今日の産経ニュース&しんぶん赤旗(8/6分)(追記・訂正あり)

赤旗『BS日テレ番組で小池副委員長、戦争法案を批判』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-08-06/2015080604_02_1.html
 「中国や北朝鮮が米国とガチンコの戦争をやって、米国を日本が支援するなんてリアリティがない」、「日本が米国を支援させられるとしたらイラクやシリアと言った中東だろう」、「しかし中東と言えないから中国や北朝鮮を持ち出してるのだ、詐欺同然だ」と批判する小池氏です。俺も全く同感ですね。


赤旗『中国「脅威」論に根拠なし、参院安保特 大門議員の質問』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-08-06/2015080602_03_0.html
 「日本企業がたくさん中国に進出してるし、中国人観光客もたくさん日本にきている。そう言う経済交流が極めて密接な状況下で中国脅威論なんて馬鹿げてると思いますがいかがですか」「南シナ海の件だって中国も東南アジア諸国もお互い大事な貿易相手国であり、基本的には戦争の危機などないと思いますがいかがですか」「この法案の対象は中国という話もありますがどうなんですか、もしそうなら政府の中国認識、国際情勢認識が間違ってると私は思いますが」という共産党・大門参院議員の直球ストレート、ど真ん中の質問です(衆院でもっと早くやって欲しかった気もしますが。まあ、でも中国脅威論を安倍政権が大宣伝するようになるのは参院審議が始まってだから仕方ないか?)。
 本当はこういうのは民主党にやって欲しいんですけどね、最大野党なんですから。
 まあ、俺も全く大門氏に同感ですね。でこう正面から聞かれるとさすがに岸田外相や中谷防衛相も「この法案の対象は中国ではないです」「我々も赤嶺先生同様、貿易のことを考えれば日中間、あるいは中国と東南アジア諸国間の戦争の危機は小さい、そう思います」という主旨の事を言わざるを得なかったようです。
 しかし、今後、産経あたりが「岸田と中谷が中国に媚びた」「岸田や中谷なんか外相や防衛相から更迭しろ*1」「日本共産党の大門と同意見とは岸田や中谷は何事だ。そんな奴は日本共産党に入党しろ」とでも騒ぐのかと思うと愉快ですね。
 そして次にはおそらく大門氏から「安倍総理は中国脅威論を語っていたように思うが、いかがですか?。岸田答弁、中谷答弁はあなたの過去の発言と矛盾しませんか?。閣内不一致で問題じゃないですか?」と安倍追及が始まるところでしょう。
 安倍が
1)「私は中国脅威論など語っていない、中谷氏や岸田氏と同意見だ」と語ろうと
2)「私は中国脅威論の立場だが何が悪い?」と言おうと
3)事実上の答弁不能に陥ろうと共産党としては「どれも大歓迎」でしょう。
 1)なら「つまりこの法案のターゲットは中国じゃないんですね」と言質を取った上で「じゃあどこがターゲットなんですか?。言えないんですか?。言えないような法律を作るんですか?。おかしいじゃないですか」と突っ込む。
 2)なら「閣内不一致で問題だし、そのような事実認識では日中友好など成り立ちませんよ。首脳会談だってできるかどうか」と突っ込む。
 3)なら「首相ともあろう者が答弁できないんですか」と突っ込む、まあ、そういうことになるでしょう。


■「(注:拉致解決という意味で対北朝鮮)制裁に効果あるのか」 拉致問題蓮池透さん
http://www.sankei.com/affairs/news/150806/afr1508060033-n1.html
 全く同感ですね。「小泉訪朝後10年制裁をやって拉致解決という意味では全く成果がない」わけです。
 そして小泉訪朝が「拉致被害者5人(蓮池夫妻、地村夫妻、曽我さん)とその家族の帰国」という成果を上げたのは「国交正常化交渉をやる用意がある」というお土産を北朝鮮に用意したからです(そのお土産は、ウヨ連中の巻き返しで事実上反故になりましたが)。制裁したからじゃない。
 ただし巣くう会、拉致議連、家族会の「悪の枢軸」「黒い三連星」は「制裁の効果を公然と否定するとは、蓮池の野郎絶対許さない」なんでしょうね。もう本当にうんざりします。
 まあこの蓮池発言を仕掛けたのが「巣くう会とずぶずぶの関係にあったアジアプレスの石丸次郎」と言う辺りには「石丸、手前ふざけんな」とは思いますが。まあ、でも安倍晋三といい、石丸といい、高世仁といい「巣くう会とさんざんつるんできた奴ら」が「制裁反対論、慎重論」に変節してることは「ふざけんな、変節野郎」と「腹は立ちます」がそれはそれで「潮目がかわった」と喜ぶべき事かも知れません。


■【正論】戦後70年に思う 国際協調へ済ませるべき「宿題」(東洋学園大学教授・櫻田淳
http://www.sankei.com/column/news/150806/clm1508060001-n1.html

 細谷雄一*2慶応大学教授が新著『歴史認識とは何か』*3の中で「戦前の日本が、軍国主義という名前の孤立主義に陥ったとすれば、戦後の日本はむしろ平和主義という名前の孤立主義に陥っているというべきではないか」と書いているのは、誠に示唆的である。

 まあばかばかしいですね。産経や細谷、櫻田にとっては「国際協調の重要要素」は「中東辺りで米国と一緒に戦争すること」のようですがそんなん「アメリカ以外の国」にとっては別に重要要素じゃないわけです。

 安倍首相は、祖父・岸信介*4の衣鉢を継いだ「ナショナリズム」の徒かもしれないけれども、彼の「ナショナリズム」は、少なくとも実際の政策展開の上では、国際協調の実践を通じて日本の威信・声望の向上を図る「開かれたナショナリズム」としての様相を色濃くしている。

 ここでの「国際協調」つうのは要するに「あまりにも露骨に戦前万歳して国際社会(欧米や中国、韓国など)を敵に回したら日本は経済的にやってけないてことは理解してやろうよ」「国際協調のためには米軍の戦争への自衛隊の参加が必要だが、露骨に戦前万歳するとそれが難しくなるて事は理解してやろうよ」「安倍談話がどんなもんでも支持しようよ」つう話でしょう。はっきりそう書けないで曖昧な書き方してる辺りが本当にせこいですが。
 ただこういう文章を載せながら「どうしても戦前美化がやめられない」辺り産経はどうしようもない新聞です。

*1:もちろん安倍は更迭しないでしょうが

*2:著書『戦後国際秩序とイギリス外交:戦後ヨーロッパの形成・1945〜51年』(2001年、創文社)、『外交による平和:アンソニー・イーデンと20世紀の国際政治』(2005年、有斐閣)、『大英帝国の外交官』(2005年、筑摩書房)、『倫理的な戦争:トニー・ブレアの栄光と挫折』(2009年、慶應義塾大学出版会)など

*3:2015年、中公新書

*4:自民党幹事長、石橋内閣外相を経て首相