今日の中国関係ニュースほか(9/1分)(追記・訂正あり)

 中国ネタを中心にいろいろ書いていくことにします。
■産経『陳水扁*1が政治活動再開なら中台関係変化』
https://www.sankei.com/world/news/180905/wor1809050002-n1.html
 少なくとも建前では「病気療養」を理由に仮釈放ですから、政治活動なんぞしたら「病気つうのは嘘か!。ふざけんな!」「陳の仮釈放を取り消し収監すべきではないか」つう国内外の批判は避けられないでしょうね。今回のインタビューだって相当に問題でしょう。
 有罪判決にしてもえん罪ではないし、もはや陳に政治活動の余地なんかないでしょう。政治活動してもほとんど影響力はないでしょうね。

 民主進歩党内で陳氏をライバル視する蔡英文*2総統は、中南部貧困層の間で高い人気を誇る陳氏が表舞台に出ることを警戒し、恩赦手続きをしなかった。

 というより「お手盛りだ」「お仲間なら犯罪者をお目こぼしするのが民進党か」などの批判を恐れただけでしょう。そんな思いをして恩赦したところで、「陳にもはやたいした政治力がない」つう意味でも、「陳は蔡に好意的ではない」つう意味でも、蔡にとって、何かメリットがあるわけでもない。
 陳の有罪がえん罪だなんて抜かしてるのは一部の陳支持者に過ぎませんし。
 「ロッキード田中角栄元首相を恩赦なんかしたらどうなるか」つうのと同じ話でしょう。
 もはや陳なんぞ蔡英文にとって恐れるような存在じゃないでしょう。つうか一時は「蔡英文万歳」だった産経も蔡が「馬前総統よりは反中国」でも、「産経ほどには反中国じゃない」ため、終わった人間「陳水扁」を「蔡に代わる反中国指導者」として持ち上げてるのには苦笑させられます。


■産経『「台湾存続、中国圧力で危機」 台湾の陳水扁元総統に独占インタビュー 10年ぶりメディアに』
https://www.sankei.com/world/news/180905/wor1809050003-n1.html
 実に産経らしい。陳水扁なんて汚職で起訴されて有罪判決が下ってからは完全に過去の人でしょう。民進党ですら奴の有罪について「国民党政権の国策捜査、えん罪、濡れ衣」とはいえないわけです。
 だからこそ産経以外は陳に取材などせず「10年ぶりメディア」になるわけです。一方陳もそんな状態で「産経じゃ嫌だ」とえり好みしてられる立場でもない。

 最近、台湾と外交関係のある国が次々と中国に奪われていることについて、陳氏は「国際社会における台湾の存在感を抹殺することが目的だ。台湾を併合することへの準備であり、いつ武力行使があってもおかしくない」と分析した。

 「デマも大概にしろ」ですね。武力併呑なんぞできないからこそ「台湾との国交断絶、中国との国交樹立」といった「武力以外の方法」で締め付けるわけです。

 蔡政権に対し「住民投票を推進すべきだ」と提言した。「中国の一部になりたくない」という台湾の民意を数字ではっきりと示し、国際社会に理解される努力をする必要があると主張した。

 それをすると中国の締め付けはもっときつくなるでしょうね。中台間の緊張を望まない欧米などからも「そういうことはすべきでない」というダメ出しが入ってるんじゃないか。

 日台関係については「安倍晋三政権は歴代自民党政権でも最も台湾に友好的だ。とても感謝している」と語る

 インタビュアーが産経だからという面も大きいでしょうが、なんでここまで安倍にへいこらしますかね。「靖国極右」安倍にへいこらすればするほど、俺のような安倍批判派からは距離を置かれるのですが、まあ常識がないんでしょうね。

 陳氏は一方で、馬英九(ば・えいきゅう)前政権について「ほぼ無条件に門戸を開いたため、中国の台湾に対する侵食を加速させる原因をつくった」と厳しく批判。2015年にシンガポールで行われた中国の習近平国家主席と馬氏との会談について、「馬氏個人のパフォーマンスだ。台湾にとって何の良いこともなかった」と一蹴した。

 いやいやむしろ馬氏のような態度で中台経済交流をすすめることの方が現実的でしょうよ。

 自身に対する汚職などの容疑については「理不尽な理由で投獄されたのは大変つらいが、台湾の民主化のために背負わなければならない十字架だ」と語った。

 「未だにそんなこと言ってるのかよ?。光州事件金大中有罪なんぞと違って、お前の有罪はえん罪じゃないし、お前に関係なく民進党は政権奪取したやないか?」ですね。


日経ビジネスオンライン『中国・一帯一路の挫折と日中関係福島香織*3
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/090400171/?P=1
 この福島の文章の「何がすごい」って「安倍が5月の李首相訪日で、李首相相手に一帯一路支持を明確に表明したこと」について何一つ触れないあたりがすごすぎます。まあ「酷い」という意味ですごいわけですが。
 「日中関係と一帯一路」を論じるなら「安倍の一帯一路支持表明をどう考えるか」は論じることが不可避の問題でしょうに。
 「一帯一路は挫折した」という福島の立場なら安倍批判しないとおかしいでしょうが、結局安倍批判したくないんでしょう。「安倍万歳メディアを主要な活動場所にした安倍万歳芸人・福島の悲哀」といっていいでしょう。
 一方で「マレーシアの鉄道建設ガー」「一帯一路は挫折したー」と言い出す福島です。何も「一帯一路イコールマレーシアの鉄道建設」ではないし、鉄道建設を中止したとは言え、それは一帯一路の否定ではない。マハティールはあくまでも「鉄道建設は負債を増やすだけでペイしない可能性が高い」からという経済的理由で中止したに過ぎず「中国との友好関係はかわらない」「一帯一路を否定してはいない(一帯一路だろうが何だろうが経済的に問題があるプロジェクトは実施できないだけ)」としています。
 大体「安倍が5月に訪日した李首相に一帯一路参加を表明し」、つい先日は「アフリカの首脳が大挙して訪中し、一帯一路支持を表明した」のに「挫折云々」て何バカなこと言ってるんだって話です。

安倍晋三が日中平和友好条約締結日40周年の10月23日を軸に訪中を調整中であり、その地ならしに8月末に北京で財務相対話が開催され、2013年に失効していた日中通貨スワップ協定の再開に大枠合意している。
 一帯一路が行き詰まり、米中貿易摩擦に苦しみ、その影響で人民元が急落する中で、日本円とのスワップは、中国をかなり勇気づけるものにはなろう。

 id:Bill_McCrearyさんがコメント欄で書いたように、福島は「日中関係の改善」には全く触れないで逃げ続けるのかなと思っていたので意外です。
 とはいえ「日中通貨スワップでメリットがあるのは中国だけ、日本に中国が泣きついてきたからつきあってやった」と描き出すのはさすがの「反中国」福島です。もちろんほめてません。
 小生も経済音痴なので、このあたり「通貨スワップには日本にこうしたメリットがある」と反論ができず恐縮ですが、普通に考えて「中国にしかメリットがない」なんてことはないでしょう。そして「一帯一路は挫折したー」と言いたいがために結局最後まで「安倍の一帯一路支持表明」には福島は触れないで逃げ続けます。
 あるいは一帯一路に限らず

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30259240Z00C18A5EE8000/
■日経『日本米、中国輸出拡大へ精米施設拡充 日中合意』
 日中両政府は9日、日本産の精米の中国向け輸出に必要な処理施設を増やすことで合意した。北海道と兵庫県の精米工場を追加するほか、害虫をいぶして駆除する倉庫を5カ所加える。国内のコメの消費が落ち込むなか、巨大市場への輸出拡大に追い風となる。

などという「日本に明らかにメリットがある話」「どうこじつけても日本にメリットがない、中国が泣きついてきたとは言えない話」に触れることからも逃げるわけです。

 時期同じくして、外務次官の訪中、日中与党交流協議会の北京での開催と、日中政治交流が続き、9月末には「一帯一路」をめぐる日中官民合同委員会の初会合を北京で開催する。第三国で日中両国企業がともに参加できる一帯一路インフラ案件の整備を進めていると報道されており、具体的には一帯一路の一環であるタイ鉄道計画や、日本が主導する西アフリカに4000キロの道路を建設する「成長の環」計画に中国を参与させることなどが、検討されているようだ。
 一帯一路への参加を日本が表明することになれば、地に落ちた一帯一路の評判も、持ち直すかもしれないし、中国はそう期待していると思われる。

 「評判が地に落ちてないからこそ、日本は参加するのだ」と考えるのが普通の考えでしょう。福島の「とにかく一帯一路を否定する」つう態度には心底呆れます。もはやジャーナリストと言うより反中国右翼活動家です。日経ビジネスもこんな駄文をよくも載せるもんです。

 さて、安倍政権が一帯一路に対して本音ではどのようにアプローチしていくつもりかは、私にはわからない。安倍訪中に同行する経済界訪中団の規模は240人規模に上り、関係者から「一帯一路で、大きなチャンスが日本企業にもたらされる」といった発言を聞くと、本気かと問い直したくなる。

 いやどう考えても「日本財界が一帯一路で儲けたいつうから一帯一路に参加しよう」つうのが安倍の態度でしょう。

・安倍訪中に同行する経済界訪中団の規模は240人規模に上る見込み
・訪中関係者*4から「一帯一路で、大きなチャンスが日本企業にもたらされる」といった発言を聞いた

と福島は書きながら、何で「私には安倍首相の一帯一路に対する考えがわからない」なのか。これが安倍でなくたとえば「産経などウヨが嫌ってる」福田康夫*5首相や菅*6首相なら福島はこんなこと言ってないでしょう。たぶん非難してる。
 「安倍総理は我々反中国ウヨの期待の星だ。安倍総理なら中国と全面対決してくれる。AIIBだの一帯一路だのに参加するわけがない」つうウヨ連中と「親密交際しズブズブになった」がゆえに福島は素直に「安倍総理は一帯一路支持です」と認められないだけのくだらない話です。繰り返しますがもはや福島はジャーナリストじゃないですね。「いつ倒産してもおかしくない産経なんぞいつまでもいる会社じゃない、私なら独立してもやってけるはずだ」とフリーになって「定期収入がなくなったが故に」予想に反しかえって食い詰めて、こうした道に転落したように見えます。まあ、自らの能力への過信つうことですが。
 産経を辞めるにせよ「フリーではなく」読売や日経といった他社にでも移籍すればもう少しまともになったんでしょうか?

 一帯一路の本質が「偉大なる中華民族の復興」という中華覇権を目的としたものだと考えると、たとえビジネス利益が見いだせても、この戦略の成功に日本として手助けしてよいものかどうか、という気にもなる。

 反中国・福島ですら「ビジネスチャンスなんかねえ」といえないのが滑稽です。
 まあ一帯一路参加国の多くは「中華覇権なんて中国は狙ってないし、そんなことは一帯一路程度でできるもんでもない」「もちろん中国は一帯一路によって自国の利益最大化を狙ってるだろうし、それは場合によっては我が国の利益に反すること、抵触することもあるかもしれないが、それよりも不参加で失われる利益の方が大きい」と思って参加してるのでしょうね。

 安倍が提唱した「自由で開かれたインド太平洋戦略」は米国、インド、オーストラリアなどともに一帯一路に対抗する中国包囲網戦略と見ていたが、安倍は一帯一路とインド太平洋戦略を連携させるとも発言している。この真意はどこに。
 単に、保守政治家のイデオロギーよりも財界の要望を重視しただけなのか。米中対立が先鋭化する中で、日本が独自の存在感や外交を模索しているということなのか。あるいはもっと深い目論見があるのか。様々な予測を念頭に、秋の訪中の行方を注目していこう。

単に、保守政治家のイデオロギーよりも財界の要望を重視しただけ

でしょうねえ。安倍にそんな深い考えなどないでしょう。
 というかこれが安倍でなくたとえば福田康夫首相や菅首相なら福島はこんなこと言ってないでしょう。たぶん、ただただ非難してる。
 福島だって内心じゃ「安倍には我々凡人には思いもよらない深い考えがあるのだ、一帯一路参加したからインド太平洋戦略(中国封じ込め)が事実上放棄されたとみるのは時期尚早です」なんて少しも思ってない。
 しかし福島も「いつになったらあんた安倍の一帯一路に対する態度に触れるの?。自称中国ウオッチャーがいつまで逃げてるの?」という批判の声を無視できなくなったのでしょうが結局、「日本の一帯一路参加はまだ本格化してないし、成り行きに注目したい。安倍総理は一方ではインド太平洋戦略を提唱してるし、AIIBには参加してないし」と言葉を濁して逃げるわけです。まあ「今後参加が本格化すればするほど」福島は言葉に詰まるでしょうが。福島らウヨが次に恐れてるのは「米国のAIIB参加表明」そして「日本のAIIB参加表明」でしょう。
 福島らにとっては「頼むからAIIB参加辞めてくれ」でしょうね。もちろん「参加するかどうかはわかりませんが」参加しない保証はないわけです。日本財界は明らかに参加を希望してるでしょうし。


■中国のアフリカ外交
 以前、『「今、アフリカビジネスが熱い」らしい(追記・訂正あり)』
http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20180726/1064208022でも触れましたがその続きです。

https://digital.asahi.com/articles/ASL9352X0L93UHBI017.html
■朝日『中国、アフリカ支援6.6兆円表明 日本や欧米は警戒感』
 習氏はアフリカへの支援として無償援助150億ドルを含む総額600億ドル(約6兆6500億円)の拠出を表明。これまでの借款を18年末までに償還できない一部の国に対し、債務を免除する方針も示した。
 今後3年間で重点的に取り組む「8大行動」も発表し、500人の農業専門家の派遣や50項目の環境保護政策などを打ち出した。
 さらに習氏は安全保障面にも支援を広げていく考えを表明した。「銃声なきアフリカ」の実現を目指すとし、アフリカ諸国が安保上の課題を自主的に解決するために「治安維持能力の向上を支援する」と語った。中国軍事筋は「今後は共同訓練なども視野に入る」としている。

https://www.sankei.com/world/news/180903/wor1809030025-n1.html
■産経『中国、アフリカに6兆円超 巨額支援で「運命共同体」 米国をけん制』
 中国とアフリカ各国が参加する「中国アフリカ協力フォーラム」首脳会合が3日、北京の人民大会堂で始まった。習近平国家主席が開幕式で演説し、アフリカとの「運命共同体」を構築し、アフリカの経済発展のため総額600億ドル(約6兆6600億円)規模を拠出すると表明した。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34772300Q8A830C1EA4000/
■日経『中国、アフリカ囲い込み 3日から北京で首脳会議:「一帯一路」拡大狙う』
 中国のアフリカに対する熱の入れようがすさまじい。3〜4日に北京で開く「中国アフリカ協力フォーラム」の首脳会議は、その象徴的なイベントとなる。
 会議には、50以上の国から首脳級の代表団が参加する。議長を務める習近平*7(シー・ジンピン)国家主席は開幕4日前の8月30日から、分刻みのスケジュールで首脳らとの個別会談をこなしている。
 3年に1度の中国アフリカ協力フォーラムは2000年に始まった。中国は当初、日本が1993年に始めた「アフリカ開発会議」を意識していたとされる。しかし、その存在感と影響力はいまや本家(?)の日本をはるかにしのぐ。
 原動力は年々深まる経済のつながりだ。中国側の説明によると、2017年の中国からアフリカへの直接投資額は31億ドル(約3500億円)。03年のほぼ40倍で、間接的な投資も含めれば残高は1千億ドルを超す。17年の貿易額は1700億ドルに達し、アフリカにとって中国は9年連続で最大の貿易相手国だ。
 「中国企業はアフリカで道路や港湾、発電所などの建設に携わり、90万人の雇用を生み出している」。
 中国商務省の銭克明次官は8月末の記者会見で、中国がアフリカの発展にどれだけ貢献してきたかを力説した。今回の首脳会議でも、中国は一帯一路にからめて巨額のインフラ建設を提案する見通しだ。
 アフリカからみれば、民主主義や人権に目くじらを立てない中国の支援は魅力的に映る。今年5月、西アフリカのブルキナファソは台湾と断交し、中国と国交を結んだ。アフリカで台湾と外交関係を保つ国はいまやエスワティニ(旧スワジランド)だけだ。中国はエスワティニにも外交攻勢をかけ、台湾との関係を完全に断ち切ろうと動く。

http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/180831/cpd1808310500003-n1.htm
フジサンケイビジネスアイ『アフリカ4カ国大統領が相次ぎ訪中へ』
 中国外務省ウェブサイトによると、同省の陸慷報道官はこのほど、アフリカ4カ国の大統領が訪中することを明らかにした。コートジボワールのワタラ大統領、シエラレオネのビオ大統領、ボツワナのマシシ大統領、ブルキナファソカボレ大統領が中国の習近平国家主席の招きに応じ、中国・アフリカ協力フォーラム北京首脳会議への出席と組み合わせて、9月7日まで相次いで国賓として中国を訪問する。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3484085031082018FF8000/
■日経『「『一帯一路』に協力」ジブチ外相』
 ジブチのマハムド・アリ・ユスフ外相は31日、都内で日本経済新聞の取材に応じ、中国政府が進める経済圏構想「一帯一路」について「歓迎し、協力する」と述べた。

http://j.people.com.cn/n3/2018/0830/c94474-9495699.html
■人民日報『「一帯一路」構想はアフリカ諸国に大きなメリットをもたらす』
 「一帯一路」国際協力サミットフォーラムでは、ケニアエチオピア両政府が中国政府と経済・貿易協力協定に調印した。インフラ融資協力協定、内陸コンテナヤード事業融資協定、エネルギー分野協力覚書といった文書の1つ1つが、手を携えて発展する中国とアフリカの決意を示している。
 今年5月にケニアがアフリカで6番目にアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加した。先日、中国はセネガルルワンダと「一帯一路」共同建設覚書に調印し、モーリシャスと「一帯一路」協定の早期調印について合意した。

http://j.people.com.cn/n3/2018/0831/c94474-9496040.html
■人民日報『習近平主席「シエラレオネとのパートナーシップを前進」』
習近平国家主席は30日、シエラレオネのビオ大統領と人民大会堂で会談した。
・習主席はビオ大統領による中国アフリカ協力フォーラム北京サミット出席と中国公式訪問を歓迎。
・ビオ大統領は「中国は長年シエラレオネの経済・社会発展に貴重な手助けをしてきた。とりわけ、われわれがエボラ出血熱の感染に立ち向かっていた最も困難な時期に、他に先駆けて救援に駆けつけたのが中国の政府と国民であったことを、シエラレオネ国民は忘れない。シエラレオネは中国の発展経験を学び、参考にし、両国関係を緊密化し、『一帯一路』共同建設に積極的に参加し、教育・漁業・衛生・インフラ分野の協力を深めたい。アフリカ諸国の正当な利益を守るため、多国間問題で中国側との意思疎通と協調を強化すべく尽力する」と表明した。

http://j.people.com.cn/n3/2018/0831/c94474-9496028.html
■人民日報『習近平主席「コートジボワールとの関係を一段と高い水準へ」』
習近平国家主席は30日、コートジボワールのワタラ*8大統領と人民大会堂で会談した。両国首脳は中国とコートジボワールの関係を一段と高い水準へ押し上げ、互恵・ウィンウィンを実現することで一致した。
・習主席はワタラ大統領による中国アフリカ協力フォーラム北京サミット出席と中国公式訪問を歓迎。
・ワタラ大統領は「コートジボワールは習主席の打ち出した重要構想『一帯一路』を完全に支持しており、これに積極的に参加したい。また、『一帯一路』共同建設協力への西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)加盟国*9の共同参加を後押ししたい。中国アフリカ協力フォーラム北京サミットは必ず成功を収め、中国アフリカ協力の歴史的で盛大な会合となると私は信じている」と表明した。


人民日報
習近平主席がエジプトのシーシ*10大統領と会談
http://j.people.com.cn/n3/2018/0902/c94474-9496426.html
習近平主席がガーナのアド*11大統領と会談
http://j.people.com.cn/n3/2018/0902/c94474-9496474.html
習近平主席がラマポーザ南アフリカ大統領と会談
http://j.people.com.cn/n3/2018/0903/c94474-9496808.html


中国国際放送
■習主席、コートジボワールのワタラ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180830/233d6aad-ed5d-7ceb-9343-13a724ec26b6.html
■習主席、シエラレオネのビオ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180830/1b56a8b2-a944-dc99-cdbc-8ccbc070713e.html
■習主席、ソマリア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/d5e06fe7-500f-b952-4f86-bb7a52d91084.html
■習主席、ボツワナ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/fcd351e4-97a9-541e-e2be-d6f76b0ffc72.html
■習主席、カメルーン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/23d2702a-8270-f094-500f-1f1eb6c05931.html
■汪*12政協主席、カメルーン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/a7716681-8bac-f251-9d6d-f7becc9e8ef5.html
■習主席、ニジェール大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/a1f96a3d-2ea4-6a18-cd01-ed9a6a9135a8.html
■習主席、南スーダン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/d56e5c35-ee9a-3ebe-2692-7be028ec134a.html
■王副主席、南スーダン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/83f5a7e6-ad18-136d-7ee6-865cdcaedca8.html
■習主席、マリ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/a90aaf02-d270-ee25-b252-b9fe4616aae0.html
■習主席、ブルキナファソ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180831/33daed25-6e0c-d5cf-1f35-b2c49b909816.html
■習主席、ギニア大統領と会談
http://japanese.china.com/news/china/politics/317/20180901/1367731.html
■習主席、リベリア大統領およびマラウイ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180901/18456801-20a5-bb61-f5e3-5ef67e012f58.html
■習主席、ガーナ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180901/83a5f09d-8c3b-2a2d-958c-acb4d78ce74f.html
■習主席、モザンビーク大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180901/4bfd9641-cab5-2fe7-d110-39ac579fb954.html
■習主席、ザンビア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180901/d31c6b2f-25a8-2f44-b5be-f986aaa41345.html
■習主席、ガボン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180901/22ee61df-85ed-79b7-6984-e1e448bc800b.html
■習主席、コモロ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180901/ae689e1f-67ff-7246-d658-3c54430e71fb.html
■習主席、赤道ギニア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180902/c33e1a1b-4f1a-9f36-8b89-52d3f5eefa09.html
■習主席、スーダン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180902/ab0b726d-110a-859d-31a8-dd2e2722da4b.html
■李総理、スーダン大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180903/520b4066-3bed-9405-db8b-12c6faca71e7.html
■習主席、セネガル大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180902/888ffcb1-96ed-939a-92bf-1e24459be368.html
■習主席、モーリタニア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180902/4c022b5f-165e-b853-7870-825fe717a1a1.html
■習主席、アンゴラ大統領とエチオピア首相(ボーガス注:およびジブチ大統領)と会談
http://japanese.cri.cn/20180902/d4652751-aef8-a67c-d6db-95b8809d8d78.html
■李総理、エチオピアの首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180903/515f8d04-b3ac-9568-6976-6635d75cb79b.html
■習主席、南アフリカ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180902/de2e26de-fde1-2950-afff-faa18765df24.html
■習主席、ケニア大統領・ルワンダ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180904/236aa290-17c6-40f9-757a-82a443e29b84.html
 ケニアの大統領がケニヤッタというので「初代大統領の親族?」と思ってウィキペディアを見たら「初代の息子」だそうです。
■習主席、ナイジェリア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/e7beee4d-9a43-c1a6-fc91-9d9ec81dd58c.html
■李総理、ナイジェリア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/2c4851ca-8060-8978-a39f-98218c2fd91b.html
■習主席、マダガスカル大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/3c46d465-2186-ea09-5bed-dbbf82366ee8.html
■習主席、チャド大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/726cf4b4-f76e-8915-578c-a1102435e77d.html
■習主席、コンゴ共和国大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/28417d57-a08d-f300-59b3-89e71d7aa663.html
■習主席、ギニアビサウ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/6f4067f3-7561-1ada-ce95-3c1e540cb045.html
■習主席、サントメ・プリンシペ首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/f6c32115-a905-c017-9b6a-cb364ba78fd0.html
■習主席、ジンバブエ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/c4fd1029-4aa6-1004-604f-b2cf8c5e5557.html
■習主席、チュニジア首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/5d948ed9-e3df-f936-a1bc-f60199a5779e.html
■習主席、アルジェリア首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180905/617f655c-394a-9147-9037-7bbc2044bcc3.html
習近平主席、モロッコ首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/2f14c05a-9737-2a82-c299-9e90efe44351.html
■習主席、カーボベルデ首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/f358b25b-94db-4fc3-290e-5cc5c8d530ff.html
■習主席、中央アフリカ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/117c4e0e-2f42-5f18-9dc6-646276d589de.html
■習主席、ウガンダ大統領と会談=北京
http://japanese.cri.cn/20180906/eb419b03-5fbd-ac00-e1dd-3e231d79c00c.html
■習主席、ブルンジの第二副大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/b80fe15b-fcea-54c0-1859-ff57b2f7c4d6.html
■習主席、ガンビア大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/7a0d73ed-4473-bad1-f011-21452d049e29.html
■習主席、トーゴ大統領と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/4beeda81-9120-d6bb-d088-1cc98bc82935.html
■習主席、レソト首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/41758e92-5f22-50f3-3a5e-5c4b2e6ead10.html
■習主席、コンゴ民主共和国首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/a34065fc-d169-5ffe-ecd0-296135983718.html
■習主席、タンザニア首相と会談
http://japanese.cri.cn/20180906/aa821312-8ced-e827-3f2a-a7c8fd8e8b99.html

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34825470R30C18A8EA3000/
■日経『日アフリカ、元首脳が賢人会議 支援に自主性、中国にらむ』
 安倍晋三首相は31日、日本とアフリカ諸国の元首脳らでつくる「アフリカ賢人会議」の初会合を都内で開いた。2019年8月に横浜市で予定するアフリカ開発会議(TICAD)に向け、域内で発言力を持つ大統領経験者の意見を聞いて支援策を検討する。アフリカで存在感を高める中国をにらみ、地域の自主性を重んじた支援を目指す。
 賢人会議は森喜朗*13元首相とモザンビークのシサノ*14元大統領が共同議長を務める。アフリカからベナンタンザニア、ナイジェリア、南アフリカ各国の大統領経験者が参加。
 日本側は首相や河野太郎外相が入った。首相は「アフリカの声を踏まえた取り組みが近道だ。TICADを成功に導くための準備を充実させたい」と訴えた。
 念頭に置くのは中国の動きだ。中国は広域経済圏構想「一帯一路」を掲げ、アフリカで多額の資金を投入したインフラ整備を進めている。
 首相は16年のケニアでのTICADで、アフリカで3年間で官民あわせて300億ドル規模の投資をする方針を表明した。日本による港湾工事の受注や、物流企業の進出といった事例も出ており、19年のTICADで新たな支援策を打ち出す。

 「5月に李首相大歓迎、一帯一路参加を表明」「10月に訪中予定」でも、どうしても中国への対抗意識が捨てられないらしい「ちぐはぐな安倍」です。なお、この安倍の動きからは中国だけでなく日本もまたアフリカを「大きなビジネスチャンス」と見なしてることがわかります。


■産経『中国が「新植民地」批判に反論 アフリカ投資に慎重姿勢もバラマキ外交は継続』
http://www.sankei.com/world/news/180905/wor1809050008-n1.html

「アフリカで植民統治をしてきた国が、厚顔無恥にも中国を悪くいっている」。
 ボツワナのマシシ大統領は3日放送された中国国営中央テレビ(CCTV)の単独インタビューで、中国側のいらだちを代弁してみせた。

 まあ「じゃー欧米のアフリカ経済進出は常に温情あふれるものだったのか。中国がアフリカ進出するまでは債務問題などはなかったのか。そんな事実ねえだろ。単にあんたらが中国をライバルとして敵視し、にもかかわらず今は中国に対抗できる経済力がないが故に因縁つけてるだけだろ」「文句があるのなら手前らがアフリカに金出せよ」つう反発は当然アフリカ側から出るでしょうねえ。

 中国の巨大経済圏構想「一帯一路」事業をめぐっては、大型インフラを整備したアジア・アフリカなどの発展途上国が過剰債務を抱える問題が顕在化している。中国主導で全長480キロの鉄道を建設したケニアは、全債務のうち7割を中国が占めるとされる。

 ケニアからすれば「中国から借金してでもやる必要があることがあっただけ、中国から借りられなければ他から借りていただけ」つうでしょうねえ。


■日経『「一帯一路」安倍首相やボルボも使うしたたかさ』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34626440X20C18A8000000/
 「事情はともかく」安倍もボルボも「一帯一路支持」を表明してるわけですからねえ。それを中国が宣伝することは、はたして「したたか」という話なのか。「当たり前の話じゃん」としか思いませんね。


■石平*15のツイート

石平
 経団連の中西会長は「一帯一路」について、「中国は日本に協力を求めている。大きなチャンスが来ている」と言う。

 で当然ながら「チャンスなど来ていない」と経団連会長・中西氏(日立製作所会長)に悪口する「反中国の右翼分子」石ですがそれはさておき。
 石以外の福島香織櫻井よしこ島田洋一など「安倍自民万歳」の反中国ウヨ連中が無視する「不都合な事実」を石はためらいなく指摘しています。
 それは「中西氏のような財界幹部は中国ビジネスを重視しており」、自民党の一大スポンサーであるそうした財界の考えを無視できない安倍は、いかに右翼政治家でも石のような「反中国路線で暴走できない」ということです。だからこそ安倍は5月に訪日した李首相を歓迎したわけです。
 そして最近も「安倍10月訪中の事前調整」のために二階幹事長や秋葉外務事務次官を8月下旬に訪中させたわけです。
 もちろん、中西氏ら財界幹部は最初から石や福島、櫻井や島田のような反中国ウヨの言動など相手にしていません。
 中西氏ら財界幹部は別に「政治的な意味では中国を支持も批判もしていません」。彼らにとって大事なことは中国ビジネスでいかに儲けるかと言うことです。「中国ビジネスで儲ける限り」においては彼らは中国との友好関係構築に努めるわけです。
 もちろん「ノルウェーに霞を食えとは言えない」という名言をはいたid:Mukkeさんは

「『経団連会長・中西氏が役員を務める日立製作所』のような日本経団連傘下企業に『中国ビジネスを諦めろ、霞を食え』とは言えない」
「日立など中国ビジネスに従事する大企業から企業献金を受けてる自民党に『日立などの中国ビジネス重視の考えは無視しろ、安倍首相も10月に訪中するな、二階幹事長や秋葉外務事務次官は安倍訪中の事前調整なんかするな、霞を食え』とは言えない」
「立民、共産、社民、自由などの野党各党も、中国関係では自民党や日立のような事情が多分あるだろうから、『中国ビジネスなど気にせず中国批判しろ、霞を食え』とはいえない」

と言ってくださることと思います(もちろん嫌み、皮肉、悪口のつもり)。
 まあid:Mukkeのバカが「『ノルウェーに霞を食えとは言えない』発言を撤回する」か、「ノルウェーにそういう甘い態度をとる以上、日本政府や日本財界、日本の政党各党にも同じ甘い(?)態度をとると明言する」かすれば俺もこんな嫌みは言いませんが、まあ彼は自分の非を認めたくないからどっちもしないでしょうね。変にプライドが高く「自らの間違いを認められず詭弁をはき続けた」が故に自滅したバカがid:Mukkeです。
 なお、I濱Y子女史(W田大教授)やM谷N子女史(C央大講師)にもこうした状況をどう思うか、「安倍の野郎、許さない」と憤激しているのか、是非お聞きしたいところです。


■産経『安倍晋三首相、対中改善に自信「完全に正常な軌道に戻った」産経単独インタビュー』
https://www.sankei.com/premium/news/180902/prm1809020018-n1.html
 異常な軌道にしていた本人がよくもまあ、どや顔できるもんです。
 「田中角栄*16首相の国交正常化」「宮沢*17首相時代の天皇訪中」などならまだしも何様のつもりなのか。
 しかもこんなことを言っても「AIIBには未だに参加しない」「中国に批判されても靖国玉串料を出し続ける」のだからちぐはぐです。
 それはともかく、産経ももはや「安倍の中国外交」については何も批判的なことは言わないことに決めたようです。島田洋一櫻井よしこらウヨ連中も今後は「安倍の中国外交」については黙りなのでしょう。

 来年度から新たな外国人を受け入れる政府方針については「移民政策ではない」と断言

 各方面から批判があるように「移民政策以外何物でもない」でしょうが「移民反対を唱えるウヨを支持基盤とする安倍」としては「移民受け入れ方針」の事実を絶対に認められないのでしょう。そしてウヨ連中も「安倍以外がやれば」、『移民受け入れ方針には反対だ』といっても安倍がやれば「黙り」のわけです。


■TBS『安倍首相が中国公式訪問、日中間で大筋合意』
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3461186.html
 「多くの人間にとって予想の範囲内ですが」、先日の二階幹事長、秋葉*18外務事務次官訪中は要するにこういうことだったわけです。まあ、安倍も反中国をいつまでも続けてるわけにも行かなくなったと言うことですね。
しかし

 安倍総理が10月に中国を公式訪問することで、日中の間で大筋で合意したことがJNNの取材でわかりました。

て「安倍政権が隠そうとしていたことを暴露した」というよりは安倍側の情報提供じゃないんですかねえ。それは果たして「取材で明らかになった」といえるようなことなのか。


新華社通信『第16回中日科学技術協力委員会、東京で開催』
http://jp.xinhuanet.com/2018-08/27/c_137422306.htm
■外務省『第16回日中科学技術協力委員会の開催(結果)』
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_006349.html
文部科学省林芳正文部科学大臣記者会見録(平成30年8月28日)』
http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1408659.htm
文部科学省『林文部科学大臣の海外出張について』
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/08/1408638.htm
時事通信『29日から訪中=林文科相
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018082800387&g=pol
■人民日報『第10回中日韓文化大臣会合開かれる 黒竜江省ハルビン*19
http://j.people.com.cn/n3/2018/0831/c94473-9496058.html
中国国際放送林芳正大臣が北京外国語大学を訪問』
http://japanese.cri.cn/20180830/4ed5fb40-1012-7c11-438d-71d94643e10e.html
中国国際放送『李総理と安倍首相、中日学生千人交流大会に祝電』
http://japanese.cri.cn/20180829/6d065e02-546f-9d08-d4b9-67fceffa952f.html

http://jp.xinhuanet.com/2018-08/27/c_137422306.htm
 第16回中日科学技術協力委員会が23日、日本の東京で開催された。中国科学技術部の王志剛部長と日本の林芳正文部科学相が出席し、「中華人民共和国科学技術部と日本文部科学省の合同科学研究プラットフォーム共同構築に関する了解覚書」に調印した。
(中略)
 林芳正氏は、今年は日中平和友好条約締結40周年で、両国の友好的な交流は強化され続けており、双方は多年にわたりテクノロジー分野で協力関係を築き、発展させ、合同科学研究プラットフォームの共同構築を推進し、テクノロジーの人的文化交流を絶えず展開してきたとし、日本は中国と共にテクノロジー革新協力に取り組むことを望んでいると述べた。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_006349.html
1
 8月23日,第16回日中科学技術協力委員会が文部科学省において開催され,日本側から林芳正文部科学大臣及び中根猛*20外務省科学技術協力担当大使,山脇良雄文部科学審議官のほか,外務省,文部科学省内閣府経済産業省農林水産省総務省等の関係者が,中国側から王志剛(おう・しごう)科学技術部部長及び葉冬柏(よう・とうはく)国際合作司司長をはじめとする科学技術部,外交部,教育部,工業和信息化部*21,商務部等の関係者が参加しました。
2
 この会合では,日中の科学技術イノベーション政策の紹介,日中科学技術協力の現状及び今後の方向性について議論が行われ,事業の成果が着実に積み重ねられていることを確認するとともに,今後も協力・交流を促進していくことで,日中双方が一致しました。
3
 次回の委員会については,2020年の適当な時期に中国で開催することで一致しました。

http://j.people.com.cn/n3/2018/0831/c94473-9496058.html
 8月30日、第10回中日韓文化大臣会合が黒竜江省の哈爾浜(ハルビン)で開かれた。中国文化・旅游(観光)部のルオ樹剛*22部長(「ルオ」は各に隹)、韓国文化体育観光部の都鐘煥*23長官、日本の林芳正*24文部科学大臣が会合に参加した。人民日報が報じた。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/08/1408638.htm
 林芳正文部科学大臣が、8月29日(水曜日)〜31日(金曜日)の日程で、「日中大学生千人交流大会」及び「第10回日中韓文化大臣会合」へ出席するため、中国・北京市及びハルビン市に出張することになりましたので、お知らせいたします。
1.概要
【日中大学生千人交流大会】
 日中大学生千人交流大会は、本年が日中平和友好条約締結40周年であることに鑑み開催される中国主催の行事である。学生の相互理解の深化等を目的とし、日中両国の大学生約1,000人が参加する予定。
【第10回日中韓文化大臣会合】
 日中韓文化大臣会合は、2007年に第1回会合が中国で開催されて以来、継続して開催されている。
 日中韓3か国が友好・信頼関係を発展させる上で、文化交流・協力による相互理解・人的交流の強化を図ることは重要であり、本会合での議論が日中韓の文化交流・協力を一層推進することが期待される。
 今次第10回会合は、中国が主催国としてハルビン市で開催し、3か国の文化交流・協力の内容を確認する「ハルビン行動計画」を策定するとともに、2019年「東アジア文化都市」が正式に決定・発表される予定。
2.出張日程(※今後変更の可能性がありえます)
■8月29日(水曜日)
 9時05分        羽田 発
12時05分        北京 着
14時30分〜16時00分 日中大学生千人交流大会(北京大学
16時30分〜17時00分 視察(北京外国語大学日本学研究センター)[非公開]
19時50分        北京 発
21時50分        ハルビン 着
■8月30日(木曜日)
 9時00分〜10時15分 第10回日中韓文化大臣会合(松北シャングリ・ラハルビンホテル)
10時30分〜11時00分  「ハルビン行動計画」調印式(同上)、「2019年東アジア文化都市」発表(同上)
12時00分〜13時00分 黒龍江省ハルビン市主催昼食会(敖麓谷雅ホテル(Aoluguya hotel))
15時20分〜16時00分 日中二国間会談(松北シャングリ・ラハルビンホテル)
16時10分〜16時50分 日韓二国間会談(同上)
(17時10分メド)     林文部科学大臣ぶらさがり取材(調整中)
18時00分〜19時20分 中国文化・観光部主催晩餐会(松北シャングリ・ラハルビンホテル)
20時00分〜21時30分 日中韓芸術祭(ハルビン音楽庁)
■8月31日(金曜日)
午前         視察[非公開]
14時30分        ハルビン 発 仁川空港経由
22時50分        羽田 着
3.出席予定者(※今後変更の可能性がありえます)
【日中大学生千人交流大会】
   日本:林芳正 文部科学大臣 ほか
   中国:陳宝生 教育部長(大臣) ほか
【第10回日中韓文化大臣会合】
   日本:林芳正 文部科学大臣 ほか
   中国:ルオ樹剛(ルオ・シュガン) 文化・観光部長(大臣)ほか
   韓国:都鍾煥(ト・ジョンファン)文化体育観光部長官(大臣)ほか
4.主な行事・議事内容等
【日中大学生千人交流大会】
(1)来賓挨拶
(2)日中学生代表発言 ほか
【第10回日中韓文化大臣会合】
(1)成果文書「ハルビン行動計画」の策定
(2)2019年東アジア文化都市の決定・発表

http://japanese.cri.cn/20180830/4ed5fb40-1012-7c11-438d-71d94643e10e.html
・8月29日午後、日本の林芳正文部科学大臣訪中団一行が北京外国語大学日本学研究センターを訪れました。
・林大臣は「日本と中国は千年以上の交流の歴史があり、その中で、教育の交流、言葉の交流は交流の中心部となっている。今後も両国の若者が互いに交流できる場や機会をさらに構築できるように努力していく」としました。

http://japanese.cri.cn/20180829/6d065e02-546f-9d08-d4b9-67fceffa952f.html
・中日平和友好条約の締結から40年になるのを記念して、中日両国の大学生1000人余りが参加する交流会が29日に北京大学で行われました。国務院の李克強総理と日本の安倍晋三首相がそれぞれ大会に祝電を送りました。
・安倍首相は、「今年5月に李克強総理が日本を公式訪問したこと、日中関係にとって大きな意義があった。両国は長期的かつ友好的で安定した関係を発展させるべきだ」とした上で、「若者たちは両国の未来を担っている。双方は引続き青少年交流を推進し、日中友好のためにより多くの架け橋を作るべきだ」と語りました。

http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1408659.htm
大臣)
 日中の科学技術協力委員会についてでございます。8月23日(木曜日)に、文部科学省で開催されました第16回日中科学技術協力委員会に出席をいたしました。本年は、日中平和友好条約40周年の記念すべき年であり、委員会には、私とともに、中国科学技術部の王志剛(ワン・ジーガン)部長が出席して挨拶を行い、今後の両国の科学技術協力の進展について期待を示したところでございます。また、日中共同研究プロジェクトとして、中国側の研究機関内に形成する「日本−中国国際共同研究イノベーション拠点」に関する覚書の署名を行いました。引き続き、両国の交流と相互理解を進めてまいりたいと思っております。
(中略)
 続きまして8月29日(水曜日)に、中国北京市で行われる「日中大学生千人交流大会」及び30日(木曜日)に中国ハルビン市で行われる「第10回日中韓文化大臣会合」に出席するため、中国を訪問をいたします。日中大学生千人交流大会は、本年が日中平和友好条約締結40周年であることに鑑みまして、両国の学生の相互理解の深化等を目的に開催される中国主催の行事であり、日中両国の大学生約1,000人が参加をいたしまして交流を深めます。私は中国からの出席要請を受け、開会式で挨拶を行う予定にしております。また、第10回の日中韓文化大臣会合では、日中韓3カ国の文化交流・協力について意見交換を行うほか、2019年の「東アジア文化都市」として、日本は豊島区、中国は西安市*25、韓国は仁川広域市が正式に決定される予定であり、この点も含めた成果文書の署名が予定をされております。更に大臣会合の期間中、中国及び韓国と二国間の会合を行う予定にしております。日中大学生千人交流大会及び日中韓文化大臣会合により、学生交流や文化交流を通じた日中及び日中韓3カ国の友好関係が一層深まることを期待をしております。

・「日中大学生千人交流大会」つうのは

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34810420Q8A830C1000000/
 北京を訪問中の自民党二階俊博幹事長は30日、王家瑞宋慶齢基金会主席と会談し、日中関係の改善を加速するため青少年交流を拡大する方針で一致した。二階氏は会談後、記者団に「日中関係を次の時代につないでいくため、青年に期待するのは当然だ。努力を怠ってはならない」と述べた。

つうことなんでしょうね。二階氏の言う「青少年交流を拡大する方針」の一環の訳です。
・林文科大臣訪中が「二階幹事長や麻生*26財務相、秋葉外務事務次官の訪中と連動してる」のかどうか気になるところです。素直に考えれば連動してるのでしょうが。


産経
■自民・二階俊博*27幹事長が王岐山*28副主席と会談 首相10月訪中へ地ならし
https://www.sankei.com/politics/news/180831/plt1808310045-n1.html
麻生太郎財務相が日中財務相対話に期待感「首相訪中につながるように」
https://www.sankei.com/politics/news/180828/plt1808280020-n1.html

 確かに二階訪中の目的はその通りでしょうが、もはや産経には「二階訪中は安倍の指示」ということを否定する気はないようです。そして麻生がこういう発言をするとはねえ。


■日経『日中の青少年交流拡大 二階氏、王家瑞*29と会談』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34810420Q8A830C1000000/
■レコードチャイナ『安倍首相の10月訪中に向け、日本の高官が続々訪中―中国メディア』
https://news.nifty.com/article/world/china/12181-178182/

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34810420Q8A830C1000000/
 北京を訪問中の自民党二階俊博幹事長は30日、王家瑞宋慶齢*30基金会主席と会談し、日中関係の改善を加速するため青少年交流を拡大する方針で一致した。二階氏は会談後、記者団に「日中関係を次の時代につないでいくため、青年に期待するのは当然だ。努力を怠ってはならない」と述べた。

https://news.nifty.com/article/world/china/12181-178182/
 自民党二階俊博幹事長は21日の記者会見で、29日から9月1日の日程で北京を訪問すると発表した。日本政府はまた、野上浩太郎*31官房副長官が24日から2日間、公明党山口那津男*32代表が9月5〜9日、それぞれ北京を訪問することを明らかにした。いずれも安倍首相訪中のため、布石を打つものとみられている。

 「一時の安倍政権の中国敵視」が「5月の李首相訪日とそれに対する安倍の歓待以降」、嘘のような状況になっていますね。
 こういう状況下において

常岡浩介がリツイート
モーリー・ロバートソン
‏ 中国政府のチベット人ウイグル人への警戒心と猜疑心は常軌を逸したもの。人権弾圧を速やかにやめるよう、日本も含めて国際社会が圧力を加えなくてはなりません。日米のスクラム経済制裁もあり。

なんてことをいう「反中国ウヨ」モーリーやそれに賛同しているらしい「反中国ウヨ」常岡はいつもながら正気ではありません。そんなことを安倍政権がするわけもない。


■ちきゅう座『生き続けるフランコ(1)』童子丸開(どうじまる・あきら)
http://chikyuza.net/archives/86842
■ちきゅう座『生き続けるフランコ(2)』童子丸開(どうじまる・あきら)
http://chikyuza.net/archives/87003
■産経『フランコ総統の墓移転で波紋 スペイン左派政権が方針表明、歴史問題が国内対立を招く懸念も』
https://www.sankei.com/world/news/180801/wor1808010025-n1.html

https://www.sankei.com/world/news/180801/wor1808010025-n1.html
 スペインで、1975年まで36年間、独裁を敷いたフランシスコ・フランコ総統の墓を近く移転する方針をサンチェス首相が先月発表し、波紋を広げている。墓はフランコがスペイン内戦(36〜39年)勝利後に建造した慰霊施設にあり、首相は「民主化時代にふさわしくない」と主張するが、歴史問題が国内の対立を招くという懸念も強い。
 これに対し、フランコ支持者ら右派の数百人が「絶対に阻止する」と訴え、現地で抗議集会を実施。前与党の保守系・国民党は「古傷を広げるだけだ」として墓の移転に反対した。
 社会労働党は国会で保有議席が4分の1に満たないが、急進左派ポデモスのほか、右派新党のシウダダノスも「ファシストの記念碑は民主国家に不似合い」との立場で、移転に前向きな立場。これらの政党が支持すれば、墓の移転案は過半数の賛成で採択できる。だが、墓の移転をめぐる論議が、独裁による弾圧の責任追及に発展すれば、国を再び分裂させかねないとの指摘もある。7月の世論調査では「移転に賛成」は41%にとどまった。

http://chikyuza.net/archives/87003
 フランシスコ・フランコ財団は、名誉会長のフランシスコ・マルティネス・ボルディウー(フランシスコ・フランコの孫)の話として、この社会労働党政府の決定は背任罪でありうると警告を発した。国民党はこのペドロ・サンチェスの「暴挙」に反対する運動を起こす、そして憲法裁判所に訴え出ると息巻いた。
 いずれにせよ、この墓の移転問題がスペインの社会と国民を真っ二つに引き裂く“超巨大地震”の震源となるのかもしれない。フランシスコ・フランコ財団の関係者たちが今年6月の社会労働党政権誕生をスペイン内戦前夜にたとえたのも決して大げさではあるまい。

 記事に書いてあるようにフランコ(フランシスコ・フランコ*33とはスペインの独裁者だった男です。詳しい内容はリンク先を読めばいいですが、あらすじは「民主化された今もスペインではフランコ支持の極右の政治力が無視できない」つう話です。そもそもスペイン民主化は「フランコ死後」に起こった話でついにフランコ生前には民主化は実現できませんでした。
 このスペインの話は、ドイツのネオナチ、日本の「靖国日本会議」と話的には変わらない話です。ドイツは「生き続けるヒトラー」、日本は「生き続ける東条英機*34」のわけです。
 つうかフランコの墓の移転つうのは日本で言えば「靖国A級戦犯合祀するの辞めよう」みたいな話でしょう。左派の靖国批判を自虐だ、反日だと誹謗する産経らウヨですが、その産経クオリティではサンチェス首相も「自虐で反スペイン」なのでしょう(皮肉のつもり)。つうかフランコ崇拝極右はマジでそうサンチェス氏を罵倒してるようですが。まあ、「負の歴史」の解決が難しいのは日本だけじゃない、どこの国もそうだという話です。


■産経【主張】中国の産経拒否 異様な報道統制をやめよ
https://www.sankei.com/column/news/180831/clm1808310001-n1.html

 日中両政府は冷え切った両国関係の改善を模索している。10月23日が日中平和友好条約発効から40周年になる。秋葉、王両氏の会談は、安倍晋三首相の10月訪中に向けた調整が目的だった。
 だが、報道の自由の大切さを理解しない中国と、良好な関係を果たして結べるのだろうか。

 おいおいですね。日本が過去に友好関係を結んできた国、あるいは今友好関係にある国は「人権上、何の問題もなかった」のか。そんなことないわけです。わかりやすい例では「名誉白人の称号を授与してくれた」アパルトヘイト南アがありますね。
 「世界各国が経済制裁を発動した南アレベル」に酷い場合はまだしも、多くの場合「それ(人権問題)はそれ、これ(経済、文化交流など友好関係)はこれ」のわけです。
 「隣国にして世界の経済大国」と対立関係になれるわけもないでしょう。前も書きましたが欧米だって中国批判はしても経済、文化交流はするわけです。産経のような反中国ではない。
 そもそも「報道の自由をわからない奴とは仲良くなれない」つうなら「俺を批判する奴らは皆フェイクニュースだ」なんてトランプはどうなのか。
 「トランプみたいなバカとは仲良くなれない」といったら産経は賛同するのか。いやそもそも「NHK慰安婦番組への不当政治介入」「クロ現・国谷*35キャスター、報ステ・古館キャスターの降板劇」でわかるようにそうしたメディアへの政治介入、恫喝を実行して恥じない安倍と、安倍を擁護する産経こそが「報道の自由の大切さを理解しない」連中ですが。

 客観報道と公正な論評を貫く。報道の自由に対する中国当局の妨害・圧力に対抗するすべは、それ以外にない。

 吹き出しました。他のメディアはともかくいつ産経が「客観報道と公正な論評」なんかしたのか。そもそも産経がこうして狙い撃ちされるのも「産経なんざデマ記事常習で世間からまともに相手にされてないから心の底から産経擁護する奴なんざいないよ」と中国が思ってるからでしょう。だからこそ産経とは違ってまともな朝日、読売、毎日、日経だのはこんなことされない。


■産経『インド、米との「関係深化の好機」も…ロシアとの関係は維持 「対中牽制」にも消極的』
https://www.sankei.com/world/news/180830/wor1808300019-n1.html
 まあそりゃそうでしょう。産経の望む中国牽制なんかしてもメリットはありませんから。


■ちきゅう座『矛盾だらけの「インド太平洋戦略」:行き詰まる日米機軸と中国包囲』岡田充*36
http://chikyuza.net/archives/87021
 そもそもインドもオーストラリアも「中国との経済関係を重視し」安倍らウヨが期待するような反中国の態度なんかとらないし、そもそも日本財界が一帯一路参加を安倍にせっついて、安倍がそれに応じたこともあって「インド太平洋戦略」なんてもんは事実上挫折したが、それでも安倍が「AIIBには参加しない」など「完全には反中国的態度を捨てない」がゆえに「状況が意味不明な、わけのわからないものになってる」つうのが岡田氏の安倍批判です。
 かなり長くなりますが一部引用します。

 インドの対中姿勢は、日米両国が考えるほど単純ではない。一言で表せば「是々非々」。インドは「一帯一路」を支持していない。宿敵パキスタンと領有権で対立するカシミール地方に「一帯一路」案件が及んでいるためである。
 その一方で、中国主導の国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)には加盟し、ことし6月にはムンバイで第3次年次総会を開催、モディ*37首相は「アジアの安定した経済成長にむけ、インドはAIIBとともに積極的にかかわっていく」と述べた。
 2015年に57か国で創設したAIIBは今や、日米主導のアジア開発銀行(ADB)を上回る87か国に増えた。インドは中国に次ぐ出資国であり、AIIBが承認した融資25件(6月初め現在)のうち、インドは6件と四分の一を占める。融資額は約12億ドル(約1320億円)に上り、インド政府関係者は「インフラ整備にAIIBは不可欠」と言う。
 ムンバイ年次総会に参加したある日本の金融関係者は「(ボーガス注:AIIBが)国際金融機関としての地位を確立していけば、日本や米国は未加盟のままでいられなくなるだろう」と、共同通信記者に語っている。
 AIIBだけではない。インドは中ロ主導の「上海協力機構」(SCO)にも2017年、パキスタンとともに加盟した。さらにブラジル、ロシア、インド、中国、南アの新興5カ国(BRICS)首脳会議のメンバーでもあり、米一極支配には与しない多極化の担い手でもある。
 モディは5月にシンガポールで開かれた「シャングリラ対話」では、南シナ海問題で中国非難の発言は避けた。日米にとって「対中包囲」のあてが外れたのは間違いない。
 1980年代後半に駐インド大使をつとめた野田英二郎氏*38に聞いた。安倍外交について野田は「中国包囲網への協力を呼びかけられても同調する可能性はほとんどないでしょう」と答えた。インドと共に中国包囲網を築こうとするのは「戦略的誤算」ではないか、ということだ。
■対中改善と「対中けん制」の矛盾
 安倍政権は、日中関係改善の切り札として、「一帯一路」への条件付き協力に舵を切った。5月の李克強*39首相との首脳会談の際に安倍は「日中は協調の時代に入った」と述べ、北京も姿勢転換を歓迎した。それとともに対中包囲網としての「戦略」の目的は曖昧化している。
 「戦略」のうち、安保と経済を切り離す「政経分離」を図った、というのが筆者の見立てである。
 途上国向けの開発援助やインフラ整備事業で、「一帯一路」とマッチングすれば(ボーガス注:日本財界の金儲けのために)中国と協力する。しかし南シナ海やインド洋では、海上自衛隊護衛艦を長期派遣して事実上の「哨戒活動」は継続。フィリピンやベトナムなど中国と領有権争いをする国に中古巡視船を供与し、対中けん制は継続―という使い分けである。
■何をしたいの?
 戦略のわかりにくさは、安倍政権を支える研究者も共有している。田中明彦*40政策研究大学院大学学長は、外務省発行の隔月刊誌「外交」(2018年Jan/Feb)で「全体像を示した戦略文書を早期に公表することが望ましい」と提言した。「戦略の全体像」がみえないと言っているのだ。
 この3月まで外務省地域政策課に出向していた相澤輝昭(笹川平和財団海洋政策研究所特任研究員)も、同財団HPで「現状では(同戦略は)理念先行の感があり、これを主導する日本政府、外務省が実際には何をしようとしているのか、その実践の部分がなかなか見えて来ない」と率直に書いている。
 安倍自身、ことし1月の施政方針演説で「(「戦略」の)大きな方向性の下で、中国とも協力して・・・増大するアジアのインフラ需要に応えていきます」と、「戦略」と「一帯一路」の“コラボ”に言及した。対中けん制の「イメージを打ち消そうとするかの発信が目立っている」(相澤)のだが、そう言えば言うほど、「戦略」の曖昧さが増す。
 中国の経済規模が日本の三倍になろうとする現在「中国包囲などというのはそもそも無理な話」と、ある外務省高官は言う。
■軍事力対抗は愚策
 「中国との関係改善こそ日本がとりうる唯一の選択肢です。アジアインフラ投資銀行(AIIB)に日本は参加すべきだし、軍事力を強化して対抗していくことは賢明な策とは言えません。歴史認識をめぐる対立も解消しておいた方がいい」
 中国の「国家資本主義的手法」や「強権体制」に批判的な米国際政治学者イアン・ブレマー*41が「朝日」とのインタビュー(8月22日付朝刊)で語った内容である。
 その彼ですら、「日米機軸」という名の対米追従外交と中国けん制は日本の利益にならないとみているのだ。国際政治の構造が揺れ動く現状をみれば、しごく当たり前の提言であろう。
 インドへの「安保外交」は必ずしもうまくいっていない。小野寺防衛相は8月末、インド、スリランカ両国を訪問し「海洋進出を活発化させる中国への警戒感を背景に、両国で防衛協力強化を打ち出した」(共同通信)。ここは正確に「両国に対し、防衛協力強化を要請した」と書くべきであろう。重要なのは両国側の反応だが、記事はそれに触れていない。日本の要請に両国はもろ手を挙げて同意したわけではないのだ。インド、スリランカ両国は、中国との経済協力を重視し「対中包囲網」の形成に協力したと、とられたくない。
 スリランカでは、南部の重要港湾ハンバントータ港の運営権が中国企業に99年間貸与されることになった。同国防衛相との会談で小野寺は、中国を名指ししなかったが「自由で開かれた港の使用が重要」と述べた。スリランカと中国の経済関係は厚みを増す一方で、中国と敵対できない。
 インドでは、物資や役務を融通し合う物品役務相互提供協定(ACSA)締結への協議開始で一致した。しかしモディ首相は小野寺と会った翌21日、中国国防相と会談し「印中関係は世界の安定に欠かせない」と述べた。
 日中関係に詳しい上海国際問題研究院の呉奇南・研究員は5月の日中首脳会談の直後、上海で筆者に対し「安倍首相は両国関係について、競争から協調の時代に入ったと述べたが、関係改善の道のりは平たんではない」と疑念を口にした。その理由として彼は「いずも」の空母化と、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備計画を挙げ、「いずれも中国をにらんだ動き」と位置付けた。
 「インド太平洋戦略」が直面する自己矛盾を整理してきた。ここまで書いて、ふと頭に浮かんだのが「戦後70周年の首相談話」である。談話は、「侵略」「植民地」「お詫び」の三本柱からなる村山談話を継承すべきという内外世論に押され、これらの文言を盛り込んだ。しかし「侵略」「植民地」については、「誰が」の主語がない上、「植民地」に関しては「誰に」という目的語も抜け落ちていた。
 おまけに「日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました」と、「靖国史観」そのものの表現すら使った。つぎはぎだらけの「パッチワーク」の文章。多くのアジア人の心に全く響かない声明だった。
 その原因は、首相として「主流民意」にはあらがえない現実主義と、「日本会議」など右翼イデオロギーを同時に満たしたい願望があるからではないか。「インド太平洋戦略」もまた、対中関係改善という現実主義が、「日米機軸」「対中包囲」イデオロギーとの間で「股裂き」に遭い「機能不全」に陥ってしまったのだ。


■産経【国際情勢分析】台湾・国民党「反日カード」の効果は? 初の慰安婦像、謝罪要求…地方選へ皮算用
https://www.sankei.com/premium/news/180830/prm1808300005-n1.html
 人権問題(慰安婦問題)を「反日云々」という理解しかできない産経はいつもながらバカです。
 しかし蒋介石時代はあれほど持ち上げていた国民党をここまで罵倒するとは(苦笑)。

 馬氏*42日中戦争で1937年12月に中華民国の首都、南京が陥落した後、「日本軍による組織的な虐殺、強姦、放火、強奪により30万人が死亡した」と主張。強姦された女性は「何万人」にも上るとした上で、「日本軍の狂った暴行と破壊的な軍紀は全世界から強い非難を招き、天皇ですら衝撃を受けた」と述べた。
 馬氏はそのことが慰安所設立の原因だとした上で、中国大陸、韓国、フィリピン、インドネシア、台湾から「誘拐、脅迫や詐欺の手段で、婦女が強制的に慰安所に連れてこられた」と主張。慰安婦の人数は「中国大陸と韓国からそれぞれ約20万人」などとする見解を披露した。

 被害者数の問題はさておき、大筋(南京事件慰安婦は日本の戦争犯罪慰安所設立の理由の一つは南京事件での婦女暴行)では馬氏の発言には何の問題もないでしょう。南京事件否定論河野談話否定論の産経の方が間違っています。

 一連の国民党の動きに対し、駐日経済文化代表処の謝長廷*43代表(駐日大使に相当)は21日、「台日関係を破壊するものだ」とフェイスブックで批判。

 やれやれですね。「中国との対決」のために安倍にへいこらすると言う恥ずかしい路線が蔡英文政権一味、台湾民進党一味の立場のようです。しかし安倍にへいこらしたところで「ブルキナファソなど台湾との断交続出」をどうにもできないわけです。

*1:台北市長を経て総統

*2:副首相を経て総統

*3:著書『中国「反日デモ」の深層』(2012年、扶桑社新書)、『現代中国悪女列伝』(2013年、文春新書)、『中国のマスゴミ』、『中国食品工場のブラックホール』(2014年、扶桑社新書)、『本当は日本が大好きな中国人』(2015年、朝日新書)、『権力闘争がわかれば中国がわかる』(2015年、さくら舎)、『赤い帝国・中国が滅びる日』(2016年、ベストセラーズ)、『「中国の悪夢」を習近平が準備する』(2017年、徳間書店)、『習近平王朝の危険な野望』(2018年、さくら舎)など

*4:これでは政治家か官僚か財界人か誰かわかりませんが。

*5:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*6:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相などを経て首相

*7:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家副主席、党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*8:首相、IMF副総裁などを経て大統領

*9:加盟国はベナンブルキナファソ,カーボヴェルデ,コートジボワールガンビア,ガーナ,ギニアギニアビサウリベリア,マリ,ニジェール,ナイジェリア,セネガルシエラレオネトーゴ

*10:防相、軍司令官などを経て、軍事クーデターにより大統領

*11:法相、外相などを経て大統領

*12:重慶市党委員会書記、広東省党委員会書記、副首相などを経て中国人民政治協商会議全国委員会主席(党中央政治局常務委員兼務)

*13:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*14:首相、外相などを経て大統領

*15:著書『「日中友好」は日本を滅ぼす!』(2005年、講談社プラスアルファ新書)、『なぜ、日本人は日本をおとしめ中国に媚びるのか』(2009年、ワック文庫)、『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(2013年、PHP新書)、『中国崩壊カウントダウン』(2014年、宝島社)、『「全身病巣」国家・中国の死に方』(2014年、宝島SUGOI文庫)、『世界征服を夢見る嫌われ者国家 中国の狂気』(2014年、ビジネス社)、『なぜ中国人にはもう1%も未来がないのか』(2014年、徳間書店)、『習近平にはなぜもう100%未来がないのか』(2015年、徳間書店)、『狂気の沙汰の習近平体制』(2016年、ビジネス社)、『冗談か悪夢のような中国という災厄』(2017年、ビジネス社)、『習近平の終身独裁で始まる中国の大暗黒時代』(2017年、徳間書店)、『教えて石平さん。日本はもうすでに中国にのっとられているって本当ですか?』(2017年、SB新書) などトンデモ右翼本多数。

*16:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを経て首相

*17:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*18:外務省国際法局長、総合外交政策局長、外務審議官などを経て外務事務次官

*19:黒竜江省省都

*20:駐韓国公使、ミュンヘン総領事、駐ドイツ大使など歴任

*21:外務省文章は中国語そのままだが一般には「工業情報化部」と訳される。

*22:党中央宣伝部副秘書長、副部長などを経て文化観光大臣

*23:著書『葵のようなあなた ほか』(2011年、トランスビュー

*24:福田内閣防衛相、麻生内閣経済財政担当相、第二次、第三次安倍内閣農水相などを経て第四次安倍内閣文科相

*25:陝西省省都

*26:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在、第二〜第四次安倍内閣副総理・財務相

*27:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て幹事長

*28:海南省党委員会書記、北京市長、副首相、党中央規律検査委員会書記(党中央政治局常務委員兼務)などを経て国家副主席

*29:青島市長、中国共産党中央対外連絡部副部長、中国人民政治協商会議全国委員会副主席など歴任

*30:孫文の未亡人。中華人民共和国において全国人民代表大会常務委員会副委員長、国家副主席など要職を歴任

*31:小泉内閣財務大臣政務官、第2次安倍内閣国交副大臣を経て現在、第4次安倍内閣官房副長官

*32:公明党参院国対委員長政調会長などを経て代表

*33:陸軍参謀総長、反乱軍司令官などを経て総統

*34:関東憲兵隊司令官、関東軍参謀長、陸軍次官、近衛内閣陸軍大臣などを経て首相。戦後、A級戦犯として死刑判決

*35:著書『キャスターという仕事』(2017年、岩波新書)など

*36:共同通信香港、モスクワ、台北各支局長、編集委員論説委員を経て現在、共同通信客員論説委員。著書『中国と台湾』(2003年、講談社現代新書)『「領土問題」の論じ方』(共著、2013年、岩波ブックレット)など

*37:グジャラート州首相を経てインド首相

*38:ベトナム大使、ペルー大使、インド大使など歴任。2001年に文科省教科書検定審議会委員を一時務めたが「偏向自虐」という産経や自民ウヨ議員の個人攻撃で委員を不当にも更迭されたことでも知られる。退官後も日中友好会館顧問、日印協会顧問など歴任(ウィキペディア「野田英二郎」参照)

*39:共青団中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*40:東大東洋文化研究所所長、東大副学長、JICA理事長などを経て、政策研究大学院大学学長。第1次安倍内閣の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」委員。著書『新しい「中世」:21世紀の世界システム』(2017年、講談社学術文庫)など

*41:著書『対立の世紀:グローバリズムの破綻』(2018年、日本経済新聞出版社)など

*42:連戦内閣法相、台北市長などを経て総統

*43:高雄市長、陳水扁政権首相などを歴任