【最初に追記】
死人に口なしとはこのことだ(こんなことに黒澤明や中村哲を持ち出すな(呆れ)) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)でこの拙記事を紹介頂きました。いつもありがとうございます。
【追記終わり】
【産経抄】8月29日 - 産経ニュース
「夢」は、「七人の侍」「生きる」など数々の傑作を撮った黒澤明監督が晩年、スティーブン・スピルバーグの支援*1を得て世に送り出した佳品である。(ボーガス注:第1話「日照り雨」、第2話「桃畑」、第3話「雪あらし」、第4話「トンネル」、第5話「鴉(からす)」、第6話「赤冨士」、第7話「鬼哭」、第8話「水車のある村」の8話のオムニバス構成だが)「水車のある村」は、夢に出てくるほど美しい。
▼主人公(寺尾聡*2)が、清らかな川が流れる村を通りかかると、さんざめきが聞こえてくる。寺尾が「今日はお祭りなんですか」と村の長老(笠智衆)に尋ねると、葬列だという。笠はこう語る。
「よく生きて、よく働いて、ご苦労さんと言われて、死ぬのはめでたい」。
二人は老いも若きも楽しげに笛を吹いたり、踊ったりしている葬列に加わる。
で「落ちの引用」は省略しますがこの書き出しから「葬儀つながり」というこじつけで
「野党など安倍批判派は、安倍元首相に何故よく生きて、よく働いて、ご苦労さんと言ってその死去を見送れないのか!」「国葬は当然だ!」「国葬反対派は元首相に無礼だ!」。
と言う内容の落ちにするのだから唖然です。会員登録してないと最後まで読めませんが、こんな落ちを普通の人は予想しないでしょう。
勿論「モリカケ桜疑惑」「レイプもみ消し疑惑」「河井夫婦の公選法違反(1億5千万もの前例のない巨額の選挙資金を投入した安倍も犯行を事前に知っていた可能性が大)」「統一教会疑惑」など不祥事まみれの安倍のどこが「よく生きて、よく働いて、ご苦労さん」なのか、産経はふざけるな、そもそもそんなことと国葬の是非と関係ない、その理屈なら元首相が死んだら今後は全て国葬にするのか?(過去の「元首相国葬」は吉田茂だけで、それについても批判がありました)」、まさか安倍だけが首相として*3「よく生きて、よく働いて、ご苦労さん」なのか?、「安倍元首相はよく生きて、よく働いて、ご苦労さん」と思う自民党で、自民党葬にしろよ、ですがそれ以前に「黒澤の映画」を持ち出す必然性がどこにもない。黒澤に対して失礼です。
産経社内には「書き出しから意外な展開にする方が面白い」とかいう変な風潮でもあるのか。
【施光恒の一筆両断】「愛子天皇」待望論の危うさ - 産経ニュース
いつもながら「何故ここまで女性天皇を嫌うのか?」と首をひねります。
維新・馬場代表、来春の統一選で「600議席未満なら辞任」 - 産経ニュース
アンチ維新としては「ならば600議席未満で辞任してもらおう」ですね。自公や国民民主が増えても嫌なので立民、共産、社民、れいわに奮起を期待したい。
自民、2つの議員グループが安倍氏を「永久顧問」に 路線継承 - 産経ニュース
いかに元首相とはいえ、そして右翼系議連とは言え、「統一教会との癒着」で恨まれて殺されるような人間を「永久顧問」にするのかと心底呆れます。
共産は国葬欠席へ「今の形では出席できない」 - 産経ニュース
国葬反対である以上当然の話です。但し、過去の「自民党元首相」のように「内閣・自民党合同葬」であれば「話は別である(現時点で出席するとは言えないが出席を検討する)」ようです。
浜田防衛相「戦後最大の試練の時」防衛力抜本的強化へ決意 - 産経ニュース
どこの国が日本に侵攻するのかと心底呆れます。ロシアのウクライナ侵攻は日本と全く関係ない。ウクライナ戦争で苦戦するロシアが日本に侵攻するわけもない。中台紛争にしても「台湾への侵攻(台湾が独立宣言しない限りその可能性自体が低いですが)」は当然に「日本への侵攻」を意味するわけではない。北朝鮮に至っては日本侵攻の意思どころか能力すらないでしょう。戦争は酔っ払いの喧嘩と違い「戦争目的のために勝たなければいけない」わけですが、「世界有数の軍事力である自衛隊&在日米軍」がある日本相手に軍事小国・北朝鮮が戦争して勝てるわけがないし、そもそも「日本相手の戦争目的」は一体何なのか?。朝鮮戦争の時だって日本攻撃なんかしてないわけです。
ウクライナ戦争ですべき事は「日本の軍拡」ではなく、「どうやって戦争を早く終わらせるか(勿論、可能な限りロシア軍をウクライナから撤退させた*4上で)」でしょう。それは日本の軍拡と全く関係ない。まさか、岸田政権も自衛隊をウクライナ戦争に投入するとは言わないでしょう(現時点ではNATO軍も投入されていない)。
中台紛争にしても「外交での平和的解決」を目指すべきであり、日本が軍拡することはかえって「中国の軍拡を助長し」、中台関係を緊張させ軍事衝突の危険性を高めるだけでしょう。馬英九前政権時代は今のような対立状態ではなく、問題は「反中国による人気取り」なのか、本気で独立を目指してるのかはともかく、中国との対立をいたずらに深める蔡英文政権にあります。
愛知、全数把握を継続へ 報告項目を簡略化 - 産経ニュース
「全数把握を辞める→感染者の把握漏れが生まれる」の危険性を考えた上で「負担軽減は必要」となればこうした方向になるでしょう。この方が全数把握中止より適切ではないか。
*1:前作『乱』(1985年)が興行的に失敗したため、本作品も国内での資金調達は難航した。1986年10月に『太陽の帝国』のキャスティングで来日したスティーヴン・スピルバーグは黒澤と会談し、そこで本作品の資金についての話題が上がり、スピルバーグは製作協力を約束した(夢 (映画) - Wikipedia参照)。
*2:黒澤映画では他に『乱』(1985年)、『まあだだよ』(1993年)に出演。また黒澤脚本の映画化である『雨あがる』(黒澤が生前映画化を目指していたが実現できず、死後の2000年に映画化。寺尾はこの映画で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞)に出演(寺尾聰 - Wikipedia参照)
*3:あえて言えば存命の元首相では例えば「訪朝で拉致被害者を取り戻した小泉氏」の方がよほど安倍より国葬に値するでしょう(「あえて言えば」であり小泉氏を国葬にして欲しいわけではない)。
*4:とはいえ今のウクライナの軍事力ではよほど、NATOがてこ入れしない限り「全土から撤退」など残念ながらとても無理でしょう。「長期的には全面撤退」を目指しながら短期では停戦という方向しかないのではないか。