は「コートジボワールは習主席の打ち出した重要構想『一帯一路』を完全に支持しており、これに積極的に参加したい。また、『一帯一路』共同建設協力への西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)加盟国*9の共同参加を後押ししたい。中国アフリカ協力フォーラム北京サミットは必ず成功を収め、中国アフリカ協力の歴史的で盛大な会合となると私は信じている」と表明した。


人民日報
習近平主席がエジプトのシーシ*10大統領と会談
http://j.people.com.cn/n3/2018/0902/c94474-9496426.html
習近平主席がガーナのアド*11大統領と会談
http://j.people.com.cn/n3/2018/0902/c94474-9496474.html
習近平主席がラマポーザ南アフリカ大統領と会談
http://j.people.com.cn/n3/2018/0903/c94474-9496808.html


中国国際放送
■習主席、コートジボワールのワタラ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180830/233d6aad-ed5d-7ceb-9343-13a724ec26b6.html
■習主席、シエラレオネのビオ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180830/1b56a8b2-a944-dc99-cdbc-8ccbc070713e.html
■習主席、ソマリア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/d5e06fe7-500f-b952-4f86-bb7a52d91084.html
■習主席、ボツワナ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/fcd351e4-97a9-541e-e2be-d6f76b0ffc72.html
■習主席、カメルーン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/23d2702a-8270-f094-500f-1f1eb6c05931.html
■汪*12政協主席、カメルーン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/a7716681-8bac-f251-9d6d-f7becc9e8ef5.html
■習主席、ニジェール大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/a1f96a3d-2ea4-6a18-cd01-ed9a6a9135a8.html
■習主席、南スーダン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/d56e5c35-ee9a-3ebe-2692-7be028ec134a.html
■王副主席、南スーダン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/83f5a7e6-ad18-136d-7ee6-865cdcaedca8.html
■習主席、マリ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/a90aaf02-d270-ee25-b252-b9fe4616aae0.html
■習主席、ブルキナファソ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/33daed25-6e0c-d5cf-1f35-b2c49b909816.html
■習主席、ギニア大統領と会談
http://japanese.china.com/news/china/politics/317/20180901/1367731.html
■習主席、リベリア大統領およびマラウイ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180901/18456801-20a5-bb61-f5e3-5ef67e012f58.html
■習主席、ガーナ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180901/83a5f09d-8c3b-2a2d-958c-acb4d78ce74f.html
■習主席、モザンビーク大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180901/4bfd9641-cab5-2fe7-d110-39ac579fb954.html
■習主席、ザンビア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180901/d31c6b2f-25a8-2f44-b5be-f986aaa41345.html
■習主席、ガボン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180901/22ee61df-85ed-79b7-6984-e1e448bc800b.html
■習主席、コモロ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180901/ae689e1f-67ff-7246-d658-3c54430e71fb.html
■習主席、赤道ギニア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180902/c33e1a1b-4f1a-9f36-8b89-52d3f5eefa09.html
■習主席、スーダン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180902/ab0b726d-110a-859d-31a8-dd2e2722da4b.html
■李総理、スーダン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180903/520b4066-3bed-9405-db8b-12c6faca71e7.html
■習主席、セネガル大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180902/888ffcb1-96ed-939a-92bf-1e24459be368.html
■習主席、モーリタニア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180902/4c022b5f-165e-b853-7870-825fe717a1a1.html
■習主席、アンゴラ大統領とエチオピア首相(ボーガス注:およびジブチ大統領)と会談
http://japanese.cri.cn/20180902/d4652751-aef8-a67c-d6db-95b8809d8d78.html
■李総理、エチオピアの首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180903/515f8d04-b3ac-9568-6976-6635d75cb79b.html
■習主席、南アフリカ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180902/de2e26de-fde1-2950-afff-faa18765df24.html
■習主席、ケニア大統領・ルワンダ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180904/236aa290-17c6-40f9-757a-82a443e29b84.html
 ケニアの大統領がケニヤッタというので「初代大統領の親族?」と思ってウィキペディアを見たら「初代の息子」だそうです。
■習主席、ナイジェリア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/e7beee4d-9a43-c1a6-fc91-9d9ec81dd58c.html
■李総理、ナイジェリア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/2c4851ca-8060-8978-a39f-98218c2fd91b.html
■習主席、マダガスカル大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/3c46d465-2186-ea09-5bed-dbbf82366ee8.html
■習主席、チャド大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/726cf4b4-f76e-8915-578c-a1102435e77d.html
■習主席、コンゴ共和国大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/28417d57-a08d-f300-59b3-89e71d7aa663.html
■習主席、ギニアビサウ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/6f4067f3-7561-1ada-ce95-3c1e540cb045.html
■習主席、サントメ・プリンシペ首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/f6c32115-a905-c017-9b6a-cb364ba78fd0.html
■習主席、ジンバブエ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/c4fd1029-4aa6-1004-604f-b2cf8c5e5557.html
■習主席、チュニジア首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/5d948ed9-e3df-f936-a1bc-f60199a5779e.html
■習主席、アルジェリア首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/617f655c-394a-9147-9037-7bbc2044bcc3.html
習近平主席、モロッコ首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/2f14c05a-9737-2a82-c299-9e90efe44351.html
■習主席、カーボベルデ首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/f358b25b-94db-4fc3-290e-5cc5c8d530ff.html
■習主席、中央アフリカ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/117c4e0e-2f42-5f18-9dc6-646276d589de.html
■習主席、ウガンダ大統領と会談=北京
http://japanese.cri.cn/20180906/eb419b03-5fbd-ac00-e1dd-3e231d79c00c.html
■習主席、ブルンジの第二副大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/b80fe15b-fcea-54c0-1859-ff57b2f7c4d6.html
■習主席、ガンビア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/7a0d73ed-4473-bad1-f011-21452d049e29.html
■習主席、トーゴ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/4beeda81-9120-d6bb-d088-1cc98bc82935.html
■習主席、レソト首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/41758e92-5f22-50f3-3a5e-5c4b2e6ead10.html
■習主席、コンゴ民主共和国首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/a34065fc-d169-5ffe-ecd0-296135983718.html
■習主席、タンザニア首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/aa821312-8ced-e827-3f2a-a7c8fd8e8b99.html

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34825470R30C18A8EA3000/
■日経『日アフリカ、元首脳が賢人会議 支援に自主性、中国にらむ』
 安倍晋三首相は31日、日本とアフリカ諸国の元首脳らでつくる「アフリカ賢人会議」の初会合を都内で開いた。2019年8月に横浜市で予定するアフリカ開発会議(TICAD)に向け、域内で発言力を持つ大統領経験者の意見を聞いて支援策を検討する。アフリカで存在感を高める中国をにらみ、地域の自主性を重んじた支援を目指す。
 賢人会議は森喜朗*13元首相とモザンビークのシサノ*14元大統領が共同議長を務める。アフリカからベナンタンザニア、ナイジェリア、南アフリカ各国の大統領経験者が参加。
 日本側は首相や河野太郎外相が入った。首相は「アフリカの声を踏まえた取り組みが近道だ。TICADを成功に導くための準備を充実させたい」と訴えた。
 念頭に置くのは中国の動きだ。中国は広域経済圏構想「一帯一路」を掲げ、アフリカで多額の資金を投入したインフラ整備を進めている。
 首相は16年のケニアでのTICADで、アフリカで3年間で官民あわせて300億ドル規模の投資をする方針を表明した。日本による港湾工事の受注や、物流企業の進出といった事例も出ており、19年のTICADで新たな支援策を打ち出す。

 「5月に李首相大歓迎、一帯一路参加を表明」「10月に訪中予定」でも、どうしても中国への対抗意識が捨てられないらしい「ちぐはぐな安倍」です。なお、この安倍の動きからは中国だけでなく日本もまたアフリカを「大きなビジネスチャンス」と見なしてることがわかります。


■産経『中国が「新植民地」批判に反論 アフリカ投資に慎重姿勢もバラマキ外交は継続』
http://www.sankei.com/world/news/180905/wor1809050008-n1.html

「アフリカで植民統治をしてきた国が、厚顔無恥にも中国を悪くいっている」。
 ボツワナのマシシ大統領は3日放送された中国国営中央テレビ(CCTV)の単独インタビューで、中国側のいらだちを代弁してみせた。

 まあ「じゃー欧米のアフリカ経済進出は常に温情あふれるものだったのか。中国がアフリカ進出するまでは債務問題などはなかったのか。そんな事実ねえだろ。単にあんたらが中国をライバルとして敵視し、にもかかわらず今は中国に対抗できる経済力がないが故に因縁つけてるだけだろ」「文句があるのなら手前らがアフリカに金出せよ」つう反発は当然アフリカ側から出るでしょうねえ。

 中国の巨大経済圏構想「一帯一路」事業をめぐっては、大型インフラを整備したアジア・アフリカなどの発展途上国が過剰債務を抱える問題が顕在化している。中国主導で全長480キロの鉄道を建設したケニアは、全債務のうち7割を中国が占めるとされる。

 ケニアからすれば「中国から借金してでもやる必要があることがあっただけ、中国から借りられなければ他から借りていただけ」つうでしょうねえ。


■日経『「一帯一路」安倍首相やボルボも使うしたたかさ』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34626440X20C18A8000000/
 「事情はともかく」安倍もボルボも「一帯一路支持」を表明してるわけですからねえ。それを中国が宣伝することは、はたして「したたか」という話なのか。「当たり前の話じゃん」としか思いませんね。


■石平*15のツイート

石平
 経団連の中西会長は「一帯一路」について、「中国は日本に協力を求めている。大きなチャンスが来ている」と言う。

 で当然ながら「チャンスなど来ていない」と経団連会長・中西氏(日立製作所会長)に悪口する「反中国の右翼分子」石ですがそれはさておき。
 石以外の福島香織櫻井よしこ島田洋一など「安倍自民万歳」の反中国ウヨ連中が無視する「不都合な事実」を石はためらいなく指摘しています。
 それは「中西氏のような財界幹部は中国ビジネスを重視しており」、自民党の一大スポンサーであるそうした財界の考えを無視できない安倍は、いかに右翼政治家でも石のような「反中国路線で暴走できない」ということです。だからこそ安倍は5月に訪日した李首相を歓迎したわけです。
 そして最近も「安倍10月訪中の事前調整」のために二階幹事長や秋葉外務事務次官を8月下旬に訪中させたわけです。
 もちろん、中西氏ら財界幹部は最初から石や福島、櫻井や島田のような反中国ウヨの言動など相手にしていません。
 中西氏ら財界幹部は別に「政治的な意味では中国を支持も批判もしていません」。彼らにとって大事なことは中国ビジネスでいかに儲けるかと言うことです。「中国ビジネスで儲ける限り」においては彼らは中国との友好関係構築に努めるわけです。
 もちろん「ノルウェーに霞を食えとは言えない」という名言をはいたid:Mukkeさんは

「『経団連会長・中西氏が役員を務める日立製作所』のような日本経団連傘下企業に『中国ビジネスを諦めろ、霞を食え』とは言えない」
「日立など中国ビジネスに従事する大企業から企業献金を受けてる自民党に『日立などの中国ビジネス重視の考えは無視しろ、安倍首相も10月に訪中するな、二階幹事長や秋葉外務事務次官は安倍訪中の事前調整なんかするな、霞を食え』とは言えない」
「立民、共産、社民、自由などの野党各党も、中国関係では自民党や日立のような事情が多分あるだろうから、『中国ビジネスなど気にせず中国批判しろ、霞を食え』とはいえない」

と言ってくださることと思います(もちろん嫌み、皮肉、悪口のつもり)。
 まあid:Mukkeのバカが「『ノルウェーに霞を食えとは言えない』発言を撤回する」か、「ノルウェーにそういう甘い態度をとる以上、日本政府や日本財界、日本の政党各党にも同じ甘い(?)態度をとると明言する」かすれば俺もこんな嫌みは言いませんが、まあ彼は自分の非を認めたくないからどっちもしないでしょうね。変にプライドが高く「自らの間違いを認められず詭弁をはき続けた」が故に自滅したバカがid:Mukkeです。
 なお、I濱Y子女史(W田大教授)やM谷N子女史(C央大講師)にもこうした状況をどう思うか、「安倍の野郎、許さない」と憤激しているのか、是非お聞きしたいところです。


■産経『安倍晋三首相、対中改善に自信「完全に正常な軌道に戻った」産経単独インタビュー』
https://www.sankei.com/premium/news/180902/prm1809020018-n1.html
 異常な軌道にしていた本人がよくもまあ、どや顔できるもんです。
 「田中角栄*16首相の国交正常化」「宮沢*17首相時代の天皇訪中」などならまだしも何様のつもりなのか。
 しかもこんなことを言っても「AIIBには未だに参加しない」「中国に批判されても靖国玉串料を出し続ける」のだからちぐはぐです。
 それはともかく、産経ももはや「安倍の中国外交」については何も批判的なことは言わないことに決めたようです。島田洋一櫻井よしこらウヨ連中も今後は「安倍の中国外交」については黙りなのでしょう。

 来年度から新たな外国人を受け入れる政府方針については「移民政策ではない」と断言

 各方面から批判があるように「移民政策以外何物でもない」でしょうが「移民反対を唱えるウヨを支持基盤とする安倍」としては「移民受け入れ方針」の事実を絶対に認められないのでしょう。そしてウヨ連中も「安倍以外がやれば」、『移民受け入れ方針には反対だ』といっても安倍がやれば「黙り」のわけです。


■TBS『安倍首相が中国公式訪問、日中間で大筋合意』
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3461186.html
 「多くの人間にとって予想の範囲内ですが」、先日の二階幹事長、秋葉*18外務事務次官訪中は要するにこういうことだったわけです。まあ、安倍も反中国をいつまでも続けてるわけにも行かなくなったと言うことですね。
しかし

 安倍総理が10月に中国を公式訪問することで、日中の間で大筋で合意したことがJNNの取材でわかりました。

て「安倍政権が隠そうとしていたことを暴露した」というよりは安倍側の情報提供じゃないんですかねえ。それは果たして「取材で明らかになった」といえるようなことなのか。


新華社通信『第16回中日科学技術協力委員会、東京で開催』
http://jp.xinhuanet.com/2018-08/27/c_137422306.htm
■外務省『第16回日中科学技術協力委員会の開催(結果)』
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_006349.html
文部科学省林芳正文部科学大臣記者会見録(平成30年8月28日)』
http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1408659.htm
文部科学省『林文部科学大臣の海外出張について』
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/08/1408638.htm
時事通信『29日から訪中=林文科相
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018082800387&g=pol
■人民日報『第10回中日韓文化大臣会合開かれる 黒竜江省ハルビン*19
http://j.people.com.cn/n3/2018/0831/c94473-9496058.html
中国国際放送林芳正大臣が北京外国語大学を訪問』
http://japanese.cri.cn/20180830/4ed5fb40-1012-7c11-438d-71d94643e10e.html
中国国際放送『李総理と安倍首相、中日学生千人交流大会に祝電』
http://japanese.cri.cn/20180829/6d065e02-546f-9d08-d4b9-67fceffa952f.html

http://jp.xinhuanet.com/2018-08/27/c_137422306.htm
 第16回中日科学技術協力委員会が23日、日本の東京で開催された。中国科学技術部の王志剛部長と日本の林芳正文部科学相が出席し、「中華人民共和国科学技術部と日本文部科学省の合同科学研究プラットフォーム共同構築に関する了解覚書」に調印した。
(中略)
 林芳正氏は、今年は日中平和友好条約締結40周年で、両国の友好的な交流は強化され続けており、双方は多年にわたりテクノロジー分野で協力関係を築き、発展させ、合同科学研究プラットフォームの共同構築を推進し、テクノロジーの人的文化交流を絶えず展開してきたとし、日本は中国と共にテクノロジー革新協力に取り組むことを望んでいると述べた。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_006349.html
1
 8月23日,第16回日中科学技術協力委員会が文部科学省において開催され,日本側から林芳正文部科学大臣及び中根猛*20外務省科学技術協力担当大使,山脇良雄文部科学審議官のほか,外務省,文部科学省内閣府経済産業省農林水産省総務省等の関係者が,中国側から王志剛(おう・しごう)科学技術部部長及び葉冬柏(よう・とうはく)国際合作司司長をはじめとする科学技術部,外交部,教育部,工業和信息化部*21,商務部等の関係者が参加しました。
2
 この会合では,日中の科学技術イノベーション政策の紹介,日中科学技術協力の現状及び今後の方向性について議論が行われ,事業の成果が着実に積み重ねられていることを確認するとともに,今後も協力・交流を促進していくことで,日中双方が一致しました。
3
 次回の委員会については,2020年の適当な時期に中国で開催することで一致しました。

http://j.people.com.cn/n3/2018/0831/c94473-9496058.html
 8月30日、第10回中日韓文化大臣会合が黒竜江省の哈爾浜(ハルビン)で開かれた。中国文化・旅游(観光)部のルオ樹剛*22部長(「ルオ」は各に隹)、韓国文化体育観光部の都鐘煥*23長官、日本の林芳正*24文部科学大臣が会合に参加した。人民日報が報じた。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/08/1408638.htm
 林芳正文部科学大臣が、8月29日(水曜日)〜31日(金曜日)の日程で、「日中大学生千人交流大会」及び「第10回日中韓文化大臣会合」へ出席するため、中国・北京市及びハルビン市に出張することになりましたので、お知らせいたします。
1.概要
【日中大学生千人交流大会】
 日中大学生千人交流大会は、本年が日中平和友好条約締結40周年であることに鑑み開催される中国主催の行事である。学生の相互理解の深化等を目的とし、日中両国の大学生約1,000人が参加する予定。
【第10回日中韓文化大臣会合】
 日中韓文化大臣会合は、2007年に第1回会合が中国で開催されて以来、継続して開催されている。
 日中韓3か国が友好・信頼関係を発展させる上で、文化交流・協力による相互理解・人的交流の強化を図ることは重要であり、本会合での議論が日中韓の文化交流・協力を一層推進することが期待される。
 今次第10回会合は、中国が主催国としてハルビン市で開催し、3か国の文化交流・協力の内容を確認する「ハルビン行動計画」を策定するとともに、2019年「東アジア文化都市」が正式に決定・発表される予定。
2.出張日程(※今後変更の可能性がありえます)
■8月29日(水曜日)
 9時05分        羽田 発
12時05分        北京 着
14時30分〜16時00分 日中大学生千人交流大会(北京大学
16時30分〜17時00分 視察(北京外国語大学日本学研究センター)[非公開]
19時50分        北京 発
21時50分        ハルビン 着
■8月30日(木曜日)
 9時00分〜10時15分 第10回日中韓文化大臣会合(松北シャングリ・ラハルビンホテル)
10時30分〜11時00分  「ハルビン行動計画」調印式(同上)、「2019年東アジア文化都市」発表(同上)
12時00分〜13時00分 黒龍江省ハルビン市主催昼食会(敖麓谷雅ホテル(Aoluguya hotel))
15時20分〜16時00分 日中二国間会談(松北シャングリ・ラハルビンホテル)
16時10分〜16時50分 日韓二国間会談(同上)
(17時10分メド)     林文部科学大臣ぶらさがり取材(調整中)
18時00分〜19時20分 中国文化・観光部主催晩餐会(松北シャングリ・ラハルビンホテル)
20時00分〜21時30分 日中韓芸術祭(ハルビン音楽庁)
■8月31日(金曜日)
午前         視察[非公開]
14時30分        ハルビン 発 仁川空港経由
22時50分        羽田 着
3.出席予定者(※今後変更の可能性がありえます)
【日中大学生千人交流大会】
   日本:林芳正 文部科学大臣 ほか
   中国:陳宝生 教育部長(大臣) ほか
【第10回日中韓文化大臣会合】
   日本:林芳正 文部科学大臣 ほか
   中国:ルオ樹剛(ルオ・シュガン) 文化・観光部長(大臣)ほか
   韓国:都鍾煥(ト・ジョンファン)文化体育観光部長官(大臣)ほか
4.主な行事・議事内容等
【日中大学生千人交流大会】
(1)来賓挨拶
(2)日中学生代表発言 ほか
【第10回日中韓文化大臣会合】
(1)成果文書「ハルビン行動計画」の策定
(2)2019年東アジア文化都市の決定・発表

http://japanese.cri.cn/20180830/4ed5fb40-1012-7c11-438d-71d94643e10e.html
・8月29日午後、日本の林芳正文部科学大臣訪中団一行が北京外国語大学日本学研究センターを訪れました。
・林大臣は「日本と中国は千年以上の交流の歴史があり、その中で、教育の交流、言葉の交流は交流の中心部となっている。今後も両国の若者が互いに交流できる場や機会をさらに構築できるように努力していく」としました。

http://japanese.cri.cn/20180829/6d065e02-546f-9d08-d4b9-67fceffa952f.html
・中日平和友好条約の締結から40年になるのを記念して、中日両国の大学生1000人余りが参加する交流会が29日に北京大学で行われました。国務院の李克強総理と日本の安倍晋三首相がそれぞれ大会に祝電を送りました。
・安倍首相は、「今年5月に李克強総理が日本を公式訪問したこと、日中関係にとって大きな意義があった。両国は長期的かつ友好的で安定した関係を発展させるべきだ」とした上で、「若者たちは両国の未来を担っている。双方は引続き青少年交流を推進し、日中友好のためにより多くの架け橋を作るべきだ」と語りました。

http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1408659.htm
大臣)
 日中の科学技術協力委員会についてでございます。8月23日(木曜日)に、文部科学省で開催されました第16回日中科学技術協力委員会に出席をいたしました。本年は、日中平和友好条約40周年の記念すべき年であり、委員会には、私とともに、中国科学技術部の王志剛(ワン・ジーガン)部長が出席して挨拶を行い、今後の両国の科学技術協力の進展について期待を示したところでございます。また、日中共同研究プロジェクトとして、中国側の研究機関内に形成する「日本−中国国際共同研究イノベーション拠点」に関する覚書の署名を行いました。引き続き、両国の交流と相互理解を進めてまいりたいと思っております。
(中略)
 続きまして8月29日(水曜日)に、中国北京市で行われる「日中大学生千人交流大会」及び30日(木曜日)に中国ハルビン市で行われる「第10回日中韓文化大臣会合」に出席するため、中国を訪問をいたします。日中大学生千人交流大会は、本年が日中平和友好条約締結40周年であることに鑑みまして、両国の学生の相互理解の深化等を目的に開催される中国主催の行事であり、日中両国の大学生約1,000人が参加をいたしまして交流を深めます。私は中国からの出席要請を受け、開会式で挨拶を行う予定にしております。また、第10回の日中韓文化大臣会合では、日中韓3カ国の文化交流・協力について意見交換を行うほか、2019年の「東アジア文化都市」として、日本は豊島区、中国は西安市*25、韓国は仁川広域市が正式に決定される予定であり、この点も含めた成果文書の署名が予定をされております。更に大臣会合の期間中、中国及び韓国と二国間の会合を行う予定にしております。日中大学生千人交流大会及び日中韓文化大臣会合により、学生交流や文化交流を通じた日中及び日中韓3カ国の友好関係が一層深まることを期待をしております。

・「日中大学生千人交流大会」つうのは

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34810420Q8A830C1000000/
 北京を訪問中の自民党二階俊博幹事長は30日、王家瑞宋慶齢基金会主席と会談し、日中関係の改善を加速するため青少年交流を拡大する方針で一致した。二階氏は会談後、記者団に「日中関係を次の時代につないでいくため、青年に期待するのは当然だ。努力を怠ってはならない」と述べた。

つうことなんでしょうね。二階氏の言う「青少年交流を拡大する方針」の一環の訳です。
・林文科大臣訪中が「二階幹事長や麻生*26財務相、秋葉外務事務次官の訪中と連動してる」のかどうか気になるところです。素直に考えれば連動してるのでしょうが。


産経
■自民・二階俊博*27幹事長が王岐山*28副主席と会談 首相10月訪中へ地ならし
https://www.sankei.com/politics/news/180831/plt1808310045-n1.html
麻生太郎財務相が日中財務相対話に期待感「首相訪中につながるように」
https://www.sankei.com/politics/news/180828/plt1808280020-n1.html

 確かに二階訪中の目的はその通りでしょうが、もはや産経には「二階訪中は安倍の指示」ということを否定する気はないようです。そして麻生がこういう発言をするとはねえ。


■日経『日中の青少年交流拡大 二階氏、王家瑞*29と会談』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34810420Q8A830C1000000/
■レコードチャイナ『安倍首相の10月訪中に向け、日本の高官が続々訪中―中国メディア』
https://news.nifty.com/article/world/china/12181-178182/

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34810420Q8A830C1000000/
 北京を訪問中の自民党二階俊博幹事長は30日、王家瑞宋慶齢*30基金会主席と会談し、日中関係の改善を加速するため青少年交流を拡大する方針で一致した。二階氏は会談後、記者団に「日中関係を次の時代につないでいくため、青年に期待するのは当然だ。努力を怠ってはならない」と述べた。

https://news.nifty.com/article/world/china/12181-178182/
 自民党二階俊博幹事長は21日の記者会見で、29日から9月1日の日程で北京を訪問すると発表した。日本政府はまた、野上浩太郎*31官房副長官が24日から2日間、公明党山口那津男*32代表が9月5〜9日、それぞれ北京を訪問することを明らかにした。いずれも安倍首相訪中のため、布石を打つものとみられている。

 「一時の安倍政権の中国敵視」が「5月の李首相訪日とそれに対する安倍の歓待以降」、嘘のような状況になっていますね。
 こういう状況下において

常岡浩介がリツイート
モーリー・ロバートソン
‏ 中国政府のチベット人ウイグル人への警戒心と猜疑心は常軌を逸したもの。人権弾圧を速やかにやめるよう、日本も含めて国際社会が圧力を加えなくてはなりません。日米のスクラム経済制裁もあり。

なんてことをいう「反中国ウヨ」モーリーやそれに賛同しているらしい「反中国ウヨ」常岡はいつもながら正気ではありません。そんなことを安倍政権がするわけもない。


■ちきゅう座『生き続けるフランコ(1)』童子丸開(どうじまる・あきら)
http://chikyuza.net/archives/86842
■ちきゅう座『生き続けるフランコ(2)』童子丸開(どうじまる・あきら)
http://chikyuza.net/archives/87003
■産経『フランコ総統の墓移転で波紋 スペイン左派政権が方針表明、歴史問題が国内対立を招く懸念も』
https://www.sankei.com/world/news/180801/wor1808010025-n1.html

https://www.sankei.com/world/news/180801/wor1808010025-n1.html
 スペインで、1975年まで36年間、独裁を敷いたフランシスコ・フランコ総統の墓を近く移転する方針をサンチェス首相が先月発表し、波紋を広げている。墓はフランコがスペイン内戦(36〜39年)勝利後に建造した慰霊施設にあり、首相は「民主化時代にふさわしくない」と主張するが、歴史問題が国内の対立を招くという懸念も強い。
 これに対し、フランコ支持者ら右派の数百人が「絶対に阻止する」と訴え、現地で抗議集会を実施。前与党の保守系・国民党は「古傷を広げるだけだ」として墓の移転に反対した。
 社会労働党は国会で保有議席が4分の1に満たないが、急進左派ポデモスのほか、右派新党のシウダダノスも「ファシストの記念碑は民主国家に不似合い」との立場で、移転に前向きな立場。これらの政党が支持すれば、墓の移転案は過半数の賛成で採択できる。だが、墓の移転をめぐる論議が、独裁による弾圧の責任追及に発展すれば、国を再び分裂させかねないとの指摘もある。7月の世論調査では「移転に賛成」は41%にとどまった。

http://chikyuza.net/archives/87003
 フランシスコ・フランコ財団は、名誉会長のフランシスコ・マルティネス・ボルディウー(フランシスコ・フランコの孫)の話として、この社会労働党政府の決定は背任罪でありうると警告を発した。国民党はこのペドロ・サンチェスの「暴挙」に反対する運動を起こす、そして憲法裁判所に訴え出ると息巻いた。
 いずれにせよ、この墓の移転問題がスペインの社会と国民を真っ二つに引き裂く“超巨大地震”の震源となるのかもしれない。フランシスコ・フランコ財団の関係者たちが今年6月の社会労働党政権誕生をスペイン内戦前夜にたとえたのも決して大げさではあるまい。

 記事に書いてあるようにフランコ(フランシスコ・フランコ*33とはスペインの独裁者だった男です。詳しい内容はリンク先を読めばいいですが、あらすじは「民主化された今もスペインではフランコ支持の極右の政治力が無視できない」つう話です。そもそもスペイン民主化は「フランコ死後」に起こった話でついにフランコ生前には民主化は実現できませんでした。
 このスペインの話は、ドイツのネオナチ、日本の「靖国日本会議」と話的には変わらない話です。ドイツは「生き続けるヒトラー」、日本は「生き続ける東条英機*34」のわけです。
 つうかフランコの墓の移転つうのは日本で言えば「靖国A級戦犯合祀するの辞めよう」みたいな話でしょう。左派の靖国批判を自虐だ、反日だと誹謗する産経らウヨですが、その産経クオリティではサンチェス首相も「自虐で反スペイン」なのでしょう(皮肉のつもり)。つうかフランコ崇拝極右はマジでそうサンチェス氏を罵倒してるようですが。まあ、「負の歴史」の解決が難しいのは日本だけじゃない、どこの国もそうだという話です。


■産経【主張】中国の産経拒否 異様な報道統制をやめよ
https://www.sankei.com/column/news/180831/clm1808310001-n1.html

 日中両政府は冷え切った両国関係の改善を模索している。10月23日が日中平和友好条約発効から40周年になる。秋葉、王両氏の会談は、安倍晋三首相の10月訪中に向けた調整が目的だった。
 だが、報道の自由の大切さを理解しない中国と、良好な関係を果たして結べるのだろうか。

 おいおいですね。日本が過去に友好関係を結んできた国、あるいは今友好関係にある国は「人権上、何の問題もなかった」のか。そんなことないわけです。わかりやすい例では「名誉白人の称号を授与してくれた」アパルトヘイト南アがありますね。
 「世界各国が経済制裁を発動した南アレベル」に酷い場合はまだしも、多くの場合「それ(人権問題)はそれ、これ(経済、文化交流など友好関係)はこれ」のわけです。
 「隣国にして世界の経済大国」と対立関係になれるわけもないでしょう。前も書きましたが欧米だって中国批判はしても経済、文化交流はするわけです。産経のような反中国ではない。
 そもそも「報道の自由をわからない奴とは仲良くなれない」つうなら「俺を批判する奴らは皆フェイクニュースだ」なんてトランプはどうなのか。
 「トランプみたいなバカとは仲良くなれない」といったら産経は賛同するのか。いやそもそも「NHK慰安婦番組への不当政治介入」「クロ現・国谷*35キャスター、報ステ・古館キャスターの降板劇」でわかるようにそうしたメディアへの政治介入、恫喝を実行して恥じない安倍と、安倍を擁護する産経こそが「報道の自由の大切さを理解しない」連中ですが。

 客観報道と公正な論評を貫く。報道の自由に対する中国当局の妨害・圧力に対抗するすべは、それ以外にない。

 吹き出しました。他のメディアはともかくいつ産経が「客観報道と公正な論評」なんかしたのか。そもそも産経がこうして狙い撃ちされるのも「産経なんざデマ記事常習で世間からまともに相手にされてないから心の底から産経擁護する奴なんざいないよ」と中国が思ってるからでしょう。だからこそ産経とは違ってまともな朝日、読売、毎日、日経だのはこんなことされない。


■産経『インド、米との「関係深化の好機」も…ロシアとの関係は維持 「対中牽制」にも消極的』
https://www.sankei.com/world/news/180830/wor1808300019-n1.html
 まあそりゃそうでしょう。産経の望む中国牽制なんかしてもメリットはありませんから。


■ちきゅう座『矛盾だらけの「インド太平洋戦略」:行き詰まる日米機軸と中国包囲』岡田充*36
http://chikyuza.net/archives/87021
 そもそもインドもオーストラリアも「中国との経済関係を重視し」安倍らウヨが期待するような反中国の態度なんかとらないし、そもそも日本財界が一帯一路参加を安倍にせっついて、安倍がそれに応じたこともあって「インド太平洋戦略」なんてもんは事実上挫折したが、それでも安倍が「AIIBには参加しない」など「完全には反中国的態度を捨てない」がゆえに「状況が意味不明な、わけのわからないものになってる」つうのが岡田氏の安倍批判です。
 かなり長くなりますが一部引用します。

 インドの対中姿勢は、日米両国が考えるほど単純ではない。一言で表せば「是々非々」。インドは「一帯一路」を支持していない。宿敵パキスタンと領有権で対立するカシミール地方に「一帯一路」案件が及んでいるためである。
 その一方で、中国主導の国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)には加盟し、ことし6月にはムンバイで第3次年次総会を開催、モディ*37首相は「アジアの安定した経済成長にむけ、インドはAIIBとともに積極的にかかわっていく」と述べた。
 2015年に57か国で創設したAIIBは今や、日米主導のアジア開発銀行(ADB)を上回る87か国に増えた。インドは中国に次ぐ出資国であり、AIIBが承認した融資25件(6月初め現在)のうち、インドは6件と四分の一を占める。融資額は約12億ドル(約1320億円)に上り、インド政府関係者は「インフラ整備にAIIBは不可欠」と言う。
 ムンバイ年次総会に参加したある日本の金融関係者は「(ボーガス注:AIIBが)国際金融機関としての地位を確立していけば、日本や米国は未加盟のままでいられなくなるだろう」と、共同通信記者に語っている。
 AIIBだけではない。インドは中ロ主導の「上海協力機構」(SCO)にも2017年、パキスタンとともに加盟した。さらにブラジル、ロシア、インド、中国、南アの新興5カ国(BRICS)首脳会議のメンバーでもあり、米一極支配には与しない多極化の担い手でもある。
 モディは5月にシンガポールで開かれた「シャングリラ対話」では、南シナ海問題で中国非難の発言は避けた。日米にとって「対中包囲」のあてが外れたのは間違いない。
 1980年代後半に駐インド大使をつとめた野田英二郎氏*38に聞いた。安倍外交について野田は「中国包囲網への協力を呼びかけられても同調する可能性はほとんどないでしょう」と答えた。インドと共に中国包囲網を築こうとするのは「戦略的誤算」ではないか、ということだ。
■対中改善と「対中けん制」の矛盾
 安倍政権は、日中関係改善の切り札として、「一帯一路」への条件付き協力に舵を切った。5月の李克強*39首相との首脳会談の際に安倍は「日中は協調の時代に入った」と述べ、北京も姿勢転換を歓迎した。それとともに対中包囲網としての「戦略」の目的は曖昧化している。
 「戦略」のうち、安保と経済を切り離す「政経分離」を図った、というのが筆者の見立てである。
 途上国向けの開発援助やインフラ整備事業で、「一帯一路」とマッチングすれば(ボーガス注:日本財界の金儲けのために)中国と協力する。しかし南シナ海やインド洋では、海上自衛隊護衛艦を長期派遣して事実上の「哨戒活動」は継続。フィリピンやベトナムなど中国と領有権争いをする国に中古巡視船を供与し、対中けん制は継続―という使い分けである。
■何をしたいの?
 戦略のわかりにくさは、安倍政権を支える研究者も共有している。田中明彦*40政策研究大学院大学学長は、外務省発行の隔月刊誌「外交」(2018年Jan/Feb)で「全体像を示した戦略文書を早期に公表することが望ましい」と提言した。「戦略の全体像」がみえないと言っているのだ。
 この3月まで外務省地域政策課に出向していた相澤輝昭(笹川平和財団海洋政策研究所特任研究員)も、同財団HPで「現状では(同戦略は)理念先行の感があり、これを主導する日本政府、外務省が実際には何をしようとしているのか、その実践の部分がなかなか見えて来ない」と率直に書いている。
 安倍自身、ことし1月の施政方針演説で「(「戦略」の)大きな方向性の下で、中国とも協力して・・・増大するアジアのインフラ需要に応えていきます」と、「戦略」と「一帯一路」の“コラボ”に言及した。対中けん制の「イメージを打ち消そうとするかの発信が目立っている」(相澤)のだが、そう言えば言うほど、「戦略」の曖昧さが増す。
 中国の経済規模が日本の三倍になろうとする現在「中国包囲などというのはそもそも無理な話」と、ある外務省高官は言う。
■軍事力対抗は愚策
 「中国との関係改善こそ日本がとりうる唯一の選択肢です。アジアインフラ投資銀行(AIIB)に日本は参加すべきだし、軍事力を強化して対抗していくことは賢明な策とは言えません。歴史認識をめぐる対立も解消しておいた方がいい」
 中国の「国家資本主義的手法」や「強権体制」に批判的な米国際政治学者イアン・ブレマー*41が「朝日」とのインタビュー(8月22日付朝刊)で語った内容である。
 その彼ですら、「日米機軸」という名の対米追従外交と中国けん制は日本の利益にならないとみているのだ。国際政治の構造が揺れ動く現状をみれば、しごく当たり前の提言であろう。
 インドへの「安保外交」は必ずしもうまくいっていない。小野寺防衛相は8月末、インド、スリランカ両国を訪問し「海洋進出を活発化させる中国への警戒感を背景に、両国で防衛協力強化を打ち出した」(共同通信)。ここは正確に「両国に対し、防衛協力強化を要請した」と書くべきであろう。重要なのは両国側の反応だが、記事はそれに触れていない。日本の要請に両国はもろ手を挙げて同意したわけではないのだ。インド、スリランカ両国は、中国との経済協力を重視し「対中包囲網」の形成に協力したと、とられたくない。
 スリランカでは、南部の重要港湾ハンバントータ港の運営権が中国企業に99年間貸与されることになった。同国防衛相との会談で小野寺は、中国を名指ししなかったが「自由で開かれた港の使用が重要」と述べた。スリランカと中国の経済関係は厚みを増す一方で、中国と敵対できない。
 インドでは、物資や役務を融通し合う物品役務相互提供協定(ACSA)締結への協議開始で一致した。しかしモディ首相は小野寺と会った翌21日、中国国防相と会談し「印中関係は世界の安定に欠かせない」と述べた。
 日中関係に詳しい上海国際問題研究院の呉奇南・研究員は5月の日中首脳会談の直後、上海で筆者に対し「安倍首相は両国関係について、競争から協調の時代に入ったと述べたが、関係改善の道のりは平たんではない」と疑念を口にした。その理由として彼は「いずも」の空母化と、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備計画を挙げ、「いずれも中国をにらんだ動き」と位置付けた。
 「インド太平洋戦略」が直面する自己矛盾を整理してきた。ここまで書いて、ふと頭に浮かんだのが「戦後70周年の首相談話」である。談話は、「侵略」「植民地」「お詫び」の三本柱からなる村山談話を継承すべきという内外世論に押され、これらの文言を盛り込んだ。しかし「侵略」「植民地」については、「誰が」の主語がない上、「植民地」に関しては「誰に」という目的語も抜け落ちていた。
 おまけに「日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました」と、「靖国史観」そのものの表現すら使った。つぎはぎだらけの「パッチワーク」の文章。多くのアジア人の心に全く響かない声明だった。
 その原因は、首相として「主流民意」にはあらがえない現実主義と、「日本会議」など右翼イデオロギーを同時に満たしたい願望があるからではないか。「インド太平洋戦略」もまた、対中関係改善という現実主義が、「日米機軸」「対中包囲」イデオロギーとの間で「股裂き」に遭い「機能不全」に陥ってしまったのだ。


■産経【国際情勢分析】台湾・国民党「反日カード」の効果は? 初の慰安婦像、謝罪要求…地方選へ皮算用
https://www.sankei.com/premium/news/180830/prm1808300005-n1.html
 人権問題(慰安婦問題)を「反日云々」という理解しかできない産経はいつもながらバカです。
 しかし蒋介石時代はあれほど持ち上げていた国民党をここまで罵倒するとは(苦笑)。

 馬氏*42日中戦争で1937年12月に中華民国の首都、南京が陥落した後、「日本軍による組織的な虐殺、強姦、放火、強奪により30万人が死亡した」と主張。強姦された女性は「何万人」にも上るとした上で、「日本軍の狂った暴行と破壊的な軍紀は全世界から強い非難を招き、天皇ですら衝撃を受けた」と述べた。
 馬氏はそのことが慰安所設立の原因だとした上で、中国大陸、韓国、フィリピン、インドネシア、台湾から「誘拐、脅迫や詐欺の手段で、婦女が強制的に慰安所に連れてこられた」と主張。慰安婦の人数は「中国大陸と韓国からそれぞれ約20万人」などとする見解を披露した。

 被害者数の問題はさておき、大筋(南京事件慰安婦は日本の戦争犯罪慰安所設立の理由の一つは南京事件での婦女暴行)では馬氏の発言には何の問題もないでしょう。南京事件否定論河野談話否定論の産経の方が間違っています。

 一連の国民党の動きに対し、駐日経済文化代表処の謝長廷*43代表(駐日大使に相当)は21日、「台日関係を破壊するものだ」とフェイスブックで批判。

 やれやれですね。「中国との対決」のために安倍にへいこらすると言う恥ずかしい路線が蔡英文政権一味、台湾民進党一味の立場のようです。しかし安倍にへいこらしたところで「ブルキナファソなど台湾との断交続出」をどうにもできないわけです。

*1:台北市長を経て総統

*2:副首相を経て総統

*3:著書『中国「反日デモ」の深層』(2012年、扶桑社新書)、『現代中国悪女列伝』(2013年、文春新書)、『中国のマスゴミ』、『中国食品工場のブラックホール』(2014年、扶桑社新書)、『本当は日本が大好きな中国人』(2015年、朝日新書)、『権力闘争がわかれば中国がわかる』(2015年、さくら舎)、『赤い帝国・中国が滅びる日』(2016年、ベストセラーズ)、『「中国の悪夢」を習近平が準備する』(2017年、徳間書店)、『習近平王朝の危険な野望』(2018年、さくら舎)など

*4:これでは政治家か官僚か財界人か誰かわかりませんが。

*5:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*6:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相などを経て首相

*7:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家副主席、党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*8:首相、IMF副総裁などを経て大統領

*9:加盟国はベナンブルキナファソ,カーボヴェルデ,コートジボワールガンビア,ガーナ,ギニアギニアビサウリベリア,マリ,ニジェール,ナイジェリア,セネガルシエラレオネトーゴ

*10:防相、軍司令官などを経て、軍事クーデターにより大統領

*11:法相、外相などを経て大統領

*12:重慶市党委員会書記、広東省党委員会書記、副首相などを経て中国人民政治協商会議全国委員会主席(党中央政治局常務委員兼務)

*13:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*14:首相、外相などを経て大統領

*15:著書『「日中友好」は日本を滅ぼす!』(2005年、講談社プラスアルファ新書)、『なぜ、日本人は日本をおとしめ中国に媚びるのか』(2009年、ワック文庫)、『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(2013年、PHP新書)、『中国崩壊カウントダウン』(2014年、宝島社)、『「全身病巣」国家・中国の死に方』(2014年、宝島SUGOI文庫)、『世界征服を夢見る嫌われ者国家 中国の狂気』(2014年、ビジネス社)、『なぜ中国人にはもう1%も未来がないのか』(2014年、徳間書店)、『習近平にはなぜもう100%未来がないのか』(2015年、徳間書店)、『狂気の沙汰の習近平体制』(2016年、ビジネス社)、『冗談か悪夢のような中国という災厄』(2017年、ビジネス社)、『習近平の終身独裁で始まる中国の大暗黒時代』(2017年、徳間書店)、『教えて石平さん。日本はもうすでに中国にのっとられているって本当ですか?』(2017年、SB新書) などトンデモ右翼本多数。

*16:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを経て首相

*17:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*18:外務省国際法局長、総合外交政策局長、外務審議官などを経て外務事務次官

*19:黒竜江省省都

*20:駐韓国公使、ミュンヘン総領事、駐ドイツ大使など歴任

*21:外務省文章は中国語そのままだが一般には「工業情報化部」と訳される。

*22:党中央宣伝部副秘書長、副部長などを経て文化観光大臣

*23:著書『葵のようなあなた ほか』(2011年、トランスビュー

*24:福田内閣防衛相、麻生内閣経済財政担当相、第二次、第三次安倍内閣農水相などを経て第四次安倍内閣文科相

*25:陝西省省都

*26:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在、第二〜第四次安倍内閣副総理・財務相

*27:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て幹事長

*28:海南省党委員会書記、北京市長、副首相、党中央規律検査委員会書記(党中央政治局常務委員兼務)などを経て国家副主席

*29:青島市長、中国共産党中央対外連絡部副部長、中国人民政治協商会議全国委員会副主席など歴任

*30:孫文の未亡人。中華人民共和国において全国人民代表大会常務委員会副委員長、国家副主席など要職を歴任

*31:小泉内閣財務大臣政務官、第2次安倍内閣国交副大臣を経て現在、第4次安倍内閣官房副長官

*32:公明党参院国対委員長政調会長などを経て代表

*33:陸軍参謀総長、反乱軍司令官などを経て総統

*34:関東憲兵隊司令官、関東軍参謀長、陸軍次官、近衛内閣陸軍大臣などを経て首相。戦後、A級戦犯として死刑判決

*35:著書『キャスターという仕事』(2017年、岩波新書)など

*36:共同通信香港、モスクワ、台北各支局長、編集委員論説委員を経て現在、共同通信客員論説委員。著書『中国と台湾』(2003年、講談社現代新書)『「領土問題」の論じ方』(共著、2013年、岩波ブックレット)など

*37:グジャラート州首相を経てインド首相

*38:ベトナム大使、ペルー大使、インド大使など歴任。2001年に文科省教科書検定審議会委員を一時務めたが「偏向自虐」という産経や自民ウヨ議員の個人攻撃で委員を不当にも更迭されたことでも知られる。退官後も日中友好会館顧問、日印協会顧問など歴任(ウィキペディア「野田英二郎」参照)

*39:共青団中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*40:東大東洋文化研究所所長、東大副学長、JICA理事長などを経て、政策研究大学院大学学長。第1次安倍内閣の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」委員。著書『新しい「中世」:21世紀の世界システム』(2017年、講談社学術文庫)など

*41:著書『対立の世紀:グローバリズムの破綻』(2018年、日本経済新聞出版社)など

*42:連戦内閣法相、台北市長などを経て総統

*43:高雄市長、陳水扁政権首相などを歴任

今日の産経ニュース(8/16分)(追記・修正あり)(副題:江戸川乱歩『蜘蛛男』、小栗虫太郎『完全犯罪』の一部ネタばらしあり)

【話の肖像画】史家・渡辺京二(2) 失われた「内発的維新」(1/2ページ) - 産経ニュース*1

 国連に協力するために自衛隊を海外に派兵するのは当然だと思います。それを拒否するのは、エゴイズムにほかなりません。

 おいおいですね。今更言うのも馬鹿馬鹿しいですが「国連への協力」には非軍事的協力もあり得ます。


【話の肖像画】史家・渡辺京二(3) 「西郷どん」たちが見た夢(1/2ページ) - 産経ニュース

 常にその生涯は敬愛と一種の不可思議さをもって語られてきた。

 西郷*2征韓論では「倒幕の盟友だったはずの同郷(薩摩)の大久保」と袂を分かち、そもそもは盟友ではなかった土佐の板垣、佐賀の江藤らとともに下野するほど征韓論にこだわります。あげく様々な事情はあったのでしょうがその後、内乱をおこし戦死という悲劇の死を遂げる。
 「そこまでして征韓論にこだわる必要があったのか」と考えれば確かに不可思議さを感じざるを得ません。まあ、その政治判断が合理的かどうかはともかく西郷ら征韓論派にはそこまでこだわる必要があったのでしょうが。

 明治政府という近代国家が誕生し、四民平等をうたいながら国民一人一人を把握してゆくとともに、徴兵令や地租改正といった施策を次々と−農民たちの目からすれば強権的に−施行してゆきました。加えて、利害を異にする個人や法人が、合法的な競争のもとに決着や妥協を図る近代社会は、うまく立ち回った者が得をし、正直者は損をするという、それまでとは打って変わった神も仏もない世の中と映ったことでしょう。明治初期に多発した「農民騒擾(そうじょう)」にはそんな背景があります。こうした農民たちの心情を彼らの目線で理解していたのが西郷でした。
 こういったまなざしは、たとえ政治家として非常に優秀であっても、同じ元勲の大久保利通(としみち)や木戸孝允(たかよし)にはなかったものでした。

 何でそういう認識になるのかさっぱりわかりません。征韓論論争で大久保*3、木戸*4、岩倉*5らと対立し、結局、敗北、他の征韓論高官(土佐の板垣退助*6後藤象二郎*7、佐賀の江藤新平*8副島種臣*9など)とともに下野する西郷ですが、下野するまでに彼もメンバーだった明治新政府によって、「渡辺が批判するところ」の「伝統軽視施策」地租改正や徴兵令などの近代化施策が実行されたわけです。そして農民騒擾(新政反対一揆)も西郷が新政府メンバーだったときから存在した。
 普通に考えれば「明治新政府メンバー」西郷も地租改正などの近代化施策を支持していたとしか理解できないでしょう。下野理由は征韓論であってそれ以外の話ではありませんし。
 西郷が地租改正その他の近代化施策に反対だったなどという根拠を一つでも渡辺は提出できるんでしょうか?。「近藤勇土方歳三のような百姓出身ならまだしも」下級とは言え一応武士であり、島津久光によって「大久保とともに上級武士に取り立てられた」西郷がどうして農民の心情が持てたというのか。そのようなことを示す根拠を一つでも渡辺は提出できるんでしょうか?。
 俺はそんなことは無理だと思いますし、少なくともこの記事においてそんな根拠を渡辺は何一つ提出していません。端的に言って「価値観の問題ではなく」、事実認識の問題として、渡辺の西郷理解は間違っていると思います。というか渡辺による故意のデマ垂れ流し、歴史修正主義(歴史捏造主義)じゃないか。


【話の肖像画】史家・渡辺京二(4) 堕落した善の追求は最悪を招く(1/2ページ) - 産経ニュース
【注記】
 「完全な脱線ですが」、以下、文章の途中で、江戸川乱歩『蜘蛛男』、小栗虫太郎『完全犯罪』の一部ネタばらしがあります。

 戦後、「自虐史観」が幅をきかせてきた

 学会はともかく日本社会においては幅など聞かせていませんし、だからこそ吉見義明氏や笠原十九司氏らを反日自虐呼ばわりする安倍が首相になるし、そうした安倍を支援する極右組織・日本会議神社本庁が無視できない政治力を持っているわけですが、それはさておき。
 この渡辺なる男をなぜ産経が持ち上げるのかがよくわかる渡辺発言です。
 そしてこの渡辺発言から、渡辺が「つくる会理事という歴史修正主義極右・三浦小太郎」に自らの評伝『渡辺京二』(三浦小太郎著、2016年、言視舎)を書かせたのかも理解できます。
 歴史家を自称する渡辺も「南京事件否定論慰安婦違法性否定論」のつくる会と同レベルの歴史修正主義右翼、バカ右翼なんだと。今までこの男の本を一度も読んだことがなかったのです*10が、もはや渡辺の本を俺は読むことはないでしょう。渡辺と生前、親密な交際があったという、石牟礼道子*11(故人)という人間にも疑問を感じざるを得ません。
 しかし、この渡辺に

「あんたのいう自虐史観とは何か?。笠原十九司*12南京事件研究か?。林博史*13沖縄戦研究(集団自決研究を含む)か?。吉見義明氏*14慰安婦研究か?。731部隊インパール作戦の研究は自虐史観なのか?」
「あんたは自虐と言うが、それは歴史的事実に合致していても国の恥は暴くなという意味なのか。そのあんたの理屈では、例えばドイツではホロコースト研究、ロシアではスターリン粛清研究、中国では文革研究、韓国では光州事件研究はしてはいけないのか?」
教科書検定での沖縄集団自決記述削除に対し、大規模な県民の抗議運動が起こったことはあんた的には自虐史観なのか?(これについては例えば、赤旗主張/沖縄県民大会/「集団自決」検定を撤回せよ教科書検定意見撤回のとき/「集団自決」軍命記述戻せ/沖縄で県民集会参照)」<<参照)」

などと聞いたらなんと答えるんですかね。
 というか俺に言わせれば「戦前は素晴らしかったのに戦後は反日左翼のせいで」云々と言い出す産経や渡辺の方がよほど自虐だと思いますが。

 日本の悪口を言うことによって自分が偉くなったような気になったり、喜々としていたりする態度には嫌悪感を覚えます。

 いったいいつ吉見義明氏や笠原十九司氏らがそんな態度をとったんでしょうか。というか問題は「吉見氏や笠原氏らの指摘(南京事件慰安婦の違法性についての指摘)が事実なのか」「事実とするならば*15、その事実について我々日本人はどう考え、どう今後対応すべきなのか」という話であって、「自虐史観の連中の態度が気にくわない」と言い出す渡辺はバカでしかありません。
 渡辺はそんなことを言う前に「元慰安婦など日本の戦争被害者(なくなった方もいますが、今も生存者はいます)の前で、日本人である自分に何が語れるのか」を真摯に考えるべきでしょう。
 彼ら戦争被害者の前でもこんなくだらないことを言う気なのか。というか渡辺が「自虐史観論者ガー」としかいわず故意に「今も生存している戦争被害者にどう向き合うか」を語らないのは俺のような突っ込みから逃げたいからでしょう。呆れたバカであり卑怯者です。そんな渡辺の何が歴史家か。
 笑わせるな、て話です。俺からすれば、今後渡辺を評価する奴は「人を見る目がないバカ」と判断できるので助かります。例えば高世仁(たとえば渡辺京二が語る人生の目的 3 - 高世仁のジャーナルな日々参照)とか(例はもちろん高世でなくてもいいですが)。まあ渡辺を評価するしないにかかわらず「安田純平氏身柄拘束事件での高世の過去言説(日本政府は安田氏を救出しなくていいと放言)」や「特定失踪者を根拠レスで拉致扱い」ということで高世はどうしようもないクズですが。
 渡辺と親密交際してたという石牟礼道子もバカだったんでしょうね。

「実現すべき目的の超越的絶対性、組織の大目的への献身、そのための自己改造、目的のためには強弁も嘘も辞さぬ点」で、近世の日本に宣教師を派遣した当時のイエズス会と「二〇世紀の共産主義政党」とは驚くほど性格・手法が一致している−と渡辺さんは近著『バテレンの世紀』で指摘している。

 唖然呆然ですね。時代状況の違いなどを全く無視して「イエズス会共産党が似てる」とはどうしようもないバカです。そんなことを言うことに何か意味があるのか。
 こんなでたらめな議論をしていいのなら、

江戸川乱歩『蜘蛛男』の殺害方法*16ナチスガス室が似てる。蜘蛛男の方がナチスガス室の『発明』より先*17だから、ナチスは『蜘蛛男』を読んだんじゃないか」
小栗虫太郎『完全犯罪』*18の殺害方法*19と殺害理由*20ナチス*21(以下略)」

とか何でも言えます(ちなみに乱歩『蜘蛛男』、小栗『完全犯罪』は読んだとき「ナチガス室ぽいなあ(小栗の場合は殺害動機も)」と思ったのでそこだけはよく覚えています)。
 まあマジレスすれば『実際にやるかどうかはともかく』毒ガス大量殺人だの「劣悪遺伝子の持ち主は抹殺していい」なんてことは思いつきだけなら誰でも文章に書けるし、乱歩や小栗も『まさかマジでやる奴がいるとは思ってない*22ので』、49人の少女を拉致して毒ガス室で一挙に殺人(乱歩『蜘蛛男』)だの、劣悪遺伝子を受け継ぐ呪われた一族を絶滅させるためにはその一族のメンバーを毒ガスで殺していい(小栗『完全犯罪』)、つう与太を、割と気軽にかけたつうだけの話です。
 乱歩『蜘蛛男』の場合、このガス室殺人計画、明智の活躍で失敗に終わり、追い詰められた蜘蛛男は自決します。
 一方、小栗『完全犯罪』の場合、犯人は皮肉にも「後に自分自身も、別の悪性遺伝を持つ家系に属していることを知り、自らの信念に従い」毒ガスで自決します。この犯人は

◆コロナを馬鹿にするようなことを言いながら自分は喉が痛いだけでPCR検査を受けた「平熱パニックオジさん」橋下徹
イラク日本人人質事件では自己責任論をぶちながら自分は無謀ヨットをやったあげく海保の救援を呼んだ辛坊治郎けっきょく辛坊治郎は、自分がその立場になったらどうなるという想像力が欠けていたのだと思う - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)参照)

等とは違い「私は死にたくない!」ではなく自分の信念「悪性遺伝を持つ劣等家系は死ぬべき(だから私も死ぬべき)」を貫いたわけです(間違った信念ですが)。
 なお、乱歩『蜘蛛男』、小栗『完全犯罪』は面白いと思うので一読をお勧めします。
 さて話を元に戻します。以前、三浦小太郎もhttp://miura.trycomp.net/?p=4675でこの本を取り上げて

カトリックの戦闘的布教集団、イエズス会に属していた宣教師たちは、キリスト教による世界の一元的支配を目指し、その為には手段を択ばない、後のマルクス主義前衛党同様の信念に導かれていた。

と書いたのを小生、過去記事「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」を笑おう・パート145(追記・訂正あり) - bogus-simotukareのブログで「さすがにこれは三浦の曲解じゃないか。ここまでバカなことを渡辺も書かないんじゃないか」「まあ曲解じゃないとしたら、渡辺て明らかに頭がおかしいよね」と言う趣旨のことを書いたのですがなんと曲解ではなかったわけです。つまり渡辺は明らかに頭がおかしい。こんなんと親しくつきあってたという石牟礼道子て頭は大丈夫だったんでしょうか?(多分大丈夫でない)
 少なくとも「日本の宝」石牟礼道子さんを送る - 高世仁のジャーナルな日々が言うような「日本の宝・石牟礼」でなかったことは確かだと思います。「日本の汚点・石牟礼」「石牟礼の死は社会への奉仕(元老・山県有朋*23死亡時の石橋湛山*24風に)」といっていいんじゃないか。
 そして「日本の宝」石牟礼道子さんを送る - 高世仁のジャーナルな日々によれば石牟礼なんぞ尊敬してるらしい美智子皇后の頭は(以下、自主規制)。
 まあ、それはともかく。「イエズス会共産党が似ている」と時代状況を無視して言い出すこと自体が異常ですが、しかもそう決めつける理由が「イエズス会は時に侵略を行いそれを詭弁で正当化した、また時に残虐な行為も辞さなかった」、「共産党*25も時に侵略を(以下略)」てそんなんで似てると言っていいなら「アジア解放の戦争と詭弁で侵略戦争を正当化したあげく、時に731部隊などの残虐行為も辞さなかった」戦前日本、あるいはそうした戦前日本をイデオロギー面で支えた「国家神道」だって、「共産党イエズス会と似てる」ことになるでしょう。
 つうか「手段を選ばず目的を達しようとする人間がいる」なんてのは何もイエズス会スターリン共産党に限った話じゃない。古今東西、いくらでも存在する話です。
 戦前日本の731部隊だってそうした「目的のためには手段を選ばない蛮行」の一つです。
 もちろん「だからスターリン共産党イエズス会が問題がない」という話ではありません。
 「スターリン共産党イエズス会以外にそうした問題がないかのように言う渡辺はおかしい」「それは日本が歴史上やらかした目的のために手段を選ばない愚行(その一例は既に指摘したように731部隊です)を見逃すことになりかねない」つう話です。
 いずれにせよこんなんは単に渡辺が「異常な反キリスト教反共主義」であることを暴露してるだけです。俺だったらこんな本を読んでも「バカか」と呆れるだけですが、世の中には評価する人もいるし、渡辺本人も「俺はすごいこと書いた」と思ってるらしいのは実に滑稽です。
 しかも

日本の悪口を言うことによって自分が偉くなったような気になったり、喜々としていたりする態度には嫌悪感を覚えます。

という渡辺が「産経記事を読む限り」共産党イエズス会への悪口を「産経の取材に対して嬉々として、やっている」のも実に滑稽です。
 「日本への悪口を言うことに嫌悪感を覚える」つう人間が「他人(イエズス会共産党)への悪口を嬉々として言う」。
 単に渡辺が「日本への悪口が嫌いなだけ」「ただし自分の嫌いな相手(イエズス会共産党)へは嬉々として悪口を言う」というクズなだけじゃないですか。
 渡辺のでたらめさ、腐った人間性には全く嫌悪感を覚えざるを得ません。
 まるで「自分が嫌いな他人への悪口は嬉々として言うくせ」に「自分が好きな人間への悪口(例:小生のダライラマ批判)は一切認めようとしない」id:Mukkeのようです。まあ「id:Mukkeと同レベルの身勝手なクズ」、それが渡辺なのでしょう。なお、古今東西、この種のクズはいくらでもいると思います。
 ちなみにこのクズ本の版元は「あの右翼出版社」新潮社だそうです(苦笑)。


【正論】戦後73年に思う 明治の意義顧みるメッセージを 国学院大学名誉教授・大原康男(1/3ページ) - 産経ニュース
 何も左派(あるいは明治維新批判派。以下面倒なのですべて左派としますが)は明治維新の「近代化実現」という価値を否定しているわけではない。
 また人にもよるでしょうが左派は必ずしも「明治維新以外の現実的な道があった」といってるわけでもないでしょう。
 ただ現代において民主主義、人権の観点から問題がある明治維新を手放しでたたえることは「近代化、経済発展のためには今後も、未来も民主主義や人権を軽視していい、と考えてる」と認識されても文句は言えない、つう話です。
 現代の視点から見て問題があるもんは何も明治維新に限らず批判せざるを得ない。仮に批判しないにしても最低限、手放しでたたえるべきではない、つう話です。
 これは欧米の植民地支配だって原爆投下でも何だって同じ話です。
 「欧米がアジア、アフリカを植民地支配したことで欧米は経済的に発展したし、アジア、アフリカも一定の近代化をした、当時においてそれ以外の道は現実性が乏しかった」と仮にして、ならば「現在の視点において植民地支配が全面肯定できるのか」といったらそういう話ではないわけです。
 あるいは原爆投下しなければ日本が降伏しなかった、降伏させるためには原爆投下は仕方がなかったと仮定したとして今の視点で原爆投下が全面肯定できるのか。これまたそういう話ではないでしょう。
 そんなことをしたら「今後も植民地支配や原爆投下のような人権侵害行為を近代化や経済発展のためにはやっていいと思ってる」と疑われても文句は言えないでしょう。

 とりわけ注目すべきなのは朝日新聞による「明治100年か、戦後20年か」という問いかけが大きな論争を生んだことである。60年安保で敗北した左派が70年安保を視野に入れた新たな闘争の一つとして提起したのであったのか。

 「60年安保敗北」「70年安保」云々つう話では全くないですね。
 「日本の敗戦によって、明治からの流れにいったんリセットがされたんじゃないのか。明治からの流れに一定の反省がされたんじゃないのか」「それなのに明治100年と言っていいのか。むしろ戦後20年じゃないのか」そういう話です。
 日米安保を支持するかどうかとは全く関係ないし、そもそも日米安保明治維新とはむしろ真逆ではないのか。攘夷派によって実行されたのが維新の訳ですから。


【主張】韓国「慰安婦の日」 関係改善に逆行するのか(1/2ページ) - 産経ニュース
 「慰安婦の日、つくったぐらいで発狂するなよ、みっともない」「日本の公式見解は河野談話だから何の問題もないだろ」「島根県竹島の日なんぞつくったことはどう思ってるのかね?。安倍が靖国玉串料を(以下略)」ですね。


【政界徒然草】首相を目指す石破茂氏に意外な「応援団」 国民民主党など野党勢がエール、敵の敵は味方?(1/4ページ) - 産経ニュース
 「石破*26にへいこらする野党」として野党各党を小馬鹿にしたいのでしょう、「など」と書く産経ですが、そんなんは「玉木*27国民民主党代表」を除けば「野党幹部と呼べる議員」ではない。
 かつ、そんなんがいるのは「石破にスタンスが近い」国民民主など保守系野党だけです。
 まあ、まともな野党議員なら「石破と安倍とどっちがまともと思うか」とでも聞かれない限り「石破と連立でもする」というのでない限り保守系でも、自分の方から「石破にエール」なんぞ送らないでしょう。

*1:渡辺の著書としては『逝きし世の面影』(2005年、平凡社ライブラリー)、『北一輝』(2007年、ちくま学芸文庫)、『維新の夢』(2011年、ちくま学芸文庫)、『日本近世の起源』、『神風連とその時代』(2011年、洋泉社新書y)、『ドストエフスキイの政治思想』(2012年、洋泉社新書y)、『もうひとつのこの世:石牟礼道子の宇宙』(2013年、弦書房)、『近代の呪い』(2013年、平凡社新書)、『私のロシア文学』(2016年、文春学藝ライブラリー)、『死民と日常:私の水俣病闘争』(2017年、弦書房)、『幻影の明治:名もなき人びとの肖像』(2018年、平凡社ライブラリー)など

*2:参議、陸軍大将、近衛都督

*3:参議、大蔵卿、内務卿を歴任。紀尾井坂の変で暗殺される。

*4:参議、文部卿、内務卿を歴任

*5:右大臣(外務卿兼務)

*6:参議、第1次大隈、第2次伊藤、第2次松方内閣内務相など歴任

*7:参議、黒田、第1次山県、第1次松方内閣逓信相、第2次伊藤内閣農商務相など歴任

*8:参議、司法卿を歴任。下野後、佐賀の乱を起こし処刑

*9:参議、外務卿、第1次松方内閣内務相を歴任

*10:単に興味を引かれなかっただけで、意図的に避けていたわけではないですが、今後は意図的に忌避することにします。

*11:著書『十六夜橋』(1999年、ちくま文庫)、『新装版 苦海浄土』(2004年、講談社文庫)、『妣たちの国』(2004年、講談社文芸文庫)、『西南役伝説』(2009年、洋泉社MC新書)、『食べごしらえおままごと』(2012年、中公文庫)、『椿の海の記』(2013年、河出文庫)など

*12:著書『アジアの中の日本軍:戦争責任と歴史学歴史教育』(1994年、大月書店)、『南京事件』(1997年、岩波新書)、『日中全面戦争と海軍:パナイ号事件の真相』(1997年、青木書店)、『南京事件三光作戦』(1999年、大月書店)、『南京事件と日本人』(2002年、柏書房)、『南京難民区の百日:虐殺を見た外国人』(2005年、岩波現代文庫)、『南京事件論争史』(2007年、平凡社新書)、『「百人斬り競争」と南京事件』(2008年、大月書店)、『日本軍の治安戦:日中戦争の実相』(2010年、岩波書店)、『海軍の日中戦争』(2015年、平凡社)、『日中戦争全史(上)(下)』(2017年、高文研)など

*13:著書『沖縄戦と民衆』(2001年、大月書店)、『BC級戦犯裁判』(2005年、岩波新書)、『シンガポール華僑粛清』(2007年、高文研)、『戦犯裁判の研究』(2009年、勉誠出版)、『沖縄戦 強制された「集団自決」』(2009年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『沖縄戦が問うもの』(2010年、大月書店)、『米軍基地の歴史』(2011年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『裁かれた戦争犯罪:イギリスの対日戦犯裁判』(2014年、岩波人文書セレクション)、『暴力と差別としての米軍基地』(2014年、かもがわ出版)、『日本軍「慰安婦」問題の核心』(2015年、花伝社)、『沖縄からの本土爆撃:米軍出撃基地の誕生』(2018年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)など

*14:著書『草の根のファシズム』(1987年、東京大学出版会)、『従軍慰安婦』(1995年、岩波新書)、『毒ガス戦と日本軍』(2004年、岩波書店)、『日本軍「慰安婦」制度とは何か』(2010年、岩波ブックレット)、『焼跡からのデモクラシー(上)(下):草の根の占領期体験』(2014年、岩波現代全書)など

*15:というかもちろん事実ですが

*16:殺害方法は毒ガスです。

*17:蜘蛛男 - Wikipediaによれば、『蜘蛛男』は講談社の雑誌『講談倶楽部』に1929年8月から1930年6月まで連載された。一方、ナチスガス室絶滅収容所 - Wikipediaによれば1942年以降に実用化された。なお、乱歩作品は光文社文庫の乱歩全集で読むことができます。

*18:この『完全犯罪』、現在では『日本探偵小説全集6 小栗虫太郎集』(1987年、創元推理文庫)、『怪奇探偵小説名作選6 小栗虫太郎集』(2003年、ちくま文庫)で読むことができます。また「完全犯罪」以外の小栗作品で現在入手が容易なものとしては『黒死館殺人事件』(2008年、河出文庫)、『二十世紀鉄仮面』(2017年、河出文庫)、『人外魔境』、『紅殻駱駝の秘密』(以上、2018年、河出文庫)があります(小栗虫太郎 - Wikipedia完全犯罪 (小栗虫太郎) - Wikipedia参照)。

*19:殺害方法は毒ガスです。

*20:殺害理由は『犯人は人種改良学の信奉者であり、被害者を殺害したのは、合衆国のジューク家、カリカック家と同様の悪性遺伝を持つミュヘレッツェ一族を断絶させるためであった』というナチスユダヤ人虐殺に似た動機です(なお、現在ではジューク家、カリカック家についての言説はえせ科学であると評価されています)。小生もあまりよく知りませんが、小栗とはこうしたトリッキーな作品で知られる作家のようですね。当時はもちろん現在においてもこういうトリッキーな小説はあまりないんじゃないか。

*21:ウィキペディア『完全犯罪』によれば、『完全犯罪』は『新青年』(博文館)1933年(昭和8年)7月号に掲載された。一方、ナチスガス室ウィキペディア絶滅収容所』によれば1942年以降に実用化された。

*22:もちろん乱歩も小栗もネタとして書いていてそんなことを是としていません。だからこそ犯人たちは作品において自滅します。

*23:陸軍卿、内務卿、第1次伊藤、黒田内閣内務相、第2次伊藤内閣司法相、首相、枢密院議長、参謀総長など歴任。元老の一人。

*24:戦前、東洋経済新報主幹。戦後、政界入り。吉田内閣蔵相、鳩山内閣通産相などを経て首相

*25:といってもそれはスターリンソ連などに限定されると思いますが。すべての共産党がそうだとか、今もそうだとかはとても言えないでしょうね。言ったらそれこそ日本共産党などへの名誉毀損です。とはいえ渡辺のような狂信的右翼の輩は日本共産党など相手にそういう暴言を吐きそうですが

*26:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*27:民主党政調副会長、民進党幹事長代理、希望の党代表などを経て国民民主党代表

今日の中国関係ニュースほか(8/9分)(追記・訂正あり)

 中国ネタを中心にいろいろ書いていくことにします。
■日経『ダライ・ラマ健康不安説、亡命政府に影』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34440210S8A820C1000000/

 チベット亡命政府のあるインド北部ダラムサラで、チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世(83)の健康不安説が広がっている。亡命チベット人らが不安を募らせる一方、インドのモディ*1政権は「巨星の没後」を念頭に対中融和外交に動き始め、亡命政府の地位引き下げも視野に入れている。
 ダライ・ラマの健康不安説は度々流れてきたが、直近のきっかけは、インドメディアの一つが6月に流した「末期の前立腺がん」との報道だ。主治医や亡命政府が即座に否定し、亡命チベット人らは「医師の言葉を信じたい」(飲食店勤務ヤンドゥ氏、27歳)と平静に努める。
 インド政府は健康不安説に信ぴょう性があるとみる。政府筋によると、米国の病院で治療を受けていたが、病状が米当局を通じ筒抜けになっているとダライ・ラマ側が警戒し「スイスの病院へ転院するとの情報もある」という。
 インドはそれを対中融和外交に用い始めた。モディ首相は4月、中印関係改善を演出した中国・武漢*2での習近平(シー・ジンピン)国家主席との非公式首脳会談で「ダライ・ラマ14世の健康状態に関し情報提供し、習主席は驚きを持って聞き入り、チベット問題の議論が長時間に及んだ」(インド政府筋)。
■冷淡になったインド
 インド政府筋によると、15〜16年のモディ・習会談でも、中国がインド北部での領有権の主張を一部取り下げる代わりに、インドはダライ・ラマ14世没後には新たな亡命の受け入れを停止する案が非公式に議論された。
 インド政府のチベット人に対する姿勢も、既に冷淡になり始めている。

 こうした日経報道についてid:MukkeやI濱女史、阿部治平らはどう思うのでしょうか?


■産経【政界徒然草】円熟味増す二階外交 課題は「後継者の育成」と「中国への直言」
http://www.sankei.com/premium/news/180829/prm1808290008-n1.html

 自民党二階俊博幹事長(79)が29日から4日間の日程で中国・北京を訪問する。幹事長就任後では12回目の海外訪問で、北京入りは昨年12月以来、約8カ月ぶり。昨年の訪問では習近平国家主席と面会したほか、中国が提唱する経済圏構想「一帯一路」への協力姿勢を打ち出し、日中関係改善の流れを作った。
「この機会にもろもろの問題を話し合い、日中両国に有効で有益な機会にしたい。向こうの要人と合うのは党のため、国のために重要だ」
 二階氏は21日の記者会見で、記者団から今回の訪中の意義について問われ、こう力を込めた。今回の訪中でも中国政府の要人との会談を実施する方向で調整が進んでいる。また、画家の絹谷幸二さんの絵画展が中国の清華大学で開催されるのに合わせ、二階氏は開幕レセプションに出席する。絵画展は今年の日中平和友好条約締結40周年記念事業の一環で、文化面でも日中の交流を深める考えだ。
 二階氏は、かねてからアジア重視の外交を展開してきた。平成12(2000)年5月、運輸相だった二階氏は旅行や観光業界の関係者ら約5千人の訪中団を率いて北京に入った。人民大会堂での式典では当時の江沢民胡錦濤の正副国家主席が登場して歓迎を受けた。総務会長時代の27(2015)年5月には、約3千人の訪中団とともに北京を訪問して、習氏と親しく面談した。
 自民党幹部は「相手側にこちらの誠意が伝わり、信頼を勝ち取った」とたたえた。
 さらに今年は二階派の研修会を自民党の派閥として初めて海外(韓国)で開催した。
 二階氏は中韓との関係について、周囲に「いつでも話ができるような関係を常日頃から築いておくことが重要だ」と話しているという。
 長年にわたる交流で培った二階氏の人脈は、党にとって、国にとって、欠かすことのできない財産といえる。だが、同時に浮かび上がってくるのが、そのパイプを誰が引き継ぐことができるのかという懸念だ。
 昨年の「一帯一路」への協力姿勢も、政府が慎重な状況でもきっぱりと打ち出した*3。こうした判断力と実行力を兼ね備えているからこそ、中韓も二階氏に一目を置いている側面があるが、永田町を見渡しても二階氏の代わりが務まるような人物は、今のところ見当たらない。
 しっかりと日本の立場を伝え、友好関係を大事にしつつも、批判すべきこと*4は批判する。それが今できるのは、二階氏をおいて他にない。 

 「産経って二階氏の訪中をくそみそに罵倒してなかった?、何この180度違う論調は?」ですね。
 安倍政権における二階氏の重要性に気づいたのか(今更?)、はたまた安倍が一帯一路参加を表明した影響か?


■人民日報『王毅*5外交部長が日本の秋葉剛男*6外務次官と会談』
http://j.people.com.cn/n3/2018/0830/c94474-9495580.html
■TBS『麻生副総理、反保護主義で中国側と一致』
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3460389.html

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3460389.html
 北京を訪問中の麻生副総理は30日午後、中国の財政分野を担当する韓正*7筆頭副首相と会談し、日本や中国の製品に高い関税をかけるトランプ政権の貿易政策などについて意見を交わしました。
 会談の中で両者は「保護主義的な貿易政策はどの国の利益にもならない」との考えで一致。続いて会談したアメリカとの貿易交渉を担当する劉鶴副首相とも意見が一致したということです。

 二階幹事長の訪中と同時期に麻生財務相、秋葉外務事務次官が訪中というのはどう見ても「安倍の指示による行為(安倍訪中の事前調整?)」でしょうが産経らウヨはこうした事実を故意に無視し、無視しきれなくなれば「二階や麻生、秋葉が、安倍総理に関係なく勝手にやってること」と言い出すのでしょうね。まあ普通に考えて政権幹部が首相無視してそんなことやってたら政権崩壊ですけど。


■産経【矢板明夫*8の中国点描】マハティール氏を見習いたい 有利なタイミングで最大利益の老獪外交
http://www.sankei.com/premium/news/180829/prm1808290010-n1.html
 「えーと、だから先日、安倍総理が訪日した李克強首相を歓迎して一帯一路参加を表明したんじゃないですか?」ですよねえ。
 まあそれはともかく「マハティールの交渉の仕方」はともかく「発言時期(前政権の鉄道計画を見直したい)」は別に有利なタイミングでも何でもない「当たり前のタイミング」です。
 政権交代する選挙期間中から「見直し」を発言していたのだから、政権交代後にすぐさま見直しを中国相手に正式に表明するのは当たり前の話です。
 なお、「トランプとの間のもめ事(報復関税)」によってマレーシアに有利になった面は多少はあるかもしれません。しかし、それは果たして、矢板が言うほど大きな要素かは疑問です。
 中国とてマレーシア相手にあまり無茶な要求をして関係を悪くすることは当然避けたいでしょうから。


■産経『「この件で私は一言も話さない」 自身の辞任要求にローマ法王が言及せず』
http://www.sankei.com/world/news/180827/wor1808270026-n1.html
 ローマ法王辞任要求の是非はともかく「ダライラマ辞任要求」とか何があろうと絶対にでないんだろうなと思うと、「チベット仏教ってやっぱ封建的だよな」と思います。まあ、そういうとI濱女史とか大激怒でしょうが。


■産経【田村秀男の日曜経済講座】米中貿易戦争に影の主役あり 100兆円動かす「マダムX」
http://www.sankei.com/premium/news/180826/prm1808260013-n1.html

・昨年11月に北京の人民大会堂に勢ぞろいし、習国家主席の言葉を引用してたたえた面々は、(ボーガス注:フェイスブック創業者の)ザッカーバーグ氏、アップルのクックCEOら
・経済圏構想「一帯一路」への協力や日中通貨スワップ協定を推進する日本の政官財界

 つまりは産経のような反中国は非現実的だと言うことです。


■産経『菅官房長官「サイバーセキュリティー確保はますます重要」』
https://www.sankei.com/politics/news/180827/plt1808270032-n1.html
 「中国通信機器2社を入札から除外、という過去の産経報道は事実じゃない」とは言わない一方で、この産経記事を読む限り「サイバーセキュリティー確保はますます重要」という抽象論しか言わなかったらしいことは「下手なこと言って中国怒らせたらまずい」「5月の李首相訪日の意義がパーになる」という躊躇がさすがにあるのでしょう。産経なんかは「この機会に中国に悪口雑言してほしい」と願ってるでしょうが。


■産経『中国通信機器2社を入札から除外 日本政府方針 安全保障で米豪などと足並み』
http://www.sankei.com/politics/news/180826/plt1808260002-n1.html

 政府が、安全保障上の観点から米国やオーストラリアが問題視する中国通信機器大手2社について、情報システム導入時の入札から除外する方針を固めたことが25日、分かった。機密情報漏洩やサイバー攻撃への対策に関し、各国と足並みをそろえる狙いがある。
 対象となるのは、華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)。両社に対しては、米政府が全政府機関での製品使用を禁じているほか、オーストラリア政府が第5世代(5G)移動通信整備事業への参入を禁止するなど、除外する動きが広がっている。
 背景にあるのは安全保障上の根深い危機感だ。米下院情報特別委員会は2012年の報告書で、両社が中国共産党人民解放軍と密接につながり、スパイ工作にもかかわると指摘した。
 実際、米国防総省は今年5月、両社の携帯電話などを米軍基地内で販売することを禁止すると発表している。
 一方で、10月に予定される安倍晋三首相の訪中に向け、日中関係の改善ムードに悪影響が及ぶことを危ぶむ声もある。除外の方針が、世界貿易機関WTO)の内外無差別原則に抵触すると解釈される余地も否定できない。

 「米豪と足並み」という記事に「中国とあまりもめたくない(10月に安倍が訪中予定だし)」「米豪が足並みそろえろと言うからやっただけなんだ、米豪の要求を無視するわけにもいかないんだ、つうことを中国にわかってほしい」つう安倍政権のスタンスが読み取れます。
 まあ櫻井よしこなんぞは

・米豪を見習って安倍政権には華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)に対して『全政府機関での使用禁止』『自衛隊内での携帯電話販売禁止』『第5世代(5G)移動通信整備事業への参入を禁止』など、してほしいです。安倍総理なら絶対やってくれると確信してます。

とか言い出すんでしょうがたぶんしないでしょうねえ。しなくていいと思いますが。


大紀元『牛乳をやめたらガンが消えた』
http://www.epochtimes.jp/2017/05/27512.html
 法輪功が反医療カルトとわかるナイス文章です。なぜ法輪功が牛乳を敵視するのはわかりませんがこんな事実はありえないでしょう。もちろん嫌いな人間が無理して牛乳を飲む必要はどこにもありません。牛乳でなくても、チーズなどの乳製品で、また、乳製品でなくても他の食物で「牛乳に含まれる栄養素(タンパク質、カルシウムなど)」は取得できます。
 もちろん「牛乳が好きなら」これほど栄養素(タンパク質、カルシウムなど)に富んだ食物もないと思いますが。
 いずれにせよ、こんな反医療知識の流通ほど有害なもんはない。


■浅井基文ブログ『当代随一のならず者国家アメリカ」と中国・エルサルバドル国交樹立』
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1054.html
 トランプ政権以前だと「ネオコン・ブッシュ子のイラク戦争」が「ならず者国家アメリカ扱いでしょうか。しかしそれを上回るひどさで「ならず者国家」と化してるのが、浅井先生も批判するトランプ・アメリカです。

 中国と中米のエルサルバドルの国交樹立に対するトランプ政権のハチャメチャな行動に対する中国の厳しい批判を紹介します。
 中国は8月21日にエルサルバドルと国交を樹立しました。これは、5月27日のアフリカのブルキナファソ、6月12日の中米のパナマに続くものです。中国は「一つの中国」原則を堅持しており、中国との国交を樹立する国家は当然のこととして台湾と断交することになります。この結果、台湾で独立志向が強い蔡英文が総統に就任してからの2年間で台湾は5つの国家と断交することとなり、台湾が外交関係を維持しているのは17国だけとなりました。ちなみに、台湾と外交関係を維持しているのは、オセアニアキリバスソロモン諸島、ツバル、パラオ、マーシャル群島、ナウル、アフリカのスワジランドカリブ海のセントクリストファー・ネイビス、セントルシアセントビンセント・グレナディーン、ハイチ、中米のグアテマラホンジュラスニカラグアベリーズ、南米のパラグアイ、欧州のバチカンです。
 今回の中国とエルサルバドルの国交樹立に対して、8月23日の中国外交部の定例記者会見における記者の質問(浅井注:アメリ国務省WSはまだ掲載していない。トランプ政権になってからの国務省国防省のWSの情報更新の速度の遅さはまったく問題で、少なくとも数日遅れがざらです。したがって、間接情報によらざるを得ないことをお断りします)によれば、エルサルバドルの台湾との断交決定に深い失望を表明、同国との関係について検討中、中国が一方的に現状を変更したことを非難、台湾人民に危害を及ぼす脅迫的手段を執らないよう中国に自制を促す、などを内容としたスポークスマンの発言を出し、在「エルサルバドルアメリカ大使も、「エルサルバドル」と台湾の断交は米「エルサルバドル」関係に影響を及ぼすと発言し、アメリカの在台湾協会も、中国の台湾現状を一方的に変更する行為は地域の安定を損なうと述べ、アメリカの上院議員アメリカの対「エルサルバドル」援助を取り消すべきだと発言したなど、これまでにない強硬な反応を示しました。
 自ら「一つの中国」原則を承認して中国と国交関係を樹立したアメリカ(1972年の上海コミュニケ、1979年の国交樹立コミュニケ及び1982年の対台湾武器輸出に関する共同コミュニケでこの原則を再三確認)が、その原則に基づいて中国と国交を樹立し、台湾と断交したエルサルバドルを非難するのは、国際関係上の大原則の一つを土足で踏みつける行動であり、いかなる正当化も許される行為ではありません。これは、トランプ政権が国際法、国際ルールを踏みにじることをまったく意に介さない、当代随一の「ならず者」政権であることを改めて再確認させるものに他なりません。中国側が激しく反応し、批判するのは無理からぬことです。
<陸慷報道官8月23日発言>
 中国と「エルサルバドル」は独立主権国家であり、自国の対外関係を決定する権利を持つ。両国が一つの中国原則の基礎の上で国交を樹立したのは、歴史の流れに従い、国際法及び国際関係準則に合致し、両国人民の根本的利益にも合致するものであり、それぞれの国家が他の国家との関係を発展させることに影響しない。
 「エルサルバドル」政府は国連及び他の177ヵ国が行った(ボーガス注:台湾との断交および中国との国交樹立という)正しい決定を行ったものであり、他人がこのことに対してあれこれいちゃもんをつけたり、ましてや乱暴に干渉したりするなどのいわれはない。アメリカ自身、40年近く前に(ボーガス注:台湾と断交し)中国と国交を結んだ。今のアメリカは、一方で、他の主権国家が一つの中国原則を承認して中国と正常な国家関係を発展させることを妨げ、さらには脅迫し、他方では、蔡英文アメリカに入って活動することを許している。アメリカのこの手のやり方はまったく道理がなく、中国人民は断固反対だ。
<陸慷報道官8月24日発言>
 昨日、私はすでにアメリカが他国同士が正常な関係を発展させることに対する干渉に反対であるという厳正な立場を表明した。「エルサルバドル」は一つの中国原則の基礎の上で中国と国交を樹立したのであり、理にかなった至極当たり前のこと、光明正大なことである。我々は、アメリカが正しく中「エルサルバドル」国交樹立に相対することを促す。
 8月21日以前の段階で、中国は米州のアメリカを含む25国と国交があり、同地域の発展と安全に(ボーガス注:悪い)影響を与えていないし、積極的にそれを促進している。21日以後に米州に第26番目の国交樹立国ができたわけだが、このことが何故地域の発展と安全に影響するのか、私にはわけが分からない。
 「エルサルバドル」は国連及び他の177ヵ国と同じ立場に立って一つの中国原則を承認して中国と国交を樹立したのであり、これは歴史の潮流に従い、国際情勢に従い、国際法及び国際関係の基本原則に合致し、中「エルサルバドル」両国及び両国人民の根本的利益にも合致するものである。他の国がこれをあれこれあげつらうことこそが「エルサルバドル」の内政に干渉することではないか。一体誰がこの地域に対して政治的に干渉しようとしているのか。答えは言わずもがなだろう。

 しかしトランプ一味も無茶苦茶ですが、それを歓迎する蔡英文民進党政権一味も論外の馬鹿者だと思います。


時事通信『台湾、米声明に謝意=エルサルバドル断交』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018082401040&g=int

 台湾総統府は24日、中米エルサルバドルが台湾と断交し中国と国交を結んだことを非難する米ホワイトハウスの声明を受け、米側に謝意を表明した。
 ホワイトハウスは「中国のあからさまな介入を受け入れるものだ」と批判し、エルサルバドルとの関係を見直す方針を示している。

 トランプ政権もいってること無茶苦茶ですね。
 エルサルバドルからすれば「米国も含めてG7諸国は皆中国とのみ国交があるし、むしろ台湾とのみ国交がある方が少数派ヤン。なんでお前らに俺が台湾と断交したこと非難されにゃならん。まさかとは思うけど米国って中国と断交して台湾と復交するの?。G7諸国にも台湾との復交を働きかけるの?」「まさかとは思うけど本気で俺に台湾と復交してほしいわけではないよねえ?」「中国の態度は台湾への内政干渉てお前が我が国にやろうとしてることの方がよほど内政干渉やろ、トランプ?」でしょう。


■産経【正論9月号】福田康夫さん、元首相の肩書を返上しなさい 「南京大虐殺記念館」訪問の罪を問う 教育研究者 藤岡信勝
http://www.sankei.com/premium/news/180825/prm1808250004-n1.html
 むしろ安倍に「首相」の肩書きを返上してほしいですがそれはさておき。
 まあ、藤岡や産経でしかあり得ないアホ記事ですね。福田氏が記念館を訪問したことはもちろん非難されるようなことではない。
 ちなみに、ウィキペディア侵華日軍南京大屠殺遭難同胞紀念館」によれば福田氏以外の著名人では

■日本
 海部俊樹*9元首相、田邊誠元社会党委員長、村山富市元首相(元社会党委員長)、野中広務*10官房長官(1998年)、菅直人*11元首相(2002年)、古賀誠*12・元自民党幹事長(2006年)、安倍昭恵(2010年)、鳩山由紀夫元首相(2013年)
デンマーク
 マルグレーテ2世女王(2014年)
チェコ
 ミロシュ・ゼマン*13大統領(2017年)

が訪問しています。昭恵がなぜ訪問したのかさっぱりわかりませんが。
 そもそも、産経や藤岡は記念館の個別の展示を問題にしてるわけではなく「南京事件否定論」というデマゴギーだから論外です。しかし藤岡はともかく、「蒋介石秘録」では南京事件の実在それ自体は認めていたのに、そして未だに公式には秘録の記事は撤回されてないのに産経も全く無茶苦茶です。
 まあ、「男は黒豹」発言などの問題を割り引いても福田氏が「昔の自民党はともかく」、「今の自民党ではかなりまともな部類の政治家」であることは確かでしょう。
 「橋本*14、小渕政権時代」などならまだしも今の安倍自民ではこうした行為が、自民において歓迎されないことは彼も理解しているでしょう。それでも「彼の考える日本の国益のために」あえて訪問したわけです。
 福田氏からすれば「証拠がありすぎて南京事件否定なんて到底無理*15だ。あの事件で死刑になった松井石根・中支那方面軍司令官(東京裁判判決)や谷寿夫・第6師団師団長(南京軍事裁判判決)がえん罪だとでも言うのか?。ユネスコに世界記憶遺産登録された南京事件関係資料はすべて資料的価値はないとでも言うのか?。そんなことしても日本の評判が落ち、日中関係も悪くなるだけ」「なぜ『否定しようがない事実を否定しようとする』というホロコースト否定論や進化論否定論と同レベルの愚行をするのか」でしょうね。

 議論を先に進める前に、私が福田氏の政策で評価していることを一つだけ書いておきたい。それは、福田氏が、公文書館の整備・充実について、一貫して強い関心と見識をもっておられることである。
 歴史研究の基礎資料としてのアーカイブズの充実は重要な国家的課題だが、日本の現状は、史料の書庫の総延長で、韓国と比べても10分の1という驚くべき貧弱さである。歴代の首相のなかで、この問題への理解において、福田康夫氏の右に出る者はいない。

 単に藤岡が「俺は公平な立場で福田氏を評価してるんだ」と言い訳するための前振りに過ぎず、正直、藤岡はこうした福田氏の行為はもちろん、福田氏とは必ずしも関係ない「公文書館の整備自体」にも興味もないでしょうがそれはさておき。
 前振りに過ぎないとはいえ、「福田氏を敵視するウヨ」藤岡にこう書かれる程度に福田氏は「公文書管理」などで一定の成果を上げてきたわけで、やはり福田氏は安倍なんぞとは比べものにならないまともで立派な政治家だと改めて思います。
 なお、話が少し脱線しますが
1)戦前日本が連合国の戦争責任追及(実際には東京裁判などのかたちで現実化)を恐れ、戦争責任追及のネタになりそうな公文書を大量に破棄したこと。にもかかわらず笠原氏や吉見氏が努力により南京事件慰安婦など日本の戦争犯罪を暴いてきたこと。そうした笠原氏らに藤岡が誹謗を行ってきたこと
2)安倍が森友追及を恐れ、公文書改ざんを財務官僚にさせたこと。それについて藤岡らがろくに批判しないこと。森友公文書改ざんについて福田氏が「安倍政権が適切な処分をしたか疑問」と批判していること
を予備知識として知っていれば、「藤岡も公文書館の整備が大事だなんて、よくもまあこんなことが言えるもんだ」と呆れざるを得ません。
 なお、コメ欄で「米国の公文書管理」について指摘がありますが、米国なんかは日本と比べると公文書管理は充実しているようです。
 そのあたりが「無謀な対米戦争に突入した非合理な日本」と「合理主義の米国」の違いでもあるのでしょう。

 7月4日付の産経新聞は、今回の件に関して、福田氏本人のインタビュー記事を掲載した。その中で、福田氏は、「南京大虐殺記念館を訪問したのは、私の希望でした」と明言し、訪問の動機を語っている。その内容を整理すると、3つの理由になる。
 その第一は、福田氏は南京と特別の縁があり、「望郷」の思いがあったというものだ。大蔵官僚であった父・福田赳夫元首相は、1941〜43年、汪兆銘政権の財政顧問として南京に赴任した。1936年生まれの康夫氏は、そのうちの3か月間を南京で生活した。年齢は5歳前後である。
 第二に、2014年に習近平国家主席が記念館を訪問した後、内容が随分入れ替えられたと聞いたことだ。
 第三に、日本テレビが放映した南京事件のドキュメンタリー番組をたまたま見て、「やはり旧日本軍が中国人を殺したことは事実なんだなあ」と思ったことだ。

 「第一」についていえば、岸信介*16満州国総務庁次長)、大平正芳*17椎名悦三郎*18高碕達之助*19満州重工業開発総裁)なども日中戦争、太平洋戦争当時、中国で活動しています。当時の政治家としては別に珍しくありません。
 「第三」について言えば、この番組は後に清水潔『「南京事件」を調査せよ』(2017年、文春文庫)として著作化されています。


時事通信『日本酒品評会、中国で初開催=140本試飲、輸出拡大狙う−北京』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018082400988&g=eco
 たぶんid:Mukkeさんなら「日本酒業界に霞を食えとは言えない」といってくれると思います(皮肉、嫌みのつもり)。


■産経 【正論】インド太平洋戦略を活性化せよ 平和安全保障研究所理事長・西原正*20
http://www.sankei.com/column/news/180822/clm1808220005-n1.html

 安倍晋三政権は2016年以来「自由で開かれたインド太平洋戦略」という外交戦略を掲げてきたが、まだ内容は薄いままだ。掛け声だけに終わっている感がある。

 「インド太平洋戦略=中国封じ込め」ですからね。
 李*21首相の訪日を歓迎し、一帯一路への参加表明した安倍がそんなことを今考えるわけもない。

 現状の東南アジア、南太平洋、およびインド洋周辺国のいくつかは、中国の政治、経済面における覇権的影響力に圧(お)されて、身動きができない状態にある。東南アジアのラオス、南太平洋のトンガ、インド洋周辺国のスリランカジブチなどがその典型である。

 もちろんこれらの国は経済的利益から主体的に「親中国を選択」してるだけで身動きできないわけではありません。

 最近になって、マレーシアとミャンマー、それにオーストラリアも中国の経済的支配拡大を懸念し、対中関係を見直している。
 日米はこうした対中政策の見直しをする国を支援することで、中国の行動を牽制することができる。

 「中国との経済関係を見直すなら是非日本と経済的に付き合ってください」と「企業の売り込み(ホニャララ社ではなく我が社と是非契約してください、など)」のように経済的に食い込もうというならまだわかります。何のために牽制するのか?

 日本の「一帯一路構想」への参加は限定的にして

 もはや「一切参加するな」ということは諦めたようです。


■産経『金門島は対中傾斜が顕著、政権と溝も 第2次台湾海峡危機60年』
http://www.sankei.com/world/news/180823/wor1808230032-n1.html 

 蔡政権と金門当局の溝も浮かぶ。金門では5日、中国側から送水管による水の供給が始まった。金門は花崗岩(かこうがん)の地質と雨の少ない気候から水不足が続き、国民党の馬英九前政権下の2013年、中国側と送水で合意。今年に入り海底16キロ分を含む送水管の敷設が終わった。
 だが、蔡政権は、中国が台湾への圧力を強めながら民衆に「良い顔」をするのは容認できないと式典の延期を要求。これに対し、金門県政府(県庁)は式を予定通り開き、県長(知事)が送水と送電、大陸側と結ぶ橋を架ける「新三通」を提唱した。副県長(副知事)は8日、金門とアモイは「共同生活圏」だとして、中国の台湾統一方策である「一国二制度」の適用を改めて主張した。

 今や金門島でのドンパチなど起こりえないわけです。


日本李登輝友の会『日本台湾交流協会が台湾の慰安婦像設置に申し入れ』
http://www.ritouki.jp/index.php/info/20180816/

 周知のように、南京虐殺30万人説は中国がこれまで主張してきたところで、中華民国はそもそも10万人説だったので、馬前総統の認識はまさに今の中国と同じだ。

 もちろんそんな事実はありません。そもそも「30万」のルーツは松井石根*22・中支那方面軍司令官、谷寿夫*23・第6師団(熊本)師団長(役職は南京事件当時)に死刑判決が下った「東京裁判(松井)や南京軍事裁判(谷)の事実認定」であって中国共産党のオリジナルではありません。かつこれらの裁判当時の中国政府は蒋介石政権です。
 また蒋介石が「40万人にも達するのではないか」と被害者数を認識していたことは産経「蒋介石秘録」で有名です。
 この「友の会」の記事は馬前総統や現在の国民党に「中国の手先」レッテルを貼るための悪質なデマでしかありません。


■産経【主張】台湾に断交圧力 地域の安定損なう動きだ
http://www.sankei.com/column/news/180823/clm1808230002-n1.html
 なぜ台湾ロビー・産経がこんな泣き言を言うかというと「台湾との断交が相次ぐこと」について台湾が全くなすすべがないから、です。
 反撃として「中国との断交」を仕掛けることなどできない。そもそもこうなってしまったのは、蔡英文政権が馬英九前政権との差別化を理由に中国に敵対的な態度をとったからです。
 当然ながら「何らかの対中融和策をとるべきところ」、『中国の圧力には屈しない(蔡英文)』で終わりなんだからどうしようもありません。

 台湾を外交承認する国は17カ国と過去最少を更新した。蔡英文政権下での断交は5カ国にのぼる。

 ちなみに17カ国とは

オセアニアキリバスソロモン諸島、ツバル、パラオマーシャル諸島ナウル
アフリカ:エスティワニ(旧称:スワジランド)
中南米グアテマラ、セントクリストファー・ネービス、「セントビンセントおよびグレナディーン諸島」、ニカラグア、ハイチ、パラグアイベリーズホンジュラスセントルシア
ヨーロッパ:バチカン 

です。
 断交した5カ国とは

中南米パナマドミニカ共和国エルサルバドル
・アフリカ:サントメプリンシペ、ブルキナファソ

です。


ペマ・ギャルポ『台湾との交流深め絆構築を』
http://pemagyal.cocolog-nifty.com/blog/2018/08/post-7f4a.html

 最近日本のメディアは米中経済戦争、とりわけ卜ランプ米大統領保護主義的スタンスを批判的に 報道している。

 そりゃトランプは中国以外にもEU諸国、カナダ、日本にも報復関税ですし、その結果、世界経済、米国経済にも悪影響が出ていますからね。

 かつて中国のチべッ卜侵略に対し毅然とした態度を示せなかったインドやイギリスなどと同じ過ちを日米が犯さないことを期待したい。

 そもそも蒋介石中華民国時代から独立国扱いされてないチベットと「一時は国連に議席を持ち、欧米と国交もあった台湾」とは全然違います。
 それにしても事情はともかくダライの亡命を受け入れてるインドによくもまあこんなことがいえたもんです。

 中国政府は朝鮮戦争のとき、人民解放軍ではなく義勇兵として万単位の中国人軍人を送り込んでいる。

 当時は台湾も大陸反攻を捨ててはいなかった、そして米国は「台湾と国交を結び、台湾が国連に議席を持っていた」、つまり「朝鮮戦争を機に米国が中国に侵攻し毛沢東政権を転覆しようとする恐れはゼロではなかった」「だから防衛的な意味で義勇軍を送り込んだ」という事情があるので、「中国が国連に議席を持ち、欧米諸国と国交を持ち」、「米国による大陸中国政府転覆などありえない」今とは全然政治状況が違います。
 まあそれはともかく。「義勇軍」てのが重要ですね。公然と人民解放軍を送り込むことにはさすがに躊躇したわけです。当時も今も中国もそれなりの常識はある。今の中国は「台湾が独立宣言しない限り」侵攻することはないでしょう。また、独立宣言してもまずすることは「経済制裁」であっていきなり侵攻はないでしょう。侵攻はあくまでも「最後の手段」です。

 また現在、報道によると約5000人の義勇兵をいつでも尖閣諸島に上陸できるよう待機させているという。

 「一体どこの報道だよ?、産経?、世界日報?、大紀元?」て話です。まあこんなデマ屋のクズ「ペマ・ギャルポ」がいる限り、俺はダライ一味など絶対に支持しません。

 日本が直面した未曾有の震災*24の際に台湾国民が多大な義援金と心からの連帯を表してくれたことも忘れてはならない。

 何も台湾だけが義援金を出したわけではなく中国も「その他の国」も出しています。そして中国にせよ台湾にせよ、他のどこの国にせよ単純な善意での義援金ではないわけです。


■産経【北海道が危ない 第6部(下)】農地買い上げに自治体動く
http://www.sankei.com/affairs/news/180822/afr1808220026-n1.html
 そもそも中国資本が購入したら何が問題なのか。まともな説明を結局産経はできません。ろくな根拠もあげずに不安だの心配だの扇動するだけです。


■産経【北海道が危ない】学生16人が現地を視察 「われわれも問題意識を」
http://www.sankei.com/life/news/180822/lif1808220038-n1.html
 将来の右翼活動家候補でしょうか?。この16人の学生の将来が本当に心配ですね。
 危ないのはもちろん北海道ではなく、この16人の人生でしょう。バカ右翼で一生を終えるなど不幸としか言い様がありません。


■産経『自民青年局、台湾慰安婦像で蔡英文総統に申し入れ「日台関係に影落としかねない」』
https://www.sankei.com/world/news/180821/wor1808210025-n1.html

 自民党鈴木馨祐*25(けいすけ)青年局長らは21日、台北の総統府で蔡英文総統と会談し、南部・台南市に設置された「慰安婦像」について「日台関係に影を落としかねない」と適切な対応を求めた。鈴木氏が記者団に明らかにした。
 蔡氏から個別の回答はなかったという。鈴木氏らは同日、台湾の頼清徳行政院長(首相に相当)とも会談し、同様の申し入れを行った。頼氏は前台南市長で、「状況は理解している。(像は)台南市民が支持しているわけではない」などと応じたという。

 蔡は答えず、頼も「ご意見は承った」程度の対応でしかなかったわけです。「よくわかりました。銅像の撤去のために全力を尽くします」なんて言わない。
 この問題で自民ウヨに同意すれば「国辱だ」「日本にこびている」「慰安婦を馬鹿にするのか」「民進党はふざけるな」と世論の袋だたきに遭い、国民党を利すると言うことでしょう。


■産経『台湾がエルサルバドルと断交 中国は国交樹立の文書に署名』
http://www.sankei.com/world/news/180821/wor1808210024-n1.html
 また台湾と断交する国がでたわけです。


■産経『「物品役務相互提供協定」協議開始で合意 日印防衛相会談』
http://www.sankei.com/politics/news/180820/plt1808200030-n1.html
 産経だと「これで中国封じ込め」と与太を飛ばしそうですが、この協定の是非はともかく、まあそういう中国封じ込め話とは関係ないでしょう。

 自衛隊とインド軍との間で食料や燃料を融通する「物品役務相互提供協定」(ACSA)

について「インドと中国で国境紛争が起こったらこの協定で日本がインドを軍事支援します」なんてバカなことを言ったら日中関係がそれこそ恐ろしいことになってしまいます。

 小野寺氏は21日にはスリランカを訪問し、中国の支援で完成したハンバントタ港などを視察する予定。

 何のために視察するのか知りませんが「中国が支援したという割には港湾施設がしょぼかった、日本が改めて支援したい」とことさらに言うなど、あとあと中国を憤激させるような挑発行為だけは辞めてほしいもんです。


■産経『「新植民地主義望まぬ」 訪中のマハティール首相が中国を牽制 友好的な対中政策継続も強調』
http://www.sankei.com/world/news/180820/wor1808200036-n1.html
■日経『中国、マレーシアと関係修復 米中貿易戦争にらみ摩擦回避』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34357000Q8A820C1FF8000/
とは大分論調が違うので吹き出しました。もちろん日経の方がまともな論調でしょう。


■日経『中国、マレーシアと関係修復 米中貿易戦争にらみ摩擦回避』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34357000Q8A820C1FF8000/

「両国間の貿易、特にマレーシアの農産品などの輸入を一段と増やしていきたい」。
 李氏は会談後の記者会見で経済協力の重要性を強調した。マハティール氏も「両国が協力の中から得られる利益はとても多い。国のイデオロギーにかかわらず、各国の市場を開拓していきたい」と応じた。
 マハティール氏は5月の首相就任後、習氏肝煎りの「東海岸鉄道」計画や、天然ガスのパイプライン建設など中国系企業が手掛ける複数のインフラ整備事業について国の財政状況を理由に中止を通告した。記者会見では「中国がマレーシアの財政状況を同情の心から理解してくれると信じている」と述べた。会談では事業の見直しについて協議したもようだ。
 李氏はパーム油を使ったバイオ燃料の共同研究・開発などに関する協力文書の署名式典で、隣に立つマハティール氏に何度も顔を近づけて笑顔で会話を交わした。中国側は昼食会と夕食会も開いて歓待した。
 一方、マレーシアにとっても中国は最大の貿易相手国で、経済成長に欠かせない存在だ。マハティール氏は首相に就任してから「重要な貿易相手である中国とは仲良くしないといけない」「(中国主導の広域経済圏構想である)一帯一路を支持している」と発言。インフラ事業の縮小・中止はあくまでマレーシアの債務を減らすのが目的で、中国との経済関係維持は重要だと強調してきた。
 今回の中国訪問でも、自動車大手、浙江吉利控股集団電子商取引大手、アリババ集団を訪れ、マレーシアの国産車メーカー、プロトン・ホールディングスなどとの協力拡大を確認した。

 まあ意見の違いはあっても産経が期待するような反中国の動きなどないわけです。


■産経【野口裕之の軍事情勢】「中国共産党の死」を見届けられぬ?習近平氏 爆殺・毒殺未遂9回に疲労は危険レベル 
http://www.sankei.com/premium/news/180820/prm1808200006-n1.html
 どう見ても怪しげな暗殺未遂説とやらを放言するとはさすが野口です。もちろん褒めてません。

 小欄では過去何度か、習主席の「眠たげな顔」の原因の一つが「暗殺への恐怖→不眠→疲労困憊(こんぱい)」故だと報じてきた。

 馬鹿馬鹿しい。一国の首脳ともなれば暗殺などあろうとなかろうと、それでかかる精神的ストレスは大変なもんでしょう。
 日本でも大平*26首相、小渕首相が在任中に病死していますし、石橋*27首相は病気退任しました(幸いにも退任後健康を回復しましたが)。
 ちなみにふと気づいたのですが戦前日本では

原敬*28首相
浜口雄幸*29首相
犬養毅*30首相:515事件
岡田啓介*31首相:226事件

と4度、右翼による「首相の暗殺or暗殺未遂事件」が起こってますね。全く物騒な話です。

 3月の憲法改正で習主席が「終身国家主席」へと突き進む事態

 何度も書いていて本当に飽きてるのですが「任期制廃止の是非」はともかくそれは「終身制」ではありません。今わかってることは「習主席が3期目をやることが制度上可能になった」というだけの話です。本当に3期やるかはわかりませんし、3期やったとしてもそれはもちろん終身ではないわけです。


朝日新聞『日本のコメ、いざ中国へ すし食べた訪日客の帰国後狙う』
https://digital.asahi.com/articles/ASL7Z4V23L7ZPLFA00R.html

 コメ業界が中国への輸出を本格化させる。限られていた輸出拠点が広がったためで、卸売り最大手の神明(神戸市)が先陣を切った。
 日本のコメ輸出(2017年度)の3割を占める神明。それでも、同社が扱うコメの量全体からみれば、輸出は1%未満にすぎない。これを機に、中国向けの輸出量を2020年度にはいまの20倍となる2千トンへ、2025年度には100倍の1万トンへ増やす計画だ。
 中国へのコメ輸出が本格化したのは、5月の日中首脳会談の合意で日本側が使える施設が増えたからだ。中国は2007年に日本産のコメの輸入を認めた時、病害虫の侵入を防ぐためとして、自国が認めた精米施設や倉庫を使うように求めた。これまでは神奈川県にある全農系の施設からの輸出に限られ、2017年はわずか298トンだった。神明もここに依頼して中国に出していたが、実績は約100トンにとどまっていた。
 対象施設の追加で、兵庫県西宮市の「神明きっちん」をはじめ、北海道石狩市にあるホクレン農業協同組合連合会の精米工場や、神戸市東灘区、山形県酒田市熊本県八代市の倉庫など計7カ所が新たな輸出拠点となった。対中輸出向けに処理できる能力は年7千トンから2万トンに拡大し、神明以外の各拠点でも輸出が始まる予定だ。
 国内のコメ消費は年8万トンのペースで減り続けている。そこで、農林水産省は日本酒や加工品も含むコメの輸出量を、16年の2万4千トンから19年には10万トンに増やすプロジェクトを開始。名乗りを上げた59の輸出事業者と、250を超える産地や生産者団体の取り組みを支援している。
 現状では香港とシンガポールが輸出先の半分以上を占めるが、中国のコメ市場は世界の約3割を占める約1億5千万トン。日本の20倍の規模とされ、どう開拓していくかが課題だ。

 中国へのコメ輸出が本格化したのは、5月の日中首脳会談の合意で日本側が使える施設が増えたからだ。

というのは例の「安倍が李首相の北海道訪問に同行までした」時の話です。まあ俺的には「日中友好万々歳」ですし、米卸売り会社・神明も万々歳でしょう。産経のようなウヨは不愉快でしょうが。
 しかしこうなると「(ボーガス注:ノルウェーサーモンを中国に売ってる)ノルウェーに霞を食えとは言えない。だからノルウェー首相がダライ猊下と合わなくて不満はない(id:Mukke先生の名言)」だけではなく「神明など米卸売業界に霞を食えとは言えない」「(ボーガス注:神明以外にも中国ビジネスしてる日本企業はたくさんあるので)日本に霞を食えとは言えない。だから日本の与野党幹部がダライに会わなくても、ダライに冷たくても仕方がない」といっていいかと思うのですが、id:Mukke先生はどう思われますか?(もちろん皮肉、嫌みのつもり)。


桜井よしこ『中国マネーが席巻する征服と略奪の網 日本は負の流れ変える歴史的使命がある』
https://yoshiko-sakurai.jp/2018/08/18/7574

 中国の債務の罠に捕捉された国々はスリランカのように、港やダム、重要インフラ、広大な国土を99年間などの長期間、中国に奪われてしまいかねない。

 是非はともかく現時点において中国がスリランカから獲得してるのは「ハンバントタ港の経営権の99年間リース」だけです。日本で言えば「横浜港(まあ、名古屋港でも大阪港でも何でもいいですが)の経営権の99年間リース」とかその程度の話です。是非はともかくその程度で「国土が奪われた」と言うのはデマも甚だしい。
 「広大な国土」に「重要インフラ」、ダムなんてもんは何一つ取得していない。デマも大概にしてもらいたいもんです。


■リベラル21『「生死はときの運、興亡は天にゆだねよう」:習近平批判』阿部治平*32
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4460.html

 習近平政権によって政治上の基本的原則がないがしろにされた結果、そこに生まれた憂うべき問題として、許先生は次の8項目を挙げている。
 第一は財産権侵害についての恐れ。
 重慶党書記時代の薄熙来*33は金持ちを陥れて財産を没収し、一家離散に追込んだ。

 なお、許某の文章については
朝日新聞『習主席への個人崇拝「やめよ」 中国の名門大教授が論文』
https://www.asahi.com/articles/ASL8151QJL81UHBI01R.html
産経新聞『個人崇拝は「知能レベル低い」…習近平主席母校の教授、共産党指導部に“反旗”』
https://www.sankei.com/world/news/180730/wor1807300022-n1.html
などマスコミでもそれなりに取り上げられてはいます。
 ちなみに習氏の母校というのは清華大学でここは理系の名門です。世界大学ランキングでも割と上位にランクされる。
 習氏以外にも
・朱鎔基*34元首相
胡錦濤国家主席
などがこの大学出身です。
 それにしても、習氏批判でなんで薄が出てくるのか意味がわからないですね。
 薄は習氏の側近どころか、習氏ら共産党中央によって重慶市党委員会書記を解任されたあげく、権力乱用や汚職で裁かれ獄にいる人間ですが。
 薄しか例に出せないのであればそれこそそんな恐れはないでしょう。

第二は政治主導が突出して経済建設中心の基本政策を放棄すること。

 いや一体いつ放棄されたんでしょうか?
 この時点で「阿部治平とか中国清華大学教授・許章潤とかばかじゃねえの?」「こいつらの話は聞かなくていい」でしょう。
 一帯一路とかAIIBとかがわかりやすいですが、今の中国政府が経済建設を軽視してるわけがないでしょう。
 「経済重視を理由に自由主義や民主主義を軽視してる」ならまだしもこんなバカなこという人がいるんですね。

第三はふたたび階級闘争をやること。

 階級闘争が何を意味するかにもよりますが、まあ毛沢東文革的なことならやるわけもないでしょう。

第四は、ふたたび鎖国状態におちいり、中国がアメリカをはじめ西側世界と疎遠になり、北朝鮮のような悪政国家とくっつくこと。

 なんかマジで読んでるのが苦痛になってきました。
 一帯一路やAIIBと「鎖国」とどうつながるのか。
 あるいは

https://jp.reuters.com/article/china-britain-idJPKBN1FM0NZ
■ロイター『英国、メイ*35首相の訪中で93億ポンドの契約 両国関係は「黄金時代」』
 英国政府は2日、メイ首相の中国訪問中に93億ポンド(132億6000万)超の契約を締結したことを明らかにし、国内で2500人超の雇用創出につながるとの認識を示した。
 メイ首相は上海でのビジネスサミットで、英国は習主席が掲げるグローバリゼーション構想や、より開かれた中国経済を積極的に支援したいと表明。
 中国との貿易は英国でのインフラ整備や雇用創出に貢献しており、英企業の約5万社が中国製品を輸入、1万社以上が中国へ製品を販売しているという。
 首相は「われわれは、世界に名高い英国の食料や飲料の中国への輸出を増やし、世界に通用する英金融サービス会社の一部へ市場を開放する方向で合意した」と述べた。
 フォックス*36国際貿易相は、声明で「今週署名した契約は90億ポンド超相当で、英国の製品・サービスへの需要を浮き彫りにした」と強調。
 「国際経済部門としてわれわれはこの貴重な関係の発展に引き続き取り組んでいく。英国企業はすでにこの関係から貿易で年590億ポンドの恩恵を受けている」と指摘した。
 契約には商業取引や市場アクセスに関する合意、異なるセクター間の契約が含まれており、契約額はさらに増える見通し

http://www.sankei.com/world/news/180110/wor1801100035-n1.html
■産経『経営難の仏原子力大手、中国が救う 再処理工場受注へ マクロン訪中さなかに覚書調印』
 フランスの原子力大手アレバは9日、中国での核燃料再処理工場の建設で国営「中国核工業集団」(CNNC)と合意に達し、北京で覚書に調印したと発表した。事業総額は100億ユーロ(約1兆3300億円)とみられ、経営危機にあるアレバを中国資本が救うことになる。
 調印式には、中国を訪問中のマクロン*37仏大統領と習近平・中国国家主席が立ち会った。

https://www.sankei.com/world/news/180710/wor1807100004-n1.html
■産経『独中、約2兆6千億円規模の経済協力に署名』
 ドイツのメルケル*38首相は9日、訪独中の中国の李克強首相とベルリンで会談した。双方は総額約200億ユーロ(約2兆6千億円)相当の経済協力協定に署名。
 両首脳の会談は独中の政府間協議の一環。独メディアによると、協定には自動運転車や電気自動車の開発関連などの協力が含まれ、自由貿易の推進を目指す共同声明も発表された。

などという事実は阿部治平や許章潤には見えないのか。見えないのならバカだし、見えた上でデマ飛ばしてる場合でも「別の意味でバカ」です。
 基本的に欧米各国と中国は密接な経済的つながりがあり、鎖国なんてことはあり得ません。そんなことは中国にとっても欧米各国にとっても不利益でしかない。それともよほど奇妙で特殊な「鎖国」定義でしょうか?
 ついでにいえば、北朝鮮も別に好きで鎖国(?)してるわけではない。米国の制裁で結果的に鎖国状態になってるだけです。「自分から進んで鎖国」など「昔のアルバニア」くらいでしょう。
 なお、江戸時代の鎖国とて「出島でオランダや中国とは貿易していた」ので「完全な鎖国(?)」ではありません。あくまでも「自由貿易にした場合の弊害を恐れて管理貿易していた」にすぎません。

 北朝鮮とくっつく

つうのも変な表現です。北朝鮮と中国は「軍事同盟も結ぶ密接な関係」にあるのは毛沢東トウ小平江沢民胡錦濤時代からの話で習氏からの話ではない。
 しかも「事情は何であれ」中国は安保理北朝鮮制裁に賛成してるのですが。常に北朝鮮の希望通りなどそもそも中国は動いていません。

 第五は対外援助が大きすぎること(「一帯一路」政策への批判)。

 第5でやっとそれなりにまともそうな批判が出てきました(第6以降もそれなりにまともかと思います。少なくとも第1から第4ほど酷くない)。がそれはさておき。
 おいおいですね。「批判の是非はともかく」、第5の批判と第4の批判は完全に矛盾してます。
 「鎖国」なら対外援助などしないし、対外援助してるなら鎖国はしてない。
 「阿部の紹介が正しい」のならば、「矛盾に気づかないほど許がバカとも思えない」ので、でまかせを放言してるのでしょう。
 結局、許章潤とはまともな批判派ではないのでしょうね。こんなんは相手にするだけ馬鹿馬鹿しいだけです。許が政府の弾圧を受けるか知りません。受けたら「弾圧をやめるべきだ」と批判すべきでしょう。ただそれは「そうすることが人道的だから」「どんなクズでも人権侵害は許されないから」であって許の主張など何の価値もないでしょう。
 なお、「中国だけでなく日本や欧米も同じですが」、対外援助は「単なる善意」ではなく「中国の国際社会での政治的発言力強化」「中国企業の海外進出」といった面があるので「大きすぎるかどうか」の評価は必ずしも簡単ではないでしょう。

 第六は知識分子を思想改造するために、左傾のイデオロギー政策を実行すること(近年の民主人権派人士への弾圧)。

 これについては評価は難しいですね。
 まあ、民主派への弾圧はされてるのでしょう。ただしそれが「思想改造」なのかどうか、思想改造だとしてどんなモノなのか、左傾と評価されるべきものなのか(そもそも許や阿部の言う左傾とは何なのか)、江沢民胡錦濤時代とは何か違いがあるのか、は小生も知識がないのでコメントはしません。

 第七、軍備増強競争と戦争の爆発、新冷戦となること。

 まあ中国が軍事費を増大させてることは平和主義の観点などから批判されるべきことかもしれません。ただそれは「中国のみを批判すべき」ではないでしょう。
 なお、「戦争の爆発」が何を意味するかわかりませんが、中国も大規模な対外軍事活動する気はないんじゃないか。南シナ海領土紛争も今のところフィリピンやベトナムとの大規模軍事衝突などには至っていません。また「新冷戦」つうほど欧米と対立する気も中国にはないでしょう。そんな対立の意思があったら一帯一路など計画しないでしょう。

 第八の問題は、改革開放が終り強権政治に全面的に回帰すること。

 これまた評価は難しいですね。基本的にトウ小平以降の改革開放というのは経済面中心であって、天安門事件でわかるように必ずしも政治の自由化を意味しないわけです。
 習氏が政治の自由化、民主化を積極的に推進はしていないにせよ「強権化」としてトウ小平時代、江沢民時代、胡錦濤時代よりも「民主面で逆行してるのかどうか」は知識がないのでこれまたコメントしません。

 うがった見方をすれば、この論文は注意深く中共一党支配の是非をとりあげていないうえに、8月の北戴河会議を控えて発表されたものだ。北戴河会議は毎年開かれる現旧中共最高級幹部合同の人事や政策の検討会である。許先生の背後には守護神すなわち最高級有力者の支持があるか、あるいはそうした人物の示唆によってこの論文が書かれた可能性がある。

 であるのなら単に反主流派(反習派:阿部が誰を想定してるのかわかりませんが。前任者である胡錦濤氏や前前任者である江沢民氏でしょうか?)という「権力者の走狗」なだけで大して評価できる話でもないでしょう。
 いずれにせよ「現実性がないから」でしょうが、許が「トウ小平以来の改革開放を台無しにする習」という論理展開であって「複数政党制導入」など「共産党一党独裁否定」はしてない点は「阿部も指摘するように」重要なポイントかと思います。
 まあ、どうせ「掲載拒否する」のでしょうがこの記事を「大幅にスリム化した上で」阿部記事コメント欄に投稿してみました。


■産経『台湾の総統入店で不買運動 中国のネットユーザーが呼び掛け』
https://www.sankei.com/world/news/180816/wor1808160005-n1.html

 中南米を外遊中の台湾の蔡英文総統が12日に経由地の米西部ロサンゼルスで台湾系のカフェチェーン「85℃」に立ち寄ったところ、反発した中国のネットユーザーが不買運動を呼び掛ける事態になった。
 グルメマスター社が運営する「85℃」は中国内で約590店舗展開している。現地法人は声明文を発表し、中台は不可分の領土とする「一つの中国」原則に基づく「1992年合意」の支持や「両岸(中台)は家族」を強調。台湾でも「従業員を守る責任がある」との声明を出した。

 まあ、中国版ネトウヨの無法を非難した上での話ですが、蔡も軽率だったんじゃないか。
 いずれにせよ中台間でこうした経済交流がある以上、「台湾が独立を公式に宣言」など、よほどのことがない限り、中台間での戦争はあり得ません。


■産経『香港独立派、「独立こそが『民主主義を実現する唯一の道』」と講演 中国外務省「絶対許さぬ」と非難』
https://www.sankei.com/world/news/180814/wor1808140021-n1.html
 現実問題として独立なんかできないでしょうにねえ。いやそもそも独立したとしても中国との距離を考えれば敵対関係にもなれませんしねえ。


■産経【主張】日中平和条約40年 覇権主義の現実見据えよ
https://www.sankei.com/column/news/180814/clm1808140003-n1.html
 産経の異常な反中国にはいつもながら「やれやれ」ですね。
 AIIBや一帯一路でわかるように中国外交は「覇権主義」の4文字で敵視していい代物ではないわけです。

 安倍晋三首相は李克強*39首相と交換した祝電で、5月の李氏訪日を評価して「日中関係が正常な軌道に戻った」などと記したが、果たしてそうなのか。

 安倍ですら異常な反中国をやめだしたというのに産経は未だにこれです。

 中国に対する日本の期待は裏切られ続けてきた。1989年の天安門事件後、欧米が経済制裁を続ける中でいち早く支援の手を差し伸べたのは日本だ。官民を挙げて経済発展を後押しした。
 にもかかわらず中国は、沖縄県尖閣諸島で公船の領海侵入を繰り返す。歴史問題を持ち出しては日本を攻撃し、反日デモでは日本の公館や企業が襲撃された。

 やれやれですね。反日暴動がいいとは言いません。しかしそこには「小泉靖国参拝」「野田政権の尖閣国有化」「安倍靖国参拝」「南京事件資料ユネスコ世界記憶遺産登録への自民党議員の因縁」などがあるわけです。
 「日本はずーっと中国と仲良くやろうとしてきたのに中国がけんか売ってきた」などという話では全くありません。
 大体「差し伸べた」て恩着せがましく言うのもねえ。単なる善意じゃなくてもちろん金儲けの訳ですから。
 大体、最近、李首相が訪日して安倍も歓迎したのに、それをぶち壊しにしようというのだから産経もたいした反中国です。

 中国を支援すれば、やがて人権や民主主義、法の支配などの普遍的な価値観を共有できるとの楽観論は誤りだった。

 そもそもそういう理由で支援してきたわけじゃないですからねえ。そういうこという奴がいても、「単に言い訳に過ぎない」でしょう。
 金にさえなればアパルトヘイト南アと付き合って、名誉白人の称号を南ア政府からいただき、あげく国連総会で日本非難決議(1988年)が可決されるような「エコノミックアニマル」な国が日本です。
 今日本が付き合ってる国の内、たとえば軍政エジプトなんかは「人権や民主主義、法の支配」の観点では大いに問題があります。でも産経は「エジプトとの付き合いはやめるべき」なんて言わないわけです(例はエジプトでなくて王政サウジでも何でもいいですが)。単に反中国なだけです。
 まあ、昔に比べれば今の中国は「人権や民主主義、法の支配」は改善されたとは思いますね。

 例えば広域経済圏構想「一帯一路」である。安倍政権は協力姿勢をみせるが、それが軍事を含む中国の勢力拡大に結びつかないか。

 別に日本が参加しなくても英国やフランス、ドイツやイタリアなどが参加するだけでしょう。日本財界はそれを危惧して安倍に「早く一帯一路に参加表明しろ」と突き上げたわけです。

 条約の翌年に供与を始めた対中ODA(政府開発援助)も完全に終えるべきだ。累計3兆円を超えた円借款は新規の引き受けを終えたが、無償資金協力や技術協力で今も年数億円を供与している。世界2位の経済大国が、なお援助を受け続ける理由はない。

 その理屈だと経済大国・米国がいわゆる「思いやり予算」なんか日本からもらう理由はないと思うので是非産経は「思いやり予算廃止論」を主張してください。しないでしょうけど。


■朝日『台湾に初の慰安婦像 前総統「正式な賠償と謝罪」訴える』
https://www.asahi.com/articles/ASL8G4QW9L8GUHBI010.html

 旧日本軍の慰安婦だった韓国人女性が1991年に初めて実名で体験を公表した日にあたる14日、台湾南部の台南市に台湾で初めての慰安婦像が設置された。野党国民党の前総統の馬英九*40(マーインチウ)氏が除幕式に参列し、日本政府に対し、「正式な賠償と謝罪」を訴えた。

 俺的に馬前総統への評価が大いにアップしています。


■産経『台湾に初の慰安婦像 台南に設置へ 野党・国民党が関与』
https://www.sankei.com/world/news/180813/wor1808130015-n1.html
 「国民党は親中国で反日だ」とでもいいたそうな産経です。
 「お前、蒋介石時代と、国民党に対する態度違いすぎるだろ」と呆れるのは俺だけではないと思います。まあ確かに今の国民党は昔と違い、中国に対しそれなりに宥和的ではありますが。
 ただし別に「民進党なら慰安婦問題で産経寄り」つうこともないんじゃないですかね。そして慰安婦問題で日本(つうか安倍政権)を批判するのはむしろ当たり前であり反日でも何でもない。
 つうか米国にも既に銅像があるわけで今更台湾にできたからって騒ぐようなことでもない。


■産経『日中両首脳が祝電交換 安倍首相は年内訪中に意欲 平和友好条約40年』
https://www.sankei.com/politics/news/180812/plt1808120004-n1.html

・安倍首相は「年内に貴国を訪問し、日中関係を新たな段階に押し上げていくために有益な意見交換ができることを楽しみにしている」とし、年内の訪中に重ねて意欲を示した。
・安倍首相は祝電で「日中両国は地域や世界の平和と繁栄に責任を共有している。引き続き日中両国が手を携えて協力を深め、国際社会が直面する諸課題の解決に貢献し、期待に応えていきたい」と指摘。

 イヤー「反中国極右」安倍も変われば変わるもんですね。中国ビジネスを重視する日本財界の圧力の成果でしょうか。
 反中国のウヨ連中は内心不愉快でしょうが。


■日経『中国 第5の日中文書検討 友好条約40年、賛否両論』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34081480R10C18A8EA3000/

 日中平和友好条約が12日、締結から40年を迎えた。これに合わせ中国の習近平*41(シー・ジンピン)指導部が、新たな日中関係を定める「第5の政治文書」について内部で検討を始めたことがわかった。

 もちろん有名なのは

■第1の政治文書=1972年の日中共同声明(田中*42内閣)
 国交を正常化
■第2の政治文書=1978年の日中平和友好条約(福田赳夫*43内閣)

ですが他に

■第3の政治文書=1998年の「平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する日中共同宣言」(小渕*44首相、江沢民*45国家主席
■第4の政治文書=2008年の『「戦略的互恵関係」の包括的推進に関する日中共同声明』(福田康夫*46首相、胡錦濤*47国家主席
 戦略的互恵関係を提唱

だそうです。
 もちろん「今すぐできる」わけもないので、これは「安倍三選」を前提にしての話でしょう(ただし石破が総裁選に勝利しても話自体は続くでしょうが。石破はむしろ安倍に比べたら親中派であり、こうした話を潰す理由がないからです)。
 ただし日経記事が書くように「日中友好にとって、不幸にして反中国・安倍*48が三選された場合」に安倍が「右翼支持層の反対を押し切ってまで」こうした文書作成に進むかという問題はあります。中国からすれば「AIIBや一帯一路への日本の参加表明」など「新しい要素を含んだ」それなりの文書内容でなければ意味もないでしょう。まあ、「中国ビジネスを重視する」日本財界の圧力に押されて「言い訳して」文書作成に応じる可能性はありますが。
 一方、石破*49が総裁選で安倍に勝利すれば、石破はおそらく安倍のような反中国右翼ではないこともあって、「安倍との差別化」で文書作成のグッドタイミングですが、やはり

 細田*50派、麻生*51派、二階*52派、岸田*53派、石原*54派が安倍支持を表明したため、石破が勝利する可能性が国会議員票では乏しい。今後、安倍政権を揺るがす何らかの事態*55が起きて国会議員票の動きが変わるか、党員票で石破が圧勝し国会議員票でのハンディキャップを覆す事態*56にならないと勝利できない

というのが最大のネックでしょう。
なお、
ア)現自民党の「反中国姿勢」は「反中国右翼」安倍の個性によるところが大きい
イ)安倍は首相退任後、後継首相に影響力を及ぼせるような能力はない、と俺はみるので、石破が勝利しさえすればこの種の文書作成についてそれほどのネックはないんじゃないかと俺は考えています。


■浅井基文ブログ『韓国人強制連行労働者の靖国合祀(韓国・中央日報)』
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1051.html

 8月11日付の韓国・中央日報日本語版に掲載された「靖国の奇怪な合祀」と題するムン・ソヨン署名文章は、きわめて短いものですが、内容におけるその鋭く的を射た日本批判には襟を正さずにはいられません。
 私はかねてから機会あるごとに、日本人における尊厳(人権)意識の怪しさを指摘してきました。
 他国(例えば中国)の人権弾圧については口を極めて批判する多くの日本人が、国内における国家権力(「お上」)の傍若無人ぶり(最近の典型例が加計森友学園問題に関する安倍首相・官邸の開き直り)に対しては為す術もないのです。いかに私たち日本人にとって「人権」が口先だけのものであるかをこの事例ほど如実に示すものはないのです。
 「靖国の韓国人徴用被害者は生きていても強制的に軍国主義の付属品として動員され、死去してからも魂が戦犯と一つの塊になって戦争美化の対象として崇拝されることを強要されている。これこそまさに全体主義だ。個人の尊厳と自由に対する最悪の象徴的抹殺形態だ」と指摘する中央日報文章の指摘は、日本人の人権意識の怪しさの急所を突いていると思います。

 この浅井氏の指摘には全く同感ですね。
 中国や北朝鮮、ロシアなどが外国であり当事者ではないこと、そしてそれらの国に対する差別意識から居丈高に日本人はこれらの国に対し「人権」云々というのではないのか。
 もしこれらの国の国民だったら「政府の人権侵害的行為」に加担しないまでも黙認して恥じないのが日本人ではないのかと思わずにはいられませんね。外国のことをどうこう言うよりまずは自国のことでしょう。自国がまともな人権国家でないのに外国につべこべ言うなどまさに恥さらしな越権行為です。
 そして「遺族が希望してないのに韓国人強制連行者を靖国合祀する」など、浅井氏と浅井氏が紹介する中央日報コラムが言うように悪質な人権侵害と言っていいでしょう。


■浅井基文*57ブログ『中国に関する私の見方:疑問・批判へのお返事』
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1050.html

 最近私がコラムで書いた中国関連の認識・判断について、疑問・批判のメールをいただきました。私の考え方に対する丁寧な問題提起であり、また、私の考え方に対して示される代表的な疑問・批判を提起してくださっていると思います。まず、この方のメールの内容を紹介(この方の個人情報にかかわる部分を省きます)し、その上で、私のお答えを記します。

 では、ある方の「質問」と、浅井氏の「答え」を見てみましょう。小生のコメントは特につけないことにします。

■質問
 (ボーガス注:浅井氏が)最新の記事で紹介された社説にある「中国が最終的に経済的グロスアメリカを超える」日が来た時には、人権でも世界のトップレベルになる可能性はあるでしょうか。
■浅井氏の回答
 尊厳(人権)・デモクラシーの思想は、すでに述べたように、古代ギリシャ・ローマ文明、キリスト教ルネッサンスを背景とした欧州に起源があります。そういう(ボーガス注:欧州と中国の)思想水脈の歴然とした違いを踏まえるとき、中国が「経済的グロスアメリカを越える」日が来たときでも、中国が人権に関する欧米的モノサシをそのまま受け入れるかどうか自体がそもそもクエスチョン・マークです。「人権でも世界のトップレベルになる可能性があるか」という問いは、明らかに欧米的モノサシに即してのトップクラスになるのかということでしょうが、その問いは中国に対しては的外れであるとしか、今の私には言えません。
 この関連で素人ながら興味深く観察しているのは、イスラムに基づく「宗教的デモクラシー」を標榜しているイランにおいては、尊厳(人権)、デモクラシーについて違和感なく論じられる現実があるということです。私はイスラムに関してはずぶの素人であり、何も有意なことを言えませんが、一神教であるイスラムキリスト教(さらにはユダヤ教も?)においては、神と人間が一対一で相対する点における根源的共通性が関係しているのかな、と漠然と考えたりすることもあります。
■質問
 正直言って、私のような者は中国社会では生きていけないだろう。なぜならば、私のような発想・考え方のものが中国社会で自らを貫ける自信はないからだ」と書かれたことは、正直よくわかりません。誰でも生きていける社会でないといけないのではないでしょうか。
■浅井氏の回答
 中国社会におけるいわゆる「体制批判」の知識人や言論人さらには人権派活動家が共通して主張するのは、中国においても政治的自由が認められるべきであるということであり、要すれば欧米的モノサシでいう人権を無条件かつ即時に中国社会で実現すべきであるということです。 私が「私のような者は中国社会では生きていけないだろう」と述べたのは、私は尊厳(人権)及びデモクラシーの普遍価値性を確信し、今日の日本を前提とするとき、市民的・政治的権利も経済的・社会的・文化的人権もすべての国民に保障されるべきである(現実はそうなっていないので改めなければならない)と確信するものであり、したがって、中国における「体制批判」者と同列・同質であるから、(ボーガス注:そうした信条を維持する限り)中国社会では生きていけない、という判断を述べたものです。
 しかし、私は冒頭で述べたとおり、無政府的国際社会(世界政府が存在しない、主権国家を主要成員とする国際社会)の存在を前提とする限り、尊厳(人権)・デモクラシーの具体的ありようは、国ごとの歴史、文化、宗教、経済発展段階等に即して様々な「顔」(具体的態様)を持つことを承認しなければならない、と認識していますので、中国におけるいわゆる「体制批判」の人々の考え・立場については、他者感覚を働かせるまでもなく理解できますが、彼らが体制による批判・弾圧の対象になることについても、他者感覚をフルに働かせれば、十分に理解できるのです。
 なぜならば、人権の含意に関するモノサシが体制側と「体制批判」者とではまったく違っており、両者には接点がない、また、(ボーガス注:経済的に)途上大国である中国における最大かつ喫緊の人権上の課題は今日なお(ボーガス注:国際人権規約の)A規約分野に属する人権*58の実現であるという体制(「表」)側の主張には説得力があることを認める必要がある(語弊を恐れずにいえば、いわゆる政治的「自由」はまだ今日の中国では贅沢に属するし、これを仮に認めた場合、中国は収拾の付かない混乱に陥る可能性が大きく、国家そのものが空中分解する可能性だってある)からです。
 私の30年以上の親交のある中国人夫妻(両者とも党員であり、かつて大学教員でした)が最近話してくれたことを参考までに紹介します。特に文化大革命でつらい日々を過ごした夫人の方は、かつて中国共産党による支配そのものに厳しい批判を持っていました。しかし、最近、私が「習近平を特別扱いすることは、個人崇拝に直結するし、行きすぎではないか」という疑問を口にしたとき、その夫人が、「浅井の言うことは分かるし、個人的には確かに疑問もある。しかし、中国人の性格(魯迅「一億の砂」)を考えるとき、中国社会がまとまりを保つことは絶対に必要であり、中国共産党による統治のもとでのみ中国社会の今日に至る(ボーガス注:経済的な)発展と人民生活の向上が可能となったし、今後数十年もその状況は変わらない」と述べたのです。改革開放のもとで40年を過ごした彼女の認識の大きな変化を実感したのでした。
■質問
 「左」の側の方々が中国を批判されるのは、中国だからではなく、社会主義共産主義の理想に照らしてではないでしょうか。現代中国は、社会主義どころか、「国家独占資本主義」のように見えてしまいます。キューバのような貧乏な国でも医療と教育は無料なのに、宇宙開発にまでのりだしている経済大国の中国でそれができないのか。
■浅井氏の回答
 ご指摘に関しては、二つ疑問があります。一つは、「社会主義共産主義の理想」と言いますが、そもそもその「理想」とは何かということです。中国自体が、中国の現状を厳しく自己認識して、「小康」社会の実現を目指していると言っているのに、「日本の「左」側の人々が仮に曖昧模糊たる「理想」をモノサシにして批判しているとすれば、それは(ボーガス注:科学的社会主義ではなく)非科学的社会主義と言わざるを得ないし、あまりに酷というものではないでしょうか。
 もう一つの疑問は、中国及び朝鮮については声を大にして批判するのに、同じく社会主義を標榜しているキューバ、ヴェトナム及びラオスについてはほとんど批判に接しないことです。ご指摘のとおりにキューバでは医療と教育は無料であり、それは立派なことですが、欧米基準のモノサシで言う人権実現度は、アメリ国務省によれば、キューバと中国は同類視されています。
 なお、13億の中国でも義務教育は無料ですし、医療に関しては、改革開放政策のもとで医療保険制度が整備されてきているという事実があります。先ほど紹介した友人夫妻の夫人は地方出身者ですが、その地方の農村ではかつて医者にかかること自体が不可能であったのに、今日では誰もが安心して医者にかかることができるようになった、と述懐していました。成績については何も言わず、問題点だけを指摘するというのは「あら探し」と同じではないでしょうか。
 また、中国及び朝鮮に対する「左」側の批判の厳しさは、かつて日本共産党中国共産党及び朝鮮労働党が厳しい対立状態にあった(朝鮮労働党とは今日も続いている?)ことが「尾を引きずっている」ということがないでしょうか。
 私が憂慮するのは、「左」側の批判の出発点が「中国(朝鮮)嫌い」にはないとしても、結果的には、多くの日本人を根拠なく支配している「中国(朝鮮)嫌い」と共鳴し合い、増幅し合うことになってしまっており、日中(日朝)友好実現に必要な人民レベルの裾野形成が妨げられていることです。

*1:グジャラート州首相を経てインド首相

*2:湖北省省都

*3:というよりは二階氏はアドバルーン役を果たしただけでしょう。政府もこの時点で本心では参加を模索していたのに違いない。もちろん「二階氏が大物だからアドバルーン役ができる」わけですが別に「消極的な政府を二階氏が参加方向に引っ張ったわけではない」でしょう。

*4:ただし産経の場合、それは「慰安婦銅像撤去を要求しろ」などという暴論ですが

*5:駐日大使、中国共産党中央台湾工作弁公室主任(国務院台湾事務弁公室主任兼務)などを経て国務委員(外交担当)兼外相

*6:外務省国際法局長、総合外交政策局長、外務審議官などを経て外務事務次官

*7:共産主義青年団上海市党委員会書記、上海市副市長、上海市長・党委員会書記などを経て筆頭副首相(党中央政治局常務委員兼務)

*8:著書『習近平』(2014年、文春文庫)、『習近平の悲劇』(2017年、産経新聞出版)など

*9:福田、中曽根内閣文相を経て首相

*10:村山内閣自治相・国家公安委員長小渕内閣官房長官自民党幹事長(森総裁時代)を歴任

*11:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相などを経て首相

*12:橋本内閣運輸相、自民党幹事長(森総裁時代)など歴任

*13:下院議長、首相などを経て大統領

*14:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相などを経て首相

*15:証拠がなければ否定していいというもんでもないですが。

*16:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相。戦後、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*17:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*18:岸が満州国総務庁次長、東条内閣商工相時代に岸の部下(満州国実業部次長、商工次官)として岸を支えた。戦後、岸とともに政界入り。岸内閣官房長官自民党政調会長(池田総裁時代)、池田内閣通産相、外相、佐藤内閣外相、自民党副総裁(田中総裁時代)など歴任。佐藤内閣外相時代に日韓国交正常化に関与。

*19:東洋製罐創業者。戦前、満州重工業開発総裁。戦後、電源開発総裁、鳩山内閣経済企画庁長官、岸内閣通産相など歴任。いわゆるLT貿易の当事者の一人。

*20:防衛大学校長。2012年正論大賞受賞者。

*21:共青団共産主義青年団)中央書記処第一書記、河北省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*22:台湾軍司令官、上海派遣軍司令官、中支那方面軍など歴任

*23:第6師団(熊本)師団長、中部防衛司令官、中国軍管区司令官など歴任

*24:東日本大震災のこと

*25:第3次安倍内閣で国交大臣政務官

*26:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*27:吉田内閣蔵相、鳩山内閣通産相などを経て首相

*28:第4次伊藤内閣逓信相、第1次西園寺、第2次西園寺、第1次山本内閣内務相などを経て首相

*29:加藤高明内閣蔵相、第1次若槻内閣内務相などを経て首相

*30:第1次大隈内閣文相、第2次山本、加藤高明内閣逓信相などを経て首相

*31:田中義一、斎藤内閣海軍大臣などを経て首相

*32:著書『もうひとつのチベット現代史:プンツォク=ワンギェルの夢と革命の生涯』(2006年、明石書店)、『チベット高原の片隅で』(2012年、連合出版)など

*33:大連市長・党委員会書記、遼寧省長、商務大臣、重慶市党委員会書記など歴任

*34:上海市長・党委員会書記、副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*35:キャメロン内閣内務相などを経て首相

*36:キャメロン内閣国防相などを経てメイ内閣国際貿易相

*37:オランド政権経済相などを経て大統領

*38:コール政権環境相キリスト教民主同盟 (CDU) 幹事長などを経て首相

*39:共青団共産主義青年団)中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*40:連戦内閣法相、台北市長を経て総統

*41:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*42:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣通産相などを経て首相

*43:岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣外相、田中内閣蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官を経て首相

*44:竹下内閣官房長官自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相などを経て首相

*45:電子工業大臣、上海市長・党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*46:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*47:共青団共産主義青年団)中央書記処第一書記、貴州省党委員会書記、チベット自治区党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*48:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*49:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*50:小泉内閣官房長官自民党幹事長(麻生総裁時代)、総務会長(第二次安倍総裁時代)を歴任

*51:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在、第二〜第四次安倍内閣副総理・財務相

*52:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て現在、幹事長

*53:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て現在、自民党政調会長

*54:小泉内閣国交相自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相を歴任

*55:本来モリカケでそうなってもおかしくないのですが。リクルート疑惑で海部総裁を急遽擁立した時代の自民党と「自民党をそこまで政治的に追い込んだ当時の国民世論やマスコミ」はまだ今よりまともだったと言えるでしょう。

*56:世論調査を見る限り党員票において、石破が国会議員票でのハンディキャップを覆すほどの得票は今のところできそうにありません。

*57:元外務省中国課長。日本大学教授、明治学院大学教授、広島市立大学広島平和研究所所長を歴任。著書『中国をどう見るか?』(2000年、高文研)、『集団的自衛権日本国憲法』(2002年、集英社新書)、『戦争する国しない国』(2004年、青木書店)、『13歳からの平和教室』(2010年、かもがわ出版)、『ヒロシマと広島』、『広島に聞く 広島を聞く』(2011年、かもがわ出版)、『すっきりわかる! 集団的自衛権』(2014年、大月書店)など

*58:「A規約分野に属する人権=経済的な権利(貧困克服や格差の是正など)」、「B規約分野に属する人権=政治的権利」です。

今日の中国関係ニュースほか(7/28分)(追記・訂正あり)

 中国ネタを中心にいろいろ書いていくことにします。
■産経【田村秀男のお金は知っている】米国への貿易報復は中国大衆の胃袋に跳ね返る
https://www.sankei.com/premium/news/180721/prm1807210006-n1.html
 「関税を掛けても米国からの輸入品物価が上がり国内消費者が困るだけ、中国は関税を上げるべきでない」つうならそれは何も「中国の対抗報復関税」だけでなく「EUやカナダの対抗報復関税」「そもそも最初に米国が仕掛けた関税アップ」も同じことです。米国の関税アップで、米国の物価は相当上がり貧困者の生活も苦しくなるだろうと予想されています。関税アップ対象国「EU諸国、中国、日本、カナダなど」からの輸入品価格は当然上昇するし、それら輸入品をすぐさま国内生産にすべて切り替えることなど不可能だからです。
 そもそも「対抗関税」なのだからトランプが始めた関税アップをやめればいいだけの話でもある。
 そうすれば中国は「報復関税」など今すぐやめる。
 しかし「トランプの関税アップ」「EUやカナダの対抗報復関税」には何も言わず、中国に対してのみ「関税を上げるな」云々と言ってる時点で、田村が単に中国たたきしてるだけでまともな経済議論がしたいわけではないことはモロバレです。


■人民日報『「一帯一路」は世界の安定を促進』
http://j.people.com.cn/n3/2018/0808/c94474-9488799.html

 セルビアのアレクサンダル・ブチッチ*1大統領は6日、ベオグラードで中国メディアの共同インタビューに応じ、(中略)「『一帯一路』という偉大なイニシアティブの一部となったことをセルビア国民は喜んでいる。『一帯一路』の枠組で、セルビア中国両国は大型インフラ整備を行ってきた。こうした協力事業はセルビアの経済発展を先導し、セルビア国民により良い生活環境を創造した」と指摘した。
 また、中国河鋼集団が買収したスメデレボ製鉄所に特に言及。「セルビアが大型インフラ事業で本当に成果を得始めたのは、中国と協力を行った結果だ」と指摘した。現在、中国人が運営・管理する同製鉄所はセルビア第2の輸出企業となり、少なくとも5000人の雇用を維持している。
 ブチッチ大統領はインタビューで、さらに多くの中国人観光客を誘致したい考えを2度述べた。ブチッチ大統領は「セルビアは中国とビザを相互免除している。セルビアを訪れる中国人観光客が増えることを希望する。中国を訪れるセルビア人が増えることも希望する。ベオグラード*2観光以外にノヴィ・サドやニシュも訪れてほしい」と述べた。

 産経などの強弁に反し一帯一路は世界の多くの国で支持されてるわけです。


■日経『セントビンセント、台湾と断交せず:ゴンザルベス首相会見、「関係に満足」』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3384628006082018FF1000/
 過去に「台湾との断交など考えていない」といいながらその数年後には「台湾と断交し中国と国交正常化した国」があるので、これで安心するほど台湾もお人好しではないでしょう。
 そもそも「断交しない」というだけの話がニュースになってしまうこと自体、台湾が中国に圧倒されてることの証明でしょう。


■産経【正論】出現した中国の「新植民地主義」 文化人類学者 静岡大学教授・楊海英
https://www.sankei.com/column/news/180807/clm1808070006-n1.html

 習氏の外遊は今年3月に国家主席に再選され終身的独裁体制を築いて以降、初めてとなる。

 言うのも馬鹿馬鹿しいですが「任期制限がない」のと「終身制」は違います。もちろん「任期制限がなければ」形式的には終身が可能ですが、まあ「多くの人間が指摘するように」任期制限廃止の是非はともかく、習主席も「終身制」など狙ってはいないでしょう。

 モンゴル*3チベット、「東トルキスタン」(新疆)を漢民族の「国内植民地」として開拓して運営してきた中国共産党は現在、その統治術をアフリカ諸国に適用し始めた。こうした兆候は既に49年以降に表れていたものの、世界は共産主義体制に甘かったので不問にされてきた。

 「世界は共産主義体制に甘かったので」というのは何の冗談でしょうか?
 単に「蒋介石中華民国時代から」内モンゴルチベットウイグルは「中国の領土扱いされていた」のでこれらの地域の独立論など支持されてこなかっただけの話でしょう。後は「中国の巨大市場が魅力的(一方、ダライラマだのラビア・カーディルだのと付き合っても金にならない)」という話か。いずれにせよ「共産主義に甘い」なんて馬鹿話は嗤うほかありません。

 「中国流新植民地主義」が世界を席巻しつつある今日

 まあ一帯一路とか「一帯一路がらみでの先日の習主席のアフリカ歴訪」だののことですが「新植民地主義」といって一方的に切って捨てていいもんではないでしょうし、「植民地主義」的というなら欧米諸国のアフリカへのコミットの仕方もよくそう言われます。中国だけ罵倒してすむ話ではない。


■産経【野口裕之の軍事情勢】中国の正体にやっと気付いたドイツ 「中独合作」は崩壊するのか?
https://www.sankei.com/premium/news/180806/prm1808060004-n1.html

 独メディアによると、独政府は8月にも、中国企業のライフェルト・メタル・スピニングの買収申請を却下する方針

 いかに中国ビジネスが重要でも、あるいはいかに「自由な市場主義経済」を標榜していても「安全保障に反するとみられる企業買収」は阻止するつうだけの話です。
 別にドイツが反中国に方向転換したというわけではない。まあ、それ以前だって野口が敵視するほど中独関係が他の「中英」「中仏」「中イタリア」などと比べて特別に親密と言うこともないでしょうが。
 まあ基本的には「中国と経済交流すればすべて敵視」が産経・野口ですから「AIIBに参加した」ということだけでもドイツだけでなく英仏イタリアも十分敵視の対象でしょう。

 第1次世界大戦(1914〜18年)開始直後、大日本帝國はドイツに宣戦布告した。独降伏で「東洋の真珠」と呼ばれた文化都市・青島は日本統治となり、ドイツの一大権益は吹っ飛んだ。以来、後述するが、日本に恨みを抱くドイツの中国への肩入れは、日独伊三国同盟締結後もひそかに続けられた。

 もちろん「恨み」とか言う話ではなく、今も昔も「巨大な中国市場はとても魅力的」つうだけの話です。特にドイツの場合「第一次世界大戦後、植民地をすべて失った」という点で中国市場は「植民地を保有する他国」と比べて非常に重要だったと思います。そもそも戦前日本とて「ドイツのような貿易ではなく侵略」ですが中国市場が魅力的だからこそ中国侵略(日中戦争)を実行したわけです
 大体そんな恨みにとらわれていたら「日独伊三国同盟」など結ぶわけもない。市場という意味では中国は魅力的ですが「ナチスドイツが英仏を敵に回して戦争する」には日本の軍事力が重要だったわけです。
 こうしたドイツにとって「日中戦争が終了すれば御の字」ということでいわゆるトラウトマン和平工作をドイツは発動しますが、日中両国がそれに乗らなかったため、結局「日本と中国どちらを選ぶか」の選択を迫られ結果的には日本を選ぶわけです。

 清国同様に対日戦略上、軍近代化を迫られた中国・国民党は満州事変(1931〜33年)後、独ワイマール共和国や次のナチス政権に接近。ドイツは1927〜38年まで軍事顧問団を送り続けた。

 まあドイツがそういう肩入れをしたのは基本的には「中国相手の金儲け」のためでしょう。「中国国民党政権の要望に応えることで中国利権を手に入れようとした」わけです。

 独総統アドルフ・ヒトラー(1889〜1945年)の政策転換で「中独合作」は変質する。とはいえ「青島の恨み」はゾッとするほど根深い。1936年に(対ソ)日独防共協定を結びながら、対中武器密輸を継続。37年の中ソ不可侵条約で態度を硬化させたヒトラーが新たな兵器輸出を禁じるまで続く。

 もちろん日本を恨んでるわけではなく「中国相手に金儲けがしたかった」わけです。


■テレ朝『自らに火を放ち、クリミア先住民族が命懸けの抗議』
http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000133325.html
 ロシア政府の先住民族差別に対する抗議だそうです。その場にいた人間が服を脱がせ命の危険はなかったそうで「不幸中の幸い」です。
 何も「抗議意思の表明」として焼身自殺しようとするのはチベット人だけじゃないわけです。例えば過去にもベトナム反戦でのアリス・ハーズや由比忠之進がいた。
 これらをI濱女子、id:Mukke、阿部治平などは「非暴力の抗議活動」として絶賛するんでしょうか? 


■産経『スリランカ、日本で初代大統領を称える活動 サンフランシスコ講和会議で日本を擁護 中国と距離置きたい思惑』
https://www.sankei.com/world/news/180803/wor1808030024-n1.html
 反中国・産経らしいですが当然ながら日本にたいしスリランカがお世辞を言うことと「スリランカ・中国友好」は両立するわけです。
 しかもこの記事によれば、日本への世辞を言ってるのはスリランカ政府ではなく、一スリランカ民間人にすぎません。
 

■産経『「世界一寂しい国際空港」の運命は 「一帯一路」の負の遺産スリランカがインドに支援要請』
https://www.sankei.com/world/news/180802/wor1808020025-n1.html

スリランカ南部ハンバントタで中国の支援で建設された国際空港が経営難に陥り、政府が苦慮している。そもそも需要がほとんどない地域に建設されており、1日の平均乗客は10人以下で定期便もゼロだ。
・国際空港を名乗ってはいるものの、付近には漁村と小規模のビーチリゾートがあるだけで、当初から建設は(ボーガス注:前大統領)ラジャパクサ氏の地元への利益誘導とささやかれた。今年5月には唯一の定期便だったアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイとの直行便が閉鎖。一時は空港施設が穀物の貯蔵庫ともなり、「世界一寂しい国際空港」という不名誉なあだ名が付いている。

 櫻井よしこ福島香織、楊海英、石平ら反中国ウヨ連中が「一帯一路など無意味」だの「インドが中国に勝利してスリランカを取り込んだ」「やはり日本がタッグを組むべきは中国ではなくインド」などというために今後うんざりするほど宣伝しそうな話です。
 まあさすがに産経もこういうことで嘘は書かないだろうとは思います。「産経のような反中国ではない」、たとえば「他のネット記事」や以前、拙ブログで紹介した『月刊・経済2018年8月号:一帯一路特集号』でも「空港がかなり寂れてる」つう記事を読んだ記憶がありますし。
 そういう意味ではこれは一帯一路プロジェクトの失敗例ではあるのでしょう。
 こうした失敗を無視して一帯一路を「常に100パー、バラ色」であるかのように描き出すのはもちろんデマです。とはいえ一方でこうした事例をネタに、産経ら反中国ウヨのように「一帯一路には何の意義もない、失敗事例しかない」かのようにいうのもこれまたデマです。そんなに一帯一路に魅力がないのなら日本財界も中国にすり寄ったりしない。安倍も訪日した李克強首相に同行して北海道に行くなど、歓迎したりはしません。
 なお、日本でも「茨城空港秋田空港」など地方空港では「赤字続きだ」「政治路線だ」などといわれるところがあるので何もこういうことはスリランカや中国を我々日本人が「採算がとれない空港つくるなんてバカなの?」などと上から目線でものが言える立場では残念ながら全くありません。
 なおそうした日本版赤字空港もスリランカ同様「政治家の利益誘導」であることは全く珍しくありません。飛行機ではなくて鉄道ですが、昔の日本には「我田引水」ならぬ「我田引鉄(政治家が選挙区に鉄道を誘致する)」なんて言葉があり、それが国鉄の赤字の一因であったことは有名な話です。
 そういえば年金財政を悪化させた「政治家のグリーンピア誘致」なんてのも日本ではありました。
 スリランカでも日本でも「政治家の愚かさ」「そんな政治家を支持する選挙民の愚かさ」には変わりはないようです。独裁がいい訳ではありませんが、民主主義とは結局選挙民が賢くないといい結果がでません。

・開業以来、赤字経営が続くことから、スリランカのデシルバ交通・民間航空相は7月上旬、インドに合弁事業として空港を運営するよう提案したことを明らかにした。
・インドにとっては、高金利の債務返済に窮したスリランカが、約20キロ離れた場所にあるハンバントタ港と同様、中国に運営権を譲り渡す事態は避けたいところだ。シーレーン海上交通路)の要衝であるスリランカ南部で、中国が港と空港の運営権を握れば、インド洋での中印の力のバランスが変化しかねない。
・インド政府は7月26日の国会答弁で「スリランカからは何の提案もない」と否定したが、水面下で交渉を重ねているもようだ。戦略上の意味はあっても、空港が生む経済的利益はほぼないため、インド側も慎重になっているとみられる

 何でインドに話が行くのか、なんで中国でないのかよくわかりません。
 しかし経済的にはどう見ても相当危ない話で、下手に突っ込むとモディ政権が野党の攻撃をあびかねませんが、産経のいう「政治的思惑」とやらでインドが合弁に行くんでしょうか。
 それを中国は「厄介払いできて良かった、インドさん頑張って」と容認するのか、はたまた「わしのメンツにかけてもインドの手など借りさせない。わしがスリランカの面倒を見る」と中国が出張っていくのか。
 さすがにこんなにやばい話だと産経も「そこで日本の出番がやってきたのです。スリランカ親日にするために日本・スリランカ・インドの三者合弁で空港事業を(以下略)」「スリランカを取り込むためなら赤字空港の支援など少しも惜しくない」つう度胸はないようです。


■産経『マハティール首相、王毅外相に一帯一路で「積極的支持」を表明 マレーシアの対中“懐柔策”か』
https://www.sankei.com/world/news/180801/wor1808010021-n1.html
 吹き出しました。そんなに産経って一帯一路をマハティール政権が「基本的には支持してること(もちろんマレーシアの利益になるから)」を認めたくないんでしょうか?

 前政権が進めていた鉄道建設計画の中止

はあくまでも「一帯一路の修正」であって否定ではないわけです。


■リベラル21『右派ジャーナリストの中国論を読む』阿部治平*4
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4448.html
 まあウヨの中国論など今回阿部が取り上げる「産経の矢板明夫&石平」以外にも「櫻井よしこ」「福島香織」等、山ほどある上に「ウヨ連中が中国について何言ってるか知る」という意味ならともかく「中国について知る」つう意味ではほとんど読む価値はないと思いますが。
 今時「ウヨ以外は中国批判しない」つう時代でもないですし、ウヨ連中はデマや放言が多いですからね。

・石平・矢板明夫『私たちは中国が世界で一番幸せな国だと思っていた――わが青春の中国現代史』(ビジネス社)を読んだ。
・石平氏は、1962年中国四川省成都の生れ。北京大学哲学科卒業後1988年に来日し、神戸大学博士課程を修了した。2002年から文筆活動に入り、07年には祖国を捨て日本国籍を取得した。みずから靖国神社に参拝したという「筋金入り」である。彼の論評を中国側からみたら、何につけても「反中国」とレッテルを貼りたくなるだろう。

 別に中国政府でなくても石なんて「反中国」以外の何物でもないんですが。
 レッテル張りでも何でもない。つうか靖国参拝なんて日本ではウヨしかやりませんし。

・本書は両者の対談で構成されている。前半は文化大革命民主化運動・天安門事件・中国ナショナリズムについて、後半は昨今の習近平政治について語っている。したがって本書表題は、前半部分しか示していない。
 文化大革命とか天安門事件とかいわれてもピンとこない若い方々は、本書前半でその大略をつかむことができる。著者二人の体験が披露されていて、これはこれで興味深い。だが毛沢東による文革発動の動機や、中国大衆がこれに熱狂した理由については深い言及はない。
 両氏は直接間接に文革を体験しており、感受性の強い思春期・青年期まで中国社会で生活してきた。今後この分野についての考察・分析を期待したい。

 いやいやそんな「高尚な分析」なんぞ矢板や石に本気で期待してるのなら阿部やリベラル21は端的に言ってバカです。
 連中にとって文革は「単に中国に悪口して金稼ぐためのネタ」にしかすぎません。まあ、連中とは違うまともな研究者、ジャーナリストの文革論でも読むべきでしょうね。
 「文革」でググれば、

矢吹晋文化大革命』(1989年、講談社現代新書)
中嶋嶺雄『北京烈烈:文化大革命とは何であったか』(2002年、講談社学術文庫)
・厳家祺『文化大革命十年史 (上)(下)』 (2002年、岩波現代文庫)

などいろいろあります。
 そして矢板らの本を読むくらいなら「中国共産党の編纂」なので一定の限界はあるでしょうが
・席宣ほか『「文化大革命」簡史』(1998年、中央公論社)の方がましじゃないか。

 文革はまさに現在の習近平政治に通じているからである。

 イヤー通じてないでしょうねえ。仮に習氏が「権力集中と個人崇拝」を進めてるにせよ「権力集中と個人崇拝」イコール文革ではない。
 「権力集中と個人崇拝」が文革なら「そんなことは中国に限らず独裁的国家では何ら珍しくない」ので世界中文革だらけでしょう。
 一帯一路、AIIBひとつとっても「国際社会との協調抜きでは実行できないこと」であり全然文革と違うでしょう。
 正気でこんなことを阿部やリベラル21が考えてるのならバカだし、「中国に悪口するため故意にデマってる」なら別の意味でバカです。
 浅井基文氏が「日本では安倍政権批判者、リベラルを自称するものでも、『尖閣危機』だの『習主席は終身主席狙ってる、文革を思い起こさせる』だの非常識な反中国で頭が痛い。一帯一路参加を日本に呼びかける中国が尖閣攻撃など考えがたいし、任期制廃止は是非はともかく終身制ではない。そういう事態が自称安倍批判者の意図に反し、安倍政権支持を下支えしてる」「中国批判するなとは言わないが少しはまともな批判をしてほしい」と嘆いていましたが、このリベラル21掲載の阿部駄文なんかその「浅井氏が嘆く自称反安倍政権、自称リベラルの非常識反中国論」の典型でしょう。

 矢板氏は、中国では最大の課題が経済成長だという。1992年以来、経済成長が民衆の不満を吸収してきたからである。ところが経済成長が鈍った今日、これを打破する次の「柱」が見えない。そのために「一帯一路」などを提唱したが、効果を上げているわけではないという。

 いやー効果は上げてるでしょうね。だからこそ、最近訪日した李首相を安倍は歓迎し、「一帯一路への参加」を事実上表明したわけです。
 もちろん「世界中どこでも一帯一路関係プロジェクトが全部成功して、何の問題もないです」つうこともないですが「成果を上げてない」なんてデマもいいところです。
 なお、一帯一路については
■新刊紹介:「経済」8月号(その1:一帯一路特集号・その1)
http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20180716/5421309876
■新刊紹介:「経済」8月号(その2:一帯一路特集号・その2)
http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20180715/5421309876
■新刊紹介:「経済」8月号(その3:日本ウヨ連中の一帯一路disを参考にリンク張っておく)
http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20180715/5021309806
■「今、アフリカビジネスが熱い」らしい(追記・訂正あり)
http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20180726/1064208022
などの拙記事を参考いただければ幸いです。

 いまや中国の基礎研究開発費は日本の数倍、アメリカに迫る勢いだ。今後中国発のIT技術やAI研究開発は日本はもちろんアメリカにとっても脅威となるだろう。
 こき下ろすだけでは正しい分析とはいえない。

・おやおやですね。
 阿部は事実上、id:Bill_McCrearyさん記事『基本的に、理数系の学問振興と政治体制・民主主義の程度は関係ないと思う』
https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/22346c83316572e990e53822bba215d4
と同じ考えに考えを変更したようです。ただし過去の

 社会科学だけではない。科学・技術の分野でもこれでは定説を越えた新学説が生れにくい。実に中国にとって不幸な時代がやってきたといわなければならない。

を明確に変更したと言わないあたりは阿部らしいですが。多分誰かが「皮肉ではなく単に疑問表明としてでも」『あれ、阿部さんって意見変わったんですか?』と聞いたらたぶん不快そうな顔するんでしょうねえ。
・いやそもそも矢板や石に「正しい分析」を期待する方が間違っています。そんなんは「小保方にまともなSTAP細胞研究を期待」「荒木和博にまともな北朝鮮研究を期待」「東中野修道にまともな南京事件研究を期待」するくらい非現実的です。

 石平氏は、独裁体制形成の背景には中国経済の衰退があるとする。

 いやいやむしろトウ小平*5の改革開放以降、基本的には中国経済は発展していますし、それが一党独裁体制を支えていたわけです。

 毛沢東の恐怖政治をモデルとし、王岐山*6をつかった腐敗摘発運動をおこして彼にまつろわぬ連中の心胆を寒からしめ、最高権力を手にしたという。

 習氏の「腐敗摘発」をどう評価するにせよ、それは「汚職などの違法行為」を追及している、つまり「少なくとも建前では政治イデオロギー闘争ではない」という意味では全然毛沢東とは違うでしょう。
 文革の場合、建前上も政治イデオロギー闘争のわけです。

 李克強*7首相はほぼ実権を削がれ

 アンチ習主席のウヨ連中はよくそういうこと言いますがどうなんですかね。首相ってのは「ナンバー2」なのでそうそう実権も奪えないと思いますが。

・本書に従うと、習近平主席第2期目の人事は、独裁者の例にたがわず側近で固められた。

 まあ独裁者でなくても普通自分の側近を登用するんですけどね。「吉田茂政権での池田蔵相」とか。

・人民銀行新総裁はあまり存在感がない易綱

 2007年から副総裁を務め「次期総裁の最有力候補」とされてた人間が順当に「総裁になった」のに「存在感がない」ねえ。そんなことはないと思いますが。
 まあ、ウィキペ『易綱』によれば

・1980年に北京大学経済学部を卒業後、渡米し、1986年にイリノイ大学で経済学博士号を取得。1986年から1994年にかけてインディアナ大学で准教授を務めた後、中国に帰国。1994年に北京大学に「中国経済研究センター」を設立し、同大学の教授となる。
 その後、中国人民銀行の貨幣政策委員会事務局長、通貨政策委員会事務局長、金融政策局長などを歴任。2007年からは副行長(副総裁)を務め、2018年に行長(総裁)に就任。

ですから、少なくとも『易綱氏』についていえば明らかに「習氏側近」云々という話ではないですね。
 習氏の主席就任以前からその能力を評価されていたエコノミストが、順当にあるべき地位に就いただけでしょう。

 政治局常務委員会序列3位の栗戦書*8と国務院秘書長の楊振武の二人は習近平が河北省正定県書記時代の飲み友達だった。序列6位の趙楽際*9習近平の父親習仲勲*10の墓として巨大な陵墓をつくった人物で、(中略)北京市トップの蔡奇は習近平が淅江・福建党書記だった当時の部下である。これだと頼りになるのは、このほど中共中央政治局常務委員をはずれ国家副主席になった王岐山ひとり程度ということになりかねない。

 いやいやさすがにそんなことはないでしょう。もちろん習氏は王氏を頼りにしてるのでしょう。
 党中央政治局常務委員は通常退任する場合は、その後は名誉職に就くことが多く、今回の「国家副主席就任」はかなり異例だとされています。
 また、阿部が名前を挙げてるメンツも「習氏との過去の関係」が登用に影響はしてるでしょう。
 とはいえ、さすがに「才能無視の完全な情実」「頼りになるのは王氏だけ」ではないでしょう。

矢板
「日本はこれまで日米安保を何よりも優先してきたのに、結局、アメリカは(ボーガス注:米朝首脳会談について)事前に相談さえしなかった。しかし逆にいえば、日本にとっては、本当に独立するひとつのチャンスではないかというのが私の意見です。これからはアメリカに期待せず、日本は自分で憲法改正を本当に考えなければならない。もし米朝協議で北朝鮮が実質核保有国になった場合も想定して、日本も国内で核武装の是非まで含めた議論を本格的にやらなければなりません。習近平もトランプも金正恩も信用できない相手ばかりなのですから」
・対米従属のしがらみから脱却できない日本の官僚機構とそれに依拠する自民党政権は民族の独立も誇りも捨てて、事後説明をいただくのみという屈辱に甘んじてきた。
・いま産経新聞の外信部次長という地位にある人物がようやく日米関係に疑問を呈し、日米安保体制からの離脱を検討するよう主張したのである。
矢板氏の言説は、支配階級に対して覚醒をもとめたものだ

・「事前に相談しないでメンツ潰した」つうなら今回が初めてではなく、佐藤栄作首相時代のニクソン訪中があります。

参考

ニクソンの中国訪問(ウィキペディア参照)
■日本への連絡
 当時西側でもっとも衝撃を受けたのは日本であったといわれる。なぜならこの時点でイギリス・フランス・イタリア・カナダはすでに中華人民共和国を承認していたのに対し日本は中華民国と国交があったからである。
 しかもニクソンは「日米繊維問題での反発」もあって日本への事前連絡をしなかったという。当時ニクソンは日米繊維問題で日本国内の繊維業界に配慮し、ニクソンの要望に全く応えようとしない佐藤首相に怒っていたと言われている。
 国務省は訪中発表の前日に前駐日大使だったウラル・アレクシス・ジョンソン国務次官を日本に派遣しようとしたがニクソンは反対して、ジョンソン次官は急遽ワシントンに駐在している駐米大使・牛場信彦に訪中発表のわずか3分前で電話連絡で伝えた。その時、牛場大使は「≪朝海の悪夢≫が現実になった」と唸ったという。朝海元駐米大使がかつて「日本にとっての悪夢は、知らぬ間に日本の頭越しに米中が手を握る状態が訪れることだ。」と語っていて、いつか米中接近があるのではという観測はこの当時あったが、まさか本当にある日の朝に起きたら米中が手を握っていたことに愕然とした。ウラル・アレクシス・ジョンソン国務次官は後に日米両国の信頼関係と国益を損なったとキッシンジャーニクソンを批判している。結局佐藤首相は日中関係の打開には動けず、後継の田中角栄首相がニクソン訪中から7ヶ月後の1972年9月に北京を訪問して日中国交正常化を果たすこととなる。

■日米繊維交渉(ウィキペディア参照)
ニクソン政権誕生
 1968年の米国大統領選挙戦中の8月11日、リチャード・ニクソン候補が「繊維にも国際的取り決めを導入する」とする繊維規制を公約し選挙に勝利、大統領に就任する。翌1969年5月、モーリス・ヒューバート・スタンズ商務長官が訪日し、日本による繊維製品輸出の自主規制を要請。これを愛知揆一外務大臣が拒否すると、ウィルバー・ミルズ下院歳入委員長が「日本が自主規制に応じなければ、議会は繊維の輸入割当を法制化する」との声明を発表する。
■決着
 1971年7月に成立した第3次佐藤改造内閣通産大臣となった田中角栄は、米側の要求をのむ代わりに繊維業界の損失を補填するという方針に転換。 10月15日には米側原案に近い形での「日米繊維問題の政府間協定の了解覚書」の仮調印が行われ(直後に施行)、日米繊維問題は一応の決着を見た。繊維業界へは751億円の救済融資が実施された。同年の第67臨時国会でも1278億円の追加救済融資が補正予算として計上された。
■沖縄問題
 日米繊維交渉が難航した背景には、経済的利害関係のほかにも、沖縄返還問題があったといわれている。米国は沖縄を日本に返還する代わりに、日本に米国の主張する繊維規制に同意することを求めていたのである。このニクソン政権の戦略は、日本側の事情で極秘扱いにされた。表立った交渉の場ではあくまでも「経済的交渉」という体裁が整えられたため、米国側の意向は実際の交渉を行う事務方には伝えられなかった。このため日米双方で思惑が食い違い、交渉は混迷を極めた。時期を同じくしたこの双方の動きは、当時「絡んだ糸が縄(沖縄)になる」とか「糸を売って縄(沖縄)を買う」などと皮肉られたが、それが必ずしも単なる皮肉とは言い切れない事情がそこにはあった。
尖閣諸島問題
 尖閣諸島問題にも繊維交渉が絡んでいたことが近年になって明らかになった。尖閣諸島は1972年の沖縄返還の際に沖縄県の一部として日本に施政権が返還されたが、これに台湾政府が強く反発、米国政府に働きかけた結果、米国政府内にも沖縄との一括返還に否定的な意見が一部にでてきた。その中には、「繊維交渉で日本に譲歩を促す際の交渉材料にするためにも、直ちに日本に返還すべきでない」というものもあったことが、公開された米国政府の外交文書から明らかになった。

 なんか「日米繊維交渉」では、「訪中は直前まで佐藤に知らせなくていい」だの「尖閣や沖縄とバーターの取引材料にしようか?」とかトランプ的な態度のニクソンですね。
・それはともかく、まあどこまで矢板が本気かは疑問ですがね。本気で「現状の日米関係に疑問、日本の自主外交を主張」なら今の沖縄基地問題で米国べったりの日本政府を批判して当然ですがそんなことを産経記者の立場で矢板がやったら、矢板は左遷されるでしょう。当然そんなことを矢板はやらない。
 単に矢板は「日米同盟がトランプではどこまで信用できるか」「信用できるのはやはり日本の自衛隊」つう口実で「軍拡とそのための憲法九条改定」を主張してるだけです。
 もちろん現状で「軍拡とそのための憲法九条改定」をしても「対米従属関係」は変化しないどころか「海外での米軍と自衛隊の共同軍事行動」という形で、より深刻化するでしょう(ただし対米自立しても俺は軍拡と九条改憲には反対ですが)。しかし、そうなっても矢板も「対米従属が進んで残念」ともなんとも言わない。
 本気で日米同盟をなんとかしたいわけでは全くない。その程度のことが阿部やリベラル21にわからないのなら本当にバカです。

 反自民の政党間においては、これまで日米安保体制や現行憲法のもとでの自衛隊のあり方、自衛反撃戦とそれが生む問題、中朝両国との共存の方法などについて深刻な討論をしてこなかった。

 まあ、「反自民の人々においては議論自体はもちろん存在しますが」、「政党間において」は確かにそうなんでしょうねえ。「日米安保自衛隊の現状」に批判的な共産、社民といった左派と、安倍ほど極右ではないとは言え、「理想とするのは自民党大平派(宏池会)」と公言する保守政治家・枝野氏が率いる立憲民主党や「小沢元自民党幹事長」が率いる自由党とではそのあたりなかなか議論が成立しにくいのも確かです(もちろん、前原や細野が幹部だった頃の民進党なんぞ、今の立民以上に議論がしにくい)。
 そこでまあ、次善の策として「安倍自民の極右的改憲論反対」で共同戦線を組んでるわけです。まあ、共産支持者として正直隔靴掻痒ですが、当面は仕方ないんじゃないか。で、とりあえず感想を終わります。
 結局「いつもの感想ですが」『阿部治平とリベラル21って本当にバカだな、黙ってろよ』つうのが俺の感想です。特に酷いのが矢板の「自主外交論」を本気扱いしてるバカさですね。


トランプ大統領支持率の上昇と左翼メディアの失敗(2)
http://www.epochtimes.jp/2018/08/35214.html

 欧米諸国で左翼勢力がほぼ社会全体を支配している。

 馬鹿馬鹿しくて吹き出しました。「トランプを批判する奴、皆左翼」という暴論でも支持しない限りあり得ない珍論です。「社会党出身マクロン大統領」のフランスはまだしも、「英国」「イタリア」「ドイツ」のどこが左派政権なんでしょうか?


大紀元トランプ大統領支持率の上昇と左翼メディアの失敗(1)』
http://www.epochtimes.jp/2018/07/35086.html
 なぜか異常なまでにトランプ万歳でかつアンチ左翼の大紀元法輪功)らしいですがトランプ批判派には「共和党のマケイン」のような保守派もいますので「アンチトランプ=左翼」というのは端的に言って嘘です。
 もちろん反トランプの左派もいます*11し、トランプ支持の右派もいますが。
 確かに「大幅減税→景気回復」により、トランプ支持は回復傾向にあるようですが、それはトランプの反人権政策を正当化できるものではないし、無茶苦茶な報復関税は、短期はともかく長期的には「米国経済に打撃」と見られています。ロシアゲート問題も終わったわけではないし、大紀元が言うほどにはトランプ支持は盤石ではありません。


■朝日:チャイナ・スタンダード(世界を席巻する中国式)『「命の恩人」に急接近 中国の代弁者になるギリシャ
https://www.asahi.com/articles/ASL5J5QC6L5JUHBI027.html

 ギリシャの首都アテネの南西約10キロにあるピレウス港は同国最大の港だ。昨年、完成した新たなコンテナターミナルでは、クレーンやトラックが行き交う。大型クルーズ船から毎日多数の観光客が降り立ち、にぎわいを見せる。
 2010年、ギリシャが深刻な経済危機に陥り、EUで「お荷物」扱いされた時にも、中国はこの港の開発への投資を続け、地中海屈指の貿易港に成長させた。中国にとって、ピレウス港は習近平(シーチンピン)国家主席が提唱するシルクロード経済圏構想「一帯一路」の要衝であり、欧州進出の足がかりでもある

 コメント抜きで紹介をしておきます。


■中国関係の河野外相記者会見録

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaiken4_000728.html#topic5
■中国ウイグル族に関するペンス*12米国副大統領の発言
朝日新聞 田嶋記者】
 中国に関連してですね,アメリカのペンス副大統領が講演で,中国政府がウイグル族を不当に収容しているという懸念を表明したようですけれども,これについて日本政府としても同じようなお立場でしょうか。
【河野外務大臣
 中国国内のウイグル民族については,これは中国の国内問題,内政問題という認識であります。他方,どこの国においても,人権とか自由といった基本的な人権・価値観というのは尊重されるべきであろうというのが日本政府の立場でございます。

 「アンチ中国」常岡浩介が「手前、ウイグルに冷たすぎるだろ、中国に対して腰が引けすぎだろ」つう河野外相非難の文脈でこの外務省サイトにリツイートしてたので気づきました。
 朝日・田嶋記者が、「ウイグルの人権に配慮し、日本もペンスに従うべきだ」か、単に「中国は日本の隣国で重要な貿易相手国だし、一方米国は同盟国かつ、これまた重要な貿易相手国だし、この件について日本政府の考えを聞くことが新聞記者の責務だと思って聞きました(ペンスの考えについて、田嶋個人として特に支持、不支持はない)」か、何なのか、どういう文脈で質問したかわかりませんが、「ペンスに同意するのかしないのか」完全に質問から逃げてる河野です。まあ同意しないというと「日本ウヨやトランプ政権ともめる危険性がある」反面、同意すると言うと「中国ともめる危険性がある」ので「まあ一般論としては信教の自由は大事よね。でもペンスの意見に賛同してるなんて一言も言ってないから。それと一般論として他国の内政にああだこうだいうのって内政干渉の疑いあるよね。でも中国の宗教政策に問題がないなんて一言も言ってないから」と、こうして逃げるわけです。
 でも、産経とか国基研とか『ダライ・ラマと転生』(2016年、扶桑社新書) 』の著者・I濱女史とかは「なぜペンスに賛同しない」などとは、安倍も河野も批判しないで、もちろん「朝日の田嶋記者はいい質問した!」とほめることもしないで、「見て見ぬふりする」んだろうなあ。『中国を追われたウイグル人:亡命者が語る政治弾圧』(2007年、文春新書) の著者・M谷女史は安倍や河野を批判し、田嶋記者を褒めるかもしれませんが。
 もちろんこういう河野答弁について日本ウイグル国会議員連盟古屋圭司会長(第二次安倍内閣国家公安委員長)なども「河野氏に対しペンスに賛同するよう求める要請」も何もしないでしょう。

参考

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180727/k10011551041000.html
NHK『トランプ政権 中国がウイグル族を不当に収容と非難』
 アメリカのトランプ政権は、中国政府が、テロ対策を名目に新疆ウイグル自治区で、イスラム教徒のウイグル族を不当に収容し、その数は少なくとも数十万人に上ると明らかにして強い懸念を表明しました。
 アメリカのペンス副大統領は26日、首都ワシントンで講演し「中国政府は、数十万人、もしくは数百万人の規模でイスラム教徒のウイグル族を再教育施設という場所に収容している。宗教の信仰と文化的な帰属意識を失わせようとしている」と述べて非難しました。
 さらに、アメリカ政府で人権問題などを担当しているカリー大使も26日、議会で開かれた公聴会に出席し「習近平政権が去年の4月からテロとの戦いを名目にイスラム教徒に対する抑圧を強めている」と述べたうえで、ウイグル族を去年から少なくとも数十万人不当に拘束していると強い懸念を表明しました。
 また、新疆ウイグル自治区では、イスラム教を若者に教えることやイスラム教徒的な名前を子どもにつけることが禁止になるなど、かつてない抑圧的な政策を進めていると指摘し、中国政府にやめるよう申し入れたことを明らかにしました。
 公聴会には、新疆ウイグル自治区出身で、現在はアメリカを拠点にウイグルの現状を伝えている女性記者も出席し、新疆ウイグル自治区にいる自分の家族や親戚20人以上が去年から当局に連行され、今も行方がわからないと訴え、協力を求めました。

 「イスラム教を教えることそれ自体を禁止」つうのはちょっと信じられないですけどね。そんなん、発覚して、イスラム諸国に批判されたら確実に外交問題化しますし。
 俺の邪推ですが「仮に規制があるとしても」そこまでは酷くなくて「中国共産党のお墨付きのあるイスラム宗教家以外からの学習は禁止(イスラム教学習のある種の許可制)」じゃないか。 

https://mainichi.jp/articles/20180729/ddm/007/030/072000c
毎日新聞『トランプ米政権:「ウイグル数十万人拘束」 中国当局を批判』
【ワシントン工藤哲】
 中国新疆ウイグル自治区イスラム教を信仰する少数民族ウイグル族をめぐり、トランプ米政権が「中国当局がテロ対策を名目に数十万人を拘束している」と批判を強めている。中国側は「内政干渉だ」と強く反発している。
 ペンス副大統領は26日、ワシントンで講演し、ウイグル族の住民について「数十万、あるいは数百万とみられる人たちが、再教育施設に移され、政治教育を強いられている。宗教的な信条が脅かされている」と懸念を示した。
 米政権で人権問題を担当するカリー国連経済社会理事会大使も同日、議会の公聴会で、習近平指導部が昨年4月以降、テロや過激主義者に対処するとの目的で、イスラム教徒への抑圧を強めていると指摘。自治区内ではイスラム教徒の食生活や名前、宗教教育にも当局の介入が続いているとし、「中国にこうした政策をやめるよう求めた」と述べた。
 中国外務省の耿爽(こうそう)副報道局長は27日の定例会見で、「中国政府は信仰の自由を十分に保障している」と表明。「米国は中国の民族政策を中傷している。宗教を利用した内政干渉をやめるべきだ」と反論した。


■読売新聞『国連分担金、中国が日本抜き2位へ…存在感増す』
https://www.yomiuri.co.jp/world/20180728-OYT1T50048.html
 中国の経済発展の証明ですね。


■人民日報『岡崎嘉平太*13特別展、駐日中国大使らが出席』
http://j.people.com.cn/n3/2018/0725/c94473-9484749.html

 程永華*14駐日中国大使が24日、「岡崎嘉平太とその時代〜日中友好の井戸を掘った人々〜」特別展の開幕式に出席した。中国清華大学の顧秉林元学長、日本の河野洋平*15衆議院議員小渕優子*16衆議院議員小泉龍司衆議院議員ANA全日空)の大橋洋治相談役、ANAの伊東信一郎会長、日中友好協会の丹羽宇一郎*17会長、岡崎嘉平太の子孫などの各界関係者も同特別展に出席した。
 程氏は挨拶の中で、「岡崎嘉平太氏は中日民間交流を展開し、両国の経済・貿易交流を促進するため、一生涯に渡り心血を注いだ。彼と高碕達之助*18松村謙三*19が中国と切り開いた両国の覚書貿易は、中日交流史の伝説のページとなった。両国が国交正常化を実現した後も、岡崎氏は高度な遠見卓識によって両国の青年交流を力強く促進した。周恩来総理は岡崎氏を、中日友好の井戸を掘った人と称賛した。習近平国家主席は2015年5月に北京の人民大会堂で開かれた中日友好交流大会で発表した談話の中で、岡崎氏が中日関係の再構築と発展に関する多くの取り組みを改めて評価した」と述べた。
 同特別展は清華大学と(ボーガス注:岡崎氏が一時社長を務めた)ANAが共催したもので、今年11月には清華大学でも開催される予定だ。

 ということで日中交流には長い歴史があるわけです。


ニューズウィーク日本版『神仏をも恐れぬ中国の監視と弾圧、ビッグデータをフル活用』(楊海英*20
https://www.newsweekjapan.jp/youkaiei/2018/07/post-21.php

 私が夏の帰省中に経験した出来事から記そう。16年8月、日本から実家のある中国内モンゴル自治区オルドス高原に帰省した。老父がチベット仏教の活仏に会いたいというので、案内を買って出て、ある寺を訪れた。活仏とは代々生まれ変わる高僧のことだ。
 境内に入ると、十数台もの監視カメラが方々に設置されていた。「清朝時代に建てられた名刹だから、文化財を保護するためのものだろう」と無邪気に思いながら、活仏の部屋へ。挨拶も終わらないうちに、警官数人が傍若無人に乱入してきた。そして私たち親子が連行された別室は壁一面がモニターになっており、机にはいくつものパソコンが置いてある。
 身分証明書を求められ、仕方なくパスポートを見せた。「日本人がどうしてこんな田舎の寺に来て、小坊主に会おうとするのか」と、警官たちは日本国籍の筆者をにらみながら、「大野旭」という日本人名で取得したパスポート情報をパソコンで照合する。すぐに「『著名な』楊海英教授か! 『墓標なき草原』の先生」と皮肉を発した。
 『墓標なき草原』(岩波書店)を09年に出版して以来、筆者は中国、特に内モンゴル自治区で「注視」される身となった。文化大革命中に発動されたモンゴル人ジェノサイド(集団虐殺)を研究した歴史書だ。この事件は中国でタブーとされており、語ることすら禁止されている。
 刊行後間もなく、中国語とモンゴル語に翻訳されて内モンゴルに伝わり*21、当局を刺激してしまった。拙著の流布は取り締まられ、所持だけで逮捕される事態も複数起きた。筆者に関する情報は全て治安当局のデータベースに蓄積され、オルドス高原の一寺院で瞬時に個人情報の詳細がばれてしまったのだ。

 楊の文章が事実なら、ずいぶんと楊も有名人のようです。たださすがに中国政府も静岡大学教授・楊を身柄拘束して痛めつけたりはしないようです。

 (ボーガス注:新疆ウイグル自治区イスラム教徒は)携帯にイスラム教の聖典コーランのアプリがあったり、隣国のカザフスタンの同胞と交流したりしただけで逮捕監禁されている。
 イスラム教徒を迫害する中国に対して、サウジアラビアやイランといったイスラム教大国は沈黙を守ったままだ。中国マネーがもたらした利潤にむしばまれ、同胞が圧政に苦しんでいるのを見て見ぬふりをする。

 どうなんですかねえ。楊がいうほどイスラム教「それ自体」が中国当局によって敵視されてるのかどうか。
 イスラム過激派や「イスラムの立場に立った反体制派」ならともかくイスラム教それ自体を敵視するような態度はイスラム諸国との関係を考えればとらない気がしますが。

参考

https://www.sankei.com/world/news/170316/wor1703160043-n1.html
■産経『中国・サウジ首脳会談 7兆円規模の協定に署名 「一帯一路」で協力確認』
・中国の習近平国家主席は16日、北京の人民大会堂サウジアラビアのサルマン国王*22と会談し、両首脳は「全面的戦略パートナーシップ」を推進することで一致した。会談後、両国はエネルギーや宇宙開発分野など総額650億ドル(約7兆3400億円)のプロジェクトを含む協定・覚書に署名した。
 中国にとって中東は現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の要衝であり、サウジは原油の重要な輸入先だ。
・中国外務省によると、習氏は会談で「中国はサウジの信頼できる安定した原油の輸出市場だ。双方はエネルギー分野で協力の枠組みをつくりあげ、通信や宇宙などの分野で協力を深めるべきだ」と強調。サルマン氏は「経済貿易や投資、金融、エネルギー分野での協力をさらに深化させたい」と述べた。
 習氏は昨年1月に中東を歴訪し、サルマン氏との会談では「一帯一路」をめぐる協力やエネルギーなどの分野での関係強化を確認していた。

https://www.sankei.com/world/news/180131/wor1801310006-n1.html
■産経【イラン反政府デモから1カ月】擁護する中国 資源、「一帯一路」に不可欠
 中国は、習近平国家主席が提唱した現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の重要沿線国としてイランを位置づけている。核合意の擁護をアピールしてイランとの関係を強化し、中東で政治・経済的な影響力を拡大していく戦略だ。
 トランプ米大統領がイラン核合意の見直しを要求する声明を出したのを受けて、中国の王毅*23外相は1月13日、イランのザリフ*24外相と電話会談し、「中国は(核合意を)擁護し履行するために建設的役割を果たす」と強調。ザリフ氏は謝意を表明した。
 中国はイランにとって最大の貿易相手国であり、イランは中国の6番目の原油供給元(2016年)だ。
 16年1月には習氏がイランを公式訪問し、全面的な戦略的パートナーシップの確立を宣言。16年11月には軍事訓練などを含む防衛協力協定に調印、軍事面の連携も進む。
 イラン側も「一帯一路を通じてエネルギーや交通分野で協力を進めたい」(ザリフ氏)と前向きだ。すでに両国間で長さ260キロ以上の鉄道建設や地下鉄整備事業が動き出している。
 昨年7月に、イランの南パルス天然ガス田の一部を開発する契約をイラン側と結んだのは、中国石油天然ガス集団(CNPC)とフランス・トタル*25だった。


■産経【田村秀男のお金は知っている】貿易戦争、韓国は中国の道連れに…「トランプ弾」中国金融市場を直撃
https://www.sankei.com/premium/news/180728/prm1807280004-n1.html
 田村らしいデマ記事ですね。中国経済がダメージを受ければ世界経済や日本経済もダメージを受けるのであって韓国経済だけがダメージを受けるわけではない。


■日経『国産コンテンツを中国に輸出、フジテレビ・アリババ連合』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3345350026072018TJ3000/
 産経はともかくフジテレビにとって中国は魅力的市場の訳です。しかも提携相手のアリババは中国企業です。


■産経『多国間貿易に「未曾有の難題」 BRICS宣言で米牽制 中国、「反保護主義」結束を演出』
https://www.sankei.com/world/news/180727/wor1807270032-n1.html

BRICSを構成する中露と南ア、インド、ブラジルの国内総生産(GDP)合計は世界の23・6%(2017年推計)を占め、米国とほぼ同水準で、その人口は世界の4割超に上る。中国はロシア、ブラジル、南アの3カ国にとって最大の貿易相手国であり、経済的影響力も大きい。
・中国の習近平*26国家主席は会議で「保護主義と一国主義が新興国発展途上国の発展環境に深刻な影響を与えている」と訴え、保護主義への反対を「旗幟(きし)鮮明」にするよう呼びかけた。
 各国指導者もこれに呼応する形で「一国主義や保護主義が台頭し、BRICS加盟国は協力を強めなければならない」(南アのラマポーザ大統領)、「多国間主義や国際ルールの堅持を」(プーチン*27露大統領)などと発言し、米国の通商圧力を受ける中国への“助け舟”を出した。

 要するに「産経による中国脅威論」ですが結局「中国敵視がいかに馬鹿げてるかの宣伝」にしかなってないと思います。隣国であり経済大国でもある中国を敵視することは全く馬鹿げています。


■産経【パキスタン総選挙】「親中国」路線維持へ 勝利のPTI党首「中国から学びたい」
https://www.sankei.com/world/news/180727/wor1807270029-n1.html

・「国是」ともいえる親中姿勢に変化はなさそうだ。
 「中国からは貧困から脱出する方法と、腐敗を排除する方法を学びたい」
 パキスタン正義運動(PTI)のイムラン・カーン党首は26日の勝利演説で、中国を“成功者”と位置づけて手放しで絶賛した。
・カーン氏は中国による投資は「わが国のチャンスだ」とし、関係強化を宣言した。
 中国とパキスタンの関係は歴史的に密接で、「海よりも深く、山よりも高く、蜜よりも甘い」とも形容される。ともにインドという対抗相手を抱え、戦略的に利害が一致するためだ。中国は2013年に立ち上げた中国・パキスタン経済回廊構想(CPEC)を一帯一路の中核と位置づけ、パキスタンイスラム教徒連盟シャリフ*28派(PML-N)政権も投資受け入れを推進した。

 問題とされていたのはもっぱら今回、パキスタン正義運動(PTI)に敗北した「前与党パキスタンイスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)の政治腐敗」であって「中国との関係」ではなかったようですからねえ。

 現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」関連事業を通じて、インフラ整備などのために620億ドル(約6兆9000億円)の巨額投資も受ける。

なんて巨額投資をそうそうチャラにもできないでしょう。

*1:副首相、首相などを経て大統領

*2:セルビアの首都

*3:正確には内モンゴルですが

*4:著書『もうひとつのチベット現代史:プンツォク=ワンギェルの夢と革命の生涯』(2006年、明石書店)、『チベット高原の片隅で』(2012年、連合出版)など

*5:党副主席、副首相、人民解放軍総参謀長などを経て党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*6:海南省党委員会書記、北京市長、副首相、党中央規律検査委員会書記(党中央政治局常務委員兼務)などを経て国家副主席

*7:共青団共産主義青年団)中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*8:黒竜江省長、貴州省党委員会書記、党中央弁公庁主任等を経て全国人民代表大会常務委員長(党中央政治局常務委員兼務)

*9:青海省長・党委員会書記、陝西省党委員会書記、党中央組織部長などを経て党中央規律検査委員会書記(党中央政治局常務委員兼務)

*10:新中国建国後、党中央宣伝部長、国務院秘書長、副首相など歴任。文革で一時失脚するが文革終了後復権広東省長・党第一書記、全国人民代表大会常務副委員長など歴任

*11:というか右派はともかく左派にはトランプ支持は「対北朝鮮外交など一部問題を条件付きで支持」ならともかく全面支持はほとんどいないでしょうが。

*12:インディアナ州知事を経て副大統領

*13:池貝鉄工社長、丸善石油社長、ANA全日空)社長、日中覚書貿易事務所代表、日本国際貿易促進協会常任委員、日中経済協会顧問など歴任

*14:駐マレーシア大使、駐韓大使などを経て駐日大使

*15:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長を歴任。現在、日本国際貿易促進協会会長

*16:麻生内閣少子化等担当相、第2次安倍内閣経産相を歴任

*17:伊藤忠商事会長、経済財政諮問会議議員、駐中国大使など歴任。著書『中国の大問題』(2014年、PHP新書)、『習近平はいったい何を考えているのか』(2016年、PHP新書)、『北京烈日・決定版:中国で考えた2050年の日本と中国』(2016年、文春文庫)など

*18:東洋製罐社長、満州重工業開発総裁、電源開発総裁など歴任。戦後、政界入りし、鳩山内閣経済企画庁長官、岸内閣通産相科学技術庁長官兼務)など歴任。いわゆるLT貿易の立役者の一人。

*19:東久邇宮内閣厚生相(文相兼務)、幣原内閣農林相、鳩山内閣文相など歴任

*20:著書『草原と馬とモンゴル人』(2001年、NHKブックス)、『モンゴル草原の文人たち:手写本が語る民族誌』(2005年、平凡社)、『チンギス・ハーン祭祀』(2005年、風響社)『墓標なき草原(上)(下):内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2009年、岩波書店)、『続・墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2011年、岩波書店)、『中国とモンゴルのはざまで:ウラーンフーの実らなかった民族自決の夢』(2013年、岩波現代全書)、『植民地としてのモンゴル:中国の官制ナショナリズムと革命思想』(2013年、勉誠出版)、『ジェノサイドと文化大革命内モンゴルの民族問題』(2014年、勉誠出版)、『モンゴルとイスラーム的中国』(2014年、文春学藝ライブラリー)、『チベットに舞う日本刀:モンゴル騎兵の現代史』(2014年、文藝春秋)、『狂暴国家中国の正体』(2014年、扶桑社新書)、『日本陸軍とモンゴル:興安軍官学校の知られざる戦い』(2015年、中公新書)、『モンゴル人の民族自決と「対日協力」:いまなお続く中国文化大革命』(2016年、集広舎)、『「中国」という神話:習近平「偉大なる中華民族」のウソ』(2018年、文春新書)、『「知識青年」の1968年:中国の辺境と文化大革命』(2018年、岩波書店)など

*21:楊の口ぶりからして無許可翻訳の海賊版でしょう。

*22:リヤード州知事、皇太子(副首相、国防相兼務)等を経て国王

*23:駐日大使、中国共産党中央台湾工作弁公室主任(国務院台湾事務弁公室主任兼務)などを経て国務委員(外交担当)兼外相

*24:外務副大臣国連大使などを経て外相

*25:フランスの石油企業。 エクソンモービル(米国)、ロイヤル・ダッチ・シェル(英国&オランダ)、ブリティッシュ・ペトロリアム(BP、英国)、シェブロン(米国)、コノコフィリップス(米国)とともに6大メジャー(6大石油会社)と呼ばれる(ウィキペディアトタル」参照)。

*26:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*27:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領

*28:防相、首相など歴任

今日の中国関係ニュースほか(7/2分)(追記・訂正あり)

 中国ネタを中心にいろいろ書いていくことにします。
■浅井基文ブログ『中国をどう見るか』
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2018/1045.html
 日本において産経などウヨメディアはもちろん朝日や毎日すら中国脅威論をあおることに批判的な浅井氏です。
 浅井氏の主張を小生なりにまとめれば
1)日本は「隣国であり経済大国でもある中国」をいたずらに敵視する選択肢はない
2)中国は長い目で見れば民主化の方向に進んでいる
3)サウジやエジプトなどの民主化問題は大して問題にもしないくせに中国ばかり民主化をあげつらうのは単に反中国ではないのか
4)中国に対して批判を行う場合も「日本は中国のことを非難できるほど立派なのか」という自省の心が必要。安倍政権の極右政治などほめられたことではないし、こうした安倍極右政治が中国の軍拡を助長しているという側面もある(日本が軍縮を進めているのならばともかく、一方的に中国批判できる立場ではない)
などといったところでしょう。概ね同感です。


毎日新聞カンボジア、政権強気 29日総選挙、背景に中国の支援』
https://mainichi.jp/articles/20180727/k00/00m/030/090000c
 こういう反中国記事は本当に大概にしてほしいですね。中国の支援はもちろんあるし、影響はしてるでしょう。
 しかし「中国以外は日本も欧米もASEAN諸国も、カンボジアを厳しく批判しています」なんて事実はないのだから「中国ガー」とやたら中国ばかりのせいにすることは明らかに事実の歪曲です。
 それは「日本や欧米、ASEAN諸国に対する不当な免罪」でしかありません。
 「中国の支援だけでカンボジアがやってける」ほど世の中甘くないし、中国以外の国もそんなに「金儲けより人権が大事です」なんてきれいごとでもないわけです。


■朝日『航空会社の「台湾」表記、中国から変更要求で全社見直し』
https://www.asahi.com/articles/ASL7V44BQL7VUHBI01F.html
 まあ商売的な観点ではそうなるでしょうね。


■産経【石平*1のChina Watch】「側近政治」の失敗と限界
https://www.sankei.com/column/news/180726/clm1807260007-n1.html
 トランプ政権から報復関税を食らってるのは中国だけではないのに「日本、カナダ、EU諸国」等も食らってるのに「報復関税は習近平外交の失敗」と公言する石もなかなかのデマ野郎です。
 それが習主席の失政なら「安倍やEU、カナダの首脳」も失政ですし、「安倍らは失政ではない」というなら習主席とて別に失政ではないでしょう。
 

時事通信『首脳往来へ「健全な関係」を=中国首相が大島*2衆院議長に』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018072400656&g=pol
 もちろんこうした訪問は安倍の了解の元でしょうが「大島が勝手にやってる」と産経などは言い出すんでしょうねえ。
 なお個人的には「衆院議長の党籍離脱慣行」を考えれば「習主席の訪日要請」は容認するにしても「安倍首相の訪中」云々というのはまずいのではないかと思いますね。


■産経【関西の議論】神戸「復興のシンボル」パンダの行方 中国との「ディール」は成功するか
https://www.sankei.com/west/news/180724/wst1807240005-n1.html

・神戸から人気のジャイアントパンダがいなくなる、との恐れが渦巻いている。中国側が、2年後に貸与期間の満期を迎える神戸市立王子動物園のメス「タンタン(旦旦)」について、契約の延長を明言せず、別のパンダの貸与にも難色を示しているからだ。タンタンは平成7年の阪神大震災で被災した神戸に、復興のシンボルとしてやってきた。
・今年5月16日、中国・北京のホテルの会議室に、日中友好神戸市議連盟(以下、市議連)の平野昌司会長(自民党)ら神戸市議6人が顔をそろえた。中国野生動物保護協会の幹部らに新たなパンダの貸与を直談判するためだ。
 「パンダは子供たちに夢を与えている。さらなる貸与の願いをかなえてほしい。もう一度、繁殖という努力をさせてください」
 これまでの中国側の好意に感謝した上で、平野会長はこう切り出した。9月に23歳になるメスのタンタンは人間でいうと70歳くらいの高齢で、中国側は妊娠は難しいとの見解を持っており、議論は新しいつがいの貸与が焦点となった。
・出席した市議の1人は「新しいパンダどころか、タンタンの延長すら難しいという感触だった。中国側の指摘は心が折れそうなほど厳しかった」と顔をしかめる。
・タンタンは平成7年の阪神大震災後、「復興に取り組む人々を励ましてほしい」という神戸市の要望を中国側が受け入れ、12年に「コウコウ(興興)」とともに10年の貸与契約で来園。飼育研究や繁殖に向けての取り組みが始まった。
 パンダの人気は絶大で、12年度の入場者数は前年度の2倍以上となる約199万人を記録。昨年度も全国の動物園で8位となる約110万人が訪れており、経営の観点でも効果は大きい。
・市議連は中国側との会談でも、神戸と天津が友好都市として提携してから今年で45周年を迎えることなど、中国との歴史的な絆をアピール。昨年7月には東京の中国大使館を訪れ、神戸の幼稚園児ら373人が描いたパンダの絵を大使に手渡し、習近平国家主席に絵を見せるよう頼んだ。今後も、自民党上層部に働きかけて政府から中国側に要望を行うよう依頼するという。
 神戸市も、7月の寺崎秀俊副市長の中国出張に急遽(きゅうきょ)同協会への訪問を組み込んだ。副市長はマンホールにパンダの絵が使われるなど、神戸が街をあげてパンダを愛していることを訴えたという。

 まあ自民党市議でもこういう問題で産経のような反中国な人間はほとんどいないわけです。


■産経【野口裕之の軍事情勢】一帯一路を旅するようにアジア〜欧州へと伝播する中国への警戒&軽蔑
https://www.sankei.com/premium/news/180723/prm1807230003-n1.html

 英国のテリーザ・メイ*3首相は1月の訪中で、経済関係をアピールしたものの、一帯一路を支持する覚書の署名をしなかった。

 「署名はしなかった」とはいえ、一方で

https://jp.reuters.com/article/china-britain-idJPKBN1FM0NZ
■ロイター『英国、メイ首相の訪中で93億ポンドの契約 両国関係は「黄金時代」』
・英国政府は2日、メイ首相の中国訪問中に93億ポンド(132億6000万)超の契約を締結したことを明らかにし、国内で2500人超の雇用創出につながるとの認識を示した。
・メイ首相は上海でのビジネスサミットで、英国は習主席が掲げるグローバリゼーション構想や、より開かれた中国経済を積極的に支援したいと表明。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018013101211&g=int
時事通信『英中、1兆円超の商談成立=メイ首相「一帯一路」支持』
 中国の李克強首相は31日、公式訪中したメイ英首相と北京の人民大会堂で会談し、貿易・投資の拡大などで一致した。約50社・団体のトップらで構成される経済界代表団を同行させているメイ首相は会談後の記者会見で、今回の訪中で総額90億ポンド(約1兆3800億円)以上の商談がまとまる見通しを明らかにした。金融やインフラ整備の英企業が代表団に参加しており、こうした分野での契約が含まれるとみられる。
 メイ首相は中国が提唱するシルクロード経済圏構想「一帯一路」について「歓迎する」と述べ、支持を鮮明にした。李首相は英国農産品の輸入を増加させる方針を表明した。
 中国国営中央テレビによると、会談で両首相は、英中関係が良好な「黄金時代」を迎えているという認識で一致。

という報道もあります。英国として一帯一路に対しどうコミットするか慎重に検討しているだけで、英国は野口のような反中国ではないでしょう。

 ジグマール・ガブリエル*4前外相は2月、ミュンヘンでの安全保障会議で「一帯一路は(シルクロードを旅した)マルコ・ポーロの感傷的回想ではない。中国の国益に貢献する包括的開発を手助けするだけのもの。一帯一路で、自由・民主主義や人権に基づかぬ欧米の価値観に対抗する世界秩序を創ろうとしている。西側主要経済国への挑戦だ」と痛烈にこき下ろした

 前外相ではねえ。問題はメルケル*5政権の立場です。

https://www.sankei.com/world/news/180710/wor1807100004-n1.html
■産経『独中、約2兆6千億円規模の経済協力に署名』
 ドイツのメルケル首相は9日、訪独中の中国の李克強首相とベルリンで会談した。双方は総額約200億ユーロ(約2兆6千億円)相当の経済協力協定に署名。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-07-09/PBMD6D6JTSEL01
ブルームバーグ『ドイツ首相、中国の対外開放を称賛−BASF現地100%出資の仮契約』
・ドイツのメルケル首相は9日、中国の李克強首相とベルリンで会談した。
メルケル首相と李首相が主催したイベントでは、ドイツの化学品メーカー、BASFが中国の第2化学コンビナートに最大100億ドル(約1兆1000億円)を投資する仮契約に調印した。同社にとって過去最大規模の事業拡張となる。同社の広東省のプラントには、外資の化学品メーカーとしては初めて100%の出資が認められる。
 メルケル首相は共同記者会見で、「これらの分野での中国市場の開放が単に話だけでなく、行動を伴うことが今回の件で示された」と歓迎。

でわかるようにメルケル政権は野口のような反中国では明らかにありません。
 他にも

https://www.newsweekjapan.jp/headlines/business/2018/06/215753.php
■ニューズウイーク日本版『中国、フランス産牛肉輸入解禁 エアバス機購入にも前向き』
・中国政府は25日、フランス政府に対し、同国からの農作物の輸入を増やす方針を示すとともに、エアバス製航空機の購入に向けた協議を継続する意思を伝えた。
・中国の李克強首相は25日、フランスのフィリップ首相に対し、中国が年内に航空機購入を増やす計画があるとした上で、エアバス機の購入についてフランス側との協議を続ける用意があると述べた。
 李首相は共同会見で、中国は近年に多数の旅客機を購入しており、これらを消化する期間が必要だとした上で、「それでもなお、フランスのエアバス社との協力を強化したいと考えている」と発言。
 フィリップ首相は、李首相とともに臨んだ記者会見で、エアバス機購入を巡る1月のコミットメントについて、中国側が前向きな姿勢を示したことを喜ばしく思うと述べた。
・中国は25日、フランス産牛肉を輸入する合意に署名した。中国は昨年、20年以上前に欧州で牛海綿状脳症狂牛病、BSE)が発生した後に禁止したフランス産牛肉の輸入解禁を示唆していた。

ですからねえ。まさにヨーロッパ各国にとって「中国ビジネス万々歳」のわけです。

 ドイツ貿易・投資振興機関の2月のリポート。
 《一帯一路は不透明な法的枠組みで、政治的不安定国に狙いを付けている。中国国営銀行が後押しするプロジェクトの8割で、中国企業が恩恵を受けた》
 米国も一帯一路国際協力サミット・フォーラムで、米国代表団を率いる国家安全保障会議アジア上級部長のマット・ポッティンガー氏が「一帯一路の受注業者の9割が中国企業」と証言。「中国は透明性の高い競争入札制度を構築し、外国や民間企業を参入させることが急務」だと注文した。

 「一帯一路がドイツや米国に批判されてる!」と大喜びの野口ですがはっきり言って「野口の立場」では、どう見ても喜べる話じゃないでしょう。
 「一帯一路プロジェクト受注企業の8割、9割が中国企業では問題だ!(米独)」とは「公平な入札制度にしろ→そうすれば、中国企業の受注が減って、他の国の企業が一帯一路プロジェクトを受注できるはずだ。米国やドイツの企業も、もっと受注できるはずだ!」つう話ですから、むしろ米独は「一帯一路でもうけたい」わけで、一帯一路をけなす野口とは明らかに方向性が逆です。


■【田村秀男の日曜経済講座】米中貿易戦争の行方 「恐竜」中国直撃のトランプ弾
https://www.sankei.com/premium/news/180722/prm1807220010-n1.html
 トランプが報復関税を発動して反発を買ってるのは中国だけでなくEU、カナダ、日本もそうですし、中国限定ですら「トランプの報復関税で中国が困っていて、いい気味」ですむ話ではありません。
 中国の発動する対抗関税措置で米国も経済的ダメージを受けるでしょう。いやそれどころか、EUやカナダも対抗関税措置の構えだから「米国のダメージ」は相当のものになるでしょう。
 かつ「中国の景気がこれで仮に後退でもしたら」中国だけでなく、日本と米国の経済、そして世界経済もダメージです。
 しかもトランプは「EUやカナダ、日本など」中国以外にも報復関税だからそれらの国の景気にも悪影響が出かねない。
 田村が「EU、カナダ、日本など中国以外も報復関税対象であることや、中国経済がダメージを受ければ日本経済にもダメージがあることを理解できないバカか」、「中国たたきのためなら平気で嘘を書くクズか」はともかくこんな酷い大嘘もありません。

「米中貿易戦争」とかけて、米映画「ジュラシック・パーク」シリーズ第1作と解く。巨大な富と技術を持つ米国が昔、消滅した「中華帝国」という恐竜を再生、繁殖させたところ暴れ出し、封じ込めに転じるというのが、トランプ政権の対中強硬策だからだ。

 仮にも中国を恐竜呼ばわりとは全く馬鹿げています。中国の景気が今より冷え込んでいたら日本とてその経済的ダメージは大きかったでしょうに。

 現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」をぶち上げ、高利の借款を供与してアジア各地で港湾などのインフラを建設し、相手国が払えなくなると“接収”する帝国主義路線だ。

 スリランカのハンバントタ港のことを指摘してるのでしょうが、極めて一面的な描き方ですね。
 スリランカにしても一帯一路に参加するにおいて、何も経済的メリットが全くないわけではありません。
 というより「一帯一路に脅威を感じる」からこそこうしてネガキャンに走るのでしょう。しかし産経にとっては、皮肉にも「どのように一帯一路にコミットするか」はともかく日本政財界は一帯一路参加に明らかに舵を切っています。

 中国の膨張を支えてきたのは米国である。1990年代のクリントン政権は、中国をグローバル経済に取り込むとして、世界貿易機関WTO)に加盟させ、輸出の拡大機会を与えた。

 でそうした中国経済に期待する動きは何も米国限定ではなくEUや日本も同じ事です。
 少なくとも「経済的繁栄という意味」ではそうした動きは全く合理的だったわけです。


■産経『「中国・五星紅旗の禁止を」 台湾・独立派が住民投票申請、“統一工作”に反発』
https://www.sankei.com/world/news/180720/wor1807200025-n1.html
 「蒋介石時代か!」「中国が台湾国旗の掲揚を国内外で禁止の方向で動いたら文句言うのがあんたらと違うのか!」「別に個人が掲揚することなんか禁止しても意味ないだろ(そもそも表現の自由の侵害でしょうが)」といいたくなる非常識さです。
 まあ、さすがにこんなんは独立派の中ですら少数派だと思いたいところですが。
 さすがに蔡英文政権は賛同していないことはせめてもの救いです。


■朝日『中国の生保市場、参入狙う日本勢 世界2位の規模に』
https://www.asahi.com/articles/ASL7M53R2L7MULFA01J.html
■日経『カルビー、20年度に中国フルグラ販売7倍に』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33338230U8A720C1916M00/
 産経のようなウヨがいかに中国を敵視しようともこうした事実がある以上、そうした中国敵視は非現実的なものでしかありません。
 なお、もちろん人口が多いことも「生保市場2位の理由」ですが、朝日記事によれば「中産階級が増えてきたこと」も理由だそうです。
 貧乏人にとっては「死んだりけがしたり時しか意味がない保険」に加入して掛け金を払うことはかなりの負担でしょうからね。


■産経【矢板明夫*6の中国点描】「習近平*7降ろし」がついに始まった 40年前の失脚劇と類似
https://www.sankei.com/premium/news/180718/prm1807180005-n1.html
 ばかばかしいとしかいいようがないですね。まあ、矢板も本気で言ってるわけではないでしょう。
 大体「文革の主役ではないとはいえ」文革時に出世した華国鋒*8文革終了後、「反文革派の旗印」「反文革派の最高幹部」トウ小平*9に追い落とされたことと、今の中国政治と何の関係があるのか。
 「産経新聞など極右媒体でしか通用しないウヨライター」が放言してるだけの話です。
 もちろんこの矢板の放言は外れるでしょうし、矢板も「予測は外れることもある」で終わりでしょう。

 共産党一党独裁体制を強化したい習氏は、一貫して民主化運動や人権活動家に対して厳しい姿勢を取っており「劉霞氏の出国を認めない」というのが習氏の方針だったとされる。今回、李氏*10の主導で劉霞氏の出国が実現したことは、習氏の党中央における絶対的な地位が揺らぎ始めたことを意味すると解釈する党関係者もいる。

というのは「産経新聞など極右媒体でしか通用しないウヨライター」矢板の放言に過ぎず何か根拠が提出されてるわけでは全くありません。
 普通に考えて「国外に出て行って影響力が落ちるなら」その方が万々歳でしょう。

 3月に勃発した米中貿易戦争は、中国の経済に深刻な打撃を与えた。

 この種の貿易戦争をトランプが仕掛けてるのは中国限定ではなく、EU諸国、カナダ、日本も対象ですし、習主席だから制裁措置が発動されたわけでもない。到底習おろしなどできる話ではない。


■リベラル21『シカの食害を考える』(阿部治平)
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4430.html
 吹き出しました。当初は「中国問題に詳しい御仁」つう扱いで、ほとんど、そういう文章だったかと思いますが「シカの食害」ですか。
 てっきり「先日の劉霞ドイツ亡命」でも書くかと思っていましたが。
 まあ、中国問題だってそれ関係の著書があるとはいえ、「研究者ではない」彼が「専門家といえるかは微妙」な気もしますが「シカの食害」なんてそれこそ専門家に文章を書かせたらどうなのか。
 大体阿部が言ってることは「食害が酷いから、かわいそうだけど、もう駆除しかねえんじゃねえの?」「駆除したら肉はジビエにでもして売ればいいよ、最近ブームらしいからいい収入になる。もちろん自分の家で食ってもいいし」つう「いや、それ阿部でなくてもその辺の農家のおっさんでもいえるレベルじゃん」ですね。
 阿部の個人ブログならまだしも、これが「リベラル21」に載せるべき文章なんでしょうか?(苦笑)。これだったら「阿部と違いリベラル21とは友好関係にない」とはいえ、むしろid:Bill_McCrearyさんやinti-solさん(https://plaza.rakuten.co.jp/intisol/)の政治ネタ記事でも載せた方がいいんじゃないか。いや俺の「政治関係駄文」ですら「まだマシ」かもしれません。


日本李登輝友の会『7月21日、本会新潟県支部が宇都隆史・参院議員を講師に緊急講演会』
http://www.ritouki.jp/index.php/info/20180711/

 国会論戦を見ると、一時盛り上がった憲法改正の火が消えかかっています。このままだと、最も重要な憲法9条に向き合うことなく、当たり障りのない改正でお茶を濁すことも危惧されますし改正論議の先送りも懸念されます。
 この時期、集まり、憲法改正の熱気を再び呼び起こすため、そして、これに取り組む参議院議員の宇都隆史(うと・たかし)先生から自民党案の細部や国会情勢を直接お聞きし、これを正しく理解し、改正論議を広める資とするために、講演会を計画しました。

 唖然ですね。もちろん右翼連中がそういう講演会をやることは彼らの自由です。
 しかしなぜ「李登輝友の会」の肩書きでやるのか。要するに連中にとって「改憲と台湾との友好」はワンセットの訳ですが、そういう考えは明らかにおかしいでしょう。


日本李登輝友の会李登輝総統ご夫妻 沖縄を離れ、無事に台湾へ戻られる』
http://www.ritouki.jp/index.php/info/20180625/

 6月21日から沖縄入りし、李総統の全行程に付き添った謝長廷*11台北駐日経済文化代表処代表

 やれやれですね。台湾政府高官の謝が付き添ったのでは「政治的訪問でない」と李が言い訳したところで説得力は皆無です。せめてもの救いはこの報告を読む限り、日本国内において日本政府関係者の付き添いはなかった「らしい」ことでしょう。
 ただし当然のように日本右翼連中が付き添ってることにはいつもながらうんざりしますが。

 台北桃園国際空港では、日本台湾交流協会台北事務所の沼田幹夫*12代表(駐台大使に相当)が出迎えられたそうです。

 今は政府要人でもない、もはや一民間人にすぎない李を「中国政府の疑念を招く危険性」を犯してまで出迎える必要もないと思いますが。


日本李登輝友の会李登輝総統が「台湾人戦没者慰霊碑」の除幕式に出席』
http://www.ritouki.jp/index.php/info/20180624/

 式典には、謝長廷台北駐日経済文化代表処代表や稲嶺恵一*13・元沖縄県知事、中山義隆・石垣市長、上原昭・糸満市長など150名が参列。

 「存命の県知事経験者」としては、翁長*14・現知事や仲井真*15・前知事の名前がなく稲嶺・元知事の名前しか書いていないことが興味深い。素直に考えれば「彼らの出席はなかった」のでしょう。そもそも呼ばなかったのか、呼んでも欠席されたのかはともかく。
 「呼ばれなかった場合」、つまりこの式典主催者側に、翁長、仲井真氏が敵視されてる場合はもちろん呼んでも欠席された場合でも要するにこの式典は翁長、仲井真氏に「うさんくさい右翼集会」扱いされてると言うことでしょう。出席したメンツも要するに「その類いのウヨにシンパシーを感じる」か、「実はあまり出席したくないがしがらみで出席した」かはともかく相当に問題がある人間だと思いますね。

 台湾の元総統が台湾人同胞を慰霊顕彰するのはごくごく自然なことです。しかし、中国は「植民地統治の美化だ」「侵略戦争軍国主義を支持するような行為には断固として反対する」とクレームをつけました。

 そりゃ李登輝が付き合ってる日本人連中がその種のウヨ揃いだからでしょうよ。李登輝がその種のウヨ連中との付き合いをやめれば、中国もそうした批判はしなくなるでしょうが、まあ李登輝はやめないのでしょうね。


■日経『ミサイル防衛 「矛盾」なぜ:北朝鮮警戒縮小でも陸上イージス配備』(加藤晶也)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO32922820S8A710C1EA1000/

 北朝鮮のミサイルに対しては警戒態勢を縮小し、その一方で新たなミサイル迎撃システムを導入する。北朝鮮の非核化を合意した米朝首脳会談が終わった後、日本政府が矛盾するかのような対応をしている。北朝鮮だけを見ていると理由は分からない。米中2大国の動向がポイントだ。

 以下引用は省略しますが、「米中2大国の動向」とは「軍備を拡大する中国に対抗するためには日本への陸上イージス配備が必要だ、と米国が主張するから」というとんでもない話です。

対中国をあからさまにすれば、中国の反発は必至だった(ボーガス注:ので「北朝鮮ガー」といってきた)。

 冗談も大概にしてほしいですね。このような記事を日経が平然と書いてる時点で「あからさま」以外の何物でもないでしょう。全く「日本の重要貿易相手国」中国相手に軍備で対抗とは自民といい日経といい正気なんでしょうか?


時事通信西日本豪雨で中国から見舞金=野田総務相、大使らと面会』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018071300960&g=oeq

 野田聖子*16総務相は13日、中国の程永華*17駐日大使らと総務省で面会し、西日本豪雨の被災地に対する計約2480万円の見舞金の目録を受け取った。程大使が「心からお見舞い申し上げる。被害が大きいところに私たちの気持ちを伝えてほしい」と述べると、野田総務相は「中国からの温かい思いやりと寄付は、地域の皆さんの心のともしびになる」と応じた。

 このことを知っていれば産経の
■産経【西日本豪雨】「台湾と日本は助け合う伝統が確立」 台湾の駐日代表が義援金2000万円を贈呈
https://www.sankei.com/world/news/180712/wor1807120025-n1.html
なんて提灯記事には嗤わざるを得ません。


■産経【防衛オフレコ放談】「すべての道はインド太平洋に通ず」 PKO支援、能力構築、島サミット… 縦横無尽に中国牽制
https://www.sankei.com/premium/news/180713/prm1807130001-n1.html
 確かに放談ですね。中国からすれば呆れて嗤うしかないでしょう。
 PKO支援の是非はともかく、それは建前では「中国牽制ではない」し、果たして本音においても中国牽制といえるかどうか。


朝日新聞劉暁波氏の妻の中国出国、4月上旬に計画 独外務省交渉』
https://www.asahi.com/articles/ASL7C543FL7CUHBI016.html
 「やっぱり外交交渉の成果なのか」という感想ですね。北朝鮮拉致問題もそうですが結局多くの外交問題は交渉でしか解決しません。


■産経【主張】劉暁波夫人の出国 中国の人権監視を怠るな
https://www.sankei.com/column/news/180712/clm1807120002-n1.html

 中国共産党とは普遍的な価値を共有できないと、改めて認識したい。

 なお、普遍的な価値を共有してるかどうかは別に友好関係とは関係ないわけです。
 例えば日本が「最近まで女性の自動車運転を認めていなかった」サウジアラビアと普遍的価値を共有してるかと言ったらしてないでしょう。

 出国した劉霞さんにはまず健康の回復に努めた上で、自身や夫の体験を含めて中国の人権侵害の実情を語ってもらいたい。実弟が「事実上の人質」として中国に留め置かれた制約はあるが、沈黙は劉暁波氏の遺志でないはずだ。

 余計なお世話です。「劉霞の支援者ならともかく」、劉霞も「人権になど何の興味もない」「単に中国たたきがしたいだけ」「実弟の扱いがどうなろうとかまわない(むしろ酷い目に遭わされた方が中国たたきができる)と思ってる」産経にこんなことをいわれたくないでしょう。


ダライラマ法王日本代表部事務所『ダライ・ラマ法王の83歳の誕生日祝賀会が日本で行われる』
http://www.tibethouse.jp/news_release/2018/180711_Birthday_20180709.html

 宇都隆史*18議員は次のように語った。
安倍晋三首相率いる日本政府は、民主主義、人権、正義を固く支持する新たな国策を策定しました。これらの価値観を世界に広めるべく、日本は国際社会と十分手を取り合っていくことでしょう。日本政府、そして、私たち1人1人は、これらの価値観を再活性化し、チベット人が自身が抱えている問題で勝利するための支援を行っていきます。」
 石井苗子議員は、次のように語った。
「ハリウッド映画セブン・イヤーズ・イン・チベットチベット問題に興味を持つきっかけでした。ダライ・ラマ法王は前向きな人間の価値観、平和、非暴力を世界に啓蒙して下さっています。ダライ・ラマ法王のこの偉大な貢献を称賛します。」

 宇都が何を言おうとそれは奴の勝手です。その発言場所が「ダライ一味のパーティー」だろうと奴の発言をダライ一味の主張と同一視はできないでしょう(とはいえ、それでも与党議員とはいえ、宇都のような「極右の上に大物政治家とも言いがたい輩」を来賓に招いたダライ一味の政治センスのなさは批判されて当然だと思いますが)。
 しかしダライ一味が奴の発言をこうして「ダライラマ法王日本代表部事務所のサイト」に掲載すれば話は別です。ダライ一味が宇都の意見に賛同してると見なされ「安倍のどこが『民主主義、人権、正義を固く支持する新たな国策を策定』したのか!」という批判を安倍批判派から浴びてもやむを得ないでしょう。というか安倍批判派の俺はそういう批判をダライ一味にしますが。こういうのを例のid:Mukkeid:noharra、I浜Y子や阿部治平は「いろいろと事情があるのだ」と容認しちゃうんでしょうねえ。くだらない話です。
 石井発言の紹介は「特に発言内容に批判が出るような問題もない」と思うので理解できますが、宇都発言「安倍首相万歳」の紹介はまるきり理解できないですね。
 宇都の安倍万歳発言は一般的なリップサービス、社交辞令とはいえない内容です。
 もし「宇都発言を紹介しないと後で彼からダライラマ側が嫌がらせされる」つうのなら「最初からそんな奴呼ぶな」つう話ですし、そんな程度の常識もないようではダライ一味の将来に明るい展望はないでしょう。


ダライラマ法王日本代表部事務所『チベット亡命政権厚生大臣が日本の国会議員と面会』
http://www.tibethouse.jp/news_release/2018/180711_Tokyo_20180707.html

 日本チベット国会議員連盟代表部との約1時間の面会には、衆議院議員下村博文*19連盟会長、衆議院議員渡辺周*20連盟会長代行、参議院議員山谷えり子*21連盟会長代行、衆議院議員馬場伸幸*22幹事長、衆議院議員長尾敬幹事らが出席した。

 面会する議連のメンツにウヨしかいないのだからダライ一味のバカさにはいつもながらうんざりします。


■産経【Q&A】米中貿易戦争、日本への影響は?
https://www.sankei.com/world/news/180710/wor1807100051-n1.html


 日本経済への影響は

 世界的に景気が悪化すれば、輸出主導型の日本経済にも悪影響が及ぶ。貿易戦争のリスクが高まるほど、相対的に安全な通貨とされる円が買われる可能性があり、円高が進めば、日本企業の輸出の採算悪化にもつながる。

 産経でもまともな人間はこう書くわけです。


大紀元ダーウィンの進化論を覆す? DNAの最新研究で分かったこと』
http://www.epochtimes.jp/2018/07/34436.html
 「進化論否定」とは、さすが大紀元法輪功)らしい非常識さです。
 こうしたあほ行為によって「大紀元の中国批判って信用できるのかしら?」「中国の法輪功弾圧に仮に問題があったとしても、法輪功は間違いなく、オウム真理教統一教会のような犯罪カルトだわ。摘発それ自体は何ら問題じゃないわ。」と思われてしまうわけです。


■産経『ノーベル平和賞・故劉暁波*23の夫人がドイツへ出国』
https://www.sankei.com/world/news/180710/wor1807100033-n1.html
 まあ長期間軟禁されるよりはこの方が良かったんでしょうね。


■産経『劉暁波氏の妻のドイツ渡航容認 中国に対米「中独共闘」の思惑』
https://www.sankei.com/world/news/180710/wor1807100048-n1.html
 単に「外国に出国してくれるならどこでもウエルカム」「ドイツが一番、引き受けに熱心でした」つうだけの話じゃないんですかね。


夕刊フジ【有本香*24の以毒制毒】77歳の老母を収容所送りにする中国と「友好」か、世界ウイグル会議・ドルクン氏の「悲しみと苦闘知ってほしい」 
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180706/soc1807060010-n2.html

 息子がどうであれ、また、いくら気丈だといっても、77歳の女性を「思想再教育の必要あり」として強制収容所に入れるなど、普通の国ではあり得ない。中国当局は鬼だ。
 こういう国と、さしたる警戒もないまま、またぞろ「関係改善」と言い出す、日本のマスメディアや元要人らは何を考えているのか?
 残念ながら、「ウイグル問題」は、日本であまり知られていないが、それでも、ドルクン氏らウイグル人活動家と交流を続けてきた政治家が少数ながらいる。安倍晋三首相と、側近の衛藤晟一首相補佐官古屋圭司*25衆院議員らだ。
 安倍首相は第2次政権発足後、接触していない*26が、古屋、衛藤両氏はスタンスを変えていない。
 私が、安倍晋三という政治家を根本のところで信頼している*27のは、こうした事情もある。

 といったところで関係改善に動いてる張本人は「先日、李首相の訪日を大歓迎し、李首相の北海道訪問にまで同行した」&「今年中(日中平和友好条約締結40周年)の訪中を計画しているとも言われる」首相の安倍なのですが。
 しかし安倍批判はせず『元要人(日本国際貿易促進協会会長を務める河野*28衆院議長、先日、上海交通大日本研究センター開所式に出席するため訪中された福田*29元首相など)』のみ悪口雑言ですから、そのでたらめさにはいつもながら呆れます。


■産経『台湾・慰安婦記念館でアンネ展 ホロコーストと同列視表現も』
https://www.sankei.com/world/news/180707/wor1807070021-n1.html

 リーフレットには「第二次大戦の欧州戦域のユダヤ人大虐殺と、太平洋戦域の日本軍による『慰安婦』への性暴力は人類・生命の最も悲痛な傷跡だ」と記されている。

 別に同列視はしてないですね。

 波紋を広げそうだ。

 産経が因縁をつけてるだけです。


■産経【米中貿易戦争】日本 供給網に影響、業績悪化懸念も
https://www.sankei.com/economy/news/180706/ecn1807060046-n1.html

 米中双方の制裁関税発動で、日本企業のサプライチェーン(供給網)にも影響が及ぶ可能性が生じている。中国の工場から米国に出荷する製品に関税が上乗せされるほか、買収した企業などを通じて米国から中国に制裁対象品を輸出している企業にも影響が及ぶためだ。加えて、両国間の貿易停滞が世界経済の失速を招けば、日本企業の販売も減少し、業績悪化につながる懸念もある。
 「動向を注視しながら事業を進めている」
 三菱重工業子会社の三菱重工工作機械の岩崎啓一郎社長は今月4日の記者会見で、米中の制裁関税の行方にこう懸念を示した。工作機械は制裁の対象外だが、自動車や建機メーカーなどの主要顧客に影響が広がれば、大幅な販売減につながる恐れがあるためだ。
 ルネサスエレクトロニクスは、中国で制裁対象外の半導体を生産するが、今後の追加制裁で対象に加われば影響を逃れられず、担当者は「今後を注視している」と述べた。
 大和総研の試算によれば、米中それぞれの制裁関税で日本企業が受ける直接的な影響は最大でも533億円にとどまる。日本の産業界が直接的な影響よりも心配するのは「制裁関税が課せられれば貿易秩序が根底から崩壊しかねない」(日本鉄鋼連盟の柿木厚司*30会長)ということだ。米中間の貿易停滞が世界経済を冷やせば「日本にも影響が出てくる」(日本商工会議所の三村明夫*31会頭)

 米中対立に「ざまあ中国、日本は痛くないからどうでもいい」的なこと言ってるウヨもいますが、まあそんなことはないという話です。


■ちきゅう座『中国のマルクス主義をどうみたらよいか』(岡本磐男*32
http://chikyuza.net/archives/85340

 本サイトで中国社会の発展とマルクス主義の関連をとり上げて論じている論客がいる。彼は中国社会は歴史上、マルクス主義の影響は受けてこなかったといいたいようで歴史上の人物に対してもかなり批判的にみているように感じられるので、批判者の見解と呼んでおこう。

 阿部治平のことかなと思いますが、名前が指摘されないのでその当たりよくわかりません。まあ、こういう場合は名前を提示してほしいですね。そうでないと批判対象も、俺のような第三者も誰の批判をしているのかが理解困難で建設的ではないでしょう。
 また岡本氏の主張が「批判者の主張を引用する形」ではなく「私の理解ではこれこれこういうことを言ってるようだが」と要約する形で話を進めてるのも正確性の面でいかがなものかとは思います。
 まあ、岡本氏の認識も今ひとつわかりづらいのですが、
「少なくとも中国革命第一世代(毛沢東党主席、劉少奇国家主席周恩来首相、トウ小平副首相など)は彼らなりの社会主義マルクス主義を求めていた(それは彼らのマルクス主義認識が正しいかどうかと言うこととはひとまず別のことですが)」
「革命第一世代以降の中国(江沢民以降)はそのあたり微妙だが、『共産主義』の看板を掲げている以上、庶民生活に対する一定の配慮はせざるを得ない」
「少なくとも毛沢東文革時代に比べれば今の方が経済面、民主主義面共に改善している。またいろいろな揺り戻しはあっても長期的には中国は民主主義面や福祉などの面で、それなりの成果をあげていくだろう」つうところでしょうか。
 手放しで中国万歳でもないが、一方で阿部治平らのようにアンチ中国でもないと。
 まあ俺も「批判者=阿部治平」と前提した上での話ですが、彼の主張は「中国への悪口雑言ばかりで」極めて一面的で問題だと思います。俺や岡本氏は「多少中国に甘い」かもしれませんが、それは阿部の「悪口雑言」を正当化はしないでしょう。

 中国は共産党一党独裁の社会でありそれ故民主化が遅れ人々を統制することが多いといわれている。だが実態はどうなのか。私は社会主義理論学会(http://sost.que.jp/)の会員であり年に一回位は慶応大学で中国人学者数人と議論する機会がある。皆中国においていかに民主主義化を実現するか、等のテーマに取りくんでいる。

 もちろん岡本氏と対話する学者を「中国政権指導部の意見」と同一視はできません(そんなことは岡本氏もわかってるでしょうが)。
 また、どんな意見が交わされてるかもこれだけでは詳しくはわかりませんし、「訪日時なので割とフランクに意見がいえる」つう面もあるかもしれない。ただし、岡本氏が言うようにこうした動きは「それなりに重要」かと思います。「一党独裁」とのみ批判していいのかと言うことです。
 なお、この学会ですが、加藤哲郎*33も会員のようですので「個々の会員はともかく」別に会としては中国万々歳でもないでしょうね。
 なお、加藤氏以外では

■石井知章氏
  明治大学教授。著書『中国社会主義国家と労働組合』(2007年、御茶の水書房)、『K・A・ウィットフォーゲル*34の東洋的社会論』(2008年、社会評論社)、『現代中国政治と労働社会』(2010年、御茶の水書房)、『中国革命論のパラダイム転換:K.A.ウィットフォーゲルの「アジア的復古」をめぐり』(2012年、社会評論社)など。
■石塚良次氏
  専修大学教授。
■岩田昌征氏
  千葉大学名誉教授。著書『ユーゴスラヴィア多民族戦争の情報像』(1999年、御茶の水書房)、『社会主義崩壊から多民族戦争へ』(2003年、御茶の水書房)、『二〇世紀崩壊とユーゴスラヴィア戦争』(2010年、御茶の水書房)など。
■大内秀明氏
  東北大学名誉教授。著書『恐慌論の形成』(2005年、日本評論社)、『ウィリアム・モリス*35マルクス主義:アーツ&クラフツ運動*36の源流』(2012年、平凡社新書)など。
大西広
  慶應義塾大学教授。著書『資本主義以前の「社会主義」と資本主義後の社会主義:工業社会の成立とその終焉』(1992年、大月書店)、『グローバリゼーションから軍事的帝国主義へ:アメリカの衰退と資本主義世界のゆくえ』(2003年、大月書店)、『中国特需:脅威から救世主へと変わる中国』(編著、2004年、京都総合研究所)、『中国はいま何を考えているか』(2005年、大月書店)、『チベット問題とは何か』(2008年、かもがわ出版)、『現場からの中国論』(2009年、大月書店)、『中国に主張すべきは何か』(2012年、かもがわ出版)、『中国の少数民族問題と経済格差』(編著、2012年、京都大学学術出版会)、『マルクス経済学(第2版)』(2015年、慶應義塾大学出版会)、『中成長を模索する中国:「新常態」への政治と経済の揺らぎ』(編著、2016年、慶應義塾大学出版会)、『長期法則とマルクス主義』(2018年、花伝社)など。
■大薮龍介氏
  元福岡教育大学教授。著書『マルクス社会主義像の転換』(1996年、御茶の水書房)、『マルクス派の革命論・再読』(2002年、社会評論社)、『明治維新の新考察』(2006年、社会評論社)、『明治国家論』(2010年、社会評論社)、『国家とは何か:議会制民主主義国家本質論綱要』(2013年、 御茶の水書房)など。
鎌倉孝夫
  埼玉大学名誉教授、東日本国際大学元学長。著書『資本主義の経済理論』(1996年、有斐閣)、『株価至上主義経済』(2006年、御茶の水書房)、『国家論の科学』(2008年、時潮社)、『「資本論」で読む金融・経済危機:オバマニューディールのゆくえ』(2009年、時潮社)、『「資本論」を超える資本論』(2014年、社会評論社)、『帝国主義支配を平和だという倒錯:新自由主義の破綻と国家の危機』(2015年、社会評論社)など。
国分幸
  岐阜経済大学教授。著書『デスポティズムとアソシアシオン構想』(1998年、世界書院)、『マルクス社会主義と非政治的国家』(2017年、ロゴス)など。
田上孝一
  立正大学非常勤講師。著書『初期マルクス疎外論』(2000年、時潮社)、『マルクス疎外論の諸相』(2013年、時潮社)、『マルクス疎外論の視座』(2016年、本の泉社)、『マルクス哲学入門』(2018年、社会評論社)など。
■鶴田満彦氏
  中央大学名誉教授。著書『グローバル資本主義と日本経済』(2009年、桜井書店)、『21世紀日本の経済と社会』(2014年、桜井書店)、『マルクス経済学と現代資本主義』(編著、2015年、桜井書店)など。
■長島誠一氏
  東京経済大学名誉教授。著書『戦後の日本資本主義』(2001年、桜井書店)、『現代の景気循環論』(2006年、桜井書店)、『現代マルクス経済学』(2008年、桜井書店)、『エコロジカル・マルクス経済学』(2010年、桜井書店)など。
■西川伸一氏
  明治大学教授。著書『官僚技官』(2002年、五月書房)、『日本司法の逆説:最高裁事務総局の「裁判しない裁判官」たち』(2005年、五月書房)、『裁判官幹部人事の研究』(2010年、五月書房)、『オーウェル動物農場」の政治学』(2010年、ロゴス)、『最高裁裁判官国民審査の実証的研究』(2012年、五月書房)、『城山三郎官僚たちの夏」の政治学』(2015年、ロゴス)など。
■松井暁氏
  専修大学教授。著書『アナリティカル・マルキシズム』(編著、1999年、ナカニシヤ出版)、『自由主義社会主義の規範理論:価値理念のマルクス的分析』(2012年、大月書店)など。
松尾匡
  立命館大学教授。著書『セイ法則体系:マルクス理論の性格とその現代経済学体系への位置づけ』(1996年、九州大学出版会)、『近代の復権マルクスの近代観から見た現代資本主義とアソシエーション』(2001年、晃洋書房)、『新しい左翼入門』(2012年、講談社現代新書)、『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼』(2014年、PHP新書)、『これからのマルクス経済学入門』(共著、2016年、筑摩選書)など。

などが学会会員のようです。


■産経【阿比留瑠比の極言御免】メディアはいつも二重基準
https://www.sankei.com/politics/news/180706/plt1807060001-n1.html

 本紙4日付朝刊に掲載された福田康夫元首相のインタビュー記事は、中国の南京大虐殺記念館を先月訪問した福田氏の歴史観や外交姿勢を、よく伝えていた。福田氏は言う。
 「向こう(中国)が30万人の被害者が出たというのであれば、そこは受け入れてですね…」

 「受け入れて」以降を省略するあたり阿比留らしい詐欺行為です。
 「受け入れて」以降で福田氏はこう言っています。

https://www.sankei.com/politics/news/180704/plt1807040007-n4.html
 信じる信じないは別だが、1万でも2万でも3万でも5万でも不法に殺害してしまったということについては、日本国民として謝らなければいけないところじゃないかな。

 また「受け入れる」以前ではこうも言っています。

https://www.sankei.com/politics/news/180704/plt1807040007-n4.html
 30万人が犠牲になったというのは、ちょっと多すぎると思っていました。

 つまりここでの「受け入れる」とは「支持し賛同する」という意味ではない。

 「まあそういうご意見ならそれは一つのご意見として承ります(我々必ずしも賛同しませんが)」
 「我々は加害国で、中国は被害国です。南京事件は実際に存在し、明らかに違法な虐殺でした。死者数が何人であろうと我々は反省しなければならない立場です。そうした加害国が被害国に対し『数の問題』を云々することは『居直りと誤解される恐れのあること』であり、適切ではない」
 「そもそもこのような数の問題は、学者の研究に任せるべきかと思います」

つう意味です。
 「受け入れる」といった場合、日本語では「賛同する」という意味だけではなく、福田氏的な「異論はあるが、必要以上に反論することはしない」つう意味もあるわけです。
 何の問題があるのか。いずれにせよ前後の文脈を紹介しない阿比留は明らかに「福田氏が30万人説を支持してる」と読者を誤解させようとしています。しかし他社記事ならまだしも自社記事で「インチキ引用で読者をだまそう」とは産経読者も全く馬鹿にされたもんです。
 福田インタビュー記事を読んでそれが記憶に残ってる産経読者なら阿比留の詐欺行為は即座にモロバレです。

 メディアは文部科学省の違法な天下り斡旋問題では、「元締*37」を務めていた前川喜平前文科事務次官をたたいたが、前川氏が安倍政権批判を始めると一転、前川氏を正義のヒーローだと持ち上げた。

 それは是々非々ですからねえ。天下り斡旋について言えば「次官引責辞任」でかたがついたことですからねえ。それ以上、阿比留は一体何がしたいのか。
 一方で加計告発は「告発内容が事実である限り」大変素晴らしいことです(まあ事実でしょうが)。
 阿比留の主張は

・未だに秘書給与詐取問題を持ちだして「辻元*38モリカケ批判するな」つうようなもん(これは実際に阿比留がやっていたと思いますが)
・(産経も執筆者として重用してる作家)佐藤優氏について「あいつは犯罪者だ。外務行政を鈴木宗男の子分としてゆがめたと言われてる男だ。裁判でも有罪になった。あんな奴に文章を書かせるな」と批判するようなもん

で実にくだらない。そんなこというのだったら、例えば「リクルートの過剰接待で退官せざるを得なくなった灰色高官・加戸」はどうなるのか。
 つうか、加計告発してるのは前川氏だけではない。愛媛県からも批判は出てる。また、「自民が安倍を首相からとっととやめさせれば」、あるいは「加計学園獣医学部認可などしなければ(あるいは今後認可を取り消せば)」、あるいは「前川憎しのあまり、前川講演会の後援撤回をするよう教委に圧力をかけるなどの嫌がらせをしなければ」、前川氏もヒーローになどならないのですが。

http://chikyuza.net/archives/85352
 この見識の無い教育委員会の措置は厳しく批判されねばならないが、これで前川人気に翳りが及ぶことはない。却ってこの話題が前川人気を煽ることになるだろう。

と澤藤氏が言うとおりです。
 結局のところ、安倍をかばう阿比留の様なゲスのために、前川氏はヒーローになっているのであって、「安倍が首相を辞めれば」、たぶん、「前川氏を今後も評価する人は当然いても」、彼は安倍批判派にとっての「ヒーローではなくなる」でしょう。

 現在、大学に便宜を図る見返りに、自分の息子を合格させてもらった文科省科学技術・学術政策局長だった佐野太容疑者の問題が騒がれている。野党もメディアも問題は深刻だと息巻いているが、一つはっきりと予想できることがある。
 もし佐野容疑者が「安倍政権に行政がゆがめられた」と言い出したら、野党もメディアも途端に佐野容疑者に同情的になり、擁護し始めることだろう。

 佐野局長が(加計問題で?)そういうことをやり、かつその主張に前川氏同様「信憑性があれば」、収賄逮捕とは別にそれはそれで評価されるでしょう。もちろんだからと言って誰も「佐野は無罪だ」「不当逮捕だ」なんて言わないでしょうけど。
 いや例の「村木局長(無罪判決後に厚労次官)逮捕」の時のようにえん罪だという根拠があれば擁護してもいいんですけどね。まあたぶんえん罪ではないのでしょうが。
 これは佐川元国税庁長官が「公文書改ざんや虚偽答弁はすべて安倍の指示です」と暴露すれば「過去の虚偽答弁などは批判されても」、安倍批判発言は評価されたであろうことと同じ話です。
 我々は物事は「是々非々」で判断しないといけない。
 だから俺は

ウォーターゲートではニクソン*39を批判してもニクソン訪中は評価する
ロッキード事件では田中角栄*40を批判しても、田中訪中(日中国交正常化)は評価する
・金権腐敗では金丸信*41を批判しても金丸訪朝とそれによる第18富士山丸船長、機関長の帰国は評価する
・「イラク派兵、靖国参拝」などでは小泉氏*42を批判しても、小泉訪朝は評価する
移民問題パレスチナ問題などではトランプを批判しても先日の米朝首脳会談は評価する

わけです。あえて言えば俺は「安倍が訪朝し拉致被害者が一人でも帰国すれば」、その限りにおいては「アンチ安倍の俺でも」安倍を評価します。もちろんモリカケだの、非常識極右(靖国参拝河野談話否定)だのそんな面までは擁護しませんが。
 前川氏の件もそれと同じです。


■産経【単刀直言】福田康夫元首相 南京記念館の訪問「展示内容の修正評価」「鳩山元首相のときとは展示物違う」
https://www.sankei.com/politics/news/180704/plt1807040007-n1.html
 「展示内容の修正評価」「鳩山元首相のときとは展示物違う」てなんかすごく言い訳じみてて、そこは好感が持てないんですが、まあ「清和会メンバー」という立場上、仕方がないんですかね。もちろん訪問したことは評価しますが。

・その後2回、南京を訪れたことがあるが、記念館には足が向かなかったし、行く気にもなれなかった。マネキンを使った展示物などがあまりにもおどろおどろしいと聞いていたからです。しかし、2014年に習近平国家主席が記念館を訪問した後、内容が随分入れ替えられたと聞いた。それならばぜひ行ってみたいと。
・昨年秋の中国共産党大会での習氏(党総書記)のスピーチ以来、中国の日本に対する対応は変わったんです。「新型国際関係」という考えの下、拡張主義は取らない、各国と友好的にいく、運命共同体をつくると。他国と協調し、利益を共有していかないと「一帯一路」構想は完成しない。そうした方針で中国は外交を進めている。
 この流れの中で、中国側に日本研究を進めようという動きが出てきた。上海交通大学に設置された日本研究センターの発会式と、復旦大学で開催された日中平和友好条約40周年のシンポジウムに出席し、友好的な話し合いをしてきた。そのついでに記念館を訪問したわけです。
 記念館の展示内容を修正したのも、こうした一環なのでしょう。修正する努力をしているのであれば認めてあげないといけないし、素直に評価してあげないといけない。そういう姿勢は必要ではないか。
 鳩山由紀夫元首相らのときとは記念館の展示物が違う

 本当に「2014年を契機にいろいろ変わったのか」は疑問符がつくでしょう。小生も「政治家である福田氏」がすべて本心を語ると思うほどお人好しでもない。
 いずれにせよ福田氏としては「2014年に中国は変わった→だから訪問した」つう政治的シナリオで臨んでると言うことです。

 日本テレビが2カ月前ぐらいに放送した「NNNドキュメント『南京事件II』」をたまたま見てね。旧陸軍が焼却し地中に埋めた資料を掘り起こして残った部分をつなぎ合わせたり、当時の従軍兵の日記を集めたりした内容で、やはり旧日本軍が中国人を殺したことは事実なんだなあと。行こうという思いを強くしたわけです。
 時間の都合上、すべてを見学することはできなかったが、写真や文書を中心とする実物主義というか記録主義という感じで、納得できるようなものが多く、説得力はあったと思う。

 日本テレビの番組名を挙げたことは「中国の捏造と違う」つうことをアピールしたいからでしょうね。

 記念館の館長は、南京の城内の人だけでなく、そこに至るまで日本軍が戦争しながら殺害した人も30万人に入っているというふうな感じの説明をしていた。30万人は南京市内にいた人だけではないというような説明だったね。

 「南京に至るまでに日本軍が戦争しながら殺害した人も30万人に入っている」「30万人は南京市内にいた人だけではない」
 重要な指摘ですね。まあこの問題に詳しい人にとっては常識でしょうが。

 30万人が犠牲になったというのは、ちょっと多すぎると思っていました。それでも、向こうが30万人の被害者が出たというのであれば、そこは受け入れてですね…、信じる信じないは別だが、1万でも2万でも3万でも5万でも不法に殺害してしまったということについては、日本国民として謝らなければいけないところじゃないかな。

 「数はある意味問題ではない」というのは全くその通りです。

(02年の日朝首脳会談前に北朝鮮側と下交渉した元外務省アジア大洋州局長=後に外務審議官=の)田中均氏については、ずっと評価してきたし、彼のやってきたことは正しかったと思います。
 拉致被害者の生存情報は首脳会談直前まで分からなかった。ただ、間違いなく生存者はいるという確証は得ていた。1人でも生存者がいるのであれば政治家として助けなければいけない。(首相だった)小泉純一郎氏も(官房長官だった)私もそういう気持ちでした。

 全く同感ですね。こういう福田氏を評価しないで安倍なんぞ持ち上げる家族会のバカどもにはうんざりします。


■産経【外交安保取材】拡大する「グレーゾーン事態」 対処は万全か 中国公船、軍指揮下に置く改革
https://www.sankei.com/premium/news/180704/prm1807040004-n1.html

・公益財団法人・中曽根康弘世界平和研究所藤崎一郎理事長)が6月末、「海と空のグレーゾーン事態への対処」と題した提言書を発表した。中国公船の領海侵入が続く尖閣諸島沖縄県石垣市)の状況を念頭に、海上自衛隊海上保安庁の連携を強化し、平時でも有事でもないグレーゾーン事態への対応に万全を期すよう求めた。
・グレーゾーン事態とは、自衛隊に防衛出動が命じられる「有事」とまでは言えないが、治安維持を担う海上保安庁や警察だけでは対応しきれない事態を指す。尖閣諸島武装漁民が上陸する事態などが想定されている。

 本気で言ってる場合でも「本気ではなく有事法制定に中国をだしに使ってるだけ」でも非常に問題でしょう。
 「武装漁民ってなんやねん!」
 「漁民偽装した軍人つうことか!。ありえへんがな、そんなん。わしらそこまで無意味に野蛮と違うし。日本はもちろん欧米からも非難食らった上に制裁食らう恐れがあるわ」
 「日本かて実効支配してても自衛隊を常駐させたりはせえへんやろ。それなんに武装漁民上陸て(呆)。そんなん誰が考えてもハードル高すぎるやろ」
 「つうか漁民偽装しただけで、自衛隊とガチンコでやれるほどの武器有してるんやったら、漁民偽装しても軍人であることがモロバレで偽装する意味ないやろうし、そもそも有事と違うのか?」
 「それとも漁民が単に自分勝手に武装してるつう話か。そのレベルで海保や警察で対応できんことないやろ。それで対応できへんのやったら、銃器で武装してるであろうヤクザの覚醒剤密輸船が、グレーゾーン事態とやらになってしまうやろ。まさかそんなことあらへんやろ」
 「本気かためにする発言か知らんが、わしら中国を馬鹿にするのもたいがいにせえよ」
 「武装漁民なんて過去に尖閣でないやろ。一般漁民が上陸して海保で即時退去させられるか、示威行動として中国の公的艦船(軍艦とか)が周辺海域で航海したことしかないやろ」
 「この間、ウチの李克強が訪日したことをどない思うてるのや。尖閣問題でもめ事が起こらんよう、協議していきましょうと日中で決めた話はどないなっとんのや。何が武装漁民や!」
 「そんなふざけた態度で本気で北朝鮮問題解決できると思うてるのか。わしらの協力はいらん、そういうことか?。この間、うちの李が訪中したときに『一帯一路に協力する』とか日本政府がいうてたことと整合性があるんか!」
などと中国も怒り心頭でしょうね。
 しかし中曽根元首相系の財団で、理事長が藤崎元駐米大使ですか(呆)。よしこの国基研あたりがこういうバカいうのなら、理解できるんですけどね。
 中曽根って一方では「東アジア共同体評議会(http://www.ceac.jp/j/index.html)」という団体(もちろんこの場合の東アジア共同体には中国が入ります)にも関わってるんですがそのあたりの整合性はどうなってるのか?。わけがわかりません。
 まあわけがわからないというなら、この評議会の有識者議員(http://www.ceac.jp/j/member_list.htm)に鳩山由紀夫元首相、田中均外務相アジア大洋州局長などと共に極右の田久保忠衛平沼赳夫が就任してるのも訳がわかりませんが。


■産経『沖縄に初の陸自補給処 中国の離島侵攻に備え』
https://www.sankei.com/politics/news/180701/plt1807010002-n1.html
 陸自補給処設置の是非はひとまずおきます。
 発表された設置理由の一つが「中国の離島侵攻への備え」という産経記事が事実なら最悪ですね。中国も「誰が離島侵攻なんかするか!」「明らかに設置理由はそういう理由じゃないくせに何を言ってるんだ!」「一帯一路参加を表明する一方でこれか。日中関係をよくしたいのか、悪くしたいのか、どっちなんだ!」と怒り心頭でしょう。


ニューズウィーク日本版『中国「一帯一路」構想から日本が手を引くべき3つの理由』楊海英*43
https://www.newsweekjapan.jp/youkaiei/2018/06/post-20.php

 日本政府は最近、中国の経済圏構想「一帯一路」に官民一体で協力する姿勢を強めている。
 6月7日に政府は「インフラシステム輸出戦略」を改定し、第三国へのインフラ輸出に当たって日中の民間協力を提唱。日本の積極姿勢に対し、中国の耿爽(コン・ショアン)報道官は支持を表明した。

 李首相の訪日において確かに安倍は楊がいうように「一帯一路支持」の方向にシフトしています。

 第1に、一帯一路に対し他の地域大国が必ずしも支持を表明していないことだ。

 他の地域大国とはインドのことです。しかし「インドが賛成してないから」つうのは果たして参加しない理由になるのか。
 インドにはインドの、日本には日本の国益があるわけです。両国の国益は必ずしも一致しない。かつそのインドですらAIIBには参加しています。インドはいたずらに中国と対立を深めてるわけではない。
 大体その理屈だと今後、インドが一帯一路参加を表明したらどうするのか。

 第2に、日本は東シナ海の自国領を守り、中東産石油の安定供給を確保するため、インドやアメリカ、オーストラリアなどを加えた「自由で開かれたインド太平洋戦略」を唱えている。日本が一帯一路に反対するインドと戦略的に組もうとしながら、裏では中国に笑顔を見せれば、国際社会から批判されるだろう。

 中国封じ込めを目的とする「自由で開かれたインド太平洋戦略」なんてもんに実態はないでしょう。
 そもそもすでに指摘したようにインドはAIIBには参加しています。インドはいたずらに中国と対立を深めてるわけではない。

 第3に、日本は自らの積極的な関与によって、一帯一路の不透明な部分を改善できる、と過信している。

 そもそも「一帯一路に不透明な部分がー」なんてのは安倍政権においては「参加しない口実」にすぎません。最初から改善なんてことは考えてないでしょう。

 港湾整備に巨額の融資が投入され、返済のめどが立たなくなったスリランカは仕方なく港湾権益を中国に99年間の契約で譲渡した。

 と借金の形に不当な契約を押しつけられたかのようにいう楊ですが、「そう判断する具体的根拠」は何一つ提出されません。

 ラオスタジキスタン、モンゴルなど陸の沿線国も多額の借金を抱え、中国の息が掛かった商人が政治に介入し始めた。

 「政治介入」とは具体的になんなのか、「中国の息がかかった商人」とは華僑商人ということなのか、別に華僑でなくても「中国企業と合弁事業などして中国と深い経済的関係にあれば」息がかかった商人になるのか、具体的にその商人とは誰なのか、まともな説明は一切ありません。
 なお、「中国と深い経済的つながりがあれば息がかかってることになる」のならほとんどの「政治に影響が及ぼせるような大物商人」は皆「息がかかってること」になるでしょう。経済大国・中国とは普通にビジネスの付き合いがあるでしょう。

パキスタンでは中国の支援によって、アラビア海と中国西部を陸路で結ぶグワダル港開発が進行。その結果、国際社会が進めるテロ封じ込めにまで支障を来している。

 何がどう支障を期待しているのかさっぱりわかりません。

 パキスタンイスラム原理主義勢力タリバンよりも、中国が「分離独立主義者」と敵視する亡命ウイグル人に対する弾圧を強めているほどだ。

 亡命ウイグル人弾圧が事実だとしても「中国とパキスタンの友好関係」と関係があるにしても、果たして「一帯一路」と関係があることなのか。

 日本は70年代から戦時賠償金の代わりに円借款を超低金利で提供し、中国の近代化に大きく貢献した。

 「戦争への贖罪の思い」などの善意が全くないとはいいませんが中国ビジネスを見据えた話であり単純な善意オンリーではありません。そして「中国ビジネスへの思い」は大いに成果を上げたと言っていいでしょう。

 だが日本がいくら真摯に過去の反省を示しても、中国政府が扇動する反日の炎は消えなかった。機会さえあれば、「打倒小日本(ちんぴら日本をつぶせ)」という官製の反日ナショナリズムが再燃する。

 機会ってのは「野田政権の尖閣国有化」「安倍首相の靖国参拝」とか「日本側の挑発的行為」ですからねえ。そんなもんがなければ何のもめ事も起きないわけです。
 「真摯に過去の反省」てそれが事実なら中国も反発しない。「安倍首相の靖国参拝」なんて「真摯な反省」とは全く逆の行為です。
 中国とて必要以上に対立する気もない。なお、「中国政府が扇動する反日」「官製の反日」なんて楊の主張に根拠はないでしょう。
 大体そんなに中国が反日だったら何で、中国で「日本アニメ」ドラえもんがヒットするのか。なんで中国人観光客が日本で爆買いするのか。楊の主張は明らかにでたらめです。
 そして、先日は「李首相の北海道訪問」に安倍が同行し、日中友好をアピール、李首相も安倍の厚遇に対し「日中友好推進」を強く述べたことを平気で無視する楊です。

 一帯一路に協力し、日本が供与したハイテク技術が中国軍の空母や武器と化す――将来、日本の政治家や財界が後悔してももう間に合わない。

 まあ楊のいうような後悔はないでしょうね。ないからこそ、一帯一路参加の方向に安倍も舵を切ったわけです。


■産経『河野太郎外相「友好親善にプラスにならない」 東シナ海の中国掘削船設置 政府は中国に抗議抗議』
https://www.sankei.com/politics/news/180629/plt1806290025-n1.html
 以前id:scopedog氏も
■「日中中間線の中国側約26キロの地点」を「日中双方の主張が重複する海域」とみなす安倍政権
http://scopedog.hatenablog.com/entry/20130703/1372859408
などで日本政府を批判してますが

 日中両政府は2008(平成20)年、境界画定まで中間線をまたぐ海域での共同開発区域の設定などで合意したが、尖閣諸島沖縄県石垣市)をめぐる対立で交渉は中断している。中国は合意を無視して開発を進め、日中中間線の中国側の海域に計16基のガス田掘削施設を建造し、そのうち12基が稼働している。

という産経記事は指摘として変です。
 「日中中間線の中国側の海域」ならこれは完全に「日中間で中国の海域であることに争いのない場所」です。争いのない場所でガス田開発をしてもそれは違法でも不当でもないでしょう。

*1:『なぜ、日本人は日本をおとしめ中国に媚びるのか』(2009年、ワック文庫)、『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(2013年、PHP新書)、『世界征服を夢見る嫌われ者国家 中国の狂気』(2014年、ビジネス社)、『習近平にはなぜもう100%未来がないのか』(2015年、徳間書店)、『韓民族こそ歴史の加害者である』(2016年、飛鳥新社)、『狂気の沙汰の習近平体制 黒い報告書』(2016年、ビジネス社)、『冗談か悪夢のような中国という災厄』(2017年、ビジネス社)、『習近平の終身独裁で始まる中国の大暗黒時代』、『朝鮮半島はなぜいつも地獄が繰り返されるのか:中国人ですら韓民族に関わりたくない本当の理由』(2017年、徳間書店)、『中国五千年の虚言史:なぜ中国人は嘘をつかずにいられないのか』(2008年、徳間書店)、『結論! 朝鮮半島に関わってはいけない:東アジアと世界のトラブルメーカー』(2018年、飛鳥新社)などの非常識な反中国・嫌韓国本で金を稼ぐ人間のくず。自称「中国の民主活動家(実際は日本ウヨのただのオナペット)

*2:村山内閣環境庁長官森内閣文相(科技庁長官兼務)、小泉内閣農水相自民党国対委員長(小泉、第一安倍、福田、麻生総裁時代)、幹事長、副総裁(谷垣総裁時代)等を経て衆院議長

*3:キャメロン政権内務相などを経て首相

*4:メルケル政権環境相、経済・エネルギー相、外相など歴任。元ドイツ社民党党首

*5:コール政権環境相キリスト教民主同盟 (CDU) 幹事長などを経て首相

*6:著書『習近平 なぜ暴走するのか』(2014年、文春文庫)、『習近平の悲劇』(2017年、産経新聞出版

*7:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*8:湖南省党委員会第一書記、公安大臣、副首相、党副主席などを経て党主席(首相、党中央軍事委員会主席兼務)

*9:副首相、党副主席、人民解放軍総参謀長などを経て国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*10:中国共産主義青年団共青団)中央書記処第一書記、河南省長、党委員会書記、遼寧省党委員会書記、副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*11:高雄市長、首相(陳水扁政権時)など歴任

*12:外務省領事局長、駐ミャンマー大使などを経て日本台湾交流協会台北事務所代表

*13:琉球石油社長などを経て沖縄県知事

*14:那覇市議、沖縄県議、那覇市長を経て沖縄県知事

*15:沖縄県副知事、沖縄電力社長などを経て沖縄県知事

*16:小渕内閣郵政相、福田、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て第四次安倍内閣総務相

*17:駐マレーシア大使、駐韓国大使などを経て駐日大使

*18:第三次安倍内閣外務大臣政務官

*19:第一次安倍内閣官房副長官、第二次安倍内閣文科相を歴任

*20:鳩山、菅内閣総務副大臣、野田内閣防衛副大臣などを経て、国民民主党副代表・安全保障調査会長。

*21:第一次安倍内閣首相補佐官教育再生担当)、第三次安倍内閣国家公安委員長を歴任

*22:日本維新の会幹事長・選挙対策本部長

*23:著書『現代中国知識人批判』(1992年、徳間書店)、『天安門事件から「08憲章」へ』(2009年、藤原書店)、『「私には敵はいない」の思想』(2011年、藤原書店)、『最後の審判を生き延びて』(2011年、岩波書店)など

*24:著書『中国茶 香りの万華鏡』(2003年、小学館文庫)、『シンガポール美的亜細亜食堂(ダイニング)』(2005年、小学館)、『こころとカラダにおいしい茶葉料理76』(2007年、インフォレスト)、『中国はチベットからパンダを盗んだ』(2008年、講談社プラスアルファ新書)、『なぜ、中国は「毒食」を作り続けるのか』(2009年、祥伝社新書)、『中国の「日本買収」計画』(2011年、ワック文庫)、『「小池劇場」が日本を滅ぼす』(2017年、幻冬舎)など

*25:第二次安倍内閣国家公安委員長

*26:接触してない=見捨てた」としか理解できないのに、まあ、有本の詭弁も酷いもんです。

*27:まあ本心では信用などかけらもしてないでしょうね。安倍のウイグルへの冷淡な態度に本心ではむかついてるでしょうが、ウヨ連中には安倍非難などできないわけです。

*28:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長を歴任

*29:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*30:JFEスチール社長

*31:新日本製鐵社長、会長などを経て新日鉄住金相談役名誉会長

*32:東洋大学名誉教授。著書『管理通貨制とインフレ機構』(1983年、有斐閣)、『現代イギリスの金融と経済』(1988年、東洋経済新報社)、『新しい社会経済システムを求めて:情報社会主義を構想する』(2005年、世界書院)など

*33:一橋大学名誉教授。著書『国境を越えるユートピア国民国家のエルゴロジー』(2002年、平凡社ライブラリー)、『象徴天皇制の起源:アメリカの心理戦「日本計画」』(2005年、平凡社新書)、『日本の社会主義:原爆反対・原発推進の論理』(2013年、岩波現代全書)、『ゾルゲ事件』(2014年、平凡社新書)、『731部隊と戦後日本』(2018年、花伝社)など。

*34:著書『オリエンタル・デスポティズム専制官僚国家の生成と崩壊』(1995年、新評論

*35:著書『ユートピアだより』(岩波文庫)、『サンダリング・フラッド:若き戦士のロマンス』(平凡社ライブラリー)など

*36:ウィリアム・モリス(1834〜1896年)が主導したデザイン運動である。柳宗悦(1889〜1961年)の民芸運動はモリスの影響を受けているとされる。

*37:正直、どうでもいい話ですが「元締め」ではないでしょうね。「元締め」に当たるのは歴代OBでしょう。

*38:社民党政策審議会長、国対委員長鳩山内閣国交副大臣菅内閣首相補佐官(災害ボランティア担当)、民主党政調副会長、役員室長、民進党幹事長代行、立憲民主党政調会長などを経て立憲民主党国対委員長

*39:アイゼンハワー政権副大統領を経て大統領

*40:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣通産相などを経て首相

*41:田中内閣建設相、三木内閣国土庁長官福田内閣防衛庁長官自民党国対委員長(大平総裁時代)、総務会長、幹事長(中曽根総裁時代)、副総裁(宮沢総裁時代)を歴任

*42:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*43:著書『草原と馬とモンゴル人』(2001年、NHKブックス)、『モンゴル草原の文人たち:手写本が語る民族誌』(2005年、平凡社)、『チンギス・ハーン祭祀』(2005年、風響社)『墓標なき草原(上)(下):内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2009年、岩波書店)、『続・墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2011年、岩波書店)、『中国とモンゴルのはざまで:ウラーンフーの実らなかった民族自決の夢』(2013年、岩波現代全書)、『植民地としてのモンゴル:中国の官制ナショナリズムと革命思想』(2013年、勉誠出版)、『ジェノサイドと文化大革命内モンゴルの民族問題』(2014年、勉誠出版)、『モンゴルとイスラーム的中国』(2014年、文春学藝ライブラリー)、『チベットに舞う日本刀:モンゴル騎兵の現代史』(2014年、文藝春秋)、『狂暴国家中国の正体』(2014年、扶桑社新書)、『日本陸軍とモンゴル:興安軍官学校の知られざる戦い』(2015年、中公新書)、『モンゴル人の民族自決と「対日協力」:いまなお続く中国文化大革命』(2016年、集広舎)、『「中国」という神話:習近平「偉大なる中華民族」のウソ』(2018年、文春新書)など

今日の中国関係ニュースほか(6/8分)(追記・訂正あり)

 中国ネタを中心にいろいろ書いていくことにします。
■『ミサイル防衛「中国が仮想敵」と明言しない日本政府』北村淳*1
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180628-00053427-jbpressz-int

・なぜ安倍政権は「自衛隊がすでに配備し、さらに配備を進めようとしている弾道ミサイル防衛システム(BMD)の主たる警戒目標、すなわち主仮想敵は中国人民解放軍弾道ミサイルである」と明言しないのであろうか? 
・日本国防当局は対決する前から中国を恐れ、怯えているのであろうか?*2
・中国の弾道ミサイルは、北朝鮮弾道ミサイルに比べると極めて高性能である。
・また、北朝鮮弾道ミサイルは、アメリカによる北朝鮮に対する戦争が実施された場合のみ(ボーガス注:在日米軍への反撃として)日本に発射される*3が、中国の弾道ミサイルが日本に(ボーガス注:反撃ではなく先制攻撃として)発射される(より厳密には、発射をちらつかせて脅迫する)シナリオは複数存在する。
・日本国防当局は、秋田県はじめ日本国民に対してイージス・アショアだけでなく各種BMDを導入する際に「主敵は中国の極めて危険な弾道ミサイルである」という事実を説明すべきである。

 「反中国の安倍ならMD(ミサイル防衛)は『軍事小国・北朝鮮ではなく』、軍事大国・中国が仮想敵国だといってくれるはずだ!」「イージスアショアは北朝鮮だけがターゲットじゃないってことは中国もわかってるはずだから公言しても実害などない。日本国民もそれを支持してくれるはずだ」「反撃しかあり得ない北朝鮮より先制攻撃もあり得る中国の方が何倍も危険だ」とでも思ってるようですがそんな公言は無理でしょうねえ。
 こんなことを公言したらそれこそ日中関係が深刻に破壊されますよ。そんなことはこの間、李首相を歓迎した安倍ができる話ではない。
 そして安倍がこうした公言をしないことについて「一部の極端な反中国右翼を除き」産経、日本会議などほとんどの右翼は、安倍を非難できないので
1)すっとぼけてだんまり
2)中国のミサイルは日本の脅威ではないと主張
3)中国のミサイルは日本の脅威だがその点は曖昧にした方が国益に資すると主張
のどれかでしょうね。 
 まあ、3)についていえば「日中貿易の利益」という意味で全く正しいですがとはいえ産経などに「国益にどう資するのか」と深く聞いたら、たぶんしどろもどろでしょう。


■産経『福田康夫元首相が「南京大虐殺記念館」を訪問 中国外務省「歴史を正視」と称賛』
https://www.sankei.com/world/news/180626/wor1806260005-n1.html
■人民日報『福田康夫元首相が南京大虐殺犠牲者に哀悼の意 中国側は称賛』
http://j.people.com.cn/n3/2018/0627/c94474-9475238.html
 まあ常識で考えて褒めるでしょうね。それが外交儀礼というもんでしょう。


■産経【阿比留瑠比*4の極言御免】南京事件宣伝する元首相たち
https://www.sankei.com/premium/news/180629/prm1806290006-n1.html

 鳩山由紀夫元首相と同レベルということになる。24日に中国・南京市の南京大虐殺記念館を訪問した福田康夫元首相のことである。中国メディアによると、福田氏は花輪を供え、記者団にこう語ったという。
 「過去の事実を正確に理解しなければならない。もっと多くの日本人が記念館を参観すべきだ」

 南京事件否定論の立場でもない限り、何の問題もない話です。なお元首相ではこのお二人以外に海部*5氏、菅氏*6が訪問。首相に限定しなければ政治家としては野中広務*7官房長官古賀誠*8自民党幹事長なども訪問してるようです。もちろん産経が彼らすべてを敵視することはいうまでもありません
ウィキペディア侵華日軍南京大屠殺遭難同胞紀念館」参照)

 だが、記念館は日本軍の南京占領によって「30万人」が犠牲になったとの根拠のない誇張された数字を宣伝する施設である。

 そもそも首相たちは「数は問題にしていない」でしょう。「南京事件否定論を認めない」という意思表示をわかりやすい形でしただけです。
 そしても産経も「本当は数を問題にしてる」わけではない。「数が多すぎる→そもそも存在しなかったんじゃないか」という否定論のための前振りでしかない。
 また笠原十九司氏などは「20万人説」をとっており「30万人説」は中国はともかく、日本においては通説でもない。中国側も産経がいうほど数の問題にはこだわりはないでしょう。
 まあ、東京裁判判決や「蒋介石政権下のBC級戦犯裁判判決」が「30万人説」の根拠なので全く無根拠な訳でもないですが。

 「南京占領で1カ月に2万件近い強姦事件が発生した」などと、あり得ないことが表記された展示物もある。

 小生は南京事件について無知なのでこうした事実が「あった」とはいいません。
 ただし「当時の日本軍および中国人住民の数が万単位であったこと」を考えれば、「あり得ない数字ではない」。十分あり得る数字でしょう。ないというにはそれなりの資料批判が必要です。思いつきで「ありえない」ということは許されません。
 小生も無知ですが、おそらく東京裁判判決や「蒋介石政権下のBC級戦犯裁判判決」が「2万件近い強姦」の根拠なので全く無根拠な訳でもない。
 もちろん産経も「本当は数を問題にしてる」わけではない。「数が多すぎる→そもそも存在しなかったんじゃないか」という否定論のための前振りでしかない。

 もっとも、福田氏が極端に中国寄りの言動を示すのは今に始まったことではない。19年9月、自民党総裁選への出馬記者会見では、靖国神社に参拝するかどうか聞かれて、こう語ったのが記憶に鮮明である。
 「お友達の嫌がることをあなたはしますか。国と国の関係も同じ。相手の嫌がることを、あえてする必要はない」

 首相在任中、靖国公式参拝した人間なんて中曽根*9、小泉*10、安倍*11だけであり、このうち、中曽根、安倍は国内外の批判に抵抗できず1回でやめてるのですが。この程度の福田発言で何が「極端に中国寄り」なのか。
 小泉氏にしても8/15は外してましたしね。
 また小泉氏といえば在任中、「中国への配慮」もあって不法入国した金正男を国外退去で処理してることも重要ですね。小泉氏は少なくとも産経ほどの反中国ではない。
 なお、靖国参拝には政教分離という問題もありますし「中国など海外の批判があろうとなかろうと」日本を焼け野原にした東条英機らを英雄扱いしていいのかつう問題もあります。

 この総裁選で福田氏は麻生太郎*12現副総理兼財務相を破り、首相に就く。その頃、麻生氏を支持した自民党ベテラン議員*13から、筆者はこんな言葉を聞いた。
 「中国、韓国は大喜びだ。7、8年後には、日本は中国にのみ込まれてしまうかもしれない」
 幸いなことにこの悲観的な予想は、福田氏が体を壊したわけでもないのに、約1年で政権をほうり出したこともあり外れた。

 馬鹿馬鹿しい。
 ポスト福田の麻生だって首相在任中の靖国参拝などしてないのに何が「中国にのみ込まれてしまう」なのか。首相時代の福田氏の施策の何が問題なのか。つうか「飲み込まれてしまう」つう表現も曖昧ですね。
 「中国経済が日本経済を圧倒してる」つう意味ならすでに飲み込まれてるでしょうし、それは首相が親中国かどうかで決まるような話でもない。

だが、麻生政権を挟んだ後の鳩山政権下では、意味不明な「東アジア共同体構想」や、同盟国である米国と日本に多数の弾道ミサイルを向ける*14中国を対等に並べる「日米中正三角形論」が唱えられ、日本外交は迷走した。にもかかわらず、当事者たちに反省はない。

 「ほかの意味でならともかく」、反中国・阿比留のいうような意味では迷走してないでしょうから、阿比留のいうような意味での反省などする必要もない。
 なお、「東アジア共同体」については鳩山氏の構想と必ずしもイコールではないですが財界からもそうした考えは表明されていますし、少なくとも日本財界は阿比留ほど中国に敵対的ではない。中国ビジネスをちゃんと考えてるわけです。
 つうか「安倍政権下においてガンガン米国に慰安婦銅像を建てられてること」などは「立てる方が悪い」で処理だから全く阿比留もでたらめなやつです。
  あるいは「プーチンにいいようにあしらわれて経済支援ばかりが先行し島の返還が進まないこと」など一つとっても安倍外交はとても成功といえる代物ではない。
 自慢していたトランプとの友好関係も、相談なしに米朝首脳会談を決められたり、日本相手に報復勧説されたりする程度のものでしかなかった。
 ちなみにここまで中国に悪口しながら「李首相北海道訪問に安倍が同行したこと」について何一つコメントしないで逃げるとはさすが予想通りの卑怯ぶりですね。

「私は自分のことは客観的に見ることができるんです。あなた(記者)とは違うんです」
 20年9月の退陣表明記者会見で、福田氏がこう言い放ったことは当時、話題を呼んだ。本当に自分を客観できるのなら、今頃になってのこのこと南京大虐殺記念館になど行かないだろうと思う。

 いやいや福田氏からすれば「今行かないでいつ行くの!」でしょう。安倍は先日、李首相北海道訪問に同行したことでわかるように中国にすり寄っています。
 安倍が反中国言動をしていた頃にいったら「安倍批判」と見なされて、安倍がギャーギャーうるさいでしょうが、現時点なら安倍もそういうことはしづらいわけです。実際、ノーコメントで逃げてるわけですし。

 現在、福田氏や鳩山氏に限らず、引退した名のある政治家の放埒な言動が目立つ。無責任に安倍晋三首相の自民党総裁3選は「難しい」と述べた小泉純一郎元首相や拉致問題北朝鮮寄りの立場を取る河野洋平*15衆院議長らがそうである。

 是非はともかく放埒呼ばわりされるような言動ではないでしょう。特に「加計森友なんかやらかす人間が三選でいいのか」つう小泉氏の発言は無責任どころか当たり前の発言です。
 「改憲さえできれば腐敗政治家でもいい」なんて阿比留らの方が無責任です。法治主義をなんだと思ってるのか。
 なお、「拉致が解決しない限り国交正常化できないでは拉致は解決しないのではないか」つう河野氏の発言は北朝鮮よりでも何でもありません。実際問題そうでしょう。

 彼らの自己本位なパフォーマンスは、それぞれの場で活躍中のご子息である福田達夫防衛政務官小泉進次郎党筆頭副幹事長、河野太郎外相の足を引っ張っているようにもみえる。

 「手前らの子どもが、安倍に報復人事されて干されても文句言うなよ」とおよそ新聞記者とは思えないげすな恫喝をする阿比留と産経です。どこまで恥知らずなのか。


■産経【石平のChina Watch】茶番となった「一帯一路」 今や風前のともしび、四面楚歌の状況に
https://www.sankei.com/column/news/180628/clm1806280006-n1.html
 もちろん茶番はこうしたデマを垂れ流す産経と石の方でしょう。
 しかしこれがまだ「様々な問題を抱える一帯一路」なら嘘ではないでしょうに「風前の灯火」「四面楚歌」と明らかな嘘をかっ飛ばすのだから苦笑します。こんなのを信用するのは病的な反中国だけでしょう。


■産経『中国、米のイラン産原油禁輸要請を拒否』
https://www.sankei.com/world/news/180627/wor1806270027-n1.html
 中国も大きな賭けに出てきたなあという気はします。まあイラン核合意破棄を実施に移しつつあるトランプに否定的な俺にとってこの「賭け」は大いに歓迎すべきことですが。
 トランプの米朝首脳会談は評価しますが、これはまた話が別です。
 こうした禁輸要請についてはEU諸国やロシア、日本でも反対意見が強いことから「米国の要望は通らない」「であるならば、早い時点で反対を表明しても問題ないだろう。むしろイラン問題における議論を中国がリードできる可能性が出てくるし、イランにも恩が売れる」「仮にEU諸国や日本が米国の要請に屈服し、我が中国が米国から報復されても対抗することは可能だ。そしてイラン利権が独り占めできるかもしれないつう意味で報復されても十分リターンがある」つう判断なのでしょう。
 EU諸国やロシア、日本も中国の判断に続いてほしいもんです。
 なお、中国が主張してる「核合意破棄による制裁再開自体、法的に合法か疑問符がつく」上、ましてや「制裁協力を各国に求め拒否したら、イランだけでなく協力拒否国も制裁というのはさらに法的に合法か疑問符がつく」「イランと世界各国の商業活動を不当に侵害してるのではないか」つうのはその通りだと思います。


産経
■AIIB総会閉幕 モディ印首相「将来は1000億ドル規模に」 融資拡大を期待
https://www.sankei.com/world/news/180626/wor1806260035-n1.html
■一帯一路は「拒否」、AIIBは「歓迎」 インド「バランス外交」でしたたかに利益狙う
https://www.sankei.com/world/news/180626/wor1806260041-n1.html

https://www.sankei.com/world/news/180626/wor1806260035-n1.html
・「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)の第3回年次総会が26日、閉幕した。演説したモディ*16首相は、将来的には「(加盟国への融資総額が)1千億ドル(約11兆円)になるよう願う」とし、AIIBによるさらなる支援を期待した。
・インドはAIIBへの中国に次ぐ第2位の出資国。AIIBの最大の受益国でもあり、承認済み融資案件25件のうち6件がインド向けだ。金額ベースでは約12億ドル(約1300億円)の融資が決まっている。
・演説でモディ首相は「インドとAIIBは経済成長を持続可能にするため手を携えている」と言及し、今後の連携強化を約束した。

https://www.sankei.com/world/news/180626/wor1806260041-n1.html
「AIIBによるインフラ投資は、何十億という人々の生活に好影響を与えるだろう」
 モディ首相は26日の演説でAIIBをこう称賛。「世界が成長するエンジン」とも持ち上げ、AIIBの金立群*17総裁は満足げな表情を浮かべた。

 産経は以前「インドと手を組み中国封じ込め」という与太を飛ばしていましたが、そういうことはありえないということです。


■産経『菅義偉官房長官「私人の行動。コメント控える」 福田元首相南京大虐殺記念館訪問に』
https://www.sankei.com/politics/news/180626/plt1806260023-n1.html
 「南京事件否定論者」でもない限り、コメントを控えるような問題は何一つなく「我々ももちろん南京事件実在論の立場であり、ああした戦争の惨禍は二度としてはいけないと思ってる」とでもいえば済むことなのにこんなことを言えば、安倍が櫻井よし子、百田尚樹南京事件否定論者と交遊してることとセットで「安倍政権とは南京事件否定論の立場だ」と認識されても文句は言えないでしょう。
 いや実際にそういう立場なのかもしれませんが。安倍や菅は「福田が余計なことをした」と逆恨みすらしてるかもしれません。


■産経『福田康夫元首相が「南京大虐殺記念館」を訪問』
https://www.sankei.com/politics/news/180626/plt1806260006-n1.html

 中国メディアによると、福田氏は犠牲者に献花し、黙とう。記者団に対し「最も大切なのは平和で、戦争の悲劇は再び起こしてはならない。ただ、すでに発生した事実は進んで直視する必要がある」と述べた。
 同時に「日本人は記念館を訪問し歴史を理解すべきだ」と指摘した。

■産経『上海交通大に日本研究所 開所式に福田康夫元首相ら出席』
https://www.sankei.com/world/news/180624/wor1806240008-n1.html
がメインの訪中でしょうがこの機会に日中友好の思いで記念館訪問したわけです。
 福田氏は「黒豹発言」などを割り引いても、やはり「今の自民党においてはまともな人間」というべきでしょうねえ。安倍なんぞ「国基研」など、南京事件否定論のウヨ連中と公然と交際してるわけですから。安倍のようなごろつきがでかい面をし、「政界引退しても元首相として一定の政治力は保有しているとはいえ」福田氏が政界引退とは深く嘆かざるを得ません。


■産経『AIIB総会開幕 「急速な進歩」強調も…目立つ“相乗り”融資』
https://www.sankei.com/world/news/180625/wor1806250020-n1.html

 承認済み案件のうち半数以上が、世界銀行や日米が主導するアジア開発銀行(ADB)などとの協調融資だ。

 まあ産経らしい記事です。確かに協調融資と言うことは産経の言うように「AIIB単独で融資するだけの力に欠ける」ということかもしれませんが、一方で
1)ADBや世銀とて単独融資してない
2)協調融資の相手にAIIBを選んでる(AIIBをある程度信頼、評価している)
という見方もできるでしょう。
 また残り半分は単独融資の訳です。


■産経『台湾独立派・郭倍宏氏インタビュー「来年4月の住民投票目指す」』
https://www.sankei.com/world/news/180625/wor1806250015-n1.html

 郭氏によれば、今の台湾の住民投票法では、台湾独立の是非を問うことができないため、喜楽島連盟はまず、今秋までの法改正を目指している。台湾の立法院(113議席)の内、法改正に反対するのは親中国系といわれる野党、国民党などの39人だ。残り与党系七十数人の内、蔡英文総統に近いグループ約30人は、住民投票の趣旨に賛同しているが、中国を刺激したくないとの理由で棄権票を投じる可能性が高いという。

 つまりはほとんど法改正の可能性はないと言うことです。そんな代物をここまで大々的に報じるのは産経くらいでしょう。 


毎日新聞『上海交通大で日本研究センター開所式』
https://mainichi.jp/articles/20180624/k00/00m/030/078000c
■産経『上海交通大に日本研究所 開所式に福田康夫*18元首相ら出席』
https://www.sankei.com/world/news/180624/wor1806240008-n1.html

https://mainichi.jp/articles/20180624/k00/00m/030/078000c
・開所式で福田元首相があいさつし、「日中関係には政治の問題があるが、政治をつかさどるのは人間であり、その研究が大切だ。日中両国は協力しなくては非常にマイナスになる」と呼びかけた。

https://www.sankei.com/world/news/180624/wor1806240008-n1.html
・中国上海の名門、上海交通大で23日、経済分野などでの日中間の協力や問題解決に向け実務的な研究を行う「日本研究センター」の開所式が開かれ、福田康夫元首相らが出席した。
・式典では、福田氏が「日中両国が協力しなければ、世界にとってマイナスになる」とあいさつした。

 コメントなしで紹介だけしておきます。


■産経【主張】「中国台湾」表記 ごり押しの輸出はご免だ
https://www.sankei.com/column/news/180624/clm1806240003-n1.html

 目に余るごり押しと言わざるを得ない。

・違法行為でも何でもない慰安婦銅像について撤去を要求する安倍政権
モリカケ疑惑で発覚した安倍の森友、加計ごり押し

のことですね、よくわかります。

・中国に乗り入れる外国航空会社44社に対し、航空当局が台湾を「中国台湾」と表記変更するよう求めたのだ。従わなければ、中国の国内法に基づいて処罰するという。
日本航空全日空も中国、香港向けの中国語ホームページで(ボーガス注:「中国台湾」の)表記を採用した。
・企業が敏感な政治問題を避けたがるのは、やむを得ない。
・日系2社の新表記採用に台湾は反発した。中国のまいた種で日台が反目するのは残念である。(ボーガス注:日航全日空に報復措置など執らず台湾政府には)冷静に対応してもらいたい。

 さすがの産経も「日航全日空は中国に報復されてもその要求に従うな!」「日航全日空が中国に屈するなら、台湾は対抗措置としてこの両企業に報復してかまわない、俺は支持する」とはいえないようです。


■産経『李登輝元総統「中国こそアジア情勢を最も不安定にしている」 琉球華僑総会晩餐会』
https://www.sankei.com/world/news/180624/wor1806240030-n1.html
 李を呼ぶような組織だから琉球華僑総会とはそういう反中国分子の集まりなんでしょう。沖縄においては他にも華僑の集まりとして「親中国系」「ノンポリ系」があるのかな、どうかしらとは思います。

 マハティール首相は、クアラルンプールとシンガポール間を結ぶ高速鉄道建設計画の中止を決めました。

 大げさに騒ぐ李ですが、少なくともこれは李登輝流のアンチ中国ではないでしょう。

 経済面では、台湾企業の工場から最先端の高度な技術を盗み、優秀な台湾の人材を引き抜くとともに、彼らに対し、自らの政治的思想を放棄して中国に忠誠を誓うことを強要するのです。

 「盗み」というのが文字通りの犯罪行為なら摘発し処罰するだけの話です。一方ヘッドハンティング的な話にすぎないのなら、それは中国以外もやってる普通の会社間競争に過ぎないでしょう。
 「中国への忠誠」つうのはせいぜい「台湾企業が、李登輝の政治活動を支援するなど台湾独立論に加担しないことを要求」程度の話でしょう。是非はともかくそれ以上のことを求めるとも思えません。

 「92コンセンサス(92年合意)」を作り出して台湾の政治的、経済的な発展を押さえ込んできました。(★注)
(★注)台湾の執政党だった中国国民党の一部と、中国共産党が、中台は不可分の領土とする『一つの中国』原則に基づく“1992年合意”があったと主張しているが、92年当時に総統だった李氏は一貫して、合意の存在を否定してきた。

 注がついてるように李は否定していますが、まあ、怪しい話ですね。まるきり存在しない事実を中国も主張しないでしょうし、国民党関係者でここまではっきり否定するのは李だけで、他はかなり曖昧な態度だったかと思います。そもそも国民党自体、「中国への併呑」という意味ではないですが、その歴史的経緯(蒋介石は当初台湾からの大陸反攻を目指していた)もあって「中国と台湾はいずれ一つになるべき」つう立場のはずです。


■産経『台湾出身の戦没者慰霊祭 沖縄県糸満市で除幕式 石碑に揮毫した李登輝元総統が参列』
https://www.sankei.com/world/news/180624/wor1806240025-n1.html
 「慰霊のために来ただけで政治活動はしない」が事実なら中国も彼を批判しない「かもしれませんが」、この男の場合
■産経『「中国は覇権主義的な野望を貫いてきた」 台湾の李登輝元総統の沖縄講演全文』
https://www.sankei.com/world/news/180623/wor1806230032-n1.html
ということで「政治活動しないは大嘘」「慰霊活動は訪日を正当化するための口実」「訪日したら予想通り、日本ウヨと一緒に中国にあることないこと悪口三昧」「しかもそれを隠そうともしない」のだから呆れます。

 李氏は日台間の交流拡大に触れた上で、「中国こそアジア情勢を最も不安定にしている要因で、『一帯一路』構想は野心に満ちた覇権主義的な計画だ」と強い警戒感を示した。

 といったところで世界の多くの国々は一帯一路支持ですし、安倍も明らかに一帯一路支持の方向に舵を切っています。こうした安倍の考えを変えることも「安倍に代わって一帯一路に否定的な政治家*19を支持すること」も産経にも李にもできはしないでしょう。
 いやそもそも今後の状況によっては台湾政府自体が一帯一路支持を表明する可能性もあるわけです。


■産経『「中国は覇権主義的な野望を貫いてきた」 台湾の李登輝元総統の沖縄講演全文』
https://www.sankei.com/world/news/180623/wor1806230032-n1.html

 具体的には、経済や文化交流のみならず、科学技術分野や軍事面における交流と協力関係の構築が重要とされてくるでしょう。

 科学技術分野はともかく、軍事面での交流なんかしたら日中、中台関係がマジでやばくなるでしょうね。とてもできる話ではありません。


■産経『李登輝*20、半島情勢「日本が関与を」 沖縄で講演、中国の覇権主義を批判』
https://www.sankei.com/world/news/180623/wor1806230031-n1.html
 政治的活動はしないと言っていたくせにこれです。どうしようもないバカ男ですね。 
 まあ、こいつが「もはや政界引退しており、台湾や日本などにおいて総統在任中程の政治力も注目度もないこと」がせめてもの幸いです。
 というか「政治力と注目度がないからこそ」、日本ウヨにちやほやされたくてこういう愚行に走るのでしょうが。
 一方で「95歳でいつなくなってもおかしくない」李登輝なんか担ぎ出す日本ウヨ連中にも悩みはあるでしょう。本来なら連中は「もっと若い台湾人政治家」でも担ぎたいでしょう。とはいえ李登輝以外に、李程、日本ウヨと野合してくれる輩はいないわけです。いかに台湾独立論に親和的で、中国に批判的な政治家でも「李登輝並みに日本ウヨと野合してくれて」&「李登輝並みに日本や台湾での知名度がある」人間なんか他にいないわけです。

「日中間における尖閣諸島問題や南シナ海の問題など、絶えず周辺国家との緊張状態を作り出し、潜在的な軍事衝突の可能性を生み出している」

 「先日の李首相訪日時の、安倍の李首相北海道訪問への同行」あるいは「フィリピン、ベトナムなど東南アジア諸国がAIIBや一帯一路に参加してること」一つとっても全く事実無根ですね。中国が日本や東南アジア諸国と軍事的緊張をひたすら高めているなどという事実はどこにも存在しません。
 つうか「中国にこびろ」「中国を批判するな」とまではいいませんが、台湾にとって「節度のとれた穏当な中国批判」ならまだしもここでの李登輝の発言のような「デマまみれの中国への言いがかり」など、「中台関係が悪化し、台湾経済に被害があるだけ」で何のメリットもありません。
 現総統・蔡英文馬英九*21・前総統に比べたらかなり中国に距離を置いてるでしょうがそれにしても李登輝レベルの酷い反中国デマは飛ばしてないんじゃないか。

 李氏はまた、民主主義と自由を共有する日本と台湾が、「中国の覇権的な膨張を押さえ込みつつ、平和的な発展を促すため協力関係をより一層強化すべきだ」と強調。

 日台関係の進展はともかく、中国封じ込めなんか現実的にできるわけがないでしょう。是非以前の話です。

 「朝鮮半島の情勢とアジアの平和は日本の関与なくして実現することはかなり難しい」と述べ、日本に対し強いリーダーシップを発揮するよう求めた。

 意味がわかりません。先日の南北首脳会談にしても米朝首脳会談にしても日本は蚊帳の外でした。何が「日本のリーダーシップが必要」なのか。

 中国当局は李氏の慰霊祭出席に対し、「植民地統治への美化だ」などと反発

 そりゃ日本李登輝友の会なんて明らかに「植民地統治美化」が目的のウヨ団体ですからね。そんなウヨ団体と野合する李登輝が「植民地統治美化」と非難されるのはむしろ当たり前です。非難されるのが嫌なら日本ウヨと野合するなって話です。まあ、李登輝は死ぬまで野合し続けるんでしょうけど。

 23日に行われた沖縄全戦没者追悼式に出席した安倍晋三首相と、旧知の李氏が接触するのではないかとの観測もあったが、李氏の側近は同日、「電話も含め安倍首相との接触は一切なかった」と否定。

 実際がどうかは解りません。いずれにせよ安倍も李も「接触した」と言ったり、あるいは「ノーコメント」とごまかすよりも「接触がない」と明言した方がメリットだと判断したと言うことでしょう。
 結局、安倍も李も中国相手に全面的なケンカなどできはしないわけです。


■ちきゅう座『新自由主義的危機のなかでのマルクス生誕200年―人間マルクスと非人間的マルクスのはざま』野上俊明
http://chikyuza.net/archives/84935

・二度のノーベル物理学賞を受賞したキュリー夫人*22の不倫は有名です。彼女は、亡き夫の愛弟子であり、妻子ある男性だったポール・ランジュバンと熱烈な不倫関係に陥りました。小さいころからキュリー夫人伝に親しんできた私には、大人用の彼女の伝記はいくらかショックでした。しかし(ボーガス注:不倫に否定的な人間でも)それをもって核物理学の黎明期における彼女の巨大な貢献を無にする人はいないでしょう。
・以上のことを踏まえると、個人に対する道徳的批判は可能であり、またすべきでしょうが、それと偉業を矮小化することとを混同してはならない、ということでしょうか。ただ偉人のスキャンダルは、どんな偉人であれ、人間であるかぎり有限性を持つのだから、無批判的な崇拝や精神的依存は避けるべきだという警告として受け止めるべきなのでしょう。

 ということで「人間マルクスに非嫡出子がいたこと」「その子がエンゲルスの養子とされたこと」はほめられたことではないが、そのことと「マルクス理論の是非は別問題だ」とする野中氏です。
 まあ、「そりゃそうよ」と俺も思います。

参考

マリー・キュリーウィキペディア参照)
 マリ・キュリーは女性初のノーベル賞受賞者であり、かつ2度(物理学賞と化学賞)受賞した最初の人物である(なお、2度受賞した人物自体は他にフレデリック・サンガー(化学賞2回)、ライナス・ポーリング(化学賞と平和賞)、ジョン・バーディーン(物理学賞2回)が存在する)。


■リベラル21『お百姓さん、ご苦労さん』阿部治平
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4403.html

 いま村では、農業収入より兼業収入の方が多い第2種兼業が多い。私の出身部落160戸のうち、専業農業は10戸に満たない。問題は、兼業にせよ専業にせよ、農家の「跡取り」の多くが村から出て、大都会や町で別な仕事に就いていることだ。いま60,70歳代の働き手がいなくなったら、農家そのものがなくなる。村では無人の幽霊屋敷がどんどん増える。そして日本はとめどなく食料自給率を低下させる。
「お百姓さん、ご苦労さん。もう用済みだよ」という声が聞こえる。

 「で要するに何が言いたいの?」「食糧自給率の向上策でも書くならともかくただのぼやきじゃん?」ですね。
 こんなん阿部が個人ブログに書けばいいことで、リベラル21が載せるべき記事じゃないでしょうにねえ。これのどこが「私たちは護憲・軍縮・共生を掲げてネット上に市民のメディア、リベラル21を創った」と関係してるんでしょうか?。結局、阿部は事実上の常連寄稿者で、かつ「新しい寄稿者がまるで増えない」ので「何でもあり」になってるんでしょう。全く馬鹿げた話です。


■産経【チャイナウォッチ】香港「言論の自由」が危ない! 書店チェーンを中国政府系が支配、雑誌も廃刊
https://www.sankei.com/premium/news/180619/prm1806190002-n1.html

 昨年秋には、中国共産党政権の内幕を伝えてきた香港の月刊誌「争鳴」と姉妹紙「動向」が同時に約40年の歴史に幕を下ろした。
(中略)
 昨年の10月号は2つの雑誌の“合併号”が最後に発行され、これまでを振り返って「自由な言論の舞台を提供し、民主化と人権や自由を呼びかけ、独裁と堕落を糾弾した」とした。赤字経営に耐えられなくなったと説明されたが、廃刊の背後にどのような圧力があったか、なお不透明だ。

 産経らしくて吹き出しました。「赤字経営だから廃刊した」と発表してるのに「圧力があった」というなら「経営は順調だった」「これこれこういう圧力の証拠を入手した」など何か反論材料があってしかるべきでしょうが「廃刊の背後にどのような圧力があったか、なお不透明だ」てそれ、「赤字経営だから廃刊した」という公式発表を覆す材料を産経が何も持ってないという事じゃないのか。
 証拠がないのに「中国の圧力ガー」とは正気ではないですね。仮に結果的に「中国の圧力ガー」が正しいにしても産経が根拠レスでいい加減なことを放言している無責任新聞であることに変わりはありません。


時事通信『「中国の一部」表記で抗議=日航全日空に−台湾外交部』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018061800805&g=pol

 日本航空全日本空輸が中国向けの公式ホームページなどで、「台湾」を「中国台湾」と表記の変更をしていたことが分かり、台湾外交部(外務省)は18日、対日窓口機関の台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)を通じて厳重に抗議するとともに、表記を元に戻すよう求めると発表した。

 まあ台湾が抗議しても状況は変わらないでしょうね。


■産経【日曜に書く】河野太郎外相が「勝負色」の赤ネクタイに秘めた思い 論説委員・清湖口敏
https://www.sankei.com/column/news/180617/clm1806170007-n1.html

 河野太郎*23外相が中国を訪問した1月末のことである。王毅*24外相との会談に臨んだ河野氏は中国国旗と同色の赤のネクタイを着けていた。本紙特派員は《中国にこびへつらうためではないだろうが》と前置きし、記事を次のように続けた。
《これを見た王氏は椅子に肘をかけたまま、こう述べた。「きょう、お着けになっている赤いネクタイは、気持ちや願いを表しているのではないかと思います」》
 まるで日本が中国にすり寄ってきたと言わんばかりである。とにかく赤と見れば何でも自国が信奉する共産主義のシンボルカラーだと決めつけるようなお国柄だから、中国の政治家の尊大な物言いには慣れているつもりだが、それでもこの発言には腹立ちを抑え切れなかった

 まあぶっちゃけどうでもいい話です。王外相もその場をなごませるためのジョークにまさか産経がかみついてくるとは思ってもないでしょう。

 河野氏に赤のネクタイを選んだ理由を確かめたわけではない。だが、あの赤には、王毅氏が推量したであろう「気持ち」とは全く逆の思いが秘められていたものと信じたい。すなわち、河野氏は赤のネクタイで戦う気持ちを鼓舞したのではなかったか。
(中略)
 武将も赤を好んだ。赤は戦場で目立つうえ、強さの象徴でもあった。甲斐の武田軍をはじめ真田幸村井伊直政の軍団も武具、装飾を赤を基調とする色で統一した。世に名高い「赤備え」の編成で、彼ら軍団がめっぽう強かったことから赤には最強、精鋭のイメージが一層強まっていく。今でも赤は勝負事に好んで使われている。

 「確かめたわけでもない」のに適当なことを放言し出す産経です。もちろん「特に深い意味はない」つう可能性もあるでしょうね。


ニューズウィーク日本版『裏切られた中国民主化の夢 「建設的関与」という欧米と日本の偽善』楊海英
https://www.newsweekjapan.jp/youkaiei/2018/06/post-19.php
 そもそも欧米も日本も「中国民主化の夢」なんぞで中国ビジネスに乗り出したわけじゃないですからねえ。
 香港やマカオの返還にしても「香港やマカオの政治体制がどうでもいい」とまでは英国やポルトガルも思ってないでしょうが、問題は「いつまでも香港やマカオを英国やポルトガル保有していられる時代じゃない」ということのわけです。

 広東語の使用も制限され、北京語による教育が強いられている。

 「香港の選挙制度の問題などはともかく」少なくとも共通語(北京語)教育は国家としてやむを得ないでしょうし、それは民主化云々とは関係ないでしょう。いやそもそも「教育」がなくても北京語の普及は不可避ではないのか。
 なお、楊が明確な形では「北京語が共通語であること」に触れないのは誤解を狙ってると疑われても文句は言えないでしょうね。つうか実際、誤読を狙ってるのでしょうが。

 オランダ・ハーグの国際仲裁裁判所から出された裁定を「紙くず」と明言したのには驚くしかない。南シナ海の9割を自国の海と主張し、他国との領海紛争を国際法ではなく武力で解決しようとする覇権主義的本質が現れた行動だ。

 実際には「中国がフィリピンに経済支援する代わりにフィリピンは裁定を政治の場に持ち出さないで封印する」という形でフィリピンとの間ではある種の外交解決が図られています。「反中国のデマ屋」楊が言うような武力解決などどこにもありません。
 なお、そもそも「国際社会からの国際法違反という非難を無視して、民主国家・米国がイラク戦争に突入したこと」でわかるように「武力覇権主義」と「民主化」は全く別問題です。

 日本のビジネスマンは「市場経済の拡大によって、中産階級を増やし民主化を促す」とうそぶきながら、商売で北京界隈を飛び回った。欧米と日本が経済制裁を解いた末、今や中国はGDPが世界第2位になった。

 そんなことをうそぶいたビジネスマンなんて本当にいるんでしょうか?
 なお、「中産階級を増やせば自然と民主化するわけではない」でしょうが、一方で「中産階級が増えなければ民主化は困難」でしょう。理由は簡単で貧乏人ばかりなら、その日の生活にいっぱいいっぱいで政治活動なんぞする余裕がないからです。過去において、日本、台湾、韓国など多くの国で「経済発展による中産階級の増加」とともに民主化が進展したのもそういうことでしょう。
 また「中産階級が増えること」それ自体はもちろんいいことで悪いことではありません。

 こうした誤読はなぜ生じたのだろうか。第1の要因は、欧米と日本は自国が経験した歴史を過信していたからだ。「王と地方諸侯による分権的な封建制から資本主義に移行。その過程で人権思想が定着して、万人平等の原理に基づく民主制度が定着する」という思い込みだ。

 そもそも「経済発展して中産階級が増えれば中国の民主化が進む」などと言う理由で中国ビジネスしてるわけではないので「誤読」などどこにもないのですがそれはさておき。
 欧米はともかく、日本について言えば、戦前の民主化(議会制度の誕生など)は「天皇主権という限界」があった民主化であり、戦後のGHQ改革(天皇の象徴化など)の要素が大きいので楊が言う程、その民主化は手放しでは褒められません。

 第2の要因は、欧米や日本による意図的な誤読だろう。そもそも「人権」「民主化」といった近代的理念はあくまでも先進国にのみ適応可能。マルクスらが指摘した「アジア的専制主義」の中国には無理だから、「建設的関与」の看板を振りかざしながら堅実的に商売しようという割り切った発想だ。
 誰も中国という巨大市場を失いたくなかったので、金儲けを優先してきた。中国も「西洋列強」の偽善に満ちた心中が読めたので、「中国的特色ある社会主義」の道を守り通してきた。

 もちろん「誤読などない」のですが、欧米や日本が中国ビジネスを重視し、人権を「楊が騒ぎ立てる程には重視してこなかった」のは確かに楊の言うとおりです。
 ただしそれは中国限定ではありませんが。日本に至っては南アの地下資源(金、ダイヤなど)目当てにアパルトヘイトを容認したことすらあります。

 中国が、自ら国際秩序を書き直す時代が来るのを防がなければならない。

 楊の言う「国際秩序の書き直し」の意味がわかりませんが、その書き直しに「何の問題もなければ」反対する理由はどこにもありません。


■産経『亡命チベット人情報、中国に流す…スウェーデンの裁判所、スパイ活動で実刑判決』
https://www.sankei.com/world/news/180616/wor1806160025-n1.html

 判決によると、男は亡命チベット人の個人情報や政治的な思想を調べ、ポーランドで中国の情報当局者と複数回接触して情報を渡していた。
 男は亡命チベット人向けのラジオ局で働いており、チベット関連の政治集会に参加するなどして情報を収集していたとみられる。

 よくわからない新聞記事です。
 日本において「警察官など官僚ならともかく」、一般民間人が同じ事(情報収集)をしたところで、その情報収集手法が「窃盗、住居不法侵入などなんらかの犯罪行為に該当しない限り」、「道義的、政治的是非」はともかく犯罪行為には該当しないでしょう。「一体何で犯罪になるんだ?」「個人のプライバシーの侵害行為がスウェーデンでは犯罪になるの?」と疑問を感じますが、こういう記事を書く人間はそういう疑問を感じないんですかね?。
 つうかこれスパイ活動て話なのか?


■日経『モンゴル、資源支えに経済回復 北朝鮮と独自パイプも』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31519960X00C18A6000000/

 石炭や銅、レアメタル希少金属)などの鉱物資源が豊富で、資源事業は同国経済を支える屋台骨だ。
 資源価格が下落した2015年は低成長にあえいだが、足元では市況が回復傾向にある。国際通貨基金IMF)は18年に5%の経済成長を見込む。特に、英豪リオ・ティントが出資するモンゴル南部のオユ・トルゴイ銅金鉱山は今後の開発に期待が高まっている。

 楊海英なんぞは「伝統的モンゴル遊牧文化の破壊ガー」といって中国批判しますが何のことはない、そんなもんは外モンゴルでも衰退の一途にあるようです。


■読売新聞『中国国歌の暗唱強要、罰金も…チベット自治区で』
http://www.yomiuri.co.jp/world/20180616-OYT1T50019.html
 真偽のほどは不明ですが事実なら批判されて当然の行為です。
 しかしこうした行為を批判する一方で「卒業式での君が代斉唱強行と反対派教員の処分」を容認する産経のような右派のでたらめさにはいつもながらうんざりします。


■朝日『日本の科学技術「力が急激に弱まった」 白書を閣議決定
https://www.asahi.com/articles/ASL66539WL66ULBJ005.html

 政府は12日、科学技術について日本の基盤的な力が急激に弱まってきているとする、2018年版の科学技術白書を閣議決定した。引用数が多く影響力の大きい学術論文数の減少などを指摘している。
 白書によると、日本の研究者による論文数は、04年の6万8千本をピークに減り、15年は6万2千本になった。主要国で減少しているのは日本だけだという。同期間に中国は約5倍に増えて24万7千本に、米国も23%増の27万2千本になった。
(中略)
 白書は大学に対し、会議を減らして教員らが研究に割ける時間を確保することなどを提言。政府には研究への十分な投資や、若手研究者が腰をすえて研究に取り組める「環境の整備」などを求めた。

 まあ、id:Bill_McCrearyさん記事『基本的に、理数系の学問振興と政治体制・民主主義の程度は関係ないと思う』
https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/22346c83316572e990e53822bba215d4
を裏付ける指摘ですね。日本の論文数減少は「民主主義の衰退」つう話ではないし、一方、中国や米国の論文数増も「民主主義の発展」つう話でもない。
 例の阿部治平氏も本当に恥ずかしいバカなことを書いたもんです。彼って内心はともかく公式にはあの主張を撤回してなかったと思います。


■産経『野田聖子*25総務相が7月に訪中へ 自民党総裁選へ存在感をアピール』
https://www.sankei.com/politics/news/180609/plt1806090023-n1.html
 野田を政治家としてどう評価するか、野田の中国政策(?)をどう評価するか、野田が果たして総裁選に出馬するかどうかはひとまず無視します。
 ここでは
1)やはりまともな政治家なら対中国外交はそれなりに考えざるを得ない(中国敵視など論外)
2)野田にとって安倍との差別化をしやすい分野の一つはおそらく対中国外交
ということを指摘しておきます。
 まあ2)は裏返せば安倍が異常な反中国だという事ですが。
 なお記事によれば、「第四次安倍内閣総務相(女性活躍担当相兼務)」の野田的には今の担当分野、つまり総務相&女性活躍担当相、それも夫婦別姓支持*26などをアピールする野田が自分の売りだと思ってるらしい、「女性活躍担当相分野」を訪中時にはアピールしたいと言うことで、まあ、そういう分野を担当する閣僚あたりと会談したいんでしょうね。


■産経【栃木『正論』友の会】「中国権力闘争、今後も続く」矢板*27外信部次長講演
https://www.sankei.com/politics/news/180609/plt1806090015-n1.html

 経済成長の失速や南シナ海問題などで周辺国と関係が悪化した中国が日中関係の修復を求めており、日本は独自外交を展開するチャンスを積極的に活用すべきだと訴えた。

 産経記者らしい矢板のデマです。
 「李首相の北海道行きに同行する」など、明らかに安倍の方が中国に対し下手に出てるのに、そしてそうした安倍の「親中国」的な態度に産経も当初不快感を表明していたくせに、よくもこんなことがいえたもんです。

 講演後の懇親会で、矢板次長は参加者と意見を交わした。宇都宮市の会社員、野村幹三郎さん(84)は「若い人もスマートフォンをいじるばかりでなく、こうした生きた情報を獲得しないと」と話し、講演に満足すると共に、若い年代の参加も必要との見解を示した。

 聞き手がジジイしかいないことを事実上認めてる滑稽な産経です。


■日経『ニッケ、中国で学生服のウール生地販売 富裕層向け需要狙う』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3157713009062018AM1000/

 ニッケは2018年内に学生服のウール生地を中国で販売する。中国の「貴族学校」と呼ばれる富裕層向け私立学校では、ブレザーなど日本の学校と同じような学生服を採用するケースが相次いでいるため。これまで中国の学生服はジャージーが大半だった。
 既に中国で営業拠点の前身となる準備室を設立した。まずは日本人社員を駐在させ、将来的には現地社員を中心に営業活動する計画だ。販売先は中国のアパレルメーカーを想定し、糸と生地の製造はニッケの現地工場が担う。
 ニッケによると、中国の私立学校の児童・生徒数は1600万人程度。少子化で縮小傾向にある日本の児童・生徒数は1300万人程度にとどまり、中国の潜在的な需要は大きいと判断した。
 ニッケは国内でブレザーやセーラー服、詰め襟向けでウール素材を展開している。学生服は一般衣料に比べ、上質感が長持ちする素材が求められる。同社の富田一弥社長は「国内で培ったノウハウを生かし、高機能素材で勝負したい」と意気込む。

 いつもながら「中国ビジネスは大事だ」と言うことですね。


■日経『「一帯一路」日本企業も動く 日通や富士通、中国・欧州間で商機探る』
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO31555520Y8A600C1EA5000/

 中国の広域経済圏構想「一帯一路」を巡り、日本企業が商機を探る動きが広がってきた。中国―欧州間の鉄道輸送の便数増加や中国内陸部のインフラ投資拡大をにらみ、物流網整備や拠点開設を急ぐ。ただ採算性など不透明な部分も多く、日本企業は慎重に戦略を練っている。
(中略)
 日本通運は18年5月から日本と中国の間を船または飛行機で結び、日欧間の一貫輸送ができるようにした。
 日通は「中国企業より欧州に拠点が多く、欧州企業よりアジアに足場があるのが強み」とする。一帯一路を使い、日本や東アジアから欧州までの物流網を築き「自動車部品や電子機器を欧州の生産拠点に送ったり売ったりする日系企業の需要を開拓する」(欧州日本通運大関拓也航空貨物部担当部長)考えだ。
 郵船ロジスティクスは(ボーガス注:ドイツの)デュイスブルクに日系で最大規模の倉庫を持つ。中国には日本や欧米などが主体の企業の工場が多い。中国で作った部品を欧州で組み立てる加工貿易の流れは続いており「中国―欧州間の物流増による商機は日本企業にも十分ある」(同社)とみる。
 一帯一路の鉄道の通過点となるポーランド。インフラや発電所の案件は中国企業だけでなく「三菱日立パワーシステムズ*28(MHPS)など日本企業が受注した例も多い」と日本貿易振興機構ジェトロワルシャワ事務所長の牧野直史氏は話す。発電関連事業を手がけるMHPSはワルシャワ*29に事業統括機能を備えた拠点を設け、火力発電関連の商談や顧客提案を強化している。
 中国内陸部でも日本企業が街づくりや産業振興に関与し始めた。
 富士通は製造・金融などを対象にしたデータサービス事業に注力する。20年度末までに西安*30の拠点の人員を現在の3倍の1500人体制にする計画で、重慶ではデータ拠点新設も検討する。鉄道などのインフラ整備を支える情報通信技術の需要も増えるとみている。
 三菱重工業は中国・大連で大型のビルやオフィスなどの空調に使われるターボ冷凍機を現地向けに生産する。「中国では値段の安さが重視された昔と違い、今は最初から最先端のモノ、最上位品を求める傾向が強い」(同社)という。
 高機能が強みの日本製品への関心は高い。例えばインフラ建設に必要な油圧ショベルフォークリフトなどの建設機械。中国の工事は建機の稼働時間が長く、耐久性やエンジンの力強さが求められる。日立建機の推計によると、中国の4月の油圧ショベルの需要(中国メーカー除く)は前年同月比72%増で、「今後3年は中国の建機需要は堅調」(業界関係者)との見方も出ている。
 日本政府が17年6月に一帯一路に協力姿勢を示したことで、日本企業が商機を取り込む動きが加速した。ただ野村証券の松浦寿雄チーフストラテジストは「国がもう少し方向性を示すことが必要で、何もしなければ日本は無関係になってしまう恐れがある」と指摘する。

 「日本財界の意向に従い、一帯一路にコミットする」、それが先日の安倍の李首相歓迎だったわけです。


■日経『日中連絡枠組み 効果は未知数 自衛隊と中国の衝突回避へ、運用開始、ホットライン先送り』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31540000Y8A600C1EA3000/
毎日新聞『連絡メカニズム運用開始 自衛隊と中国軍、衝突防止へ』
https://mainichi.jp/articles/20180608/ddm/002/010/075000c
■フジテレビ『日中海空連絡メカニズム スタートも実効性に懸念』
https://www.fnn.jp/posts/00393889CX

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31540000Y8A600C1EA3000/
 日本の自衛隊と中国軍の偶発的な衝突を避けるための措置「海空連絡メカニズム」の運用が8日、始まった。柱の一つとなるホットラインの開設は、中国側が「技術的な問題」を理由に先送りしており、間に合わなかった。日中防衛当局間の連絡の枠組みを初めて定めた意義はあるが、当初の期待ほどの実効性は見込めず、名ばかりの船出となった。

https://mainichi.jp/articles/20180608/ddm/002/010/075000c
 自衛隊と中国軍の偶発的な衝突を防ぐ「海空連絡メカニズム」の運用が8日に始まる。防衛当局間の意思疎通のルールを明確化して緊張激化を予防する役割が期待されるが、当局間の専用連絡回線(ホットライン)の詳細が決まらないなど「見切り発車」の面もあり、実効性の確保が課題だ。
 「現場での不測の事態を回避する意味で非常に意義がある」。
 自衛隊制服組トップの河野克俊*31統合幕僚長は7日の記者会見でこう強調した。

https://www.fnn.jp/posts/00393889CX
 自衛隊と中国軍の航空機や艦船が、偶発的な衝突を起こすことを避けるための「日中海空連絡メカニズム」の運用が、8日から始まった。
 小野寺防衛相は「日中両国の相互理解および相互信頼を増進するうえで、重要な1歩であり、両国の不測の衝突を回避する意味でも、大きな意義があると思っている」と述べた。

ということで「連絡メカニズムの詳細は未定」のものの、この記事でも解るように李首相訪日以降、態度を明らかに日中友好的方向にシフトチェンジしている安倍です。


■中国で日本の絵本が爆発的に売れている。(花田紀凱
https://news.yahoo.co.jp/byline/hanadakazuyoshi/20180404-00083530/
ポプラ社の中国法人が2年で売上倍増 絵本市場が急拡大する中国
https://ddnavi.com/news/441842/a/
■『「絵本」で中国人親子の心を掴んだ日本の出版社』中島恵*32(ジャーナリスト)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/13031

https://news.yahoo.co.jp/byline/hanadakazuyoshi/20180404-00083530/
 「文化通信」によるとその中国で今、「井噴」(油田が噴き出す様子)と呼ばれるほど日本の絵本が爆発的に売れており、2017年には書籍市場803億元(約1兆4000億円)の25%を児童書が占めているという。
 元々、中国には絵本市場がなかった。仕掛けたのは「蒲蒲蘭(ポプラ)文化発展有限公司」。といってもご存知ないだろうが、ポプラ社の中国法人。
 2004年に設立。2016年には1億元(約17億円)を超え、中国絵本3大ブランドの地位を占めるまでになったという。
 日本の出版界にとって久々の明るいニュースだ。

https://ddnavi.com/news/441842/a/
 「我々が参入した頃は中国に『絵本』を表す言葉がなかったが、いまではポピュラーな言葉になった」とポプラ社で海外事業と製作を担当し蒲蒲蘭(ポプラ)の董事長を務める永盛史雄事業開発局長は述べる。
 10年代になると中国の絵本市場は〝井噴(油田が吹き出す様)〟と呼ばれる急成長を遂げ、17年には書籍市場803億元(約1兆4000億円)の25%ほどを児童書が占めるまでになった。
 蒲蒲蘭の売上高も近年倍々のペースで急成長。16年には1億元(約17億円)を超え、中国絵本3大ブランドのひとつにまでになっている。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/13031
 今、中国の書店に足を運ぶと、目覚ましく洗練されてきたことに驚かされるが、中でも目を引くのは絵本コーナーの充実だ。中国に絵本を広めたのは、実は日本の出版社、ポプラ社だ。同社は2005年に中国初の絵本専門書店をオープンした。以来、中国の親子から厚い支持を受けるようになったが、同社は中国でどのように絵本を広め、中国人親子の心を掴んだのか。
 中国事業に長く携わる北村明氏にお話をうかがった。
インタビュアー
 そもそも、御社が中国事業に乗り出すきっかけは何だったのでしょうか?
北村氏:
 1995年に弊社の前々代表である坂井宏先が中国を訪れたとき、絵本がほとんどないという現実を見て驚き、この国に絵本文化を広めようと思ったことからでした。2000年に北京事務所を開き、04年に現地法人を設立。その後、上海、広州*33にも事務所を開き、現在に至っています。
インタビュアー
 中国には「絵本」がなかった、ということに驚きました。
北村氏:
 「図画書」や「少児書」と呼ばれる子ども向けの本はあったのですが、どちらかというとお勉強もの、啓蒙的な内容が多く、また、絵は挿絵的な要素が強く、日本人が想像するような自由な「絵本」は存在しなかったといっていいと思います。「絵本」という言葉は今、ようやく中国に浸透するようになってきたのですが、これは日本語の「絵本」から “中国語になった言葉”だと思っています。  
インタビュアー
 そうなんですね。北京に絵本専門書店を開いたとのことですが、具体的にはどのような事業を行っているのでしょうか?
北村氏:
 主に2つの柱があります。1つは書店経営と卸し販売事業です。05年に北京に絵本専門書店を開いて以降、上海にも書店を開き、実際に親子が絵本を自分の手で取って読めるショールーム的な場を提供してきました。北京は中心部の建外SOHO地区にあり、近隣に住む親子が通ってきています。上海は上海高島屋の店内に出店しています。どちらの店舗でも絵本の読み聞かせ会などの読者向けイベントを行っています。卸し販売事業は現地の書店や図書取次企業などへの卸し販売です。
 もうひとつは出版事業です。中国の出版社との提携出版の形で、04年に蒲蒲蘭(ポプラ)絵本館ブランドの翻訳絵 本の出版を開始し、06年には初めて中国の絵本作家によるオリジナル絵本も出版しました。07年には日本で大ヒットした絵本『くまくんのあかちゃん』シリーズの中国語版(『小熊宝宝』)も出版。これは累計販売数が約1000万冊を超えました。2014年には蒲蒲蘭(ポプラ)絵本館ブランドの絵本は400タイトルにまで増え、中国の方々に広く読まれています。
インタビュアー
 中国ではどのような絵本が人気なのでしょうか?
北村氏:
 『当当』というサイトを見てみますと、絵本の中で欧米系の絵本のシェアが61%に上っていて最も多く、主流だといえます。それ以外が日本や韓国の絵本、中国オリジナルものになっています。欧米系というのは、たとえば『はらぺこあおむし*34』や『どんなにきみがすきだかあててごらん』などの世界的に人気がある名作ですね。
 弊社では、日本の絵本の翻訳だけでなく、オリジナルの絵本の制作にも取り組んでいます。中国人の絵本作家によるオリジナル絵本はこれまでに合計で40点に上り、2014年に出版した『悟空,乖』は日本に版権を販売しました。初めて中国から日本へ、という逆バージョンになりました。
 以前、中国では子どものしつけを教えるような、どちらかというと啓蒙的な絵本が人気でしたが、最近では心や愛情を育てるような、夢のある作品が人気になってくるなど、社会の変化とともに、絵本の世界にも少しずつ変化が見られます。弊社の『ティラノサウルス』シリーズは“愛”がテーマで、大人が読んでも感動するようなストーリーですが、これから中国でも、このように心温まる作品が読み継がれていくようになるのではないかと思っています。

 中国ビジネスは非常に重要だという話です。しかし反中国を商売にしてる花田が「ポプラの中国ビジネス成功がうれしい」ですか(苦笑)。

参考

■坂井宏先(さかいひろゆき、1946〜2014年:ウィキペディア参照)
 1972年、ポプラ社に中途入社。
 1974年、「同族会社の悲劇」と題する意見書を経営陣に提出し、同族経営だったポプラ社の体質を批判したために当時の社長から解雇されそうになったという。
 編集者としては那須正幹(1942年生まれ)の『ズッコケ三人組』シリーズを第1作『それいけズッコケ三人組』(1978年)から第50作『ズッコケ三人組の卒業式』(2004年)まで全作手がけた他、原ゆたか(1953年生まれ)の人気シリーズ『かいけつゾロリ』も担当。
 編集部長から専務取締役を経て、1998年に代表取締役社長就任。2000年には一般向け書籍の編集部を設立し、翻訳物の自己啓発小説『Good Luck』で160万部の売り上げを記録。また2002年には児童向け総合百科事典『総合百科事典ポプラディア』全12巻を企画し、社員からの猛反対にもかかわらず2010年までに6万セット以上の売り上げを達成した。中国進出にも野心的であった。
 2013年11月25日、社長職を退任し、非常勤顧問に就任した。この頃から病気療養中だったという。
 2014年4月18日死去。68歳没。
■逸話
ズッコケ三人組の誕生
 『それいけズッコケ三人組』(1978年)は本来『ずっこけ三銃士』という題名だったが、それを古臭いと感じて現行の題名に改めたのは坂井だった。著者の那須正幹に無断で改題して刊行し、那須を驚かせた。
 ズッコケシリーズの後書きで「8ヶ月に1冊書きます」と書いた那須の文章を「6ヶ月に1冊」と勝手に変更し、「もう本になってしまってますし、今から変更するのもおかしいし、あれで読者は6ヵ月後と思ってます。このままでいきましょう!」と強引に押し切って1年2冊のペースに持って行かせたのも坂井だった。
那須正幹への謝罪
 1983年にシリーズ7作目の『とびだせズッコケ事件記者』が出た頃、東京新宿の飲み会で那須が当時の新人作家・薫くみこ(1958年生まれ)に「編集者は坂井さん一人じゃないけん、いろんな人とやりなさい」と激励の発言をした。
 しかし、これに坂井が反発し、「何てことを言うんだ。この子はぼくが全力を尽くして、ここまで育てて来たんだ」、「だいたいあんたたち作家は礼儀がなっていない。室生犀星は軽井沢にいたころ、東京からの編集者をお迎えするときは、玄関に水をまき、玉砂利の目をそろえて、心してお迎えしたという。しかるにあんたたちは、そうした礼儀も何もないではないか」と那須を非難した。
 坂井の言葉に激怒した那須は憤懣やる方なく「もう坂井さんとの付き合いはやめよう、だからズッコケも終わりにしよう」と決心、「わしはもう、ズッコケは書けない。これは坂井さんとの仕事だからね。ほかの編集者とではだめなんだ」と坂井に言い渡し、シリーズが中絶の危機に瀕したこともあったという。この時は、坂井が無礼を詫びて和解が成立した。「36年の人生で初めて、心から頭を下げた」と坂井は言っている。
前川かずおから高橋信也への交代
 1992年7月、ズッコケシリーズの挿絵を第1作から担当していた前川かずお(1937年生まれ)が急性白血病で入院し、面会謝絶となった。
 同年12月1日にズッコケシリーズ第26作『ズッコケ三人組対怪盗X』の刊行を予定していた坂井は12月刊行を諦めかけたが、別の人気シリーズが画家の妊娠によって1年休刊したばかりに売れなくなってしまったという苦い経験を持っていた上、ポプラ社会長の田中治夫(当時)から「坂井君、こども達は待っているぞ」と言われたことで決心を固め、前川に無断で高橋信也(1943年生まれ)に「前川先生そっくりの画を描いてくれないか」と持ちかけ、「それは無理です。前川先生に失礼です」と固辞する高橋を強引に説得して前川タッチのイラストを描かせた。
 その後、前川夫人にそのイラストを見せ「実は12月には、どうしても本を出したいんです。先生の病状は良くなりませんし、このままでは本が出せませんので」と説明した。前川夫人は「あなたは一体、何を考えているの。主人は今、病気と闘って生きるか死ぬかの境をさまよっているんですよ」、「画家を代えるなら別シリーズにしてほしい、というのが夫の考え」と反発したが、坂井は「こども達は待っているんです」と田中の言葉を引用して前川夫人を説得し、最終的には前川夫妻の諒承を取り付け、12月24日の同書刊行を実現した。
 前日から自宅に一時帰宅を許されていた前川に向かって坂井が「ありがとうございました。本ができました」と本を差し出すと、前川はその1ページ1ページを慈しむように見ながら「よかった。よかった」と我が事のように喜んだという。前川は、刊行から約3週間後の翌1993年1月13日、55歳で死去した。
■社長解任から死に至る経緯
 2013年11月25日、坂井は取締役会でクーデターを起こされ、社長を解任された。その理由は、主に会社の私物化だったと『週刊新潮』2014年5月29日号に報じられている。
 その後、坂井は突如として失踪し、遺体となって発見された。死因は心臓発作とされたが、遺体の傍らに「人生は孤独だ」などと記した遺書があり、自殺だったのは間違いないと『週刊新潮』2014年5月29日号は報じている。一説には、八ヶ岳の別荘で首を吊っていたともいう。

https://www.sankei.com/life/news/150302/lif1503020031-n1.html
■産経【自作再訪】那須正幹さん「ズッコケ三人組」 子供と勝負、だから愛された
 きっかけは学研の学習雑誌「6年の学習」からの「『三銃士』の子供版のようなものを書いてほしい」という依頼です。そこで「ずっこけ三銃士」のタイトルで昭和51年4月号から1年間の連載をやった。好評だったが、本にしてくれるところはなかなかなかった。
 その年の暮れにポプラ社の編集者をしていた坂井宏先(ひろゆき)さん(同社元社長)がたまたま来て、「ぜひうちで本にしたい」と言ってくれた。でも刊行されたのは53年。「こんな本を親が買うわけがない」とか社内で反対があったらしい。「子供にはエンターテインメントではなく文学性の高いものを与える」という考え方が主流だったんだね。
 それまで子供向けというと、殺人はダメ、離婚しても最後には仲良く暮らすとか、どこか予定調和だったんだと思う。でも、子供だってタブーとされていることはわかるし、そのときはわからなくても、何か心に残ればいい。指導する気持ちは全然なくて、読者に挑戦してやろう、勝負してやろう、といった気持ちで書いとったね。

http://www.premiumcyzo.com/modules/member/2014/01/post_4810/
ポプラ社の社長が突然の辞任!"ズッコケ三人組"立役者にまとわりつく黒い噂
 ポプラ社の皇帝・坂井宏先社長(67歳)が2013年11月25日付で退任、12月3日に開いた臨時の株主総会で奥村傳前専務が社長に就任し、坂井氏は非常勤顧問に就任した――。マスコミ各社には「本業以外の投資損失を回復し責任を果たした、および本人の体調不良によるもの」と交代の理由を説明している。
 この社長交代劇はあまりに突然だった。ポプラ社の決算は3月期、通常であれば6月末までに開く通常の株主総会で社長交代を決めるのが一般的だ。まして坂井氏は「65歳になったら社長を辞める」などと周囲に漏らしながらも、その玉座に座り続けた人物。そんな彼が突然自ら辞めるなんてにわかに信じがたい。出版業界では「何かしらの不祥事があったに違いない」、そんな噂で持ちきりだった。
 ちなみに、ポプラ社といえば、那須正幹さんの『ズッコケ三人組』シリーズや原ゆたかさんの『かいけつゾロリ』シリーズで知られる児童書が有名な出版社。近年は、ミリオンセラーとなった『グッドラック』(04年刊)やベストセラーの『えんぴつで奥の細道』(06年刊)など、一般書分野にも事業を拡大。さらに当時、タカラの系列会社だった出版社・ジャイブを買収するなど、総合出版社化を進めていた。
 その原動力となったのが、1998年に社長に就任した件の坂井氏なのである。
 坂井氏は、社長就任前は、『ズッコケ三人組』シリーズを担当するなど、名うての編集者として知られていた。しかも、入社後に「俺は社長になる」と同僚に話し、同族支配であったポプラ社の経営方針を批判して、当時の経営者から冷や飯を食わされたこともあったというほど、良くも悪くも苛烈な人物なのである。そんな坂井氏だが社長に就任してからは、横暴とも取れるほどの厳しい経営体制を敷いていたようだ。以下は、同社の社員や元社員などの声。
「(坂井氏が)社長に就任してから会社は北朝鮮化した。社員は毎日、坂井氏が出社する午前8時よりも前に出勤することが暗黙の了解となっていた」
「書店訪問で自社本の陳列が気に食わないと書店員まで叱りつける始末」
「社長の機嫌を損ねてはいけない、逆らってはいけない。そんなイエスマンばかりの会社になっていた」
(中略)
 そんな皇帝の最後は儚かった。暴力団への融資で問題となったみずほ銀行グループに金融庁監査が入ったが、その取引先であるポプラ社においても1億円以上の使途不明金が発覚したというのだ。その私的流用の責任をとって辞任したというのが、社長交代劇の真相のようだ。
 ポプラ社が今回の件で、横領・背任の罪で坂井氏を刑事告発せずに、非常勤顧問として置いたのも、坂井氏が弁済することを約束したのだと推測できる。さらに児童書出版社という会社のブランドに傷を付けることを恐れたのかもしれない。

 坂井氏は「ポプラ社の礎を築いたやり手経営者だったが晩節を汚した」ということになるんでしょうか?


大紀元『トランプ陣営干渉疑惑:FBI、CIA、司法省まで…監視権力を乱用か オバマ政権5つのスパイ手法』
http://www.epochtimes.jp/2018/06/33793.html

 「魔女狩りが絶えず続いている」。
 トランプ大統領は2016年米国大統領選挙で、当時のバラク・オバマ大統領政権が自身の選挙陣営に仕掛けてきた多岐にわたるスパイ工作について、司法省に調査を要請した。
 トランプ氏の選挙運動のロシア介入疑惑について、FBIの捜査からすでに1年経つが、双方が選挙において共謀したとの証拠は見つかっていない。
 いっぽう、オバマ政権によるトランプ陣営に対する違法性の疑われるスパイ工作に注目が集まる。5月21日、トランプ大統領は「(当時の)FBIや司法省が、政治目的のためにトランプ陣営に潜入調査したかどうか調べるよう、司法省に要請する」とツイートした。
 オバマ大統領政権が行った、トランプ選挙陣営に対する、監視活動権限を乱用したスパイ工作の方法5つをまとめた。
1.国家安全情報書簡(FBI捜査令状)
 オバマ政権時のジェームス・コミー*35長官とアンドリュー・マッケイブ副長官が率いたFBIは、国家安全保障書簡と呼ばれる捜査令状を出し、トランプ選挙陣営を「合法的」に諜報していた。
2.司法省の外国情報監視法(FISA)に基づく監視
 2016年10月、オバマ政権時の司法省は、トランプ選挙陣営の外交顧問カーター・ペイジ氏に対して外国情報監視法(FISA)に基づく監視を行っていた。
(以下略)

 という、いかにも怪しげな、トランプの悪あがきにしか思われない話をトランプ擁護、オバマ非難の方向で記事にするとはさすがカルト教団法輪功です。もちろん褒めていません。


■産経『第三国インフラ整備で中国との民間協力を推進 政府が「輸出戦略」改訂』
https://www.sankei.com/politics/news/180607/plt1806070035-n1.html

 政府は7日、官民一体でインフラ輸出の拡大を目指す「経協インフラ戦略会議」(議長・菅義偉官房長官)を首相官邸で開き、第三国でのインフラ整備をめぐり中国との民間協力を推進することを決めた。「インフラシステム輸出戦略」の平成30年度改訂版に初めて盛り込んだ。
 安倍晋三首相が5月に中国の李克強*36首相と会談し、第三国市場を開拓するための官民合同委員会の設置で合意したことを受けた措置。日本政府は成長戦略の一環として、32年に27年比1・5倍にあたる約30兆円の海外インフラ受注を目指しており、南アジアなどで競争力の高い中国との連携を追い風とする狙いがある。

 李首相の北海道行きに同行して以来、中国ビジネス推進に傾く安倍です。産経らウヨは内心不満でしょう。


■産経【正論】中華文明から民主化は生まれず 文化人類学者、静岡大学教授・楊海英*37
https://www.sankei.com/column/news/180607/clm1806070007-n1.html
 いつもながら楊も主張が無茶苦茶ですね。もはやこれは中国共産党批判などという甘いものではなく中華民族(中国民族)に対するヘイトスピーチでしかない。

天安門事件」は欧米や日本の中国に対する過剰な期待を粉砕したことで、世界史的な意義を有している。

 そもそも、楊の言う「過剰な期待」など、どこにも存在しないことは楊自身もよくわかってるでしょう。「期待を中国は裏切った」云々として中国に悪口するだけのくだらない話です。

*1:巡航ミサイル1000億円で中国も北朝鮮も怖くない』(2015年、講談社プラスアルファ新書)、『トランプと自衛隊の対中軍事戦略:地対艦ミサイル部隊が人民解放軍を殲滅す (2018年、講談社プラスアルファ新書)など、非常識右翼著書多数

*2:もちろん「日本国防当局が戦う前から負けると思って恐れてる」つう話ではありません。そんなことを公言して日本企業の中国ビジネスに支障が出て、欧米諸国、韓国など他国を利したら馬鹿馬鹿しいという話です。「恐れてる」のはあくまでも中国ビジネスへの支障です。

*3:実際その通りだと思いますが、「北朝鮮が先制攻撃するシナリオがある」とでまかせ言い出すのが巣くう会です。しかしこの右翼論客(?)・北村某も北朝鮮認識はまともというべきか、はたまた単に小国・北朝鮮をなめてるだけか?

*4:政権交代の悪夢』(2011年、新潮新書)、『偏向ざんまい:GHQの魔法が解けない人たち』(2016年、産経新聞出版)、『新・東京裁判論:GHQ戦争贖罪計画と戦後日本人の精神』(桜井よしこらとの共著、2018年、産経新聞出版)など非常識右翼著書多数

*5:福田、中曽根内閣文相を経て首相

*6:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相などを経て首相

*7:村山内閣自治相・国家公安委員長小渕内閣官房長官自民党幹事長(森総裁時代)を歴任

*8:橋本内閣運輸相、自民党幹事長(森総裁時代)など歴任

*9:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相

*10:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*11:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*12:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相

*13:ベテラン議員の名前を出せないところが滑稽です。

*14:おいおいですね。中国がミサイル保有していることは事実ですがそれを「日本に向けてる」と評価するとは全く非常識です。

*15:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長を歴任

*16:グジャラート州首相を経てインド首相

*17:世界銀行副執行理事、アジア開発銀行(ADB)副総裁などを経てAIIB総裁

*18:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*19:そもそもそんな政治家が与野党の有力政治家でいるとは思えませんが。

*20:台北市長、台湾省主席、副総統を経て総統。著書『新・台湾の主張』(2015年、PHP新書)など

*21:連戦内閣法相、台北市長などを経て総統

*22:最近は「女性は夫の付属物ではない」との考えから「マリー・キュリー」と呼ばれることが多いようです。

*23:第三次安倍内閣国家公安委員長を経て第四次安倍内閣外相

*24:駐日大使、中国共産党中央台湾工作弁公室主任(国務院台湾事務弁公室主任兼務)などを経て外相

*25:小渕内閣郵政相、福田、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)などを経て第四次安倍内閣総務相(女性活躍担当相兼務)

*26:もちろんこれは「不支持」である安倍との差別化戦略ですね。

*27:著書『習近平:なぜ暴走するのか』(2014年、文春文庫)、『習近平の悲劇』(2017年、産経新聞出版)など

*28:2014年(平成26年)2月1日設立。三菱重工業日立製作所との火力発電事業統合会社であり、火力発電分野ではゼネラル・エレクトリックシーメンスに次ぐ世界第3位。

*29:ポーランドの首都

*30:陝西省省都

*31:自衛艦隊司令官海上幕僚長などを経て統合幕僚長

*32:著書『なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?:「ニッポン大好き」の秘密を解く』(2015年、中公新書ラクレ)、『中国人エリートは日本をめざす:なぜ東大は中国人だらけなのか?』(2016年、中公新書ラクレ)、『なぜ中国人は財布を持たないのか』(2017年、日経プレミアシリーズ) 、『中国人富裕層はなぜ「日本の老舗」が好きなのか:中国インバウンド54のヒント』(2018年、プレジデント社)など

*33:広東省省都

*34:アメリカの絵本作家エリック・カールが1969年に出版した幼児向け絵本。シンプルで判りやすいストーリーから、全世界で60以上の言語に翻訳されており、累計3,000万部を販売するベストセラーとなった。

*35:司法副長官、FBI長官を歴任

*36:中国共産主義青年団共青団)中央書記処第一書記、河南省長、党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*37:著書『草原と馬とモンゴル人』(2001年、NHKブックス)、『モンゴル草原の文人たち:手写本が語る民族誌』(2005年、平凡社)、『チンギス・ハーン祭祀』(2005年、風響社)『墓標なき草原(上)(下):内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2009年、岩波書店)、『続・墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2011年、岩波書店)、『中国とモンゴルのはざまで:ウラーンフーの実らなかった民族自決の夢』(2013年、岩波現代全書)、『植民地としてのモンゴル:中国の官制ナショナリズムと革命思想』(2013年、勉誠出版)、『ジェノサイドと文化大革命内モンゴルの民族問題』(2014年、勉誠出版)、『モンゴルとイスラーム的中国』(2014年、文春学藝ライブラリー)、『チベットに舞う日本刀:モンゴル騎兵の現代史』(2014年、文藝春秋)、『狂暴国家中国の正体』(2014年、扶桑社新書)、『日本陸軍とモンゴル:興安軍官学校の知られざる戦い』(2015年、中公新書)、『モンゴル人の民族自決と「対日協力」:いまなお続く中国文化大革命』(2016年、集広舎)、『「中国」という神話:習近平「偉大なる中華民族」のウソ』(2018年、文春新書)など

今日の中国関係ニュースほか(5/21分)(追記・訂正あり)

 中国ネタを中心にいろいろ書いていくことにします。
■産経『中国、台湾統一へ威嚇と懐柔 汪洋*1政協主席「市場開放で同胞は利益」』
https://www.sankei.com/world/news/180606/wor1806060030-n1.html

 台湾側から出席した中国国民党の●(=赤におおざと)龍斌(かく・りゅうひん)*2副主席は汪氏と会談し、民主進歩党の蔡政権が認めていない「一つの中国」原則に基づく「1992年コンセンサス」に触れ、国民党は「確固不動」で堅持すると強調した。また中国が2月末に公表した台湾企業を優遇する31項目の措置が「双方の利益になると信じている」と評価した。

 蒋介石の国民党がここまで親中国化するとはねえ。
 その結果、過去、蒋介石を持ち上げ、民進党を無視していた産経は、逆に、今は民進党を「敵(中国)の敵は味方」とばかり持ち上げ、挙げ句の果てには、蒋介石を「228事件の責任者」として非難するまでになっています。


ニューズウィーク日本版『北極海支配まで狙う中国に、日本とロシアは雪解けで対抗せよ』楊海英
https://www.newsweekjapan.jp/youkaiei/2018/06/post-18.php

 中国は既に日本海で軍事演習を繰り返しているだけでなく、北上して北海道近海から北太平洋、そして北極海への進出を果たしている。中国の進出は日ロ両国にとって脅威であり、両首脳もその危機意識を共有しているはずだ。
(中略)
 日ロ両国は(ボーガス注:北方領土問題やシベリア抑留など)過去の因縁を清算して、ユーラシア外交を立て直す時が来たようだ。そうしないと早晩、北極海航路が中国の「シルクロード」となり一帯一路にのみ込まれかねない。

 まあロシアは楊の言う「中国封じ込め」なんかやる気はないでしょうし、楊もそんなことはわかってるでしょう。


■プレジデント『中国人の大後悔「日本移住は失敗だった」』
http://president.jp/articles/-/25286
 まあ半分は冗談でしょうが
1)今や日本より中国の方が景気はいい→中国にいた方が経済的には良かったのでは?
2)「日本人の人権」はともかく(中国人に限らず)「外国人の人権」の扱いって日本酷くねえ?、後進国じゃね?。こんなんだったら「人権的な意味でも」中国にいた方がましだったかもしれんわあ。外国移住する場合も「外国人に対して日本よりは好意的らしい」欧米でも目指せば良かったわ
つう話のようです。


■国基研『独自の国際標準を創造する中国』太田文雄
https://jinf.jp/weekly/archives/22874

 中国の人権活動家、劉暁波氏がノーベル平和賞を受賞するや、これに対抗して「孔子平和賞」をつくり、アジア開発銀行(ADB)の向こうを張ってアジアインフラ投資銀行(AIIB)を創設し、さらには人民元を国際通貨にしようとする動きと軌を一にしている。

 孔子平和賞をつくったのは中国政府ではありませんし、その社会的影響力もほとんどなく、「EU諸国が参加してる」AIIBや一帯一路と比較できるようなもんではありません。


■国基研『逆回転を始めた「一帯一路」』湯浅博
https://jinf.jp/weekly/archives/22878
 まあ、「一帯一路は全て大成功」でもないでしょうが産経が言う程失敗でもないでしょう。

 安倍晋三政権が国内政治の絡み*3から一帯一路構想に安易に乗るようなことがあれば、途上国の期待*4をも裏切ることになる。

 安倍が李首相を歓迎し北海道にまで同行したことはやはり産経にとって不快なことだったわけです。
 そしてこんなことを書く産経は「安倍の北海道行き」以来、安倍を「反中国の同志」などとは見なしてないのでしょう。


福島香織のツイート

福島香織リツイート
■林原チャンネル
‏ プレゼント企画実施中!林原チャンネルの討論番組「いわんかな」を観てどしどしご応募ください!林原健「日本企業はなぜ世界で通用しなくなったのか」(ベスト新書)を5名様へ!

 乱脈経営で会社を潰した人間がよくもまあ「日本企業はなぜ世界で通用しなくなったのか」なんて本が出せるもんです。鼻で笑います。なお、林原チャンネルとは、DHCのウヨ番組みたいなもんのようです。だから福島も付き合いがあるわけです。

■林原LSIサプリ
 林原健出版記念会開催されました!生演奏もあり豪華ゲストのご挨拶もあり盛況な会でした!そして林原健オリジナルレシピのサプリメントもいよいよ販売開始です〜(^。^)。壇上には浜田卓二郎*5社長と林原健氏。

 浜田卓二郎が社長って(苦笑)。なんかすごく経営がやばい会社のように思えますが。何せこの林原健氏、乱脈経営で林原を潰した過去がありますしねえ(ウィキペディア「林原」によれば、林原は2011年に会社更生法を申請し、化学専門商社長瀬産業の完全子会社になっている)。


■産経『「不幸な事件、民主主義への礎に」台湾・蔡総統、天安門29年で呼びかけ』
https://www.sankei.com/world/news/180604/wor1806040028-n1.html
 なんだかなあ、ですね。「中国にこびへつらえ」とまでは言いませんが、ぎくしゃくした関係をさらにギクシャクさせるようなことばかりやっていていいんでしょうか?。馬・前政権時代の中台友好をぶち壊すことしかしない蔡英文のバカさには心底呆れます。 
 一方で「マスコミ報道によれば」中国への対抗措置のつもりか、「蔡英文の馬鹿」はやたらトランプや安倍にこびてやがるし。まあ、ラビア・カーディルとかダライラマとかも、愚かにも、やたら日米のウヨ政治活動家にこびてるようですけど。


■I濱Y子ブログ『「独立」と植民地の間』

 チベットの歴史、文化、言語、政治体制、法律はすべて中国の王朝とは別個のものとして生成・発展しており、直近の中国の王朝である清朝からも布施はうけても税金はとられていなかったことを考えると、チベットは普通に独立しており、現在近代的な意味で「独立」していないことは非常に不条理であることは言を俟たない。

 不条理ねえ。「政治・文化的に違いがあるから独立してたも同然。今独立できないのは不条理」つうたら、島津藩に征服されていたとはいえ「琉球処分までは琉球王国だった」沖縄なんかも「今独立できないのは不条理」なんでしょうか?。
 それはともかく「ダライ猊下自治権拡充要求(いわゆる中道政策)を支持する」といいながらも「できればチベットには独立してほしい」つう気持ちがどうしてもモロバレになってしまう女史です。

猊下はそしてアメリカがチベットの抵抗ゲリラに対する支援をうちきった時、我々が武器や支援をどこからえるのか話合ったことを思い出した。彼は笑いながら、私が「アフガニスタンから武器を買おう」という向こう見ずな提案をしたことを指摘した
・私は猊下に、当時、ガリ・リンポチェと私がいかにフランスの情報機関に我々のネットワークに資金を提供させようとしていたか、わたしがいかに法王事務所によってパリにおくられたかを思い出させた。
・彼は思い出した。彼は私を指さして側近にこういった。
「でもこれらの計画は結局みな意味がなかった」
猊下、たしかに結果がでませんでした」と私は認めた。

 つうことで「チベット仏教は平和的だ」つうのはまるきり嘘の訳です。何せCIAの支援でゲリラ行為をやってるわけですから。


■産経【田村秀男のお金は知っている】中国の『一帯一路』問題は台湾に聞け 「平和攻勢どころか人を殺す。相手にしなくていい」
https://www.sankei.com/premium/news/180602/prm1806020008-n1.html
 「台湾に聞け」といっても出てくる人間は単なるアンチ中国ですからね。台湾の政財官界の主流は少なくとも「一帯一路」を全否定する立場ではないでしょう。そして自民党・安倍政権も日本財界も官僚も主要野党もそんな立場ではないわけです。日本政治において産経のような一帯一路否定論が政策化することはまずないでしょう。


日経新聞『印首相「中国との協力、アジアの利益」 アジア安保会議で講演』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31294540R00C18A6FF8000/
 最後に

 インド太平洋地域の安定には法の支配が重要と繰り返し指摘。名指しはしなかったが、南シナ海などで軍事的な影響力を強める中国をけん制した。

と書いていますが記事の大半は

 インドのモディ*6首相は1日夜、「インドと中国が協力することがアジアや世界のより良い将来につながる」と強調した。インドなど16カ国が交渉に参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP*7)については「インドは妥結に向け積極的に関与している」と述べた。シンガポールで1日開幕したアジア安全保障会議の基調講演で述べた。
 モディ氏は「4月に中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と強固で安定した関係を確認し合った」と説明し、アジアの平和と安定には2つの人口大国の協力が欠かせないとの認識を示した。

です。結局産経の言う「インドで中国封じ込め」なんてありえないわけです。


日経新聞
■遠鉄百貨店*8、中国スマホ決済導入
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30546850V10C18A5L61000/
遠州信金スマホ決済導入支援 店舗の中国人誘客で
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3128050001062018L61000/
■中国人観光客向けスマホ決済 天満屋、1日から岡山本店などで
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3121581031052018LC0000/

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30546850V10C18A5L61000/
 遠鉄百貨店(浜松市)は、中国のスマートフォンスマホ)決済サービス「支付宝(アリペイ)」と「微信支付ウィーチャットペイ)」を導入した。中国人旅行者の買い物の利便性を高め、販売増につなげる考えだ。
(中略)
 遠鉄百貨店の2018年2月期の免税売上高は前の期比13%増の1億1500万円。このうち中国人旅行者の買い物は65%を占めるという。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3128050001062018L61000/
 遠州信金によると浜松市を訪れる外国人観光客の約8割が中国人。ウィーチャットペイの導入の進み具合が、中国人観光客が行き先を決める一つの基準になりつつあるという。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3121581031052018LC0000/
 百貨店の天満屋は31日、中国で普及しているスマートフォンスマホ)決済サービス「支付宝(アリペイ)」「微信支付ウィーチャットペイ)」を導入すると発表した。6月1日から岡山本店(岡山市)とグループ会社の天満屋ストアなどで開始し、順次、拡大する。中国人旅行者を中心に、訪日外国人客の利便性向上につなげる考えだ。

 先日の安倍の李首相歓待の背景の一つがコレ(地方経済も中国人観光客を無視できない)です。


時事通信『中国、スワジランドに秋波=アフリカ最後の「台湾陣営」』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018060101287&g=int

 中国外務省の華春瑩・副報道局長は1日の記者会見で、アフリカで唯一、台湾と外交関係を維持する南部のスワジランド(最近エスワティニに改名)に対し、「中国とアフリカの大家族に一日も早く加わることを歓迎する」と述べ、中国と早期に国交を樹立するよう促した。

 スワジランドとしては
1)時流に乗って中国と国交樹立
2)あえて時流に逆らい、台湾からの多額の援助狙い
と2パターンあり得ますね。台湾にとって頭が痛いのは「スワジランドが民主国家じゃない」つうことです。国王独裁であり、だから「国名改名」なんてことも突然行われる。
 「中国と国交樹立します」がいつされるかわからないし、それを阻止するためには相当の見返りを要求される可能性もあります。


■産経『台湾が中国の人権活動家保護 日本行き希望』
https://www.sankei.com/world/news/180530/wor1805300049-n1.html

 台湾で対中政策を主管する行政院大陸委員会は30日夜、国連から難民認定を受けている女性人権活動家の黄燕氏(47)を保護したことを明らかにした。黄氏を支援している台湾の人権団体「関懐中国人権連盟」は産経新聞に対し、「黄氏は関係者を通じ日本への亡命を希望したが、成功せず台湾に来た」と述べた。

 「日本への亡命を希望したが、成功せず」云々というところが気になるところです。先日、李首相を大歓迎したし、安倍は人権問題には基本興味ないし「入国させるのは支障があるから、丁寧にお引き取り願ってもらえ(安倍)」みたいな話でしょうか。
 まあ、コレが安倍以外なら「日本への亡命を希望したが、成功せず、という発表が事実なら何という軟弱外交か!。我々は政府を批判せざるを得ない」というであろう産経も「だんまりですっとぼけ」でしょうねえ。


■産経【国際情勢分析】中露のはざま…「中央アジア親日国を」 専門家が説く積極外交の意義とは
https://www.sankei.com/premium/news/180531/prm1805310006-n1.html

 ウズベクの首都タシケント中心部には漢字で「孔子学院」と刻印された深紅の看板がある。05年、中央アジアで初めて開設された中国の教育・文化普及機関「タシケント孔子学院」だ。
 孔子学院の生徒、ザキロフ・アリムさん(17)は、「将来的に(日本よりも)中国の影響力の方が大きくなると見込んで中国語を学ぶことを選んだ」と話した。将来の進路は「中国留学して、中国語を生かした仕事をウズベク国内でやりたい」と語った。
(中略)
 田中氏*9は、ウズベクなど中央アジアではいま、「嫌々ながらでも中国についていくという力関係」の下で親中化が加速していると指摘する。だからこそ、「日本は経済、技術援助を含めた多面的な外交をプログラムを作っていかなくてはならない」。中央アジアに精通したエキスパートはこう、注文を付けた。

 産経らしい与太で吹き出しました。単なる親日国ならまだしも産経や「産経文化人・田中氏」が希望するような「日本のために中国とガチンコで激突するような中央アジアの国」などないでしょう。そこまで日本に肩入れしても何にメリットもないからです。


■産経『中国が李登輝氏の慰霊祭出席に反対 国務院の報道官「植民地統治の美化だ」』
https://www.sankei.com/world/news/180530/wor1805300020-n1.html
 李登輝が野合してる日本李登輝友の会http://www.ritouki.jp/index.php/about/board/)は小田村四郎(故人、拓殖大学総長)や田久保忠衛日本会議会長、国基研副理事長)、元谷外志雄アパグループ代表)などが役員を務めるウヨ団体ですからねえ。今李登輝がやることはほとんど全て「日本ウヨへのこびへつらい」といっていいでしょう。中国の思惑が何でアレ、「植民地統治の美化」という李登輝批判は全く正しいと思います。


■産経『中国、マレーシアと協力継続を希望 高速鉄道計画見直しで』
https://www.sankei.com/world/news/180529/wor1805290044-n1.html
 まあマハティールが何考えてるかよくわかりませんからね。「中止とぶち上げたものの実際は中国との間で再交渉したいだけで中止云々ははったり」なのか本気で中止するつもりかによっても話は変わってきます。いずれにせよ産経的な「中国敵視」などはさすがにする気はないでしょうが。


■産経『日中で5G周波数共有、中国が提案 日中韓情報通信相会合を前に』
https://www.sankei.com/economy/news/180527/ecn1805270006-n1.html

・中国との会談では野田*10総務相が「情報通信技術で政策課題を乗り越えていきたい。中国にとってもお役に立てる先進的な取り組みになる」とあいさつ。
・日中が共通の周波数を採用すれば、企業にとっては機器の開発がしやすくなるなどの利点があるほか、アジア各国での標準化が一気に進む可能性もある。

 先日の日中韓サミット以来産経らウヨの期待を裏切り続ける安倍政権です。 


朝日新聞『訪中のメルケル*11独首相、人権派弁護士の妻らと面会』
https://www.asahi.com/articles/ASL5V519QL5VUHBI010.html
■産経『李克強首相が人権問題でドイツと対話姿勢 劉暁波*12妻の解放議論か』
https://www.sankei.com/world/news/180524/wor1805240040-n1.html

https://www.asahi.com/articles/ASL5V519QL5VUHBI010.html
 24、25日に訪中したドイツのメルケル首相が、拘束されている中国の人権派弁護士の妻2人と24日夜に北京で面会していた。人権を重視するメルケル政権の姿勢を示した形で、ドイツへの出国を希望している、ノーベル平和賞受賞者の人権活動家故劉暁波(リウシアオポー)氏の妻、劉霞(リウシア)氏(57)の処遇にも注目が集まりそうだ。
 面会した1人は、2015年7月の人権派弁護士らの一斉拘束事件で逮捕され、唯一拘束が続いている王全璋弁護士(42)の妻、李文足さん(33)。もう1人は、今年1月に政治改革を求める公開書簡を発表して拘束され、4月に国家政権転覆扇動などの容疑で逮捕された余文生弁護士(50)の妻、許艶さん(35)。

https://www.sankei.com/world/news/180524/wor1805240040-n1.html
 中国の李克強首相は24日、訪中したドイツのメルケル首相と北京の人民大会堂で会談した。会談後の共同記者会見で李氏は、ノーベル平和賞受賞者で民主活動家の故劉暁波氏の妻、劉霞さん(57)が中国当局に軟禁されている問題について問われ、「人権に関する個別事案」について平等な立場でドイツ側と対話していく考えを示した。中国の指導者が人権問題の議論に前向きな姿勢を見せるのは異例だ。国内の支援者は、出国を希望している劉霞さんの解放につながる可能性があるとみて注目している。
(中略)
 支援者は、李氏が人権問題に言及したことについて「メルケル氏らドイツ側の多大な努力によるものだ」と評価。劉暁波氏の一周忌を迎える7月13日以降に劉霞さんが解放される可能性を指摘しつつ、「中国当局は劉霞さんの弟の劉暉氏を“人質”として国内に残し、海外での言動に圧力を加えることも考えられる」と語った。

 先日の李首相訪日時には安倍が触れず、李首相も語らなかったこと「人権問題(劉霞問題が中心)」について、訪中したメルケルがふれ、李首相もそれなりの対応をしたようです(もちろん経済交流の進展もあった)。まあ、これが安倍以外(例:民主党の鳩山、菅、野田首相)なら産経も「ホニャララ首相はなぜ李首相訪日時にメルケルのような態度がとれなかったのか」と批判するんでしょうけどねえ。安倍なので批判せずにだんまりです(苦笑)。


■産経『安倍首相、中国王岐山*13国家副主席と立ち話 北朝鮮問題での連携を確認』
https://www.sankei.com/politics/news/180526/plt1805260005-n1.html

 今年が日中平和友好条約40周年であることから、両国間の交流や経済分野の協力を進め、日中関係改善を加速させる考えで一致した。

ということで少なくとも当面は日中友好の安倍です。


■朝日(社説)蔡政権2年 中台間の安定のために
https://www.asahi.com/articles/DA3S13503505.html?ref=editorial_backnumber

 安全保障環境を不穏にしている第一の責任は中国にあり、習近平(シーチンピン)政権がそれを改めねばならない。

 とは小生は全く思いません。馬前政権時には中台関係は安定していました。中台関係を不穏にしている第一の責任は

 台湾にあり、蔡英文政権がそれを改めねばならない。

でしょう。昨今の日本メディアの中国敵視にはほとほと呆れます。
 とはいえこうして中国に不当な非難を加える朝日ですら産経などとは違い

 ただ一方の蔡氏も、これまでの抑制的な姿勢を崩すべきではない。「強い軍隊」の方針を表明し、トランプ米政権の支援を求めているが、軍拡競争では持続的な安定は築けない。
 蔡氏が維持してきたのは、中国と台湾という異なる体制が存在する「現状」であると同時に、台湾が独立を宣言しない「現状」でもあったはずだ。
 経済も軍事も肥大化する中国を前に、台湾が何もしなければ現状を維持できず、中国にのみ込まれてしまうとの危機感があるのは理解できる。
 しかしだからといって、自ら現状を変えるかのような言動で緊張を高めては、展望はひらけない。蔡氏自身、「力くらべ」には意味がないと認めている。

としている点は評価できます。
 しかし

 むしろ台湾がめざすべきは、中国にない自由と民主主義を実践する政治の強靱(きょうじん)さを世界に示し続けることだろう。
 政権交代が当たり前になり、経済的繁栄と現状維持を志向する民意を尊ぶ台湾社会の成熟ぶりを、国際社会は認めている。中国もそれを力でつぶすことは決して出来ないはずである。

という最後の落ちは「はあ?」ですね。台湾が民主主義であろうとなかろうと中国は攻めてこないでしょう。欧米の制裁など予想されるデメリットが大きすぎるからです。
 そもそも1950年代はともかく1960年代以降は一度も中国は台湾侵攻などしていません。もちろんその頃の台湾は蒋介石独裁で民主主義ではありません。
 「米国の支援もあって台湾軍事制圧は困難」「そんなことしなくても、『一つの中国』で大陸中国を唯一の正統政府とすればいい」という路線を1960年代以降ずっととってきた中国が「軍事侵攻路線」に転換することは「絶対にない」とまではいえずとも考えがたいことです。そうしたことを考えてないからこその「ドミニカやブルキナファソとの最近の国交樹立」でもあるでしょうし。
 「軍事侵攻なんかしなくても台湾を牽制すること」はいくらでもできるわけです。


■産経【外交安保取材】李克強首相「風雲は過ぎ去った」と言うが‥再び彼らの船はやってきた(政治部 原川貴郎)
https://www.sankei.com/premium/news/180524/prm1805240005-n1.html

 中国の李克強首相(62)が今月8日から11日まで公賓として来日した。中国首相の公式訪問は実に8年ぶりで、政財界は両国関係の改善ムードを盛んに演出した。李氏も安倍晋三首相(63)との日中首脳会談で「両国は風雨を経て曲がり道をたどったが、風雲は過ぎ去り晴れ空となった」との表現を用い、「今回の自分の公式訪問により、両国関係は正常な軌道に戻った」と強調した。
(中略)
 8日に来日した李氏は、9日に東京で日中韓サミットと日中首脳会談や安倍首相主催の晩餐(ばんさん)会に出席し、10日は財界が主体の歓迎レセプションで「両国の指導者の定期的で正常な交流は両国の関係発展のためにもよい条件を整えることができる」とあいさつした。
 公式訪問の最終日の11日は、北海道内を慌ただしく移動した。
 午前中は札幌市内で開かれた日中知事・省長フォーラムで講演し、その後、電気自動車(EV)などの先端技術を視察するため、苫小牧市トヨタ自動車北海道の工場を訪れた。現地では「熱烈歓迎」の横断幕と両国旗の小旗を手にした従業員約450人の出迎えを受けた。
 安倍首相は李氏に同行し、昼には恵庭市内で食事会を開いて北海道産の魚介料理でもてなすと、午後の日程を変更して、特別機で帰国する李氏を新千歳空港まで見送った。
 首相が外国要人の地方訪問に同行することは異例で、それ自体が厚遇ぶりを示していた。
(中略)
 10日の歓迎レセプションで李氏は両国関係の今後についてこうも語った。
 「先ほど安倍首相がいわれたように、中日関係はここから新たな出発点に立ち、正常な軌道に戻るという基礎の上で新たな発展を遂げ、かつ長期的に安定した発展を維持しなければならない」 
 日中関係の安定的な発展と、それに向けた両国首脳の熱意を否定する人*14は少ないだろう。ただ、言葉に実態が伴わなければ単なる政治・外交の演出に終わり、指導者と国民の認識のギャップが広がるだけの結果になりかねない。

 安倍を「中国にこびるなんて失望した、この裏切り者!」などとはさすがに安倍を罵倒しないものの先日の「李首相歓迎」について相当、産経が不満を持ってることがうかがえます。


時事通信ブルキナファソ、台湾と断交=中国と国交締結へ』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018052401285&g=int
■産経『台湾また断交 今度はブルキナファソ
https://www.sankei.com/world/news/180524/wor1805240047-n1.html
■産経『中国、台湾の蔡英文政権への露骨な圧力で“アフリカ統一”に王手 台湾と外交関係、残り1国に』
https://www.sankei.com/world/news/180529/wor1805290012-n1.html

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018052401285&g=int
 台湾メディアによると、アフリカのブルキナファソは24日、台湾と断交した。ブルキナファソは中国と国交を締結する見通し。
 中米ドミニカ共和国も1日、台湾と断交しており、今月に入って2カ国目の断交となる。これにより、台湾が外交関係を有する国は、18カ国*15に減った。

https://www.sankei.com/world/news/180524/wor1805240047-n1.html
 蔡氏は4月17〜21日、アフリカのスワジランドエスワティニ)を訪問。それに合わせてブルキナファソへの訪問も打診したが実現せず、台湾の外交部(外務省に相当)は、「国際会議があるとの理由で調整が付かなかった」と説明。呉●(=刊の干を金に)燮外交部長(外相)はドミニカ共和国との断交直後、残る19カ国との外交関係は「全て安定している」と述べていた。
 台湾が1カ月以内に2カ国と断交するのは李登輝政権下の1998年1月以来で、蔡政権は「断交ドミノ」と言える状態に陥りつつある。米国のルビオ上院議員は今月中旬の議会公聴会で、パラグアイが断交の可能性があると警告している。

 蔡英文政権が馬前政権の対中国外交を否定するかのような言動をとってからの中国の対抗措置が止まりませんね。
 しかし

https://www.sankei.com/world/news/170126/wor1701260028-n1.html
■産経『中国、台湾との断交提案 ブルキナに5兆円示す “金銭外交”露呈』
 バリー外務・協力・在外ブルキナファソ人相がこの問題を明らかにし「台湾はわれわれの友人であり、(金銭供与で)外交関係を見直すことはない」と語った。

といっていたくせにブルキナファソもずいぶん酷いもんです。


■【産経抄】5月24日
https://www.sankei.com/column/news/180524/clm1805240003-n1.html

 別れ際、毛主席は田中*16首相に「楚辞集注」を贈った。中国古代の憂国詩人、屈原らの作品を集めた『楚辞』に注釈を付けたものだ。理由についてさまざまな説がある。その一つは「迷惑」の語源を示した、というものだ。
「わが国が中国国民に多大なご迷惑をおかけした」。
 歓迎夕食会での田中首相のスピーチに、中国側が猛反発する場面があった。田中首相は帰国後、中国の古典をまとめた『新釈漢文大系』で調べたという。「迷惑」については、こんな記述が見つかった。
▼「慷慨(こうがい)して絶(た)たんとして得(え)ず、中●乱(ちゅうぼうらん)して迷惑(めいわく)す」。
 迷惑は中国では、単に「迷い惑う」の意味だった。反省する時に使う言葉ではない、と毛主席は言いたかったのか。中国の指導者の真意を忖度(そんたく)するには、やはり『新釈漢文大系』は欠かせない。ちなみに「忖度」は、中国最古の詩集『詩経』に「他人心有(たにんこころあ)れば 予之(われこれ)を忖度す」として登場する。
●=矛の右に攵、下に目

 そうした説の一つとして「かなり長い」ですが、後で、矢吹晋*17説および「矢吹氏が紹介する諸説」を紹介しておきます。
 ちなみに「矢吹説=産経が紹介する『迷惑・語源説』」です。
 まあ真偽はわかりませんし、「ストレートにものを伝えず」真偽を曖昧にするのが当時の(いや今もか?)中国の外交手法だったのでしょう。
 矢吹説にせよ他の説にせよ「回りくどいやり方」ではあります。
 なお、矢吹氏が批判する説の内、「中国が田中を侮辱した」とする安岡正篤説(この説だけが中国に敵対的な説です)だけはまともに相手をする必要はないでしょう。安岡は右翼の大物で「岸、佐藤兄弟など自民党台湾ロビー議員」とつながりがあったとされる台湾ロビーだからです。明らかにためにする言いがかりでしょう。

参考

安岡正篤(1898〜1983年:ウィキペディア参照)
・1927年(昭和2年)酒井忠正*18伯爵の援助により「金鶏学院」を設立。「二・二六事件で死刑判決となった右翼活動家・西田税に影響を与えた一人」とも言われる。北一輝大川周明*19の設立した右翼結社・猶存社のメンバーでもあった。
井上準之助*20前蔵相、三井財閥総帥・團琢磨を暗殺した血盟団事件に「金鶏学院」の関係者が多く連座したため安岡も一時関与を疑われた。血盟団事件の首謀者・井上日召は、「血盟団事件の検挙の発端は、金鶏学院への波及を恐れた安岡が当局に密告したため」と、戦後に主張している。
第二次世界大戦中には1944年(昭和19年)より大東亜省顧問として外交政策に関わったとされる。ただし大東亜省顧問として、具体的に何に何処まで関与したかはほとんど明らかにされていない。
玉音放送の内容について、大まかな内容は内閣書記官長・迫水久常*21が作成し、8月9日以降に漢学者・川田瑞穂(内閣嘱託)が起草、さらに14日に安岡(大東亜省顧問)が推敲して完成したとされる。
・1946年(昭和21年)に、かつて安岡が創設した「金鶏学院」等の団体は連合国軍最高司令官総司令部GHQ・SCAP)により解散を命じられ財産は没収、安岡自身も公職追放される。しかし1950年(昭和25年)に公職追放解除。
・1958年(昭和33年)には岸信介*22、安倍源基*23、木村篤太郎*24らとともに「新日本協議会」を結成、安保改定運動や改憲運動などに関わった。「体制派右翼」の長老として政財官界に影響力を持ち続けた。
・池田*25派の「宏池会」という名前は中国の古典を元に安岡が命名したものだといわれる。池田勇人の「池」の字、池田の出身地である広島の「広」を「宏」に掛けているともいわれる。
岸信介以降の「田中角栄三木武夫*26を除く」大平正芳までの歴代首相(池田勇人佐藤栄作*27福田赳夫大平正芳)が施政方針演説の推敲を依頼していたと言われる。
・1983年(昭和58年)12月13日逝去。享年85。葬儀は1984年(昭和59年)1月25日に青山葬儀所で、葬儀委員長が岸信介、同副委員長が稲山嘉寛*28、大槻文平*29で行われた。政界からは当時の首相・中曽根康弘*30を始め、田中角栄福田赳夫*31鈴木善幸*32の各歴代首相が参列した。
渡部恒三*33によると、「平成」の元号は安岡の案であったと竹下首相が述べたという。
 しかし内閣内政審議室長(当時)として新元号選定に関わった的場順三によると、「平成」を提案したのは、東洋史学者で東京大学名誉教授の山本達郎であるという。
 的場は、「『平成』の考案者は安岡氏という誤った説も広まっていたので、歴史の真実を歪めないためにも、新元号選定の経緯を明かすようになりました。」と述べている。

http://www.21ccs.jp/china_quarterly/China_Quarterly_01.html
 当時の新聞は次のように解説した。
 <北京の日中関係筋によれば、二七日、毛主席が田中首相に『楚辞集註』六巻を贈ったことには、三つの意味があるとみられている。一つは、中国古代の憂国詩人屈原の作品『楚辞』にちなんだことで、日本国民のために決然として訪中した田中首相愛国心をたたえた。
 次には、田中首相が訪中にあたって漢詩を作ったことをきき、中国の作法として客人の関心があることに答えた。もう一つは、キッシンジャー*34米大統領補佐官が訪日して「なぜ、そんなに訪中を急ぐのか」と言ったのに対して、田中首相が「日本と中国の関係は、米中の付き合いよりはるかに古い」と答えたことを中国側もよく知っている。そこで「その通りである。再び古い時代から深かった友情を復活しましょう」という気持ちをこめたと解釈されている>(『朝日』9月28日)。
 日中関係筋なる筋がどのような筋なのかその詮索はさておき、以上の三説はいずれもほとんど説得力を欠いたこじつけではないかと思われた。三説を仮に(1)田中の「愛国心称賛」説、(2)中国流の「作法」説、(3)日中関係説と略称しよう。
 それらの解釈は正鵠を射たものか。まず(1)田中の「愛国心称賛」説だが、『楚辞』は中国の戦国時代、楚国の政治家・詩人屈原(紀元前340年ごろ〜278年ごろ)の作品とその後継者宋玉らが屈原にならって作った作品を集めた辞や賦からなる。漢代の劉向が編集したといわれる。『楚辞集註』は宋代の儒者朱子が注釈を加えたものだ。毛沢東が田中の愛国心を評価したのは事実であるとしても、それを評価するのになぜ『楚辞集註』でなければならないのか。その根拠が薄弱ではないか。
 (2)中国流「作法」説もおかしい。和歌を贈られた場合に「返歌」があるように、漢詩を贈られたならば、漢詩(あるいはそれに類するもの)をつくって返礼とするのが中国文人の作法であるはずだ。田中の漢詩に対して、古人の「辞賦」を贈るとは奇怪な返礼ではないか。
 もしお手本ならば『唐詩三百首』に如くはない。つまり、作法説も説得力を欠いている。
 (3)日中関係と米中関係の「古さの比較」説も説明にならない。日中両国の文化交流が近代の移民国家米国との交流よりもはるかに古いことは、『楚辞集註』を引合いに出さずとも自明であろう。この変種はソ連「脅威」説である。たとえば『毎日』夕刊のコラム「近事片々」は言う。
 <楚辞集註六巻。田中首相への「屈原のような愛国者」という賛辞を意味するだけのものだろうか。屈原は、大国秦の脅威に楚と斉の合従を唱えた忠臣。毛主席は現代の秦を暗示したのかもしれぬ>(9月28日)。
 コラム氏によれば、「大国秦」とは「米国」ではなく、「ソ連」である。毛沢東周恩来が「ソ連の脅威」を意識してニクソン*35や田中を招聘したことは、確かな事実である。しかしソ連を示唆するために『楚辞集註』とは、やはり迂遠ではないのか。
 要するに、これら三つの説は、いずれもただちに反証の挙げられそうな憶測にすぎない。にもかかわらず三〇年後の今日、いまなお広く行なわれているようだ。たとえばこれらの憶測を踏まえて、中国の元大阪総領事王泰平は『大河奔流』(奈良日日新聞社、2002年、177頁)を書いて、前記の朝日と同じ三つの説を披瀝している。
 さらに田中訪中三〇年を期して、横堀克己(元朝日新聞論説委員)は、この会談に通訳あるいは書記として同席した王效賢、林麗?をインタビューして、こう書いた。
 <なぜ『楚辞集註』を贈ったのか。さまざまな憶測が流れた。「屈原に引っかけて、国民の利益のため決然として訪中した田中首相愛国心を称えたのだ」という見方もあった。真相はよく分からない。しかし「主席はこの本が大好きだったからに違いありません」と王[效賢]さんはみている>(「毛・田中会談を再現する」『人民中国』二〇〇二年九月号、その後『日中国交正常化・日中平和友好条約締結交渉』石井明*36、朱建栄*37、添谷芳秀*38、林暁光*39編、岩波書店、2003年所収)。
 毛沢東が『楚辞集註』を愛読していたのは事実だが、書物中毒を自称する毛沢東にとって愛読書は枚挙にいとまのないほど多いことは、田中・毛沢東会談を写した書斎風景から一目瞭然だ。これら汗牛充棟の「愛読書群」のなかから、『楚辞集註』が選ばれた理由の説明が必要ではないか。インタビューを終えて横堀はその理由は三〇年後の今日なお「真相はよく分からない」と記した。この説を仮に(4)毛沢東の愛読書説と名付けておこう。
安岡正篤の「角栄はなめられた」説
 以上のほかに、(5)田中は「なめられた」説を的場順三*40著『座して待つのか、日本人』(ワック株式会社、2000年)が説いている。的場は、元大蔵省官僚、のち大和総研理事長である。この本に曰く<田中総理と同行した大平*41外務大臣毛沢東に会ったとき、『楚辞 』という本をもらったものの、これは正義を主張したあまり、国を追われて汨羅の淵に身投げして死んだ楚の屈原をモデルにしたものだ><一国の首相にそんな本を渡すのはたいへん失礼な話で完全になめられていたのである>。
 的場の本は誤りだらけだ。まず贈物は『楚辞』ではなく、朱子が編集した『楚辞集註』である。この贈物を受けたのは大平外相ではなく田中その人である。問題はその解釈だが、「一国の首相にそんな本を渡すのはたいへん失礼な話で完全になめられていたのである」と的場は憤るが、読者にはなぜこの贈物が「失礼な話」になるのか、まるで分からない。実は的場はもう一つの話と取り違えているのだ。
 四日間にわたる日中首脳会談の締めくくりになる第四回会談で周恩来が「言必信、行必果」の六文字を毛筆で書いて田中に手渡した。「言は必ず信じ、行は必ず果断」、すなわち言ったことは必ず信じて、果断に実行する、の意味だ。周恩来は田中に対して、中華民国との断交など一連の約束を誠実に実行されたいと念を押したわけだ。これに対して田中は「信は万事の元」と墨書して返礼した(『朝日』9月29日ほか各紙)。「なめられた説」は、この六文字の出典が『論語子路』であり、この句に続く文字は「然小人哉」であることに由来する。後続の六文字について安岡の加えたコメントが政財界で広く流布された。すなわち周恩来が日本側に対してこの揮毫を示したのは、「石をカチンカチンたたくような、堅苦しくつまらない小人」と周恩来が田中、大平を見下したとする解釈だ。安岡は一八九八年大阪市生まれ。東京帝大法学部卒。東洋政治哲学・人間学の権威とされる。二〇代後半から陽明学者として政財界、陸海軍関係者に知られ、財団法人金鶏学院、日本農士学校を創立、東洋思想の研究と後進の教育に従事。戦後、師友会を設立。一九八三年一二月一三日逝去。平成の年号の考案者といわれた。台湾ロビーの理論的指導者安岡にとって日中国交正常化は間違った選択であり、揶揄の対象にすぎなかった。周恩来にとって日中国交正常化とは、日本が中華民国政府と断交し中華人民共和国との国交を樹立することであったから、この点を念を押したのは当然だ。まさにこれに反対する観点から安岡ら台湾ロビーの反対活動が行なわれた。その際の児戯にも似た揚げ足とりを元大蔵省高官が得々と説いているのは、一知半解の見本だ。
 その後、中国側はしばしば「言必信、行必果」を繰り返したが、そのたびに日本の台湾ロビーたちは、「日本が「小人」と見下された」と反発した。さすがの周恩来も日本の台湾ロビーが『論語』の片言隻語をもって周恩来外交に逆襲しようとは予想していなかったようだ。的場順三のしったかぶりは安岡説の亜流にすぎないが、この俗説を信ずる者が政財界で意外に多く、中国コンプレックスを裏書きしているように思われる。
 以上、五つの憶測を紹介したが、そのどれをみてもまるで説得力に欠けるというのが私の実感だ。私自身は過去四〇数年毛沢東の書いたもの、話したものを折に触れて読む研究生活を続け、今春勤務先を定年になった。私の毛沢東イメージからすると、この人物は由来、目的の曖昧な行動をとった試しがない。
 「有的放矢」(すなわち的を定めて矢を放つ)。
 これが毛沢東のやり方なのだ。田中に『楚辞集註』を贈るからには、もっと明確なメッセージが含まれているはずに違いない。これが私の直感であった。
(中略)
 <田中首相のあいさつの途中、一区切りごとに拍手を送っていた中国側が、拍手をすっぽかすくだりがいくつかあった。中国国民に「迷惑」をかけたといったときがそうだった。同じことを周首相のあいさつは「災難」と表現した。それを、軽々しく「迷惑」くらいのことではすまされない、という不満の意思表示ではなかったろうか>
 これは同行した西村秀俊社会部員の観察だ。演説の途中でこの微妙な雰囲気をとらえた記者感覚は鋭い。
(中略)
 二六日午後に田中は食欲を失うほどの問題に直面する。
 日本外務省記録(国交正常化当時の記録を改めて昭和六三年九月に執務資料としてタイプしたもの。なおその後情報公開法に基づいて公開されたものも内容は同一) によれば、周恩来は前夜に行われた田中のスピーチについて、冒頭こう述べた。
 <日本政府首脳が国交正常化問題を法律的でなく、政治的に解決したいと言ったことを高く評価する。戦争のため幾百万の中国人が犠牲になった。日本の損害も大きかった。われわれのこのような歴史の教訓を忘れてはならぬ。田中首相が述べた「過去の不幸なことを反省する」という考え方は、我々としても受け入れられる。しかし、田中首相の「中国人民に迷惑(添了麻煩)をかけた」との言葉は中国人の反感をよぶ。中国では添了麻煩(迷惑)とは小さなことにしか使われないからである>
(中略)
 (ボーガス注:帰国後の)記者会見で田中は迷惑問題について、こう述べた。外務省の記録(アジア局中国課が昭和六三年九月に執務資料としてタイプしたもの)には次のように書かれている。
 <私は、千数百万人に迷惑をかけたという事実に対しては「ご迷惑をかけました」と言った。「ご迷惑」という言葉は婦人のスカートに水がかかったときに使うのだそうだが、そういう迷惑という感じを、そういうことをお互いにみんなブチまけあった。(中略)「両国には長い歴史がある。日本が戦争をしたということで大変迷惑をかけたが、中国が日本を攻めてきたことはないかと研究してみたら、実際にあった。三万人くらいが南シナ海から押し渡ってきた。しかし台風に遭って(笑い)日本に至らず、本土に帰ったのは四五〇〇人であったとこう書物は教えている(笑い)。また、クビライの元寇というのがあった。日中間にはいろいろなことがあった。過去というよりも、みんな新しいスタートに一点をしぼろうということだった>(竹内実*42編『日中国交基本文献集』下巻、蒼蒼社、1993年、211〜224ページ)。
 記者会見の行なわれた自民党両院議員総会では迷惑問題は次のように報告された。
 <一日目の会談では問題は何もなかったが、その晩の宴会で、日本政府の態度表明として、六五〇名から七〇〇名を前にして「戦前大変ご迷惑をかけて、深く反省している」と言った。これに対し中国側は、「ご迷惑とは何だ、ご迷惑をかけたとは、(ボーガス注:中国語においては)婦人のスカートに水がかかったのがご迷惑というのだ」と言った。中国は文字の国で本家だが、日本にはそう伝わっていない。こちらは東洋的に、すべて水に流そうという時、非常に強い気持ちで反省しているというのは、こうでなければならない。これについては毛主席との会談でも、(主席は)「ご迷惑の解釈は田中首相の方がうまいそうですね」と言っていた>(時事通信政治部編『ドキュメント日中復交』時事通信社、1972年、201ページ)。
 この田中報告の核心は二つである。一つは、「迷惑」の日本語の意味が中国語と異なる点を指摘したこと、もう一つは、日本語の「メイワク」とは、「非常に強い気持ちで反省しているときにも使う」という田中の日本語感覚の披瀝である。
(中略)
 この本のなかに「迷惑」の二文字が書かれているからではないのか。毛沢東は、田中の用いた「迷惑」を中国語の文脈ではこのように使う。その証拠を示すために『楚辞集註』を差し出したのではないか。
(中略)
 ちなみに『魏志倭人伝』に卑弥呼が「鬼道にえ、衆を惑わす」と評されていることを想起したい。中国語の「迷惑mihuo」は、『楚辞』や『魏志倭人伝』の時代から意味が変化していない。現代中国語においても、『楚辞』と同じ意味で用いられている。これが田中のいう「メイワク」とどれだけかけ離れたものであるかは容易に理解できよう。毛沢東は、田中の用いた「迷惑」を中国語の文脈ではこのように使う、その証拠を示すために『楚辞集註』を差し出したのではないか。
 ちなみに現代中国語の文脈で「迷惑」がどう使われているかを考えるために、ある友人が『人民日報』のDVD(1946〜49年)を調べたところ、「迷惑敵人」(敵を惑わす)、「迷惑群衆」(大衆を惑わす)といった使い方が散見された。ゲリラ戦争において、敵を惑わして成功した話や敵側が味方の大衆を惑わした、といった使い方がこの時期には目立った。
 田中・毛沢東会談の雰囲気を物語る資料として、訪中直後に二階堂官房長官が語った記者会見の「補足発言」を念のためここに引いておきたい。<毛: ところで、田中総理が、中国国民に「迷惑」をかけましたといったので、迷惑ということばがいろいろ問題になっているようですね。彼女はじめ若いものがうるさいんですよ(前に坐っていた毛主席の通訳でニューヨーク生まれの女性をさして)。
周総理: 彼女は英語が分かるから、二階堂さんがお得意の英語で説明なさったら・・・・。
田中: 日本では迷惑をかけたということは、二度とふたたびやりませんということです。心から詫びていることなんです。
毛: 私はわかりましたから、あとは外務大臣同士で、いいものをつくってください。(私はまた迷惑論議がはじまるのかと思っていたら、それだけでした。ここでは田中総理も毛主席にていねいに説明していました)>(「毛沢東主席とわが総理の会話全録音」『週刊現代』1972年10月19日号)。
 ここで二つの注釈が必要であろう。二階堂*43長官が紹介した会談における廖承志についての言及である。<毛沢東: もうケンカは済みましたか。ケンカをしないとダメですよ。
田中: 周首相と円満に話し合いました。
毛沢東: ケンカをしてこそ、初めて仲良くなれます。(廖承志氏を指しながら)かれは日本で生まれたので、こんど帰るとき、ぜひ連れてかえってください。
田中: 廖承志先生は日本でも有名です。もし参議院全国区の選挙に出馬すれば、必ず当選されるでしょう>(『ドキュメント日中復交』)
 ここでいきなり廖承志(中日友好協会会長)が話題になるのはなぜか。毛沢東の指摘のように、廖承志は日本生まれであり、当時の中国で最高の日本通であった。「江戸っ子」を誇る中国人であり、そのベランメエ調はかなり有名であった。
 日本語「メイワク」の含意の鑑定役をつとめたのが廖承志ではないかというのが私の推測である。第二回会談の冒頭で周恩来が「メイワクは軽すぎる」という中国側関係者の不満を体して問題を提起したのに対して、田中は「万感の思いを込めておわびする」ときにも迷惑を使うと反論した。田中のこの反論をどのように理解するのか。生半可な日本語通訳には荷が重すぎる課題であったはずだ。いわんや日本通の大学者郭沫若が「迷惑」に疑問を呈している。
 しかしこの問題は、日本で生まれ、日本の風俗習慣を深く理解する廖承志にとっては、難しい問題ではなかった。周恩来から迷惑をめぐるトラブルの経緯を知らされた毛沢東はさっそく廖承志を呼び寄せて、廖承志の判断を求めたのではないか。廖承志がどのような判断を示したかを直接的に知る資料はないが、田中がメイワクを用いたのは、「誠心誠意的謝罪」の意味だと毛沢東に説明したはずである。「廖承志は日本生まれだから、日本に連れ帰ってほしい」という発言はいかにも唐突だ。しかし、日本通をもってなる「大学者」郭沫若の権威を否定できるほとんど唯一の証人が廖承志なのだ。
 大胆な推測と非難されかねないが、もし廖承志が毛沢東と田中の間の「真の通訳」を果たしたことに対する毛沢東の評価を意味するものと解すれば、ケンカの話がいきなり廖承志を日本に連れ帰る話につながるのは、きわめて自然だ。つまり毛沢東は、日本人と同じように深く日本文化を理解する廖承志という男が「私とあなたの間の心の通訳を果たしたのですよ」と示唆したのではないか。
 もうひとつの課題は、「『楚辞集註』のタイトルは近代の書法家沈尹黙が書いたもの」と説明したことの意味である。名書家沈尹黙の書は著名であり、周恩来も自宅と事務室の双方にその書を掲げていたほどであるから、その場で『楚辞集註』の文字を見ただけでも、沈尹黙の書であることを識別できたはずだ。しかし、二階堂の問い合わせに対して、周恩来が即座に「この贈物の件を記者に話してよい」と答えていることは何を物語るのか。毛沢東が田中への贈物をこの書物に決めていたことを周恩来はあらかじめ知らされていたことを示すものと解してよいであろう。
 重ねて大胆に推測するが、廖承志から「メイワク」と「迷惑mihuo」の差を聞いて『楚辞集註』を贈物とすることを思いついた毛沢東が、その意向をあらかじめ周恩来に伝えておいたとみるのが自然であろう。周恩来がさりげなく沈尹黙の名に言及していることも意味深長である。沈尹黙は青少年時代に二度も日本に遊学しており、さらに抗日戦争期における行動も含めて、この人物もまた中日文化交流の深さを体現する人物の一人であるからだ。こうして『楚辞集註』という贈物は、日中両国文化の交流と摩擦を象徴するものとして選ばれたのではないかというのが筆者の新解釈である。
 それだけの深い意味を込めた贈物の意味をなにも説明せずに手渡すとは不可解だ、筆者の新解釈への不満の声が聞こえてきそうだ。だが、これこそが「文明の作法」なのだ。あえて説明を加えるのは野暮というもの、日中双方がいずれは気づくことを期して黙って手渡したものと解してよい。まことに「東洋的」な優雅な作風ではないか。これは田中が「東洋的に」を強調したことに対するお返しなのだ。
 田中・毛沢東会談を頂点とする一連の日中会談において、日中戦争に対する日本側の謝罪の意図は田中によって明瞭に述べられ、中国側は田中の真意を正確に理解した。こうして「メイワク」「迷惑mihuo」問題および日本の謝罪の問題について日中双方は共通認識に到達したのであった。すなわち「メイワク」と「反省」から出発した田中の謝罪が、「メイワク」は「添麻煩」と訳されるべきものではなく、「誠心誠意的謝罪」と翻訳し直されたことが一つである。その趣旨を体して日中共同声明においては、「日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」と明記されたのであった。
 田中・周恩来会談と田中・毛沢東会談の核心をこのように読み直す私の読み方からすると、当時の時点でこの流れを最も正確に理解しつつ、適切なコメントを発表したのは、歴史家萩原延寿*44の解釈であった。<二五日の人民大会堂での招宴のさい、田中首相が述べた「御迷惑をおかけした」という表現は、おそらく日本のある種の国内事情を考慮、ないし反映しての作文なのであろうし、その上に「多大の」という形容詞が附せられていることもたしかだが、やはりあいまいという印象はいなめず(中国語になおすとあいまいさは増加するらしい)、むしろあそこで率直かつ簡潔に、ひとこと「謝罪する」とはっきり述べたほうがよかったように思う。>
 ここまでは普通の論者と異なるところがない。萩原の洞察力が冴えるのは、次のコメントである。<「謝罪する」ということは、公表されない交渉の過程で日本側の口からから出たことなのかもしれない。いや、おそらく出たものと考えたい>(『中央公論』1972年11月号)。
 萩原が願望を込めて、このように記したことを田中は実行していたわけだ。
(中略)
 実は外務省の担当者には、そのような認識がまるでなかったように見える。国交正常化20年を記念して、NHKがインタビューしたとき、訪中当時中国課長として同行した橋本恕(のち中国大使)はこう証言している(1992年9月27日放映、のち『周恩来の決断』1993年、NHK出版所収)。
 『「迷惑」を「麻煩」と訳したのは、誤訳ではなかったか』という記者の問いかけに対して、橋本はこう答えている。
 「決して翻訳上の問題ではなく、当時の日本国内世論に配慮したギリギリの文章であった」と述べている。<私は何日も何日も考え、何回も何回も推敲しました。大げさに言えば、精魂を傾けて書いた文章でした。もちろん大平外務大臣にも田中総理にも事前に何度も見せて、「これでいこう」ということになったんです>(152ページ)。
 日本語の「迷惑」を用いることについて橋本が精魂を傾けた事情は理解できることだ。だがここで問われているのは、日本語の原文そのものではなく、それをどのように訳したかなのだ。
(中略)
 問題は橋本が自信をもって「決して誤訳ではない」と保証したことの悪影響であろう。誤訳のゆえに「麻煩」と訳したのならば、酌量の余地はある。しかし確信をもって「麻煩」と訳したのならば許せない。おそらくこれが大方の中国人の気持ちではないか。
(中略)
 中国において「迷惑」の意味が『楚辞』の時代から現代に至るまで変化していないことはすでに繰り返し指摘した。日本では、たとえば『平家物語』(鎌倉前期)あたりまでは、中国から輸入した意味で用いていた。『岩波古語辞典』(1262ページ)には、「迷うこと、とまどうこと」の意味で用いた例として、『平家物語巻5 咸陽宮』から「皇居に馴れざるが故に心迷惑す」を引いている。
(中略)
 田中角栄が必死に弁明したのは日中の意味の違いであった。以上の例文調べから「迷惑」は日本でも『平家物語・巻5』の例文が示すように、鎌倉前期あたりまでは中国と同じ意味で用いていたこと、しかし鎌倉末期にはすでに含意が現代日本語のそれと似たものに転化していたことが知られる。むろんこれは「日本語のなかの漢語」としての意味の変化である。日本文化に特有ないわゆる漢文訓読、すなわち中国語の古典を「部分的にひっくり返してあたかも日本語であるかのように読む」世界では、中国語「迷惑mihuo」と同じ意味で読み続けたことはいうまでもない。
(後略)
(本稿は今年1月26日に行なわれた横浜市立大学最終講義「日中誤解はメイワクに始まる」に大幅加筆したものである。なお最終講義草稿の中国語訳は「田中角栄毛沢東談判的真相」のタイトルで『百年潮』2004年2月号に発表された)


■産経【正論】中国の「関与」が米朝会談を壊す 文化人類学者 静岡大学教授・楊海英*45
https://www.sankei.com/column/news/180518/clm1805180004-n1.html

 中国の露骨な内政干渉と革命思想の輸出を「危機」と見なした青年軍人はクーデターを発動し、華人共産党員らを武力で排除する「九・三〇事件」が勃発。
 犠牲者は数十万とも100万ともいわれているが、中国政府による過剰な内政干渉と、華人による経済的利権の独占が事件の要因であったことはほぼ定説*46となっている。

 おいおいですね。そんなことで「犠牲者が100万ともいわれる虐殺事件」が正当化できるわけもないでしょう。そもそも虐殺されたのは共産党員限定でも、中国人限定でもない(もちろん中国人や共産党員なら虐殺されていい訳ではありませんが)。「九・三〇事件の被害者と遺族」に対して楊と産経は失礼極まりない。
 楊の無茶苦茶さにはいつもながら呆れます。良くもこんな男が偉そうに「文革モンゴル族の犠牲者ガー」などとほざけるもんです。
 楊の「930事件正当化の強弁」をまねれば「ソ連の衛星国モンゴルの脅威があるから、中国に忠誠を誓わない反動・内モンゴル分子の、文革での粛清は仕方がなかった、楊ら内モンゴル住民は恨むなら外モンゴルを恨め」ともいえるでしょうがそういったら楊のクズ野郎はマジギレするんでしょうね。
 「日本ウヨにこびたいのか」「中国に悪口さえ言えればもはや何でもありなのか」930事件を詭弁で正当化しようとする楊の中国批判など「ダブスタのでまかせ」でしかありません。「もう何度も書いていて飽きつつありますが」楊も落ちるところまで落ちたわけです。国基研の講演を引き受けたときが転落の始まりだったのでしょう。そして国基研から賞までもらったことでもはや戻れなくなったわけです。
 なお、930事件についてはぐぐって見つけた以下の記事を紹介しておきます。
シノドスインドネシア大虐殺はなぜ起こったのか』倉沢愛子*47インドネシア史)
https://synodos.jp/international/15069/
早瀬晋三*48評『9・30 世界を震撼させた日−インドネシア政変の真相と波紋』倉沢愛子
https://www.kinokuniya.co.jp/c/20140409113847.html

 しかし倉沢氏や早瀬氏が「我々日本人はインドネシアスハルト政権と経済的に付き合うことによって、スハルトが実行した930虐殺事件を事実上容認したことについて、『当時スハルト批判が現実問題として難しかったとしても』、今は悔恨の思いを抱くべきだ。せめて今からでも930事件被害者支援とかなんらかのつぐないができないか(まあ、反共主義とか金儲けの観点からスハルトと付き合ったのは日本だけでなく、欧米もそうですが)」つうのは「その通りだ」と思います。
 しかし三浦小太郎だの櫻井よしこだのといったウヨ連中が「中国のチベット問題ガー」「日本の中国とのつきあいはいかがなものか」とかぬかしても「南京事件否定論のデマ右翼がふざけんな。930虐殺とかウヨ政権のやった人権侵害は黙認するくせに。人権問題なんか本当は全く興味もねえくせに。ただの中国たたき、反共主義じゃねえか。黙れカス右翼」つう感情しかありませんね。

 習近平*49政権への過剰な傾斜さえなければ、国民党が政権を失うことはなかったと、その後台北を訪れた私に、現地の知識人たち*50はそう語っていた。

 イヤー多分そう言うことはないでしょうね。国民党の下野理由はおそらくそういうことではない。
 そもそも「過剰な傾斜」なんてしてませんけど。
 そして今や民進党蔡英文政権は

https://www.sankei.com/world/news/180518/wor1805180045-n1.html
 大手テレビ局TVBSの15日の調査では支持26%、不支持60%

というすさまじい状況です。

 東南アジア諸国の中には、一党独裁の北京と運命共同体を築こうとする国が複数ある。ミャンマーイスラム教徒少数民族ロヒンギャに対する弾圧を緩めておらず、ウイグル人に対して反人道的な犯罪を続けている中国もそれを支援している。
 カンボジアでは親北京のフン・セン政権が国内の野党を解散に追い込んだし、タイ軍事政権も中国人民解放軍との交流を深め、国内の言論弾圧を強めている。こうした現象は朝貢国と「宗主国」との一体化をもたらし、21世紀の異質な地域共同体となってきている。

 中国や東南アジア諸国への言いがかりも甚だしいですね。これらの国を支えてるのは何も「中国オンリー」ではないですし、これらの国々と中国の関係はもちろん「朝貢国と宗主国ではない」「運命共同体ではない」わけです。是非はともかく単に国益判断から付き合ってるに過ぎない。
 例えば日本も欧米もミャンマー、タイ、カンボジアとつきあいがあるわけです。
 なお、タイでの軍事クーデターについてペマ・ギャルポは以前「タクシン政権が親中国だから反中国派の軍部がクーデターを起こしたという面がある。中国批判派として喜ばしい」とかぬかしてましたが、この楊の文によれば「軍事政権も中国と経済交流してる」ので、やはりそういうことではないようですね。

 日本はシンガポールの「母体」であるマレーシアとの連携を強化すべきだろう。

 まあ一般論としてマレーシアとの友好は大事です。しかし楊の言うような「中国封じ込め」なんてのは論外です。そんなことをマレーシアもする気はないでしょう。


■リベラル21『護憲、わが悩み知りたもう?』阿部治平
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4372.html
 下でも書きましたが阿部という男は「普通のコメントをしても」、『過去の非難コメントから、深く憎悪しているらしい』俺のコメントは掲載拒否するらしいことが解ったので今回はこちらのブログでのみコメントします。

 日中関係はいま緊張緩和傾向だが、これは一時的なものである。習近平氏への嫌気が高まったり、政府への不満が暴動化したりして国内情勢が揺れ動くようだと、中国政府は関心を外にそらすために、台湾統一ないしは反日ナショナリズムを煽り、軍事的プレゼンスをいま以上に強化する。そうすると、安倍晋三流の改憲派は、あのJアラートのように、大いにこれを利用するはずだ。護憲運動の敗北は目に見えている。

 おいおいですね。「反中国で頭が狂ってしまったキチガイ」阿部らしい「中国に対する差別と偏見」の極みと言うべきでしょう。台湾のことはひとまずおきましょう。以下は日本限定で話をします(とはいえ台湾にしても、台湾側が『蔡英文総統訪米』などのような挑発行為でもしない限り、軍事対応など中国はまずしないでしょうが。そもそも先日の「ドミニカの台湾との断交(そして中国との国交樹立)」でも解るように何も軍事的牽制をしなくても、中国による台湾への政治的牽制はいくらでも可能ですし)。
 先日の「李克強・中国首相に対する安倍・日本国首相の歓待ぶり(北海道までわざわざ同行して、新千歳空港からの李首相帰国も見送った)」を考えればそうした「安倍の中国にへいこらする態度」を犠牲にして、けんか腰の態度をとる理由は中国にはどこにもないでしょう。
 そもそも中国とてそれ相応の理由がなければ、けんか腰の態度をとる大義名分がありません。
 過去においても「鳩山政権の尖閣侵入船長逮捕(従来は即時退去処分で穏便に片付けていました)」「野田政権の尖閣国有化」「安倍の靖国参拝」など「日本側の挑発行為」があったからこそ、中国も対抗措置を執ったのであり、今後、安倍が「靖国参拝のような挑発行為」でもしない限り、中国としてもけんか腰の態度をとる理由はどこにもありません。
 つうか阿部治平がこれほどまでに中国に差別と偏見を持っているのも「常軌を逸したチベットキチガイだから」なんでしょうね。
 まあ、I濱女史やid:Mukkeもそうですがこいつらチベットキチガイのバカどもにはもう少しまともな常識をもってほしいもんです。まずはダライラマの愚行(日本ウヨとの野合やオウム真理教からの1億円の多額の金銭受領)でも「ウヨとの野合は辞めてください」「オウム被害者団体に1億円を寄付してください」などとガツンと批判してほしいもんです。期待してませんけど。


■リベラル21『ダライ・ラマ15世はなぜインドに行ったか』阿部治平*51
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4366.html
 びっくりするのは「15世」と阿部が堂々と書いてることです。
 なぜなら現在のダライは「14世」だからです。今のダライが死んで「次のダライが仮に登場すれば」、それが15世です。もちろん「ダライは14世で打ち止め」「次のチベット仏教最高指導者はダライを名乗らない」とすればダライ15世は登場しませんが。
 人間誰しも間違いはありますが、「チベット支援者であることを自分の売りにして、チベット関係の著書もある人物・阿部」が、こういうミスをするというのはマジで驚きます。
 とりあえず阿部ブログに「誤記ですよねえ?」と5/16に投稿しておきます。コメントが掲載されるかどうか、掲載されないまでもタイトルが修正されるかどうか。まあ俺が指摘する前に「リベラル21もそれくらいチェックしろよ!」ですが。
【2018年5/20追記】

http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-4366.html
 拙稿表題「ダライ・ラマ15世はなぜインドに行ったか」は、「ダライ・ラマ14世はなぜインドに行ったか」と訂正します。
 「14世」とすべきものをうっかり*52「15世」としてしまいました。「15世」はまだこの世に存在していません。

だそうです。ただし小生の「誤記ですよねえ?」コメントは掲載されていません。たぶん以前「あなたの日本共産党や中国への悪口雑言は事実に反する非常識なものだと思います(要約)」というコメントを「共産党に言いがかりをつけるのも大概にしろ!」「あなたの中国非難ってその辺の街宣右翼と同レベルですよねえ?。そんな人間のどこがリベラルなんですか?。鼻で笑います」などという「敵意たっぷりの罵倒コメント」で投稿したので「そのことを阿部が恨みに思ってる」のでしょう。
 ただし、今回は「誤記ですよねえ?」としか投稿しておらず罵倒など何一つしてないので全く阿部という男も狭量な男です(苦笑)。まあぶっちゃけ「リベラルを名乗る人間のとる態度」じゃないですよね。まあ、そんな愚劣な人間を厚遇してるリベラル21もろくなサイトではないですね。

読者から「ダライ・ラマはなぜインドに亡命したか」というメールをいただきました。

 そんなん今更阿部に聞くなよ、ですね。
 阿部もいろいろ書いてるし、ダライもいろいろ講演でいったり本で書いたりしてる。
 「ダライの日本事務所」サイトhttp://www.tibethouse.jp/dalai_lama/にもダライ側の言い分が書いてあります。
 あまりにも「不自然な質問」なので疑えば、「そもそもそんな人本当にいるの?。(さすがに手垢のついた話を書くことに躊躇した)阿部のでっち上げじゃないの?」ですね。
 で、まあ、詳しい紹介は面倒くさいので「思い切り要約しますが」阿部のいってることは「中国のチベット統治が現地住民の意向を軽視したもので、対立が深まり、ついに蜂起(暴動)に至ったから。悪いのは全て中国です」つう「うん、知ってる!。いつも君らダライ支持者がいってる話だよね!」つう話です。
 まあ、阿部が個人ブログに書くのなら奴の勝手ですが、こんな手垢のついた「ある意味」くだらない話をリベラル21も良く載せるもんです。
 そんなことより先日の「日中韓サミットをリベラル21としてどう考えるのか」でも載せろよと思いますけどねえ。いやもちろん、阿部の書いた記事でなくていいんで。
 事情はともかくあの極右・安倍が「中国、韓国に仲良くやっていきたいと頭を下げる(安倍当人は言い訳するでしょうが結局そういう話でしょう。そしてそうした心境に安倍がなった理由の一つは加計森友による支持率低迷でしょう)」という「リベラル21が予想もしなかった」衝撃的事実に頭がパニックなんでしょうか?

 第二次大戦期には、摂政ダクダ活仏らは日本勝利を信じ、連合国側がいわゆる「(中国支援の)援蒋ルート」をチベットに開こうとしたときもそっけなく断った。
(中略)
 しかし、チベットにも政府の無策無能が続けば、大戦後チベットはイギリスか中華民国の植民地*53になると危惧した若者たちがいた。プンワンを指導者とする地下のチベット共産党である。彼らは政府に連合国側に立ち、土地制度を改革して農牧民を自立させ軍備を増強しなければチベットは滅びると訴えたが、相手にされなかった(のちにプンワンらはコミンテルン中共の民族政策を知り、中共勝利の暁にはチベットは独立でき、(ボーガス注:旧ソビエト連邦のような)中華連邦の構成国になるものと信じて中共に党を挙げて加わった)。
(中略)
 このようにしてラサ政府は滅びました。原因は、(中略)チベット社会上層は因習にこだわり統治能力を失い、無責任だったからです。

 当時のダライ一味にまるきり政治センスがなかったこと、であるがゆえに、プンツォク・ワンギャルが「チベット近代化にはもはや外圧しかない」と判断し、中国共産党入りしたことを「ダライ盲従分子・阿部」ですら認めざるを得ないわけです。

 インドは朝野を挙げてチベットに同情し亡命を受け入れた。

 「民間人はともかく」、少なくともインド「政府」はそんなきれい事ではないでしょうし、阿部もそのことは解ってるでしょうにねえ。

 私は、いまからほぼ60年前、東京の左翼学生の集会で指導者格の男が「ハンガリーでは反革命を事前に抑えきれず動乱になったが、中国ではチベットの貴族と反動派の叛乱を抑えるのに成功した」という演説をしたことをおぼえています。
 これが長い間、左翼勢力のチベット認識でした。

 今から60年前は1958年。ちょうどこの年に現天皇と皇后の婚約が発表されています(正式な結婚は翌年の1959年)。
 ちなみに

・1953年
 チベット解放
・1954年
 第五福竜丸被爆事件
・1955年
 自民党結党&社会党左右両派統一&日本共産党六全協共産党の分裂が終了し宮本顕治氏が書記長に就任)」
 第1回原水爆禁止世界大会開催
・1956年
 「フルシチョフソ連共産党第一書記のスターリン批判」やハンガリー事件(ハンガリー動乱
・1959年
 ダライが亡命したラサ暴動
・1960年
 安保闘争(岸内閣)と浅沼社会党委員長暗殺
・1962年
 キューバ危機
・1963年
 ケネディ米国大統領暗殺
・1964年
 東京五輪
・1965年
 文革の開始(〜1975年)
 ベ平連結成(〜1974年)
・1968年
 プラハの春

です。そんな昔のこと今更持ち出して何か意味があるのか。60年前ならまだしも、今時ハンガリー事件を「反革命のナジ首相をソ連が鎮圧できて良かった」なんていう左派はいないでしょう。

 いまでもチベット内モンゴル東トルキスタンの歴史に関心をもちません。これが日本の左翼を民主主義者らしからぬ存在にしている悪しき習性ではないかと私は思うのです。

 小生みたいな「心情左翼(「どっちかというと左翼」というライトな左派、そんなに強固ではない。正直、自民党宏池会大平正芳*54が首相になった頃のようにもっとまともなら自民党支持してるかもしれない)」からすれば「左派への悪口雑言も大概にしろよ、手前」ですよねえ。
 基本的に左派に限らず「外国のこと(中国に限りません)」に興味のある人は少ないでしょう。
 「スペイン政府がカタルーニャ州のプチデモンさんを亡命に追い込んだのが許せない」「エジプトやタイの軍事独裁が許せない」とかあんまりいない。阿部だって、彼が興味のある外国のことは「中国限定」でしょう。
  その程度のことで「左翼が民主的でない」とか言われる筋合いないですけどねえ。
 つうか「民主的でない」と阿部がいうその「民主的でない」とは具体的になんなのか。
 つうか阿部の立場なら、むしろそんなことより「日中韓サミットを歓迎する日本社会に失望した!。李克強*55首相の訪日、北海道訪問を歓迎する日本国民と北海道民に(以下略)」とか言えばいいんじゃないか。何もチベットその他にあまり興味ないのは左派限定ではないので。

*1:重慶市党委員会書記、広東省党委員会書記、副首相などを経て中国人民政治協商会議全国委員会主席(党中央政治局常務委員兼務)

*2:台湾軍参謀総長、首相を務めたカク柏村の息子。台北市長などを経て国民党副主席

*3:安倍の最近の親中国(?)は国内政治の絡みと言うより「中国ビジネスを犠牲にする安倍への財界からの批判」でしょうね。

*4:「はあ?」ですね。途上国は「一帯一路に安倍総理からダメ出ししてほしい」なんてことは全く思ってないでしょうに。

*5:自民党衆院議員

*6:グジャラート州首相を経てインド首相

*7:ASEAN東南アジア諸国連合)加盟10ヶ国(インドネシアシンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、ブルネイベトナムミャンマーラオスカンボジア)に、日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドの6ヶ国を含めた計16ヶ国でFTA自由貿易協定)を進める構想。

*8:遠州鉄道(遠鉄)グループの百貨店

*9:著書『キルギス大統領顧問日記』(2001年、中公新書

*10:小渕内閣郵政相、福田、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て第四次安倍内閣総務相

*11:コール政権婦人・青年担当相、環境相キリスト教民主同盟 (CDU)幹事長などを経て首相

*12:著書『現代中国知識人批判』(1992年、徳間書店)、『天安門事件から「08憲章」へ』(2009年、藤原書店)、『「私には敵はいない」の思想』(2011年、藤原書店)、『最後の審判を生き延びて』(2011年、岩波書店)など。

*13:海南省党委員会書記、北京市長、副首相、党中央規律検査委員会書記(党中央政治局常務委員兼務)などを経て国家副主席

*14:てっきり「日中関係の安定的な発展」を否定するのが産経かと思ってました。どうやら違うようです。

*15:キリバスソロモン諸島、ツバル、パラオマーシャル諸島ナウルスワジランドエスワティニ)、エルサルバドルグアテマラ、セントクリストファー・ネービス、セントビンセントおよびグレナディーン諸島ニカラグア、ハイチ、パラグアイベリーズホンジュラスセントルシアバチカン

*16:岸内閣郵政相、自民党政調会長(池田総裁時代)池田内閣蔵相、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣通産相などを経て首相

*17:最近の著書に『チャイメリカ:米中結託と日本の進路』(2012年、花伝社)、『尖閣問題の核心:日中関係はどうなる』(2013年、花伝社)、『南シナ海領土紛争と日本』(2016年、花伝社)、『習近平の夢:台頭する中国と米中露三角関係』(2017年、花伝社)、『中国の夢:電脳社会主義の可能性』(2018年、花伝社)など

*18:戦前、阿部内閣で農林相。戦後は日本中央競馬会理事長。

*19:1886〜1957年。戦時中は大東亜省の大東亜共同宣言の作成に携わった。戦後、民間人としては唯一A級戦犯の容疑で起訴された(ただし精神異常を理由に結局、裁判から除外された)(ウィキペディア大川周明」参照)。

*20:日銀総裁、第2次山本、濱口、第2次若槻内閣蔵相を歴任

*21:戦後、池田内閣経済企画庁長官、郵政相を歴任

*22:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*23:警視総監、鈴木貫太郎内閣内務相など歴任

*24:吉田内閣法相、防衛庁長官など歴任

*25:吉田、石橋、岸内閣蔵相、吉田、岸内閣通産相などを経て首相

*26:片山内閣逓信相、鳩山内閣運輸相、岸内閣科学技術庁長官(経済企画庁長官兼務)、池田内閣科学技術庁長官、自民党政調会長(岸、池田総裁時代)、幹事長(池田総裁時代)、佐藤内閣通産相、外相、田中内閣副総理・環境庁長官などを経て首相

*27:吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、自民党総務会長(岸総裁時代)、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*28:新日鉄社長、会長、経団連会長など歴任

*29:三菱鉱業セメント社長、三菱鉱業会長、日経連会長などを歴任

*30:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相

*31:岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣外相、田中内閣蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*32:池田内閣郵政相、官房長官、佐藤内閣厚生相、福田内閣農林相、自民党総務会長(大平総裁時代)などを経て首相

*33:中曽根内閣厚生相、海部内閣自治相・国家公安委員長、宮澤内閣通産相新進党総務会長、衆院副議長、民主党国対委員長などを歴任

*34:ニクソン、フォード政権で安保担当大統領補佐官国務長官

*35:アイゼンハワー政権副大統領を経て大統領

*36:著書『中国国境 熱戦の跡を歩く』(2014年、岩波現代全書)

*37:著書『毛沢東朝鮮戦争』(2004年、岩波現代文庫)、『中国外交 苦難と超克の100年』(2012年、PHP研究所)など

*38:著書『日本の「ミドルパワー」外交』(2005年、ちくま新書)、『日本の外交:「戦後」を読みとく』(2017年、ちくま学芸文庫) など

*39:著書『現代中国のマスメディア・IT革命』(2006年、明石書店

*40:元国土事務次官。第一次安倍内閣官房副長官

*41:池田内閣官房長官、外相、自民党政調会長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*42:著書『日本人にとっての中国像』(1992年、岩波同時代ライブラリー)、『毛沢東』(2005年、岩波新書)、『中国という世界』(2009年、岩波新書)ほか

*43:田中内閣官房長官自民党幹事長(田中総裁時代)、総務会長(鈴木総裁時代)、副総裁(中曽根総裁時代)など歴任

*44:著書『馬場辰猪』(1995年、中公文庫)など

*45:著書『草原と馬とモンゴル人』(2001年、NHKブックス)、『モンゴル草原の文人たち:手写本が語る民族誌』(2005年、平凡社)、『チンギス・ハーン祭祀』(2005年、風響社)『墓標なき草原(上)(下):内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2009年、岩波書店)、『続・墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2011年、岩波書店)、『中国とモンゴルのはざまで:ウラーンフーの実らなかった民族自決の夢』(2013年、岩波現代全書)、『植民地としてのモンゴル:中国の官制ナショナリズムと革命思想』(2013年、勉誠出版)、『ジェノサイドと文化大革命内モンゴルの民族問題』(2014年、勉誠出版)、『モンゴルとイスラーム的中国』(2014年、文春学藝ライブラリー)、『チベットに舞う日本刀:モンゴル騎兵の現代史』(2014年、文藝春秋)、『狂暴国家中国の正体』(2014年、扶桑社新書)、『日本陸軍とモンゴル:興安軍官学校の知られざる戦い』(2015年、中公新書)、『モンゴル人の民族自決と「対日協力」:いまなお続く中国文化大革命』(2016年、集広舎)、『「中国」という神話:習近平「偉大なる中華民族」のウソ』(2018年、文春新書)など

*46:この事件を機にスハルトスカルノを失脚させ大統領に就任して実権を奪ったことを考えれば「930事件は中国のせい」といえるかは疑問でしょう。「中国を口実にしたスハルトの謀略」の疑いが否定できません。

*47:著書『日本占領下のジャワ農村の変容』(1992年、草思社)、『二十年目のインドネシア』(1994年、草思社)、『「大東亜」戦争を知っていますか』(2002年、講談社現代新書)、『インドネシア イスラームの覚醒』(2006年、洋泉社)、『戦後日本=インドネシア関係史』(2011年、草思社)、『資源の戦争:「大東亜共栄圏」の人流・物流』(2012年、岩波書店)、『9・30 世界を震撼させた日:インドネシア政変の真相と波紋』(2014年、岩波現代全書)など

*48:著書『未完のフィリピン革命と植民地化』(2009年、山川出版社世界史リブレット)、『フィリピン近現代史のなかの日本人』(2012年、東京大学出版会)、『グローバル化する靖国問題:東南アジアからの問い』(2018年、岩波現代全書)など

*49:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*50:もちろん「反中国の知識人」でしょうね。

*51:著書『もうひとつのチベット現代史:プンツォク=ワンギェルの夢と革命の生涯』(2006年、明石書店)、『チベット高原の片隅で』(2012年、合同出版)など

*52:「うっかり」ねえ(苦笑)。

*53:植民地も何もチベット独立なんて中華民国も国際社会も認めてませんが。世間的には榎本武揚蝦夷共和国みたいなもんでしょう。

*54:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*55:中国共産主義青年団共青団)中央書記処第一書記、河南省長、党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)