新刊紹介:「前衛」3月号

 「前衛」3月号について「興味のある内容」のうち「俺なりになんとか紹介できそうな内容」だけ簡単に触れます。「赤旗記事の紹介」でお茶を濁してる部分が多いです。
http://www.jcp.or.jp/web_book/cat458/cat/
◆グラビア「ファストファッションの影で バングラデシュのスラム」(梶井照陰*1
(内容紹介)
 ファストファッションユニクロしまむらのような低価格衣料)は、例えば「バングラデシュのスラムに住む貧乏人」の低賃金・長時間労働で支えられてる、つう話ですね。まあ、なかなか難しい話です。
1)「ファストファッションは買わない」で済む話でもない気もする
2)それ以前にやはり「ファストファッションは価格的に魅力」と思う一方で、「躊躇なく買っていいのか」つう思いはあります。

参考
人権弁護士が訴えるファストファッション生産現場の過酷な現実 | ハフポスト


日本共産党第28回大会:3党2会派1ゲストの来賓あいさつ(全文)
◆縮まった距離 その先に政権(立憲民主党国対委員長安住淳*2
◆三つの柱は日本を変える指針(国民民主党幹事長・平野博文*3
◆安倍政権倒し崩壊を止めよう(社会民主党幹事長・吉川元*4
◆あきらめないたたかいで共闘を(参議院会派「沖縄の風*5」代表・伊波洋一*6
◆「多様性の中の統一」で政権交代を(碧水会*7代表・嘉田由紀子*8
◆総選挙勝利、共産党の力が必要(特別ゲスト・中村喜四郎*9
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
第28回大会 共闘する野党・会派などからあいさつ/立憲民主党国対委員長 安住淳さん/縮まった距離 その先に政権
第28回大会 共闘する野党・会派などからあいさつ/国民民主党幹事長 平野博文さん/三つの柱は日本変える指針
第28回大会 共闘する野党・会派などからあいさつ、社会民主党幹事長 吉川元さん、安倍政権倒し崩壊止めよう
第28回大会 共闘する野党・会派などからあいさつ/沖縄の風代表 伊波洋一さん/諦めないたたかいで共闘を
第28回大会 共闘する野党・会派などからあいさつ/碧水会代表 嘉田由紀子さん/政権交代のうねり 地方から
第28回大会 共闘する野党・会派などからあいさつ/ゲスト 中村喜四郎さん/総選挙勝利 共産党の力必要


野党共闘の新たな前進から「野党連合政権」へ:安倍政権を倒し、希望ある新しい政治を!(こくた恵二*10
(内容紹介)
 基本的には今までの野党共闘の成果を元に更に野党共闘を進め、可能ならば連合政権を実現しようという話です。ただし、「小生もいたずらに悲観論を唱える気は無い」ですが、「先日の京都市長選での立民、国民民主、社民のふるまい(自民、公明に相乗りしたあげく、無礼千万な反共広告を京都新聞に掲載)」などを考えると明るい話ばかりではないのも確かです。

【参考:野党共闘の例】
 派兵撤回 政府に要求へ/野党国対委員長が一致
 野党がカジノ廃止法案/共同提出 予算委で徹底追及
 市民と野党の共闘を発展させ、「野党連合政権」の実現を/全国革新懇が代表世話人会


◆日米軍事同盟を根本から見直す(下):現行安保条約60周年(山根隆志*11
(内容紹介)
 新刊紹介:「前衛」2月号(追記あり) - bogus-simotukareのブログで紹介した「(上)」の続き。
 赤旗の記事紹介で代替。
 主張/「思いやり」増額/対米追従が法外な要求招いた
 主張/日米地位協定改定/米軍への国内法適用を緊急に
 主張/「思いやり」増額/地位協定上も道理は全くない
 主張/佐世保・揚陸艦配備/「侵略力」の強化許されない
 シリーズ安保改定60年/在沖海兵隊 「日本防衛」から除外/日米作戦計画で80年決定/「抑止力」根拠なし
 主張/現行日米安保60年/「地球規模の同盟」の危険鮮明
 主張/駐留費の負担協議/米軍への「思いやり」廃止こそ
 志位委員長の会見/米の小型核配備、日本に影響 「非常に深刻で重大」/核密約の廃棄求める


自衛隊中東派遣と9条の相克:世界と日本を2015年に戻す、という課題との関係で(永山茂樹*12
(内容紹介)
 副題の「2015年に戻す」の意味は以下のようなことです。

◆世界:
 2015年にオバマ政権とイランの間にイラン核合意が成立。緊張が緩和された。
 しかし2017年にトランプ政権が誕生。トランプ政権は2018年にイラン核合意破棄を宣言。今回の自衛隊中東派兵につながるイランと米国の対立が始まった
◆日本:
 2015年に安倍政権によって自衛隊集団的自衛権行使を条件付きで認める安保関連法(戦争法)が成立

 なお、永山氏は自衛隊派兵を
1)中東の緊張を激化させる
2)日本とイランの関係が悪化する。そして日本が仲介役になることで「米国とイランの緊張を緩和すること」を理由とした安倍首相のイラン訪問や、ハメネイイラン大統領の訪日が無意味になる
→そうした安倍の「仲介役路線」を肯定的に評価する場合は勿論、「浅井基文氏など多くの安倍批判派、左派のように」否定的に評価する場合(安倍にそんな仲介能力はない、いや、それどころか仲介意思すらあるか怪しい、と評価するなど)でも「安倍首相のイラン訪問の目的と、自衛隊派兵と矛盾しないんですか!」「米国が要請し、イランが反対する行為をやったら、日本は反イランの立場に立ったと評価されて仲介役なんかできないでしょうよ!」「何のためにイラン訪問したんですか!」という批判は当然されてしかるべきです。それは「安倍イラン訪問を評価しないなら、そうした批判をするのはおかしい」と言う話ではない。
 一般論として「A(例:中東の緊張緩和)という理由でB(例:イラン訪問によるハメネイ大統領との会談)したというあんた(例:安倍)の行動を俺個人は評価しない。しかしそれならなんでC(例:イランが批判する「自衛隊の中東派兵」)するのか。Cは『AだからBした』と矛盾しないのか」というのは何らおかしな批判ではない。
 「安倍イラン外交」については
「安倍外交」のお粗末な本質:対イラン「仲介」外交
ハメネイ師と安倍首相の会談
ハメネイ師の安倍首相に対する発言(最高指導者庁WS)|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
を紹介しておきます。
3)最悪の場合、自衛官の死者が出る恐れがある*13
4)手続き上の問題(「自衛隊の収集した情報が現地米軍に提供された場合、集団的自衛権行使に当たる疑いがある」など違憲の疑い、『派兵』を防衛省設置法の『調査情報収集』を理由としたこと*14の是非、国会閉会中に閣議決定だけで派兵を決定し国会審議をしなかったこと、そもそも自衛隊を派兵しなければ情報収集が出来ないのか*15など)
などの理由で批判し、自衛隊撤退を要求しています。
 
参考
 主張/自衛隊の中東派兵/米国への忖度で緊張高めるな
 自衛隊中東派遣 反対/法律家6団体が緊急声明/笠井議員同席
 中東派遣 情報提供 根拠答えず/防衛省 野党合同ヒアリング
 「軍事的緊張高める」/小池書記局長 中東派兵を批判


◆2020年からの10年が「気候危機」とのたたかいの正念場:COP25の結果と課題(早川光俊)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
COP25閉幕/日本政府の態度が世界の足を引っ張った/小池書記局長が指摘
主張/COP25の閉幕/気候危機打開へ行動強化こそ
日本は石炭火発やめろ/COP25報告会 削減目標引き上げを


特集「原発事故9年:避難者の生活再建の現状と課題」
◆福島の農漁業の現状と生業再建への課題(小山良太*16
原発事故広域避難者の声と生活再建への道(松井克浩*17
福島原発事故「賠償政策」の検証(除本理史*18
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
被災者支援7項目要請/福島原発事故 共産党が復興庁に
福島県議会 避難者提訴の議案可決/「宿舎追い出し」 共産党は反対
原発避難者の住宅守れ/追い出し迫られる人の支援を/都内で集会
生活・生業再建まで/岩渕氏 大震災復興支援強化を


◆転換迫られるコンビニ業界:いまこそFC法の制定を(藤田信好)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
主張/コンビニの営業/過酷な働き方ただすルールを
コンビニ業界の健全発展へ/共産党 加盟店守る緊急提言
加盟店の営業と権利を守り、コンビニ業界の健全な発展をはかるため、コンビニ・フランチャイズ法の制定を/日本共産党の緊急提言/2019年6月7日 党国会議員団
「元日休ませて」/コンビニユニオン セブン本部に嘆願書/過労で限界 客少なく廃棄も


◆シカゴ教員組合ストライキが求めた教育条件整備と学校を守るたたかい(山本由美*19
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
シカゴ教員スト勝利/新労働協約結ぶ暫定合意


阪神・淡路大震災から25年 毎年起こる災害に何が求められているか(森本真*20
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
主張/「災害国」の1年/国民の命守る体制整備を急げ
きょう阪神・淡路大震災25年 問われた「復興」/被災者は二の次 巨大開発が中心
主張/「阪神・淡路」25年/人間中心の復興を求め続けて
阪神・淡路大震災25年 神戸で震災メモリアル集会/残る課題 解決誓う
阪神大震災語り継ぐ/兵庫・保険医協会 25年の集い


◆論点『ライドシェア*21への突破口 自家用有償旅客運送の拡大』(菊池和彦*22
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
自家用車での相乗り緩和/白タク規制の崩壊/辰巳議員追及
主張/ライドシェア導入/タクシーの安心・安全壊すな
ライドシェア拡大は危険/笠井氏「国民の生命への侵害」
国民の命にかかわる/辰巳氏 ライドシェア事業実験


◆暮らしの焦点『日本語を母語としない子どもの実情と育ち』(倉木綾菜)
(内容紹介)
 「日本語を母語としない子ども」つうのは要するに「外国人の子ども」ですね。ちなみに「アイヌ語ウイグル語、クルド語、チベット語など国がない民族の言葉もある」「一つの国で二つ以上の言葉が使用される多民族国家もある」ため「母国語と言わない」わけです(ウィキペディア母語」参照)。
 「外国の子ども」と倉木論文が書かないのは「日本語を母語としない→日本語のコミュニケーションに難がある→学校(ひいては自治体や国)のサポートが必要」つうことを強調したいのでしょう。
 まあ「イスラム教対応」とかあるんで、外国人の子どもの問題は「日本語のコミュニケーション問題」に限定されませんが。

群馬県太田市大泉町静岡県浜松市での日系ブラジル人の出稼ぎ(例えば外国人労働者の流入で変貌する太田市、移民と地元住民の交流みえず - ロイター参照)
・「埼玉県川口市芝園団地での中国人入居者の増加」など在日中国人の増加(例えば中国人の街「西川口」の変貌っぷりが凄すぎる | 街・住まい | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
日本語NG店も「川口」のディープすぎる街の姿 | 街・住まい | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準【現場×記者】中国人の友達作りに川口芝園団地へ 異文化交流、楽しさと難しさ体感 - 産経ニュース参照)
朝鮮学校韓国学校、華僑学校の子どもたち
蕨市クルド人が増えてるらしい(例えばなぜ埼玉県南部にクルド人が集まるのか?:日経ビジネス電子版参照)
イスラム圏出身の子どもだと豚肉タブーとか色々ややこしい話がある(後で記事を紹介します)

とかまあいろいろあるわけです。安倍が入管法改定した以上、そう言う子どもは今後増えていくでしょう。
 まあ、日本で暮らす以上、「日本語がきちんと使えるようなサポート」も必要だし、一方で「民族教育や宗教上の配慮」も必要*23だけれども、どっちも現状はお寒い状態だつう話です。

【追記】

黒坂真
 日本共産党、左翼が朝鮮学校への補助金や無償化適用を主張する背景には、(ボーガス注:在日朝鮮人が)被抑圧民族だという発想があると考えます。

 反北朝鮮の黒坂らしい与太ですが勿論そう言う話ではないわけです。あくまでも「民族教育への配慮」と言う話です(まあ、日本における在日朝鮮人は「被抑圧民族」と言っていいと思いますが)。「イスラムの子どもには宗教的配慮をする」などというのと変わらない話です。

【参考:外国人の子どもへの対応】
外国人児童生徒実情は/愛知・知立 本村議員ら学校調査
日本語教育充実へ決意/浜松の外国人学校 畑野・本村氏が訪問
きめ細やかな教育を/外国人児童生徒 本村氏求める/衆院決算行監委
外国籍の子 未就学1.8万人/衆院文科委 畑野氏質問で明らかに

海外子女教育、帰国・外国人児童生徒教育等に関する総合ホームページ(CLARINET)について
《このホームページの目的》
 このホームページは、国内外におけるインターネット利用環境がめざましい進展を遂げていることから、文部科学省が中心となって、時間的・空間的な制約を克服した海外子女教育・帰国児童生徒教育関係の教育相談や情報提供並びに海外にある日本人学校・補習授業校と国内の学校及び日本人学校・補習授業校同士などの情報交換等が行えるような場を、広く一般にも提供していくことを目的としています。
《このホームページの性格》
 このホームページは、文部科学省において海外子女教育・帰国児童生徒教育等を所管する国際教育課*24が中心となって作成しています。
 なお、このホームページの愛称(CLARINET)は、インターネットを利用している在外教育施設教員のほか、このホームページの作成協力者等より愛称募集を行った結果選ばれたもので、海外子女・帰国児童生徒の英語表記(CLARI:Children Living Abroad Returnees Internet)の頭文字をとったものです。
《お問合せ先》
 総合教育政策局教育改革・国際課及び総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課

帰国・外国人児童生徒教育のための情報検索サイト「かすたねっと」について
 「かすたねっと」は文部科学省総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課が、帰国・外国人児童生徒教育のために提供する情報検索サイトです。このサイトでは、各都道府県・市町村教育委員会等で公開されている多言語による文書や日本語指導、特別な配慮をした教科指導のための教材等、様々な資料を検索することができます。 このサイトの愛称「かすたねっと」(CASTA-NET)は、外国につながりのある児童・生徒のためにインターネットを介して提供される多言語情報資源およびソフトウエア・ツールを意味する英語表記(Multilingual resources for school children with foreign backgrounds and software tools available on the Internet)の略称から命名されたものです。
(後略)

外国人児童生徒受入れの手引き:文部科学省
 文部科学省では、外国人児童生徒の公立学校への円滑な受入れに資することを目的として、「外国人児童生徒受入れの手引き」を作成いたしました。
 帰国・外国人児童生徒教育に関係するみなさまに、ご活用いただきますようお願いいたします。

 ググって知りましたが、文科省運営の情報サイトで「くらりねっと(CLARINET)」「かすたねっと(CASTA-NET)*25」というのがあり、海外子女教育、帰国・外国人児童生徒教育等に関する総合ホームページ(CLARINET)について帰国・外国人児童生徒教育のための情報検索サイト「かすたねっと」について外国人児童生徒受入れの手引き:文部科学省はそこから引っ張ってきました。

外国人の就学 実態把握と支援を急げ:北海道新聞 どうしん電子版
・日本に暮らしながら教育を受けられない外国籍の子どもを、これ以上放置してはならない。
・昨年の文科省の初の調査では、学齢期なのに学校に通っていない可能性のある外国籍児が約2万人いることが明らかになった。
 日本も批准した国際人権規約は、教育について「全ての者」の権利を認めている。政府は、学校に通えないでいる外国籍の子の就学を支援する責務があろう。
 まずは、十分な実態把握が必要だ。国は自治体と連携して就学を促すとともに、日本語学習の支援を拡充する必要がある。
憲法は義務教育の対象を「国民」とし、外国籍の子には就学義務がない。このため、国や自治体の対応は消極姿勢が目立っている。
 しかし、在留外国人数は年々増加している。昨年は改正入管難民法が施行され、将来的に外国人やその子どもの増加が見込まれる。
日本語教育担当教員の養成や採用など、財政支援を含めた国の積極的な関与が不可欠だ。
 また、文科省の別の調査では、日本語を母語としない高校生は(ボーガス注:高校)中退率が高く、大学進学率が低かった。義務教育にとどまらず、進学・キャリア支援をも見据えた、包括的な対策が求められよう。
 外国籍の子どもの多くはいずれ日本に定住し、ともに社会を支える隣人となる。その教育の保障が、多様性ある社会を築く基盤となることを忘れてはならない。

“依存”の陰で取り残される子ども 外国人“依存”ニッポン|NHKオンライン
 実際に「家族滞在」の一家を取材した。
 新宿区に住むベトナム人のダオ・バン・トゥアンさんと妻のサーさん、そして長男のロック君。
 3年前に通訳として日本企業に就職して来日したトゥアンさんが、半年前に2人を「家族滞在」で呼び寄せたのだ。
 実はこのトゥアンさん、18年前に技能実習生として来日して金型の溶接技術を学んだあとベトナムに帰国した。
 大学で日本語を勉強して、現地の日系企業で通訳の経験を積んだ。
 その後、今の会社に就職したのだ。
 今、こうしたケースが増加していると外国人の子どもの実情に詳しい専門家は指摘する。
「家族での来日を希望する外国人が増えていて、日本で就職した元留学生や元技能実習生など家族で来日できる在留資格を持つ外国人はそうした傾向が高い」(愛知淑徳大学 小島祥美*26准教授)
 これまで日本で働く外国人は母国の家族に給料を仕送りする“出稼ぎ”だと言われてきた。
 それが家族もいっしょに日本で暮らす“呼び寄せ”が急増しているというのだ。
 約4300人の外国人が住む福井県越前市。大半が市内にある大手電子部品メーカーなどで働く日系ブラジル人の工場労働者だ。
 今、越前市ではその子どもたちが急速に増えている。
 取材で訪ねた武生西小学校では全校児童355人のうちの79人が外国人。実に5人に1人だ。
 その多くが日本語を十分に理解できないため、通常の授業とは別に特別クラスを設けている。
 特別クラスでは、子ども1人に対して教員やスタッフがつきっきりで、ひらがなや数字の読み書きなど、日本語の指導にあたる。
 しかし、通常の授業に目を向けると、そこには外国人の子どものことばを理解する教員やスタッフはいない。
 このため、授業が中断することもしばしば。比較的、日本語を理解できる外国人の子どもがほかの子に通訳しているのが現状だ。
 なぜ通訳を配置できないのか。予算の壁に直面しているのだ。
 特別クラスで外国人児童の指導にあたる教員2人の人件費は国や県が負担している。
 しかし、それだけでは子どもたちの急増に追いつかないため、市は独自で5人の臨時職員を雇用している。
 その予算が5年間で倍増し、これ以上、負担しきれなくなっているのだ。
 ましてや通常の授業まではとても対応できないという。
 越前市の奈良俊幸市長は、さらなる財政支出は限界だと訴える。
「この2、3年の外国人の子どもたちの増え方は急激で教育現場では十分に対応し切れていない。一方で、越前市でこのまま負担が増えることは現実的に不可能だ。国が現場に予算措置をして必要な教員が配置されるようにして欲しい」
 外国人児童の指導に頭を悩ませるのは越前市だけではない。
 文部科学省の調査によると、2016年5月時点で、小中学校にいる日本語の指導が必要な外国人の児童・生徒は3万1000人近くに上っている。
 5年間で約6000人も増えているのだ。
 日本語指導が必要な子どもが全国でもっとも多いのが愛知県だ。
 県内の小中学校に通う外国人の子どもは約1万1000人いて、そのうちの6割、7000人は日本語がほとんどできない。
 このため愛知県では、1992年度から国の予算上の支援も受けながら、日本語指導のための教員を小中学校に配置し今年度は542人いる。
 人件費は国の負担分も含めて実に38億円余り。制度を始めた時と比べると約15倍に跳ね上がっている。
 こうした状況に愛知県と群馬県、それに静岡県など、合わせて29の道と県は、国に外国籍の子どもの学習支援の充実に向けて財政措置を拡充することなどを求めている。
 前述の小島准教授は、国による仕組み作りが不十分だと指摘する。
「外国人は家族と定住化し永住を希望する人も多い。日本で育ち、日本を『地元』と呼ぶ子どもたちもたくさんいて、地域社会の中で確実に『移民』が起きている。日本語の指導が必要な子どもたちが地域で増加しているのに、対応は自治体や学校任せになっていて、国による法整備・制度が追いついていない」
 こうした状況の中、心配されるのは、子どもたちの将来だ。
 話を聞いたのは、越前市の小学校に通うヴィクトル・ナカギシ君(10)。
 家でも日本語の勉強を続けているが、まだ日本語を理解するのは難しいと言う。
 「授業の内容は全然わからない。人でも機械でもいいから通訳がいてくれたらいいのに・・・」
 話を聞いていると、突然、ヴィクトル君の目から涙があふれてきた。
 「ブラジルが恋しいよ。ブラジルではたくさん友だちがいて、いつも友だちといっしょだったのに、日本ではいつもひとりぼっち・・・」
 政府は今、外国人労働者の受け入れ拡大に向けて大きく舵を切った。
 今回の制度改正では来日後すぐには家族を呼び寄せることはできない。
 しかし、いずれは家族とともに日本で住むことを希望する人が増え、結果として家族滞在がさらに増えることも予想される。
 外国人の存在に期待するだけでなく、向き合わなければいけない課題も重い。

WEB特集 居場所を失う子どもたち | NHKニュース
 「高校に通えない子どもたちがたくさんいる」
 ブラジル人労働者とその家族が多く住む島根県出雲市で取材をしていて、たびたび聞くようになりました。言葉の壁がある日本で十分な支援を受けられないまま社会に放り出され「居場所」を失っている子たちがいました。
NHK松江放送局記者・土屋悠志)
 「高校進学を諦めて働いている日系ブラジル人がいる」と聞いて出雲市の保育園を訪ねました。
 去年8月にパートとして採用された水津(みずつ)アレクシアさん(16)です。週に5日、子どもの世話のほか、洗濯や掃除など保育士を補助する仕事を任されています。
 資格の取得のために実務経験を積みながら土日は日本語教室にも通っています。
 仕事に勉強にと充実した日々を送れるようになった水津さん。来日してからこれまでの体験を少しずつ話してくれました。
 人口減少が深刻な島根県で人手不足を補っているのが水津さんの両親のような外国人労働者の存在です。
 水津さんも5年前、出雲市内の工場で働くことになった両親とともに来日し、地元の中学校に入学しました。ブラジルにいたら当然のように高校に進学していただろうということですが、日本での学校生活を経て中学3年の時に進路選択で出した答えは進学を諦め、働くことでした。
◆水津アレクシアさん
「日本語がわからなくて、日本人の生徒と仲よくなれず、大変なことがいっぱいあったんです。だから、高校に行きたいとは思わなくなりました」
 中学校で何があったのか、質問に対して詳しいことは話しませんでした。ただ、たどたどしい日本語からはふだん思っていることを周りに伝えるのも簡単ではなかっただろう、ということは想像できました。
 中学校卒業で社会に出ることを決断した水津さんを待ち受けていたのはさらに厳しい現実でした。
 まだ若い水津さんが自分に合う仕事を見つけるのは想像以上に大変でした。仕事が見つからず何もせずに家にいたり、アルバイトが見つかってもうまくいかず、すぐに辞めたりした時期が1年余り続きました。
 ブラジル人の支援をしているNPOや市役所の仲介でようやく今の職場という「居場所」にたどりつくことができましたが、言葉の分からない外国人が自力で仕事を探す難しさや心細さを痛感したと言います。
 もの静かな水津さんが強い口調で語ったことが印象に残りました。
◆水津アレクシアさん
「困ったときに、誰かにもっと助けてほしかったです。言葉が分からず、文化も違う外国人はみんな常に支えを必要としているんです」
 さらに深刻なケースがあることがわかってきました。それは来日した時点ですでに中学生以上の年齢だった場合です。小中学校までの年齢で受け皿がある子たちと違って日本に来たとたんに「居場所」を失う状況になる可能性があるからです。
 「ひきこもり」になった日系ブラジル人の子がいると聞き、同じ出雲市にあるマンションの一室を訪ねました。
 出迎えてくれたロペス・ヘナンさんは21歳。もう成人していました。
 ロペスさんも市内の工場に勤めることになった両親とともに6年前に来日しました。当時15歳。高校1年生にあたる年齢でしたが、日本語がわからないため、日本での高校入学を諦めました。年齢的に中学校に入り直すこともできず、突如、自宅以外に「居場所」がない状態になったのです。
 ブラジルでは高校に通いながら好きなゲームをいつか自分で作ることを夢見て、プログラミングの専門学校にも通っていましたが、その勉強もやめてしまいました。
◆ロペス・ヘナンさん
「日本語が分からなかったのでどこでプログラミングの勉強をすればよいか分からず、勉強を続けられませんでした。やっぱり日本に来るべきじゃなかったと思いました。悔しかったです」
 それから3年余りの間、学ぶ意欲も働く意欲も失い、自宅にこもってアニメを見たり漫画を読んだりして過ごす日々が続きました。大好きなアニメや漫画を通じて日本語を覚えましたが、実際に使う機会があまりなくうまくしゃべることができないままでした。
 そんなロペスさんの背中を押し、一歩踏み出すきっかけを作った人がいます。ふだんは専門学校で日本語を教えている河原由実さんです。
 河原さんは3年前から出雲市内で、学校に通うことのできない外国人の若者などに、ボランティアで日本語を教える「MANABIYA(まなびや)」という活動に取り組んでいます。
 ここで言葉を教える以上に大事にしているのが、近況や悩みを相手に気軽に話してもらうことだといいます。
 自分の悩みや不安を話す中で、河原さんからアルバイトをしてみないかと勧められたロペスさんは近所のコンビニで働き始めました。
 接客を通して地域の人たちと顔なじみになり、日本語の会話も上達しています。
 まだこの先の生き方について確かな目標が定まっているわけではありませんが、「もう一度プログラマーを目指してみたらどうだろうか」「自分のようなゲーム好きが集まれるカフェを開けたら楽しいかもしれない」と少しずつ将来の夢についても考えられるようになってきたと話してくれました。
 義務教育の年齢を過ぎた外国人の子どもたちがどこで何をしているのか?
 取材していて驚いたのは中学校を卒業した瞬間、彼らの状況を把握する仕組みがなくなることでした。
 小学校や中学校に通えていない「不就学」の問題が指摘され、ようやく社会の目が向けられるようになった外国人の子たちの存在と同じように、支えるための仕組み作りが求められていると思います。
 国が「外国人材の受け入れ」*27拡大に向けてかじを切る中、慣れない国で言葉の壁に直面したまま置き去りにされる外国人の子どもたちはまだまだ多くいます。
 「もっと助けてほしかった」「やっぱり日本に来るべきじゃなかった」という思いをなくすために、私たちにできることは何なのか。取材を続けたいと思います。

 NHK記事に寄れば「島根県出雲市日系ブラジル人が多い」そうですがググったところ、有料記事なので途中までしか読めませんが

何のご縁?出雲でブラジル人急増中 全国的に減少なのに:朝日新聞デジタル
 出雲大社で知られる島根県出雲市で、ブラジル人住民が急増している。この3年で倍増し、2千人に達した。全国的にはリーマン・ショックから減り、ようやく下げ止まったところ。人口17万人の山陰の街で何が起きているのか。
 出雲市東部の工業団地の一角にある出雲村田製作所の食堂はにぎやかだ。電子部品を作る村田製作所京都府)の子会社で、敷地は甲子園球場6個分。市内に住むブラジル人の大半が、ここで働く従業員と家族だ。
 ブラジル人従業員約1500人は、請負契約を結ぶ派遣会社2社の社員。うち1社、愛知県でブラジル人雇用を続けるアバンセコーポレーションが約20年前、村田製作所に営業をかけ、出雲で雇用が始まった。給料は日本人と同水準。出雲村田の人事担当者は「辞めてしまう割合が少なく、出勤日数も多い。近年の労働者不足の中で欠かせない存在だ」と言う。

という記事が見つかりました。
 また、米中摩擦、地方に影 減産でブラジル人流出―「日本社会入りたい」・島根県出雲市:時事ドットコムhttps://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/20200206/4030004559.html]、気づいてください、私たちはここにいます | 生き方 | NHK生活情報ブログ:NHKという記事も見つかりました(後で紹介します)。

米中摩擦、地方に影 減産でブラジル人流出―「日本社会入りたい」・島根県出雲市:時事ドットコム
 米中貿易摩擦が、地方都市の雇用に暗い影を落としている。島根県出雲市では大手企業の工場が減産に踏み切り、職を失った日系ブラジル人が次々と市外に流出。市は定住促進に腐心するが、単純労働で日本語ができない人も多く、受け皿探しも難航している。
 2018年の外国人の人口増加率が全国1位だった島根県で、出雲市にはその半数が暮らす。しかし、19年5月に4950人いた外国人は半年で400人以上減った。電子部品を製造する大手企業の関連会社が米中摩擦の長期化に伴う海外経済の減速を受け、工場での生産を調整。勤務日の減少や雇い止めで、530人のブラジル人が市を去ったことが要因だ。
 5年前からこの工場で働く日系3世の東ファビオさん(36)は2カ月ごとに更新してきた派遣契約を11月末に打ち切られ、「人生設計が大きく変わった」と嘆く。
 市は、2060年の目標人口を現状より2万人減の15万人としている。過疎化を食い止めるため、外国人を「新たな地域の力」(長岡秀人市長)と位置付け、日本語教室や就農支援を通じ定住を促進してきた。
 市内には人手不足に悩む中小企業もあるが、言語や技能などへの不安から外国人雇用のニーズは高まっておらず、市はミスマッチを解消するため合同説明会も予定している。
 日本政策金融公庫研究所の竹内英二特任研究員は「外国人の単純労働は、スキルが身に付きづらく再就職も難しい」と指摘。「行政と人手不足に悩む企業が連携して技術指導を行い、訓練が終われば就職できるという見通しを立てて支援していくべきだ」と話している。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/20200206/4030004559.html
 ブラジル人の市外流出が続く出雲市で、こうした人たちの雇用対策に生かそうと、市は、市内に住むブラジル人の生活に関する調査を初めて行うことになりました。
 出雲市では、大手電子部品メーカーの工場に勤務するブラジル人労働者のうち、生産低迷を背景に労働時間や給料が減ったことから、市外に出て行く人が後を絶たない状態が続いています。
 出雲市によりますと、去年末時点で、市内に住むブラジル人は2966人とピーク時より662人減り、去年6月に減少に転じて以降初めて3000人を割り込みました。
 このため、出雲市では、ブラジル人を対象にした緊急の雇用対策に乗り出すことにしていて、それに生かそうと、ブラジル人の生活に関する調査を初めて行うことになりました。
 出雲市産業政策課の角健二課長は、「地域の貴重な人材として安心して暮らせ、定着してもらうためにもまず仕事や就労のことにしっかりと手をさしのべていきたい」と話していました。

気づいてください、私たちはここにいます | 生き方 | NHK生活情報ブログ:NHK
・ある日、会社でニュースを見ていると、先輩記者が、「運動会でお昼にお弁当食べてたら、スパイシーな香りが漂ってきて、見たら隣の外国人の家族がカレーとナンを食べてたよ」とぽつり。外国人労働者を積極的に受け入れているから、外国人の子どもも増えるよなと、さらっと流しそうになりました。でも、待てよ?。日本は「移民政策」をとってないから、子どもが増えるのって、当たり前のことじゃないのでは…。外国人の子どもたちが本当に増えているのか調べてみることにしました。
・調べてみたのは、15歳未満の外国人の子どもの数。平成25年からのデータを分析してみると、全国の41%にあたる711の市区町村で、15才未満の外国人の子どもの数が増加していました。
・最も増加率が高かったのは島根県出雲市。増加率は、なんと3.2倍。なぜ出雲市?とにかく行ってみることにしました。
 島根県東部に位置する出雲市は、人口17万5000人余り。そのうちの外国人は、2.6%にあたるおよそ4500人います。大半が日系ブラジル人です。
 15歳未満の外国人の子どもの数は、ことし3月末時点で284人と5年間で180人余り増加していました。
<外国人児童が増えすぎて、校舎を増築!?>
 外国人の子どもが増えている背景には、市内の電子部品メーカーの工場で働く日系ブラジル人など外国人労働者の存在があります。母国から家族を呼び寄せるなどする人たちが増えているのだそうです。
 外国人が最も多い地域の出雲市立塩冶小学校に行ってみると、なにやら工事をしています。杉谷学校長に何の工事か尋ねてみると、毎月のように外国人の子どもが編入してきて児童数が増えたため、30年ぶりに校舎の増築を進めているそうです。
 杉谷校長によれば、この5年間で外国人を含む児童の数は80人余り増加しているということでした。
<外国人の子どもたちは将来の担い手>
 こうした状況を出雲市はどう受け止めているのか。長岡秀人市長を直撃しました。
 「外国人の子どもたちにも日本の子どもたちと同じ暮らしの中で成長してもらいたいので、市としてもできるかぎりの対応をしていきたい。元気な出雲市を作るうえでの源になってもらえると信じている」
在留資格「家族滞在」>
 そもそもですが、外国人は日本に滞在するために、合わせて36種類ある在留資格の中から1つの資格を得る必要があります。たとえば、出雲市に多く住んでいた日系ブラジル人には「定住者」という在留資格が与えられています。
 では子どもたちで増えている在留資格は何なのでしょうか。法務省のデータを調べてみると、実は、ある資格が大きく増えていることがわかりました。それは「家族滞在」。
 外国料理店の調理師として働く外国人や大学で学ぶ留学生など、36種類のうち17の資格を持つ外国人の子どもや配偶者が、日本に住むために必要な在留資格です。
<「家族滞在」の子どもたちは1.5倍>
 どれくらい増えているのかというと、平成29年までの5年間で15歳未満の外国人の子どものうち「家族滞在」の資格を持つ子どもは、1.5倍増えて6万7000人余り。日本にいる外国人の子どものうち、およそ3割を占めています。
 なぜ「家族滞在」の子どもたちが増えているのでしょうか。
 外国人の子どもの実情に詳しい愛知淑徳大学の小島祥美准教授に聞いてみると意外なことがわかりました。
 「家族での来日を希望する外国人が増えていて、日本で就職した元留学生や元技能実習生など家族で来日できる在留資格を持つ外国人はそうした傾向が高いです。このため『家族滞在』という在留資格の配偶者や子どもたちが急増しているんです」
<大都市で新たな“呼び寄せ”>
 「家族滞在」での家族の呼び寄せ。この新たな動きは、すでに多くの外国人労働者が働く東京など大都市部で広がり始めています。
 新宿区で取材を進めてみると、ベトナム人のダオ・バン・トゥアンさん(39)に話を聞くことができました。
 トゥアンさんは18年前、技能実習生として来日して金型の溶接技術を学んだあとベトナムに帰り、大学で日本語を勉強して、現地の日系企業で通訳の経験を積みました。3年前、再び来日し、通訳として就職。家族離れ離れの生活が続くのはよくないと、半年前に母国から妻と長男を「家族滞在」の資格で呼び寄せました。
「日本企業の給料は、ベトナムに比べて高いのも魅力の1つです。ベトナム人の考え方では家族は一緒に暮らす、離れ離れになるのはよくないです。働いて帰って奥さんの手料理があると疲れが取れます」
<日本語の話せない妻>
 一方で、心配なこともあるといいます。
 妻のサーさんは日本語が話せず、日本での生活に困ることが多いのだそうです。それでも物価が高い日本での暮らしを支えようと、サーさんは、週に4日、ホテルで客室清掃のアルバイトをしています。
「日本は家賃が高いです。いちばんびっくりしたのは野菜の高さです。でも夫の近くで暮らしたいし、日本のよい教育を子どもに受けさせてあげたい。日本の暮らしは大変ですが将来のために頑張りたい」(サーさん)
<続々と“呼び寄せ”>
 トゥアンさんのようなケースは、続々と増えています。
 トゥアンさんの職場では、およそ20人の職員のうち、トゥアンさんのほかにフィリピンやインドネシアなど合わせて3か国から5人の外国人が職員として働いています。いずれも日本に留学したあと、そのまま残って就職したり、再び来日したりして働いています。
 このうち、フィリピン人の男性職員は留学中に日本で結婚し、2人の子どもをもうけていて、次のように話していました。
「フィリピンに帰ろうとは思いません。日本でずっと家族と一緒に暮らしたいです」
 留学生などに加え、こうした「家族滞在」での呼び寄せ者も増え、新宿区は、いまやなんと住民の8人に1人が外国人。出身の国や地域もおよそ130にのぼっています。
<実は“移民”?>
 政府は今、深刻な労働力不足から、外国人労働者の受け入れを目指し、新たな在留資格を創設する方針です。実現すれば、さらに外国人の子どもたちは増えることが見込まれます。
 しかし、日本は増え続ける外国人の子どもや家族たちに対して、十分な仕組みは整っているのでしょうか。小島准教授は、懸念を示しています。
「国は『移民政策』じゃないと言いながらも、外国人は家族と一緒に来日し、定住化が進んでいます。地域社会の中では、確実に『移民』が起きているのですが、全く法整備がされておらず制度が追いついていないのが現状なんです」(小島准教授)
<取材はさらに続く>
 人口減少に悩む地方自治体にとって、外国人労働者が増えて、外国人の子どもたちも増えることは、喜ばしい面があるのは事実だと思います。
 一方、専門家が指摘するように、外国人の子どもたちをはじめとする家族の急増に対応しきれていない現実もあります。
 そんな日本社会の今を、外国人の子どもたちに焦点を当てて、今後も取材を続けていこうと思います。


【参考:イスラムの外国人の子どもへの対応】

ムスリムの子供増加 学校で理解と折り合いを(1/2ページ) - 産経ニュース
 日本でイスラムの戒律と学校生活を両立するには、工夫が必要だ。具体的にどうしているのか、東京都豊島区にあるモスク「マスジド大塚」に集うムスリムの母親たちに聞いた。
 まず食事。イスラム教では豚肉と酒が禁じられ、ラードやハム、ゼラチン*28、みりんなど豚や酒が原料となるものも口にできない。給食をそのまま食べるのは難しいから、ほとんどが「毎日弁当を持たせている」。
 大人の女性はヒジャブというスカーフで頭髪を覆うなどするが、学校でのヒジャブは「小さいうちはかぶらせない」という方針の母親もいて、まちまちだ。
 礼拝は一日5回。学校にいる正午過ぎの礼拝は、校長室などで行う。また、断食は体に負担がかかるため、低学年ではさせない家庭も。断食する子は給食時、別部屋で過ごすことが多いという。
 音楽や図工には参加させない家庭もある。音楽は「楽器は悪魔の呼びかけ」という記述がハディース預言者ムハンマドの言行録)にあるため、図工は絵や粘土の制作などが「偶像崇拝の禁止」にあたるとの考えからだ。授業中は図書室などで過ごすことが多いという。
◆無理のない範囲で
 いずれのケースも、入学前に家庭と学校が相談し、無理のない範囲で工夫されたものだ。母親たちは「学校には予想以上に柔軟に対応してもらった。理解していただけて、感謝している」と口をそろえた。

・産経も、社会面、家庭面はこういう普通の記事もあります。明らかに異常なのが自民万歳と野党非難しかしない政治面ですが。
・個人的には「断食(健康に悪いのでは?)とか、豚肉禁止(栄養があるのに!)とか意味あるんかいな(イスラムを馬鹿にしている気は毛頭ありません*29)」と思いますが、まあ宗教はある意味「理屈じゃない」ですからね。しかし30年前にはこんな記事が新聞掲載されるとは思ってもみませんでしたね。日本も随分と国際化しました。

<となりのムスリム>仙台暮らし事情(4)給食配慮 学校に負担 | 河北新報オンラインニュース
 「ビスミッラー(神の名の下に)」
 2月上旬、仙台市青葉区八幡7丁目にある市内唯一のモスク「仙台マスジド」で、パキスタン人の男児がおぼつかない発音でアラビア語を音読していた。
 少年はムスリムだが、生まれた時から日本で暮らす。アラビア語は未知の言語だ。イスラム諸国では学校やモスクでアラビア語コーランを学ぶが、仙台にそうした教育施設はない。
 このため、仙台のムスリムらは30年以上前から有志が集まり勉強会を開いてきた。
 ムスリムの子を受け入れる学校の負担も大きい。
 小中学校の場合、イスラム教独特の戒律「ハラル」と給食との兼ね合いが難題だ。市健康教育課によると、ムスリムの子は給食のうち主食と牛乳のみ口にし、おかずは自宅から持参するケースが多いという。
 市内には戒律を考慮したハラル対応給食を提供する小学校もある。この学校では15人の外国籍児童のうち7人に向け、類似の別メニューを調理している。
 焼きそばはソースに動物由来の成分が含まれるため塩焼きそばにする。禁忌の豚肉は鶏肉に替える。どうしても調理の手間は増えてしまう。給食室のハラル専用スペースは狭く、担当も1人だけ。栄養士の女性(58)は「今の人数に提供するだけで手いっぱい。ムスリム専門の学校があった方がいいのでは」とこぼす。
 多様な国籍の人々、宗教に触れることで、子どもが互いに国際性を身に付けられるという利点は大きい。だが、解決すべき課題も横たわっている。 

ムスリム児童の日常守る 断食月や水泳禁止 教育現場が工夫 :日本経済新聞
 外国人児童が増加するなか、イスラム教の戒律に沿って日常生活を送るムスリムの児童への対応に教育現場が知恵を絞っている。豚肉は食べられず、礼拝や断食月ラマダン)など異なる文化は多い。各家庭によって戒律に対する考え方に差もあり、学校は個別に親と相談しながら対応を考えることもある。取り組みを進める2つの小学校を訪ねた。
 群馬県にある伊勢崎市立境小学校では児童355人のうち25人が、バングラデシュパキスタンなどを母国にするムスリムだ。
 近隣にモスク(イスラム教礼拝所)ができたことをきっかけに10年ほど前からムスリムの児童が増えているという。教室をのぞくと、児童が図工の授業で描いた自画像が飾られていた。その中には「顔」ではなく「手」の絵が交じる。大塚弘之校長は「顔の絵を描いてはいけないようなんです」と説明する。イスラム教で偶像崇拝が禁じられているためだ。学校側は児童に顔以外の部分を描かせるなど配慮する。
 気分を高揚させるような音楽も禁じられているといい、音楽の授業中は別の教室で自習をする。(ボーガス注:女子生徒は)肌を見せることもできないため水泳の授業にも参加できない*30
 広島県東広島市の市立三ツ城小学校では(中略)日本語教室は、お昼になると礼拝所に変わる。ムスリムの児童たちが集まり、床にマットを敷き、メッカの方向へ体を向けてひざまずくと、頭を深く下げる。
 黒板の横に張ってある献立表をみると、「れんこんスープ」や「照り焼きハンバーグ」など、豚肉を使用しているメニューには×印。1月の場合は給食が配膳される18回のうち9回で豚肉を使うメニューがある。
 日本語教室を担当する秋早知子教諭は「お弁当にする児童もいれば、米飯は食べられるのでおかずだけを持参する児童もいる。各家庭で親が判断している」と説明する。
 特に学校側が気にかけるのが(ボーガス注:日中は断食をしなければいけない)ラマダンだ。境小では来年度の修学旅行の日程*31ラマダンの時期と重なる。夕食などをとる宿泊先や飲食店で細やかな対応がどこまでできるか、判断しきれない部分がある。1月に5年生の女児が転校してきた際、大塚校長からこうした点について説明を受けた女児の父親は修学旅行への参加を見送る意向を示した。
 三ツ城小学校では、ラマダンが運動会シーズン*32にあたる。林健一郎校長は「練習をしていて、水を飲ませてもダメだという家庭もあった」と経験を語る。
 ただ、イスラム教の戒律などに対して「各家庭で違いがある」とも林校長は話す。礼拝をしなかったり、給食を普通に食べたりする児童もいる。そのため、境小でも三ツ城小でも、転入時に必ず親と面談をして、児童ごとに細かく対応内容を考えている。

【参考:ラマダン】

ラマダーンウィキペディア参照)
◆概要
 イスラム暦の9月にムスリムは日の出から日没にかけて、一切の飲食を断つことにより、空腹や自己犠牲を経験し、飢えた人や平等への共感を育む。ラマダーン中は飲食を断つだけではなく、喧嘩や悪口、闘争などの忌避すべきことや、喫煙や性交渉などの欲も断つことにより、自身を清めてイスラム教の信仰心を強める。
◆期間
 イスラム暦は、太陰暦で閏月による補正を行わないため、太陽暦で毎年11日ほど早まり、およそ33年で季節が一巡する。そのため「ムスリムは、同じ季節のラマダーンを人生で2度経験する」と言われる。
◆断食
・断食といっても、1ヶ月間という期間を完全に絶食するわけではなく、日没から日の出までの間(=夕方以降から翌未明まで)に、一日分の食事を摂る。
・旅行者や重労働者、妊婦・産婦・病人、乳幼児、老人、精神的に不安定な人など合理的な事情のある場合は、断食を免除されるなど、ひと口に「断食」と言っても、その適用範囲にはある程度の柔軟性と幅を持つ点にも注意が必要である。また、免除される者にも、後で断食をやり直す必要のある者(旅行者や妊婦、生理中の者など)とやり直す必要の無い者(高齢者や乳幼児、回復する見込みの無い重病人など)がある。
 断食をするかどうかは、宗教的モラルの問題である。旅行者は断食を免除されるというのを拡大解釈して、イスラム教徒の富豪の一部には、ラマダーンに旅行に出かけ、断食逃れする者もいる(ただし、その場合、本来は、別の日に断食をやり直さなければならない)。また、基本的に異教徒には強制されない。ただし、厳格なイスラム法を採用しているサウジアラビアでは、ラマダーンの期間中、非ムスリムの外国人が公共の場で日没時間以外に飲食をした場合、国外追放すると発表している。
・日没になれば、すぐに食事を摂り、日が昇るぎりぎりまで食事を摂っている事が良いとされる。むしろラマダーン中は、日が落ちている間に食い溜めをするため、夜食が盛大になり、通常より食糧品の売れ行きが良くなったり、肥満になる人が多くなるといわれる。
・断食の苦しみを和らげるために、仕事の無い日は、日中は礼拝をする時などを除いて、寝ていてもかまわない。
ラマダーンとスポーツ
 2012年のロンドン五輪(7月27日~8月12日)と2014 FIFAワールドカップ・ブラジル大会(6月12日~7月13日)が開催期間とラマダーン(2012年は7月20日~8月18日、2014年は6月29日~7月27日)が、たまたま同じ期間に重なった。イスラム圏の国は日程のスライドを要望したが、その要望は聞き入れられなかった。
 日本の大相撲では、エジプト生まれでイスラム出身者では初の関取である大砂嵐が注目を集めた。大砂嵐は、本場所の開催期間とラマダーンが重なった場合、日中の断食を励行していた。しかし2018年に無免許運転で引退を余儀なくされている。
ラマダーンAKB48
 日本のアイドルグループ・AKB48は2018年の「世界選抜総選挙」の被選挙権を海外姉妹グループの非日本人メンバーにも開放したが、インドネシア姉妹グループであるJKT48は「選挙の期間がラマダーンと重なる」として、最終的に集団ボイコットを決め、AKB48サイドに認めさせた。
 またJKT48は、通常の活動においても宗教上の配慮を行っており、ラマダーンと重なる時期は劇場公演を控え、代わりにチャリティーイベントなどを行っている。2012年にAKB48からJKT48に移籍した仲川遥香(1992年生まれ)は2014年、非ムスリムでありながら断食に参加した。現地では好意的に受け止められ、インドネシアでの人気獲得に繋がったとされる。

つらい「断食」にイスラム教徒が熱中する理由 | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
 ラマダーンイスラム暦の第9番の月にあたります。一般的に断食月として知られていますが、これは正確ではありません。
 断食ではなく体のすべての器官を清浄に保つことであり、これを斎戒といいます。ですので、日の出から日の入りまで食べることや飲むことだけでなく、喫煙や性行為も禁じられています。
 ただし、斎戒をしていいのは心身ともに健康な者に限られています。子どもや老人はもちろんのこと、病気であったり、体が弱かったり、妊婦や授乳中の女性、月経や産後の出血のある女性はこれに含まれません。
◆特につらかったのは「のどの渇き」
 旅行中の人も免除の対象になります。しかしその場合、免除された斎戒は旅行が終わった後で行う必要があります。昔は飛行機や自動車がなく、旅自体が過酷であったために旅行中に斎戒を行うことは難しかったのですが、今日では旅行中でも断食するムスリムは増えています。
 なお白夜で日が沈まないスウェーデンノルウェーなど北欧の場合には、メッカの太陽の動きに従う方法や、白夜が起こっていないデンマークなどの近くの地域に従う方法があるようです。
 毎年のこととはいえ、日の出から日の入りまで飲まず食わずは大変です。しかも太陰暦ですので毎年時期が少しずつずれており、真夏にあたると大変です。筆者の経験では、食べないのはまだ耐えられますが、のどの渇きはつらかったです。
 夜明けの礼拝の呼びかけがあると、サフール(断食前の食事)をやめるようにいわれますので、このときまでが勝負です。断食前に塩分の多いものをとると、あとで水が飲みたくなるので注意が必要です。
 「なぜそんなに苦しくて不便なことを積極的に行うのか?」と疑問に思いますよね。それは、ラマダーン月は積んだ善行が大きく数えられるというチャンス月間にあたるからです。
 例えば、来世の報いを望んで礼拝する者や斎戒する者は、過去に犯した罪が許されるとも言われます。なかでも、ムハンマドに最初にコーランが下されたと考えられる「みいつの夜」は、ラマダーン月最後の10日の奇数日のどれかと言われ、この日の善行は1000カ月に勝るといわれています。
 そのためラマダーン月だけは、しっかりとやるといって斎戒を頑張るムスリムもいます。普段の数倍で、日によっては1000カ月分なので、そりゃ、やらないわけないですよね。
 善行が推奨されるラマダーン月ですが、何といっても毎日の日没後の解放感がたまりません。日没後には断食明けの食事、イフタールを取ります。
 半日間、胃腸を使っていなかったので、いきなりメインを食べるのは危険です。ナツメヤシや水、あるいは甘いジュースなどで体を目覚めさせてから食事を始めます。
 ラマダーンはついつい食べすぎてしまって太ってしまうという話があります。筆者も知人の家にお呼ばれしているときには、いつも以上に豪華な食事で太ってしまいました。ラマダーンは普段以上に肉の消費が増え、普段以上にお金が使われる月でもあります。

意外と知らない「ラマダン」、3つの深い意味 | AERA dot. | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
 (ボーガス注:2019年)5月6日からイスラム教徒が1カ月間、食を断つ「ラマダン」が始まった。日が出ている間は一切の飲食をしないことで知られるが、日没後、はじめてとる食事「イフタール」をご存じだろうか。
 イスラム文化圏では、街角やモスクや職場で無料の食事が振る舞われ、みんなでイフタールを楽しむことが習慣となっている。もちろん日本の中のイスラムコミュニティーでもいま、各地でイフタールが行われている。これはイスラム教徒ではない日本人でも歓迎してくれるのだ。
 とりわけ東京ジャーミイは華やぐ。たくさんの来訪者のために、トルコから来たシェフが日替わりで400食を提供する。イスラム文化に興味を持つ日本人も歓迎してくれる(事前にホームページから予約)。
ラマダンの意味は3つある
 イスラム教徒にとっては特別な1カ月であるのだが、どうして断食をするのだろうか。東京ジャーミイの広報で、自らもイスラム教徒である下山茂さんが言う。
 「日本人は単に厳しい戒律と思っているかもしれませんが、実はさまざまな意味が込められているのです」
 下山さんが説明してくれたラマダンの意味は大きく次の3つがあるという。
(1)欲望を抑えることを学ぶ1カ月
(2)食に感謝する1カ月
 断食のあとは、まず渇いた喉を一杯の水で潤す。そのおいしいこと。そしてデーツ(ナツメヤシ)をかみしめる。その甘いこと。きっと、味わうことそのものに感謝をする。食へのありがたさを再認識させてくれるのだ。
(3)心身をリセットする1カ月
 ラマダン月が明けると、イードというお祭りとなる。着飾って家を訪問しあい、子どもたちにプレゼントをして、日本の正月のような雰囲気に包まれる。
「こうしたさまざまな意味が込められているので、断食というよりも仏教用語でいう『斎戒』に近いのではないでしょうか」(下山さん)
 そしてまたイスラム教徒同士が助け合う1カ月でもある。例えば東京ジャーミイでは、イフタールの食費は寄付によって賄われている。トルコ航空やレストランなどの企業や個人がスポンサードしているのだ。モスクに寄付を持ち寄り、集まったお金を貧しい人や難民に施す習慣もある。人は互いに助け合わなければ生きていけないことに、改めて思いを致すのだ。
 とくに異国で暮らしているイスラム教徒たちにとって、イフタールは大切なイベントだ。都内のIT企業で働くギニア人のバシールさん(28)は、
「日本には1月に来たばかりで、言葉もまだわからないし不安ばかりです。でもここに来れば、イフタールをともにできる仲間もいるし、1人じゃないと思えるんです」
と笑う。

「断食月」ラマダン、込められた意味 禁止は飲食以外も:朝日新聞デジタル
Q:
 何をするのか?
A:
 約1カ月間、日の出から日没まで飲食が禁じられます。(ボーガス注:厳格なルールだと)水を飲むことさえも許されません。喫煙や性行為も禁止され、言動を慎みます。対象は心身が健康な成人の男女です。長時間の断食に耐えるのが難しい高齢者や病人、妊婦などは免除されます。ただ、その代わりに貧しい人に食事を与えたり、別の月に埋め合わせの断食をしたりしなければなりません。
Q:
 いつするのか?
A:
 ラマダンはイスラム暦における9番目の月の名前です。イスラム暦は月の満ち欠けに基づく太陰暦で、1年は354日。太陽暦より11日少ないため、ラマダンの時期は毎年ずれます。今年*33は日本における春の時期ですが、夏や冬になることもあります。ラマダンは、宗教権威者が新月を実際に肉眼で確認して始まり*34、翌月の新月が確認されて終わります。

五輪選手はラマダン例外?断食では体持たず 試合前後は飲食へ― スポニチ Sponichi Annex 五輪
 7月27日から8月12日まで開かれるロンドン五輪は全期間がラマダン中。だが断食しては体も持たないため、五輪選手の多くは例外規定をよりどころに通常の飲食で勝負に臨むようだ。
 エジプトのイスラム教最高権威アリ・ゴマー師は、ロンドン五輪に参加している選手は旅行中に当たり、日中も飲食が許されるとのファトワ(宗教見解)を出した。
 アラビア半島カタールから初の女性選手として射撃に出場するバヒヤ・ハマドさん(20)は「旅行者として断食は免除されると考え、コーチと話して試合の前後は飲食すると決めた。でも休みの日はきちんと断食するつもり」と話した。
 英BBC放送によると、国際オリンピック委員会(IOC)は今大会終了後、将来の五輪がラマダンと重ならないよう配慮する可能性を検討するという。

第三話 ラマダン月体験記 | 外務省クウェート大使館書記官 萬谷慎二(ばんたに・しんじ)
ラマダン月開始
 今年もラマダン月が始まりました。クウェートイスラム教徒の国の中では,サウジアラビアに並んで敬虔な国と言われ,断食も厳格に行われるため,日中はファーストフード店,レストランはもとより,スーパーの総菜売場も開いていません。非イスラム教徒であっても,外で水を飲んでいるのが見つかれば罰金が科せられます。
 その期間中は,日の出から日没まで一切の飲食を断っています。そのため,大使館現地職員は,可能な限り喋らないようにして,喉が渇かないようにしている職員もいます。この期間中,クウェートの政府機関は勤務時間が短くなり,11時から13時までの2時間勤務になるところもあるようです。
◆白夜とラマダン月
 ラマダン月は,太陽が出ている間は飲食できませんので,北半球の場合,高緯度になればなるほど断食の時間は長くなり,クウェートと比べるとロンドンは3時間ほど断食時間が長くなります。そのルールでいくと,北欧の白夜の地域では,ずっと食べられないことになってしまいます。それではあまりにもつらすぎるようで,北欧のイスラム教徒でガイドラインを作り,基本的にはサウジアラビアの断食時間に併せて断食を行うように決められているようです。
ラマダン月前に断食を始めている人
 ラマダン月前に良く見かけるのが,ラマダン月がまだ開始されてないにも拘わらず,断食をはじめている人です。そういう人は,前回の断食中に何らかの事情で(病気,耐えきれず断食を止めた等),規定日数の断食日数が完結していない人であり,昨年のラマダン月から今年のラマダン月までの間に,その未実施の日数を消化しなければいけません。
 もし,ラマダン月前に断食の規定日数が消化できなかった場合は,有給休暇のように翌々年にも繰り越すことができるようですが,その場合は,断食するだけではなく,断食日数1日毎に,寄付(約400円程度)を慈善団体にしなければならないという決まりがあるようです。


メディア時評
◆テレビ:「報道ステーション」で何が(沢木啓三)
(内容紹介)
 報道ステーションのスタッフ大量解雇が批判的に取り上げられている。

参考
テレビ朝日『報道ステーション』スタッフ「派遣切り」の撤回を求める 委員長談話(2019年12月26日) | 民放労連
『報ステ』政権忖度で首を切られたスタッフに支援の動き! 番組関係者から「萎縮がテレ朝の目的か」「報道が機能しなくなる」の声|LITERA/リテラ
報道と雇用を守れ/報ステ派遣切り メディア労組が集会

きょうの潮流 2020年1月23日(木)
 1月の新番組も出そろい、テレビ各局は春の模様替えに向かって動きだしています。いち早くリニューアルが伝えられるのがテレビ朝日の「報道ステーション」です
▼局側は詳細を明らかにしていませんが、気になるのが同時に進められている社外スタッフの契約打ち切り。総勢100人ほどが制作に携わっています。ニュース班と特集班に分かれ、ニュース班50人のうち約10人に通知されました。事実上の大量解雇です
▼スタッフらは番組にかかわって10年前後、ディレクターを務めてきました。上司にあたるテレビ局社員に対しても忖度(そんたく)なしに発言し、中東情勢や沖縄の基地問題原発、災害、事件報道に精通し、番組を支えるメンバーです
テレビ朝日は「派遣切り」ではない、「人心一新」と強調していますが、この言葉を聞いて思い起こすのは4年前の(ボーガス注:古館)キャスター降板劇。安倍政権がねらった安保法や改憲の動きを(ボーガス注:古館氏が)批判したことが背景にありました
▼契約打ち切りを通告され、体調を崩す人が出てきました。当事者だけでなく、局内外に不安が広がっています。民放労連日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)*35が、テレビ朝日に契約打ち切りの撤回を求めました
▼番組は時に政治権力から圧力を受け、時にスポンサーから監視されてきました。それでも前身の「ニュースステーション」から35年続いているのもスタッフの献身的な努力のたまものです。ジャーナリズムの現場で、それを裏切るようなことを平然とやっていいのでしょうか。

テレ朝「報ステ」で大量派遣切り…年の瀬に非情な通告が|日刊ゲンダイDIGITAL
 テレビ朝日系の看板番組「報道ステーション」で働く派遣スタッフが、大量に“解雇”通告されたことが日刊ゲンダイの調べで分かった。対象は10年以上の長きにわたって番組を支えてきた中核メンバーがほとんどで、10人以上が一斉に契約終了という異常事態。報ステに一体、何が起きているのか。
 通告を受けた2人に話が聞けた。
「自分の希望で番組を替わることや、番組自体が終了するので交代ということはあっても、長く勤めているからという理由で十何人もまとめて一度に契約終了という話は初めてです。納得できません」
「政治や社会問題を伝える側である報道番組がこんな卑劣なやり方で契約を打ち切る。あってはならないことだし、許せない。悔しくて眠れないほどです。3年前に古舘キャスターが降板し、新体制になった際、テレ朝側から『辞めないで続けてほしい』と言われ、懸命に支えてきたのに、残念でなりません」
 突然の中核メンバーのクビ切りに、残るスタッフからは「テレ朝は番組を潰そうとしているのか」「報道色をなくそうとしているのか」との疑念も上がる。背景には、「プロデューサーのセクハラなどで悪化したイメージを人心一新で刷新」というスポンサー対策も見え隠れする。派遣スタッフはそのとばっちりを受けた形だ。
 テレビ朝日の広報部は23日、日刊ゲンダイの取材に対し、今回の派遣切りの事実を認めたうえで、番組リニューアルに伴うものだと説明した。弱い立場の“下請けイジメ”。いまどき、上場会社である報道機関がやることなのか。


◆新聞:大手メディアと政権が共有する「空気」(安倍洋)
(内容紹介)
 「安倍と高級料理店での会食を繰り返す」新聞社幹部(特に読売、産経)の安倍政権とのけじめのない関係が批判されている。安倍洋氏も批判するように、こうした「安倍御用メディア」の存在が安倍長期政権を下支えしていることは確かでしょう。

参考

安倍政権のメディア戦略 幹部とは会食 現場には恫喝/政権べったりの社を選別
 2年間でみると、突出しているのが、「読売」の渡辺恒雄会長の8回、フジテレビの日枝久会長の7回。それにつづくのが、「産経」の清原武彦会長の4回、日本テレビの大久保好男社長の4回などです。
 安倍政権の改憲路線や歴史逆行の動き、消費税増税や環太平洋連携協定(TPP)交渉推進など、政権べったりの姿勢が目立つメディアとの癒着ぶりが顕著です。なかでも、「読売」は渡辺会長のほか、論説主幹とも判明しているだけで7回会食。フジの日枝会長は夏のゴルフ仲間として定着しています。「朝日」、「毎日」、「日経」、共同、時事、「中日」などの経営幹部との会食も欠かしていません。
 こうした会食が社論や解説記事に影響することはないのか。
 これらの会食は、高級料理店で2時間から3時間も食事をともにするもので、通常の取材とは明らかに一線を画すものです。しかも、会食に出席した解説委員・論説委員などは、自社の社長らと首相の会食にも同席するケースがあり、いわば経営幹部と権力中枢の接近を媒介しているともいえます。
 権力の監視を本来の役割とし、そのためにも緊張関係を保つべきメディアのあり方からの重大な逸脱です。

「権力の監視」できるのか 安倍首相とメディア幹部の会食/「読売」突出 5年で38回
 (ボーガス注:モリカケという)国政私物化疑惑にまみれ、改憲への執念を際立たせている安倍晋三首相と大手メディア幹部との会食が、今年も15回に及びました。首相は5月に2020年までの9条改憲構想を「読売」紙上で明らかにしましたが、同社幹部との会食は8回、第2次安倍政権以降の5年間では38回と突出しています。
 「読売」が首相の改憲発言を掲載したのは、5月3日付でしたが、インタビューが行われたのは4月26日。その2日前には、首相と渡辺恒雄「読売」グループ本社主筆、インタビュアーとなった前木理一郎政治部長とが飯田橋のホテル内の日本料理店で2時間にわたり、会食しています。
 「読売」インタビューは「憲法施行70年を迎えた。改めて憲法改正にかける思いを」という質問から始まり、首相に言いたいことを言わせるもので、報道機関としてのあり方が問われました。国会では、改憲発言の意図について野党から質問を受けた安倍首相が「読売新聞を熟読して」と答弁し、国会軽視と問題になりました。
 そのインタビューの裏では、社のトップとインタビュアーが首相と会食してすり合わせをしていたのではないかと思わせる行動は報道機関失格です。「読売『御用新聞』という汚名」という見出しの週刊誌記事まで出ました。
 ちなみに、渡辺主筆は、5年間で18回、今年だけで5回も首相と会食を繰り返しており、特別の親密ぶりが問われています。
 5年間で会食回数が突出しているのは、1面所報のように「読売」38回、次いで同社が大株主の日本テレビが21回。フジサンケイグループでは「産経」14回、フジテレビ11回です。また、「日経」も16回に及んでいます。
 総選挙開票日の翌日(10月23日)には、「読売」渡辺恒雄主筆、「産経」清原武彦相談役、「日経」芹川洋一論説主幹、共同通信・福山正喜社長と、“祝杯”をあげるかのように、東京・大手町の読売新聞東京本社ビルで会食するという念の入れようです。
 これらのメディアには、権力の監視というジャーナリズムの自覚があるのかが鋭く問われます。
 もう一つ、問われるのは、首相とメディア幹部の会食の中で権力との癒着が疑われる事態が生まれていることです。
 5月17日、「朝日」が加計疑惑にかかわる文科省の内部文書をスクープし、「赤旗」も翌日続きました。首相の腹心の友・加計孝太郎氏が理事長を務める加計学園獣医学部新設について、「官邸の最高レベル」の意向が働いたとの疑惑が噴出しました。24日には、前川喜平前文科事務次官が、内部文書について「自分が説明を受けた際に示された」と証言しました。
 ところが、前川証言の3日前、こうした動きを察知したかのように「読売」(5月22日付)が「前川次官、出会い系バー通い」と人身攻撃の記事が出たのです。菅義偉官房長官は、「出会い系バー通いには違和感がある」と人間性をおとしめ、問題をそらすために利用しました。
 犯罪行為でもない個人の行動が、公器である新聞に出ること自体が異例でした。前川氏によれば、「読売」記事が出る直前、首相補佐官から面会の申し入れがあったといいます。
 仮に権力と結託して告発者を攻撃したとすれば、メディアの自殺行為です。「読売」は6月3日付に東京本社社会部長の署名記事で「不公正な報道であるかのような批判が出ている。こうした批判は全く当たらない」と菅長官ばりの反論をおこないました。
 「出会い系バー」記事が掲載された1週間後、「読売」の編集局総務、政治部長、国際部長の3人が、赤坂の居酒屋で、安倍首相と3時間あまりにわたって会食しています。

マスコミ幹部、首相と会食/政治私物化報道のさなか
 安倍首相の「桜を見る会」私物化疑惑が20日、参院本会議と衆院内閣委員会で追及され、首相自身の招待枠1000人が明らかになるなど、新たな展開がありましたが、21日付「産経」「読売」の扱いは1面トップではなく、素っ気ないものでした。
 首相の最近の動静欄を見てみると、なるほどと思わせることがありました。
 首相は15日夜、東京・丸の内のパレスホテル東京の日本料理店「和田倉」で日枝久フジサンケイグループ代表と会食。18日夜には、東京・有楽町の日本料理店「春秋ツギハギ日比谷」で、「読売」東京本社の柴田岳常務取締役論説委員長、田中隆之取締役編集局長と会食しています。
 さらに首相自身の虚偽答弁や公選法違反の疑いがいっそう深まった、その20日の夜には、東京・平河町の中国料理店「上海大飯店」で「毎日」などを除く内閣記者会加盟報道各社のキャップと「懇談」しています。
 巨大メディアへの直接・間接の介入を強めている安倍政権。税金を使って、首相が後援会活動をおこなっていたという重大疑惑が大問題になっているさなかに、権力を監視すべき報道機関の幹部が、当事者の首相と杯を酌み交わす異常さ。恥ずかしいことです。

安倍首相とメディア幹部・記者会食/「桜」疑惑の最中に急増/「共犯者に」の声も
 政権とメディアとの癒着として問題になってきた安倍晋三首相とメディア幹部・記者との会食が、今年は第2次政権で最多(25回)に迫る24回(28日現在)に及んだことが、首相動静から分かりました。とくに11月に「桜を見る会」疑惑が大問題になるなか急増しているのが特徴で、首相がメディア懐柔に会食を利用している姿が浮き彫りになりました。
 11月中旬から首相とメディア幹部との会食が急増。首相がぶらさがり会見で「前夜祭」の収支について釈明した15日には、東京・丸の内のパレスホテル東京の日本料理店「和田倉」で、日枝久フジテレビグループ代表と会食。18日夜には、東京・有楽町の日本料理店「春秋ツギハギ日比谷」で、「読売」東京本社の柴田岳常務取締役論説委員長、田中隆之取締役編集局長と会食しています。
 さらに、「桜」疑惑の影響で内閣支持率急落が明らかになった20日には、内閣記者会キャップを集めて、東京・平河町の中国料理店「上海大飯店」で2時間余にわたって会食。「毎日」は参加しませんでした。その後も、「日経」政治部長や各社「総理番」記者たちとの懇談を繰り返す異常さです。


文化の話題
◆映画『争議をたたかう労働者の絆:映画「時の行路」』(伴毅)
(内容紹介)
 映画「時の行路」の紹介。

参考

映画「時の行路・翼もがれても」完成: こんにちは沼上常生です
 原作、田島一*36、「時の行路」が映画化され、完成しました。試写会も行われ、年末から全国で上映できそうです。非正規労働者の雇用問題をテーマにした人間ドラマです。監督は、神山征二郎*37、脚本は、土屋保文、出演者は、主人公の五味洋介に石黒賢、洋介の妻・夏美に中山忍、その他、(ボーガス注:争議団の)女性弁護士に川上麻衣子、夏美の父親に綿引勝彦など。ナレーターに日色ともゑです。

https://www.picuki.com/media/2197774832695105502
 完成披露試写会で見てきました。 映画「時の行路」(神山征二郎監督)。 リーマンショックを口実に理不尽な派遣切りを行った大企業ミカド自動車(いすゞ自動車がモデルらしいです)を相手に、組合に結集して闘う労働者の群像。 社会派ドラマではあるけど、笑いあり涙ありのヒューマンドラマになっていて、引き込まれました。 モノ扱いされる派遣労働者期間工の過酷な実態だけでなく、正社員の悲惨な現実にも目配りが利いていて、厚みのあるドラマになっていると思いました。 年越し派遣村東日本大震災の場面も出てきます。こういうテーマはもっと日本映画で描かれるべきだなぁ…。地味な社会派ドラマはなかなか客を呼べないんだろうけど。 ところで石黒賢(主人公)と川上麻衣子(争議団の弁護士役)の共演は、(ボーガス注:石黒、川上が共演した)往年の(ボーガス注:TBS)テレビドラマ「青が散る」(1983〜84、二谷友里恵*38が出てました)を思い起こさせます。テニスと恋愛に明け暮れるような青春に私は全く縁がなかったけど、ちょっとあの頃を感慨深く思い出しました。

 「夫婦役(『時の行路』での石黒賢中山忍)」「大学の同級生役(『青が散る』での石黒賢川上麻衣子二谷友里恵)」ということなので「アレ、年齢近かったんだっけ?」と思ったのですが、ウィキペディアによると

・1964年生まれ:二谷友里恵
・1966年生まれ:石黒賢川上麻衣子
・1970年生まれ:中山美穂中山忍の姉)
・1973年生まれ:中山忍

なので、石黒賢中山忍では若干年齢が離れていますね。

映画『時の行路』が完成 | トピックス | 神奈川労連
 2008年末からの世界的不況の際、いすゞ自動車では1600人もの派遣労働者期間工労働者が解雇されました。解雇された労働者は、労働組合に結集して闘いに立ち上がりました。この闘いは小説となり、『時の行路』というタイトルで、「しんぶん赤旗」に連載されました。

久しぶりに映画を。。。『時の行路』 : ススムが進む
 映画の原作は「しんぶん赤旗」の連載小説「時の行路」(田島一・作)で、神山征二郎監督によって映画化された作品です。
 もちろん、大手の映画会社の制作ではなく、上映推進会議を作り、多くの方々の制作協力金によって作られたいわゆる自主上映作品です。


◆写真『「路地歩き」で見つけた京都:写真集「たぬきのひるね:京ろうじ」(高群美子)’』(関次男)
(内容紹介)
 写真集「たぬきのひるね:京ろうじ」の紹介。

参考

黄落 | 日常茶飯事 - 楽天ブログ
 私に写真への興味を誘ってくれた姪が写真集を出版しました。
 5年がかりで大好きな京都の写真とともにエッセイを入れたちょっと変わった可笑しみのある写真集です。
 京都では”路地”のことを”ろうじ”というそうです。
 私が説明するより素敵な推薦文を書いて下さった写真家・尾辻氏の言葉を。
 「京では、町屋の縁の下で”たぬき”も子ねこも昼寝をしているとか。高群さんの感性が拾い集めた京話満載のこの本は、ゆめうつつのはざまをさまよう贅沢な二度寝である。」
 興味のある方は、どうぞ手に取ってご覧いただきたいと思います。


◆美術『21世紀に問う:80年代ダムタイプの実験』(武居利史)
(内容紹介)
 東京都現代美術館で2/16(日)まで行われる「ダムタイプ」展の紹介。

参考

ダムタイプ|アクション+リフレクション | 展覧会 | 東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO
・日本を代表するメディアアーティストグループ、ダムタイプによる個展を開催いたします。
ダムタイプは、1984 年に京都市立芸術大学の学生を中心にマルチメディア・パフォーマンス・アーティスト集団として京都で結成され、中心的であった古橋悌二(1960-1995) をはじめとするメンバーが独自の表現活動を展開しつつコラボレーションを行う、ヒエラルキーのない集団として注目されました。
・本展は、大型インスタレーションによって構成される大規模個展であるとともに、古橋悌二の没後も独自のスタイルで若手アーティストに大きな影響を与える高谷史郎や池田亮司らに加え、若いメンバーを得て活動を続けるダムタイプの、まさに「ダムタイプ- タイプ」といえる卓越したあり方を包括的にみせる試みです。

「2020」の意味は? ダムタイプが18年ぶり新作:朝日新聞デジタル
 1984年に京都で結成され、既成のジャンルを横断する表現を追求してきたメディア・アーティスト集団「ダムタイプ」が3月、18年ぶりの新作パフォーマンス「2020」をロームシアター京都(京都市左京区)で上演する。東京で回顧展も開催中で、「今」を照射し、時代の先を見すえてきた創作の軌跡を体感できる機会となっている。

【書評】『DUMB TYPE 1984 2019』ダムタイプほか著 - 産経ニュース
 日本を代表するメディアアーティスト・グループ、ダムタイプの35年に及ぶ活動を俯瞰(ふかん)する一冊。
 ダムタイプは昭和59年、古橋悌二(ていじ)(1960~95年)ら京都市立芸術大学の学生を中心に結成された。ビデオや音響、身体表現、建築…異なる才能の集合体として、メンバーを随時変えながら、芸術表現の可能性を切り開いてきた。
 フランスで一昨年行われた個展は、約7万8000人を動員し話題に。東京都現代美術館江東区)でも大規模個展が16日まで開かれている。3月には新作パフォーマンスも京都で発表予定。そのユニークな歩みを振り返る。(河出書房新社・3000円+税)

*1:著書『DIVE TO BANGLADESH』(2019年、リトル・モア

*2:民主党選対委員長(小沢代表時代)、国対委員長(菅代表時代)、野田内閣財務相民進党国対委員長岡田代表時代)、代表代行(蓮舫代表時代)などを経て立憲民主党国対委員長ウィキペディア安住淳」参照)

*3:鳩山内閣官房長官民主党国対委員長(野田代表時代)、野田内閣文科相民進党国対委員長(大塚代表時代)、国民民主党総務会長(大塚、玉木共同代表時代)などを経て国民民主党幹事長(ウィキペディア平野博文」参照)

*4:社民党幹事長、大分県連会長だった重野安正代議士の元秘書。重野氏の病気引退で地盤を引き継いだ(なお、村山元委員長(元首相)も大分出身であり、大分は社民党の地盤がそれなりにしっかりしているとされる)。現在、社民党幹事長兼政策審議会長(ウィキペディア「吉川元」参照)

*5:沖縄選出の「野党共闘議員」伊波洋一、高良鉄美参院議員からなる会派(ウィキペディア沖縄の風」参照)。

*6:沖縄県議、宜野湾市長を経て参議院会派「沖縄の風」代表(ウィキペディア伊波洋一」参照)

*7:野党共闘議員」嘉田由紀子(滋賀選挙区)、永江孝子(愛媛選挙区)参院議員からなる会派(ウィキペディア「碧水会」参照)。

*8:滋賀県知事。現在、地域政党チームしが代表、参院会派「碧水会」代表(ウィキペディア嘉田由紀子」参照)

*9:宇野内閣科学技術庁長官、宮沢内閣建設相を歴任。ゼネコン汚職での逮捕起訴を契機に自民党を離党。ゼネコン汚職有罪で失職したが、親の代からの強力な後援会組織をバックに選挙で議員に返り咲く(なお、中村が有罪になった当時は有罪判決確定で議員を失職しても一定期間の公民権停止規定はなかった)。一時、自民党復党を目指し、自民党二階派に所属したが、復党がかなわなかったことから現在は民進党元代表岡田克也が代表を務める「無所属の会」に所属している。(ウィキペディア中村喜四郎」参照)

*10:日本共産党国対委員長兼選対委員長

*11:著書『イラク戦争の出撃拠点:在日米軍と「思いやり予算」の検証』(共著、2003年、新日本出版社

*12:東海大学教授

*13:あくまでも「最悪の場合」です。自衛隊攻撃などをイラン(あるいは親イランの武装勢力)がすれば「米国によるイラン軍事攻撃の材料」を提供しているようなものなので可能性は高くはないとは思います。

*14:設置法の記載内容ではあまりにも目的が抽象的すぎて、派兵根拠になり得ないという批判ですね。

*15:どうみても「情報収集」は言い逃れの詭弁ですが、そうした建前を掲げた以上、こうした批判は当然出ます。

*16:福島大学教授

*17:新潟大学教授。著書『震災・復興の社会学』(2011年、リベルタ出版)、『故郷喪失と再生への時間:新潟県への原発避難と支援の社会学』(2017年、東信堂)など

*18:大阪市立大学教授。著書『原発賠償を問う:曖昧な責任、翻弄される避難者』(2013年、岩波ブックレット)、『公害から福島を考える』(2016年、岩波書店

*19:和光大学教授。著書『教育改革はアメリカの失敗を追いかける:学力テスト、小中一貫、学校統廃合の全体像』(2015年、花伝社)、『小中一貫・学校統廃合を止める:市民が学校を守った』(2019年、新日本出版社

*20:共産党神戸市議

*21:昔だったら「白タク」と呼ばれて違法行為扱いされていたサービスですね。有名どころだと米国のウーバーがあります。

*22:全国自動車交通労働組合総連合会(自交総連)書記長

*23:それがないと「日本語がきちんと使えるようなサポート」は単に「悪しき同化の強要」でしかありません。小生が朝鮮学校無償化除外に否定的なのも要するにそういうことです。「アンチ北朝鮮id:noharra」には最後まで理解できなかったようですが

*24:1)クラリネット開始時点では「国際教育課」だったところその後組織改編で「教育改革・国際課」になり、2)そのため、問い合わせ先を「教育改革・国際課」と修正したのに、3)本文の修正が漏れているため本文表記(国際教育課)と問い合わせ先(教育改革・国際課)にずれが生じています。

*25:書かなくても分かると思いますが一応書いておけば、覚えやすいように楽器の「クラリネット」「カスタネット」とかけてあるわけです。

*26:著書『外国人の就学と不就学:社会で「見えない」子どもたち』(2016年、大阪大学出版会)

*27:移民って言えばいいと思うんですけどね。

*28:ゼラチンの原料には「豚が使われることがある」ということは言われれば気づきますが、なかなか気づかないところです。

*29:当然ながら「無理矢理食わせる」などといった馬鹿なことは考えていません。

*30:エホバの証人」生徒の「格闘技授業(柔道、剣道など)不参加」みたいな感じでしょうか?

*31:来年度(この記事は2019年の記事なので2020年度)のラマダンはウィキペディアラマダン」によれば「4月24日~5月23日」だそうです。なおウィキペディアラマダン」によれば「ラマダンはイスラム暦太陰暦)の9月だが、閏月補正をしないので、太陽暦で毎年11日ほど早まり、およそ33年で季節が一巡する」のでラマダンは太陽暦では毎年違う日時になるわけです。

*32:既に「別の脚注」に書きましたが2020年度のラマダンは「4月24日~5月23日」です(なお、ラマダンは太陽暦では毎年日時がずれるので2020年度は「春(太陽暦の4~5月)」ですが「夏(7~8月)」「秋(9~11月)」「冬(1~2月)」のラマダンもあります)。この小学校は最近多い「春(4~5月)に運動会をやる学校」なんでしょう。小生が子どもの頃は秋(9~10月)でしたが。運動会シーズンの変化については例えば「運動会」といえば…「春」それとも「秋」 地域差くっきり - 毎日新聞を紹介しておきます。

*33:2019年

*34:ただし、いつが新月かは天文学の発達によって事前に分かりますので、既に確認作業は形骸化しています。

*35:加盟組合紹介によれば加盟労組は映演共闘会議(映画演劇関連産業労組共闘会議)、映演労連(映画演劇労働組合連合会)、全印総連(全国印刷出版産業労働組合総連合会)、新聞労連日本新聞労働組合連合)、広告労協、民放労連日本民間放送労働組合連合会)、日本音楽家ユニオン出版労連日本出版労働組合連合会)、電算労(電算機関連労働組合協議会)

*36:1945年生まれ。1994年に『遠景の森』で多喜二・百合子賞を受賞。現在、日本民主主義文学会会長。著書『戦士たち』(1989年、新日本出版社)、『遠景の森』(1994年、新日本出版社)、『川の声』(1997年、新日本出版社)、『青の画面』(1999年、新日本出版社)、『湾の篝火(上)(下)』(2002年、2003年、新日本出版社)、『ハンドシェイク回路』(2008年、新日本出版社)、『時の行路』(2011年、新日本出版社)、『続・時の行路』(2013年、新日本出版社)、『争議生活者:『時の行路』完結編』(2017年、新日本出版社)(ウィキペディア「田島一」参照)

*37:1941年生まれ。監督作品として、『日本フィルハーモニー物語 炎の第五楽章』(1981年)、『ハチ公物語』(1987年)、『伊勢湾台風物語』(1989年)、『遠き落日』(1992年、野口英世が主人公)、『月光の夏』(1993年、神風特攻隊がテーマ)、『ひめゆりの塔』(1995年)、『三たびの海峡』(1995年、朝鮮人強制連行がテーマ)、『宮澤賢治 その愛』(1996年)、『郡上一揆』(2000年)、『草の乱』(2004年、秩父事件がテーマ)、『ラストゲーム 最後の早慶戦』(2008年、戦前最後の早慶戦がテーマ)、『学校をつくろう』(2011年、専修大学創立130周年記念映画、専修大学初代校長・相馬永胤が主人公)など。著書『生まれたら戦争だった:映画監督神山征二郎・自伝』(2008年、シネフロント社)(ウィキペディア神山征二郎」参照)

*38:1964年生まれ。元女優。現在、株式会社トライグループ家庭教師のトライ)社長。父は俳優の二谷英明(1930~2012年)。母は女優の白川由美(1936~2016年)。1983年、慶應義塾大学在学中にTBS連続ドラマ『青が散る』に主演するなど、女優として活躍。1987年、歌手の郷ひろみ(1955年生まれ)と結婚し同時に女優業を引退。2女をもうけるが、1998年、郷と離婚。2000年、トライグループ創業者(現在、トライグループ会長)の平田修と再婚(ウィキペディア二谷友里恵』参照)。