新刊紹介:「前衛」2022年12月号(ボーガス注:長井彬『原子炉の蟹』の一部ネタばらしがあります)

 「前衛」12月号について「興味のある内容」のうち「俺なりに何とか紹介できそうな内容」だけ簡単に触れています。「俺の無能」のため「赤旗記事の紹介」でお茶を濁してる部分が多いです。
特集「原発依存から脱却し、原発ゼロ・再生可能エネルギーの道に」
原発の新増設への方針転換は許されない(藤野保史*1
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
主張/原発新増設の検討/国民に一層の危険 許されない2022.8.26
主張/原子力規制委員会/原発推進に迎合してはならぬ2022.10.3
岸田政権が踏み込んだ原発回帰/新増設・運転延長を批判/参院予算委で岩渕友議員2022.10.25
原発運転期間 停止中除く/60年超へ経産省案 「上限無し」も/委員「福島の教訓放棄」2022.11.9


◆事故・問題続きの新潟・柏崎刈羽原発 東電に原発を動かす能力・資格があるのか(立石雅昭*2
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
柏崎刈羽 原発運転の資格なし/設置許可取り消しへ署名提出/規制委に「会」 武田議員参加2022.4.24

主張/柏崎刈羽と東電/原発扱う資格がないのは明白2021.3.30
 東京電力柏崎刈羽原発新潟県)で、他人のIDカードを使った中央制御室への不正入室や、侵入検知設備の長期故障など、原発の安全と核セキュリティーを損なう深刻な事件が相次ぎ、大問題になっています。

 この不正侵入については長井彬*3『原子炉の蟹』(日本推理作家協会編、長井彬 、高橋克彦著『江戸川乱歩賞全集(13):原子炉の蟹/写楽殺人事件』(2002年、講談社文庫)収録)を思い出しました。
 「うろ覚えですが」原子炉内で殺人事件が起こり、「IDカードの記録による、入室した人間」には被害者に対する殺害動機が見当たらないので警察が悩むところ「実はIDカードの不正使用で別人が入室することが以前から常態化していた(犯人も不正入室したので捜査線に浮上しなかったし、以前から常態化していたので、不正入室に加担した人間も犯人の犯行に気づかなかった)」というやや「ずっこけるトリック(?)」でした。何が言いたいかと言えば「不正入室自体は恐らく昔からあった」ということです。
 長井小説については

『新装版 原子炉の蟹』(2011年、講談社文庫)のアマゾンレビュー
◆涼風のジュンコ
 帯の宣伝文句は「今だからわかる、この小説の凄さが」
 この本の初版が1981年、最初の文庫化が1984年。火曜サスペンス劇場枠でのTVドラマ化が1987年(私が原作を初めて読んだのは、このドラマを見た後)。この謳い文句にウソはなかった。
 東海村での臨界事故や双葉町で起きた原発事故と、この本を改めて重ね合わせてみて、電力会社の隠蔽体質や現場で作業に当たる下請け労働者の苛酷さが、40年近く経ってもまったく変わっていないことに驚かされた。

原子炉の蟹、長井彬、を読む | そのたびごとにただ一つ、世界のはじまり~瀧本往人のブログ2012.3.20
 正直言って使用されているトリックなどは、それほど驚くものではないけれども、原発内部における労働者の実態を描いているという点で、突出した作品であることは疑いない。堀江邦夫の『原発ジプシー*4』が1979年に刊行されているので、自らの新聞社での経験と、こういった本の情報をもとに、内部を描いているのではないか、と推測される。

長井彬『原子炉の蟹』 - インドアかミステリか本2017.6.25
 「本格ミステリ」としてはやや難あり。
 「密室」、「見立て殺人」、「アリバイ」といった本格ミステリの王道を行く謎こそそろっていますが、事件の真相が「犯人自身の告白」によって明かされているのが残念。
 とは言え、全くダメと言うわけでもなく、「見立て殺人」の理由は意外なものですし、「密室殺人」のトリックも地味ながら盲点を突いたもので好感が持てます。
 そして何より、要所要所に「犯人視点」や「被害者視点」を挟むことで作品に緊張感を与えていたり、複雑複数の登場人物をさほど混乱することもなく描き分けていたりと、作品構成自体は破綻もなく良くできています。
 最後に総評。
 「本格」ミステリとして読むと幾つか難点はありますが、「原子炉」という社会派要素と「密室・見立て殺人」という探偵小説要素の扱いは巧妙。広義のミステリ、ないしは小説として、まずまず楽しめる作品に仕上がっています。
 「原子炉」を扱った最初期のミステリとして、読んで損はない一冊です。

ミステリ感想-『原子炉の蟹』長井彬 - 小金沢ライブラリー2018.1.9
 長らく絶版となっていたが3.11を機に、事故から8ヶ月後に新装版が出された一作。
 見どころはやはり原発の話題で、舞台は架空の原発ながら3.11で明らかになった事実から鑑みて、1981年当時から一歩たりとも改善されていない現場作業員の労苦や、杜撰な管理体制と隠蔽体質には呆れるばかり。
 ミステリ的には取り立てておすすめできる要素が無いので、原発の話題に興味がある向きにだけ、ごくごく控えめに推薦したい。

を紹介しておきます。


◆福井・老朽原発(美浜3号、高浜1、2号)の危険に高まる住民の不安:再稼働を許さない運動(林広員*5
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
美浜3号機 再稼働強行/地元 厳しく抗議 福井2022.8.31


◆鹿児島・老朽した川内原発の運転延長反対の声にこたえて運動(井上勝博*6
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
老朽川内原発 延長するな/鹿児島・薩摩川内 市民ら集会とデモ2022.8.22
川内原発 延長するな/市民ら「九電は申請撤回を」2022.10.15


◆「安倍政治」「2012年体制」の終わりのはじまりと市民と野党の共同(中野晃一*7
(内容紹介)
 「安倍暗殺→統一協会問題の噴出」で確かに「安倍政治」は「終わりの始まり(勿論、統一協会についても解散命令や救済法が現実化するまで油断は禁物ですが)」なのでしょうが「中野氏も指摘しています」が、問題は

憲法改定に関する立民・泉代表発言を受けて/共闘の発展願う立場から表明/小池書記局長が会見2022.10.25
昨年総選挙の消費税公約否定/枝野氏発言は不誠実/小池氏批判2022.11.8

が指摘するように「枝野の『減税公約、間違いだった』発言」「維新にすり寄る泉執行部」など「立民の不誠実な態度」で「野党共闘が危機的な状況」にあることでしょう。この点をどう打開するかが当面の課題ではあります。
 なお、共闘の再構築へ国民のたたかいの発展を/市民連合の政策要請に志位委員長/要請は立民・社民にも(2022.10.12)等も報じていますが、中野氏もメンバーである市民連合は「12項目」を野党共闘の共通公約として欲しい旨申し入れています。12項目は要約すると以下の通りです。

【1】統一協会疑惑の追及と被害者救済
【2】モリカケ桜疑惑、五輪疑惑など政治疑惑の追及
【3】物価高騰対策、最低賃金引き上げなど経済弱者への支援
【4】貧困と格差を作り出す新自由主義路線の是正
【5】中台問題、朝鮮半島問題において軍事路線ではなく平和外交の立場を取ること
【6】軍事費GDP2%、敵基地攻撃能力保有などの岸田政権軍拡路線への批判
【7】沖縄辺野古基地移転への反対
【8】九条改憲への反対
【9】ジェンダー平等の取組
【10】温暖化対策(気候変動対策)の強化
【11】原発新増設、原発再稼働、原発稼働期間延長など原発推進路線の是正
【12】ロシアによるウクライナ侵略や核恫喝を批判するとともに、「核恫喝」を口実とした日本核武装論に反対し、日本の核兵器禁止条約批准など核軍縮の方向で動くこと


◆安倍元首相の「国葬」をテレビはどう報じたか(藤沢忠明*8
◆メディア時評(テレビ)「「国葬」とテレビの関係」(沢木啓三)
(内容紹介)
 赤旗等の記事紹介で代替。

【安倍氏国葬問題】共同通信政治部の名物記者が「社長の参列」痛烈批判メールを社内に送信していた(NEWSポストセブン) - Yahoo!ニュース2022.10.28
 新聞系では毎日新聞、読売新聞、産経新聞日経新聞共同通信時事通信は会長や社長らが参列し、テレビはNHKをはじめ、ワイドショーなどで連日国葬問題を報じていた日本テレビテレビ朝日、TBS、フジテレビ、テレビ東京という民放キー局5社は経営トップが揃って参列した。大手メディアで欠席したのは朝日新聞東京新聞くらいだ。
 その“事件”が起きたのは国葬の1週間後、臨時国会が召集された10月3日だった。新聞・テレビをはじめ多くの報道機関に記事を配信する大手通信社・共同通信社の政治部記者A氏が実名で、政治部全員が参加するメーリングリストに、同社の水谷亨・社長の国葬参列に抗議する内容のメールを送ったのだ。
共同通信社社長の国葬対応に関する私の所感」という表題がつけられたA氏のメールはこう始まる。
〈見て見ぬふりはできない 社長国葬参列に反対 臨時国会召集日に考える〉

「国葬」一色報道 TV異常(藤沢忠明)2022.9.28
 問題だと思ったのは、中継にはさむ識者らのコメントの大半が、アベノミクス、安保法制、特定秘密保護法、外交など安倍政治を礼賛する内容だったことです。「国葬」とは何かという基本的な押さえや、憲法違反だという指摘はほとんど見られませんでした。
 とはいえ、テレビ朝日が「どうなる統一協会との関係」として、「政府・自民党が関係を絶つことができるのだろうか」と疑問を投げかけたり、日本テレビが「検証・歴代最長の弊害」として、PCR検査を増やさなかった新型コロナ対策、森友学園桜を見る会疑惑、給与が上がらなかったアベノミクスなどをあげていました。
 これらは世論の反映でもあります。


統一協会の解散請求をなぜ求めるのか(川井康雄*9
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
解散請求 根拠は十分/統一協会問題 対策弁連 政府ただす2022.10,14
解散命令請求決断を/統一協会問題 小池氏が主張2022.10.18
ただちに解散請求を/穀田国対委員長が会見2022.10.20
「解散請求 速やかに」/統一協会問題 野党ヒアリングで前川氏2022.10.26
解散請求ただちに/組織・悪質・継続性明らか/本村議員2022.10.27


自民党統一協会の癒着:統一協会の教義が示す反社会的カルト集団の本質(上)(小松公生*10
(内容紹介)
 赤旗等の記事紹介で代替。
旧統一教会側、自民議員に「政策協定」 数十人規模か 応じた議員も [自民]:朝日新聞デジタル2022.10.20
旧統一教会の関連団体 自民党議員と「推薦確認書」取り交わす | NHK | 旧統一教会2022.10.20
赤旗
自民と統一協会 組織的関与は明白/党として責任ある調査を/安倍氏との関係 解明必要2022.9.10
主張/自民党と統一協会/癒着の解明幕引き許されない2022.9.10
自民と統一協会の癒着/「点検」漏れ底無し2022.9.22
主張/統一協会と自民党/癒着関係にフタは許されない2022.10.20
徹底追及 統一協会/同性婚反対 憲法改定 自民議員と“政策協定”/幹部「推薦確認書」認める/選挙応援の条件2022.10.21
徹底追及 統一協会/山際担当相、韓総裁と集合写真/19年 自民議員ら7氏 “広告塔”に2022.10.22
動かぬ証拠で山際氏追いつめる/日曜版スクープの力/自民と統一協会の癒着に切り込む2022.10.28
開祖と安倍氏の関係 自民党は徹底調査を/統一協会 小池書記局長が要求2022.11.8


市田忠義*11著『日本共産党の規約と党建設教室*12』のすすめ(中井作太郎*13
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

市田忠義著『日本共産党の 規約と党建設 教室』発刊によせて/書記局次長 田中悠2022.10.26
 党の世代的継承という緊急で切実な課題にどうとりくむか。「若い人との接点がない」「党に迎えても育てられない」という悩みをどう打開していけばいいのか。
 「『集い』を開くと、党機関が『何人集まったか、何人決意したか』と数しか聞かないとか、…内容も聞かずに話を終えてしまうのではだめだ」と、党員拡大の系統的努力の過程に光をあてる重要性も、心に染みるものでした。

 勿論そうした問題点にどれほど市田著書が応えているかは大いに議論すべきでしょうが、大事なことは「一部の反共分子(例:右の産経、左(?)のリベラル21)」が誹謗するほど日本共産党は「無謬論などではないこと」がこの一文だけでも理解できるでしょう。


◆鼎談『この国は原発事故からどのように教訓を学んだのか(下):最高裁判決、岸田原発新増設発言から考える』(大島堅一*14龍谷大学教授)、馬奈木厳太郎(弁護士・生業訴訟弁護団事務局長)、吉田千亜*15フリーライター))
(内容紹介)
 新刊紹介:「前衛」2022年11月号(副題:改めて『統一協会と癒着した安倍』と『そんな安倍を礼賛し続けた横田早紀江』へに怒りを覚える) - bogus-simotukareのブログで紹介した(上)の続きです。
 国と福島県が進める「福島イノベーションコースト構想」について

復興庁設置法等改定案 高橋議員の質問(要旨)/衆院本会議2020.5.17
 法案では「福島イノベーション・コースト構想推進機構」に国の職員を派遣できるとし、税制特例も設けます。同構想を県民の8割以上が知りません。国、県合わせて3200億円もの税金が投入される呼び込み型の巨大開発が県民にどう還元されるのか。

という高橋質問と同様の批判(トップダウンボトムアップではないため、県民の多くが知らない)がされています。


◆フェミ科研費裁判 歴史修正主義、「学問の自由」への介入を許さない判断を:控訴審で正してほしいこと(牟田和恵*16
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
フェミ科研費裁判 歴史修正主義に迎合の不当判決/支援者「全部棄却信じられぬ」/京都地裁2022.5.26
科研費介入許さない/裁判支援の会が講演会2022.9.20
研究者生命奪う暴言許さぬ/大阪フェミ科研費裁判 控訴審始まる・・・☆彡きょうの「赤旗」から - (新版)お魚と山と琵琶湖オオナマズの日々2022.10.8


昭和天皇の戦争認識(Ⅱ):『昭和天皇拝謁記』(1951―52)の検証(山田朗*17
(内容紹介)
 新刊紹介:「前衛」2022年5月号その2(副題:昭和天皇のクズさに改めて呆れる) - bogus-simotukareのブログで紹介した◆昭和天皇の戦争認識:『昭和天皇拝謁記』(1949-1950)の検証(山田朗)(月刊前衛2022年5月号収録)の続編です。
 タイトルで分かるように「前回が1949~1950年」に触れたのに対し、今回は「1951~1952年」に触れています。

改憲「侵略者がある以上軍隊はやむを得ず」沖縄米軍基地も「犠牲はやむを得ぬ」|LITERA/リテラ2019.8.24
 1951年3月には「侵略者のない世の中になれば武備は入らぬが、侵略者が人間社会にある以上、軍隊は不得已(やむをえず)必要だといふ事は残念ながら道理がある」と発言し、田島から「その通りでありまするが憲法の手前そんな事はいえませぬし、最近の戦争で日本が侵略者といわれた計りの事ではあり、それは禁句であります」と諌められている。

昭和天皇「拝謁記」公開/戦争責任 国民的議論を2019.8.22
 昭和天皇がたびたび改憲再軍備に言及し、「吉田ニハ再軍備の事ハ憲法を改正するべきだといふ事を質問するやうにでもいはん方がいゝだらうネー」(1952年2月18日)などと述べ、田島氏から「憲法の手前そんな事ハいへませぬ」などといさめられたことも記録されています。
 天皇の地位が戦前の「統治権の総攬(そうらん)者」から新憲法の下で「象徴」へと変わり、「国政に関する権能を有しない」ことになったことを昭和天皇が理解せず、戦前の元首意識を多分に残していたことをうかがわせる内容です。

 ということで1951年時点においても昭和天皇が自らが象徴になったことに気づかないのか、あえて無視してるのか「国家元首気取りであること」がわかります。
 さすが「1971年時点で佐藤首相に国連代表権問題で『台湾支持』を表明するだけ」のことはあります(昭和天皇というのも、時代錯誤な人だ - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)参照)。
 

ジェンダー覚書『女性の妊娠・出産・中絶の自己決定権の保障を』(長内史子)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
刑法堕胎罪廃止求める/憲法と相いれず/参院委で山添氏2022.3.17
主張/「安全な中絶」の日/女性の自己決定権の保障こそ2022.9.26
安全な中絶 切実/国際デー イベント/女性の人権守る法制度を/母体保護法見直し・堕胎罪廃止求める2022.9.30


◆論点『教育研究の劣化招く大学設置基準の改定』(土井誠*18
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
主張/大学設置基準改定/教育研究の劣化は許されない2022.9.30
自治脅かし教育・研究の質低下 日本私大教連書記長:山賀徹さんに聞く/改定大学設置基準 きょう実施・・・☆彡きょうの「赤旗」から - (新版)お魚と山と琵琶湖オオナマズの日々2022.10.1


◆暮らしの焦点『若者の投資・副業詐欺被害と被害予防について』(長田淳)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。
FX投資詐欺、アプリで巧妙化 若者・働き盛りの被害拡大: 日本経済新聞2022.6.29

「誰でも稼げる」若者勧誘、LINEで口コミ装う「副業マニュアル」…悪質販売でトラブル増:地域ニュース : 読売新聞オンライン2022.8.16
 消費者トラブルに詳しい岡田崇弁護士(大阪弁護士会)は「具体的な仕事内容を一切明らかにせず、副業のためのマニュアルを売りつけようとする業者には注意が必要だ。特にコロナ禍や副業など時流を捉えた『もうけ話』には一歩立ち止まり、周囲に相談してほしい」としている。

暗号資産投資トラブル 命を絶った22歳の女性 被害どう防ぐ 相談窓口は|NHK事件記者取材note2022.8.25
詐欺というのは、現在から過去へ逆算していけば、だれも引っかからない(が、その場での判断を余儀なくされるのが厳しい)(追記あり) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2022.9.9
投資詐欺被害に悩み娘自殺 母親が勧誘者ら3人を提訴 「悪質さ知ってほしい」:東京新聞 TOKYO Web2022.11.3
 この話も今回、前衛が取り上げてる「投資詐欺」の一種ですね。とにかく「自殺だけは絶対にしてはいけない」と声を大にして言いたいですね。


アムウェイは、長野オリンピックにおける「ゴールドスポンサー」だった(さすがにマルチ商法の会社がスポンサーじゃまずいでしょ) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2022.10.16
アムウェイの問題点なんて、30年も前からまるでかわっていない(前に紹介した詐欺に引っかかった女の子のケースにも類似する) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2022.10.20
 今回、前衛が取り上げてる副業詐欺は「アムウェイとはまた別」なのですが、アムウェイ(あるいは山口元会長についに懲役8年の実刑判決が下り壊滅状態になったジャパンライフ)も「悪名高い&長い伝統のある副業詐欺」と言っていいでしょう。今回の行政処分それなら旧統一協会のほうがずっとひどいじゃん(日本アムウェイへの行政処分について思うこと) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)参照)を景気に、アムウェイは「ジャパンライフのように」完全に撲滅されて欲しい。


文化の話題
◆美術『「表現の自由」は生きているか:国際芸術祭「あいち2022」』(武居利史)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

「あいち2022」速報レポート【常滑】。ダンジョンのような街をさまよい歩き、土と海の歴史に触れる|Tokyo Art Beat2022.7.30
 ティエリー・ウッス(ベナン共和国)が、綿花栽培をテーマとするインスタレーションを展示している。彼が生まれたベナンはアフリカ最大の綿花生産国だが、愛知県もまた綿花栽培や綿産業の歴史を持った土地。そういったつながりから生まれた作品は、未来に向けた貧困削減、SDGsの真摯な可能性を提示している。

国際芸術祭「あいち2022」 「今を生き抜く力」問う: 日本経済新聞編集委員・窪田直子)2022.8.13
 ベルリン在住の塩田千春は、織物で知られる一宮市の旧織物工場に新作「糸をたどって」を制作。
 オーストラリア・ウーメラ出身のイワニ・スケースの「オーフォード・ネス」は、約1000個のガラスをつり下げたインスタレーション。先住民アボリジニの祖父母を持ち、1950年代に彼らの土地で英国が核実験を繰り返した歴史に着目した。ガラスのオブジェは主食タロイモをかたどった。
 イランに生まれ、オーストラリアで活動するホダー・アフシャールの映像作品「リメイン」は衝撃的だ。かつて南太平洋のマヌス島には、豪州への受け入れを拒否された難民が送られる収容所があった。国籍も希望も奪われて、看守や住民に虐げられ、絶望して命を絶つ者もいた。息をのむほど美しい海や森を背景に、地獄絵図の日常が淡々と語られる。
 前回の芸術祭*19では、企画の一つ「表現の不自由展・その後」への抗議の電話などが事務局や県庁に殺到、テロ予告まで受け、展示が一時中止される事態となった。
 県内企業を行脚した組織委員会会長の大林剛郎・大林組*20会長は「正直、ネガティブな意見も聞いた」と明かした。前回、抗議の電話は協賛企業の一部にも及んだからだ。
 しかし、真摯に細やかな対応をつづける関係者らに接して思った。多様な声をすくい取り、世界を豊かにするアートの力は「まだ生きている」。それこそ「あいち2022」のメッセージなのだ。

 組織委員会会長が「大手ゼネコン・大林組会長」であることには「そうしないと協賛金が集まりづらいのか」「過激な(?)企画を封じるための行為か」等の複雑な思いも感じますが、むしろ「組織委員会会長を大林組が引き受けたこと」に感謝すべきかもしれない。

国際芸術祭「あいち2022」閉幕 名称一新、入場は減 /愛知 | 毎日新聞2020.10.13
 荒川修作*21河原温*22、岸本清子*23といった愛知出身の物故作家に焦点を当てたのが特色の一つだった。

(吉川トリコのダイヤモンドの味)大好きギャルマインド:朝日新聞デジタル2022.10.27
 地元で開催されていた芸術祭「あいち2022」が十月十日をもって終了した。すべての展示を観(み)たわけではないが、個人的MIP(最重要人物)はオーストラリアの先住民族であるケイリーン・ウイスキーだ。


◆写真『烏谷俊江写真集「伊勢 風の里 カラスの写真日記」』(関次男)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

カラス目線の「ひと言」も 伊勢の烏谷さん、身近な景色撮った写真集を出版:中日新聞Web2022.8.23
 二〇一五年に伊勢市に移住した同市黒瀬町のアマチュア写真家烏谷俊江さん(53)が、自宅周辺の人物や風景など何げない景色を切り取った写真集「伊勢 風の里 カラスの写真日記」を出版した。
 烏谷さんが主に写真を撮るのは、自宅から勤務する職場までの約八百メートルの道のり。満開の桜を背景にした顔見知りのお年寄りの顔、ダイコンの葉を食べる近所の人が飼うヤギ、田んぼの中でこちらを警戒するようなカラスなど、普段持ち歩いているコンパクトデジタルカメラで撮影し、八十四枚を写真集に収めた。


◆映画『被爆者の声をうけつぐ映画祭』(伴毅)
(内容紹介)
 「被爆者の声をうけつぐ映画祭2022」の紹介。
 10/8(土)、10/9(日)に「被爆者の声をうけつぐ映画祭2022」が開催されます | 武蔵大学戦争や核兵器描いた映画を集め、武蔵大江古田キャンパスで上映会 8、9日 目玉は「スターリンへの贈り物」:東京新聞 TOKYO Web(2022.10.7)
によれば

◆アニメーション『まっ黒なおべんとう』
 1989年8月1日に新日本出版社から発行された児玉辰春作、長澤靖絵の低学年向け絵本作品。1990年にアニメ映画化され、出崎哲が監督を務めた(まっ黒なおべんとう - Wikipedia参照)。
人形アニメーション『おこりじぞう』
◆劇映画『せんせい』
 1983年公開。大澤豊*24監督、五十嵐めぐみ主演。長崎市山里小学校の山口竹子先生(享年32)をモデルに長崎県オールロケにより製作(せんせい (1983年の映画) - Wikipedia参照)。
 勿論(?)、小生にとって五十嵐めぐみと言えば
江戸川乱歩の美女シリーズ - Wikipedia天知茂版、1977~1985年まで25作)の「文代さん(1977年の第1作から1982年の第19作まで)」です。
◆ドキュメンタリー『原発故郷 3650日』
◆劇映画『太陽の子』
 これについては荒勝文策教授の暴言を思い出した - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)(2021.8.15)を紹介しておきます。
◆劇映画『スターリンへの贈り物』
 この映画は

旧ソ連での核実験描いた映画に初の日本語字幕:朝日新聞デジタル2022.2.22
 映画はカザフスタンの村を舞台に、強制移住の列車から脱出したユダヤ人少年が主人公だ。ソ連の子どもたちが、独裁者スターリンの70歳の誕生日に贈り物をしようと競う中、最大の「贈り物」は1949年に村の近くで行われたソ連初の核実験だった――という話が軸となっている。
 ソ連出身のイスラエル人作家ダビド・マルキシの体験をもとに2008年、カザフ人監督によりつくられた。

とのこと

が上映されたとのこと。

*1:衆院議員。共産党幹部会委員

*2:新潟大学名誉教授。著書『地震列島日本の原発』(2015年、リーダーズノート)

*3:1924~2002年。1979年に55歳で毎日新聞を定年退職(現在は60歳定年で、さらなる定年延長の可能性も出ていますが、今日の産経ニュース(2019年5月17日分)(松本清張「駅路」「一年半待て」のネタばらしがあります)(追記あり) - bogus-simotukareのブログでも触れましたが当時は55歳定年です)後、推理小説作家をめざし、1981年に原子力発電所の建設にまつわる疑惑をテーマとした「原子炉の蟹」で江戸川乱歩賞を受賞。当初は社会派推理小説、後に山岳推理小説を得意分野とする。毎日新聞時代の先輩に1973年にジュブナイル推理小説アルキメデスは手を汚さない』で江戸川乱歩賞を受賞した小峰元(1921~1994年)がいる(長井彬 - Wikipedia参照)。

*4:1979年に現代書館1984年に講談社文庫を経て、2011年に『原発労働記』に改題し、講談社文庫から復刊

*5:原発問題住民運動福井県連絡会事務局長

*6:薩摩川内市議(共産党

*7:上智大学教授。著書『戦後日本の国家保守主義』(2013年、岩波書店)、『右傾化する日本政治』(2015年、岩波新書)、『つながり、変える 私たちの立憲政治』(2016年、大月書店)、『私物化される国家』(2018年、角川新書)など

*8:著書『検証・政治とカネ』(2017年、本の泉社)

*9:全国弁連事務局長

*10:著書『原発にしがみつく人びとの群れ』(2012年、新日本出版社)、『政党助成金に群がる政治家たち』(2015年、新日本出版社

*11:共産党副委員長

*12:2022年、新日本出版社

*13:共産党選挙対策局長(党書記局筆頭次長、常任幹部会委員兼務)

*14:著書『原発のコスト』(2011年、岩波新書)、『原発はやっぱり割に合わない』(2012年、東洋経済新報社)など

*15:著書『ルポ母子避難:消されゆく原発事故被害者』(2016年、岩波新書)、『その後の福島:原発事故後を生きる人々』(2018年、人文書院)、『孤塁:双葉郡消防士たちの3.11』(2020年、岩波書店

*16:大阪大学名誉教授。著書『戦略としての家族:近代日本の国民国家形成と女性』(1996年、新曜社)、『実践するフェミニズム』(2001年、岩波書店)、『ジェンダー家族を超えて:近現代の生/性の政治とフェミニズム』(2006年、新曜社)、『部長、その恋愛はセクハラです!』(2013年、集英社新書)、『ここからセクハラ! アウトがわからない男、もう我慢しない女』(2018年、集英社

*17:明治大学教授。著書『昭和天皇の戦争指導』(1990年、昭和出版)、『大元帥昭和天皇』(1994年、新日本出版社→2020年、ちくま学芸文庫)、『軍備拡張の近代史:日本軍の膨張と崩壊』(1997年、吉川弘文館)、『歴史修正主義の克服』(2001年、高文研)、『護憲派のための軍事入門』(2005年、花伝社)、『世界史の中の日露戦争』(2009年、吉川弘文館)、『これだけは知っておきたい日露戦争の真実:日本陸海軍の〈成功〉と〈失敗〉』(2010年、高文研)、『日本は過去とどう向き合ってきたか』(2013年、高文研)、『近代日本軍事力の研究』(2015年、校倉書房)、『兵士たちの戦場』(2015年、岩波書店)、『昭和天皇の戦争:「昭和天皇実録」に残されたこと・消されたこと』(2017年、岩波書店)、『日本の戦争:歴史認識と戦争責任』(2017年、新日本出版社)、『日本の戦争Ⅱ:暴走の本質』(2018年、新日本出版社)、『日本の戦争III:天皇と戦争責任』(2019年、新日本出版社)、『帝銀事件と日本の秘密戦』(2020年、新日本出版社)など

*18:共産党学術・文化委員会事務局長(准中央委員兼務)

*19:少女像などを極右が敵視したあいちトリエンナーレ(2019年)のこと。なお、前衛記事に寄れば、大村知事の愛知県は今回も主催団体だが、「極右・河村市長」の名古屋市は撤退したとのこと。

*20:鹿島建設清水建設大成建設竹中工務店とともにスーパーゼネコン5社の一つ

*21:1936~2010年。愛知県名古屋市出身

*22:1932~2014年。愛知県刈谷市出身

*23:1939~1988年。愛知県名古屋市出身

*24:1935~2020年。左派として、葛飾ビラ配布弾圧事件の救援会である「ビラ配布の自由を守る会」世話人を務め、赤旗「共産党に期待します」 各界から著名67氏(2017.10.7)にも名を連ねている。代表作として憲法学者鈴木安蔵を描いた『日本の青空』(2007年)など(大澤豊 (映画監督) - Wikipedia参照)