珍右翼・高世仁に突っ込む(2021年8/4日分)(副題:今日も高世に悪口する)

ミャンマー少数民族組織が民主派を「スパイ」容疑で逮捕 - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 ミャンマーの民主派勢力の「国民統一政府(NUG)*1」は、国軍から市民を守るためとして、5月に武装組織「国民防衛隊(PDF)」を設立、いま、各地で戦闘が激しくなっているという。
 このかん、私が個人的にミャンマー情勢にかかわった「事件」があった。
 長い付き合いのあるミャンマー人Mさん*2から先日、「知り合いが拘束されたので相談にのってほしい」との連絡があった。Mさんもその知り合いのAさんもビルマ族で、クーデター後、民主化のために積極的に闘っている。「拘束」とは国軍による弾圧かと思いきや、ある少数民族武装組織に捕まったのだという。
 ミャンマーにはいくつもの少数民族の反政府組織があり、半世紀以上国軍と戦ってきたが、PDFはそれらの組織と協力関係を結んで武器の提供や軍事訓練を受けている。PDFに参加しようとする都市部の若者たちは、街を出て国境の山岳地帯に入っていく。
 Mさんによると、こうした状況の下で事件は起きた。
 Aさんが武装闘争にはせ参じようと、ある少数民族武装勢力の支配地に入ったとき荷物検査を受けた。Aさんのパソコンの中に国軍に関連する地図などが見つかり、「国軍のスパイ」ではないかとの容疑がかけられたというのだ。
 少数民族側からすれば、敵の敵は味方で、ともに国軍と戦うのは望むところだが、民主派と称するビルマ族の中に混じっているかもしれぬスパイを警戒するのは当然だ。スパイと判断されれば処刑もありえるわけで、Aさんの家族や友人は気をもんでいる。Aさんには国軍に捕まっている兄弟がおり、2人の子どもが囚われ人になった母親は絶望のなかにあるという。
 Mさんは「私たちは敵である国軍に関する深い情報を集めてデータ化し、共有しています。軍部隊の配置や武器庫の位置などを地図化することも行なっていて、そうした地図は私も持っています。スパイは完全な濡れ衣なので、その少数民族武装組織に説明して分かってもらいたい」という。そこで、武装組織の幹部に接触する方法がないかと私に連絡してきたのだった。
 Mさんから相談されたAさんの件をなんとかしなくてはと、私の知る限りの伝手をたどって、その少数民族の軍隊のある幹部へのルートを知ることができた。結果、Mさんはその幹部と電話で直接に話をし、Aさんへの「スパイ」容疑の誤解を解く一歩を踏み出した*3

 でこの一件から解ることはこういう場合に「交渉以外に手がない」ということですね。
 何せ「Aさんの身柄」は「武装組織の人質状態」です。「スパイ大作戦」のような形(特殊部隊での救出作戦)で助け出すことは現実的ではない。もちろん一個人に過ぎない高世や「Mさん」にそんな力はありませんが、「国なら特殊部隊使うか」といえばリスキーすぎてそんなことはおそらくしない。
 で、これは「北朝鮮の人質状態」である拉致問題だって同じでしょう。
 ミャンマーの一件では「八方手を尽くして交渉した」という高世が何で拉致問題ではそうした交渉路線に否定的なのか、といったら「交渉路線に否定的な救う会、家族会の太鼓持ち幇間だから」でしょう。
 高世のでたらめさにはいつもながら呆れます。なお、話がミャンマー問題から脱線しますが、既に何度も「北朝鮮拉致問題解決についての俺の考え」は書いていますが、拉致問題では「交渉以外に解決方法はなく」、その場合「制裁の一部or全部解除」「国交正常化での経済支援」など「何らかのお土産とのバーター取引」は不可避でしょう。「泥棒に追い銭」などとして「バーター取引が嫌だ(救う会、家族会)」というのは現実的には「解決を諦めたこと」を意味します。
 また、ここで高世が「ある少数民族の軍隊の幹部(民族名や幹部の個人名をはっきり書かない)」、「私の知る限りの伝手(どんな伝手か、個人名どころか、何ら具体的なことは書かない)」、「Aさん」、「Mさん」と「曖昧な表現」なのも重要ですね。そもそも「Mさん」が「イニシャルトークで頼む」などと言ってるのでしょうがこういう微妙な問題では実名出すと「武装組織が反発して交渉がぽしゃるかもしれない」など、問題がありすぎるわけです。
 拉致問題も話は同じで、いわゆる「ミスターX(小泉訪朝で田中氏が交渉したとされる北朝鮮側のキーマン)」について実名が出ないのも「ある意味当然」のわけです。

*1:2021年2月1日に発生した軍事クーデターに対抗し、 アウンサンスーチーを指導者とする国民民主連盟のメンバー有志を中心にして4月16日に樹立。軍事政権側はNUGを違法であるとしており、NUGのメンバーのほとんどは身を隠しているか亡命中である(国民統一政府 (ミャンマー) - Wikipedia参照)。

*2:在日ミャンマー人なのか、それとも「ミャンマーにいるミャンマー人が国際電話で高世に依頼してきた」のかどうかが少し気になるところです。

*3:つまりは「処刑」という最悪の事態は回避できたものの、、まだ解放はされてないのでしょう。