「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年3/3日分:荒木和博の巻)

韓国と台湾 対日意識の違い(R4.3.3): 荒木和博BLOG
 8分程度の動画です。タイトルだけで見る気が失せます(一応見ましたが)。
 第一にそんなことが「荒木の建前上の目的」である拉致解決と何の関係があるのか。何の関係もない。
 第二に荒木は以前も台湾と韓国 なぜこんなに対日感情が違うのか(R4.1.17): 荒木和博BLOGという大同小異の動画を流しています。
 今回も内容は大同小異なので改めて批判記事を書くことはせず以前書いた批判記事「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年1/17日分:荒木和博の巻) - bogus-simotukareのブログを紹介しておきます。なお、詳しくは「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年1/17日分:荒木和博の巻) - bogus-simotukareのブログを読んでいただければと思いますが、「朴正熙全斗煥親日」という荒木の物言いは「文世光事件」「藤尾文相暴言事件」で「デマであること」がわかります。
 なお、「侵略被害国(例えば韓国)の国民」が「加害国(例えば日本)の国民」、特に荒木のような「侵略に無反省な加害国の国民」に不快感を抱くのは当たり前の話です。
 「侵略被害国と加害国の関係の例」は「何でもいい」のですが、現在「ウクライナ問題」がホットなネタなのでロシアを例にしましょう。
 現在進行形でウクライナを侵略しているロシアに「ウクライナ国民」が不快感を抱くのは当たり前です。
 あるいはこのロシアの行為に「バルト三国併合のバルト三国」「ソ連フィンランド戦争のフィンランド」「カチンの森虐殺のポーランド」「ハンガリー動乱ハンガリー*1」「プラハの春弾圧のチェコスロバキア」「南オセチア紛争のジョージアグルジア)」「北方領土の元島民(日本)」など「ロシア(旧ソ連)の被害国民」が「ロシアは昔と全く変わってない」などと不快感を抱いても当然でしょう。
 これを「同じ日本の植民地なのになぜ親日の台湾と、反日の韓国は違うのか」と同様に

 同じ旧ソ連なのに
【親ロシア】
【侵攻支持】

ベラルーシ
 反体制派鎮圧にロシア軍の力を借りたこともあり、今回ロシア支持を表明。ロシア軍の侵攻に協力した疑いを理由に米国などが制裁を発動。
【曖昧な態度】
カザフスタン
 反体制派鎮圧にロシア軍の力を借りたこともあり、ベラルーシと違い「ロシア支持を表明しない」ものの、明らかに厳しいロシア批判は避けている。ロシアが参加する上海協力機構のメンバー国。
【ググった限りでは態度不明だが、カザフスタンと同様の態度か?】
アルメニア
 ナゴルノ・カラバフ紛争でロシアの支援を受けている(一方、対立相手のアゼルバイジャンはトルコの支持を受けている。そうした経緯から当然、アゼルバイジャンはロシアには敵対的)。
キルギスタジキスタンウズベキスタン
 ロシアが参加する上海協力機構のメンバー国。
【反ロシア】
ウクライナ
 ロシアの侵攻を現在受けている。NATO加盟希望を表明。
ジョージア
 南オセチア問題でロシアと対立。NATO加盟希望を表明。
バルト三国エストニアラトビアリトアニア
 ロシアの脅威を理由にNATOに加盟
はなぜロシア認識が大きく違うのか?

といったら、それも「韓国の反日北朝鮮の謀略。韓国は親日の台湾を見習え(荒木)」のように「ウクライナジョージアバルト三国などの反ロシアは米国やNATOの謀略。ウクライナなどは親ロシアのベラルーシやカザフなどを見習え」と言ったら正気を疑われるでしょう。荒木も「そうだ、ウクライナは反ロシアをやめろ、ベラルーシを見習え」「米国やNATOは反ロシア謀略をやめろ」とはさすがに言わないでしょうが、荒木らの韓国非難、台湾礼賛行為はそれに近いものがあります。
 なお、ウクライナも今のゼレンスキー政権は「反ロシア」ですが以前のヤヌコーヴィチ政権は「親ロシア」でした(ヤヌコーヴィチは現在ロシアに亡命しプーチン政権の庇護を受けていると言われる)。
 そして以前書いた記事「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年1/17日分:荒木和博の巻) - bogus-simotukareのブログでも触れましたが「反日」と荒木ら日本ウヨが罵る韓国でも「朴正熙全斗煥時代」は「荒木らにとっての親日」でした(その朴や全ですら「文世光事件」「藤尾文相暴言事件」では日本批判しています)。
 台湾にしても荒木ら日本ウヨは今の蔡英文政権を親日と言いますが、「前任の馬英九総統時代」は1)馬氏が慰安婦支援集会に出席し日本政府を批判したこと(例えば総統退任後ですが、慰安婦問題「日本は謝罪を」 馬英九前総統 少女像 台湾で初設置 | 注目の発言集 | NHK政治マガジン(2018.8.14))、2)馬氏が中国との友好に努めたことを理由に「馬政権は反日で親中国」と罵倒していました。要するに荒木らの主張はでたらめでしかない。
 なお、俺的には「中国との友好関係に努めた馬氏=台湾の福田康夫(まあ例は田中角栄でも大平正芳でもいいですが)」、一方、蔡は「台湾の安倍晋三」ですね。
 とはいえ「七光りではなくたたき上げ」「同性婚を容認し脱原発の立場」という点では蔡の方が安倍よりましですが。 
 なお、

韓国の若者「日流」ブーム: 日本経済新聞(2018.10.10)
 「あ、これ読んだ? 面白いよ」。
 9月初め、ソウル市庁から徒歩で数分の大型書店。女子大生の2人組が「ベストセラー」と書かれた書架の前で会話を交わす。1人が東野圭吾氏の「ナミヤ雑貨店の奇蹟*2」を指さし、もう1人は「話題の本だよね。私も読まないと」と応じ、本を手にとった。
 東野圭吾氏の小説は韓国で人気が高く、大きな書店なら平積みで置かれている。
 人気の日本人作家は1人ではない。9月1日時点で韓国人作家を含めてトップに立ったのは薬丸岳氏の著書「誓約*3」。
 人気なのは日本の小説だけではない。日本政府観光局によると、17年の韓国人の訪日観光客は714万人。前年より4割増え、国別で首位の中国(735万人)に迫った。

“反日大統領”文在寅 意外に日本好きな素顔と家族 | FRIDAYデジタル2019年08月03日(内容が露骨に反韓国、反文在寅のウヨテイストで酷いですが一応紹介しておきます)
「文大統領は日本の料理や書物が大好きなんです。『文在寅の書斎』(邦訳未刊)という著書がありますが、三島由紀夫などの日本の作家の本を好んで読んだと書かれています。中でも影響を受けたのが、労働問題を取り上げた雨宮処凛の『生きさせろ! 難民化する若者たち*4』だとか。韓国の若者社会を考える際に、とても参考になったそうです」(韓国在住ライター)
「夫人の金正淑キム・ジュンスク)も、日本文化への関心が強い。文大統領と結婚直後、釜山市に住んでいた時には、日本の伝統的茶道の一流派である『裏千家』の教室に通っていました」(韓国大手紙記者)
 文氏の長男でアニメーターのジュニュン氏も、日本文化から強い影響を受けている。’18年12月に韓国紙『京郷新聞』のインタビューに答え、次のように語った。
〈中学生の時に日本のアニメにハマり、小遣いをすべてアニメビデオ購入にあてていました。釜山には、日本のアニメを違法コピーしたビデオやアイドルの写真集を安く売る店が、いくつかあったんです。父から小遣いをもらうたびに、バスでそうした店に通っていた。私の部屋は日本の漫画本やビデオが天井まで積み上がるほどでした。宮崎駿より、『エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督に影響を受けましたね。今の私があるのは、日本のアニメのおかげです〉

という記事でわかるように問題は「歴史認識問題(慰安婦、徴用工(佐渡金山、端島炭鉱など)、靖国)」「竹島問題」といった「政治の話」であり「日本文化は韓国において普通に愛好されてること」を指摘しておきます。

*1:とはいえハンガリーのオルバン首相は「経済的思惑」からプーチンロシアに接近していますが

*2:2014年、角川文庫→2017年、角川つばさ文庫

*3:2017年、幻冬舎文庫

*4:2010年、ちくま文庫