今日の産経ニュース(2020年9月5日分)

敵基地攻撃能力で首相談話発表へ 与党協議を促す - 産経ニュース
 体調不良による首相辞任を表明してから「首相談話」て事実なら無茶苦茶すぎです。しかも「敵基地攻撃論」てそんな重要問題は重病人(安倍の自称だが)が体調不良状態で出すべき物では無い。後任首相に任せるべきもんです。
 この安倍の行為について言えば、まず第一に安倍の「体調不良による辞任」が嘘だと認めてるようなもんです。
 第二に「九条改憲に挫折した安倍」はそれでも「九条改憲に変わる業績」としてどうしてもこの談話が出したかったのでしょう。政治をそうした感情論で進めるなど実にふざけています。それにしても予想の範囲内ですが産経にはそのような批判意識は全く皆無です。
 とはいえ、こんな談話を出したところで辞意表明後ではどれほどの意味があるか疑問ですが。後任首相が無視すればそれで終わりですし。

政府関係者によると、首相談話は閣議決定を経ない形でまとめられる。

というのもこの談話が「安倍の個人的感情論」でしか無いことを露呈しているかと思います。
 つまりは
1)そもそも安倍以外の自民党幹部は敵基地攻撃論案などに興味はない
2)興味はあるが退陣表明した総理の閣議決定などばかばかしい、後任総理がやればいいと思ってる
のどちらかということでしょう。ただし1,2どちらにせよ「そんな馬鹿なことは辞めなさい」と安倍に言えないらしい点は滑稽ですが。


【検証92カ月】アベノミクス 景気の好転、数字が語る - 産経ニュース

 景気回復の実感が乏しかったことが政権批判を強めた。
 日銀は既に新たな緩和策を講じる余地に乏しく、新型コロナウイルスの対応は赤字国債の発行による財政出動が頼りだ。新政権は金融政策に頼らず日本経済を成長させる新たなビジョンを描くことが求められる。

 産経ですら「アベノミクスは企業収益を向上させたが、サラリーマンの給与は増えず、景気回復の実感が無かった」「もはや金融政策で打てる手はなく、財政政策など他の手段を活用する必要がある(もちろん金融政策に依存し、財政政策などを軽視したのがアベノミクスです)」としてアベノミクスを手放しで称えては居ないことが注目できます。


【産経抄】9月5日 - 産経ニュース

▼(ボーガス注:現在放送されているTBSドラマ『半沢直樹』の)原作の『銀翼のイカロス*1』(池井戸潤著)には、憲民党*2から政権奪取した進政党*3に関しこんな描写がある。
「まず憲民党の否定ありき」「脱官僚などといって、何でも議員が主導権を握ろうとする」。
 悪夢といわれた3年3カ月*4が頭をよぎる。

 読まないとなんとも言えませんが、池井戸の原作小説は「民主党政権へのげすな当てこすり小説なのか?」、半澤の敵役である国交相や幹事長は「実際に当時、国交相、幹事長だった前原*5、小沢*6両氏がモデル*7で彼らへの当てこすりなのか?」、池井戸とは「百田尚樹の同類なのか?」という疑念を感じますね(とはいえわざわざそれを読んで確かめる気も無いですが)。
 小生は「TBSがワイドショーで半澤を内輪褒め、仲間褒めしているのが見ていて大変不愉快(まあこれは半澤に限らず、TBSの『逃げ恥』プッシュも不愉快でしたし、『TBS以外の局の自社番組プッシュ』も見ていて不愉快ですが)「どう見ても時代劇と同レベルの『わかりやすいが、何の深みも無い低レベルな勧善懲悪劇』(半澤が100パー正しく、敵は100パー間違い*8)」「半澤に限らず、毎度毎度イケメンアピールする堺雅人が不細工男として気にくわない」と思って、以前から見る気が無いし、実際見てないのですが、この産経抄でいっそう「見る気が無くなりました」。
 いずれにせよ、こんなことを書く産経が、「半澤をネタに、民主党政権へのげすな当てこすりをしていること」は確かです。
 なお、「まず前政権の否定ありき(安倍政権による子ども手当の否定、民主党政権を「悪夢」呼ばわりして罵倒する安倍など)」「脱官僚などといって、何でも議員が主導権を握ろうとする」のはむしろ安倍政権ではなかったのかと思いますね。


2女児放置し男性と飲酒か 逮捕の母、夜通しはしご - 産経ニュース
 母親に同情など全くしませんが、「子どもを放置して飲酒」とは「アルコール依存症では無いのか」という疑問を感じます。もし依存症であるならば処罰をしてもあまり意味は無いでしょう。問題はむしろ治療でしょう。


水野美紀が刑事役 猟奇殺人事件をフジ実録ドラマ化 - 産経ニュース

 1993年、埼玉県で愛犬家ら4人が相次いで殺害され、殺人や死体損壊、遺棄の罪でペットショップを営む関根元(げん)元死刑囚とその元妻、風間博子死刑囚が2年後に逮捕された。2009年に2人の死刑が確定。その後、関根・元死刑囚は獄中で病死。風間死刑囚は現在も東京拘置所に収監されているが、殺人への関与を否定し再審請求を続けている。

 まあ確かに「猟奇殺人(残虐な殺人)」ではあるんですが、個人的には「猟奇」を「強調すること」には違和感や不快感を感じますね。
 「犯罪事件を見世物化」してるような感想を覚えるからです。
 ちなみに「猟奇」とは「残虐」と言う意味でしかなく「犯行動機や犯行形態が異常である」「大量殺人」などの意味は無いですが、どうも小生は子どもの頃から

「猟奇物」であることを売りにしていた、TBS古谷一行の金田一耕助シリーズ - Wikipedia(1977年、1978年に1時間の連続ドラマとして、1983~2005年まで2時間ドラマとして放送)、テレ朝江戸川乱歩の美女シリーズ - Wikipedia(1977~1994年)

に親しんでいたもので猟奇殺人というとどうしても

明智物】
◆美少女を拉致し、殺害することに喜びを感じる快楽殺人鬼、サイコパス蜘蛛男 - Wikipedia
金田一物】
◆生首菊人形が登場する犬神家の一族 - Wikipedia
◆生首風鈴が登場する病院坂の首縊りの家 - Wikipedia

などの「犯行動機や犯行形態が異常である殺人」や「大量殺人」を連想しますね。


【話の肖像画】静岡大教授で文化人類学者・楊海英(55)(26)母語に危機…文革は続いている(1/2ページ) - 産経ニュース
 仮に習近平*9政権において「少数民族文化」を軽視する動きがあったとしてもそれを「文革呼ばわりする」のは明らかに不適切でしょう。
 ならば日本での「アイヌ同化」も文革なのか?。楊や産経が「そうです、明治新政府アイヌ同化は文革と同レベルの無法でした」というなら一応筋も通るでしょうが、明らかにそうではないでしょうからね。
 そもそも「近年アイヌ新法が成立し、国立アイヌ博物館も建設された」「アイヌをネタとしたマンガ『ゴールデンカムイ』がヒットする」など状況は改善されつつあるとはいえ、日本において少数民族アイヌ母語がきちんと保護されてるとはとても言えないのに産経もよくも「日本を棚上げ」して「中国は少数民族文化をきちんと保護してない」なんてことが言えたもんです。

 最近の中国共産党には文革の政治手法や発想、思想が色濃く出てきました。国家主席習近平が、文革を進めた毛沢東*10を信奉*11しているからでしょう。

 ばかばかしいとしか言いようが無いですね。「一般的な独裁(習政権)」と文革を同一視するなど全く馬鹿げています。まあ、故意のデマでしょうが、楊の嘘つき振りには心底呆れます(なお、江沢民*12胡錦濤*13政権時においても少数民族については厳しい締め付けがあったことは今更言うまでも無いでしょう)。
 こうした「楊の下劣なデマ屋ぶり」はもちろん「楊が研究者として有能」とか「中国の少数民族統治に問題がある」とかいう理由で正当化できるもんではまったくありません。全く「デマ屋」楊の周囲(奴の勤務先である静岡大学の同僚や、楊の著書の編集者など)には奴をきちんと批判する良識派は一人もいないんでしょうか?
 そもそも「アイヌ同化(明治日本)」「アメリカインディアンの同化(過去の米国)」などでわかるように、「楊や産経が不当に印象操作するのとは違い」、何も少数民族同化政策は「中国の専売特許」でも、「共産国の専売特許」でもありません(中国側は同化などしていないと反論していますが、それを言い出すと話が進まなくなるので、ひとまず中国の反論については無視します)。

 母語で教育をしないということは、文化のジェノサイド(大量殺戮(さつりく))以外、何物でもありません。

 在日朝鮮人の民族教育の場「朝鮮学校」「韓国学校」を不当に敵視する分際で良くもふざけたことが言えるものだと心底呆れます。
 その産経の理屈なら産経が朝鮮学校韓国学校相手にやってることは「文化のジェノサイド」ではないのか。そして楊のように「少数民族差別は続いてる、中国共産党文革時代と変わってない」と強弁していいのなら、日本の在日朝鮮・韓国人差別や『未だに残るアイヌ差別』を理由に「日本社会は戦前と全く変わってない」と言っていいことになるがそれを楊や産経は認めるのか?。まあ、産経や「日本ウヨに媚びへつらって恥じない人間のくずに転落した今の楊」だと「そもそも戦前日本にアイヌや在日朝鮮・韓国人の差別などなかった」と放言しかねませんが。
 

【記者発】コロナ後の関空、中国依存脱却を 大阪社会部・牛島要平 - 産経ニュース
 何のためにそんなことをやるのかという話ですね。産経のような「常軌を逸した反中国」でない限り、そんなことを「意図的に」やる必要はどこにもありません。「中国以外の来日外国人が大幅に増えて」結果的に「脱中国」になるのならともかく。


トランプ氏、戦没兵士は「負け犬」発言 米メディア報道 - 産経ニュース
 事実ならばおよそまともな発言ではありません。さすがにトランプ側は「事実無根」としていますが、1)トランプは過去にも非常識発言が度々あった、2)あまりに非常識すぎてこんなことが反トランプ側の捏造で思い浮かぶとも思えない、と言うことから俺は「恐らく事実だろう」とみます。


【正論10月号】李登輝氏が果たし、遺したもの 産経新聞台北支局長 矢板明夫(1/4ページ) - 産経ニュース
 今時李登輝なんか「過去の人」でしかないでしょう。特に李登輝が日本ウヨと野合し、南京事件否定論にまで「共感」を示してからは台湾住民からも批判が出ているのに良くも言ったもんです。
 そもそも李登輝を「民主化ガー」と言いながら「韓国の金大中氏」などは民主化活動家として評価しないのだから、それどころか「独裁者・朴正熙」を未だに美化するのだから産経も全くデタラメです。


【久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ】韓国はなぜ安倍首相を嫌い続けたか - 産経ニュース
 そりゃ安倍が河野談話を否定したがったり徴用工強制連行の違法性を否定したがったりと「無法だから」であって、安倍に非がある話です。しかしもちろん安倍同様「河野談話を否定したがったり徴用工強制連行の違法性を否定したがったり」する産経はそのようには理解せず韓国に悪口雑言するわけです。
 一方でロシアが「北方領土は合法的にロシア領になった」と主張すると「ロシアを嫌う」のだから全くデタラメです。自分らの行為が「ロシアの北方領土取得正当化」と同様の居直りと、韓国側に認識されてることを平然と無視して恥ずかしくないのかと心底呆れます。


「反中国」の流れ生んだチェコ議長訪台 - 産経ニュース
 はっきり言って「少なくとも現時点では」そんな流れは生まれてないでしょう。チェコ上院議長蔡英文、産経などがそうした流れを作り出したいこと、そうした「反中国分子の動き」に中国が批判と警戒を強めていることは事実でしょうが。


【主張】チェコ議長の訪台 民主主義の連帯を示した - 産経ニュース
 「反共反中国」の産経らしいですが、そもそも「チェコ政権与党」は上院議長の訪台に否定的なこと、上院議長が野党であることを考えれば産経のようなきれい事(?)で理解すべき話では全くありません。
 中国ビジネスを重視して中国との友好に勤める政権与党に対し、逆に「反共主義」や「台湾ビジネスの重視」などで野党側が台湾にすり寄ってるにすぎません。
 どっちにしろ、世界の大勢はこうしたチェコ上院議長の「露骨な台湾ロビー&反中国反共」とは逆に「一つの中国支持」にあることは言うまでも無い。我が日本も与野党共に「一つの中国支持」のわけです。

日本は自民党総裁選や野党新党の動きの最中とはいえ、政府や政党、国会議員の反応がほぼみられないのは残念だ。

などと産経ら反中国極右が残念がったところで主要な国政政党は「一つの中国支持」のわけです。

*1:何がイカロスなのかよくわかりませんが。

*2:もちろんどう見ても自民党がモデル。ただし「立憲改進党(党首・大隈重信)」「立憲同志会(党首・加藤高明)」「憲政会(立憲同志会の後継政党。党首・加藤高明)」「立憲政友会、立憲民政党(昭和戦前期の二大政党)」「立憲民主党(枝野代表)」などと違い、自民党には「憲」の字など入っていませんし、自民党は右翼的価値観から現行憲法を敵視しているわけですが。

*3:もちろんどう見ても民主党・鳩山政権がモデル。

*4:安倍の「7年8ヶ月」の方がよほど悪夢でしょう。モリカケ桜を見る会、アベノマスク、電通給付金疑惑などの政治私物化が横行し、これらについて悪党ども(典型的には安倍ですが)はしかるべき罰を受けていません。

*5:鳩山内閣国交相菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)、野田内閣国家戦略担当相、民進党代表など歴任。

*6:中曽根内閣自治相・国家公安委員長自民党幹事長(海部総裁時代)、新生党代表幹事、新進党党首、自由党党首、民主党幹事長、「生活の党」代表など歴任

*7:とはいえ、前原はドラマの国交相と違い、女性でも無ければ、小沢氏の子分でも無いですが。

*8:ニクソンウォーターゲート」「安倍のモリカケ」のようなよほど酷い不祥事でない限り、一方が100パー正しいなんて単純明快なことはまずありません。

*9:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*10:中国共産党主席

*11:今時「文革の部分」まで信奉してるわけが無いでしょうに。良くも恥知らずにもデマが飛ばせるもんです。

*12:電子工業大臣、上海市長、党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*13:中国共産主義青年団中央書記処第一書記、貴州省党委員会書記、チベット自治区党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席