今日のロシアニュース(2022年3月26日分:中国や北朝鮮にも一部触れています)(追記あり)

ロシア脅威が再浮上 中国、北朝鮮との3正面の備え - 産経ニュース
 馬鹿馬鹿しいですね。「ウクライナにとっての現在進行形の脅威」ならともかく日本にとってロシアは、少なくとも当面は軍事的脅威ではない。
 ウクライナで苦戦している限り、北海道侵略なんかできるわけがない。「ウクライナ戦争」が終結した場合、ロシアがどうなるかは勿論現時点ではわかりません。「プーチンが大統領辞任に追い込まれるかどうか」「クリミアがウクライナに返還されるかどうか」など終結の形によって将来の方向性は大きく変わるからです(いずれにせよ、どんな終結をするにしても北海道侵略の脅威が高まるとは思えませんが)。
 中国や北朝鮮に至ってはロシアと違い、大規模な戦争など最近何一つやってない。
 「ミサイル発射実験」をウクライナ侵攻と同一視するのは馬鹿げている。「偽りの脅威」を捏造しないで欲しいですが、護憲世論の存在から「イラク戦争の英国のように米国と共同軍事作戦」とはいえず、「東日本大震災など防災対応では軍事予算が増やせない」のでこうなるのでしょう。


【第902回】中国のウクライナ戦争仲介はあり得ない « 今週の直言 « 公益財団法人 国家基本問題研究所櫻井よしこ
 よしこや国家研的には「習近平プーチンの仲間」であり「和平交渉の仲介役はありえない」のでしょうが、そうとは限らないでしょう。
 中国はロシア非難決議において棄権票を投じるにとどめました。他の問題はともかく、少なくともウクライナ問題では中国は「バイデン政権ほどの厳しいロシア批判をしない」もののロシアから距離を置いている。
 とはいえ、「仲介依頼者がいるかどうか」はひとまず置くとしても仲介役をやるには「ロシア、ウクライナ双方からそれなりの信頼を得た上で、双方が飲めそうな案を提示する」事が必要です。
 「ロシア寄りの案(あるいはウクライナ寄りの案)」を一方的に押しつけてると思われたら仲介役にならない。
 例えば極端な話、「バイデン政権の米国」ではロシアが仲介役を飲まないでしょうし、一方「ベラルーシ」ではウクライナが仲介役を飲まないでしょう。
 しかもプーチンは「少なくとも表向き」は「ウクライナの非ナチ化」などというウクライナが飲めそうもない主張を言い続けている。
 これでは「中国でなくても仲介役には尻込みする」でしょう。仲介役が成功すれば勿論国際的評価は上がる。しかし今のところ「失敗の可能性が高そうなゲーム」です。失敗したら「かえって評価が下がりかねない」。
 以前、富坂聡が「一つの可能性」として指摘していましたが、中国は「中国だけが自分一人で責任を負う仲介役」ではなく「北朝鮮問題での6カ国協議(南北朝鮮、米日中露)」のような「多国間協議の場(ウクライナ、ロシア、ウクライナを支持するNATOEU、米国、ミンスク合意に関与した仏独など関係国、団体が参加:成功すれば皆の手柄になる代わりに、失敗しても中国だけの責任にならない)」の構築を目指すかもしれません。
【追記】
【詳しく】なぜトルコが仲介?ウクライナとロシアの交渉 | NHK | ウクライナ情勢
 ということで今のところはトルコが仲介役をやっていますね。


岸田外交に足りないインド理解 近藤正規(国際基督教大学上級准教授) « 国基研ろんだん 国基研ろんだん « 公益財団法人 国家基本問題研究所近藤正規(国際基督教大学上級准教授)

 近年インドにおけるロシア製の武器の比率は減少傾向にあるとはいえ、いまでもインドの兵器のハードウエアの68%はロシア製(旧ソ連製)

 というしがらみによって安保理でも国連総会でもロシア非難決議について棄権したインドです。
 勿論、棄権を「インドがロシアのようなパキスタンとの戦争を考えてる」と見なすのは適切ではない。
 そしてこうした「インドとロシアの親密な関係」を考えれば岸田がモディ首相と一回会ったくらいでは「インドのロシアへの態度が変わらない」のも当然です。インドの態度を本当に変えたいならそれなりの戦略による地道な働きかけが必要です。

 1962年の中印紛争は、キューバ危機で米国の目が離れた隙を毛沢東がついたものである。ロシアのウクライナ侵攻に触発された中国が、インドに侵攻する可能性がないと誰が言えようか。

 馬鹿馬鹿しい。政治状況が大きく違うのでそういうことはないでしょう。


【第900回】「真珠湾」の誤解は日本が解くしかない « 今週の直言 « 公益財団法人 国家基本問題研究所グレンコ・アンドリー
 誤解でも何でもないものを「誤解」と強弁するウヨ芸人グレンコ・アンドリーには心底呆れます。


【産経抄】3月26日 - 産経ニュース

 ウクライナのゼレンスキー大統領の23日のオンライン国会演説で、一つ気になったことがあった。大統領は妻、オレーナさんが目の不自由な子供のために書籍を朗読して録音するプロジェクトに参加し、日本の昔話を読んだことを紹介していた。ところが、どんな作品かは語らなかった点である。
▼答えはすぐに見つかった。ウクライナの国営通信社「ウクルインフォルム」がSNSで演説の仮訳を掲載し、昔話は『桃太郎』と『二ひきの蛙(かえる)』だと明かしていた。
『桃太郎』は、日本人なら誰でも知っている。
▼一方、浅学で『二ひきの蛙』は知らなかったため調べると、作者は代表作『ごん狐』を世に残した児童文学作家で、昭和18年に29歳で早逝した新美南吉だった。体色の異なる2匹のカエルのケンカと仲直りを通して、争いのむなしさを説く内容である。
▼暴れ回る鬼を子分とともに倒す昔話と、いさかいの不毛を表現した童話。ロシアの侵略に苦しむウクライナ情勢を暗示するかのようだが、偶然だろうか(ボーガス注:「いや偶然ではない」という反語)。
▼「大統領の国を守る気概、国を思う気持ちを改めて感じた。大変素晴らしいスピーチだった」。
 林芳正外相は演説後に述べたが、その言葉を態度が裏切っていた。テレビ中継に映る林氏は演説中、眠たげに目をつむってあくびをしているように見え、前に投げ出した足もだらしなかった。
▼『二ひきの蛙』はこう締めくくられている。
「よくねむったあとでは、人間でも蛙でも、きげんがよくなるものであります」。
 睡眠の確保も外相の激務を果たすために大切だとしても、あの場面ではありえない。

 今回は『二ひきの蛙紹介』と『産経の林外相への悪口紹介』のために長くなりますがほぼ全文引用しました。
 「二ひきの蛙(青空文庫新美南吉 二ひきの蛙参照)」は確かに有名作品とは言いがたいでしょう。これを機にミーハーな日本人が「二ひきの蛙」を含む新美南吉童話を購入し出すかもしれませんが。
 以前も「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(12/11分:高世仁の巻)&北朝鮮最新ニュースその他色々(追記・訂正あり) - bogus-simotukareのブログ「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(12/23分:高世仁の巻)&北朝鮮最新ニュースその他色々(追記・訂正あり) - bogus-simotukareのブログでネタにしましたが、

村木厚子を支えた絵本|テレ東BIZ(テレビ東京ビジネスオンデマンド)
 「スミスの本棚」特別編、今回のゲストは7月2日に厚生労働省事務次官に就任した村木厚子さんです。キャリア官僚としては16年ぶりの女性トップに就いた村木さんは、実は本が大好きだといいます。
 そんな村木さんが薦める一冊は、「花さき山」(斎藤隆介作、滝平二郎絵、岩崎書店)という絵本です。

村木厚子さんを支えた、2冊の本とは。【NHK/あさイチ】 – すいすいノート
 1月18日(金)のNHKあさイチ
 プレミアムトークに、村木厚子さんがゲストとして出演していました。
 無実の罪で、約5ヶ月も勾留されるという体験をした村木さん。
 数々のエピソードはどれも胸を打つ内容でしたが、中でも印象的だったのは拘置所の中で読んだ本の話。
 勾留中の村木さんを支えてくれたという、2冊の本を紹介します。「花さき山」「一日一生」です。

『花さき山』刊行50周年記念パネル展、全国で順次開催! - 株式会社岩崎書店 このサイトは、子どもの本の岩崎書店のサイトです。
 NHKの「あさイチ」で、勾留中の村木厚子さんを支えた絵本として紹介され、話題になった絵本『花さき山』。

ということで村木厚子氏が好きな作品といった童話『花さき山』(斎藤隆介)も一時かなり売れたそうですし。
 それはともかく林外相への悪口は本当は

【第857回】林外相の「お友達外交」を危ぶむ « 今週の直言 « 公益財団法人 国家基本問題研究所
 林芳正外相は就任時に辞任した日中友好議員連盟会長の意識が抜けないのか。中国の王毅外相から訪中招請を受けたことを自ら明かした。来年2月の北京冬季五輪開会式出席に対する外交的ボイコットが、国際社会で焦点となっている最中にもかかわらずだ。

などと同様に「中国に対して弱腰だ」つうのが理由でしょうね。

【追記】
【産経抄】4月2日 - 産経ニュース

 3月26日の小欄でウクライナのゼレンスキー大統領の妻が読んだと書いた『二ひきの蛙(かえる)』は、『京のカエル大阪のカエル』の間違いでした。訂正します。

 おいおいですね。

【産経抄】3月26日 - 産経ニュース
大統領は妻、オレーナさんが目の不自由な子供のために書籍を朗読して録音するプロジェクトに参加し、日本の昔話を読んだことを紹介していた。ところが、どんな作品かは語らなかった点である。
▼答えはすぐに見つかった。ウクライナの国営通信社「ウクルインフォルム」がSNSで演説の仮訳を掲載し、昔話は『桃太郎』と『二ひきの蛙(かえる)』だと明かしていた。

というのは一体何だったのか。「ウクルインフォルム」云々という話は「ネット上の噂」にすぎず、産経が確認したわけではないと言うことなのか。さすが「江沢民死去(現在も生存)」「ミンダナオ島日本兵発見」とデマ記事常習だけのことはある。
 何故間違ったのか、まともな説明をしない辺りが産経らしいデタラメさです。